熱力学・電磁気学
石川健三
平成27 年1 月22 日
序
本書は、理系の大学1年生向けの熱学と電磁気学の教科書である。前半で熱学、後半で電 磁気学を扱っている。
熱が物体に加わると、物体の温度は上昇する。この時さらに、物体は、大きさや形、時に は様々な性質を変える。温度の変化に伴って生じるこれらの変化には、いかなる規則や普遍 的な法則があるのだろうか? この法則を解明するのが熱学である。もともと熱学は、産業 革命の発達に伴う実用的な問題の解決に向けて発展した。産業の機械化にあたり動力が必要 である。動力源として、水蒸気を利用する蒸気機関が発明され、様々の分野で使用された。
蒸気機関では、熱を力学的なエネルギーに変換している。熱を動力に変換する熱機関の作成 や、熱機関の効率を上げるのにはどうしたら良いか?熱力学は、これらの問題の解決に向け て発展した学問である。温度で変わる物体の変化、その際の普遍的法則を解明する熱学は、
物理学の一分野として力学と対照的な性質を持つ。力学では、運動法則を満たすのは、時間 とともに変動する物体の位置である。これは、具体的であり直感的に分かりやすい。ところ が、熱学において変化する量である温度は、それ自身が分かりずらい。温度の変化で生ずる 性質の変化に関する熱学は、そのため、論理が見えにくいとよくいわれる。本書では、熱学 の論理を、できるだけ分かりやすく説明したつもりである。
一方、本書の後半では、電荷と電荷間の力、電流と電流間の力や、電場や磁場に関する電 磁気学を扱った。電磁気学は、電気や磁気に伴う力や、電気や磁気に伴う様々な現象に関す る法則や原理を扱う学問である。力、や電場や磁場は大きさと方向とをもつベクトルである。
電磁気学は、このため、ベクトルやベクトル場、並びにベクトル場の微分や積分を使えば、
系統的に分かりやすく取り扱うことができる。しかし、通常の大学1年生は、これらの数学 をまだ身につけていない。この状態で、電磁気学をベクトルの演算(ベクトル解析)を駆使 して学ぶのは、まだ難しい。これらの数学を学ぶのは、通常、数年を経た大学2、3年生で ある。そのため、1年生はベクトル解析を十分に使うことなく、電磁気を学ぶことになる。
ベクトル解析を使わずに、物理的意味を理解するのは、容易ではない。しかし、このような 努力は、無意味であるわけではないしまた大事である。もともと、ファラデーは、あまり数 学を使うことなく、電磁気学の概念と物理を直感的に理解し、その後マックスウェルが、数 学を駆使して電磁気学を完成したと言える。先ず、ベクトル解析の使用を最低限に減らして、
電磁気学を理解することは可能である。本書は、このような現状における理科系の大学1年 生の状況を踏まえて、電磁気学をまとめた。電磁気学で一つの問題点は、きれいにまとまっ ている電場や磁場の法則と、これらと相補的である物質の電磁気的な性質とをどのように関
連ずけて整理するか、である。この点で、場と物質のバランスは著者によって異なるであろ う。物質の話は、複雑で難しい点を含む。そのため、大学1年生のレベルですべてを扱うこ とは、難しい。本書は、物質の話をできるだけ少なくするよう努力し、電磁気学の全体的な 流れを強調した。
目 次
序 i
第1章 熱学 1
1.1 熱平衡. . . . 2
1.2 状態方程式 . . . . 3
1.3 熱容量と比熱 . . . . 5
1.3.1 熱容量 . . . . 5
1.3.2 熱膨張 . . . . 6
1.4 分子運動論 . . . . 7
1.4.1 理想気体の圧力 . . . . 8
1.4.2 温度の微視的解釈 . . . . 9
1.5 Maxwellの分布関数 . . . . 10
1.6 問題 . . . . 12
第2章 熱量と熱力学第一法則 15 2.1 熱量 . . . . 15
2.1.1 比熱 . . . . 15
2.1.2 原子熱、分子熱 . . . . 16
2.1.3 熱の移動 . . . . 17
2.2 熱力学第一法則 . . . . 17
2.2.1 Jouleの実験 . . . . 17
2.3 気体の内部エネルギー . . . . 18
2.3.1 ジュールの法則 . . . . 18
2.3.2 自由膨張によるテスト . . . . 18
2.4 準静的過程 . . . . 19
2.4.1 準静的過程と圧力のなす仕事 . . . . 19
2.4.2 ジュール·トムソンの実験 . . . . 21
2.5 熱力学第一法則の微分形 . . . . 22
2.5.1 理想気体の二つの比熱の関係 . . . . 22
2.5.2 理想気体の準静的過程 . . . . 23
2.5.3 オットーサイクル . . . . 25
2.5.4 冷蔵庫と暖房機 . . . . 26
2.6 問題 . . . . 27
2.6.1 1 . . . . 27
