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TiO 2光触媒とLEDを用いた ホルムアルデヒド分解

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Academic year: 2021

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(1)

可視光応答化した

TiO 2

光触媒と

LED

を用いた ホルムアルデヒド分解

日大生産工(院)

○小野陽平

日大生産工 工藤祐輔 日大生産工 中根偕夫

1 はじめに

近年、環境ホルモンやシックハウス症候群 など、有害化学物質による環境汚染が問題視 されている。その解決策として光触媒が挙げ られている。光触媒には主に2つの作用があ り、分解作用と、超親水性作用に大別するこ とが出来る。光触媒は大気浄化、抗菌、浄水、

防汚、脱臭に利用される[1]

これまでの研究で、光触媒へ周波数の異な るパルス光を照射した場合の特性についての 研究を行った[2]。その結果、連続光よりパル ス光の方が効率的に有害物質を分解できるこ とがわかった。

本研究は、更に最適な照射を行えないかと 考えた。現在、光触媒は可視光下でも反応す るものが研究されている。そこで本研究では 可視光応答化された光触媒について、効率よ く分解できる波長を見つけることを研究目的 とした。

2 実験方法および測定方法

2.1 ゾルゲル法による光触媒作成

光触媒基板はゾルゲル法によって製作し た。ゾルゲル法とはゾル状の溶媒を化学反応 によりゲル状に変化させ、さらに熱処理を加 えることにより、基板上に光触媒を作成する 方法である。基板となるガラス板に材料をハ ケで塗布し、乾燥後、500度で焼成するとい う一連の行程を10回繰り返して光触媒基板 を完成させた。

プラズマ発生装置を用いて、光触媒基板を 水素プラズマに曝すことにより可視光応答化 させた。その後、光触媒の反射率を紫外可視 光分光光度計(UV-2450、島津製作所)で測 定し、可視光に応答していることを確認した。

2.2 実験装置の製作

図1に示すように、容量40 Lのデシケータ ーの中に注射器を用いてホルムアルデヒド を注入し、その後デシケーター内のホルム アルデヒド濃度の変化をホルムアルデヒド 検知器(ホルムテクターXP308B、新コスモ ス電機)で測定した。

光触媒への光の照射はLEDにより行った。

赤色660 nm、黄色590 nm、紫外線375 nmの 波長ごとに違うLED75個を使用して回路を 製作した。LEDの1つの光出力は1500 mcd で統一した。

3 実験結果及び考察

3.1 光触媒基板の可視光応答化

プラズマ処理前後の光触媒基板の反射率を 測定した結果を図2に示す。図2より、プラズ マ処理を行うことにより可視光領域の波長の 反射率が低下し、光触媒が可視光を吸収する ようになり、可視光応答化できていることが わかる。

HCHO Decomposition by Visible-light-responsible TiO

2

Photocatalyst and Light emitting diode

Yohei ONO ,Yusuke KUDO and Tomoo NAKANE

図1 実験装置

40 L ) Desiccator (

Fan

Photocatalyst mm LED

0.7

HCHO

PC Detector

−日本大学生産工学部第43回学術講演会(2010-12-4)−

― 127 ―

2-40

(2)

3 . 2 LED によるホルムアルデヒド 分解実験

可視光応答化した光触媒基板にLEDに よる光を照射してホルムアルデヒド分解 実験を行った結果を図3に示す。図3は波長 が375 nm、590 nm、660 nmの各LEDを 用いた場合のホルムアルデヒド濃度の変 化である。どのグラフも時間に対して濃度 が下がっていることがわかる。測定結果は

240分から記録しているが、これはホルム

アルデヒドをデシケーター内に封入した 直後はホルムアルデヒド濃度の変化が激 しいためである。そのため、濃度がある程 度落ち着いたところから測定結果を示し た。それぞれのグラフの濃度が一致してい ないが、これは同量の気体ホルムアルデヒ ドを封入しても初期濃度に違いが出たた めである。

3

で示した実験結果よりグラフの傾き を近似計算し、時間ごとのホルムアルデヒ ド減少量を求めて光の波長ごとの分解特 性を比較した結果を図4に示す

図4のグラフから波長375 nmの紫外線

LEDが最も分解効率が良いとわかった。次

に波長660 nmが良く、最後に波長590 nm のLEDが良いという結果になった。この結 果から波長の短い、すなわち光のエネルギ ーが大きい光であっても必ずしも分解効 率が良いとは言えないことがわかった。こ のような結果が出た原因には光のエネル ギーの大きさだけではなく、光子の数も関 係しているのではないかと考察した。波長

375 nmの光と波長660 nmの光を比べた場

合、単純に光のエネルギーが大きい375 nm の光の方が分解効率が良かったのではな いかと考えられる。一方、波長590 nmの光 と波長660 nmの光を比べた場合、光子の量 が多い660 nmの光の方がより分解効率が 良くなったのではないかと考えられる。

4.まとめ

水素プラズマ処理をした光触媒は、可視 光にも反応していることが確認できた。当 初の予想ではLEDの波長が短くなるに連れ て、分解効率が良くなるものと考えられて いた。しかし、波長が短いほど分解効率が 良いわけではないということが実験から わかった。

今回の実験は連続光のみの実験となっ た。今後はパルス光を使用した分解実験を 予定している。

「参考文献」

1)大谷文章:光触媒標準研究法, 東京図 書,PP.77-90(2005)

2)Y.Kudo,H.Fujisawa,and S.Kogoshi : Proc.

Of International Symposium on Dry Process 2008, PP.233-234(2008)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

240 340 440 540 640 740

Wavelength[nm]

Reflectivity[%]

図 2 波長に対する光触媒基板の光反射特性

Before plasma process

After plasma process

375nm y = -0.0019x + 5.4549 660nm y = -0.0014x + 4.5581 590nm y = -0.0004x + 4.1046

3 3.5 4 4.5 5 5.5 6

240 340 440 540 640 740 840

time[min]

Formaldehyde concentration[ppm]

図 3 ホルムアルデヒド分解実験結果

図 4 ホルムアルデヒド減少率

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12

350 400 450 500 550 600 650 700

LED Wavelength[nm]

Reduction rate of formaldehyde[ppm/h]

― 128 ―

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