九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
拡散数値シミュレーションにおける移流輸送の高精 度計算法の開発とその応用
大串, 浩一郎
https://doi.org/10.11501/3090249
出版情報:Kyushu University, 1992, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
拡 散 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に お け る
移 流 輸 送 の 高 精 度 計 算 法 の 開 発 と そ の 応 用
平 成 4 年 2 月
メ
ζ 弓ヨたき一一良区目 と穴
第 1章 序 論
1. 1 拡 散 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と そ の 応 用
1. 2 従 来 の 研 究
1. 2. 1 移 流 方 程 式 の 数 値 解 法
1. 2. 2 拡 散 係 数 ・ 分 散 係 数 の 推 定 に つ い て 1. 3 本 論 文 の 目 的 と 各 章 の 構 成
nu円屯
u r h u
円rt
第 2章 移 流 の 高 精 度 計 算 法 の 開 発 2 . 緒 言
2 . 2 移 流 項 の 計 算 法 10
2. 2. 1 移 流 拡 散 方 程 式 10
2. 2. 2 拡 散 方 程 式 の 数 値 計 算 法 11 2 . 3 Six‑pointス キ ー ム の 開 発 21
2. 3. 1 は じ め に 2 1
2. 3. 2 Six‑pointス キ ー ム の 誘 導 22
2. 3. 3 モ デ ル 計 算 と 評 価 27
2. 3. 4 1次 元 及 び 2次 元 問 題 に お け る 境 界 条 件 32 2. 3. 5 Six‑pointス キ ー ム の 拡 張 応 用 40
2. 3. 6 ま と め 48
2. 4 改 良 型Six‑pointス キ ー ム の 開 発 2. 4. 1 は じ め に
2. 4. 2 多 次 元 問 題 に お け る 誤 差 の 蓄 積 2. 4. 3 改 良 型Six‑pointス キ ー ム の 誘 導 2.4.4 ま と め
2 . 5 SOWMAC
ス キ ー ム の 開 発 2. 5. 1 は じ め に2.5.2
SOWMAC
ス キ ー ム の 誘 導2. 5.
3
モ デ ル 計 算 に よ るSOWMAC
ス キ ー ム の 検 証 2. 5. 4 ま と めQ d n u d n u n J
白 日
u n u d Q d n u q u
﹄性
rh
u
a n官
a nヨr︑
U F h d r h u r
ヘU
r
町U F h u
円︐
t n x u n H U
2. 6 結 言
第 3 章 水 域 に お け る 拡 散 問 題 へ の 応 用 3. 1 緒 言
86 86 89 89 90 94
103 104 104 105 107 112 3. 2 瀬 戸 内 海 に お け る 物 質 の 分 散 係 数 の 推 定
3. 2. 1 は じ め に
3. 2. 2 瀬 戸 内 海 の 自 然 、 条 件 3.2.3 1次 元 拡 散 の 数 値 計 算 3.2.4 ま と め
3. 3 内 湾 に お け る 潮 流 と 物 質 拡 散 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 3. 3. 1 は じ め に
3. 3. 2 潮 流 と 物 質 拡 散 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 3. 3. 3 比 例 定 数 β bの 値 の 決 定
3. 3. 4 ま と め
3. 4 結 言 11 3
第 4章 非 線 型 計 算 へ の 拡 張 114
4. 1 緒 言 114
4. 2 1次 元Burger's方 程 式 に 対 す る 高 精 度 数 値 計 算
ス キ ー ム の 開 発 115
4.2.1 Six‑pointス キ ー ム の 非 線 型 移 流 計 算 へ の 拡 張 115 4. 2. 2 衝 撃 波 の モ デ ル 計 算 例 11 7 4. 3 非 線 型 移 流 項 の 車 越 し た 流 れ の 計 算 へ の 適 用 120
4. 3. 1 非 定 常 1次 元 開 水 路 流 れ の 数 値 計 算 法 1 20 4. 3. 2 段 波 の モ デ ル 計 算 例
4. 4 結 言
123 125
第 5章 結 論 126
謝 辞 128
参 考 文 献 129
三百 1
F
警写」寺呈~ユ
言命
1. 1 鉱 散 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と そ の 応 用
2 1世 紀 を 目 前 に 控 え 、 地 球 環 境 問 題 に 真 剣 に 取 り 組 む 必 要 に 迫 ら れ て い る 今 日 、 我 々 を 取 り ま く 大 気 や 大 地 、 海 洋 へ の 関 心 は ま す ま す 高 ま っ て い る 。 人 聞 社 会 か ら 自 然 、 に 与 え る イ ン パ ク ト の 予 測 、 ま た 逆 に 自 然 か ら も た ら さ れ る 我 々 の 生 活 へ の 影 響 ( 自 然 、 災 害 も 含 め て ) を 推 し 量 る こ と は 極 め て 重 要 な 課 題 と な っ て く る 。 環 境 の 変 化 を い か に 的 確 に 予 測 す る か は そ の 予 報 ・ 予 測 の 手 法 、 シ
ス テ ム に 大 き く 依 存 す る 。
今 世 紀 初 頭 、 Richardsonは ヨ ー ロ ッ パ の 一 地 域 の 天 気 を 数 値 的 に 予 報 す る こ と を 試 み た 。 そ の 結 果 は 現 実 と は 程 遠 か っ た が 、 こ の 試 み が 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 始 ま り で あ る と 言 わ れ て い る 。 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ( 模 擬 実 験 ) に は 、 ア ナ ロ グ ・ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と デ ジ タ ル ・ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン が あ る 。 模 型 を 用 い た 室 内 実 験 な ど は ア ナ ロ グ ・ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と し て 昔 か ら よ く 行 わ れ て い た 手 法 で あ る 。 現 象 を 規 定 す る 基 礎 方 程 式 を 数 値 的 に 解 く デ ジ タ ル ・ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン は 、 近 年 に お け る 計 算 機 の め ざ ま し い 発 達 に よ っ て 急 速 に 脚 光 を 浴 び て き た も の で 、 こ れ ま で 不 可 能 と さ れ て い た 複 雑 な 現 象 の 再 現 が 可 能 に な り つ つ あ る。
し か し な が ら 、 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン か ら 信 頼 で き る 結 果 を 得 る た め に は 、 実 際 の 現 象 を 良 く 把 握 し た 上 で 適 切 な モ デ ル 化 を 行 う こ と は も ち ろ ん 、 計 算 で 用 い ら れ る パ ラ メ ー タ ー は 現 場 実 測 か ら で き る だ け 正 確 に 決 め る 必 要 が あ る 。
