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コンクリートの一体性に影響を与える打継ぎ方法の検討

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Academic year: 2021

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コンクリートの一体性に影響を与える打継ぎ方法の検討

芝浦工業大学 中村 真人 芝浦工業大学 伊代田 岳史 芝浦工業大学 三坂 岳広

1 .はじめに

コンクリート構造物を建設する場合,打継ぎや打重ね が必要となる.この際,打継ぎには打継処理が必要とな り,これを怠るとコールドジョイントが発生し,耐久性 の低下や美観の悪化につながる.打継ぎに関してはコ ンクリート標準示方書[施工編]に記載があるものの, 実現場では粗骨材が見えるまで表面を処理するなど施 工管理者や作業者の感覚で判断されることが多い.本 研究では,打継ぎ処理の一体性に影響を与える要因を 整理し,打継部の性能向上を目的とした打継ぎ方法の 提案を行う.そのために処理方法およびブリーディン グ水に対する処理の検討を行った.

2 .処理方法の検討 2.1 実験概要

本研究で用いた供試体の作製方法を図-1 に示す. 打 継処理方法は表-1 に示すように 1 層目打込みの 8 時間 後に行い,1 週間後に 2 層目を打設した.そして 2 層目打 込みの 1 週間後に 100×200×400mm の供試体から打継目 を有するコアを 2 個採取した.2 個のコアのうち 1 個を 促進中性化試験に用い, JIS に準拠して 1 週間の促進環 境に曝露した.さらに,もう一方のコアを

φ100×50mm

に切断した後,40ºC の乾燥炉に恒量となるまで静置し た後,透気試験に用いた.

2.2 試験結果

図-2 に処理深さを変化させた供試体の透気試験結果 お よ び 促 進 中 性 化 試 験 結 果 を 示 す .無 処 理 に 比 べ て 2mm 処理を行うことで,透気係数,中性化深さともに減 少した.一方で,15mm 処理では,無処理との差が小さく なった.15mm 処理から採取したコアの打継部を確認し たところ,粗大な空隙が認められた.これは処理深さが 深くなったことにより,2 層目のモルタル分が十分に充 填されなかったことが考えられる. このように 2mm の 処理でも打継部が改善されることから,打継部におけ る一体性にはレイタンスの除去が重要であると考え た.

図-1 供試体作製方法 表-1 実験概略

0 3h ・ 8h ・ ・ ・ ・ 7d ・ 14d 無処理

ブラシ ブラシ5㎜

2㎜ 高圧水2㎜

5㎜ 高圧水5㎜

15㎜ 高圧水15㎜

5℃

20℃

40℃

1 層 目 打 設

2 層 目 打 設

コア 採取 高圧水5㎜

種別 材齢

5℃

20℃

40℃

0.001 0.01 0.1

0 5 10 15 20 25

0 5 10 15

透 気 係 数( ㎝

⁴/N

s

中 性 化 深さ ( ㎜)

処理深さ(㎜)

中性化深さ 透気係数

-2 透気試験,促進中性化試験結果

自然乾燥 封緘 除去

ブリーディング水の減少要因

・蒸発

・水和による消費

・人為的な除去

・水和による消費

・蒸発

・水和による消費

図-3 ブリーディング水の処理方法

(2)

3.ブリーディング水に対する処理の検討 3.1 実験概要

レイタンス層の有無が打継部の一体性に大きな影響 を与えていると考え,ブリーディング水の処理を行う ことでレイタンス層の厚さを変化させた供試体を作製 した.処理方法は図-3 に示すようにブリーディング水 および浮遊物の除去,自然乾燥,封緘の 3 種類とした.供 試体作製方法および実施試験は 2.1 に準じた.

3.2 試験結果

図-4 にブリーディング水の処理を行った供試体の透 気試験結果および促進中性化試験結果を示す.ブリー ディング水を除去および封緘したものが,自然乾燥し たものより透気係数および中性化深さが小さくなった.

これは,レイタンス層がブリーディング水と共に除去 されたことが原因と考えられる.また,封緘に関しては, レイタンス層は形成されるものの,水分の逸散による 水和反応が阻害されないため,打継部が緻密なものに なったことが考えられる.

4.考察

図-5 に本研究で実施した全ケースの透気係数,中性化 深さの関係を示す.ここでレイタンス残と定義するも のは,割裂面において,白色のレイタンスが目視で確認 できたものである. このうち,打継処理を実施した 5ºC でもレイタンス層が確認された.この理由として,図-6 に示すように打継処理後に再度ブリーディングが発生 し,レイタンス層が形成されたことが考えられる.既往 の研究

1)

では,透気係数と中性化速度には相関があると 考えられている. しかし,レイタンス層の残るコンク リートでは中性化の進行が早くなった.これは,レイタ ンス層に水酸化カルシウムが多く含まれており,中性 化が促進されたものと考えられる.

5.まとめ

(1)一般的なコンクリートにおいて,2mm の打継処理を 行うことで一体性が確保されることが分かった.し かし,ブリーディングの多いコンクリートのような 場合は,レイタンスを確実に除去するたに 2mm 程度 の処理では不十分な可能性がある.

(2)促進中性化試験の結果より,ブリーディング現象に 伴い表面に形成されたレイタンス層に水酸化カルシ ウムが多く含まれているため中性化が促進されたと 考えられる.

0.001 0.01 0.1

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

Bl 自然乾燥 Bl 封緘 Bl 除去

透気係数 [⁴/Ns]

中 性 化 深さ []

中性化深さ 透気係数

-4 透気試験,促進中性化試験結果

0 5 10 15 20 25

0.001 0.01

中性化深さ[mm

透気係数[cm⁴/N・s]

処理 レイタンス残

Bl封緘

5℃ 無処理

Bl自然乾燥

図-5 透気係数,中性化深さの関係

再ブリーディング発生 レイタンス層形成 打継処理

打継処理 済み

5℃

図-6 レイタンス形成のイメージ(5ºC)

(3)一体性を確保するには,打継処理が必要不可欠であ る.中でも透気係数だけではなく,中性化抵抗性も向 上させるためには,レイタンス層を確実に除去する ことが重要となる.そこでレイタンス量はコンクリ ートのブリーディング量に依存するため,使用する コンクリートのブリーディング量に合わせた処理深 さを設定するべきであると考えられる.

参考文献

1)金武漢ほか:モルタル及びコンクリートの中性化に 影響を及ぼす透気係数に関する実験的研究,コンク リート工学年次論文集,Vol.22,No.1,2000

Supported by 西武建設株式会社

参照

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