MS-エクセルを利用した
「税務会計論学習プログラム」
川 端 保 至
蠢 まえがき 蠡 プログラムの特徴 蠱 プログラム全体の流れ 蠶 プログラムの具体的内容 蠹 新問題作成
蠧 問題修正 蠻 問題削除
衄 簿記,語学練習等へ利用 衂 むすび
Ⅰ まえがき
PCの普及に伴い大学での勉学方法も変化している。昔は教師の講義を受講生が筆記 するだけの方法が一般的であった。近年はプレゼンテーション・ソフト(たとえば
MS-PowerPoint)を利用して講義すると同時に,ネット上に同ファイル(PPTファイル)
を置いて受講生が復習できるような講義もある。講義全体の動画をネットに掲載するだ けでなく,講義資料を講義内容に合わせて出現させる方式(RAMファイル利用)を採 用しているものもあ
1
る。教師による講義方法は変化している。受講生の学習方法も変化 せざるをえない。
税務会計論という学問領域は,法律,命令ないし通達の重畳的構成をとっているだけ でなく,簿記・会計学や商法等も関係した膨大で複雑な用語や計算方法を対象とする。
受講生が理解できるようにするには税法の内容を図表を使って視覚的に講義方法を工夫 しなければならない。受講生も税法の専門用語や定義をある程度暗記的に学習せざるを えない。
本稿で紹介する「税務会計論学習プログラム」は,MS-エクセルのマクロ(VBA・Vis- ual Basic for Application)を利用して税務会計論の知識深化に役立てる勉学補助システ ムであ
2
る。大学教育のプロセスを「予習」→「講義聴講」→「復習」→「研究」に分けるな
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1 同志社大学商学部の試みとして2002年度日本税理士会連合会寄付講座のインターネット講義(全13 回)を参照されたい。(http : //commerce01.doshisha.ac.jp/jfcpta/index.html)
2 プログラムは,http : //commerce01.doshisha.ac.jp/ykawabata/zeimu/zeimu_HP01.htmlに掲載している。
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ら,本プログラムは「予習」と「復習」段階での勉学方法の改善をめざしている。デー タを変更することによって他の講義科目や語学練習にも応用できる。
以下では,プログラムの特徴,プログラム全体の流れ,プログラムの具体的内容,新問 題作成方法,問題修正方法,問題削除方法,簿記・語学練習等への利用について述べる。
Ⅱ プログラムの特徴
プログラムの特徴は8点ある。
漓 文字,音声,画像,動画の4種データを,
滷 ランダムに,
澆 全問正解まで反復出題し,
潺 不正解問題は「学習困難問題」(困難シート)として保存,
潸 音声データ形式としてMP 3ないしWAVデータ等を扱い,
澁 動画データ形式としてMPEG 1ないしMPEG 2データ等を扱い,
澀 MS-エクセル利用によってデータ処理が容易であり,
潯 ほぼすべての学科目ないし語学学習に対応した学習方法を提供できる。
税務会計論の勉学には現在のところ音声・動画データは必要ない。そのため上記のう ち潸と澁を除く残りを本プログラムが利用している。上記特徴点を簡単に見てみよう。
従来の問題集(書籍)は基本的に文字データと画像データを使って学習させるもので あった。PCを利用することによって,音声と動画データを追加的に利用して学習効果 を高めることができる(漓)。また書籍による問題集は出題順序が固定していた。PC を使うことによって問題集を開くたびに出題順序をランダムにすることができる(滷)。
不正解問題は練習問題の最後にコピーして再出題されるため,全問正解まで反復的に 学習できる(澆)。同時に不正解問題ばかりを別問題集(困難シート)として保存でき る(潺)。次回の学習で不正解問題だけを集中的に学習すれば学習効果の向上は明白で ある。
練習問題作成は,問題データをエクセルのセル(「C」列)に1題ずつ入力するとと もに,解答として別セル(「F」列)に問題をコピー・貼り付けして若干の処理をする だけで可能である(澀)。エクセルの基本操作さえできれば問題作成が簡単にできる。
学習者自身が勉学したい学科目ないし知識について自分用のプログラムを作成できる
(潯)。
音声ないし動画データも利用できる。初期のPC は音声データとしてWAV形式ファ イルしか扱うことができなかった。WAVファイルはサイズが大きく,語学練習プログ ラムを提供するにはCD等のメディアが必要であった。これに対し近年MP 3ないし
