• 検索結果がありません。

雑誌名 同志社社会学研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "雑誌名 同志社社会学研究"

Copied!
15
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

セミプロフェッションの知識取得とコミュニケーシ ョン : ソフトウェア技術者の場合

著者 藤本 昌代

雑誌名 同志社社会学研究

号 1

ページ 81‑94

発行年 1997‑03‑31

権利 同志社社会学研究学会

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000011923

(2)

セミプロフェッションの知識取得とコミュニケーション

ー ソフ トウェア技術者の場合 -

藤本昌代

F

UIUt JM T

)Maaosy

はじめに

プロフェッシ ョンは戦前、尾高邦雄 に代表 される 職業社会学の中で研究 されて きた。戦後、高度成長 による就業人口の増加 に伴い職業が多様化 し、企業 も増加 した。その結果、大衆社会、高度産業社会の 変化 によ り、ブルー ・カラー、ホワイ ト・カラーだ けでな く、現代社会が きわめて強いニーズをもって いる 「専 門化 されたサー ビス」の提供 を主たる職務 とするプロフェ ッシ ョンの社会的な比重が重 くなっ た。そ して、職業社会学、産業社会学、労働社会学、

組織社会学の一部 として行 われて きたプロフェ ッシ ョン研究が盛 んになった。 「知識の構造」 と 「社会 の構造」 とを媒介する機能 としてプロフェッシ ョン の重要性が注 目され、現代 テクノクラシーの考察 を 導 く視点 を持つ とされ、「プロフェ ッシ ョンの社会 学」が確立 された。

「プロフェ ッシ ョンの社会学

の最近の トピック の中で注 目しているのは 「プロフェッシ ョナル と組 織制度

「プロフェッシ ョナルと組織の統合化

「組 織 における対 人関係

「組織 における知識 の構築」

などである。本稿では、社会構造の変化か ら従来の 自立 したプロフェ ッシ ョンの研究か ら組織 における プロフェ ッシ ョンに視点が広が った ことを受 けて、

ソフ トウェア技術者 とい うセ ミプロフェッシ ョンを 通 して、組織 におけるプロフェッションを考察する。

本稿では、この十年間の躍進的なコンピュータの発 達 と普及 によ り需要の高 まっているソフ トウェア技 術者 をセ ミプロフェッシ ョンとして注 目している。

プロフェ ッションの持つ専門知識の情報共有規範 と知的優位性の関連 は、知識産業 に求め られている 課題であ り、知識の属人化の回避 とその メカニズム を明 らかにすることは重要である 現代社会 におい て 「情報処理サー ビス」 の爆発的な需要が インター ネッ トに対する過剰 な迎合によ り生 まれ、専門技術 者組織か ら知識の表出、知識の創発が求め られてい る。

また、組織 におけるコ ミュニケーション欲求 を親 和性 とい う視点で捉 えることは、人間関係学派によ りインフォーマル ・コミュニケーシ ョンの役割 とさ れて きた。 しか し、著者は課題遂行時の コミュニケ ーシ ョンと親和性、課題遂行以外の コ ミュニケーシ ョンと知識の取得 とい う今 まで と異 なった視点で組 織成員の コ ミュニケーシ ョンに着 目する 彼 らは知 的優位性 を低 くする憂慮があって も、多忙極 まりな い最中で個人的熟考 を妨げるような場合で も、知識 の提供や共に考えることによ り知識 を創造 した りす る場合がある それはいつで も誰にで も行われるわ けで もな く、就業時間内外の コミュニケーシ ョンで 培われる ものが影響 しているようである。彼 らの就 労時間は 「自発的」残業が蔓延 しているため非常 に 長い。その中で課題遂行時 とそれ以外の コミュニケ ーシ ョンの果たす役割、あるいは同一プロジェク ト で協働経験 を持つ者同士の間に発生する親和性 の果 たす役割が知識の移転 にどのように影響 しているか を考える。

本報告 は、セ ミプロフェ ッシ ョンとしての ソフ ト ウェア技術者に対 して、知識取得 にコミュニケ-シ

81

(3)

同志社社会学研究 NO.I,1997

ヨン (本報告では組織 における対面 コ ミュニケーシ を持 ち、それが組織内での コ ミュニケーシ ョンに対 ョンをコ ミュニケーシ ョンと呼ぶ)が どの ように働 しどの態度 を持 たせているのかを述べる。

くかを実証的な調査研究 を通 じて明 らかにすること

を試みる ものである。 役割葛藤

グール ドナ -(1957)は、組織 の成員 を 「コスモポ

2.

問題

リタン

(cosmofXJitans)と 「ローカル

(1∝a )のlS

以下 にセ ミプロフェ ッシ ョンとしての ソフ トウェ ア技術者 についての簡単 な定義づけを行い、プロフ ェ ッシ ョンの組織 にお ける役割葛藤 とソフ トウェア 技術者 に必 要 と思 われる知識 とその表 出の困難 さ、

そ してコ ミュニケーシ ョンと知識取得の関係 につい

2つに分類 している。田尾や太田 (l舛3 b)によると、

コスモポ リタンは雇用 されている組織 に対する忠誠 心が低 く、専 門的な知識 に深 くコ ミッ トしてお り、

自己充足的 に技術の取得 に関心 を向ける職業人志向 の強い人である。そ して外部の準拠集団への志向が 強い。 ローカルは、組織への忠誠心 を強 く持 ち、そ の ヒエラル ヒ-の中での上昇 に関心 を向ける組織人 0

て、著者 自身の ソフ トウェア技術者 としての1数年 の経験 と先行研究 をもとに述べ る。

1.セミプロフェッションとしてのソフ トウェア技術者 ソフ トウェア技術者 には、課蓮遂行 に専 門的な知 識や技術が必要である。そ して飛躍的に発達す る技 術や顧客か らの多様 なニーズに対応す るために、組 織か ら常 に新 しい知識の取得 と創造 を求め られてい る テクノクラシー (技術主義)によ り生 まれた新 しい タイプの専 門的知識や技術 を要す る職業 に対 し て、プロフェッシ ョンの範噂 に入るのではないか と い う議論が なされ、近年、プロフェ ッシ ョンの概念 を拡大 して捉 えようとする考 え方がある。その考 え 方は、プロフェ ッシ ョンの概念 を拡大 し、 さらにそ の中を細分化 し、従来 プロフェ ッシ ョンと言われた

志 向の強い人である。 こうしたコスモポ リタンの特 性 は、プロフェ ッシ ョンの特性 と一致 していると言 われる。著者はこのプロフェ ッシ ョンの もつ コスモ ポ リタンの特質が、 ソフ トウェア技術者 にも当ては まると考 える 彼 らには課題遂行 に専 門的な知識や 技術が必要である。そ して、発達す る技術や顧客か らの多様 なニーズに対応す るために、常 に新 しい知 識の取得 と創造 を求め られている。専 門知識 に自信 を持 ち仕事 に関 し自立性が高 く、仕事への コ ミッ ト メン トが高い彼 らはプロフェ ッシ ョン性 を持 ってい る。そのプロフェ ッシ ョン性 ゆえに企業へのコ ミッ

トメン トは低 く職場での コ ミュニケーシ ョンに対 し 消極的であると考える。 しか し、外部 に準拠集団 と なる専 門家社会の確立が未発達で、社会的に権威の 医師や弁護士 とは区別する ものである。田尾 (1 )

3 2

991

は、プロフェ ッションとしての要件 (1.専 門的な あ くまで も資格の域 を越 えず実務能力重視の傾向が

.自立性 .仕事 へ の コ ミッ トメ ン ト

ある資格 を持たない彼 ら (情報処理技術者の資格は、

知識 ある)は、他の組織への移動が容易ではな く、組織

5.