室 内 実 験 や 現 場 実 損JIま た 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に は そ れ ぞ れ一長一短 が あ る と 思 わ れ る の で 、 こ れ ら の 手 法 を お 互 い 密 接 に 関連 さ せ て 補 い 合 う よ う に し な け れ ば な ら な い 。
自 然 界 の 諸 現 象 は 偏 微 分 方 程 式 で 記 述 さ れ る こ と が 多 い が 、 特 に 移 流j広 散 方 程 式 は 、 大 気 中 や 地 中 、 海 中 な ど の 流 体 中 に お け る さ ま
5
ま な 物 理 量 ( 質 量 ・ 熱・ 物 質 濃 度 ・ エ ネ ル ギ ー ・ 渦 度 等 ) の 輸 送 を 表 す 基 礎 方 程 式で あ り 、 こ の 方 程 式 を 解 く こ と に よ り 自 然 界 の さ ま ざ ま な 拡 散 ・ 分 散 現 象 の 予 測 が 可 能 と な る。 例 え ば 、 排 煙 に よ る 大 気 汚 染 予 測 、 埋 立 廃 棄 物 に よ る 地 下 水 の 汚 染予 測 、 湖 沼 の 富 栄 養 化 や 湾 内 水 質 浄 化 の 予 測 等 を 行 う こ と が で き る 。
本 論 文 で は 、 水 域 に お け る 物 質 の 拡 散 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 中 心 に 取 り 扱 う 。 拡 散 さ れ る 物 質 は 流 れ に 影 響 を 与 え な い passiveな 物 質 に 限 定 し て い る。 た だ し 、 後 の 章 の 応 用 例 で は 濃 度 以 外 に 流 速 そ の も の を 従 属 変 数 と し た 非 線 型 問 題 に つ い て も 言 及 す る 。
密 度 差 を 持 た な い 拡 散 物 質 の 河 川 や 沿 岸 部 に お け る 拡 散 問 題 を 取 り 扱 う と き は 、 平 均 流 に よ る 輸 送 と 移 流 分 散 ・ 乱 流 拡 散 と い う 数 学 的 に も 物 理 的 に も 性 質 の 異 な る 2種 類 の 輸 送 形 式 を 含 む 偏 微 分 方 程 式 ( 移 流 拡 散 方 程 式 ) を 解 か な け れ ば な ら な し 、 。 従 来 よ り こ の 移 流 拡 散 問 題 を 数 値 的 に 取 り 扱 う 際 に は 以 下 の よ う な 問 題 点 が あ っ た 。
( 1 ) 方 程 式 中 の 移 流 項 が 卓 越 す る と き 、 つ ま り 流 れ が 比 較 的 速 い 場 合 な ど は 、 数 値 誤 差 が 顕 著 に 現 れ 十 分 な 精 度 の 拡 散 予 測 は で き な か っ た 。
(2 ) 方 程 式 中 の 拡 散 係 数 ・ 分 散 係 数 は 未 知 で あ り 、 実 際 の 現 象 を う ま く 再 現 で き る よ う な 係 数 の 与 え 方 が 容 易 で は な か っ た 。
以 上 の 問 題 が 解 決 さ れ な い 限 り 、 水 域 に お け る 高 精 度 の 物 質 拡 散 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン は 望 め な い こ と に な る 。
n︐白
1. 2 従 来 の 研 究
こ こ で 、 移 流 拡 散 方 程 式 の 数 値 解 法 と 拡 散 係 数 ・ 分 散 係 数 に 関 す る こ れ ま で の 研 究 を 簡 単 に 振 り 返 っ て み る 。
1. 2. 1 移 流 方 程 式 の 数 値 解 法
移 流 拡 散 方 程 式 を 数 値 的 に 解 く 方 法 は 、 差 分 法 (FD M )、 有 限 要 素 法 (FE M )、 境 界 要 素 法 (B E M )の 3 つ に 大 き く 分 類 さ れ る 。 そ の う ち 差 分 法 の 歴 史 は 最 も 古 く 、 さ ま ざ ま な 計 算 法 が 提 案 さ れ た 。 こ こ で は 、 精 度 の 高 い 数 値 計 算 が 難 し い と さ れ る 移 流 項 に 焦 点 を 絞 り 各 種 の 差 分 法 に つ い て 述 べ る 。
最 初 に 、 簡 単 な 差 分 ス キ ー ム と し て は 、 1次 精 度 風 上 差 分 ス キ ー ム 、 Lax‑We ndroffス キ ー ム (Lax‑Wendroff(1960))、 Leapfrogス キ ー ム が 挙 げ ら れ る 。 こ れ ら の 計 算 法 を 用 い る の は 容 易 で あ る が 、 後 に 示 す よ う に 計 算 結 果 lこ 無 視 で き な い 数 値 誤 差 が 引 き 起 こ さ れ る ス キ ー ム で あ る 。 な お Lax‑Wendroffス キ ー ム は 流 速 一 定 の と き は Leithス キ ー ム (Leith(1965)) と 等 価 と な る 。
次に、 Bella‑Dobbins(1968)は 1次 精 度 風 上 差 分 ス キ ー ム の 数 値 拡 散 項 に 着 し 、 第 2章 で 述 べ る ス プ リ ッ ト ・ オ ペ レ ー タ ー ・ ア プ ロ ー チ に お け る 拡 散 の 計 算 の 際 、 そ の 数 値 拡 散 項 を 差 し 引 く 計 算 法 を 示 し て い る 。 しかし、 2次 の 誤差 項 の み を 差 し ヲ │ い て も あ ま り 精 度 の 良 い 計 算 結 果 は 得 ら れ な か っ た 。
Fromm(1968)は 、 移 流 方 程 式 の 計 算 に お け る 位 相 誤 差 に 着 目 し 、 進 み 位 相 誤差 を も っ ス キ ー ム と 遅 れ 位 相 誤 差 を も っ ス キ ー ム を 平 均 し 位 相 誤 差 を ゼ ロ に す る よ う な 計 算 法 を 与 え た 。 こ の ス キ ー ム に よ り 位 相 誤 差 や 負 の 濃 度 の 大 き さ は 減 少 し た が 、 依 然 と し て ダ ン ピ ン グ ( 数 値 拡 散 に よ る 濃 度 の 低 下 ) は 大 き か っ た 。
Leendertse(1970)は 、 陰 形 式 (implicit scheme)と 陽 形 式 (explicit scheme)
nu
の 中 央 差 分 を 2段 階 に 分 け て 用 い て 数 値 振 動 を 抑 え る 工 夫 を 行 っ た 。 しかし、
濃 度 勾 配 が 急 、 な 場 合 は や は り 数 値 分 散 に よ る 誤 差 が 生 じ て い た 。
Martin
の ス キ ー ム(Martin(1975))
は 、 厳 密 解 と 計 算 解 の モ ー メ ン ト を あ る 次 数 ま で 等 し く す る こ と に よ っ て 得 ら れ た ス キ ー ム で あ る 。 そ れ らのうち、 2 次、 4次 の 精 度 の ス キ ー ム は 振 動 と 位 相 誤 差 を生 じ る が 、 3次 精 度 の ス キ ー ムは ダ ン ピ ン グ は あ る も の の 位 相 誤 差 は 小 さ か っ た 。
さ ら に 次 数 を 高 め た も の と し て
Roache(1972)
は 空 間4
次精度, 時 間 2次 精 度 の ス キ ー ム を 提 案 し 、Forester(1977)
は 空 間8
次 精 度 の 計 算 ス キ ー ム を 考 案 し て い る が 、 そ れ ら は 次 数 を 上 げ る ご と に 多 く の 格 子 点 を 用 い る こ と に な る た め境 界 で の 取 り 扱 い が 煩 雑 で あ っ た り 、 勾 配 の 急 な 濃 度 分 布 の と き 振 動 を 引 き 起 こ し て い た 。
ま た 、 高 次 の 風 上 差 分 の 中 で 奇 数 次 (3次、 5次 等 ) の ス キ ー ム に は 濃 度 分布 の 勾 配 が 急 な 場 合 に 、 振 動 は 狭 い 範 囲 で の み 起 こ り 、 誤 差 は 拡 が ら な い と い う 性 質 が あ る こ と が 明 ら か と な っ て い る 。 こ の 特 性 を 利 用 し て 特 に 3次 の 風上 差 分 を 用 い た 河 村 ス キ ー ム 、
