• 検索結果がありません。

電磁気学

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "電磁気学"

Copied!
27
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

電磁気学 Ⅱ

Electromagnetics Ⅱ

山田 博仁

電磁ポテンシャルとゲージ変換

7/14

講義分

(2)

再び Maxwell 方程 式

) 4 ( )

, ( )

, ( div

) 3 ( )

, ) (

, ) (

, ( rot

) 2 ( 0

) , ( div

) 1 ( ) 0

, ) (

, ( rot

t t

t t t t

t

t t t

e

e

x x

D

x x i

x D H

x B

x x B

E

 

 

 

  Maxwell の方程式

) 6 ( )

, ( )

, (

) 5 ( )

, ( )

, (

t

t

t t

x H x

B

x E x

D

) 8 (

) 7 (

0 0

) 10 ( ) 0

, ) (

, (

rot  

 

 

t

t A x t

x E

構造関係式 ( 物質中 ) 真空中では、

磁場 ( 磁束密度 )B(x, t) を

) 9 ( )

, ( rot )

,

(x t A x t

B

これを式 (1) に代入すると、

と表すと、式 (2) は恒等的に満たされる。(   ベクトル恒等より、          (A) 0 ) 4 つの式から成っている

(3)

電磁ポテンシャ

さらに式 (10) は、

ル

) 14 ( )

, ) (

, ) (

, (

rot t

t

t E x t ie x

x

B   

 

) 13 ( )

, ( rot )

, (

) 12 ( )

, ( ) grad

, ) (

, (

t

t

t t t t

x A x

B

x x x A

E

 

 

 

この A と  を、電磁ポテンシャルという。

) 11 ( )

, ( ) grad

, ) (

,

( t

t

t A x t x

x

E   

 

とおくことにより、恒等的に満たされる。

つまり、 Maxwell の方程式の式 (1) と式 (2) は、

とおくことにより、自動的に満たされることになる。従って、電磁気学の基 本法則は、残り 2 つの式で表せることになる。

まず、式 (5), 式 (6) の関係を用いると、式 (3) は、

となる。

(   ベクトル恒等式より、           rot(grad)  0 )

以下では、残りの Maxwell 方程式 (3) 式 (4) を、 E, B, H, D ではなく、電磁ポ テンシャル A と  を用いた式として書き直してみる。

(4)

電磁ポテンシャ ル

) 15 ( )

, ) (

, ) (

, ( div grad )

,

2 (

2

tt

t t

t t x ie x

x A x

A   

   

 

 

 

 

 

となる。

これに式 (12), 式 (13) を代入し、       

のベクトル恒等式を用いると、

A A

A)  grad(div ) rot

( rot

また、式 (4) に式 (12) を代入すれば、

) 16 ( )

, 1 (

) , ) (

, div (

) , (

div t t

t

t A x t x e x

x

E

  



 

 

従って Maxwell の方程式 (1) 式 (4) は、以下の方程式系で置き換えられる。

) 17 ( )

, 1 (

) , div (

) , (

) 15 ( )

, ) (

, ) (

, ( div grad )

, (

) 13 ( )

, ( rot )

, (

) 12 ( )

, ( ) grad

, ) (

, (

2 2

t t t t

t t t t

t t

t t

t t t t

e

e

x x x A

x x i

x A x

A x A x

B

x x x A

E

 

 





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(5)

新しい Maxwell 方程式 系

上の新しい Maxwell 方程式系による解法は、電荷密度分布e(x, t) および伝導 電流密度の分布 ie(x, t) が与えられていれば、まず式 (15), (17) による連立方 程式を解いて電磁ポテンシャル A(x, t) および (x, t) を決める。次にこれを式

(12), (13) に代入することにより、電場 E(x, t) および磁場 B(x, t) が求まる

。しかし、この新しい Maxwell 方程式系では、最初に式 (15), (17) による連立 方程式を解かなければならないので解法が煩雑。

そこで、上の式 (12), (13), (15), (17) の方程式系の次の性質に注目する。

) 17 ( )

, 1 (

) , div (

) , (

) 15 ( )

, ) (

, ) (

, ( div grad )

, (

) 13 ( )

, ( rot )

, (

) 12 ( )

, ( ) grad

, ) (

, (

2 2

t t t t

t t t t

t t

t t

t t t t

e

e

x x x A

x x i

x A x

A x A x

B

x x x A

E

 

 





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



もっと簡単にできないか ?

