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ガールスカウト Stop the Violence キャンペーン STV バッジプログラム 指導者用資料
1. Stop the Violence キャンペーンとは
ガールガイド・ガールスカウト世界連盟(WAGGGS)では、世界145の国と地域のガールスカ ウトとともに「少女に対する暴力をなくす」Stop the Violence(STV)キャンペーンを2012年よ り10年間に渡り、展開しています。
「少女と若い女性に対する暴力」と聞いて何を思い浮かべますか? 身体的暴力、性的暴力、人 身売買、性差別、いじめなど、先進国・途上国に関わらず少女の周りにはたくさんの危険があふれ ています。そして、その問題はどれも深刻であるとともに、少女の人権をおびやかし、将来の可能 性を奪ってしまうこともあります。日本でも、いじめや差別、虐待、そしてDV(ドメスティック バイオレンス)やデート DV など少女と若い女性の周りには多くの暴力が存在します。「女性や少 女への暴力は、どの大陸、国家、文化でも一向に減らず、それは女性の人生や家族、ひいては社会 全体に深刻な影響を与えています。多くの社会がそうした暴力を禁じていますが、頻繁に起こり、
隠ぺいされたり、黙認されているのが現状です。」と潘基文国連事務総長は語っています。
WAGGGSは、男女間の平等は、少女への暴力がなくならない限り決して達成できないと考えて
います。そして2015年までの国連ミレニアム開発目標の達成には、この問題の解決が不可欠です。
けれども、女性や少女への暴力は、ミレニアム開発目標や多くの国内外の開発戦略に入っていませ ん。2006 年の国連事務総長の調査によれば、102 カ国が家庭内暴力に対する明確な法的規制を持 っていません。そして、わずか 93 カ国だけが、人身売買を禁じる何らかの法的規制を定めるに留 まっています。
ガールスカウトでは、「少女と若い女性自身がどのように助けを求め」「暴力から身を守り」「暴 力に対し NO といい」「少女と若い女性に対する差別や偏見に立ち向かう力」を本人たちが身につ けることで、少女と若い女性に対する暴力のない社会を作っていきます。彼女たちを「助ける」の ではなく、教育を通して「力をつける」ことが重要なのです。
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そのために日本連盟では、STVバッジプログラムを開発しました。このバッジに取り組んだシニ ア・レンジャー・若い成人会員がピアエデュケーター(同年代の仲間による教育)として、同年代 の会員や友達等に伝え、良い影響を与えていくことを目的としています。そして、少女と若い女性 自身の声で、チェンジエージェント(変化の担い手)として、社会に対して問題啓発を行うキャン ペーンの実施を推進します。
ガールスカウトが STV に取り組む 4 つの理由
➤IMPORTANCE 「重要性がある」
少女に対する暴力は無視できない問題であると同時に、このキャンペーンの対象である少女と若 い女性自身にとって関心が高く、取り組むべき重要な問題です。
➤CAN 「世界中に展開できる」
少女に対する暴力には様々な形態があり、途上国・先進国に関わらず存在します。それに対し、
ガールスカウトには145の国と地域に1,000 万人の姉妹がいて、世界中でキャンペーンを展開 していけるだけの組織力を備えています。
➤NO-ONE 「誰も取り組んでいない」
少女への暴力に焦点を合わせたキャンペーンは多く展開されていると思われがちですが、このよ うなグローバルなキャンペーンは他にはありません。私たちガールスカウトが世界で初めて取り 組みます。
➤MUST 「私たちがしなければならない!すべき!である」
今現在、暴力を受けている少女は、ガールスカウトの姉妹であり、また、その家族や友人に あたるのです。私たちガールスカウトは少女と若い女性を育成する世界最大の女性の団体で す。だからこそ、自分たちの周りにいる少女たちが力をつけて行動に起こせるようにする責 任があります。
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2.ガールスカウト日本連盟STVキャンペーン第一弾「デートDV」
日本連盟では日本で行う STV キャンペーンの第一弾として、中学生・高校生・大学生や若い女 性にとって身近な暴力である「デートDV」に焦点を合わせて取り組むことを決定しました。日本 にもさまざまな暴力の形態があるため、今後デートDV以外にも取り組みの幅を広げて行く予定で、
デートDVをなくすための取り組みはその第一弾となります。
デート DV とは、結婚していない恋人から一方的に受ける暴力や嫌がらせのことです。20 代女 性の5人に1人以上は経験していると言われています。しかしながら20代になって急にデートDV が始まるわけではありません。異性との交際が始まる中学生・高校生にも身近にあるものです。