QUICK
スキーム、QUICKEST
ス キ ー ム(Leonard(1979) )
等 が 提 案 さ れ て お り 、 非 線 型 移 流 項 に 対 し て 有 力 な 手 法 と 見 ら れ て い る。 しか し 、 後 に 示 す よ う に 線 形 の 移 流 計 算 に お い て 位 相 誤 差 が 見 ら れ る 。
Boris‑Book(1973)
は 、 負 の 拡 散 を 利 用 し て 数 値 分 散 に よ る 振 動 を な く そ う と したFCT
ス キ ー ム を 開 発 し た が 、 数 値 拡 散 を 引 き 起 こ し た 。Holly‑Prei ssmann ( 1 9 7 7 )
は、3
次 のHermite
内 挿 多 項 式 を 用 い て高 精 度 のT w o ‑ point fourth‑order method
を 開 発 し た 。 し か し 、 こ の ス キ ー ム は 濃 度 だ け で なく 濃 度 勾 配 も 移 流 す る 必 要 が あ る た め 、 2次 元 問 題 へ の 拡 張 が 難 し か った。
以 上 、 移 流 拡 散 方 程 式 の 数 値 計 算 法 と し て さ ま ぎ ま な 計 算 ス キ ー ム が 提案 さ れ て き た が 、 決 定 版 と い え る も の は 見 当 た ら ず ま だ 多 く の 問 題 が 残 さ れて い る
と 言 え よ う 。
一4‑
1. 2. 2 拡 散 係 数 ・ 分 散 係 数 の 推 定 に つ い て
拡 散 方 程 式 を 精 度 良 く 解 く た め の 条 件 と し て 、 流 れ の 場 の 拡 散 能 を 表 す 拡 散 係 数 も し く は 分 散 係 数 の 正 確 な 見 積 も り が 不 可 欠 で あ る 。 分 散 (dispersion)と は 、 水 理 量 の 断 面 平 均 量 か ら の 偏 差 に よ っ て 生 じ る 見 か け の 大 き な 拡 散 の こ と である。 1次 元 流 れ に お け る 流 れ 方 向 の 分 散 係 数 は 縦 分 散 係 数 と 呼 ば れ 、 通 常 の 乱 流 拡 散 係 数 と 比 較 し て 1桁 か ら 2桁 位 大 き い 。
分 散 係 数 に つ い て 最 初 に 理 論 的 な 記 述 を 与 え た の はTaylor(1954)で あ る 。 彼 は 、 円 管 内 の 乱 流 に 対 す る 理 論 的 な 縦 分 散 係 数 の 評 価 を 行 っ た 。 2次 元 的 な 開 水 路 流 れ に お け る 分 散 の 理 論 は Elder(1959)に よ り 研 究 さ れ た 。 彼 は 、 縦 分 散 係 数 だ け で な く 、 そ れ と 直 角 方 向 の 拡 散 係 数 も 求 め て い る 。
さ て 、 実 際 の 流 れ 場 に お け る 拡 散 ・ 分 散 係 数 に つ い て 見 る と 、 河 川 中 流 部 、 河 口 部 、 内 海 ・ 内 湾 、 外 海 そ れ ぞ れ に お い て 、 混 合 現 象 を 支 配 す る 要 因 と し て 流 れ だ け で な く 他 の い ろ い ろ な 要 因 も 関 連 し て く る 。 例 え ば 、 河 川 に お い て 水 深 に 比 べ 川 幅 が 非 常 に 大 き い と き に は 、 物 理 量 は 水 深 方 向 に は 近 似 的 に 一様 と 見 な せ る が 、 そ の 川 幅 方 向 ( 横 方 向 ) の 偏 差 は 無 視 で き ず 重 要 な 役 割 を 果 た す よ うになる。 Fischer(1967)は 、 流 下 方 向 の 移 流 と 横 方 向 の 拡 散 の 効 果 を 考 慮 し て 河 川 に お け る 縦 分 散 係 数 を 与 え て い る 。
河 口 部 な ど の 感 潮 域 で は 、 潮 汐 に よ る 往 復 流 や 密 度 成 層 に よ る 浮 力 効 果 が 分 散 係 数 に 対 し て 大 き な 影 響 を も っ て く る 。 Holley‑Harleman‑Fischer(1970)は 潮 汐 に よ る 往 復 流 が あ る 場 合 の 縦 分 散 係 数 が 往 復 流 の な い 場 合 に 比 べ て ど の 程 度 減 少 す る か を 、 2次 元 水 路 で 流 速 分 布 が 直 線 の 場 合 に つ い て 求 め て い る 。 密 度 成 層 化 し た 河 口 部 に お け る 重 力 循 環 流 は Hansen‑Rattray(1965)やFi scher (1972)
に よ り 研 究 さ れ 、 縦 分 散 係 数 へ の 寄 与 率 がFischerに よ り 与 え ら れ て い る 。 内 海 ・ 内 湾 に お い て は 、 従 来 よ り 多 く の 場 合 海 域 を l 次 元 モ デ ル 、 も し く は
2次 元 モ デ ル と 見 な し て 取 り 扱 っ て き た 。 Euler的 時 間 ス ケ ー ル TE= b2/K(b は 水 路 の 半 幅 、 Kは 横 方 向 の 拡 散 係 数 ) よ り 長 い 期 間 を 対 象 と す る 混 合 現 象 に 対
し て は 1 次 元 モ デ ル が 適 用 で き る 。 そ れ よ り 短 い 期 間 の 混 合 現 象 を 対 象 と す る 場 合 は 2次 元 モ デ ル を 用 い る 必 要 が あ る 。 瀬 戸 内 海 に お け る l次 元 モ デ ル に よ る 解 析 と し て は 、 速 水 ・ 宇 野 木 (1970)や 玉 井 ・ 早川 (1975)の 研究 が あ る 。 速 水
・字野 木 は 年 平 均 塩 素 量 を 用 い て 定 常 1次 元 解 析 に よ り 瀬戸 内 海 全 体 の 縦 分 散 係 数 と し て 一 定 値 の 1 .Ox 107(cm2/s)を 得 た 。 玉 井 ・ 早 川 は 潮 汐 残差 流 モ デ ル を 用 い て 瀬 戸 内 海 全 体 の 平 均 的 な 縦 分 散 係 数 と し て 5.0X 107 (cm2/s)を得た。 2次 元 モ デ ル で は 、 水 理 模 型 実 験 と 数 値 解 析 結 果 の 比 較 検 討 か ら 拡 散 係 数 を 決 め た 樋 口 ・ 柳 ・ 柏 井 (1974), 金 子 ・ 堀 江 ・ 村 上 (1974)の 研 究 が あ る 。 和 田 ・ 片 野 (1 97 1 ) , 和 田 ・ 角 湯 (1974)は 流 速 変 動 の 定 点 観 測 を 行 い 、 得 ら れ た 自 己 相 関 係 数 より Taylorの 定 理 (Taylor(1921)) を 用 い て 拡 散 係 数 を 求 め て い る。
外 海 で の 混 合 現 象 で は 潮 流 の 影 響 は ほ と ん ど な く 、 不 規 則 な 乱 れ が 現象 を 支 配 す る 。 水 平 拡 散 係 数 に つ い て は 、 Orlob(1959)がRichardsonの4/3乗員)1の 比 例 定 数 O.01を 与 え た 。 ま た 、 円 形 パ ッ チ 理 論 に よ る 解 析 で は 、 拡 散 速 度 を ノマラメ ー タ ー と し て 扱 っ た Joseph‑Sendner(1958)や エ ネ ル ギ 一 散 逸 率 を パ ラ メ ー タ ー
と し て 用 い たOzmidov(1958)の 研 究 が あ る 。
以 上 の よ う に 河 川 中 流 部 、 河 口 部 、 内 海 ・ 内 湾 、 外 海 と そ れ ぞ れ 混 合 現 象 を 支 配 す る 要 因 が 異 な る た め 、 基 礎 的 な 理 論 だ け で 拡 散 係 数 ・ 分 散 係 数 の 統一的 な 評 価 を 行 う こ と は で き な い 。 し た が っ て 濃 度 分 布 の 計 算 結 果 を 実測 結 果 に fittingさ せ る こ と に よ る 拡 散 係 数 ・ 分 散 係 数 の 評 価 法 が 有 力 な 手 法 と な っ て く
