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箱根火山性地すべり      の物理探査法に

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(1)

;リ」災干 ド!技術総合舳究報告 節8り 1966年3月

550.83:551,243(521.26一〕

箱根火山性地すべり

     の物理探査法に 米藤1蒔平・室

  地  貰  一凋 査. 所

地帯(大涌谷)

よる研究

仕正義・小 休  創 物理伏査部状.査.裸

 Adaptability of Geophysica1Exp1oration Met110ds for

  the St11dy of L311ds1ides in Vo1canic A1tered Areas

By Kihei Shib批o,M8s町08hi Mumzumi a皿d Hazime Kob町8s11i

      Gθ01・馳α1∫・〃ηψ1物・,T・妙・

       Abstract

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is examined at Owakudani,Hakone,during1964_1965.

Meth・d・…d…th・…f…i・ti・i・・,・…t・・・・・…1・・i・・ti㎝,・・di…ti・・。・dm。。。。ti。。。。1。。、・i㎝.

Res・1t・・fth・…i・・i・it・m・th・d…m・・t…f・1t・d・・・…h・・lt…d・・…,th。。。h。。m。。。。。ti。。。、、.

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 1.緒   言

 木研究は火山性地すべり地帯における物性をもとにし た岩体の構造・分布を明らかにすることを目的としたも ので,本物理探査法による現地研究は1964年10月〜11月 と1965年11月との2回にわたって行なった.

 研究の方法は,火山地帯の硬度的地下構造を表現する に最も適切と考えられる比抵抗法を主とし,あわせて土 壌岩石中の諸成分の分布に関係をもつことの多い白然電 位法を用いた.また,岩石の諸変質による磁性の変化を 研究するために広範囲にわたって磁気測定を行なった.

その他火山性噴気ガスによる岩石放射能強度の変動,断 層裂か等の存在の探知に役に立つことの多い放射能探査 を行なった.

2。物探測線の設定と地形,地質について

 箱根全般にわたる地形地質等の説明については,他の       一 3

担当老の報告書があるので略すこととし,ここでは特に 物理探査法による研究フf一ルドの位置とその内部の研 究測線の設置,ならびに地形,地質の物理探査の面から みた概説だけについてのべる.

 本研究フイールドは大涌谷噴気地帯の…・部から駒ケ冊 登山遣路を含めて・図一1のように,東西210m,南北 300mにわたるほぽ長方形状の区域で,西側より測線『イ,

口・ハ,二,へ,ト,チ』を30m問隔に設置し,各測 線は北測より『O,1,2,……29,30』と10m問隔に 測点を設けた.

 地形は・各測線のNo.15〜No.25問にみられる土壌 崩壌線から南側ではごく普通にみられる10度〜20度の傾 斜面をなし,山林となっているが,土壌崩壊線から北側 は,変質崩壊はなはだしく,ほとんど樹木もなく,10度

〜30度の傾斜をもつ南高北低の斜面で,そのなかに数個

(2)

火山性地すべりの発生機構および予知に関する研究(第2報その2)防災科学技術総合研究締第8号1966

図一1大涌谷地区地形ならびに物理探査測線図

        一4一

(3)

箱根火山性地すべり地帯(大涌谷)の物理探査法による研究一一一・柴藤・室住・小林 の沢と変質崩壊による部分的な地形の凹凸が不規則にあ

ってきわめて複雑な地形を呈している.

 地質は変質による各種の色をした土壌・粘土・岩石等 が分布し・複雑錯そうしている.また至るところに天然 の硫気ガス(100T〜200℃)が噴出し,噴気口には硫 黄の結晶がみられる.

 物理探査の測線設置範囲内の地質は割合厚い両輝石安 山岩と2層のうすい凝灰角礫岩の互層よりなる地帯で,

変質については凝灰角礫岩の方がはなはなだしく,両輝 石安山岩の方はその裂かにそって変質をうけている程度 である.この両岩帯の詳しい分布ならびに変質につい ては,藤井らの報告を参照されたい.

 3.比抵抗法による研究

 各種成分の高温ガスまたはその硫酸水等によって変質 をうけた岩石は,著しい粘土化作用をうけてきわめてや わらかい状態にあるので,その電気的な性質は著しく低 比低抗であると推定され,しかも岩石の硬軟の度合と比 抵抗とは,かなりの関係があると考られる.したがって この比抵抗分布を研究することは岩石硬度を表現する物 性構造にきわめて近いものと判断される.