(6)

新しい Maxwell 方程式

今、任意の微分可能な関数を u(x, t) とし、先の電磁ポテンシャル

系

A およびの 代わりにA'(x,t)  A(x,t)gradu(x,t)  (18)

) 19 ) (

, ) (

, ( )

,

( 

t t t u

t

'

 

x

x

x

として、新しく A’(x, t) および’ (x, t) を定義する。

t ' A'

t ' u u

t ' t

 grad

grad )

grad (

grad

 





 

 

 

 

 



A A

E

また、 B  rot A  rot(A' gradu)  rot A' rot(gradu)  rot A'

即ち、式 (18), (19) によって与えられた A’ と ’は、式 (12), (13) により、

元の電磁ポテンシャル A,  と全く同じ電磁場 E, B を与え、これらも新し い電磁ポテンシャルと見ることができる。つまり、式 (12), (13) で与えられ た電磁ポテンシャルには、任意関数 u(x, t) だけの不定性がある。

このとき、

(7)

新しい Maxwell 方程式

今、 A’, ’ を新しい電磁ポテンシャルと見なして式

系

(15) に代入すると、

t e

t u u t

t t

t u u t

t u

t ' '

t '

i A

A

A A

A A

A A

 





 











 



 

 

 

 

 

 



 

 



 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

div t grad

grad div

grad grad

) grad (

div grad )

grad (

div grad

2 2

2 2 2

2 2

2 2 2 2 2

t e

t u t

u t

t u t

u t

' '

 

div 1 div

) grad (

div div

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 



 

 

 

 

 

A A A A

また、 A’, ’ を式 (17) に代入すると、

) )

( )

grad ( div

( u  u 2u  u ) ) grad(

) grad (

(式 式 式u  u

従って、 A’ 式 ’は、 A 式 と全く同じ方程式を満たしている。

(8)

ゲージ変 換

即ち、式 (18), (19) の新しい電磁ポテンシャル A’ と ’は、 A と の組と

同じ電磁場 E, B をもたらすだけではなく、これらの満たす方程式も全く 同じである。つまり、電磁ポテンシャル A およびには、任意関数 u の 不定性がある。

式 (18), (19) をゲージ変換と言う。また、関数 u(x, t) をゲージ関数と言う。

新しい Maxwell 方程式系 (12), (13), (15), (17) は、ゲージ変換 (18), (19) のもとで不変。

それなら、任意関数をうまく選ぶことによって、新しい Maxwell 方程式系

(12), (13), (15), (17) をもっと簡単に解けるようにできないだろうか ?

例えば、式 (15) の左辺第 2 項の括弧内がゼロとなるように任意関数を選ぶこ とができれば、式 (15), 式 (17) はずいぶん簡単な式にできるだろう。

そこで、 ( , ) 0 (20) )

, (

div  

 

t

t L t

L

x x

A  

となるような任意関数 χ を選ぶことができるかどうかを考えてみよう。

) 21 ( )

, ( grad )

, ( )

,

( t t t

L x A x x

A   

) 22 ) (

, ) (

, ( )

,

( 

t t t

L t

 

x

x

x  

今、

となるような任意関数 χ を考える。

このゲージ変換による新しい電磁ポテンシャル AL と L は、勿論もとの A とと同じ電磁場 E, B を導き、またそれは式 (15), (17) と同じ形の方程式 を満足する。

(9)

) ' 23 ) (

, ) (

, ( div )

,

2 (

2

 

 

 

 

 

 

t

t t t t

x x A

x  



式 (21), (22) を式 (20) に代入すると、

ゲージ変 換

) 23 ( 0

div ) grad ( div ) div

, ) (

, ( div

2 2

2 2

 