る が 、 前 述 の よ う に 移 流 項 の 計 算 に 大 き な 数 値 誤 差 が 含 ま れ て い る こ と か ら、 こ の 方 法 に よ る 拡 散 係 数 の 正 確 な 評 価 は 容 易 で は な い 。 こ の 面 か ら も 移 流 輸送 に 関 す る 高 精 度 計 算 ス キ ー ム の 開 発 が 強 く 望 ま れ て い る 。
Fhu
1. 3 本 論 文 の 目 的 と 各 章 の 構 成
前 節 で 述 べ た よ う に 、 従 来 よ り 高 精 度 の 拡 散 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 うた
め 、 数 値 計 算 ス キ ー ム の 開 発 , 拡 散 係 数 ・ 分 散 係 数 の 評 価 法 ・ 推 定 法 の 開 発 が 数 多 く 試 み ら れ て き た 。 し か し な が ら 、 高 精 度 で 多 次 元 問 題 へ の 拡 張 も 容 易 な 計 算 ス キ ー ム は ほ と ん ど 見 当 た ら ず 、 ま た 、 拡 散 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 良 し 悪 し を本質的に左右する拡散係数や分散係数の評価の仕方にも統一 的なものは見 ~JL
た ら な い 。
本 論 文 の 目 的 は 2つ に 大 別 さ れ る 。
ま ず 、 最 初 に 、 高 精 度 移 流 輸 送 計 算 法 の 開 発 を 行 う 。 移 流 拡 散 方 程 式 に お け る 移 流 項 と 拡 散 項 の う ち 、 高 い 精 度 の 計 算 が 難 し い と さ れ て い る 移 流 項 に 焦 点 を あ て て ス キ ー ム の 開 発 を 行 う 。 そ の た め の 手 法 と し て 第 2章 で 述 べ る ス プ リ
ッ ト ・ オ ペ レ ー タ ー ・ ア プ ロ ー チ を 採 用 し 、
1
次 元 で 高 い 精 度 を 得 たHermit e
の 内 挿 多 項 式 に よ る ス キ ー ム(Holly‑Preissmann(1977))
を 改 良 し て 多 次 元 へ 容 易 に 拡 張 で き る 計 算 法 や 全 く 新 し い 概 念 に 基 づ い た 高 精 度 計 算 法 を 開 発 す る 。次 に 、 水 域 に お け る 拡 散 係 数 ・ 分 散 係 数 の 簡 単 な 評 価 法 の 確 立 を 試 み る 。 新 し く 開 発 さ れ た 計 算 法 を 用 い て 、 対 象 を 潮 汐 の 影 響 が 支 配 的 な 内 湾 ・ 内 海 に 限 っ て 、 統 一 的 な 拡 散 係 数 ・ 分 散 係 数 の 評 価 法 を 検 討 す る 。 そ れ ら を 1次 元 モ デ ル、 2次 元 モ デ ル に 分 け 、 そ れ ぞ れ に 対 し て 普 遍 的 な 拡 散 係 数 ・ 分 散 係 数 の 算 出 方 法 を 開 発 す る 。
本 論 文 は 、 以 下 の 4章 か ら 権 成 さ れ て い る 。
第 1章 は 序 論 で あ り 、 水 域 に お け る 拡 散 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 う 場 合 の 問 題 点 な ら び に 従 来 の 研 究 と 現 状 を 概 観 し 、 本 論 文 の 目 的 と 各 章 の 権 成 に つ い て の 概 要 を 述 べ る 。
第 2章 に お い て は 、 拡 散 方 程 式 に お け る 移 流 項 の 高 精 度 数 値 計 算 ス キ ー ム の
開 発 に つ い て 詳 述 す る 。 こ れ ま で に 提 案 さ れ て い る 移 流 項 の 計 算 法 と そ の 数 値 誤 差 に つ い て 述 べ 、 そ れ ら の 問 題 点 を 解 決 す る た め ス プ リ ッ ト ・ オ ペ レ ー タ ー
. ア プ ロ ー チ に お け る 純 粋 移 流 方 程 式 の 計 算 法 と し て 特 性 曲 線 法 に 基 づ い た 高 精 度 の Six‑pointス キ ー ム を 新 た に 開 発 す る 。 そ し て 、 こ の ス キ ー ム の 多 次 元 へ の 拡 張 性 、 境 界 付 近 の 取 り 扱 い 方 、 合 流 河 川 に お け る 適 用 法 等 に つ い て 述 べ る。 続いて、 こ の ス キ ー ム が 2 次元、 3次 元 問 題 で も 同 様 な 精度 を 保 つ よ う に 負 の 拡 散 特 性 を も っ 修 正 項 を 考 慮 し た 改 良 型Six‑pointス キ ー ム を 提 案 す る 。 最 後 に 、 上 述 の 2つ の ス キ ー ム と は 全 く 異 な る 、 1階 の 移 流 方 程 式 の 代 わ り に 2階 の 波 動 方 程 式 を 解 く と い う 新 し い 概 念 に 基 づ い た SOWMAC法 を 開 発 ・ 提 案 す る 。
第 3章 で は 、 第 2章 で 開 発 ・ 提 案 し た 新 し い ス キ ー ム で あ る Six‑pointス キ ー ム を 水 域 に お け る 拡 散 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 問 題 へ 応 用 す る 。 瀬戸 内 海 の l次元 モ デ ル に お い て 縦 分 散 係 数 の 推 定 法 を 検 討 し 、 1次 元 非 定 常 拡 散 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 う 。 続 い て 、 博 多 湾 、 有 明 海 、 鹿 児 島 湾 の 2次 元 モ デ ル に お け る 渦 動 拡 散 係 数 を 流 れ の 情 報 を 用 い て 空 間 的 に 求 め 、 Six‑pointスキ ー ム を 用 い た 拡 散 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 う こ と で 、 普 遍 的 な 渦 動 拡 散 係 数 の 評 価 法 を 開 発 す
る。 こ れ ら は い ず れ も 高 精 度 の 移 流 輸 送 計 算 法 が 確 立 さ れ て 初 め て可 能 と な っ た も の で あ る 。
第 4章 で は 、 移 流 拡 散 方 程 式 の 特 別 な 場 合 と し て 、 従 属 変 数 が 流 速 の 場 合、 す な わ ち 、 非 線 型 移 流 問 題 に 対 す る Six‑pointス キ ー ム の 拡 張 応 用 に つ い て 検 討 する。
第 5章 は 、 本 論 文 の 結 論 で あ り 、 各 章 の 内 容 を 総 括 す る と と も に 今 後 の 課 題 な ど に つ い て 述 べ る 。
一8‑
主席 2 主主
本 多 涜
EOJ
言 言 辛 青 £ 宣 言 十 事 草 泣云OJ
隠司 去を2. 1 緒 言
自 然 、 の 河 川 や 湖 沼 、 海 洋 等 の 水 質 変 化 を 予 測 す る た め に は 、 コンビ ュ ー タ ー を 用 い て 流 れ と 物 質 輸 送 の 両 方 を 数 値 的 に 解 か な け れ ば な らな し1。 輸送 さ れ る 物 質 が 流 れ に 影 響 を 及 ぼ さ な い passiveな 場 合 は 、 流 れ 場 の 計 算 後 に 移 流 拡 散 方 程 式 を 解 く こ と に よ り 拡 散 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン が 行 わ れ る 。 こ の 移 流拡散 方 程 式は 、 平 均 流 に よ る 輸 送 す な わ ち 移 流 と 、 乱 流 拡 散 ( も し く は 移流分 散)とい