2.7 中間テスト問題 . . . . 28
第3章 熱力学第二法則 29 3.1 熱現象の特異性 . . . . 29
3.1.1 熱:乱雑な原子や分子の運動のエネルギー . . . . 29
3.1.2 熱的現象の変化は時間方向性を持つ。 . . . . 29
3.2 熱機関 . . . . 30
3.2.1 カルノーサイクル . . . . 31
3.2.2 熱効率 . . . . 34
3.3 熱力学第二法則 . . . . 34
3.3.1 熱力学第二法則 . . . . 35
3.3.2 Clausiusの表現と Thomsonの表現の同等性 . . . . 36
3.4 可逆過程と不可逆過程 . . . . 37
3.4.1 Carnotの定理 . . . . 37
3.4.2 可逆機関の熱効率 . . . . 39
3.4.3 不可逆機関の熱効率 . . . . 40
3.5 Clausiusの不等式 . . . . 40
3.6 問題 . . . . 42
第4章 エントロピー 43 4.1 エントロピーとは? . . . . 43
4.1.1 エントロピーの計算 . . . . 44
4.2 エントロピー増大の原理 . . . . 46
4.3 エントロピーの微視的な意味 . . . . 48
4.4 種々の自由エネルギー . . . . 50
4.4.1 内部エネルギー . . . . 50
4.4.2 Gibbs自由エネルギー . . . . 52
4.4.3 Helmholtz自由エネルギー . . . . 55
4.5 数学のまとめ . . . . 56
第5章 現実的な問題 57 5.1 ヴァンデルワール気体 . . . . 57
5.2 気体の蒸発と液化 . . . . 57
5.3 化学反応 . . . . 59
5.4 相転移 . . . . 59
5.5 問題 . . . . 59
5.5.1 偏微分 . . . . 59
5.6 豆 テスト . . . . 65
5.7 単位系 . . . . 66
5.8 中間テスト問題 . . . . 67
5.9 中間テスト問題 . . . . 68
第6章 序 II:電磁気学とは 71 第7章 電荷と電場 73 7.1 電荷間の力 . . . . 74
7.2 電場と電気力線 . . . . 74
7.2.1 電場の重ね合わせ . . . . 79
7.2.2 電荷分布による電場 . . . . 80
7.2.3 ガウスの定理 . . . . 81
7.3 電位と電場 . . . . 82
7.4 電場のエネルギー . . . . 84
7.4.1 コンデンサーに蓄えられるエネルギー . . . . 85
7.4.2 電位と電場のエネルギー . . . . 86
7.5 絶縁体と導体 . . . . 87
7.6 絶縁体と電場 . . . . 88
7.7 導体と電流 . . . . 89
7.7.1 電流のする仕事 . . . . 89
7.7.2 電荷の保存と保存電流 . . . . 91
7.8 電荷の最小単位 . . . . 92
7.8.1 ミリカンの実験 . . . . 93
7.9 問題 . . . . 95
7.9.1 解答 . . . . 97
第8章 電流間の力と磁場 101 8.1 電流間の力(アンペールの法則) . . . . 101
8.1.1 ベクトル3重積 . . . . 102
8.2 電流間の力と磁場(磁束密度) . . . . 104
8.3 磁場( 磁束密度) . . . . 105
8.3.1 磁力線 . . . . 107
8.3.2 磁場のエネルギー . . . . 109
8.3.3 電場と磁場の比較 . . . . 110
8.4 ローレンツ力 . . . . 111
8.5 磁性体と磁石 . . . . 113
8.6 磁気単極子 . . . . 115
8.7 電磁気学の単位系 . . . . 116
8.7.1 MKSA単位系(SI単位系) . . . . 116
8.7.2 クーロン . . . . 116
8.7.3 アンペア . . . . 116
8.7.4 光速度 . . . . 117
8.8 問題 . . . . 118
第9章 場の時間変化 121 9.1 ファラデーの電磁誘導の法則 . . . . 121
9.2 磁場のエネルギー . . . . 123
9.3 発電機 . . . . 126
9.4 コイルの自己誘導 . . . . 127
9.4.1 交流回路 . . . . 128
9.5 変圧器 . . . . 129
9.6 電場の時間変化とマックスウェルの変位電流 . . . . 129
9.7 問題 . . . . 133
第10章 マックスウエル方程式 137 10.1 電磁波 . . . . 138
10.1.1 電磁波の性質 . . . . 138
