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Academic year: 2021

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論文内容要旨

Inhibitory thoracic interneurons are not essential to generate the rostro-caudal gradient of the thoracic inspiratory motor activity in neonatal rat

(新生ラットにおける胸髄吸息性活動の吻尾勾配形成に抑制性胸髄介在 ニューロンは関与しない)

Neuroscience Vol.397 P.1-11 2019

専攻名 生理系生理学(生体調節機能学分野)岡 厚

内容要旨(1200 字以内)

胸郭の上部に位置する外肋間筋は下部に比べ有利で、同程度の収縮でより 大きく胸腔容積を増大させる。そして胸郭上部の外肋間筋ほど大きな吸息 性活動を示し、下部に向かって徐々に小さくなる。最小のエネルギーで効 率良く呼吸するためと考えられている。この勾配形成を担うのは延髄呼吸 中枢から入力を受けた脊髄介在ニューロンであるとされているが、詳細な 神経機構については十分に解明されていない。これまでに我々は新生ラッ トの脳幹‐脊髄摘出標本を用い、外肋間筋の運動神経線維を含んでいる胸 髄前根の吸息性活動が、上部胸髄で大きいことを示した。さらに膜電位感 受性色素で染めた標本を用い、上部胸髄の運動ニューロンおよび介在ニュ ーロン領域から大きな脱分極性信号が吸息時に得られることを示した。本 研究では、この勾配形成における抑制性介在ニューロンの関与を明らかに するため、胸髄領域にグリシン受容体と GABAA受容体の阻害薬であるスト リキニンを投与し、その影響を調べた。

生後 0-2 日の新生ラットの脳幹‐脊髄摘出標本を用い、クレブス液灌流 下で実験を行った。横隔神経線維を含む第 3、第 4 頚髄前根から神経発射 活動を記録し、吸息性活動の基準とした。標本を膜電位感受性色素で染色 し、吻側(第 2~5 胸髄)と尾側(第 9~11 胸髄)の胸髄腹側表面から蛍 光強度変化を記録した。さらに運動ニューロンが存在する腹外側領域(運 動ニューロン領域)と介在ニューロンが存在する腹内側領域(介在ニュー ロン領域)に分けて解析した。第 3 胸髄前根と第 11 胸髄前根から吸息性 活動を記録した。そして各前根の運動出力の大きさを神経発射活動および その整流積分波形(時定数 0.1 秒)の最大振幅で比較した。灌流槽を第

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6-7 頚髄で二分し、胸髄領域に 10μM ストリキニンを灌流投与した。

ストリキニンの投与は第 4 頚髄前根に発作様の活動を誘発したが、呼吸 周期や第 4 頚髄前根の吸息性活動の振幅に影響を与えなかった。ストリキ ニンの有無によらず、吻側胸髄の運動ニューロンおよび介在ニューロン領 域の吸息性の脱分極信号は、尾側胸髄の吸息性信号よりも有意に大きかっ た。ストリキニンは第 3 胸髄前根と第 11 胸髄前根の吸息性活動を有意に 増大させた。ストリキニンによって誘発された発作様活動の振幅を基準と して、各前根の運動出力の大きさを比較した。その結果、ストリキニンの 有無によらず、第 3 胸髄前根の吸息性活動は第 11 胸髄前根のそれよりも 有意に大きかった。

以上の結果から、抑制性介在ニューロンは胸髄前根の吸息性活動量の調 節には関与しているが、胸髄吸息性活動の吻尾勾配形成には関与していな いことが明らかとなった。最近、我々は胸髄の吸息性介在ニューロンの中 に、グルタミン酸作動性ニューロンがあることを初めて示した。吻尾勾配 形成にこれらのグルタミン酸作動性の吸息性介在ニューロンが関与して いると考えられる。

参照

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