う 全 く 異 な る 2種 類 の 輸 送 形 態 を 包 含 し て い る 。
ス プ リ ッ ト ・ オ ペ レ ー タ ー ・ ア プ ロ ー チ は 、 移 流 と 拡 散 の 計 算を 便宜的lこ分 離 し 、 短 い 時 間 ス テ ッ プ 毎 に 交 互 に 計 算 を 繰 り 返 す も の で あ る。 こ の手 法 は、 移 流 と 拡 散 の 各 々 に 対 し て 別 個 に 最 適 な 計 算 ス キ ー ム を 選 択で きると いうメリ
ッ ト が あ る 。 拡 散 の 計 算 は 比 較 的 精 度 良 く 行 え る の に 対 し 、 移 流 の計'算 は 従来 よ り 多 く の 計 算 法 が 提 案 さ れ て い る に も か か わ ら ず 、 計 算 結 果 に 無 視 でき ない 誤 差 が 含 ま れ て い る の が 実 状 で あ っ た 。
Holly‑Preissmann(1911)はTwo‑point fourth order method (Holly‑Preissm annス キ ー ム ) を 提 案 し 、 移 流 に よ る 輸 送 の 計 算 に 関 し て 従 来 の計 算 方 法 と 比 べ
る と 飛 躍 的 に 改 善 さ れ た 結 果 を 得 た 。 し か し 、 こ の 計 算 法では 濃度だ け で な く そ の 空 間 微 係 数 も 従 属 変 数 と な る た め 、 こ の 微 係 数 自 身 も 移 流 、 拡 散 させなけ れ ば な ら な い 。 1次 元 問 題 で の 適 用 は 比 較 的 簡 単 な も の の 、 2次元問題 で は 非 常 に 複 雑 で 計 算 璽 が 大 幅 に 増 加 す る な ど 不 経 済 な ス キ ー ム と な って し ま っ た
nu d
(Glass‑Rodi(1982).Holly‑Usseglio(1984)) 。
そ こ で 、 本 章 で は ま ず 、 精 度 の点 で も 計 算 の 容 易 さ の 点 で も l I
o11y‑Preissma n n
ス キ ー ム の 短 所 を 十 分 補 っ た 移 流 の 高 精 度 計 算 ス キ ー ム と し てSix‑point
スキ ー ム を 提 案 す る 。 次 に こ のSix‑point
ス キ ー ム の 数 値 誤 差 を 少 な く し て さ ら に 粘 度 を 高 め た 改 良 型Six‑point
ス キ ー ム に つ い て 述 べ る 。 ま た 、 1階 の 移 流 方 程 式 の 代 わ り に 2階 の 波 動 方 程 式 を 解 く と い う 新 し い 概 念 に 基 づ い た 、 移 流 の た め の コ ン パ ク ト な 計 算 法 で あ る SOWMACス キ ー ム に つ い て も 提 案 ・ 説 明 す る 。2. 2 移 流 項 の 計 算 法
2 . 2 . 1
移 流 拡 散 方 程 式大 気 中 や 自 然 水 域 に お け る 汚 染 物 質 の 拡 散 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 う 場 合 、 汚 染 物 質 の 存 在 が 流 れ に 影 響 を 与 え る と き は 流 れ と 物 質 輸 送 を 規 定 す る 方 程 式 を 連 立 し て 解 か な け れ ば な ら な い 。 一 方 、 汚 染 物 質 が 流 れ に 影 響 を 及 ぼ さ な い
p a ssive contaminant
の 場 合 に は 、 流 れ の 計 算 に よ っ て 得 ら れ た 流 れ場 の 情 報 を Jll
い て 物 質 輸 送 に 関 す る 移 流 拡 散 方 程 式 を 解 け ば 良 い 。 こ の 物 質 輸送 を 規 定 す る 移 流 拡 散 方 程 式 は 3 次 元 の 場 合 、 次 式 で 表 さ れ る 。
3 7 + U 3 7 + V 7 5 + W 3 7 = £ ( K 去 ) + 去 ( K > 芸 ) + 去 ( K
,芸 )
11J
‑EEA
nL ︐ •
︐ ︐ ︐ ︑
ここで、
C
は濃度、U.V.W
は 平 均 流 速 成 分 、Kx.K , .K
z:は X.Y.Z方 向 の 乱 流 拡 散 係 数 で あ る 。こ の 方 程 式 の 理 論 的 な 解 は 、 い く つ か の 理 想 的 な 条 件 、 す な わ ち 平 均 流 速 と 乱 流 拡 散 係 数 が 一 定 で 、 拡 散 物 質 を 瞬 間 放 出 も し く は 連 続 放 出 す る 場合 等 に つ
‑10 ‑
い て 得 ら れ て い る が 、 現 象 の 複 雑 な実際 の 自 然水域 や 大 気 中 の 拡 散 問 題 を 取 り 扱 う と き は 上 式 を 直 接 数 値 計 算 し な け れ ば な らな い。
一方 、 河 川 や 細 長 い 湾 の よ う に 断面 平 均 した 流速 や 濃度 で 拡 散 現 象 を 近 似 的 に 表 現 し 得 る 場 合 は 1次 元 の 移 流 分 散 方 程 式
3yf)+θ(;:C)= 去 (A 瓦~)
を 用 い る こ と も 可 能 で あ る 。 こ こ で Aは 断 面 積 、 U, Cは そ れ ぞ れ 断面 平 均 さ れた流速, 濃 度 で あ り 、 D混 は 流 速 や 濃 度 の 断 面 分 布 の 非一様 性 の 影 響 が 考 慮 さ れ た 移 流 分 散 係 数 で あ る 。 通 常 D x>> K xで あ る こ と か ら 式 (2. 2)では 既 に K足が 省 略 さ れ て い る 。
ま た 、 広 い 湖 沼 や 内 湾 、 海 洋 の よ う な 水 深 方 向 の ス ケ ー ル が 水平 方向 の スケ ー ル に 比 べ て 極 端 に 小 さ い 場 合 は 、 水 深 方 向 に 平 均 さ れ た 流 速 ・ 濃度 で拡 散 を 記 述 で き る こ と が 多 し 、 。 こ の と き の 2次 元 移 流 分 散 方 程 式 は
θ θ ( ; : C ) = 会(
h D去)+去(
h D, 芸 )
(2.3)で あ る 。 こ こ に 、 hは水深、 Dx, D yは 水 深 方 向 の 流 速 や 濃 度 の 分 布 の 影 響 が 加 味 さ れ た x方向, y方 向 の 移 流 分 散 係 数 で あ り 、 通 常 Dx>>Kx, Dy>>K yで
ある。
2. 2. 2 拡 散 方 程 式 の 数 値 計 算 法
移 流 拡 散 ( 分 散 ) 方 程 式 ( 式 (2.1), (2.2)も し く は (2.3)) は 、 双 曲 型 の 性 質 を も つ 移 流 項 と 放 物 型 の 性 質 を も っ 拡 散 項 と い う 物 理 的 に も 数 学 的 に も 性 質 の呉 な る 2種 類 の 輸 送 形 式 を 有 す る 偏 微 分 方 程 式 で あ る 。
右 辺 の 拡 散 や 分 散 に よ る 輸 送 は 種 々 の 差 分 形 式 を 用 い て か な り 正確 に 計算 す る こ と が 可 能 で あ る 。 一 方 、 平 均 流 に よ る 輸 送 、 す な わ ち 移 流 項 の 数 値 計 算 は
‑11 ‑
従 来 よ り 1次 精 度 風 上 差 分 , 2次 精 度 風 上 差 分 , Leapfrogスキーム, Lax‑Wend roffス キ ー ム (1960),QUICK法 (Leonard(1979))等 多 く の ス キ ー ム を 用 い て 行 わ れ て き た が 、 ダ ン ピ ン グ や 位 相 の ず れ な ど の 数 値 誤 差 が 大 き く 、 拡 散 ・ 分 散 の 計 算 に 匹 敵 す る ほ ど の 正 確 な 計 算 は 容 易 で は な か っ た 。 し た が っ て 種 々 の て 夫 が な さ れ て き た が 、 大 別 す る と 1つ は 移 流 と 拡 散 の計 算 を 同 時 に 行 お う と す る も の で 有 限 要 素 法 (FE M)を 用 い て 試 み ら れ て い る 。 もう 1 つ は 移 流 と 拡 散 ・ 分 散 を 別 個 に 独 立 さ せ て 1タ イ ム ス テ ッ プ 毎 に 取 り 扱 お う と す る も の (ス プ リ ッ ト