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WMA形式等サイズの小さい音声ファイルが現れた。その結果ネット上で外国語練習プ ログラムを音声データ付で提供できるようになった。
動画データは現在でもファイルサイズが大きい(AVI・MPEG等形式)。最近はADSL や光ファイバーを使うことによってデータを早くダウンロードできるようになった。将 来は問題内容についての講義動画(たとえば圧縮記帳の説明についての動画等)をネッ ト上に置き,ネット経由で問題の説明を聴講することによって受講生が復習できるプロ グラムを提供できるようにしたい。
Ⅲ プログラム全体の流れ
プログラム全体の流れは「第1図」と「第2図」である。メニュー(コマンドボタ ン)選択は縦1列である(「第2図」参照)。「第1図」では説明の便宜上横一行で示し
第1図 プログラムの流れ
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ている。「第2図」は具体的なフォームを表示している。
Ⅳ プログラムの具体的内容
「税務会計論学習プログラム」はエクセルのマクロで動いている。実行前に2つの処 理をしておかなければならない。1つは画面サイズを「1,024×768」に変更する。「スタ
第2図 プログラムの流れ(フォーム等表示形式)
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ート」→「設定」→「コントロールパネル」→「画面」→「画面の領域」→「1,024×768」で変更 でき
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る。
2つ目はエクセルのセキュリティレベルを「中」に設定しないとマクロが起動しな い。変更方法は,「EXCEL の開始画面」→「ツール」→「マクロ」→「セキュリティ」→「セ キュリティレベル」→「中」→「OK]→「EXCEL・再起動」である(「第3図 セキュリテ ィレベル変更方法」参照)。再起動ののち「税務会計論学習プログラム」を起動する。
第3図 セキュリティレベル変更方法
「税務会計論問題練習.XLS」ファイルを開くと「第4図 開始画面」が現れる。中 央の「練習開始」ボタンを押すとプログラムがスタートして「開始メニュー」が出現す る(「第5図 開始メニュー画面」参照)。
第4図 開始画面
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3 「1,024×768」の画面サイズに変更できないばあいのために,プログラムとしては「800×600」等の画 面サイズに自動的に対応する。
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「開始メニュー」の内容は次の4つである。
「練習開始」 :練習問題の選択画面へ進む
「練習中止」 :練習を中断する
「新問題作成」:新規練習問題の作成
「問題修正」 :作成済練習問題の修正
「練習開始」メニューを選ぶと,練習問題を選択する画面(「第6図」参照)が出現す る。「練習中止」メニューは練習を中断して「開始画面」(「第4図」)に戻るばあいに使 う。「新問題作成」メニューは新規に練習問題を作成したいときに選択する(「第10図」
以下」参照)。「問題修正」メニューは,作成済の練習問題に間違いを発見したとき,問 題を訂正・修正するときに選択する(「第13図」以下参照)。
第5図 開始メニュー画面
まず「練習開始」メニューを選択してボタンを押す。「第6図 練習問題選択画面」
になる。リストボックスには練習可能な問題集の一覧が現れている。練習問題をマウス でクリックしてハイライトしたのち「第6図」の左上「練習開始」ボタンを押す。
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第6図 練習問題選択画面
練習問題が「第7図 練習問題出現画面」のように現れる。「第7図」画面の右上部 には「問題名」,「開始数」,「残数」,「総数」が出ている。
「問題名」:練習問題の名前(ワークシート名)(問題作成時に登録)
「開始数」:練習開始時の問題数
「残数」 :練習問題の残数(=総数−正解問題数)
「総数」 :開始数+誤答問題数
「問題名」は選択した問題名(ワークシート名)であり,「半角」文字で表されてい る。「開始数」は練習開始時の問題数である。「総数」は「第8図 解答出現画面」で誤 答と判断して「不正解」ボタンを押すと1ずつ増加する。誤答問題を全問題の最後尾に 複写して再出題するためである。「総数」で練習総数がわかる。「残数」は練習すべき問 題の残数である。総数から正解数を差し引いて計算している。