 以上の理由によりフイールドに設けた各測線に沿っ

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て,比抵抗法による水平探査2極法(電極問隔(a)10m,

20m,40m)を3種類実施した.

 測定結果

 これらの測定結果は各々図一2,3,4に示す通りで,o

=10mの結果は(図一2参照)「ホー15」〜「ホL19」なら びに「トー11」〜「チー13」付近に200〜400Ωm程度の 高比抵抗部が生じており,しかもこれらは連続している.

一一方,50Ωm以下の低比抵抗部は,フイールドの北部か ら西部〜南部にかけて,前述の高比抵抗部をとりまいて 現われており,特に10Ωm以下のごく低い比抵抗部はフ イールドの北西部一体に広く分布している.0:20m の結果(図一3参照)は100Ωm〜400Ωm程度の高比抵 抗部がrホL19」を巾心とする区域だけに縮少して現わ れ,低比祇抗部は20Ωm以下が丁度α=10mの場合の100 Ωm以下の範囲に相当している.5Ωm以下はα二10mの 場合の5Ωmの場合とほぽ同じ範囲に相当していて,同 じような分布をホしながら全体的に低くなっていく傾向 を示している.α:40mの締果(図一4参照)は高比抵抗 部がますます東部に後退し,わずかに「ホL19」付近に 80〜1OOΩm程度の高比抵枕部が残るだけとなる.低比 孤抗部はα:10m,α:20mの場合と全体的にほぽ同様

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(4)

火〕I性地す刈の拙11幾構およ び予知に附一る帆先閉2搬七の2)舳ゲl1彼術総・舳/榊・ 亡む8り  1リ66

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な分布を示しながらますます低くなっていき ,ほとんど 5Ωm以下の低比抵抗部が大部分を占めるようになる・

特にハー線の全線に沿って1Ωm以 ドの極めて低い比瓜 抗部が拡がることは留意すべき点と考える.

 以上の3種類の測定結果をわかりよく炎現するため に,図一5,6に立体的に現わした.

 図一5は,ハー線とホー線に沿っての南北方向の断而 で,各比抵抗の電極問隔別測定値をそのまま電梅問隔

(m)を深度として地形断面図に書きこんで,箏比瓜抗部 を紬んだものである.同様に図一6はNo・5糸泉,No・12

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      深度までの比抵抗の平均値である.

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  図一5.2 ホー線比抵抗深度別測定値等値断血図 秘,No.19線,No.25線;こ沿つての束西方向の断面峻 である.

 図一5ハー線閑〒而凶o)特に顕渚な傾向は・No・3〜No・

17の崩壊地においては,明確に3Ωm以■ドの低比抵抗部 をボLておりNo.18〜No.30の山林地帯でも浅部は別 として沫部(α=40mの結果、では,ほとんど1Ωm以下 に低■ドしている*.すなオ)ち「ハー線」て は沫部は, ほ

とんどNo.3〜No.28閉は箸しい低比孤抗をノ」ミしている

とし・うことて一ある.

 凶一_5ホー線では,N〇二1〜No.10の傾向は1OmΩ以 下の概めて低い上ヒ狐抗をポすが,No・10〜No・30にか けては,50Ωm以上の割含高い比孤抗をホし,特にNo.

10〜No.22は,200〜600(Σm程.度の高比抵抗をポして いる.しかし全般的に一1えることは・いづれも深く なる にしたがい低くな石)ということである、

 図一6のNo.5一線の断面図は,企体的に一箸しい低比 州九地帯で,汰くなるに従ってますます低くなる傾向が ある.特にハー線,二一線トj1近では地人までその低比爪 抗帯がユニ昇してきていることがわかる.

  No.12一一糸泉σ)断面図はハー線を中心として低比抵抗地 帯が地人までのびてき一ており,高比狐抗帯は,ホー線の 甘近およびチー線付近の地人にうすくのっているように 現われている.

  No.19一線の断面図は,ハー線の箸しい低比抵抗地帯 が地人まで現われず潜頭状態になっておりホL線付近 を中心とした高比抵抗地帯が他に比べて広くかつ深く分  術している.