 

 

 

 

 

 

 

t t

t t

t

t L t

L

 

 

 

 

 



A x A

x A

従って、

つまり、式 (23’) を満足するような関数 χ を選んでやれば良いだけではないか。

そうすれば、式 (20) が満足されるので、 新しい Maxwell 方程式 (15), (17) は、

) 24 ( )

, ( )

,

2 (

2

tt AL x tie x

   

 

 

) 25 ( )

, 1 (

) ,

2 (

2

t

t L x te x

 

   

 

 

と非常に簡単な式になる。

上の式 (24), (25) を、ダランベール (d’Alembert) の方程式と言う。

(10)

ローレンス・ゲージにおける Maxwell 方 程式

) 23 ( ) 0

, ) (

, ( div

) 25 ( )

, 1 (

) , (

) 24 ( )

, ( )

, (

) 13 ( )

, ( rot )

, (

) 12 ( )

, ( ) grad

, ) (

, (

2 2

2 2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

t t t

t t t

t t t

t t

t t t t

L L

e L

e L

L

L L

x x A

x x

x i x

A x A x

B

x x x A

E

 

 





従って、ゲージ変換により、 Maxwell の方程式は、以下の一連の方程式系 で置き換えられたことになる。

この新しい Maxwell 方程式系では、式 (24), (25) を見ると式 (15), (17) とは異 なり、 AL と  L とはそれぞれ独立な方程式を満たしており、連立方程式には なっておらず、 AL, L, ie, e の4 個の成分に関して極めて対称性の良い形を している。

式 (23) の条件をローレンス (Lorenz) 条件と言い、この条件を満足する電磁

ポテンシャル AL(x, t), L(x, t) を、ローレンス・ゲージにおける電磁ポテン シャルと言う。

(11)

ローレンス・ゲージにおける Maxwell 方程式の 解法

) 23 ( ) 0

, ) (

, ( div

) 25 ( )

, 1 (

) , (

) 24 ( )

, ( )

, (

) 13 ( )

, ( rot )

, (

) 12 ( )

, ( ) grad

, ) (

, (

2 2

2 2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

t t t

t t t

t t t

t t

t t t t

L L

e L

e L

L

L L

x x A

x x

x i x

A x A x

B

x x x A

E

 

 





このローレンス・ゲージにおける Maxwell 方程式による解法は極めて見通し が良く、電流密度分布 ie(x, t) および電荷密度分布 e(x, t) が与えられていれ ば、まず式 (24) および式 (25) を各々独立に解いて、電磁ポテンシャル AL(x, t) および L(x, t) を求める。その求まった AL(x, t) と  L(x, t) が式 (23) を満 たしているかどうか確認し、次にこれを式 (12), (13) に代入することにより、

電場ローレンツとローレンスは別人E(x, t) および磁場 B(x, t) が求まる。

ローレンツ力、ローレンツ変換 → ヘンドリック・ローレンツ(Hendrik Antoon Lorentz 1853- 1928) オランダ

ローレンス・ゲージ → ルードヴィヒ・ローレンス(Ludvig Valentin Lorenz 1829-1891) デンマー ク

(12)

Maxwell 方程式のゲージ不変

ところで、このローレンス・ゲージにおける電磁ポテンシャル

性

AL(x, t),

L(x, t) も、一義的な値を持たない。何故なら、

) 26 ( 0

) ,

0(

2 2

 



 

 

t

tx



を満たすような 0 を用いて、ゲージ変換

) 27 ( )

, ( grad )

, ( )

,

( t t 0 t

' L

L x A x x

A   

) 28 ) (

, ) (

, ( )

,

( 0

t t t

t

' L

L

 

x

x

x  

を行うと、この新しいローレンス・ゲージの電磁ポテンシャル AL’(x, t),

L’(x, t) もまた、 (12), (13), (23), (24), (25) と全く同形の方程式系を満たす

。

即ち、 (12), (13), (23), (24), (25) の方程式系は、式 (26), (27), (28) の条件に 基づいて制限されたゲージ変換のもとで不変である。

(13)