第7図 練習問題出現画面
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「第7図 練習問題出現画面」の左上部のメニューは3つである。
「解答へ」 :正解を見る
「前の問題へ」:1つ前の問題に戻る
「練習中断」 :練習を中断する(「開始メニュー」に戻る)
「解答へ」を選ぶと正解が現れる(「第8図 解答出現画面」参照)。「前の問題へ」は前 問に戻
4
る。「練習中断」をクリックすると,練習を中止して「第5図 開始メニュー画 面」に戻る。「解答へ」をクリックする。「第8図 解答出現画面」が現れる。
第8図 解答出現画面
本問では,法人税法74条の確定決算主義を学習するため「穴埋め問題」形式で出題 している。解答箇所はPC画面上では赤色文字で現れる。
問題:「法人は,各事業年度終了の日の翌日から( )ヶ月以内に(
)に基づいて確定申告書(所得金額および法人税額等を記載)を(
)に提出しなければならない(法74)。これが( ) である。」
解答:「法人は,各事業年度終了の日の翌日から( 2 )ヶ月以内に( 確定した決 算 )に基づいて確定申告書(所得金額および法人税額等を記載)を( 所轄 税務署長 )に提出しなければならない(法74)。これが( 法定申告期限 ) である。」
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4 第1問目で「前の問題へ」ボタンをクリックしても画面に変化はない。
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他にも種々の練習問題が可能である。たとえば法人税法22条4項の練習問題は次の ようなものである。
問題:「第2項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額(費用・
損失の額)は,( )に従つて
計算されるものとする(法22潺)。」
解答:「第2項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額(費用・
損失の額)は,( 一般に公正妥当と認められる会計処理の基準 )に従つて 計算されるものとする(法22潺)。」
法人税法だけでなく,同施行令や施行規則,各種通達なども学習することができる。
「第8図」の左上部のメニュー(コマンド)は4つある。
「次の問題へ」:次の問題へ進む
「不正解」 :問題・解答を最後尾へコピーしたのち次の問題へ進む
「問題再表示」:問題のみ再表示
「特別処理」 :誤答問題を別ファイル(「困難シート漓滷」)に保存する
「次の問題へ」は正解を確認して次の問題を練習する。「不正解」ボタンを押すと再出題 のために問題と解答を全問題の最後に複写する。「不正解」ボタンを押し続けるかぎり 問題集は終了しな
5
い。「問題再表示」ボタンを押すと練習問題を再表示する(「第7図 練習問題出現画面」の再表示)。問題を確認するための処理である。「特別処理」ボタン は不正解問題・解答を特別ファイル(「困難シート漓」と「困難シート滷」)に保存す る。何度試みても学習できない問題というものがある。対策として学習困難問題のみ別 シートに保存して集中的に学習する。「特別処理」ボタンを利用して学習困難問題を集 中的に練習する(「第9図 「特別処理」ボタン選択画面」参照)。
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5 正解の場合も最後の2題は交互に反復出現するので自動的には終了しない。終了するには「練習中断」
ボタンをクリックする必要がある。
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第9図 「特別処理」ボタン選択画面
新規に学習困難問題を保存するにはまず「困難シート漓(滷)クリア」を押して,以 前に保存した学習困難問題を消去する。そののち「困難シート漓(滷)保存」をクリッ クする。練習で「不正解」として最後尾に複写した問題・解答を新規の学習困難問題と して保存する。「困難シート漓(滷)クリア」を選ばずに,「困難シート漓(滷)保存」
をクリックすると,以前に保存した学習困難問題に追加して保存する。「困難シート」
を2つ(漓と滷)用意した理由は,困難シート1枚では学習上不十分という受講学生の 要望の結果である。
Ⅴ 新問題作成
新しく問題を作成するには「第5図 開始メニュー画面」で「新問題作成」ボタンを クリックする。「第10図 新規シート名入力テキストボックス」が現れる。新規のシー ト名(練習問題名)を「半
!