4.同業者への準拠 倫理性) を十分備 えてい ないがプロフェ ッシ ョン性 を持 っているとして看護 婦 をセ ミプロフェッシ ョンと位置づけた。著者はソ フ トウェア技術者 もプロフェ ッシ ョンの要件 を十分 ではないがい くつか満 た しているため、セ ミプロフ ェ ッシ ョンといって よい と考 える。 ここではソフ ト ウェア技術者が どのようなプロフェ ッシ ョン的性格

依存 を余儀 な くされる。そのため、彼 らは職業人で あ りなが ら組織 を準拠集団 としなければならず、組 織の 目標 を自己の 目標 とす る組織人で もあるように

なった。

ソフ トウェア技術者 は企業か ら課題 を与 え られ、

自由に課題 を選択で きる権限を持 たないが、ルーチ ンワークではな く条件適応的に専門知識や技術が必

2 8

(4)

要 となる。企業は課題達成 をソフ トウェア技術者の 専門知識や技術 に依存す るため、権限委譲 も行 って いる。その部分 にソフ トウェア技術者の 自立性が表 れ職業人的側面が働 くと考える。 また、職業人的側 面 を持つ彼 らは技術 に関 しては強 く関心 を示すが、

組織維持 に対 して関心が薄いように見える。 しか し、

多様 なニーズへの対応のために組織 において個人的 作業の多かった彼 らに、課題遂行 を協働 で行 うこと や高い課題遂行能力 を持つ技術者の育成の必要性が 発生 した。それは、彼 らの情報や技術、 ノウハ ウと いった知識 を共有化、標準化す ることであ り、知的 優位性の維持や個人による熟考 といった職業人的側 面に組織人的側面 を要求するものである。

職業人志向の強い技術者が、長時間の就労の中で組 織 に帰属する場合 に行 うコミュニケーシ ョンとして 著者が注 目しているのは、 フォーマル ・コミュニケ ーシ ョンとインフォーマルコミュニケーシ ョンの重 複 したような形態である。 この中に職業人的側面 と 組織人的側面の調和 を生み出す ものがあるのではな いだろうか。

ソフ トウェア技術者に必要な知識

ソフ トウェア技術者の課題遂行 に必要 とされる知

3.

識は、 1.ベース となる体系的知識

ニケ-シ ョンの視点か ら探 る。 また、企業組織が知 識の共有化 を第一 とし、低 レベル者の育成 を目的 と したならば、コミュニケーシ ョンの少 なさは明 らか に阻害要因であろう 著者は、共有化が されに くい 現実は高 レベル者の技術 的優位性の喪失、高 レベル 者の知識取得 を個人の努力に任せが ちな組織のシス テムなどに問題があるのではないか と考える。

()援助行動

4.知識取得に対するコミュニケーションの役割 1

援助行動 とは 「自己犠牲的であるか否か、 自分へ の見返 りをアテにしているか否か、返礼の意味が含 まれているか否かな どを問わず、 とにか く困ってい る人を助 けようとい う意図をもって行われた、人助 けの行為

(中村 1976)である。体系的知識、体験 的知識、暗黙的知識のいずれ もソフ トウェア技術者 にとって重要な知的財産である。 自分 よ り低 レベル 者 に知識の提供 を乞われた場合、その提供 とい うの は強制でない限 り援助行動 と言ってよい と考える。

ホ-マ ンズは、人々が社会的相互作用 をするのは 他者か ら何 らかの満足 を得 るためであ り、損失 を少 な く利得 を大 きくとい う方向で成立すると考え、社 会的交換理論 を主張 した。 グール ドナ-は援助 を受 けた人への援助や攻撃の回避 を規範 とする互恵性の 自己の経

4.

2.

験 による知識 (以後、体験的知識 と呼ぶ)3.コミ 規範の存在 を主張 した。 これに対 し、バーコウイツ ュニケ ー シ ョンによ り得 られ る他者 の体験 的知識 ツは互恵性規範のみでではな く、困っている人を援

集団コ ミュニケーシ ョンにより生 まれる合意的 助する責任が社会に存在すると考えた。

知識、創発的知識 をもとに した知識 5.条件即応 的に対処する認知的技能などの暗黙的知識であると 考 える。今 までは、 これ らの知識 を表出する事が困 難なため、属 人的な能力 に頼 って きた。 しか し、多 様 なニーズに対 し個人の知識が点在 していたのでは 対処 に限界がある。組織 は技術者達の知識や技能を 属人化か ら共有化、標準化へ移行 し、知的財産の蓄 積 を図ろ うとしてお り、成功例 も失敗例 もある。そ こで、ソフ トウェア技術者 におけるこれ らの知識の 共有化、標準化 に、何が どの ように働 くかをコミュ

これ らを、 ソフ トウェア技術者 に置 き換 えてみる と、低 レベル者が上達すれば高 レベル者は低 レベル な作業 を任せ きる事が出来、高 レベル者で しかで き ない作業 に専念する事がで きるとい う、知識の提供 に対する見返 りが期待 される そ して、仕込んだ部 下は指導 して くれた者-の親近感や援助 に対する感 謝 により、多忙時の 自分の作業 を能動的に手伝 った りする。 さらに、一生懸命頑張 っているが糸口が見 つか らず に困っている部下 を、自分の知識で育て援 助出来る事がわかっている場合、頼 まれな くて もア

83

(5)

同志社社会学研究 NO.1,1997

ドバ イスをする事がある。 これは、 まさしく知識の 援助行動 と言ってよい。

では、何故知識の援助行動が起 こるのであろうか。

ソフ トウェア技術者にとっての財産である知識 を提 供 して しまう事 は、技術的優位性 を低下 させて しま うと感 じさせるのではないか とい う疑問が湧いて く る。規 に知識や ノウハ ウの出 し惜 しみ とい う事 も行 われているようだ。 しか し、多 くは知識の援助行動 を起 こし、援助 を受 けた経験がある。援助が起 こり やすい場合を例 に挙げると

