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‐コンクリートの打込み高さとブリーディングの関係‐

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Academic year: 2021

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(1)

1.はじめに

コンクリートの打継ぎ部の水密性は、漏水、

コンクリートの耐久性、鉄筋腐食などと密接な 関係を有している。

打継ぎ部からの漏水事故は、外壁などからの 雨水の浸入だけではなく、高水圧が作用する地 下壁からの地下水の浸入もある。

コンクリートの打継ぎ部にはブリーディン グと共に上昇してきた比重の小さい不純物が コンクリート表面に溜まりレイタンス層が形 成される。

また、実際の建築現場ではレイタンス層が数 cm も形成される場合もある。このレイタンス 層を次層のコンクリート打継ぎの際に十分に 除去しない場合、漏水事故へとつながる。

一般に、コンクリートのブリーディングは、

JIS A 1123(コンクリートのブリーディング試 験方法)によって評価されている。しかし、こ の試験方法はコンクリートの品質を評価する ためのものであり、打込み高さが 300mm 程度と なっている。実際の建築物のコンクリートの打 込み高さはこれより高くなっている。

また、ブリーディングに関する研究は数多く なされているが、使用材料や調合などに関する ものやブリーディング低減技術に関するもの がほとんどであり、打込み高さを変えたコンク リートのブリーディングに関する研究報告は

ほとんど見当たらない。

そこで本研究は、打込み高さを変えた円柱コ ンクリート供試体を用いて、コンクリートの打 込み高さとブリーディング量の関係について 検討したものである。

2.ブリーディング・レイタンスに及ぼす要因 ブリーディングおよびレイタンスに及ぼす 要因を図1に示す。

一般にブリーディングは、使用材料・調合・

施工条件によって影響を受ける。

ブリーディング量は、水セメント比が大きく スランプが大きいほど、粗骨材量が多いほど、

細骨材中の微粒分量が少ないほど多い。

また、AE 剤や減水剤、混和材の使用はブリ ーディング量を減少させる効果がある1)2)3)。 同一調合のコンクリートでは、打込み高さが 高いほど、ブリーディング量は多くなる3)

Water-tightness of Concrete Placing Joint for Underground Wall

-Relationship between Placing Height of Concrete and Amount of Bleeding-

Shinya MIKOSHIBA, Isamu MATSUI and Noboru YUASA

地下コンクリート外壁における打継ぎ部の水密性に関する研究

‐コンクリートの打込み高さとブリーディングの関係‐

日大生産工(院) ○御子柴 信也 日大生産工 松井 勇 日大生産工 湯浅 昇

図 1 ブリーディング・レイタンスに及ぼす要因

レイタンス

ブリーディング

打込み高さ 型枠 気温 練り混ぜ時間 AE剤 減水剤 混和材 水セメント比

スランプ

アルカリ分 粉末度 微粒分量 セメント 骨材の性質

粗骨材量 微粒分量 骨材

レイタンス

ブリーディング

打込み高さ 型枠 気温 練り混ぜ時間 AE剤 減水剤 混和材 水セメント比

スランプ

アルカリ分 粉末度 微粒分量 セメント 骨材の性質

粗骨材量 微粒分量 骨材

−日本大学生産工学部第42回学術講演会(2009-12-5)−

― 65 ― 4-18

(2)

ブリーディングの速度は、気温が高いほど大 きくなるが、ブリーディングの総量には影響し ないとされている1)

また、コンクリートの練り混ぜ時間が増加す るほどブリーディング率が低下するという結 果が示されている4)

レイタンスに関しては、フレッシュコンクリ ート中のセメントの微粒子や骨材中の微粒分 の増加に伴い増加する。また、一般的にブリー ディング量が増加するとレイタンス量も増加 するといわれている3)

2.実験方法

実験は全て温度 20℃恒温室中で行った。

2.1 試験体 (1)使用材料

コンクリートの使用材料を表1に示す。

(2)コンクリートの調合

コンクリートの調合は表 2 に示すように W/C55% ス ラ ン プ 15cm お よ び 21cmW/C65%スランプ15cmおよび21cm4種 類とした。

(3)コンクリートの練り混ぜ

コンクリート試験体の作製手順を図 2 に示 す。コンクリートミキサの容量の関係でコンク リートは2バッチに分けて混練し、これを舟の 中で練り返したものを用いた。

1バッチ目のコンクリートは加水開始から3 分間ミキサで練り混ぜた後舟に入れ、次いで2 バッチ目のコンクリートは 1 バッチ目加水後 15 分で加水し、3 分間ミキサで練り混ぜた。