角
!
」文字で入力し(たとえば「Tax_01」),下欄に新練習問 題の内容を記入する(たとえば「法人税法2条の練習問題」)。続けて「作成」ボタンを 押すと,確認ボックスが2回出たのち,新規のワークシートが現れる(「第11図 新規 問題作成画面」参照)。
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第10図 新規シート名入力テキストボックス
第11図 新規問題作成画面
「第11図 新規問題作成画面」の「A 1」セルには(「第10図」で入力した)シート 名(練習問題名,たとえば「Tax_01」),「B 1」セルには練習問題の内容が入力されてい る(たとえば「法人税法2条の練習問題」)。問題文は「C 2」以下(「C 2」,「C 3」等)
に入力す
6
る。解答は「F 2」以下(「F 2」「F 3」等)に入力す
7
る。作成方法は以下の通り である(「第12図 新規問題・解答入力例画面」参照)。
問題作成の処理(「C」列)
1.セル「C 2」以下に練習問題を入力する。
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6 右側のD列の「D 2」セル以下に音声ファイル名,画像ファイル名あるいは動画ファイル名を入れる と,該当するファイルが「関連付けファイル」として出現する。ファイル名の先頭に「¥」をつけて「¥
D_S_02.wav」あるいは「¥M_tax02.mpg」のように入力する(フォルダ指定なら「¥tax02¥D_S_02.wav」
あるいは「¥tax02¥M_tax02.mpg」)。音声ファイルならPCが発声し,動画なら各PCが設定している関 連付けアプリケーション・ソフトが自動的に起動する。該当するファイルが同じフォルダまたは指定フ ォルダにないとエラーメッセージが現れる。
7 右側のG列の「G 2」セル以下も(「D 2」セル以下と同じように)音声ファイル名,画像ファイル名あ るいは動画ファイル名を入れると,該当するファイルが「関連付けファイル」として出現する。
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2.全問題入力後にセル「C 2」を選択してファンクションキーの2番(以下「F
2」キー)を押す(セル内文字の修正準備)。
3.問題文の先頭に1行挿入する(行頭にカーソルを移動して「Alt」キーを押し ながら「Enter」キーを押す(セル内改行をする)。
4.先頭文字を1文字下げる(セル内2行目の先頭文字にカーソルを移動して「ス ペース」バーを押す。)
5.重要語句にカッコ(「 」)をつける。
6.括弧内の文字(重要語句)だけを「薄い黄」色のフォントカラーにする。問題 出題セルの背景が「薄い黄」色なので同色で重要語句が見えなくなる。
7.「C 3」セル以下の問題数について上記「2」から「6」の処理を繰り返す。
解答作成の処理(「F」列)
8.「C」列の問題を,「F」列にコピーする。
9.セル「F 2」にカーソルをあわせる。
10.「F 2」キーを押す(セル内文字の修正準備)。
11.括弧内の文字(重要語句)だけを「赤」色のフォントカラーにする。解答出現 セルの背景が「薄い黄」色のため,解答語句が強調されて現れる。
12.「F 3」セル以下の解答数に応じて上記「10」と「11」の処理を繰り返す。
問題・解答入力完了後の処理
13.問題・解答とも入力完了後に「入力(修正)完了ボタン」を押す(問題・解答 を保存して「第5図 開始メニュー画面」に戻る。)
第12図 新規問題・解答入力例画面
セルの色と重要語句を同色(薄い黄色)にすることで「問題」では文字が見えなくな
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り,「解答」では重要語句の色を赤色にすることで強調されて出現する。
Ⅵ 問題修正
「第5図 開始メニュー画面」で「問題修正」をクリックすると「第13図 修正ファ イル選択画面」のように修正すべき問題を選ぶリストボックスが現れる。修正すべき問 題をクリックしてハイライトし,「修正データ選択」ボタンを押すと「第14図 問題等 修正画面」が現れる。
第13図 修正ファイル選択画面
「F 2」キーを押し,セル内の文字を直接操作して訂正すべき問題・解答を修正する。
修正後は「入力(修正)完了ボタン」を押す。入力済問題・解答を保存して「第5図 開始メニュー画面」に戻る。
第14図 問題等修正画面