  No.25一線の断血一図はホL線f・jI近が割合高い比抵抗  と、なっており低比抵抗帯はハー線の深部にだけ存在して 図_5,6の断晒i図の,各沫さでの他は,その各汰庇でo)比狐抗他を人現するものでなく地表からその

6一

(5)

箱浪火山性地すベリ地帯(大柵〜の物理探査法による研究一柴藤・室{jl・小沐

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      凶一6比抵批深度別測定値等値断面図

      測定結果の考察いる.

最後に唾直舳・)変fヒをこまかに知るためにrホL 比抵抗法での種・の測定納茱を総合して考えると,測 25」を中心として垂直法(W・・…法)によりα一・・m 定の結果から,沫度の決定は閉確にはできないが・,大体 までの測定を行なった.この測定絡果は図一7のようで,  においてきわめて低い比抵抗層が全体をしめており(特

これを標榊線により解折すると地人1m付近は…Ωm に一一線を中心とする噸はきわめて低比抵抗である),

の高舳九をホすが2mト1近より・・m付近まで1・・〜1・・ その上舳こrホー1〜トrホL1q」にかけて比較的高い孤 Ωm不㌔1度となり40m近くできわめて低い抵抗にうつりか   抗をもつ物質がのっている有様をボしている.

わることカミわかる.      この低比抵抗層はもちろん種々の変質のためにやわら

* きわめて孤抗の低い層が地表面に広くかつ不規則に分布している人涌谷のような場合には,電流が地尖付近   で密になり地下深部まで入りにくい場所が不規則にイf二在することになるので,測定結果から深度カ:わかりに   くい場合が多くなる.

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(6)

火山性地すべりの発小機構および予知に関する研究(1第2挑そ0)2)防災1斗学技術総榊1=兜報代舳,}1966

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    凶一7 ホー25、点におけるρ・α山線

かくなった地帯を示し,高比抵抗地帯は,比較的新鮮 な安山岩の地帯を示していると考えてさしつかえない が,この地帯は,非常に硬軟の岩石がこまかく入りみだ れて分布しているので,各測点での値は個々の極小地点 の岩石の抵抗をホすものではなく,その付近一帯の平均 的な値を示しているものであることは当然である.

 今回の比抵抗法の研究は火山性地すべり地帯での研究 の最初のケースなので深度の点において,解析上の疑問 点を残した.したカ;ってこの点については今後研究の余 地があるものと考えられる.

 4. 自然電位法による研究

 測定結果

 測定結果は図一8のようで著しい異常は認められない が,「ホL17」付近を中心とし「チー13」にかけて一20 mV〜一40mV程度の弱い負異常地帯が広がっている.

正異常としては「ハー26」〜「ホし27」,rロー6」付近お よび「へ一6」〜「トー6」にかけて,おのおのいづれも40 mV〜50mV程度のものが認められる.

 測定結呆の考察

 自然電位の測定結果を考察するに負異常地帯は0=10 mの比抵抗法の測定結果で高比抵抗を示した区域と人体

一一致する.

 したがって自然電位と高比抵抗地帯との間に何等か関 係があるように推察される.しかし高比抵抗の岩体とし て考えられるものは,安山岩地帯の変質崩壌をまぬがれ たところであるので,割合変質の弱い安山岩地帯という  ことになるが,これには負電位異常を発生する原困は考

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      図一8 H然電位分刷刻

えられない.一般にエユ電位異常の原内になると考えられ ているのは硫化鉱物の分布である.現地には,鉱化作用 のため至るところに硫化鉱が見うけられるが,この硫化 鉱の分布状況と負電位異常地帯とは必ずしも関係がある

とはいいがたいような状態にある.

 したがって硫化鉱物の分布とも一応無関係のように考 えられるが,従来の文献(芋によると,硫化鉱物による負 電位異常は粘土化をうけた地帯には現われないという傾 向があることが明らかであるので,この考えを適用する とこの場合も,粘土化をうけなかった地帯(高比抵抗地 帯)にのみ,負電位異常が現われたものではないかと考 えられる.

 つぎに正異常地帯であるが,これも文献等から土壌の 相違にもとづくものと考えられているので,土壌のいか なる相違が電位に関係をもつかは今後の研究を持つより 仕方がない・

 5.放射能探査法による研究

 測定結果

 「イー線」を除いたすべての測線において地表のγ一線 測定を行なった.(ただし各測線とも未崩壌地帯に入っ たら3〜5点で測定を中止した.)