‑ オ ペ レ ー タ ー ・ ア フ ロ ー チ ) で そ れ ぞ れ の 計 算 プ ロ セ ス に 対 し 最 適 な 計 ‑ 算 方 法 を 選 択 で き る と い う 大 き な 長 所 が あ る 。 特 iこ 後 者 は 移 流 項 の 計算 に 対 し 特 性
l r
J1 線 法 を 用 い る こ と に よ り 境 界 条 件 を 自 然 、 な 形 で 取 り 入 れ て い る。( a ) ス プ リ ッ ト ・ オ ペ レ ー タ ー ・ ア プ ロ ー チ (Spl it operator approach) 1次 元 問 題 か ら 多 次 元 問 題 へ の 拡 張 は 比 較 的 容 易 で あ る か ら 、 こ こ で は 簡 単 の た め 1次 元 の 移 流 分 散 方 程 式 (A= 一 定 の 場 合 )
£一
D 白
M礼
一白
U
+
£一
白 nrb Aq
︑
lJE︐ ︐
1
を 考 え る 。 式 (2. 4)を 単 純 な 差 分 で 離 散 化 す る と 濃 度 の ダ ン ピ ン グ や 位 相 のず れ な ど の 数 値 拡 散 、 数 値 分 散 が 大 き く な り 、 と き に は 右 辺 の 移 流 分 散 と 同等 あ る い は そ れ 以 上 の 大 き さ を も つ こ と が あ る 。
ス プ リ ッ ト ・ オ ペ レ ー タ ー ・ ア プ ロ ー チ で は 1 タ イ ム ス テ ッ プ 毎 に左 辺 の 移 流 と 右 辺 の 分 散 を 便 宜 的 に 分 離 し て 、 ま ず 最 初 に 次 式 に し た が っ て 濃 度 Cを 輸 送 さ せ る 。
δC
ま :
一
δ t δ x一 一 +u 一 一 一 = 0
ni ︐ ‑ rヘυ J︑ ︑ z︐
t︐ ︐
︑
上 式 に よ り 新 し い タ イ ム ス テ ッ プ (n
+
1 ) に お け る 濃 度c
aの 分 布 を 求 め る 。 統nJU ‑ ‑ E A
い て
c
aを タ イ ム ス テ ッ プ n に お け る 濃 度 と し て 、 n‑‑(n+ l)タ イ ム ス テ ッ プ 聞 で 次 式7 5 = 去 ( D > ま )
tI‑ n︐L ‑ hU n ︐︑ ︑ ︐ ︐を 解 く こ と に よ り 、 f 1 t時 間 に 拡 散 さ れ た 最 終 的 な 濃 度 C?1を 求 め る。
式 (2. 6)の 計 算 は 式 (2. 5)に 比 べ る と 容 易 で 、 例 え ば " 一 般 化 さ れ た Crank‑Ni colsonス キ ー ム " で 精 度 良 く 計 算 さ れ る 。 簡 単 の た め D ] (‑const.とし て 式 ( 2. 6)を 差 分 化 す る と 次 式 の よ う に 表 さ れ る 。
C
ヤ
l̲C?ρDx (... n~ .‑,....., n....... • ̲ Y'¥""'" "1 . (lーθ)Dr=‑‑J71CM‑2C?刊+ch}+(C?+1‑2C?+C11}(2.7) ムt (L¥x;)Z , ‑ ,,. ‑‑, . ‑,‑". ム(χ)2
こ こ で Oは 重 み を 表 す パ ラ メ ー タ ー で O豆 O豆1である。
e =
0の と き explicit、。> 0の と き は implicitな 計 算 法 と な る 。 0豆
e <
1/2に 対 し て は 安 定 条 件 Dxムt
~1
(ムχ)2 ~
2 ‑ 4 θ
( 2. 8)が 満 足 さ れ な け れ ば な ら な い 。 0孟1/2に 対 し て は 無 条 件 に 安 定 で あ る の で 、 。
= 1/2(Crank‑Nicolsonス キ ー ム ) が 良 く 用 い ら れ る 。
( b ) 特 性 曲 線 法 を 用 い た 純 粋 移 流 の 計 算
特 性 曲 線 に よ る ア プ ロ ー チ は 1次 元 の 場 合 に 最 も 簡 単 に 説 明 で き る 。 1次 元 の 移 流 方 程 式 は 以 下 の よ う に 表 さ れ る 。
a
C T Ta
C一一
+ uτ
で=
a t
(j X︑ ︑ ︐ ︐
J
n︐ ‑ nu コv
f u JE
‑‑
式 (2. 9)の 左 辺 は 全 微 分 と 比 較 し て 、 以 下 の よ う に 書 く こ と が で き る 。 d X ̲̲ , ̲ dC
一 一dt
=u
‑よで
̲.̲... 一一一dt=c
nHU 11r‑ ‑ ‑
nJLH
IE
‑
dχ
こ れ ら の 常 微 分 方 程 式 は 一 一=U(X,t) で 定 義 さ れ る 時 空 間 の 軌 跡 上 で 濃 度 が dt
内U
4E︐
一 定 に 保 た れ る こ と を 示 し て い る 。 す な わ ち 図 2 ‑ 1 に 示 さ れ た 時空 間 の 計 算 格 子 に お い て 式 (2.10)を 用 い る こ と は 次 の こ と を 意 味 し て い る 。 も し 時 五JIt 11で 全 て の 格 子 点 に お い て 濃 度 が 既 知 で あ る と す れ ば 、 時 刻 tD + 1に お け る 格子 上 の 未 知 の 濃 度 は 式 (2. 9)の 解 か ら 次 の よ う に 与 え ら れ る 。
C
ヤ =
C~ ︑ ︑ ︐ J1i
‑E・E
・ ‑
﹄nJ •
t︐ ︐ ︑
こ こ で 、 上 添 字 nは 時 刻 tDを 表 し 、 下 添 字 i は 計 算 格 子 点 X Iを表す。 ど は 格 子 点 (x1, t D+l)を 通 過 す る 軌 跡 の t
=
t Dの と き の x 座 標 を 示 す 。 し た が っ て 時亥11t D + 1の 格 子 点 X 1に お け る 新 し い 濃 度 の 値 を 求 め る 問 題 は 、 時 刻 tD, 場 所5
に お け る 古 い 濃 度 の 値 を 求 め る 問 題 に 置 き 換 え ら れ る こ と に な る 。 こ の こ と か ら 純 粋 移 流 の 計 算 ス キ ー ム の 精 度 は い か にc 2
を 正 確 に 評 価 す る か に 依 存 する こ と に な る 。 次 節 以 降 で 、 こ の
c 2
の 評 価 の た め の い く つ か の 内 挿 ス キ ー ム や 代 表 的 な 差 分 法 に つ い て 述 べ る 。七
t
n+1x
t n , ..
""1‑2 X1‑1
x
i X1+1図 2 ‑ 1 1次 元 の 差 分 格 子
‑14 ‑
1 ) 直 線 内 挿 ス キ ー ム
式 (2.11)の
c 2
は タ イ ム ス テ ッ プ nに お け る 濃 度 の 値 で あ る 。 nス テ ッ プ に お い て は 各 計 算 格 子 点 で の 濃 度 の 値 は 皆 既 知 で あ る が 、 格 子 点 以 外 の 場 所 に おけ る 値 は 何 ら か の 方 法 で 推 定 し な け れ ば な ら な い 。 図 2‑ 1 より (x1. t 0 + 1 )に お け る 流 速 Uを 用 い て 特 性 曲 線 を 遡 る と 、 t
=
t 0と の 交 点 ど の 座 標 、 は (x1 ‑ U 11 t. t 0)と な る 。 最 も 簡 単 な 推 定 法 は 直 線 内 挿 式 で 内 挿 す る こ と で あ る。 U11t ~玉ム x の場合はどは XI と X 1‑1の 聞 に あ る の で 、 C ~-1 と C? で直線内挿を行 うと
n..t .r"""¥‑. UムtC~-I+ (ムx‑Ul1t)C
7
Ul1t ̲'"' ̲(. Uムt¥C7判 =C~=
ヨ ム工 一 =τ一一 C?ー1+11- ーァ~Ic~
A χ l 八y J tf︑ qJM ‑ 4EBA 円ノ﹄ ︐ ︐ ︑ ︑ . .と な る 。 こ れ は 1次 精 度 の 風 上 差 分 と 等 価 な ス キ ー ム で あ る 。 こ こ で 、
c?