静電場、静磁場の

さて、 (12), (13), (23), (24), (25) の方程式系において、全ての物理量が時

式

間 t に依存しないとき、

) 30 ( )

1 ( )

(

) 29 ( )

( grad )

(

x

x

x x

E

e L

L

 

) 33 ( 0

) ( div

) 32 ( )

( )

(

) 31 ( )

( rot )

(

x A

x i x

A

x A x

B

L

e L

L

静電場の基本法則

静磁場の基本法則

となり、静電場と静磁場では独立な方程式系が得られる。

(14)

相対論における扱

以下のローレンス・ゲージにおける Maxwell

い

方程式は、

) 25 1 (

1

) 24 1 (

2 2 2

2 2 2

 

 

 

 

 

 

 

t v

t

v A i

) 34 1 (

2 2

2 A  i

 

 

v t

相対論においては、 4 次元ベクトルとしての電磁ポテンシャル および 4 次元電流密度      を用いてi

v,ix,iy,iz

v, Ax, Ay, Az

A

と表される。

 v は、電流密度の次元を持つ

さらに、ダランベルシアン□を用いて (34) 式は、

) 35

 ( i

A  

□



 

 

 12 22 t

□ v

と表される。

(15)

クーロン・ゲ ージ

条件式を満たす電磁ポテンシャルを用いてマクスウェル方程式を書き換える と、

 0

A

となり、第一式が静電場の場合のポアソン方程式の形になっており、クーロ ン・ゲージ (Coulomb gauge) と呼ばれる。

放射ゲージ

さらに、自由空間中のように電荷密度、電流密度が共にゼロの場合、式 (28) の 右辺がゼロとなるように関数 χ0 を選び、スカラーポテンシャル ϕ をゼロと するようなゲージを選ぶこともできる。このゲージはローレンス・ゲージであ り、かつ      でもあるのでクーロン・ゲージでもあるが、放射ゲージ と呼ばれており、以下の基本方程式で与えられる。

i A   



 

 

 



 

 

t t2

2

ローレンス・ゲージ以外にも、ベクトルポテンシャル波動を横波に限定し、      の このように、ゲージ変換を行っても、 E や B の物理量の値に変化がなけれ

ば( ゲージ不変性と呼ぶ ) 、計算の都合のいいように自由にゲージを選ぶこと ができる。

0 0

, 0

2

2   

 

 

A A

A

t □



 0

A

(16)

自由空間への電磁波の放射

) 5 ( ) 0

, ( ) 1

, ( div

) 4 ( )

, ( )

, 1 (

) 3 ( )

, 1 (

) , 1 (

) 2 ( )

, ( rot )

, (

) 1 ( )

, ( ) grad

, ) (

, (

2 2 0 2 2

0 2

2 2

 

 

 

 

 

 

 

 

 



t t t c

t t t

c

t t t

c

t t

t t t t

e e

x x A

x i x

A

x x

x A x

B

x x x A

E

 

まず、ローレンス・ゲージにおける基本方程式系は、

次に、自由空間への電磁波の放射の問題を取り扱う。

2 0

0

  c



真空中を仮定して、

電荷分布 ρe(x, t) と電流分布 ie(x, t) とが与えられているとき、それらの時 間的変化に伴って発生する電磁波を求める。

そのためには、非斉次項をもつ波動方程式 (3) および (4) を解いて、その特 解を求めなければならない。

としている。

(17)

時間に依存した静電ポテンシャ ル

) 7 ) (

( 4

) 1

( 3

0

V

e

' x' x'

d x x

x

 

式 (3) において、左辺第 2 項が無いときは、静電場におけるポアソンの方程式

で与えられていた。

) 6 ( )

1 ( )

(

0

x

xe

  

になり、その特解は、

) 8 ( )

, ( 4

) 1 ,

( 3

0

 

V

e

' c t '

x' x'

d

t x x

x x x

 