C瀬 られると助 けたくなる- なんら見返 りが期待 で きない場合で も社会的責任の規範 を担 っている 場合は、喜んで援助すべ きという規範が作用する。

相手 に全面的に頼 られた場合、援助の責任 を強 く 感 じるものである。

②助ける時も相手 を選ぶ- 人は援助する場合にも相 手 を選ぶ ものである。援助傾向調査で相手が親友 の場合の方が親 しくない人に村 してよりも、その 人の福利 を強 く願 う傾向を見出 した、 とい う報告 がある。相手 に好意 を持 っている時の方が、援助 行動が多 くなるとい う研究がい くつかなされてい る。

@社 会的サポー ト - 困った時 に周囲で助 けて くれ る人がいる場合、役割葛藤や唆昧性があって もス

トレスをあま り感 じず働 く事が出来るとい う研究 がある (ホ-マ ンズ 1959)0

ス トレス解消 だけでな く、社会的サポー トを受け る事が出来 る人は個 人の力以上 の もの を発揮 で き る。対人関係 における会話のスキル、適切性、応答 性、主張性等 に優れている者は、ス トレスを感 じて いるとき、サポー トして くれるネッ トワークを作 り 利用 している。情報獲得 にも同 じ事が言 えると考え る。

ホ-マ ンズは 「人々の間に相互作用が増大すれば 彼 らの間の好意の感情が増加す る」 とい う仮説 を立 てた。 この仮説 をさらに発展 させて考 えると、何 ら かの共通の 目的で集 ま り 「交わ り

を経験 した者同

84

士 には親和性が高 ま り、インフォーマル ・コミュニ ケーシ ョンが発生 した り援助行動が起 こ りやすい と 言えるのではないだろうか。

( 2)

インフォーマル ・コミュニケーション

インフォーマル ・コ ミュニケーシ ョンは、 フォー マル ・コ ミュニケーションに比べ、はるかに弾力的 である。科学者やエ ンジニア、その他の専門家達は 55%もインフォーマル ・コミュニケーシ ョンを利用

している とい う研究結果 も報告 されている (∫.C.

wo

f f o

d,etal,1977)。専門家達は組織 における問題 解決 に個人的情報 を求める。 しか し、課題遂行 に対 し、フォーマル ・コミュニケーションが最 も重要で ある事 は間違いな く、補完的にインフォーマル ・コ

ミュニケーションの効果 を強調するものである。

人々が どのような場合 にインフォーマル ・コミュ ニケー シ ョンを利用す るか とい うのを狩俣 (1992) の解釈 を用 いなが ら述べ ると、ウオーフォー ドらが 情報共有規範 にある とした としている。 これは、組 織 の 人 々が情 報 を共有 しよ うとす る意欲 であ る

人々が情報 を探索す る場合、最小努力の法則 に従 っ て行動する 必要な情報 を持 っている人にアクセス する事 により情報収集 コス トを節約で きる。 しか し、

他者 に情報 を求めるか どうかは心理的 コス トにかか っている。人々は、他者 に何かを尋ねる事 は自分が 知 らない事 を認める事 にな り、尋ねる事 によ り不愉 快 な気分 になる事が予想 される場合やあるいは心理 的距離の離れた人に尋ねる場合 には心理的 コス トが 高 くな り、尋ねるのを差 し控 えた りするか もしれな い。 この ような状況 は情報共有規範が低いことにな り、心理的 コス トが低い場合は情報共有規範が高 く なる。

メイヨー らが行 ったホーソン実験での インフォー マルグループの集団規範 と業績の関係は人間関係論 学派で最 も有名なものである。本稿 もインフォーマ ル ・コ ミュニケーシ ョンに注 目す る ものであるが、

メイヨー らの考えるインフォーマル ・コ ミュニケ-

(6)

シ ョンの効果 に別の効果 もある と考 える メイ ヨー らはインフォーマル ・コ ミュニ ケーシ ョンはモ ラー ルや仲 間意識 を生み、 イ ンフ ォーマル集 団の規範が 業績 に直接 的 に影響 を及ぼす とした。著者 は、課題 をどの ように遂行す るか とい う規範 に影響す る とい う主張 は肯定す るが、それだけではな く、技術者 に おいてイ ンフォーマル ・コ ミュニケー シ ョンは直接 的 ・間接 的 に課題遂行能力向上 に影響す る知識 や ノ ウハ ウの移転効果がある と考 える。そこで、従来の インフォーマル ・コ ミュニケーシ ョンが心 的要因 に 影響す る として きた主張 に課題遂行 に影響す る知識 の移転効果 も付加 したい。

仮説の提出

問題の所で述べ た著者 の ソフ トウェア技術者 とし ての経験 と先行研究 に もとづ き次の ような仮説 を提 出す る

セ ミプロフェ ッシ ョンとしての ソフ トウェア技術 者の もつ職業人的側面の 自己充足的 な技術 向上志 向 と組織人的側面 の組織へ の依存 や成員 との協力 な ど の 「交 わ り」志 向の役割葛藤 について述べ て きた。

彼 らの道具的存在である個 々人の専 門知識 を他者が 取得 した り共 に創造す るため に どの ようなことが行 われてい るの だ ろ うか。著 者 は、従 来 の フ ォーマ ル ・コ ミュニ ケーシ ョンで課題遂行 に関す る技術 ・ 知識 の移転、 イ ンフォーマル ・コミュニ ケーシ ョン で 「交わ り」 を行 うとい う考 え方 に新 たな視点 を付 加す る ものである インフォーマル ・コ ミュニ ケー シ ョンの 中で起 こる知識 の取得 、創発 とフ ォーマ ル ・コ ミュニ ケー シ ョンの中で発生す る 「交 わ り

の存在 に注 目 し、セ ミプロフェ ッシ ョンの職業人的 側面 と組織 人的側面 に重要 な意味 を もつ と考 える

しか し、著者の経験 ではこれ らの コ ミュニケー シ ョ ン効果 を認めつつ もコ ミュニケーシ ョン欲 求は高 く なか った ように思 う それは、 コスモポ リタン的特 質 と慢性 的 に長 い 「自発 的」残業のため にコ ミュニ

ケ- シ ョンに割 く時間が ない ことが原因なのではな いだろ うか。そ して、それはセ ミプロフェ ッシ ョン としての ソフ トウェア技術者が組織 人的側面 と職業 人的側面 を半 々に持 っているのではな く、職業人的 側面 を強 く持 っていることを表 わ しているのではな いか と考 える。

フォーマ ル ・コ ミュニ ケー シ ョンが課題遂行 その も のであるな らば、 インフ ォーマ ル ・コ ミュニ ケー シ ョンは条件適応的な対応がで きる知識の取得 に効果 がある と考 える。課題遂行 に直接関係の ない会話の 中に も大局的 に物事 を見た り、他者の体験 的 な知識 を意識 的、無意識的 に移転す ることがあ り、他者 と の何気 ない会話の中か ら新 しい知識が創造 される と 考 える。 ソフ トウェア技術者 は職業人的側面 と組織 人的側面 をこの ようなフ ォーマル ・コ ミュニ ケー シ ョンとインフォーマル ・コ ミュニケーシ ョンの重複 した コ ミュニケーシ ョン (以後、混在型 と呼ぶ) を 行 って調和 をとっているのではないだろ うか。そ こ で、 まず調査 によ り ( 1) コ ミュニケー シ ョンの状 況把握 (2)専 門的知識 を どの よ うに得 てい るか