10.1.2 電磁波の偏光 . . . . 141
10.2 電磁波の反射と屈折 . . . . 141
10.2.1 異なる誘電率を持つ物質界面 . . . . 142
10.2.2 金属表面での反射 . . . . 142
10.3 電磁波の生成(発信)と受信 . . . . 143
10.4 重ね合わせの原理 . . . . 143
10.4.1 線形方程式 . . . . 144
10.4.2 2重スリットの干渉 . . . . 144
10.5 光速度の測定 . . . . 145
10.6 ダークマター . . . . 147
10.7 問題 . . . . 148
第11章 電気機器 153 11.1 電灯 . . . . 153
11.2 電熱器 . . . . 153
11.3 送電 . . . . 154
11.4 電信 . . . . 154
11.5 ラジオ . . . . 154
11.6 テレビ . . . . 155
11.7 レコード . . . . 155
11.8 電車 . . . . 156
11.9 電子計算機 . . . . 156
11.10電子レンジ . . . . 156
11.11様々の電磁波 . . . . 156
11.12問題 . . . . 156
第12章 現代物理学 159 12.1 相対性理論 . . . . 159
12.1.1 慣性の法則 . . . . 159
12.1.2 ガリレオの相対性原理 . . . . 159
12.2 アインシュタインの相対性原理 . . . . 160
12.3 時間と空間の同等性 . . . . 161
12.3.1 相互作用や情報の伝達 . . . . 161
12.4 因果律 . . . . 162
12.5 量子論 . . . . 162
12.5.1 ミクロな世界の特徴 . . . . 162
12.5.2 物差しや時計の代わりをする物理現象 . . . . 163
12.6 複素波動関数と重ね合わせの原理 . . . . 163
12.6.1 2重スリット実験 . . . . 163
12.6.2 確率と波 . . . . 164
12.6.3 干渉 . . . . 166
12.6.4 中性子干渉 . . . . 167
12.6.5 AB効果 . . . . 168
12.6.6 いかなる波か? . . . . 168
12.7 観測と実在 . . . . 168
12.8 確率 . . . . 169
12.9 問題 . . . . 169
第13章 付録 171 13.1 積分 . . . . 171
13.1.1 1変数の定積分 . . . . 171
13.2 ベクトル場の線積分 . . . . 171
13.2.1 ベクトル場の閉経路線積分 . . . . 172
13.3 ベクトル場の回転 . . . . 173
13.3.1 2次元面(xy面)内の閉経路にそう線積分 . . . . 174
13.3.2 ストークスの定理 . . . . 175
13.4 ベクトル場の面積分 . . . . 175
13.4.1 閉曲面の内部の体積積分 . . . . 176
13.4.2 ガウスの定理 . . . . 177
13.5 ルジャンドル変換 . . . . 177
13.5.1 1変数 . . . . 177
13.5.2 多変数 . . . . 178
第 1 章 熱学
気体の温度を上げると、一定量の気体の体積や圧力は大きく変化する。液体や固体では、
変化は気体ほど大きくはないがやはり温度とともに性質が変わる。このような、温度の変化 に伴う物理現象に関する物理学が熱学である。
物体に温度の変化が生じるのは、原因となる何かが物体にくわえられた時である。この温 度の変化を引き起こすものを、熱量とよぶ。熱量が加わった時の物質の性質の変化や温度の 高低で生ずる物理現象の普遍的な性質や基本的法則を調べるのが熱学である。力によって加 速度が生ずる力学と対比させて、熱力学ともいわれる。
温度の変化は物体の形状、大きさや様々な性質の変化を引き起こす。温度の変化、熱量、
性質の変化の3者の関係は、力学における物体の位置を測る時間、力、位置の変化としての 加速度の関係に似ている。力学の法則はニュートンの運動の3法則でまとめられる。3法則 の中で、第二法則の運動方程式は、力と加速度の関係を表し、物体の加速度が加えられた力 に比例し物体の質量に反比例する微分方程式、
m d2
dt2⃗x(t) =F⃗ (1.1)
である。この運動方程式で運動が統一的にかつ普遍的に理解される。加速度は物体の位置が 時間と共に変化するときの、位置の時間に関する2階微分であり、物差しと時計で簡単に定 義される。しかし、質量や力はより抽象的な概念であり、ニュートンの運動方程式で初めて 意味がきっちりと確定する物理量である。このような一見あいまいな考え方にはがゆい気持 ちを持つ者が多いかもしれない。しかしこの考え方は、物理学や他の自然科学で常套的な考 え方である。熱学における、熱量や温度も同様に抽象的な概念であり、抽象的な概念により 自然現象が普遍的に把握されることが、徐々にわかってゆくであろう。
