• 検索結果がありません。

き裂と切欠きにおける大規模降伏条件下の力学的厳 しさの尺度

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "き裂と切欠きにおける大規模降伏条件下の力学的厳 しさの尺度"

Copied!
35
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

き裂と切欠きにおける大規模降伏条件下の力学的厳 しさの尺度

藤崎, 渉

https://doi.org/10.11501/3078956

出版情報:Kyushu University, 1994, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

穿� -4 茸主

非線形き裂力学

本章では大規模降伏条件下におけるき裂材 の強度評価方法である非線形き裂力学の物理

的背景を検討する。

6 0

(3)

6 1

4 .

1 緒 日

本章では, 線形き裂力学の拡張である非線形き裂力学の物理的背

景を, まず引張りをうける中央き裂材を対象に有限要素解析により 検討する 【

1

)いは)。 非線形き裂力学の有効性に ついては, 6章におい

て検証する。

なお,本研究ではモ ー ド I のみに ついて基本的な考え方を示すが,

この考え方は当然他のモ

ドに ついても同様に適用できる。

4 . 2 有限要素解析

本章において使用するひずみに関する記号を表4-1 に示す。 計算

に用いた中央き裂材の形状は図4-1 に示す通りである。 ZajW=O.2 (w : 板厚, a : き裂半長〉 で き裂半長 a を2,6 m mと変えた相似形 き裂材(図4-1のC-1材とC-2材)およびw =60mm, a =2mmのC-3材に つ いて計算を行 った。 なお, 解析はMises の降伏条件を用い, 平面応 力状態として行 った。 有限要素法により得られる値は必ずしも真の

値ではないので, き裂材同士で比較するためには, き裂材のき裂先 端近傍の要素分割方法はW, a とは無関係にそれぞれ同一にする必 要がある(図4-2)。 最小要素長はき裂材ではO.037mmとした。 真応 力一対数ひずみ線図は図4-3 ,こ示す。 非線形方程式の解法はニ ュ ート

ン ・ ラ プソ ン法による増分解法を用い . 大変形問題の定式化では ア ッ プデイト ・ ラ グラ ン ジ工法を用いた。 また, 1積分の計算はP a r k

s の方法{刊によ った。

(4)

6 2

表'{-1 使用するひずみに関する記号の説明

p

皿ax

rrøxirr.um plastic strain ε

ε

p

y

plastic strain in tensile direction

MM nbu FP- VA

免M

ny m幽

円ι

plastic strain in the 1st elanent obtained by FHv1

MM pu n,. VA nu

p m

一ε

equivalent plastic strain in the

1s t eほnent obtained by F�

(5)

6 3

30

! a =2

IW=20

C - 1材

( i - a)

Wmm amrn ρm

20 2 1

60 6

60 2

a=6 W=60

90 a

ー~

ヤ 1111111

:く 30

C-2材

羽1=60 a=2

(i - b)

90

ー ー~

や lili----

V

き裂材(C材)

、11ノ ・i 〆FB、、

:く 30

C-3材

(単位mm) 寸法

(j - C)

FEM解析に用いたき裂材の形状 ・ 図4-1

(6)

/ Ì\ /

Ì\ /

1\

「ーーーーー

/ 久

戸一一一

/ 11\

〉 /

人τ ァ \ 小ミ

\ /

代 /\ /

\ ー / 代 / �

./

よ\./

、\

、、、

〈 � \1'

-

2

・‘

~ -

(i) C-l , C-2, C-3材

図4-2 き裂先端近傍の要素分割〈単位mm)

6 4

(7)

6 5

500

100

E=70600 MPa

nu nu nu nu dせ QU

伺 門岡 町両

6200 σys = 358 MPa ν= 0.33

0 o 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 εt %

図4-3 FE.M解析に用いた真応力一対数ひずみ曲線

(8)