(3) どの程度 コ ミュニ ケー シ ョンによ り知識 を取 得 した と認知 されているのか (4) コ ミュニ ケー シ ョンをフ ォーマル とインフォーマルの視点か らとら え、 どの ようなコ ミュニ ケーシ ョンを行 っているか (5)人間関係 のため に重視 されて きた イ ンフ ォー マル ・コ ミュニ ケー シ ョンの果 たす役割 (6) ソフ トウェア技術者の コ ミュニケー シ ョン欲求 について 調べ る。 これ らの仮説 を以下 に命題形式 に編成 して 列挙す る。

仮説 :

1. ソフ トウェア技術者 は、 組織人的側面 と職業人 的側面 を混在型 コミュニケーションにより調和

をとっている。

2.親和性 が生 まれるコミュニケーションにより知 識の援助行動が起 こる。

3.ソフ トウェア技術者のインフォーマル ・コミュ 85

(7)

同志社社会学研究 NO.1,1997

ニケーションには、知識取得効果がある。

4.セ ミプロフェッションであるソフ トウェア技術 者 は、コミュニケーション欲求が低い。

調査の方法 と対象

1.調査方法

調査 許可 を得 られた企業 に対 し調査票 を郵送 し、併せて面接 を依頼

(1)調査票 による調査

配布数 : 255部 回答部数 : 180 回収率 : 71% 有効 回答 : 177部 (2)面接 による調査

第三者 の入室 が無 い状 態 で本 人の了解 を得 た 上、テープ レコーダーによる記録 と書取 り

2.

企業選択方法

コンピュー タ関係企業の資料 (工学部向けの求 人誌、 コンピュー タ雑誌、電話帳 な ど)の中か らソフ トウェア開発部 門 を持つ企業 を44杜 に調 査依頼。

3.

調査許可企業

44社の内24杜が調査許可

4.

被調査者

189名のソフ トウェア技術者 (1)調査票による調査

被調査者数 : 177名 (男性 144名、女性 33名) 年 齢 : 21 - 2歳 5歳 (平均年齢30.歳)3 (3)面接 による調査

被面接者数 : 22名 (男性 18名、女性 4名) 年 齢 : 22歳-55歳 (平均年齢 3.26歳)

5.

期間

平成 7年9月21日-平成 7年11月29日

尚、本研究 は量的調査での分析結果 によ り浮かび 上が った一般的 ケースについて考察 を行 い、そこか ら逸脱す るケースについては質的調査 に もとづ き考 察 を行 った (藤本 1997)。 さらに、本稿では量的調 査 デー タを因子分析す ることによ り浮かび上が る因 子 について考察 を行 う

分析と考察

因子分析 はSPSSパ ッケージを使用 して共通性反復 推定 の主因子解 を求め、バ リマ ックス回転 させ て最 終的な因子負荷量 を求めた。抽 出 した因子 に深い関 係 を持つ項 目群 の特徴的傾 向を見出す ため に、因子 負荷量が高い項 目を対象 に して合成尺度 を作 りコ ミ

ュニ ケー シ ョン、知識取得、親和性 について検討 を 行 った。

1.混在型 コミュニケーションに関する因子 固有値 1.0以上の因子 は 6個抽出 されたが、寄与率 及び解釈可能性 を考慮 して ここでは第 1因子 、第 2 因子のみ取 り上 げる。各 因子の代表 となるイメー ジ 項 目が 3項 目ずつ抽 出 された為 、 これ らの項 目を用 いてその合計得点 を もって各因子の因子得点 に代 え (正確 には因子負荷量で重みづ けを してい ないので 因子得点 で は ないの だが 、近似 と して代 用 した)、

得点差 による特徴 を以下述べ る。

(1)第 1因子 就業時間外技術話因子

8であ り、寄与率 は2 5 第 1因子の固有値 は3.2 5.%で ある 表 1か ら明 らかなように、 この因子 に大 きな 因子負荷量 を示す調査項 目は 「就業時間外 一同僚 一 技術 話

「就業 時 間外 一部下 一技術 話

「就業 時 間 外 -上司 一技術話」 とい う項 目群であ り、 この 3項 目を用いて合成尺度 を作成 した。それぞれ 「よくす る

4点 、「時 々す る

3点 「あ ま りしない

2点

「全 くしない」 1点 と し、その合計点数 の 3点 -7 点 まで を低得点 グループ、 8点 -12点 を高得点 グ

86

(8)

ループとして特徴 を分析す る。 この因子 は、就業時 間外 における技術 の話 とい う混在型 コミュニケーシ

ョンを表 している。

高得点 グループでは次 の ような特徴があった。彼 らは技術 的な会話 を上司 ・同僚 ・部下それぞれ に対 し頻繁 に行 ってお り、就業時間の内外 を問わず技術 的な会話 を多 く行 っている。 フォーマル ・コ ミュニ ケーシ ョンが活発 な事 に対 し、インフォーマル ・コ ミュニケーシ ョンは少 ない。仕事 に関す るコ ミュニ ケーシ ョンが インフォーマルに影響 している混在型 コミュニケーシ ョンである。 フォーマル ・コミュニ

表 1- 1

「就業時間内一世間話一同僚

「就業時間内一世間 請-上司」 とい う項 目

合成尺度 を作成 した。群であ り、この 3項 目を用いて それ ぞ れ 「よ くす る

4点 、 「時 々す る

3点

「あ ま りしない

2点 「全 くしない

1点 と し、そ の合計点数の 3点-7点 までを低得点 グループ、 8

点 - 12点 を高得点 グルー プ と して特徴 を分析 る。 この因子 は就業時間内における世 す 在型 コ ミュニケーションを表 している 間話 とい う混

高得点 グループでは次の ような特徴があった。

らはインフォーマル ・コ ミュニ ケーシ ョンを上司彼 同僚 ・部下それぞれに対 して頻繁 に行 っている。 ・ 第 1因子 就業時間外技術話国子

業時間の内外 を問わず、世間話 などの普段 の会話就

調査項 目 因子負荷量 支持 ) する (% 就業時間外における同僚との技術話 .98 39. しない 就業時間外における同僚との技術話 .48 4 560. 就業時間外における同僚との技術話 22.3 474. 就業時間外における同僚との技 .96 257. 743.

術誌

就業時間外における同僚との技 話 ..9326 8621 117.. 3275..