さて熱学では、 温度の変化につれて物体がどのように形、大きさや他の様々な性質をか えるか、またその際いかなる普遍的な事柄が成立するか? 、を考察する。物体に 熱量 が 加えられると、物体の 温度 が上昇し、逆に物体から熱量が引かれると物体の温度が下降 する。熱量が一つの物体Aからもう一方の物体Bに移動するとき、Aの温度は下がり、Bの 温度は上がる。また、理想的な状況では、Aから出る熱量は、Bに入る熱量と等しい。熱量 は、物体の温度を変化させる原因となるものであるが、その正体は、後で述べるように、エ ネルギーの1種である。
ところで、 温度 は、物体の位置のように簡単に具体的な定義ができるものではない。温 度は直感的な冷たさや暑さの度合いを定量的に表す物理量である。温度は、また温度計で測
られ、同時に定義される。では、温度計とは何であろうか?温度計は、温度の変化と共に起 きる物体の性質の定量的な変化が普遍的であることにもとずいている。これらの物理の解析 から都合の良い温度計が選ばれて使われる。この際、物体が決まった温度のもとでいつも同 じ性質を示す事が大事である。この普遍性はすべての自然科学で重要である。自然科学では 再現性を示す普遍的な現象を扱う。温度計もこの普遍的な性質に基づいている。熱学では、
温度や熱に関連する現象を解明する。まづ初めに、熱現象をいかに表し、いかに解析するか 学び、さらに熱現象に関する原理や法則を明らかにする。
1.1
熱平衡
熱平衡
熱い物体と冷たい物体を接してしばらくおくと、高温物体から低温物体に熱が移動する。
この結果、それぞれの温度が徐々に変化し、最後に二つの物体が同じ温度となる。これ以後 は、熱の移動は起きず、またそれぞれが同じ温度で保たれる。このように、物体がすべて同 じ温度で一様になっている時、物体は熱平衡にあるという。決まった温度で熱平衡にある同 量の物体は、同じ体積や同じ性質をもつ。これらを熱学的な性質という。本章では、物体の 熱学的な性質を、おもに学ぶ。
一方で、熱平衡にない孤立した物体は、時間と共に変化し最後に熱平衡になる。
温度の決め方
熱平衡にある物体は一定の温度で一定の性質を示す。温度の変化と共にこの性質は、通常 変化する。例えば、身近にある水は温度と共におおきく性質を変える。水は、低温で固体の 氷、室温程度の常温で液体の水、高温で気体の水蒸気と、三つの異なる状態になる。三つの それぞれは、大きく異なる性質を示す。これら状態を、相、と呼ぶ。水では、異なる温度で 固体、液体、気体の三つの相が現れ、温度を変えると一つの相から他の相への転移である相 転移がおきる。相の境となる温度はどこでも、いつも同じである。相転移は劇的な変化であ るので、簡単に観察や観測をすることができる。そのため、相転移の温度を知るのも易しい ので、相転移に基づき温度の目盛りが定義される。その一つが、液体の水が凍る氷点を0度、
液体の水が沸騰する沸点を100度とする摂氏目盛り( C)である。摂氏目盛り( C)は日 常生活に密着した温度目盛りである。
温度目盛りには、他に 華氏目盛り(F)や絶対温度目盛り( K)等が良く使われる。華氏目 盛りでは人間の体温が約100度( 96度)であり、水、氷、塩の混合から作られる最低温 度が0度である。
また絶対温度目盛りは、後で調べるように気体の性質が温度と共に簡単な法則(ボイル シャルルの法則)に従うことに基づいて決められる。絶対温度では、最低の温度が0度であ り、摂氏0度は絶対温度で273Kである。絶対温度では、実現可能な温度の最低値が0度 であり、この時気体の体積は零となる。
状態量
温度と共に変化する物体の状態を指定するに必要な物理量を状態量という。温度の変化と 共に、気体が最も大きく性質を変える. そのため、ここで気体について考えることにしよう。
有限の大きさの箱の内部に閉じ込められた気体の場合には、状態量は気体の温度(T)、気 体の体積(V)、閉じ込めるための圧力( P)、モル( n)数等がある。大抵の場合これらは、
独立ではなく互いに関連しあう。ある決まったモル数の気体は、温度を一定にしたとき圧力 と体積の積が、いつも同じである。
1.2
状態方程式
一定の大きさの箱の内部に希薄な気体を閉じ込める。このとき、閉じ込められた気体の体 積( V)は、圧力( P)に反比例し温度(T)に比例することがボイルやシャルルによる各種 の実験で確認された。これらは、理想気体のボイルシャルルの法則
V =kT
P (1.2)
としてまとめられた。ここで、この関係を満たす温度はセ氏でもカ氏でもなく、絶対温度で ある。絶対温度はセ氏温度と、