4 . 3 e f' mー l' 8 Wがき裂材における弾塑性応力場の支配因子

6 6

有限要素解析により得られた相似形き裂材(C-1 , C-2材)の公称 応力一公称ひずみ曲線を図4-4に示す。 ここで,公称応力は遠方公称 応力であり,公称ひずみは図4-1のL間の平均ひずみである。

両き裂材のき裂先端の第1要素の最大相当塑性ひずみE Fm・x.

l' 8 W

と公称ひずみ ε の関係を図4- 5に示す。 き裂先端ではe f'皿. xと ε F- zは一致するので, e f'回. x, l' 8 Wと ε F

m・x,

8 '"は実質的には同ーとみな

してよい。

図4-1のCーし Cーに C-3材においてき裂先端の最大相当塑性ひずみ

e f'田.x, 1'8'" (第一要素の値)が同じときの塑性域進展の様子を図4-

6(i), (ii), (iii), 4-7に示す . これらの図からき裂材ではE FE・x, l' 8'"

(これは実質的には ε FE・x, l' 8 '" )が弾塑性応力場の支配因子である こと, すなわち, E Fmaz, F E Mを揃えると塑性域の発達状況はき裂長 さや板幅に無関係に互いによく似ていることが分かる。

以上のことは, e f'田. x. l' 8 '"を揃えたときのき裂先端付近のひずみ 分布やき裂開口形状の比較によ っ てさらに明確となる。

図4-8はE Fm・x. l' 8 '"を揃えて, Cーし C-2, C-3材における ε:の分布

を比較したものである。 また,図4-9はE FES玄. l' 8 '"を揃えてき裂関口 形状を両材において比較

たものである。 これらの図からわかるよ うに , e f'由・x. l' 8 '"が同ーであれば, ε:の分布もまたき裂先端付近の 関口変位も板幅やき裂長さに無関係iこ互いに極めてよく似ている。

特に注目すべきことは, C-1材の全断面降伏後のひずみ分布および 関口変位とC-2 , C-3材の小規模降伏条件下のひずみ分布および関口 変位とを比較してもそれぞれよく似ていることである(図4-8,4-9の

E

Fm・友・ 1'8",=0.17同士の比較)。

したが っ て, 図4-6(i),(ii), (iii)を比較することにより,

τ F

、.,

m

,1"8",=0.05以下では . 同一ひずみ分布がK =一定でも,

J

=一定でも 保証されるのに対して, E FEaz, F E M=0.13以上では, 同一ひずみ分布

(9)

6 7

がË l' 回一 l" K

10{ =一定では保証されるが, K 一定でも ,

J

=一定でも

保証されない ことが分かる。

以上のことから, 大規模降伏条件下でも,

i

l' 皿ー l" K 10{のみに よ っ てき裂材における弾塑性応力場が一意的に決まることが分かる。

(10)

400

ω300

丘4

>, 200

b

100

。 。

Crackす=0.2

• a=2mm Ca-...d)

o a=6 CA-...D)

6 8

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

ε %

図�-� き裂材の公称応力一公称ひずみ曲線(2a/I=O・2, FEM)

(11)

0.20

a=6D J a = 2mm

0.15 2←d

2

kl

0.10

仏ltoE

0.05

/

。 。 0.1

ノ〆

0.2 0.3 0.4

ε %

Crack

0.5

図4-5 き裂先端の最大相当塑性ひずみE FE・z・FKK と公称ひずみ ε の関係( 2a/ 1=0.2, FEM)

6 9

0.6

(12)

0.020"-J

d

K)==

2

5 .4 J

1==

1 2.7 Emax.FEM=0.17

0

0.015 0.010

0.005 0.0001

0.0

日EM

C

QU 寸i AUE nu

υ7

= M9剛 ==同

lIAμ釦

KJ

( e

P F B M はMisesの降伏条件iこ

FEM)

C-l材,

..・O.