多 く行 っている。仕事以外 の会話が フォーマル を 間 に影響 してい る混在型 コ ミュニ ケー シ ョンでな時 る。 コミュニ ケーシ ョン対象者 は、 フォーマルグあル ープにとらわれず、他の部署の者 も含 まれる。 コ ミ

表 1-2 第 2因子 就業時間

調査項 目

因子負荷量一世間話する支持 因子しない( %) 就業時間内における部下との世間話 .09 531. 16 就業時間内における部下との世間話 .98 760. .6 就業時間内における部下との世間話 .86 194. 就業時間内における部下との世間話 571. 429. 就業時間内における部下との技術話 - 5..121 66062.. 977 . ケ-シ ョン欲求は強いが インフォーマル ・コミュ

ケー ニ

いるシ ョン欲求は強 くはな く、現状維持 を希望 して

低得点 グループでは次 の ような特徴があった。

らは高 レベル者が多 く、 ノウハ ウな どは指導 を受彼 て取得す る事 よ り他者の技術 を模倣す る事の方が多け い。技術的な会話は就業時間内はよく行 っているが 就業時間外 は行 わない。就業時間外 の世 間話 はよ 、 行 ってお り、 フォーマル/ インフォーマルの区別 く

はっきりしている。 フォーマル ・コミュニケーシが

ン欲求/ インフォー ョ

は共 に特 マル ・コ ミュニ ケーシ ョン欲求

5 ユニケ- シ ョンによるノウハ .

な関係があると認知 しているウの取得、移転 は重要 ミュニケーション欲求はやや 。 インフォーマル ・コ

強い。

低得点 グループでは次の ような特徴があっ らは上司 に対 して就業時間内の技術話 はあ また。彼 ず、同僚 ・部下 に多 く行 っている。就業時間 り行 わ 術話 はあ ま り行 わないが、就業時間外の世間外の技 司 ・同僚 ・部下 に対 しよ く行 われている。仕話は上 37.

-

%で ある。表3か ら明 らかなように、この因子 に大 きな

因子負荷量 を示す調査項 目は 「就業時 間内一世 間話- 部下

就業時間内世間話因子

(2第)第2因子 の固有値 は 2に強 くない。 因子 2.1であ り、寄与率 は1 た経験 も少 な く、課題達成 に対する関心が低込 まれい。 フ 2

(9)

NO ,

コミュニケーションによる知識取得に関する因子 以上の因子 は 4個抽 出 されたが、寄与率 及び解釈可能性 を考慮 してここでは第 1因子、第 2 因子のみ取 り上げる。各 因子の代表 となるイメージ 項 目が第 1因子が 2項 目、第 2因子が 3項 目抽 出 さ れた為、 これ らの項 目を用いてその合計得点 を もっ て各 因子の因子得点 に代 え、得点差 による特徴 を以 下述べ る

(1)第 1因子 対話による体系的知識取得因子 1

.

10. 2.

同志社社会学研究 1997

固有値 ンフる。 フォーマル ・コ ミュニケーシ ョン欲求/ イォーマ

い。低 ル ・コミュニケーシ ョン欲求共 にやや強 らは得点 グループでは次の ような特徴があった。彼 得て他者 との対話 による体系的知識 は就業時間内で ってお り、就業時間外では技術的な会話 はあ ま り行 考 えいない。知識取得 に対 し他者 との対話 を重要 と は上ているが、知識取得の為の コ ミュニケーシ ョン ク ト位技術者 に限定 されが ちであ り、同一 プロジェ シ ョメンバ ーや同期 入社者 などの水平 コミュニケー 第 1因子の固有値 は1 であ り、寄与率 は.8 23.1%で

ある。表 2-1で明 らかなように、 この因子 に大 き な因子負荷量 を示す調査項 目は 「対話 により/←ド虹ア 知識取得

「対話 によりソフト虹ア知識取得」 とい う項 目 群であ り、この 2項 目を用いて合成尺度 を作成 した。

それぞれ 「あ る

1点、「ない

0点 と し、その合 計点数が 0を低得点 グループ、 1点-2点 を高得点

業時 ンはあ まり行 っていない。体系的知識取得 を就 ニケ間内のみで行 っている為、 フォーマル ・コミュ ミューシ ョン欲求は強い。体系的知識取得 に水平 コ ニ ケーー シ ョンをあ ま り行 っていない影響か ら、

インフォ マル ・コミュニケーション欲求は強 く

2

ある

()

第 2第 因子の

2

因子 体験的知識取得因子 ない。

グループとして特徴 を分析す る。 この因子 は対話 に

65. 3

固有値 は1 であ り、寄与率 は. 1 %で きな。表 2-2か ら明 らかなように、 この因子 に大 表 2- 1 第 1国子 対話による体系的知識取得国子

因子負荷量 を示す調査項 目は 「他者の指導 によ るノウ

よる体系的知識取得 を表 している。

調査項 目 因子負荷量 支持 す る( %

) 対話によりハードウ体系的知識取得 .98 73. しない 対話によりソフト体系的知識取得 .48 3 267. 他者テクニック模倣 435. 565. 同僚との相談による業務知 .03 602. 398.

取得

ハ ウの取得

「先輩の指導 による業務知識 の う項 「同僚 との相談 による業務知識 の取得」 とい 目群であ り、この 3項 目を用いて合成尺度 を作 成 した。それ

その合 ぞれ 「ある

1点、「ない

0点 とし、

1点 まで を低得点 グループ、

点 -3点 を高得点 グルー プ と して特徴 を分析 す る。 この因子は

いる 対話 による体験的知識取得 を表 して

2 計点数の 0点-

識獲得 .17 295. 705.

らは得点 グループでは次 の ような特徴 があった。彼 2-2 第 2因子 体験的知識取 いる知識取得 に対 し、他者 との対話 を重要 と考 えて

調査項 目 得因子

他者の指導によるノウハウ取得 因子負荷量.97 する7支持39.しない2( 6%). 先輩指漸 こよる業務知識取得 .36 739. 2 1 同僚との相談による業務知識取得 .05 295. 61. 対話によりソ体系的知識取得 .02 705. 他者が、援助的な ものではな くヒン トを得 る程度 に

得たの存在 を考 えている。 ノウハ ウを自己の経験で 感 じと認識 してお り、他者か らの知的援助 をあ まり 司 ・ていない。就業時間外での技術的な会話 は、上

自己同僚 ・部下それぞれ に対 し、あ ま り行 わない。

書、の実力向上 には個人的 に得 る体系的知識 (専 門 知識雑誌、マニュアル)が多 く、集団で得る体系的 (講習

会、勉強会) も比較的多 く得 る努力を し てい 88

(10)

高得点 グループでは次 の ような特徴があった。彼 らは部下 を持 つ者が少 な く、部下の ない者が多い。

これは、 レベルに重複 してお り、高 レベ ル者が少 な く、低 レベ ル者が多い。他者 との コ ミュニ ケー シ ョ ンに体験 的知識取得効果 を感 じてお り、他者か らの 知識援助 も多い。 フォーマル ・コ ミュニ ケーシ ョン とインフ ォーマル ・コ ミュニケーシ ョンの区別が比 較的はっ き りしてお り、 フォーマルグループ との関 わ りにこだわ らない。 フォーマル ・コ ミュニ ケーシ ョン欲求 はやや強いが、 インフォーマル ・コ ミュニ ケーシ ョン欲求 はやや弱い。