K =C+ 273.15度C (1.3)
で関係している。だから、摂氏0度は、絶対温度273.15Kであり、温度間隔は、
∆T K = ∆T 度C (1.4)
とどちらでも同じである。
また、ボイルシャルルの法則の比例定数kは、気体の種類や質量により異なるが、分子数 で決まり、値は分子数に比例する。即ち、この比例定数はモル数( n)に比例する。実際上 は、一モルの気体あたりの比例定数を使うのが便利である。一モルあたりの比例定数として 記号Rを導入すると、nモルの気体では、状態量圧力( P)、体積(V)、温度( T)の間に 一つの関係式
P V =nRT (1.5)
が成立する。状態量の間のこの関係式は、理想気体の状態方程式と呼ばれる。状態方程式で ただ一つの物理定数であるRは気体定数と呼ばれ、値は
R= 8.314×103J/KKmol = 1.986Kcal/KKmol (1.6) である。この関係式を図示しよう。 5cm
P-V図
温度の変化と共に、グラフは変化する。だから、各温度ごとに体積と圧力が一本の曲線上 にあり、またこの曲線は温度で変化する。各温度ごとに、一つの体積V1 における圧力P は、
縦軸で与えられる。図より、圧力は、低温よりも高温で大きくなる。三つの物理量の関係式 を、三次元空間で示すことも可能である。この場合、あるモル数の気体の状態方程式は、三 次元空間における曲面を表わしている。
実は、理想気体の状態方程式は、希薄な気体等の理想的な状況にあるガスで成り立つもの である。希薄でない現実的なガスも一つの状態方程式に従う。しかし、現実気体の状態方程 式は、これほど簡単ではなく、修正された状態方程式にしたがう。
現実的な気体が満たす方程式として、van der Waals状態方程式がよく知られている。
van der Waals状態方程式は、いくつかの物質に依存するパラメーターをもつ
(P +an2/V2)(V −bn) =nRT (1.7)
であり、図のようなグラフである。
P-V図
van der Waals状態方程式に従う気体は、理想気体とは全く異なる性質を示すことが、
後でわかる。
1.3
熱容量と比熱
1.3.1 熱容量
:
水1gを1度上げるのに必要な熱量を、1カロリーという。物体の温度を摂氏1度上げる に必要な熱量は、物体ごとに異なる固有な値をとる。これを、熱容量といい、熱容量は、物 体の量(質量、モル数、等)に比例する。 ある物体の温度をδT あげるのに要する熱量が δQであるとき、
C = δQ
δT (1.8)
のCが熱容量である。
また、熱容量をC、質量をM とすると、両者は比例して、
C =cM (1.9)
となる。比例係数cは、単位質量当たりの熱容量であり、これを比熱という。つまり、比熱 は一定の物質(1g 、1モル他)の熱容量である。1モルの熱容量を、モル比熱とよぶ。
物質の比熱
1.3.2 熱膨張
温度の変化により生ずる物質の変化の一つは、高い温度で物体が大きくなる熱膨張である。
熱膨張には、直線状の物体の長さの膨張、面状の物体の面積の膨張、立体状の物体の体積の 膨張がある。直線状の物体では、温度T における長さl(T)は、温度T0の近傍で
l(T) = l(T0)(1 +α(T −T0)) (1.10) となる。この時、比例係数αを線膨張係数という。また、面状の物体は、温度の変化で面積 が変化する。ある温度での面積S(T)が、温度T0の近傍で
S(T) =S(T0)(1 +β(T −T0)) (1.11) と変化するときβを面膨張係数といい、同様に、体積V(T)が
V(T) =V(T0)(1 +γ(T −T0)) (1.12) と変化するときγを体積膨張係数という。同じ物体では、3この熱膨張係数は、簡単な関係 を満たしている。いま、同じ物体の正方形や立方体を考えよう。辺の長さ、面の面積、及び 立体の体積の関係は、
S(T) = L(T)2 (1.13)
V(T) =L(T)3 (1.14)
であるので、面積や体積の変化率は長さの変化率から、
d
dTS(T) = 2L(T) d
dTL(T) (1.15)
d
dTV(T) = 3L(T)2 d
dTL(T) (1.16)
となる。よって、面積膨張率、体積膨張率は、線膨張率から
α= 1
L(T0) d
dTL(T)|T=T0 (1.17)
β = 1 S(T0)
d
dTS(T) = 2 1 L(T0)
d
dTL(T)|T=T0 = 2α (1.18)
γ = 1
V(T0) d
dTV(T) = 3 1 L(T0)
d
dTL(T)|T=T0 = 3α (1.19) と表わせる。
物質の膨張率
1.4
分子運動論
気体の簡単な性質である、体積V が圧力P に反比例して、温度T に比例するボイルシャ ルルの法則、
V =nRT
P (1.20)
は何を意味するのだろうか?