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(7)

箱根火山性地すべり地帯(大涌答)の物理探査法による研究一一柴藤・室住・小林

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図一9放射能探査測定結果

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(8)

火山性地すべりの発生機構および予知に関する研究(第2報その2)防災科学技術総合研究報告第8弓196(

 凶一gはその結果である.測定はすべて各点において

⑧測定器を表土砂につけた場合,⑤その付近の岩塊につ けた場合,⑥腐食土がある場合その表土を約10cm程堀 下げて測定した場合,の3種類について行なった.

 その結果,rロー線」のNo.15〜No.18は未崩壌黒色

腐食土であるが,No.1〜No・14の崩壌地帯に比べると γ一線強度に著しい相違を示すことが図より明らかであ

る.

 「ハー線」も同じくNo.19〜No・21は未崩壊黒色腐食 土地帯となるがやはり,No.18〜No・19を境として,閉

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図一10 磁  気  抹

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(9)

箱根火山性地すべり地帯(大涌谷)の物理抹査法による研究一柴藤・室住・小林 りようにγ一線強度が強くなっている.

  「二一線」も変質崩壌をうけて白色〜灰白色を呈する 粘土地帯とNo.12〜No.17の間のかたい高比抵抗を示 す安山岩地帯ならびにNo.22以降の未崩壊黒色腐食土 地帯との間には明瞭なγ一線強度の差がある.

  「ホー線」もNo.22付近より未崩壌黒色腐食十地帯 に入るがじよじよにγ一線強度が強くなっている.

 「へ一線」,「卜一線」,「一戸一線」はいづ加も図のように1口]

じ傾向てあろことがわかるので,ここでは,説明は略す.

 また,口.ハ,二,ホ,の各測線の測定結果から木川 壊黒色腐食土地帯では,地尖ほどγ一線強度が強く地人か ら1Ocm下になると,いづれもγ一線強度が■ドがっている ことがわかる.

 またへ,ト,チ,の各測線の測定結果から,崩壊地帯 においては表土と石とはさほどγ一線強度に差違はない が,末崩壌地帯では榊丁より4,,表十の方がr線強度が 強いことがわかる.

 また,種々の色をした十壌のγ一線強度を比較寸ると平 均して黒十が一一番強いようである.

 放射能探査結果1二対する考察

 以上のように放射能探査の結果, 「二一13」付近のか たい安山岩地帯においては,γ一線強度が強く変質崩壊地 帯は弱い点から考えて,変質崩壊地帯は岩石中の放射能 鉱物が流されたものと考えるのが妥当のようである.

 また,未崩壊黒色腐食土において,特に地表において,

放射能強度が強いのは,従来の文献や経験等から考えて 黒土が放射能雨を吸着しているためではないかと考えら

れる.

 また,崩壊地帯において表土と石とがあまり放射能強 度が変らないのはともに崩壊によって放射能鉱物が流さ れたものと考えられる.

 6.磁気探査による研究

 測定結果

 磁気探査は,1964年度,他の方法と同様に「イ,口,

ハ・二・……」等の測線にそって測定を行ったが,変質 帯のなかだけでの測定にとどまり,火山地帯における岩 盤の変質による磁気変動の大勢をおさえることができな かった.したがって1965年度は大涌谷全体の主要道路

(除自動車道路)について測定間隔30m〜60mで磁気測 定を行った(使用機械:Schmidt型Magnetometer).

 その結果図一10のような結果を得た.この結果をわか りやすくするために図一11にその断面図を示した.

 (A−B断面)

 これは冠岳の下の噴煙地から大涌谷の大噴煙地を通っ

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(10)

火山性地すべりの発牛機構および予知に関する研究(第2報その2)防災科学技術総合研究報告第8号1966

て,下湯方向に向かう延長約1,620mの測線である.

 この縞果は図のようで,噴気などによる主要変質帯は 火体において300γ以内の磁気変動にとどまり大きな変動 はなくほぽなだらかな断面を示す.変質が少ないと考え

、オτているNo.78,79,80,の地帯は非常にはげしい磁 ノベ(変動をポすことカリ〕かる.

 (C−D−E断面)

 これは冠肝の中腹から駒ケ岳の中腹をぬって}雲山舳 壌地に向かう延長約1,380mの測線である.二の測定続 果ではNo.72〜No.85付近は,一400γ内外の大体にな だらかな断面を示すがNo.73〜No.79ならびNo・86

〜N0.91の問は変動カミ非常にはげしい地帯である.特に No.74〜No.75のせまい間は噴気帯になっておりNo・

73〜No.75は噴気帯の両側に相当していてこの付近は 変動がはげしい.