低得点 グループでは次 の ような特徴があった。彼 らは部下 のあ る者 が多 く、部下の ない者が少 ない。

ェク トメ ンバ ー

「フ ォーマ ル ・コ ミュニ ケー シ ョ コ ミュニ ケー シ ョン (依存)一視 プロジェク トメンバ

ー シ ョン しやすい人 に 「該 当す る

1点 、「該 当 し

低得点 グループ、 3点 -4点 を高得点 グループとし て特徴 を分析す る この因子 はフォーマ ルグループ による課題遂行 時の関わ りか ら発生す る親和性 を表 している。

表 3

「フ ォーマ ル コ ミュニ ケー シ ョン (依存)-前 プロジ

ン (対等)一視 プロジェク トメンバー 「フ ォーマル

4

ー」 とい う項 目群であ り、 この 項 目を用いて合成 尺度 を作成 した。それぞれ フ ォーマル ・コ ミュニ ケ

0 0 -2 ない 点 とし、その合計点数の 点 点 まで を

- 1 第 1因子 フォーマルコミュニケーシ]ンにおける 協働経験者の親和性因子

) レベ ルに も重複 してお り、高 レベル者が多い。技術

的知識の交換 はあ ま り行 ってお らず、他者 との コ ミ ュニケー シ ョンは業務 として行 っている 他者の体 験的知識 に依存 していない為、知識 の援助 をあ ま り 受 けてお らず、 コミュニ ケーシ ョンによる知識取得 効果 は感 じてい ない。 また、職制の リー ダーの技術 不足 を感 じている。 フ ォーマル ・コ ミュニケーシ ョ

ン欲 求はやや強 く、 インフォーマル ・コ ミュニ ケー シ ョン欲求は弱い。

調査項 目 因子負荷量 %

支持率 す る ( トシ-前デ恥 ■ト(対等) .58 37. しない -トシ-前7 Ry(依存) .28 1 62.9 -現フ○口シクト(依存) 34.3 65.7 -hj--現7 Bト( .57 53.1 46.9 うヨ-前シ■ 等) .47 56.0 44.

((対等

-現フ○シ■クト )) ..6331 542.2.90 57.1 0

80. 高得点 グループでは次 の ような特徴が 4

3.親和性 に関する因子

固有値 1 .以上の因子 は 5個抽 出 されたが、寄与率0 及 び解釈可能性 を考慮 して ここでは第 1因子、第 2 因子 のみ取 り上 げる。各 因子の代表 となるイメージ 項 目がそれぞれ 4項 目ずつ抽 出 された為 、 これ らの 項 目を用 いてその合計得点 を もって各 因子の因子得 点 に代 え、得点差 による特徴 を以下述べ る。

(1)第 1国子 フォーマルコミュニケーションに おける協働経験者の親和性 因子

らは フォーマル ・コ ミュニ ケー シ ョンのあった。彼 協働経験 が強 く影響 してお り、 フォーマ しやす さに とインフ ォーマルグループが重複傾向 にルグループ ーマルのみ な らず インフ ォーマル ・コ ミある フ ォ ョンを以前のプロジェク トメンバーや現 ュニ ケー シ ェク トメンバー と積極的 に行 う 先輩か在 のプロジ た経験が多 く、課題遂行時の関わ りが イら仕込 まれ ル ・コ ミュニ ケーシ ョンへの 「交わ り」 ンフ ォーマ を及ぼ している フ ォーマル/ インフォ欲求へ影響 複 の多い混在型 コ ミュニ ケー シ ョンを行ーマルの重 49.

40.

第 1因子 の固有値 は であ り、寄与率 は2 %で フォーマル ・コ ミュニケー シ ョン欲 ってい る

ある。表

3-1

か ら明 らかなように、 この因子 に大 マル ・コ ミュニ ケーシ ョン欲求共 に 求/ インフ ォー やや強い。

きな因子負荷量 を示す調査項 目は 「フォーマル コ ミ 低得点 グループでは次 の ような特徴があった ュニ ケー シ ョン (対等)一前 プロジェ ク トメンバ ー」

(11)

同志社社 会学研究 NO.I,1997

ない対象者に行ってお り、インフォーマル ・コミュ ニケーションも仕事に関わるメンバーと行わず、同 期入社者など課題遂行 に関連のない対象者を選択 し ている フォーマル ・コミュニケーションがインフ ォーマル ・コミュニケーションに及ぼす影響が少な く、区別 して行っている。フォーマル ・コミュニケ ーション欲求/ インフォーマル ・コミュニケーショ

2

第 因子の固有値は であ り、寄与率は1 %56. で ン欲求共に特に強 くない。

(2)第2因子 インフォーマルコミュニケーションに おける協働経験者の親和性因子

25.

1

フォーマルグループによる課題遂行時の関わ りから

-

0 0

点、「該当 しない 点 とし、その合計点数の

2

ル ・コミュニケーションしやすい人に 「該当する」

ある。表

3

から明らかなように、この因子に大 きな因子負荷量を示す調査項 目は 「インフォーマルコミ3=トショ ン(依存)一視7 0ロシやェクトメン](A

- 」

「インフォマルコミ3=トション(依 存)一前7.ロゾェクトメンハ.

- 」

「インフォー?ルコミ3=トション(対等)- 前7.ロシやェクトメンバ

ー 」

?ルコミ3=ケ-ン(対等)-現70

ゾェクけン ](A-」 という項目群であ り、この 4項 目を用 いて合成尺度 を作成 した。それぞれインフォーマ

点-2点までを低得点グループ、 3点-4点を高得 点グループとして特徴 を分析する。この因子はイン

発生する親和性を表 している。

表 3-2 第 2因子 インフォーマルコミュニケーションにおける 協働経験者の親和性因子

)

ォーマルグループでの関わ りが、強 くイを持つ。フ ルグループの構成やコミュニケーションンフォーマ いる。低 レベル者がやや多 く、他者からに影響 して 識や体験的知識の移転を重要と考えておの体系的知 依存する傾向がある。以前のプロジェクり、他者に や同一のプロジェク トメンバーに強 く親 トメンバー てお り、フォーマル ・コミュニケーシ 和性を持っ ョン、インフ ォーマル ・コミュニケーションを頻繁 に行 っ る。インフォーマル ・コミュニケーション欲求てい

い。低得点グループでは次のような特徴が が強 らはやや高 レベル者が多 く、ノウハウなあった。彼 識 も自己の経験 により得たとしている者 ど体験的知 者に依存 していない。その為、協働経験が多 く、他 対する親和性は低 く、プロジェク トメンのある者に 期入社者への親和性の方が高 バーより同 ュニケーション欲求がやや強 い。フォーマル ・コミ

考察混在型コミュニケーション、知識取得い。

関する因子分析 を行い、それぞれ因子の、親和性に 因子について考察 した。混在型コミュニ中で上位2 に関する因子では、第 1因子 「就業時間ケーション 子

で高得点グループは専門性が強 く、外技術話因 ばれるグループである。技術的な会話が技術屋 と呼 でも行われてお り、フォーマルの意味 就業時間外 在型 コミュニケーシ ョンを行 っている合いの強い混 フォーマ

ル ・コミュニケーション欲求は強いが、

マル ・コミュニケーションに関心が薄いインフォー 織におけるプロフェッションの典型と考。現代の組 点グループは、技術に関する事に積極的える。低得 他者によるものより個人的に知識取得をではあるが ーマル ・コミュニケーションとインフォ行 う。フォ ミュニケーションを区別 して行 う 従来ーマル ・コ ッション型のようである 第 2因子 「就業のプロフェ

調査項 目 因子負荷 (% 支持率 す る -工ケ--現フ○口シ◆クト(依存) .77 20. しない ショ-前フ○口シクト(依存) .96 3 79.7 ルコ理フ口シ'(対等) 174. 82.6 -7-現フ○ゾエクト( .66 520. 48.0

ルコ-同期入 ) .56 429. 57.1 社者者 ((対等

ルコ-同期入 依存)) ..6332 65974.. 342.06

1 高得点グループでは次のような特徴があった .