l

2

>1

… … … ……… …… ……… 日… … … …… …… … 一一日…… … ……… …… ……… … … ?仰m

一一一~~uu………………………一

…日

一一一……………………………

ごd/2

……:III-一一一三…………………………一……………………………一PNo

a 向

…一日…一一一…~……

………一日一一一一一

…………一一………

一MKO

一一一一一………………………………11…………………………一02=

一 …………~…… … …一日………一一一………… … ……… … ………一……… ω 一一一一一 一九わ戸m 一Al--

2

11lv一

a w

き裂先端付近の塑性域の進展 基づく相当塑性ひずみ,

(i -a)

C-1

Crack_j t i p

図4-6 ( j )

(13)

0.0 0.0001 0.005 0.010 0.015 0.020�

!く

2 >1 日EM

A B C D

すー1211↓一

- ・.・・・・・・・・・・・・・・ー...・・・・・・-・・..ー・・・・...・・・..., ・・・・・・...・・a・・・・・・・・-・・・6・・・・・・・ ・・・- ・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ー・・・・・・-・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・...・・・ ・・・・・・・・・・・・・...・・・...・...・...,...目...-・・... ・・・・・. ・...・-・・...・・・・ ..・・-・...

e

・e.

- - -:: : ::: - ji

:::

;

........

:

::・-J

; :

J-:

::

.

.

, ,

,, , , ,

. :

・'

i・e・-::

:

..

. ・・・・・・・・・・・・0・・・・''slljlll}jill-111111111{11;Ja--

:

-..

.

..

.

............

... . .......

. '

...

;

:::::

白'

-

i''

J:64

i白'

J・

. .

.

...

.

.

.

..

. . ..

.. .

.....

. .

.

・・・

・・0... ・・・・・・・

,. ,

. ; : JJ

・-

・:ji--

:

・・・・・目''''b44守0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

; - - - - - --- - - - - --- - -- - -- - - -- - - --- - - - - -- - - - 一 ., 圃

--------ao------------oi'!}

;

1111111

j

...

,s・・4

・:

o・e・--JJ・--ji---:

;

・・・・・・・・・・

・・

・・・・・目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・---e-------e・目・・・・・・・・・・・・・・・・・0・ijj

; lili

a - - - (

------

-- ---

----

・・・・・・・・・・・・・・・・0・・・・・

. . .. . .

.

.

・・・・・・・・..・・・・・・.

-------------------------目-・・・・

--

--------.

. .

..

..

.....

. .

.

, b 台 関

oJJ・---j

i

---・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・

・・・・・・・・・・・・・・・---

--

---e・

・・

・・・・・・・・・・

.

0・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0・・---e・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・:::;:1・:・・

・・

・・・・・・---o''

;

4-i・e・-:-

j

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

. . .

.

..

. --e・e・-... , ....

. .

. ..

.

. ..

・・・・・・・・・・・・・・・-------.

-F

.

・・・・目

. .. . ...

.

..

-『

:ji--:;・JJ・-::

J oo--:: JJ・-

::・:

;

---e, ...

. .

.

.

...

.. .. .. . . ...

..

...

. ・・・・・・・6・・・・・・・・・

・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・---a・・・・・

・・・

0....... , .. ;:JJ・-:::;

;

:1・

aJ J -JJ・-:・:'Jl

;

- :

:;;j-JJ・-::・::J・::・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

:

--::j:・ :-JJ・

-j::

;

ιe・o・-::

( :

:-JJ・-J J

-:

・: ::ー

; : : ; j i

----- --

----

、.,

.

. .

. .

. . . .. .. .. . .

..

.

. .. . .. .. ..

,『EE 、

.

- - - - -- -

---

--

-------------

- -- - -- - -------

- - -a

-- - -- - ----

- -- - -- ------

-- -- -- -

---------}

;

・・・・

・・・

.....

,FE且 、 ...

. ・・・・・・・・0...

.

.•.

. --- ---o'l-

l

'

;

ill i

e・;-i:::i---、J・、AMUUKれ---

- - - -- - - - - -- --- ---- --- - - - - --- - ; li -- - a : - t-

・--

-Ji----::i

i

・・a---

--

---RHHHAU恥M

:

(i - b )

C-2

...・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・ ・....目・・・・

-・・ ・・・・・0・・・・・・・・・・・・・-・・・・・・・・・・・ー・・・・・-・...