しかし、電荷分布が時間的に変化する時でも、 |x|→∞ の遠方におけるポテン シャルの様子は、だいたい式 (7) と同じであろうと考えられる。ただし、式 (3) の波動方程式で伝わる電磁波は、有限の速度 c で空間内を伝搬していく ので、 x’ 点の電荷分布の変動の影響は、時間 |x - x’|/c だけ遅れて x 点に 到達するはずである。従って、 x 点でのポテンシャル ϕ(x, t) は次式のよう に表される。

      式 (7) では、電荷分布 ρe(x’) は時間的に変化し ていないから、それによって作られる場所 x における静電ポテンシャル ϕ(x) も時間に依存しない。

(18)

遅延ポテンシャ

このような物理的考察から、式 (3) の特解は式

ル

(8) のように表される。ここで 積分領域 V は、観測点 x および電荷分布の存在する全領域を含む空間領 域を表している。

) 9 ( )

, ( ) 4

,

( 0 d3x'

' c t '

x'

t V

e

 

x x

x i x

x

A

式 (4) に対しても同様に考えることができるので、式 (4) の解として次式が得られる。

式 (8) 或いは式 (9) で表される電磁ポテンシャルは、影響が光速で伝わるこ とによる時間的な遅れを考慮して導かれるというので、遅延ポテンシャルと それに対して、いう。

) 11 ( )

, ( ) 4

,

( 0 d3x'

' c t '

x'

t V

e

 

x x

x i x

x

A

) 10 ( )

, ( 4

) 1 ,

( 3

0

 

V

e

' c t '

x' x'

d

t x x

x x x

 

で表される式 (10) 或いは式 (11) の電磁ポテンシャルも、式 (3) および式 (4) の解となる。

式 (8) ~ (11) は、式 (5) のローレンス条件を満足していることも確かめられている。

(19)

参 ) 先進ポテンシャ

式 (10), (11) は、電荷や電流の動きよりも前に、何故かその動きを知っていた

ル

かのように存在していて、それが周囲から電荷に向かって集まってくる電磁波 であり、言わば

映画を逆回ししたようなイメージである。そのため、先進ポテンシャルと呼ば れている。

先進ポテンシャルの物理的解釈については色々と議論があるが、これは

Maxwell 方程式やそれらから導かれる波動方程式が時間反転に対して共変的

( 即ち、 Maxwell 方程式において、 t’= −t とおいて変換してやっても、全く

同じ方程式系が得られる ) であることに由来するものである。

つまり、電磁波の伝搬においては時間反転が可能であり、映画を逆回しにした ように伝搬する波 ( 位相共役波 ) も波動方程式の解となり、実在する。

位相共役波を発生させるには、縮退四光波混合などの非線形光学の手法を用 いる。位相共役波には、以下のような様々な応用が考えられる。

1. 通信応用

・ 暗号通信 ( 信号波形を解読できないように歪ませて送信し、受信側で元に戻す )

・ 伝搬路の障害物による波面の乱れを補正

2. 軍事応用

・ 対光ビーム兵器に対する防御シールド 3. その他天文学や医療応用  等々

(20)

余談 ) 波動の時間反転性と位相共役 波

E ej t k z

 

A ej t

t

E(r, )  Re (r) ( z )  Re (r)

j t' k z

 

j t'

cc t' E e A e

E (r, )  Re *(r) ( z )  Re *(r)

今、ほぼ +z 方向に伝搬している周波数 、波数成分 kz の波を、空間座 標 r と時間 t の関数として表すと、

と書かれる。

この式の複素共役 (complex conjugate) をとり、 t’ = −t とした波は、

となる。

このように、波の複素振幅が元の波の複素共役で表される波を位相共役波 (phase conjugate wave) と言い、これもまた電磁波の波動方程式の解となっ ている。

波源

障 害 物

これは、元の波と波面の形が同じであり、伝搬方向がちょうど反対の波であり

、あたかも時間を逆向するかのように振舞う波である。

A(r) A*(r) A(r)eA*(r) ejtjt’

Maxwell 方程式の時間反転性に由来

(21)