●l 。彼 らは第1因子の傾向をさらに強めた特徴

(12)

インフォーマル ・コ ミュニケーシ ョンを活発 に行 っ ている。 フォーマル ・コ ミュニケーシ ョン欲求がや や弱 く、 フォーマルグループにあ ま り準拠 していな い。 フォーマルグループが インフォーマルグループ の構成 に影響 を及ぼ してお り、 インフォーマルの意 味合いを持 った混在型 コ ミュニケーシ ョンを行 って いる。組織人的側面 をもった組織 におけるプロフェ ッシ ョンの一面であると考 える。低得点 グループは 技術 的な関心が薄 く、 インフ ォーマル ・コミュニケ ーシ ョンも活発ではない無気力型である。

課題遂行 に直接 関係 したフォーマル ・コミュニケ ーシ ョンと課題遂行 には無関係 に構成 されるイ ンフ ォーマルグループの コミュニケーシ ョンとい う捉 え 方の中には入 らない ソフ トウェア技術者の コミュニ ケーシ ョン像が浮かび上がった。 フォーマル ・コ ミ ュニケーシ ョン、 インフォーマル ・コ ミュニケーシ ョンに加 え、 ソフ トウェア技術者の混在型 コミュニ ケーシ ョンはこれ らの因子 によって説明 される。

知識取得 に関す る因子では第 1因子 「対話 による 体系的知識取得 因子

で高得点 グループは、部下の ある者が多い。従来体系的知識 は個人の努力 によ り 取得 されて きたが、他者 との対話が情報交換 やアイ デア、 ヒン トの材料 とな り有効 であ る事 を示 した。

しか し、体系的知識が課題遂行 の基本的な前提条件 としてある為、個人での取得努力が第- なのは言 う まで もない。低得点 グループは上位技術者か らのコ ミュニ ケー シ ョンによる知識 の移転 に関心 を持 ち、

水平 コミュニケーシ ョンは少 ない。 フォーマル ・コ ミュニケーシ ョン重視型である。第 2因子 「体験的 知識取得因子」で高得点 グループは、部下のない者 が多い。知識的に依存傾向にある為、他者か らの知 的援助が体験 的知識取得 に有効であ る事 を示 した。

しか し、 フォーマル ・コ ミュニケーシ ョンが インフ ォーマル ・コミュニケーシ ョンへ影響 を及ぼ してい ない為、社会化前の新人に見 られる傾向である。低 得点 グループは高 レベル者が多 く、 コ ミュニケーシ ョンによ り他者の体験的知識取得 に効果 を感 じてお

らず、 自己の経験 と能力で課題遂行 を行 う一匹狼型 である。

親和性 に関す る因子では第 1、第 2因子共高得点 グループは、 フォーマルグループでの協働経験が親 和性 を高め、「交 わ り」 の為 の インフ ォーマルグル ープに発展 し、 フォーマル/ インフォーマルにおい てか な り重複 した コ ミュニ ケー シ ョンを行 ってい る。先輩か ら仕込 まれた経験 な ど他者 との関わ りも 多い。 このグループはフォーマル ・コミュニケーシ ョンにおいて知識の援助行動 を受け、その後の向上 意欲 や コ ミュニケーシ ョン欲求 に影響が及んだ混在 型 コミュニケー ションを行 うグループである。特 に 第 2因子での高得点 グループは、最 もフォーマル ・

コミュニ ケーシ ョンとインフォーマル ・コミュニケ ーシ ョンが重複 した コ ミュニケーシ ョンを行 う。低 得点 グループは、他者への知識の依存が少 な く、 自 己の経験 に よ り知識 を得 た とす る高 レベ ル者 が多 い。その為、協働経験 による親和性 も起 こ りに くい。

第 1因子の 「フォーマル ・コ ミュニケー シ ョンにお ける協働経験者の親和性」 は、 ソフ トウェア技術者 に限 らず協働 した事 のある者は共に課題遂行 を しや す くなる傾 向が あ るだろ う。 しか し、第 2因子 の

「インフ ォーマ ル ・コ ミュニ ケーシ ョンにお ける協 働経験者の親和性」 は、特徴的 と考える。

これ らの因子 はセ ミプロフェ ッシ ョンであるソフ トウェア技術者 に特徴的 な因子である。企業での対 面時間が非常 に長 く、それが 慢性化 している中で混 在型 コ ミュニ ケーシ ョンが発生 している といえる。

そ して、それがホー ソン実験 の ようにモチベーシ ョ ンやモラールに影響するだけでな く、知識の移転 と い う課題遂行 能力向上 に影響 を及 ぼす事 が示 され た。

要約および結論

本稿は、 ソフ トウェア技術者のプロフェ ッシ ョン 性、職業人的側面 と組織 人的側面 と、彼 らの専門知

91

(13)

同志社社会学研究 NO.1,1997

識 の取得 ・創発 をコミュニケーシ ョンとい う視点か らとらえた。

1.仮説の確認

(1) ソフ トウェア技術者は、職業人的側面 と組織人 的側面 を混在型 コミュニケーションで調和 をと っている。

職業人 と して技術志 向であるソフ トウェア技術者 が組織人 として組織 に適応す る方法 として、 フォー マル ・コミュニケーシ ョンとインフォーマル ・コミ ュニケーシ ョンの重複 したコミュニケーシ ョンを行 っていると考える。

(ヨソフ トウェア技術 者 は、就労 時 間中 において フ ォーマル ・コミュニケーシ ョンとインフォーマル ・ コミュニケーシ ョンの重複 した形態で コ ミュニケー シ ョンを行 っている事が明 らかになった。

② ソフ トウェア技術 者 は、 フ ォーマ ルで もイ ンフ ォーマルで もコミュニ ケーシ ョンを行 う対象者 とし て協働経験者 を示 した。

③ 混在型 コ ミュニ ケー シ ョンを行 ってい る ソフ ト ウェア技術者 は課題遂行 に役立つ情報や仕事での援 助 を受けたことを多 く報告 している。

また、混在型 にならず、 フォーマル とインフ ォー マルを分 けて考 えるタイプの者 は、困った時 に社会 的サポー トが得 られに くく、知識の移転が少 ないば か りか、テクノス トレスに陥った時に も気付かれに