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Ⅶ 問題削除
「第4図 開始画面」(ファイルを開いた直後の状態)で「左矢印」(←)キーを3回 押すと出てくるのが「問題削除」ボタンである(「第15図 「問題削除」ボタン画面」
参照)。
第15図 「問題削除」ボタン画面
「問題削除」ボタンを押すと「削除データ選択リストボックス」が出現する(「第16 図」参照)。削除するデータをマウスでクリックし,ハイライトさせたのち「削除デー タ選択」ボタンを押す。MS-エクセル内蔵プログラムがワークシートの「削除確認」を 求めてくる。「削除」を選択すると,問題が削除されて「第4図 開始画面」に戻る。
第16図 削除データ選択リストボックス 同志社商学 第56巻 第1号(2004年5月)
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Ⅷ 簿記,語学練習等へ利用
問題・解答を書きかえると「第17図 商業簿記練習画面」のように簿記練習に利用 できる。「第17図」は次のような有価証券に関する一連の簿記仕訳問題の解答表示画面 である。
問題1. 岡山商店は広島商店より山陽商事株式会社の株式5,000株(帳簿価額 90
円,時価100円)を借り入れた。
解答 借方 保管有価証券 500,000 貸方 借入有価証券 500,000
問題2. 上記問題の株式を担保として日本海銀行から300,000円を借り入れ,利息
5,000円を差し引かれ,手取金を当座預金に預け入れた。
解答 借方 差入有価証券 500,000 貸方 保管有価証券 500,000
当座預金 295,000 借入金 300,000
支払利息 5,000
第17図 商業簿記練習画面
外国語練習に利用できることは言うまでもない。「外国語練習プログラム」と「税務 会計論学習プログラム」の相違点は,「問題」と「解答」の表示セルサイズ(セルの高 さ)の異なること,「問題」と「解答」(外国語・日本語)の表示順序を選択できること である。前者は1画面の中で2セルを使って問題と解答を表示する(後述「第19図 中国語練習プログラム画面」と「第20図 インドネシア語練習プログラム画面」参
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照)。後者は「外国語→日本語」練習(外国語を問題,日本語を解答とする方法)と,
「日本語→外国語」練習(日本語を問題,外国語を解答とする方法)のいずれかを選択 できる。ネット上に掲載しているプログラムは,韓国語練習,中国語練習,インドネシ ア語練習の3種類である。韓国語では「第18図 韓国語練習プログラム画面」のよう にな
8
る。
第18図 韓国語練習プログラム画面
「第18図」では「韓国語→日本語」練習を選択し,韓国語を発声させたのちの日本語 表示(「解答」表示)画面である。画面の状態は前述「税務会計論学習プログラム」と 同じである。画面右上に練習問題名,問題数,残数,総数が表示されている。処理のフ ォームも同じである。日本人を対象にしているプログラムなので日本語の発声はない。
「韓国語練習プログラム」では約500会話を練習できる。韓国語フォント表示はMS-
Windows XPから利用できるようになった。練習者自身が韓国語フォントないし韓国語
入力システムを購入して自分で韓国語を(新問題作成として)エクセルに入力すれば自 分専用の練習問題を作成できる。
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8 http : //commerce01.doshisha.ac.jp/ykawabata/Korean2003/index.htmlに掲載している。プログラム名は「韓 国語であそぼ!」である。韓国語練習プログラムのデータ作成及び音声入力は京都大学大学院経済学研 究科博士前期課程のSon Jinah氏の協力をえた。記して感謝の意を表したい。
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第19図 中国語練習プログラム画面
「中国語練習プログラム」では,1画面で2セルを使って「問題部分」と「解答部分」
が現れる。「第19図」は「中国語→日本語」練習を選択し,ネイティブスピーカーの中 国語を発声させたのちの「解答」となる日本語を表示している状態であ
9