気体は、目に見えない小さな分子が沢山集まってできている。これから、ボイルシャルル の法則が導かれる。このように、沢山の小さな分子が集合していることに基づいて気体を 理解する考えを、気体の分子運動論という。分子運動論に基づいて気体の性質が理解できる のは、
( 1)気体の性質は分子数で決まっている、
ことから予想でき、しかしながら
( 2)気体における分子はほとんど見えないし直接観測されない。
これから、分子は極めて小さいことがわかる。その結果、分子の数は極めて大きくなるこ とより、
( 3)ボイルシャルルの法則が簡単に導ける。
実際、一モルのガスは6×1023(アボガドロ数)個もの多数の分子からなる。
1.4.1 理想気体の圧力
分子運動論にもとづいて、熱平衡にある気体の性質を考えよう。
気体が箱の中に閉じ込められると、気体の分子は境界の壁と衝突して、跳ね返る。この際 の衝突は、弾性的であり、気体分子のエネルギーは変化しない。そのため、気体の全体とし ての性質は、時間的に変化しないで、一定に保たれる。もし、気体分子が壁との衝突が、エ ネルギーを失う非弾性衝突であれば、気体の性質が時間と共に変化してしまうことになる。
時間に依存しない定常的な気体の性質は、弾性衝突によって引き起こされている。弾性衝突 では、気体分子はエネルギーを失わないが、壁に力を与える。この力が、気体が持つ圧力と なる。
気体の圧力を求めるため、壁に閉じ込められて熱平衡にある気体の各分子の運動を調べる。
熱平衡にある時、気体全体としての性質は、時間が経過して変化しない。だから、分子は、
壁と弾性衝突を繰り返していると考えてよい。
次に、分子と壁との弾性衝突による圧力の計算を行う。
一個の分子mが壁と弾性衝突をするとき、分子は運動の方向が変化するので、分子の運 動量が変化する。変化量は、壁が分子に与える運動量であり、壁と分子で運動量の交換がな される。運動方程式
F⃗ =md
dt⃗v (1.21)
から、短時間での運動量の変化量は、
F δt⃗ =δ(m⃗v) (1.22)
となる。この左辺を、力積と呼ぶ。このベクトル式のx成分に注目し、さらにある時間δt内 でn回の衝突では、
F δt= 2mvxn n = vx
2lx (1.23)
となる。衝突回数nは、この時間内にx−方向に運動する距離vxを一往復の距離で割った 値である。だから単位時間当りの一粒子の力積から力が、
F = 2mvx2 2lx
=mvx2 lx
(1.24) と求まり、さらに全粒子で加えた力の総和を面積Sで割って、圧力P が
P = 1 S
∑m(vx2 lx
) = 1 Slx
∑mvx2 (1.25)
= 1 V
∑m⃗v2 3
= 1 V
2 3N m⃗v¯2
2
(1.26) と求まる。これより、圧力と体積の積が、粒子の運動エネルギーを使い
P V = 2 3Nm⃗v¯2
2 (1.27)
となる。左辺は気体の状態方程式の左辺に一致し、右辺は分子の運動エネルギーに比例して いる。だから、圧力と体積の積が、分子の運動エネルギーに比例する。
1.4.2 温度の微視的解釈
上の結果から、一モル当りの気体では、圧力P 体積V と平均運動エネルギーϵは、アボガ ドロ数NAを使い、
P V = 2
3NA¯ϵ, ϵ= m⃗v¯2
2 (1.28)
となる。これを、一モル当りの状態方程式
P V =RT (1.29)
と比較して、分子のエネルギー平均値¯ϵは、
2
3NA¯ϵ=RT (1.30)
となることが分かる。ここで、1モルあたりの気体定数Rから、1分子あたりの新たな定数 k( ボルツマン定数)
k= R
NA = 1.38062×10−23J/K (1.31)
を定義しておこう。kを使い、分子の平均エネルギーと温度が
¯ ϵ= 3
2kT (1.32)
と比例関係にある事が分かる。
つまり、1分子の平均運動エネルギーは、温度に比例し
¯ ϵ= 3
2kT (1.33)
である。分子運動は、x, y, zの3方向をとり、運動エネルギーは3方向の運動エネルギーの 和であるので一方向当りの運動エネルギーは、12kT である。
1.5 Maxwell
の分布関数
気体内で分子は、一つの速度を持つわけではなく、様々な速度を持っている。このような 状況にある沢山の分子を表すには、速度の分布関数を使うとよい。全分子数が大きな数Nで ある時、速度が⃗vである分子数が
f(⃗v)d⃗v =N( m
2πkT)3/2exp(−m⃗v2
2kT)d⃗v (1.34)
であるとき、f(⃗v)/Nが分布関数である。分布関数を積分して、実際分子数が
∫
f(⃗v)d⃗v =N (1.35)
となる。また運動エネルギーの平均値は、
∫
f(⃗v)⃗v2
2md⃗v/N = 3
2kT (1.36)
となることが分かる。
上の積分計算に際しては、ガウス積分の公式 I =
∫ ∞
−∞dxe−ax2 =
√π
a (1.37)
を繰り返し使う。この公式は、求める積分Iの二乗が2次元空間の積分 I2 = (
∫ ∞
∞ dxe−ax2)2 =
∫ ∞
∞ dxe−ax2
∫ ∞
∞ dye−ay2 (1.38)
=
∫ ∞
∞ dxdye−a(x2+y2) (1.39)
であること、また2次元空間の積分を極座標に座標変換して、
x=rcosθ, y =rsinθ (1.40)
dxdy=rdrdθ (1.41)
となることを使い計算される。この結果、求める積分の二乗が
∫ ∞
∞ dxdye−a(x2+y2) =
∫ ∞
∞ rdr
∫ 2π
0
dθe−ar2 (1.42)
= [−1
2ae−r2]∞0 π= π
a (1.43)
と求まる。
1.6
問題
問題1−1
摂氏温度の定義を説明せよ。
問題1−2
気体の状態方程式を書き下し、絶対温度を説明せよ。また、絶対零度とは、いかなる温度で あるか?