くい。

(2)インフォーマル ・コミュニケーションには、ノウ ハウや体験的知識 などの移転効果がある。

フォーマル ・コ ミュニケーシ ョンを活性化 させ る 為 にインフォーマル ・コミュニケーシ ョンの重要性 を追求する研究がなされて きた。それは、親和性 を 高めた り、連帯感 を持 った りさせて人間関係 をよ く す ることによってフォーマル ・コミュニケーシ ョン に協力 とい う形で現れるとい うような視点であった。

しか し、今 回はインフォーマル ・コミュニケ-シ ョ

92

ンにそれ らの機能だけではな く課題遂行 に役立つ知 識の取得、技術 的な向上、周囲の知識 を自分の必要 に応 じて駆 り出せるような機能、あるいは今 までに なかった ノウハ ウやアイデアを創造 してい く過程 に な りうる機能 を持 っていることを明 らかに した。

(3)親和性が生 まれるコミュニケーションにより知 識の援助行動が起 こる。

共通の 目的で集 う機会が親和性 を生み、それが知 識 の援助行動 を起 こさせているようである。その共 通の 目的は インフォーマルな ものに限 らず、以前協 働経験があるとい うことで もその機会 にな りうるこ とがわかった。組織 におけるプロフェ ッシ ョンの在 り方 を考 える上で、 この興味深い問題 に関 しては今 後 も調査 を進め研究 を続 けたい。

(4)セミプロフェッションであるソフ トウェア技術 者 は、コミュニケーション欲求が低い。

調査の結果 ソフ トウェア技術者はコ ミュニケーシ ョン欲 求 を強 く持 ってい ない こ とが明 らか になっ た。 コ ミュニケーシ ョン欲求を高 く持 たない要因は 残業の慢性化による企業での拘束時間の長 さ コ ミュニ ケーシ ョンの時間増加 による、プライベー

トタイムの減少 に対する懸念

プロフェ ッシ ョン性 による組織への コ ミッ トメン ト の少 なさと考 える。 しか し、 OJTを経験 した と認 知 している者は、認知 していない者 に比べ、 フォー マルで もインフォーマルで も対 人コ ミュニ ケーシ ョ ン欲求 を強 くもつ傾向があった。殊 にインフォーマ ル ・コ ミュニケーシ ョンには顕著 な傾向があった。

2.

発見

仮説 には挙げ られていなかったことで大 きな発見 と考 えられるのは、 フォーマル ・コ ミュニケーシ ョ ンの役割であった。 フォーマル ・コ ミュニケーシ ョ ンの為 に重要 と考 えて きたインフォーマル ・コ ミュ ニケーシ ョンに、フォーマル ・コ ミュニケーシ ョン

(14)

の在 り方 が大 き く影響 してい る とい うこ とであ る

フ ォーマ ル ・コ ミュニ ケー シ ョンで親和性 を感 じ、

インフォーマル ・コ ミュニケー シ ョンに発展す るよ うな場合、 さらにインフ ォーマル ・コ ミュニケーシ ョンが発展 し、 フォーマルコ ミュニ ケー シ ョンに影 響 を及ぼす とい う螺旋的 に相互作用す る存在 である とい うことが認め られた。 フ ォーマル ・コ ミュニケ ーシ ョンで親和性 を感 じず インフォーマル ・コ ミュ ニケーシ ョンに発展 しない場合、個 人的 な技術 向上 に頼 り、情報 も属 人化 しが ちである。 イ ンフ ォーマ ル ・コミュニケーシ ョンが フォーマル ・コ ミュニケ ーシ ョンの付属物ではな く重要 な存在である事が明 らか になる と同時 に、イ ンフ ォーマル ・コ ミュニケ ーシ ョンの活性化 にフォーマル ・コ ミュニ ケー シ ョ ンの在 り方が重要な意味 を持つ ことが発見 された。

3.

結論

ソフ トウェア技術者の社会 において、 フォーマル グループの メンバ ーに対 しインフォーマル ・コ ミュ ニ ケー シ ョンの持 つ機 能が果 た されてい ない場合、

フォーマル ・コ ミュニケーシ ョンに も影響す る 「コ ミュニケーシ ョン効果」 か ら取 り残 されるのである。

プロフェ ッシ ョンは職業人 としての姿勢 を貫 くので はな く、組織 人 としてイ ンフォーマル ・コ ミュニケ ー シ ョンの効果 に も気 づ くべ きであ る フ ォーマ ル ・コミュニケー シ ョンとインフォーマル ・コ ミュ ニケーシ ョンは課題遂行 に役立つ知識の取得、協力、

援助 に対 し循環的な役割 を果た している。著者 はイ ンフォーマル ・コ ミュニケーシ ョンが、人間関係 を 保つだけの役割ではな く、 これ らの新 しい機能 も持 っていると考 える。

以上の ような結果か ら、著者 は、プロフェ ッシ ョ ン性 を持 つ ソフ トウェア技術者の知識取得 にコ ミュ ニ ケー シ ョンが重 要 な役割 を果 た してい る と考 え る。

4.

今後の課題

今後の課題 として、以下のテーマ について研究中、

構想中である

(1)知識 の移転 、創造 をお こ させ る よ うな対 人 コ ミュニ ケー シ ョンに注 目 し、親和性 ・知識 の援助行 動の影響 についての研究。

(2)今 回の発 見 となった フ ォーマ ル ・コ ミュニー ケシ ョン インフォーマル ・コ ミュニ ケー シ ョンに 及ぼす影響 についての研究。

(3)一般事務職やブルー ・カラーとの比較研究。

(4) さらに今 回の対 象 に入 らなか った ジャンルの ソフ トウェア技術者 に対す る調査 を行 い一般化 に努 める。

93

参照

関連したドキュメント

operativesMovementandUleforlnationoftheNalionalHealthlnsuranceSystemTheresearch onthehistoryofthefOrmationoftheNationalHealthlnsuranceSystemhasibcusedonlyonthe

Linux Foundation とハーバード大学による CensusⅡプロジェクトの予備的レポート ~アプリケーシ ョンに最も利用されている

3 当社は、当社に登録された会員 ID 及びパスワードとの同一性を確認した場合、会員に

b)工場 シミュ レータ との 連携 工場シ ミュ レータ は、工場 内のモ ノの流 れや 人の動き をモ デル化 してシ ミュレ ーシ ョンを 実 行し、工程を 最適 化する 手法で

環境への影響を最小にし、持続可能な発展に貢

場会社の従業員持株制度の場合︑会社から奨励金等が支出されている場合は少ないように思われ︑このような場合に

敷地と火山の 距離から,溶 岩流が発電所 に影響を及ぼ す可能性はな

敷地と火山の 距離から,溶 岩流が発電所 に影響を及ぼ す可能性はな