デート DV には、「経済的な暴力」「言葉での暴力」「身体的な暴力」「性的な暴力」「精神的な暴 力・社会的な暴力(行動の制限)」といった種類があります。そしてデート DV の大きな問題は、
それが暴力であることに被害者も加害者も気づいていないことです。「彼女/彼氏だから当たり前」
「好きだから仕方ない」といった言葉で片付けられ、その行為自体が「暴力」に該当し、自身や相 手の人権を尊重していないことに気づいていないことにあります。
また、デートDVにおいては、少女が加害者になることもあるという特徴があります。相手の行 動を過度に監視したり、制限するなどの束縛行為は精神的・社会的な暴力に当てはまりますが、恋 人関係にあれば当然だと考える少女も多くおり、加害者になっているケースもあるのが現状です。
デートDVを予防する教育の一つとして「自己肯定感を高める」ことが大切です。まさにガール スカウトの出番です。デートDVという問題を知ることで、被害者にも加害者にもならないよう少 女や若い女性を教育することができます。
4 3.「デートDV」ガールスカウトの取り組み
今回の STV バッジプログラムは、インターネットを利用し、全国のガールスカウトが同じ情報 でいつでも取り組むことができる形式にしています。ガールスカウト日本連盟の公式ホームページ からワークシートをダウンロードし、ビデオ教材を見ながら進めていきます。一人でおこなうこと も可能ですが、意見交換ができるので、複数で取り組むことをお勧めします。インターネットの利 用については、制限されているご家庭もあることと思います。また、シニア年代では個人差はあり ますが一人で進めるのは困難なこともあるかもしれません。その場合は集会でプログラムを取り入 れるなどご配慮ください。
このプログラムはガールスカウトがデートDVとは何か、そして何が問題なのかを学び、同年代 の人たちに伝えるという行動を起こすことでチェンジエージェント(変化の担い手)となることを 目的としています。もちろん、周囲に伝えるだけでなく、もっと広く発信できるよう方法に工夫し たり、一緒にデートDVについて考える会を開くなど、ガールスカウト自身によってさらなる活動 へと展開することが期待されます。
4.STVバッジに取り組む際の留意点
まず始めに、リーダーもSTVバッジプログラムを実施してください。その際、
「デートDVはガールスカウトの少女にとってもごく身近な問題である」と認識 して取り組んでください。(対象でない成人会員はバッジを取得できません)
<ピアエデュケーション>
STVプログラムは、ピアエデュケーション(同年代の仲間による教育)の手法を活用して います。デートDVという暴力についてリーダーが学び少女たちへ伝えるのではなく、テ ーマについて知識やスキルを得た者が、同年代の仲間(ピア)たちに自分たちの言葉で伝 えていく形です。最も身近な存在で同じような価値観をもつ者が、同じ目線で情報を共 感・共有してくれるので、特に今回のようなテーマでは有効で、少しお姉さんであるガー
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ルスカウトや同年代から学ぶことで少女たちの共感をより得ることができ、地域の少女た ちに影響を与えることができます。
<精神的な支援>
デートDVは少女たちのごく身近にある暴力の形です。ガールスカウトの少女たちも自分 では気づかないうちに被害者・加害者になっているかもしれません。ビデオ教材を観てい くうちに、自分の現状と重なって辛く感じる少女もいるかもしれません。取り組む前に、
「辛くなったら途中でやめてもいい」ということを必ず伝えてください。
デートDVで悩んでいる少女がいたら、原因や現状について無理に問いつめたりせず、彼 女の意見を肯定しながら「あなたは決して悪くない」と伝え、専門家の支援を得ることが 大切です。
<情報を得る>
リーダー研修会や他団体が実施するデートDV講座などに参加し、リーダーもデートDV や少女に関する問題について情報を得るようにしてください。
<さらなる取り組み>
STVバッジを取得することで、スカウトはデートDVについて基礎的な知識を得ることが できます。その後、デートDVについてもっと多くの人に伝えたいなど、さらなる取り組 みを希望する場合は、スカウトが関心のある問題に取り組んでいる団体を探す、発信する ための機会を助言するなど支援をお願いします。
他団体との連携を図る場合は、少女が関わるのに相応しい団体かどうかについて必ず確認 をしてください。
STVバッジ取得後にキャンペーンを実施した場合は、日本連盟STVバッジページから報 告するようご支援ください。実施報告https://pro.form-mailer.jp/fms/5403334d42925 以 上