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バイブレータの周波数がコンクリートの物質透過性に与える影響

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Academic year: 2021

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バイブレータの周波数がコンクリートの物質透過性に与える影響

芝浦工業大学 学生会員 ○田篭 滉貴 芝浦工業大学 正会員 伊代田 岳史 エクセン(株) 岡本 敏道

1.研究背景および目的

コンクリート打込みの際にバイブレータを使用し適 度な振動を与えることにより,内部の不要な気泡を除 去できる.また,骨材が均等に分布し材料に偏りのな い密実なものにすることによって,コンクリートの強 度や耐久性の低下を抑制できる.このため施工時にお けるバイブレータの締固めは,コンクリートにとって 重要な要因の一つである.現在,土木学会コンクリー ト標準示方書【施工編】には,一箇所当たりのバイブ レータの振動時間は 5~15 秒と定められているが,これ は従来の低スランプのコンクリートを対象としたもの であり,現在の多様なコンクリートにも同様に適用可 能であるかが不明である.また,周波数の高いバイブ レータが使用される様になり, 周波数が高くなること で,硬化後のコンクリートの耐久性にどのような影 響があるのかを把握することが必要である.

本研究では,低周波と高周波の 2 つのバイブレータ を用い,締固め時間を調整し,それぞれのバイブレー タがコンクリートに与える締固めエネルギーを一定と することで,周波数の違いのみが硬化後のコンクリー トの耐久性に与える影響を把握することを目的とした.

2.試験概要

2.1 使用材料および配合

表-1 に各コンクリートの配合を示す.本研究では,

普通コンクリート(スランプ:8±2.5cm)と中流動コンク リート(スランプフロー:50±10cm)の 2 種類を用意した.

コンクリートの配合は水セメント比を一定とし,中流 動コンクリートでは普通コンクリートよりも単位水量

200㎜

600㎜

上部

下部

Φ100㎜

200㎜

コア採取位置 打設面

600㎜

200㎜

図-1 型枠と供試体概要

表-2 バイブレータの締固め時間とエネルギー

普通

中流動 種類

No.

0.79 2.38 締固め エネルギー(J/L) 高周波(s)

【240Hz】

10

30 25

10 7

15 低周波(s)

【170Hz】

1.20

と s/a を大きくして粉体量を増加させ,増粘系高性能 AE 減水剤を使用した.

2.2 鉛直締固め試験

図-1 に試験で使用した型枠の概要を示す.高さ 600

㎜×横 300 ㎜×幅 200 ㎜のメタルフォームで作製した型 枠を用意した.また,バイブレータに関しては,内部 振動型の棒状バイブレータを使用し,周波数は低周波 170Hz,高周波 240Hz となるようインバータを用いて調 節した.表-2 に各バイブレータの締固め時間とエネル ギーを示す.①,②は,土木学会の示方書で規定され た振動時間内で同一締固めエネルギーを与えた.③で 表-1 コンクリート配合

スランプ (cm)

スランプ フロー(cm) フレッシュ性状

50±10

0.4

1.5A

4.5±0.5

18±2

1.6 2A

減水剤 (%)

増粘系 高性能減

水剤(%) AE剤

(%)

951 中流動

コンクリート 60 180 360 1047 714 普通

コンクリート 50

48 170 340 858

空気量 (%) コンクリート

種類

W/C

(%)

s/a (%)

単位量(kg/m³)

キーワード 締固め,周波数,バイブレータ,耐久性

連絡先 〒135-8548 東京都江東区豊洲

3-7-5

芝浦工業大学 TEL:03-5859-8356

E-mail:[email protected]

(2)

は,規定時間以上の締固めを行い,過振動させた場合 を想定した.振動エネルギーを一定とするために,平 田ら

1)

や中島ら

2)

の研究より求められた加速度の式を参 考に加速度を算出し,締固めエネルギーを求め,エネ ルギーが一定となるように締固め時間を決定した.

2.3 真空吸水試験

供試体上部と下部から φ100×200mm のコア採取後に,

重さが恒量となるまで 40℃の炉で乾燥させた.その後、

コア供試体側面の一部を開放し,その部分以外からの 吸水を防ぐために,アルミテープでシールした.コア 供試体を横にし,コア供試体の底面から 3cm まで浸る よう水を張った容器に入れ,真空デシケーター内に静 置し 3 時間真空吸引・保持した後,供試体を割裂し表 層からの長さ 100mm まで水の吸い上げられた吸水深さ を計測し,表層から内部にかけての耐久性を評価した.

3.実験結果及び考察

図-3,4,5 に各配合の表層からの距離の吸水深さを まとめた真空吸水試験の結果を示す.配合①の結果か ら表層において,高周波に比べ低周波は耐久性が低い 傾向が見られた.また,高周波の上において,表層か

ら 100mm の位置で耐久性が低下している結果について

は,バイブレータ挿入位置が表層から 100mm 位置に当 たるため,コンクリート内で液状化現象が起きている ためだと考えられる.配合②の結果においては,配合

①と比較し表層における差があまり見られなかった.

これは,粘性の高いコンクリートのため,周波数の影 響を受けづらいためだと考えられる.過振動をさせた 配合③では,高周波に比べ低周波の耐久性が低下して いる結果に対して差が明確である.また,上部よりも 下部で耐久性が低下しているため,供試体下部におい て,材料分離が引き起こされている可能性が考えられ る.各配合において,表層から吸水深さが一定になる までの距離が,高周波の方が短いことから,内部にお いても密実なコンクリートになっている.

図-6 に真空吸水試験で得られた 7 点の平均吸水深さ を示す.この結果より,各配合において低周波に比べ 高周波の耐久性が良くなっている傾向が見られた.

4.まとめ

周波数のみ異なるバイブレータを使用した際,周 波数の高いものが,表層が緻密になり,内部におい ても耐久性の高い密実なコンクリートとなる傾向を 示した.

0 10 20 30 40 50 60 70

0 20 40 60 80 100

吸水深さ()

表層からの距離()

上部 下部 上部 下部 低周波

高周波

図-3 真空吸水試験(配合①)

0 10 20 30 40 50 60 70

0 20 40 60 80 100

吸水深さ()

表層からの距離(㎜)

上部 下部 上部 下部 低周波

高周波

図-4 真空吸水試験(配合②)

0 10 20 30 40 50 60 70

0 20 40 60 80 100

吸水深さ()

表層からの距離(㎜)

上部 下部 上部 下部 低周波

高周波

図-5 真空吸水試験(配合③)

0 10 20 30 40

平均吸水深さ

(

)

低周波 高周波 低周波 高周波 低周波 高周波

中流動

中流動

(過振動)

普通

図-6 真空吸水試験(平均吸水深さ)

【参考文献】

1) 平田昌史ら:棒状バイブレータによる振動伝播の推定手法の検討~加速 度分布式の誘導~,土木学会年次学術講演会講演概要集,V-356,2014 2) 中島良光ら:棒状バイブレータによる振動伝播の推定手法の検討~実験

結果との比較~,土木学会年次学術講演会講演概要集,V-357,2014

参照

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