余談 ) 四光波混合と位相共役

非線形光学 (nonlinear optics) の技術を用いれば、位相共役波を作り出すことが可能

波

・ 四光波混合

非線形光学媒質

3 次非線形感受率  (3)

p

kpump

ポンプ波 ポンプ波

プローブ波

シグナル波 -kpump

s kp

ks

pump

pump

pump s

p  

   2

 0

s pump pump

p k k k

k

pump s

p  

   の時、

このとき、プローブ波とシグナル波は位相共役波の関係にある。

エネルギー保存則 波数 ( 運動量 ) 保存則

s

p k

k   縮退四光波混合

つまり、非線形光学媒質を用いれば、プローブ波に対する位相共役波が得られる。

(22)

電磁波の伝搬においては時間反転が可能

映画を逆回しにしたように伝搬する波

(

電磁波

)

も波動方程式の解 となり、実在する。

そのような波を位相共役波と言い、実際に発生させるには、縮退四 光波混合などの技術を用いる。

ニュートン力学的な運動、或いは熱力学的な運動においては、映画 を逆回しにしたようなシーンは一般的には起こり得ない。

しかし、電磁波

(

光

)

の伝搬においては、映画を逆回しにしたような シーンは実際起こりえる。

ここで言いたかったことは、

先進ポテンシャルの物理的解釈には諸説あるが、私は、電磁波伝 搬の時間反転性に基づく解の一つであり、実在するポテンシャル であると思いたい。

(23)

余談 ) 位相共役

普通の鏡と位相共役鏡との違い

鏡

Q. 位相共役鏡に自分の顔を映せば、どのように見えるか ?

普通の鏡 位相共役鏡

つまり、 k(r) = -k(i) k(i) k(r) k(i)

k(r)

k(i)x = k(r)x

1. 普通の鏡と同じ 2. 左右反対に映る 3. 上下反対に映る 4. 何も映らない 入射光

反射光

入射光

反射光 z

z = 0( 鏡面 )

z z = 0( 鏡面 )

k(i)y = k(r)y k(i)z =- k(r)z k(i)x = -k(r)x k(i)y = -k(r)y k(i)z =- k(r)z θ

θ 反射の法則

(24)

余談 ) 鏡に自分の顔が映るし くみ

普通の鏡の場合

普通の鏡

位相共役鏡の場合

位相共役鏡 ということで、位相共役鏡には、

自分の顔は映らない

敢えて言えば、自分の目だけが、

鏡全体に映る

(25)

余談 ) 位相共役波の応用例、防御シール ド ?

防御シールド、防御スクリーン、エネルギーシールド、電磁バリヤー、航宙デフレクター

USS エンタープライズ ( スタートレック )

クリンゴン ( 敵 ) の戦艦

非線形光学媒質のガス ポンプ光

位相共役光

ポンプ光の強度を高めていけば、位相共役光を プローブ光よりも強くする、つまり増幅させる ことも可能で、攻撃された光ビームよりもはる かに強い位相共役光を返すことも可能

縮退四光波混合により位相共役波が発生

(26)

余談 ) 擬似的な位相共役波の作り 方

凹面鏡 平面鏡 平面波

球面波

(27)

余談 ) コーナーキューブ・

3 枚の鏡を互いに直角になるように組

ミラー

み合わせたもの。入射した光は平面で 反射を繰り返し、元来た方向へ帰る。

コーナーキューブ・リフレクタの応用例 コーナーキューブ・プリズム

参照

関連したドキュメント

( 即ち、 Maxwell 方程式において、 t’= −t とおいて変換してやっても、全く. 同じ方程式系が得られる

( 即ち、 Maxwell 方程式において、 t’= −t とおいて変換してやっても、全く. 同じ方程式系が得られる

( 即ち、 Maxwell 方程式において、 t’= -t とおいて変換してやっても、全く. 同じ方程式系が得られる

授業の計画・内容 第1週 ビオ・サバールの法則

授業の計画・内容 第1週 ビオ・サバールの法則

授業の計画・内容 第1週 ビオ・サバールの法則

授業の計画・内容 第1週 ビオ・サバールの法則

授業の計画・内容 第1週 ビオ・サバールの法則