問題1−3
幅の狭い長いガラス管の中に、アルコールが封入されている温度計を考察する。ガラス管の 断面積は、1mm2とする。温度が摂氏20度から1度上昇するとき、アルコール面の位置 は、どれほど変化するか?下の表の、熱膨張率を使い計算せよ。
熱膨張率
固体の線膨張率(α/10−6 K−,20C) 亜鉛 30.2
アルミニウム 23.1 金 14.2
鉄 11.8
氷 52.7(0 C) ガラス 8-10
液体の体膨張率(β/10−3 K−,20C) 水 0.21
メチルアルコール 1.19 水銀 0.181
問題1−4
大気中にある風船を考える。
(1)摂氏20度、1気圧中で体積が1m3 であった。これを、同じ温度で0.5気圧中の 大気中におくとき、体積はいくらか?
(2)また、1気圧で、風船内部の温度が摂氏30度であるとき、体積はいくらか?
(3)風船内部も外部も同じ大気であり、摂氏20度1気圧では、質量密度が1.2Kg/m3 とする。(2)の状況で、風船にかかる浮力をもとめよ。
問題 1−5
(1)摂氏20度の水1Kgに、摂氏40度のお湯0.2Kgを入れて時間が十分経過した 時の、温度はいくらか?
(2)摂氏20度の水1Kgに、摂氏100度の鉄0.2Kgを入れて時間が十分経過した 時の、温度はいくらか?
ただし、比熱は、
水の比熱(1グラム当たり):4.18J/K 鉄の比熱(1モル当たり):25.0J/K
である。水は1グラム当たりの値で、鉄は1モル当たりの値であることに注意。
第 2 章 熱量と熱力学第一法則
2.1
熱量
熱量は、もともと物体の温度を上げ下げさせる原因となるものであった。水1gの温度を 一度Cあげるのに必要な熱量が1カロリーである。しかし、後で述べるように、熱量はエネ ルギーと等価である。このため、熱量の単位として、MKS 単位系におけるエネルギーの単 位である、ジュールを使うことも多い。
2.1.1 比熱
物質の比熱 は1g当りの熱容量のことである。身近な物質の比熱は、次にあげる通りで ある。
固体・液体の比熱
金 : 0.035(−185C− −20C) (2.1)
: 0.0303 (2.2)
銀 : 0.0556 (2.3)
水銀 : 0.0315 (2.4)
鉄 : 0.1045 (2.5)
水 : 1 (2.6)
氷 : 0.502 (2.7)
アルコール : 0.547 (2.8) このように、比熱は物質で異なり、決まった規則は無いように見える。だから、非熱の値に は、このままではなんらの普遍的な意味はないかのように見える。
気体の比熱
気体は、熱膨張係数が最も大きい。気体の温度を上昇させる際、気体は、通常、膨張して 体積が大きくなる。だから、気体の温度を上昇させる熱量には、温度を上げる際の膨張に伴 う仕事が足される。ただし、体積を一定に保つ定積変化で温度を上昇させる場合は、この仕 事はない。また、圧力を一定に保つ場合には気体は膨張し、膨張に伴う仕事が有限である。
このように、気体では、どのような条件で温度を上昇させるかで、熱量や熱容量は異なる。
体積を一定に保つ場合の比熱を定積比熱 CV 圧力を一定に保つ場合の比熱を定圧比熱 CP と いう。
一般に膨張する時、気体の圧力は外部に対して正の仕事をするのでCP > CV である。
また、後で示すように、定積比熱と定圧比熱の比 γ = CP
CV (2.9)
は決まった値
γ = 1.66(1原子気体)、1.40(2原子気体) (2.10)
をとる。
2.1.2 原子熱、分子熱
比熱を、単純な質量あたりの熱量ではなく、分子の数で換算した値でみてみよう。ここで、
物質の原子量グラムや分子量グラム当りの熱容量の値である原子熱や分子熱で見る。これら は、以下のように定義される。
原子熱:1g原子の熱容量 ( =比熱×原子量)
分子熱:1g分子の熱容量 ( =比熱×分子量)
このとき、比熱は下の表のような値になる。
物質 比熱 原子量 原子比熱 (2.11)
M g 0.25 24 6.0 (2.12)
F e 0.105 55 5.6 (2.13)
Cu 0.091 63 5.7 (2.14)
Ag 0.055 107 5.9 (2.15)
P b 0.031 205 6.4 (2.16)
これからわかるように、固体の原子熱はほぼ6である。また、気体の分子熱や原子熱は 物質 比熱 原子量 分子比熱 原子比熱 (2.17)