その後、1バッチ目と2バッチ目のコンクリー トをスコップで3分間練り返した。

% cm % ㎏/m3 セメント 細骨材 粗骨材 セメント 細骨材 粗骨材 g/m3 g/m3

15 42.8 157 90 303 405 285 806 1061 933 1995

21 47.5 180 103 319 353 326 849 925 1068 2282

15 45.0 155 75 326 399 237 867 1045 776 1659

21 49.9 176 86 346 347 272 920 909 891 1904

ℓ/m3 ㎏/m3 303A

4.5

質量 NO.70

空気量 細骨材率

55 65

単位水量 絶対容積

W/C スランプ

15 18 35

21

15 18 35

21 表 1 使用材料 表 2 調合表

表 3 試験時の突き・叩き回数 図 2 コンクリート試験体の作製手順

図 3 試験体の寸法形状

130 230 330 630 930

200 300 600 900

100

内径φ250

1層目 1層目

2層目

1層目 3層目

1層目 2層目

1層目 2層目 3層目

単位:mm 2層目

底板(厚さ12㎜)

130 230 330 630 930

200 300 600 900

100

内径φ250

1層目 1層目

2層目

1層目 3層目

1層目 2層目

1層目 2層目 3層目

単位:mm 2層目

底板(厚さ12㎜)

打込み高さ 層数 1層高さ 突き数 叩き数

(㎜) (層) (㎜) (回) (回)

100 1

200 2

300 3

600 2

900 3

100

各層25 各層15 300

普通ポルトランドセメント  密度3.16(g/cm3) 大井川産川砂  密度2.62(g/cm3) 大井川産川砂利  密度2.66(g/cm3) AE減水剤

 リグニンスルホン酸化合物ポリオール複合体 空気量調整剤

 アルキルエーテル系陰イオン界面活性剤 セメント

細骨材 粗骨材

混和剤

― 66 ―

(3)

(4)ブリーディング試験容器

試験に用いた容器は図 3 に示すように、内径 250 ㎜の薄肉塩ビパイプを用い、打込み高さ 100 ㎜、200 ㎜、300 ㎜、600 ㎜、900 ㎜に対応 するパイプの長さを 130 ㎜、230 ㎜、330 ㎜、

630 ㎜、930 ㎜とした。これらのパイプの底面 には厚さ 12 ㎜の化粧合板を貼り付けた。

(5)コンクリートの打設方法

コンクリートの締め固めは、図3、表3に示 すように打込み高さ300㎜までは各層100㎜、

600㎜、900㎜は各層300㎜とした。突き数は 隠そう25回とし、木槌を用いた叩き数は隠そ う15回とした。

(6)ブリーディング試験

ブリーディング試験は1バッチ目の加水か ら35分の時点で開始した。

試験は JIS A 1123(コンクリートのブリー ディング試験方法)に準じた。

なお、ブリーディング量は(1)式よって求め、

ブリーディング率は(2)(3)式によって求めた。

3.結果および考察

(1)ブリーディング量の経時変化

水セメント比 55%スランプ 15cm のブリーデ ィング量の経時変化を図 4 に例示する。

ブリーディディング量は時間経過とともに 増加している。

また、ブリーディング量は、試験体の高さが 高くなるほど増加している。

次に、ブリーディングの終了までにかかる時 間は、コンクリートの打込み高さにほとんど影 響されず、270 分~300 分で終了している。

(2)打込み高さと最終ブリーディング量の関係 図 5 に打込み高さと最終ブリーディング量 の関係を示す。

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9

0 200 400 600 800 1000 試験体高さ(㎜)

最終ブリーディング量(cm3/cm2)

w/c55%-スランプ15cm w/c55%-スランプ21cm w/c65%-スランプ15cm w/c65%-スランプ21cm 0.00

0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20

0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 経過時間(分)

h=100mm h=200mm h=300mm h=600mm h=900mm 打込み高さ

W/C55%スランプ 21cm の場合

図 4 ブリーディング量の経時変化(例示)