る。中国語練習 プログラムでは約500会話を練習できる。中国語フォント表示もMS-Windows XPから 利用可能となった。練習者自身が中国語入力システム及びフォントを入手して自分で中 国語をエクセルに入力すれば自分専用の練習問題を作成できる。
第20図 インドネシア語練習プログラム画面
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9 http : //commerce01.doshisha.ac.jp/ykawabata/China2003/index.htmlに掲載している。プログラム名は「はる かなる瀋陽」という。中国語練習プログラムのデータ作成及び音声入力は同志社大学大学院商学研究科 博士前期課程の荊瑞氏の協力をえた。記して感謝の意を表したい。
MS-エクセルを利用した「税務会計論学習プログラム」(川端) (103)103
「第20図 インドネシア語練習プログラム画面」は「インドネシア語→日本語」練習 を選択し,ネイティブスピーカーのインドネシア語を発声させたのちの「解答」となる 日本語を表示している状態であ
10
る。ネット上では単語約700語,文章約500題のネイテ ィブスピーカー発声付き練習ができる。
漢字練習に利用したものが「第21図 漢字練習問題画面」である。漢字練習では
「よみがな→漢字」と「漢字→よみがな」のいずれかを選択する。「第21図」は「よみ がな→漢字」練習を選択して,「解答」を表示している画面である。学習者自身が覚え ようとする漢字を入力して作成する。
第21図 漢字練習問題画面
他に「司法試験単答式練習問題」,「公認会計士2次試験単答式練習問題」などさまざ まに利用できる。1問題の文字数が多いときや択一式問題などは1題ずつの正誤問題に 変更して利用する。講義を聴講し,教科書で理論を復習したのちの「勉学補助」ないし
「学習確認」用練習問題として用いる。
Ⅸ むすび
大学教育の基本は予習をもとに講義を聴講し,聴講後は教科書を中心にさまざまな関 連文献を調べて研究を深化・発展させることにある。「税務会計論学習プログラム」
は,税務会計論,法人税法,同施行令,関係通達等の専門用語の内容や定義を効率的に
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10 http : //commerce01.doshisha.ac.jp/ykawabata/Indonesia2004/index.htmlに掲載している。インドネシア語練 習プログラムのデータ(文章及び単語)作成は同志社大学商学部卒業の佐々木理絵子氏の協力を得た。
音声入力は広島大学大学院工学研究科博士前期課程Louis Darmawan氏の協力をえた。両氏に対して感 謝の意を表したい。
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学習するための勉学補助システムである。プログラムだけで税務会計論の勉学目標を達 成できないのはいうまでもない。プログラムは学習の助けとなるだけである。興味を持 って講義を聴講し,教科書等を熟読して知識を深めなければならない。
「税務会計論学習プログラム」の原型は1992年に MS-DOS版「ロータス1-2-3」で作 成したものにさかのぼる。当時のプログラムはMS-DOS ベースのため「ランダム出 題」,「全問正解まで反復学習」,「学習困難問題集として保存」の3機能だけであった。
これら3機能はPCを利用した学習方法の最大の特徴であり,この点が従来のテキスト ベースの練習問題(書籍)と根本的に異なっていた。MS-DOS版プログラムを利用し て受講生は税務会計論の学習で十分な成果をあげていた。その後ウインドウズ版「ロー
タス1-2-3」を経て,現在はMS-エクセルを利用したものになっている。PCのハード
面とソフト面(OSないしアプリケーション・ソフト)の進展に合わせてプログラムを 改良し,利用者の希望やアンケートでの要望を取り入れることによって,本稿で紹介し たようなプログラムに到達した。音声や動画を扱うことが可能になったのはウインドウ ズ版になってからのことである。将来的には,受講生の学習効果を向上させるために,
学習困難問題に関して,ボタンをクリックするとインターネットを通じてプレゼンテー ションソフトで解説している講義動画を視聴できるようなe-Learningシステムに発展 させていきたい。
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