He 0.75 4 3.0 3.00 (2.18)
Ar 0.074 40 2.96 2.96 (2.19)
H2 2.43 2 4.86 2.43 (2.20)
N2 0.178 28 4.98 2.49 (2.21)
O2 0.156 322 5.00 2.50 (2.22)
となり、やはり普遍的な傾向があることがわかる。
2.1.3 熱の移動
熱が移動する仕方や機構には、熱伝導、対流、熱輻射の3種類がある。
熱伝導は、熱量が物質内で移動しておきる。物質内で温度が一様ではなく温度の傾きが あるとき、高温部から低温部に熱は移動する。熱伝導は、固体、液体、気体のいずれでも起 きる。
対流は、流体内で起きる熱を伝達する機構である。流体の高温部は、膨張して低温部より 比重が小さくなるため軽い。このため、高温部は低温部とは異なる運動をする。流体内の高 温部の塊は、大きな浮力が働くため浮く。逆に低温部の浮力は重力より小さいため、低温部 の塊は沈む。これらの流体の移動は、温度の違いによって引き起こされるが、一方で熱の移 動を引き起こす事になる。これが対流である。対流は、物体の内部が簡単に運動できる流体 内で起きる。温度の傾きがあるため、前述の熱伝導も生ずるが、物質の性質によっては、熱 伝導は対流よりもはるかに小さくなる事もある。
熱輻射は、電磁波としてのエネルギーの伝搬である。前の2つの機構が、物質があるとこ ろで物質の効果として起きるのに対して、熱輻射は真空中でも起きる。これは、電磁波が真 空中を伝播する波であることによる。たとえば、魔法瓶は、内部の空間と外部の間に、しき いと真空部分を作り、熱伝導と対流を遮断する。しかし輻射は真空中でも伝搬するので、熱 輻射は避けられない。魔法瓶は、熱伝導も対流も遮断しているが、熱輻射による熱の伝播は 起きている。それでも、内部の温度を持続する大きな効果を持つ瓶である。
2.2
熱力学第一法則
熱量とは、力学的エネルギーの変形したものである。その為、物体が熱的に変化をすると き、熱量と力学的エネルギーの和は一定の値に保たれる。これを、熱力学第一法則という。
1カロリーの熱は4.189Jouleの仕事(エネルギー)に対応することが、次のジュールの実験 で分かった。
2.2.1 Jouleの実験
熱量がエネルギーの変形したものである事を、実験的に確認したのが、J oule の実験であ る。重い物体を重力中でゆっくり落下させると、重力による位置エネルギーが、変化する。
このエネルギーを、図のような水中の羽根車で水の温度の上昇の熱に変換させる。このと き、重力エネルギーは、水の温度上昇に使われた。ジュールは、水の温度の変化に伴う熱量
Q=M C∆T が、重力エネルギー12M g2に比例することを確認した。両者が比例することよ
り、両者が等価なものであることが分かる。比例係数は、熱の力学的エネルギーへの換算率 である。
l
Fig. 2.1: ジュール.
2.3
気体の内部エネルギー
2.3.1 ジュールの法則
気体は状態に固有な内部エネルギーをもつ。内部エネルギーは、状態量の一つであるが、
温度、体積、圧力等の値によって変化する。特に、ボイルシャルルの法則を満たす気体であ る理想気体の内部エネルギーは、温度だけで決まり他の状態量には依存しない。この性質は、
理想気体の特徴の一つである。
2.3.2 自由膨張によるテスト
ジュールは、気体を自由膨張させた時、気体の温度がどのように変わるかを調べた。自由 膨張とは、気体の壁を瞬間的にとり除いた時に生ずる現象である。自由膨張では、気体が真 空中に拡散するだけで、境界に壁のようなものは存在しない。このため、自由膨張では、気 体は外部に対して仕事をしないので、気体が持つ内部エネルギーは一定の値のままである。
ジュールは、自由膨張にさいして、気体の温度が変化しないことを確かめた。このことから、
外部からの仕事がない時、気体の温度は変化しないことがわかった。つまり、内部エネルギー は、温度だけで決まっている。
ところで、体積を一定に保つとき、体積変化がなく壁の変位がゼロであるので、圧力は仕 事をしない。だから、このとき内部エネルギーの変化は熱量だけで引き起こされ、内部エネ ルギーの変化量は、このときの熱量、すなわち体積を一定に保ちながら、温度を上昇させる ときの熱量( エネルギー)である定積比熱から表わせる。よって、気体の内部エネルギーは 定積比熱で
dU =J CvdT (2.23)