の ま わ り に2
次 の 項 ま でTaylor
級 数 展 開 し てC
~+I ,C 7 ‑ 1
を 求 め る とn+l .r. n •
コ e ( J
θ2C(ムt) 2 C7叫=C7+一一一ム‑ . a t ‑‑. t+
一一‑‑一一一一一8t
2 2千
代一
+
げム
£一白
c
c
︑1︐JnU 1i • n ︐f u︐ ︐
︐
.1
と な る 。 式 (2.13)を 式 (2.12)に 代 入 し 、 ま た 式 (2. 9)よ り U= const.の 仮 定 の も と で 得 ら れ る 次 式
32C‑232C
θ
t
2 ‑θχ2 (2.14)を 用 い る と 式 (2.12)は 次 式 の よ う に な る 。 決ご 次ご (ムχ)2
a 2 c
一一θ
t ̲ +U ‑
一一 =αa X ‑ ‑
(,1‑‑α)̲‑, 一一一一一一一2 1 1 t a
χ2 z︐ ︐ ︑ nFb ‑ ‑ ‑ 4 uhr ︑ ︐ ︐ ︐ ︐こ こ で
Uム
t α
三一一一一一ム
χ︑ l'
βh
u
つL ‑ ‑ ‑
t︐ ︐ ︑
は ク ー ラ ン 数 で あ り 、 流 速 の 大 き さ と 計 算 格 子 幅 に よ っ て 定 義 さ れ る 、 移 流 方
r町u
・
1&
程 式 に お け る 重 要 な 無 次 元 ノ マ ラ メ ー タ ー で あ る 。 式 (2.15)の 右 辺 は 式 (2. 9)の 移 流 方 程 式 を 式 (2.12)の よ う に 差 分 化 し た と き の 数 値 誤 差 を 表 し て お り 、 そ の 係 数 を
(ムχ)2
Kn三 α(1ーα)一一一一
2
ムt
n︐IH ‑ ‑BEA 円 ︐ t ︑ ︑ ︐ J‑‑
︑
とおくと、 Knは 数 値 分 散 係 数 (artificial dispersion coefficient)と 呼 ば れ る 。 式 (2.17)より α =0も し く は α =1の と き は K n=Oと な り 、 式 (2.12)の 計 算 は 式 (2. 9)の 厳 密 解 を 与 え る 。 一 般 的 に は αは 整 数 と は 限 ら な い の で Knが 存 花 し 、 後 で 1次 精 度 の 風 上 差 分 の 計 算 例 と し て 示 す よ う に 、 大 き な ダ ン ピ ン グ を 引 き 起 こ す こ と に な る 。
2) Holly‑Preiss
・
an nス キ ー ム (Two‑point fourth‑order 聞ethod)Holly‑Preissmann(1977)は、
c
~を評価するための内挿式として濃度 C 7‑1,c?
だ け で な く そ の 空 間 微 係 数c
X 7‑1, C X 7も 用 い る 3次 の Hermite多 項式 を 導 入 し た 。す な わ ち 、 0豆 α壬 lに 対 し て 以 下 の よ う で あ る 。
C~+I =C~ = a1C7‑1+a2C7 +a3CX7‑1+a4CX7 nMU ︑ ︑ ︐ ︐ ︐ E B‑ ‑
n︐b ft
︑
こ こ で al=α2(3‑2α) • a2=1‑al
a3=α2 (1‑α)(Xi‑Xi‑d . a4=
一
α(1ーα)2 (X i一
χト 1)式 (2.18)を 用 い て 順 次 時 間 方 向 に 計 算 を 進 め て い く た め に は 、 こ こ で CX
ヤ
1の 値 も 求 め て お か な け れ ば な ら な し 、 。 式 (2. 9)をxに 関 し て 1回 微 分 す れ ば 次 式 の よ う な
CX
に 関 す る 移 流 方 程 式 が 得 ら れ る 。acx . ̲ ̲ acx ̲
一一一一
a t +u
一一一一θ χ v =011F
nu
d
n︐f ‑ ‑ ‑
︐ ︐ t‑
‑1 6 ‑
式 (2.18)を 導 い た 場 合 と 同 じ 方 法 で [xi‑1, X
( J
の聞 で内 帰 す る と C X7 +
1に 関す る 式 が 次 の よ う に 求 ま る 。
CXナI=CX~
= b l C 7 ‑ 1 + b 2 C7 +b 3 CX7 ‑ 1+b 4C X 7
nHu ︑ ︐︐EqJ
﹄‑nJb ︐︐t
︑
こ こ に 一 一 b 一 一 b
χ川一一
伽 一
χ一 一
b
b3=α(3α‑2)
,
b4=(α‑1) (3αー1)式 (2.18), 式 (2.20)を 用 い て 計 算 格 子 毎 に Cと
cx
の 値 を 新 し い (n+
1 ) タ イ ム ス テ ッ プ に つ い て 求 め て い く 。式 (2. 4)の 右 辺 の よ う に 拡 散 も し く は 分 散 の あ る 流 れ で は 、 式 (2.18), (2.20) を 用 い て Cと
cx
の 純 粋 移 流 の 計 算 を 行 っ た 後 、 式 (2. 6)と 式 (2. 6)を xに 関 し て 微 分 す る こ と に よ っ て 得 ら れ る 次 式害=£ ( D z 安)
z︐ ︐ ︑ Jnb ‑ nJ 4 1 ︐︑ . ︐を 用 い て Cと
cx
の 拡 散 の 計 算 を 各 タ イ ム ス テ ッ プ 毎 に 行 う こ と に な る 。 Holly‑Prei ssmannス キ ー ム は 従 来 よ り 提 案 さ れ て い る 多 く の 計 算 ス キ ー ム と 比 較 し で も 非 常 に 高 い 精 度 を 有 す る ス キ ー ム で あ り 、 ダ ン ピ ン グ や 位 相 の ず れも 小 さ い 。
流 速 U
=
O. 5 m/ sの 一 様 流 速 を も っ 1次 元 水 路 を 考 え る 。 計 算 格子 間 隔 を t::.x= 200mと し て α=0.25(dt =100sec), α = 0.5 (d t = 200sec), α=O.75(企 t = 300sec)の 場 合 に つ い て 、 図 2‑2に 示 さ れ た よ う な 初 期 濃 度 分 布 を 純 粋 移 流 さ せ る 計 算 を Holly‑Preissmannスキーム, 1次 精 度 風 上 差 分 を 用 い て 行 い 、 そ の 結 果 を 図
2‑ 2
に示す。図 中 に 示 す 1次 精 度 の 風 上 差 分 に 比 べ る と 格 段 に 精 度 が 改 善 さ れ て い る こ と が わ か る 。 ス キ ー ム の 精 度 は 濃 度 だ け で な く dxと 濃 度 分 布 の 広 が り ス ケ ー ル の 比 に も 依 存 す る 。 本 来 の 物 質 拡 散 が 加 わ る と dxに 対 す る 濃 度 分 布 の 相 対 的
円t e
‑ ‑ E
ゐ
4
2‑一一一一一一
J‑‑‑‑‑‑ーーー一‑‑
4‑.̲.一.̲.一一
10
. .