ブリーディング量(cm3/cm2) 最終ブリーディング量(cm3/cm2

打込み高さ(㎜)

図 5 打込み高さと最終ブリーディング量の関係 BqV ・・・・(1)

A

WSW ×S×1000 ・・・・(2) C

BrV ρw ×100 ・・・・(3) WS

BqV ・・・・(1) BqVA ・・・・(1)

A

WSW ×S×1000 ・・・・(2) WSWC ×S×1000 ・・・・(2)

C

BrV ρw ×100 ・・・・(3) WS

BrV ρw ×100 ・・・・(3) WS

Bq : ブリーディング量(cm3/cm2

V : ブリーディングによる水の容積(cm3A : コンクリート上面の面積(cm2W : 試料中の水の質量(g)

C : コンクリートの単位容積質量(㎏/m3W : コンクリートの単位水量(㎏/m3

S : 試料の質量(㎏)

B : ブリーディング率(%)

ρ : 水の密度(g/cm3

― 67 ―

(4)

最終ブリーディング量は打込み高さが高く なるほど増加している。この傾向は水セメント 比が 65%の方が顕著に現れている。

これは水セメント比が高い方が水に対する セメントの量が少ないためと考えられる。

また、同一水セメント比についてはスランプ が大きくなるほど最終ブリーディング量が増 加している。これはスランプが大きいほど単位 水量が増加しているためと考えられる。

(3)打込み高さと最終ブリーディング率の関係 図 6 に打込み高さと最終ブリーディング率 の関係を示す。

最終ブリーディング率は水セメント比が大 きいほど大きくなっている。

また、同一水セメント比の場合スランプが小 さいほど最終ブリーディング率が大きくなっ ている。これは、スランプが小さい方が単位水 量が少ないにもかかわらずブリーディングが 多かったためと考えられる。

この原因としては、スランプが小さい方が粗 骨材量が多いためと考えられる。

(4)既往の研究との比較

コンクリート打込み高さ 300 ㎜(JIS A 1123)

の水セメント比と最終ブリーディング量の関 係を図 7 に示す。

文献 5)によるとブリーディング量は水セメ ント比が大きくなるにつれて多くなっており、

本研究の結果も同様の傾向を示している。

本研究で行った最終ブリーディング量は既 往の研究結果とほぼ同じ値を示している。

4.まとめ

1)ブリーディング量は打込み高さが高くなる ほど大きくなる。

2)ブリーディング量は水セメント比が大きい ほど、またスランプが大きいほど多い。

3)ブリーディング率は水セメント比が大きい ほど大きくなるが、同一水セメント比の場合 はスランプが小さいほど大きくなる。

参考文献

1)後藤幸正、尾坂芳夫監訳、ネビルのコンクリートの 特性、技報堂出版株式会社、1979 年、pp177-178.

2)近藤泰夫、坂静雄監修、コンクリート工学ハンドブ ック、朝倉書店、1965 年、pp203-205

3)笠井芳夫、コンクリート総覧、技術書院、1998 年、

p330

4)福田直也、修士論文、高知工科大学大学院、2003 5)八戸工業大学、モアークリート実験技術資料 6)笠井浩、学位請求論文 2009

7)依田彰彦、コンクリート技術用語辞典、彰国社、2007 年、pp475-477.

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

35 45 55 65

水セメント比(%)

最終ブリーディング量(cm3/cm2)

既往研究5) SL8cm 既往研究6) SL18cm 既往研究6) SL18cm 既往研究6) SL18cm 既往研究7) SL20.5cm 既往研究7) SL9.5cm 本研究結果 SL21cm 本研究結果 SL15cm 0.0

2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0

0 200 400 600 800 1000 試験 体高さ( ㎜)

最終ブリーディング率(%)

w/c55%-ス ランプ15cm w/c55%-ス ランプ21cm w/c65%-ス ランプ15cm w/c65%-ス ランプ21cm

図 7 水セメント比と最終ブリーディング量 の関係(打込み高さ 300 ㎜の場合)

図 6 打込み高さと最終ブリーディング率の関係 打込み高さ(㎜)

最終ブリーディング量(cm3/cm2

― 68 ―

参照

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