 (F−G断面)

 これは富土見茶屋と冠岳下の噴煙地との中問一点よ プ1、

雲山崩壊地へ向かう延長約900mの測線である.

 この測定結果は割命小さい変動があって傾向がはっき りしないが早雲山崩壊地付近のNo.93〜No・96は著し い変化をホしている.

 (H−I断面)

 これは冠匠下の噴煙地より台ケ后の方へ向かう延長約 700mの測線である.

 この結果は噴煙地付近であるNo.10〜13〜22付近は 一400γ前後のなだらかな断面を示すが,それをはなれ たNo.23〜No.33の問は著しい変化を示している.

 測定結果の考察

 以Lヒの各断面の結果を考察することによって共通的に 言えることは,火山性噴気による強度の変質地帯におけ

る磁気変動は±300γ以内のわずかなものにとどまる が,変質があまり行なわれていない地帯においては著し い磁性の変化がある.特にC−D−E断面のNo・74〜No・

75とNo.86〜No.91ならびにE−G断面のNo・94〜No.

95のように噴気等のため変質をうけた地帯のごく周辺 においては大きな変動を示すことがわかる.また・H−I 断面のNo.24〜No.33にかけては,割合変質の少ない 転石がきわめて多いので,これによる磁気変動ではない かと■考えられる.

 7. ま と め

 火山性地すべり地帯において今回初めて各種の物理探  査法を用いて地下の岩体構造の分布ならびに物性の変化  について研究したが次のような結果が明らかになった.

  (1)比狐抗法を用いて行なった岩体構造の分布は,硫

酸水等による変質をうけて粘土化Lた地帯はきわめて著 しい低比抵抗を示し変質の弱い安山岩帯は高比抵抗帯と して現われる.したがって地下の強度の変質地帯の追跡 は割合容易に実施できると考えられる.

 ただ問題はその深度の点において,従来からの考え方 では,解釈にかなりの誤差がλるようである.

 凹 1;1然電位法を用いて行なった研究では,この地帯 の硫化鉱化作用が影響して白然電位異常一40〜一50mV を示すが粘土化作用においては,その異常が現われず変 質の弱い岩体の上にのみ現われる.これはこの方法が,

このような場合変質の度合を調査するのに役に立つこと をものがたっている.

 また,変質土壌の性質によっては,十40〜十50mVの 異常が現われる.この土壌の性質については今後の研究 問題である.

 13)放射能探査法を用いて行なった研究では,…般に 変質崩壌した地帯は著しく低いγ線強度になるが,変質 の弱い安山岩ではまだそれより強いγ線強度をもってい るので今後この方法も変質の調査には役に立つものと考 える.ただ崩壌しない黒色腐食土の地帯では・一一搬に徴量 の放射能を含んだ雨を吸収したための影響と考えられる 枚射能強度を示すので,この方法は表土をかぶった地帯 では防災調査の目的には役に立たないものと考える・

 (4)磁気探査法による研究の緕果では,一般に強変質 地帯においては±300γ程度の割合変動の少ない磁性を 示し,変質がごく弱いか全く変質をうけない地帯では割 合,磁気変動が大きい.特に変質崩壌地帯のごく近い周 辺においては著しい変動がある.

 このような理由で,磁気探査法も適用をうまくすれぼ 変質地帯の調査には役に立つものと考えられる.

 以上のべたように,種々の物理探査法を火山性地すべ  り地帯の探査に適用すれば,地表からみただけでは判別 困難なフアクターについて,種々のデーターが得られ るので,防災の観点からその地区の綜合判断をする場合 に重要な資料となるものと考えられる.

         参 考 丈献

 柴藤喜平(1952):山形県の西吾妻鉱山における電気 探鉱調査結果について.地質調査所月報,Vo1.3,No.7.

 柴藤喜平(1953):福島県沼尻硫黄鉱山の電気探鉱調 査報告.地質調査所月報。VoL4,No・4・

  柴藤喜平(1954):岩手県松尾,八幡平の硫黄鉱床地  帯の電気探鉱調査報告。地質調査所月報,Vo1.5,No.1.

  柴藤喜平(1953):白然電位の発生機構.物理探鉱,

 Vo1.6,No.3.

一12一

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