︐I
g ‑‑
回 ・
‑w
E
・
Mg au
100 1600 2400 3200 4000 4800 5600 6400 7200 Dist
・
nce‑2
‑3
図
2‑ 2 H o l I y ‑ P r e isslann
ス キ ー ム に よ る 数 値 拡 散 0:初期濃度分布, 1: t=9, 600sの と き の 厳 密 解2, 3,4:α=0.25, O. 5, 0.75の 場 合 のt=9,600sの 計 算 結 果 5 :直線内挿式(2.12)(α= O. 25)によるt=9,600sの 計 算 結 果
な 拡 が り が 増 し て 、 そ の た め 数 値 拡 散 は 減 少 し 計 算 精 度 は 向 上 す る 。 図 2‑ 3 は 式 (
2 . 4 )
を( a ) D
x=lm
2j s
の 場 合 と( b ) D
x=10m
2j s
の 場 合 に つ い て 、 移 流 の 計 算 にHolly‑Preissmann
ス キ ー ム を 使 っ て 計 算 し た 結 果 で あ る 。 こ の 図 か ら も 明 ら か な よ う に 、 強 い 物 理 拡 散 が あ れ ば 移 流 の 計 算 の 不 正 確 さ が 覆 い 隠 さ れ る 傾 向 に あ る 。以 上 の よ う に
Holly‑Preissmann
ス キ ー ム は 従 来 の 計 算 ス キ ー ム と 比 べ る と JI( 躍 的 に 改 善 さ れ た 結 果 を 得 た 。 こ の ス キ ー ム は 、 拡 散 物 質 の 濃 度 だ け で な く 濃 度 の 場 所 的 な 変 化 率 も 従 属 変 数 と し て 移 流 拡 散 さ せ る も の で 、 1次 元 問 題 へ の 適 用 は 簡 単 で あ り 、 満 足 す べ き 結 果 が 得 ら れ て い る 。 し か し な が ら 2次 元 問 題‑ 18 ‑
へ の 適 用 は 非 常 に 煩 雑 で か っ 計 算 時 聞 を 要 し 、 と て も 実 用的 とは言 えない
(Glass‑Rodi(1982)
,Holly‑Usseglio(1984)) 。
‑E
︐ ︐
EO
‑‑
‑
﹄‑ z
‑ uc a u
. ︐ ︐
︐
Ea z
・ ﹄
‑g
‑u e‑ u 10
2‑一一一一一‑
3・・・・ーーー・ーー‑‑‑
4一一.̲.一‑一一
100 1600 2400 3200 4000 4800 5600 6400 7200 Dist
・
nc・
‑2
‑J (a) D五 =1m2 /sの 場 合
10
100 1600 2400 3200 4000 4800 5600 6400
。
i7200,
unc・
‑2
・3
( b ) Dx=lOm
2/ s
の 場 合図 2 ‑ 3 鉱 散 の 大 き さ が 数 値 誤 差 に 与 え る 影 響
。:初期濃度分布.1: t=9. 600sのときの厳密解
2. 3.4:α=0.25. O. 5. 0.75の場合のか9.600sの計算結果
‑1 9 ‑
3) Eight‑pointス キ ー ム
Holly‑Preissmannス キ ー ム に と っ て 代 わ る べ き 計 算 法 と し て 、 小 松 一IIolly(l 984)に よ っ て Eight‑pointス キ ー ム が 提 案 さ れ た 。 こ の ス キ ー ム で は 、 Holly‑P reissmannス キ ー ム で 用 い ら れ る
cx
ぃ1とC X i を そ れ ぞ れ 4つ の 3次 関 数 の 何 重 平 均 に よ っ て 求 め 、 さ ら に C X 弘 も 3 つ の 3 次 関 数 の 荷 重 平 均 と し て 求 め てい る 。 そ し て 、 最 終 的 な C~の評価式は C じ か ら C む ま で の 8点 の 濃 度 だ け を 用 い た 式 と し て 次 式 で 与 え ら れ た 。
c
hU
8
ヤ ー
] M
C
︑ ︼ JnJ M
nJλM
nJb
︐ ︐
z︑
ここに、 b 1か ら b. は ク ー ラ ン 数 αの 関 数 で 与 え ら れ る 。
Eight‑pointス キ ー ム に よ る 移 流 の 計 算 は 非 常 に 良 好 で 、 精 度 は Holly‑Preis smannス キ ー ム と 同 程 度 か も し く は そ れ 以 上 で あ る こ と が 分 か っ て い る 。 ま た 、
こ のEight‑pointス キ ー ム は 2次 元 ・ 3 次 元 問 題 に も 容 易 に 適 用 可 能 で あ り 、 精 度 良 く 計 算 で き る こ と が 示 さ れ て い る 。 し か し な が ら 、 こ の ス キ ー ム は 8点 の 濃 度 を 用 い る た め 、 境 界 に お い て 境 界 外 の 3 点 の 濃 度 を 推 定 す る 必 要 が あ り 、 境 界 付 近 に お い て 濃 度 Cが 大 き く 変 化 し て い る 場 合 は 精 度 の 劣 化 は 免 れ 得 な い 。
‑20 ‑
2. 3 Six‑pointス キ ー ム の 開 発
2. 3. 1 は じ め に
Holly‑Komatsu(1983), 小 松‑Holly(1984)は 、 精 度 の点 で も 計 算 の 容 易 さ の 点 でも Holly‑Preissmannス キ ー ム の 短 所 を 十 分 補 っ た Eight‑pointスキ ー ム を 提 案 し、 2次 元 問 題 適 用 へ の 道 を 拓 い た 。 し か し な が ら Eight‑pointスキ ー ム を 用 い る 際 に も な お 、 以 下 の よ う に い く つ か の 実 際 上 の 難 し い 問 題 点 が 残 さ れている。
(l) 2次 元 問 題 に お い て そ れ ぞ れ の 格 子 点 の 値 を 内 挿 す る た め に は 、 そ の ま わ りの 64点 の 格 子 点 濃 度 が 必 要 で あ り 、 結 果 と し て は か な り 煩 雑 な 計 算法 と な っ て い る 。
(2 ) 境 界 外 の 3点 の 濃 度 の 値 を 推 定 し な け れ ば な ら ず 、 こ の こ と か ら 計算 結 果 の 精 度 が 低 下 す る 可 能 性 が あ る 。
( 3 ) 左 右 の 対 称 性 に 基 づ い て 定 式 化 さ れ て い る た め 、 非 一機 な 格 子 間 隔 の 場 A
精 度 が 損 な わ れ て し ま う 可 能 性 が あ る 。
本 章 で は 、 ほ ぼ 同 じ 精 度 を 有 し 、 か っ 6点 の 濃 度 の 値 の み 用 い る 計 算 法 (S i x
‑pointス キ ー ム ) を 開 発 ・ 提 案 し 、 ま た 、 精 度 と 複 雑 さ の か ね あ い を 考 慮 し た 本 ス キ ー ム の 境 界 条 件 の 取 り 扱 い 方 も 示 す 。 こ の 計 算 法 の 適 用 例 と し て 1次元、 2次 元 の モ デ ル 計 算 を 行 い 、 1次 元 問 題 で は 非 一 様 間 隔 格 子 や 非一様 流 速 の 場 合 の 計 算 精 度 へ の 影 響 に つ い て も 議 論 を 行 う 。 ま た 、 こ の 計 算 法 の 1次 元 問 題 へ の 実 際 的 な 適 用 例 と し て 河 川 の 分 合 流 問 題 を 取 り 上 げ る 。 更 に 、 2次 元 問 題 へ の 適 用 例 と し て 、 不 連 続 な 濃 度 分 布 が 純 粋 移 流 さ れ る 問 題 や 角 を 回 る 流 れ 場 に お け る 濃 度 の 移 流 拡 散 問 題 を 取 り 上 げ て い る 。
‑EA n︐b
2.3.2 Six‑pointス キ ー ム の 誘 導
図 2‑4は 1次 元 の 計 算 領 域 内 部 の 格子 を 示 し、 今 、 計 算 境 界 の 影 響 は な い も の と す る 。
'u y nH
‑‑ A
EYPU 内
Jz
‑ nH
‑‑ A
't C
c ; c ; ‑ 1 5 c ;
x
﹃
JW
‑AY
・
nH・ ︑
•.
pu
C~ i ...1 + 司ノ﹄
‑ ‑ ‑ E
・向H‑‑A
pu
ト一歩
Ci...3
図 2 ‑ 4 1次 元 計 算 領 域 の 内 部 に お け る 計 算 格 子
X j‑lの 回 り にTaylor級 数 展 開 し て C~2 , C ~3 , Cむ を 求 め る と 以 下 の よ う に な る。
c r ‑ 2 = C~-l
‑CX~-dム χ)+ 」-CXX11( ム χ) 2
2 1 よ-
3 1CXXX~-l( ム χ) 3 + . . .
cr‑3
= C~-l
‑ CX~-d2ム χ) + ~CXX~-d2ム χ)2 2
r ~ 4~ 4~ 1‑1 ¥ o J ̲ "'" I ‑~CXXX~-d2ム χ) 3
r 3+ .
C~4 = C~-l
‑CX~-d3ム X)+ 」-cxx?1(3ム χ) 2 1 ‑‑ ‑‑ ‑
2ー」 ‑ cxxx?1(3
ムχ)3+ .
I- I\~- ~ I
3 1
ー I︑︑. a ' 'nu n︐b
nJb
t︐ ︐ ︑
ここで、!1x ‑格子間隔,
c x x
=δ'lc/
δx2, C X X X δ 8 C/δx8で ある 。 式 (2.23)に お け る 4次 以 上 の 高 次 の 項 を 無 視 す れ ば C~2 , C ~3 , C ~4 は既 知 な の で 、 C X ~-1 , C X X ~-1 , C X X X ~-1 の 3 つの量が未知量として残る。 し た が っ て 式 (2.23)の 3 方 程 式 を 連 立 さ せ て 解 け ば 、 C Xむ を 求 め る こ と が で き る。
X 1‑ から X 1+2ま で の 7つ の 格 子 点 に お け る 濃 度 を 用 い て 、 上 述 の (i ‑4 )か ら ( i ‑1 ) の よ う に 連 続 し た 4つ の 格 子 点 、 (i ‑3 )から (i), (i‑2)か ら (i+l), (i‑l)
n ru
内︐h