..・・・・・・・・・・・・・・・・-・・・.・...

・・・・・・・0・・・...目・・・・・・ -・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...・・....・・・・・・・・・・・・・-・..・・・・.・-・・・...・・...

・・・・・・ー・・・ .・・....・・・・・・・・・・...・....•... .. . . .・・・・・・・・・・・・・・・・・・....... • ...・ ・・・・・・・・・・・・...・・・・・・・ ・・・・ ・ ・・・・ー

・・・・・・・・...・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・-・・...・....目・・・・・・

... ・・・・・・・・目・・0・・・....・...・・ -・- ・・...

・・ ・・・・・・・・・・・・・・. . . • . . . • . -・・・・ ・・・・・・・・・・・・田・・・・・・・・・・・ ・.. ・・・・・・・・・・ ・ー・・・・・...

・・・・・・...・・0・・・・・ー・・・・・ ・ . . . • . . . . • .

・・・・・・ ・・・・・・...・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・ ... . ・・・...,・ ・ ・ ・・・・...

・・..・・・e・・・・・・.0・・・・・・・・・....・・...・..・..・.・...

0

・・ -・・・・・・・・・回目・・・・・・-・...・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・...・・・・・- ・...

・・.・ ・・・・・・・・・・・・・・..・・・・...・・・・・..・・・...

... ・・・...・...

・・・・・・・・・...

・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...・.・・..

・. ... .. .. ... . .

・・・・・・・・・・・・・0・・・・・ ・・ . ・ .. ・・・・・・・・・・・....・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・...・・-・・...・・・・・・...・・ー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...・...

a== 6

W==60

0.0001三日::::::::::::::::::::;:::::::::::

lシ�lm-s.:::::::::::・

0.005:三日三日...

aijjjill:::: : :::!:::jjj K,=16.4 1 ,==3.8 EJ叫FEM=0.05

K

J

==33

.

1 1 1 == 1 5

.

3 Eιx.FP..M=O.l 7 crack J

t i p

K,=28.3 1 1== 11 .1 Emax,FFM=0.13 K,=9.1MPa.vm

1 ,==1.2 kN/m Emax,F聞=0.02

図4 - 6 ( ii )

き裂先端付近の塑性域の進展(

ë r ,. B

'"はMisesの降伏条件に

基づく相当塑性ひずみ,

C- 2材, F

EM)

(14)

O.

020�

D'

KJ==25.7 J.-11.7 EmLx,FEM=0.17 KJ==23.3

J ,== 8.8

5max,F聞==0.13

KJ==16.3

J,==3.7

Eムx.FEM==0.05

t\.)

0.015 0.010

0.005 0.0001

0.0

日EM

C'

市m a / 2

PNO

M k 0

12 =

9L剛

==山

LLj hm

Crack t i p

( e

r F B W はMisesの降伏条件に

FEM)

C-3材,

::0.

d

0.0

すー12 11lv一

(i C- 3 - c)

き裂先端付近の塑性域の進展 基づく相当塑性ひずみ,

(15)

a==2mm w== 2 Omm

|く 0.3 >1

-p

ε= 0.02

a == 6 mm w== 6 Omm

a == 2 mm w== 6 Omm

図�-7 き裂先鴻付近の塑性域(図� -

6

(

i

)

d.

(

ii

)

D.

(

iii

) D・ の拡大図,

P

EM)

仏〉

(16)

7 4

0.15

r-

Cr ack

、、、-

Wrrrrn annn

20 2

60 6 60 2

!、x U. 1 � L

‘〉百

/

仏ふ

0.05

。 0.1 0.2 0.3 0.4

こに mm

図'{-8 き裂先端付近の塑性ひずみ ε\分布

(17)

0.030 r

Ep c 町rack ||

\一一

\

| W 2 m 0 lI a2mrn

0.025ト

O. 0 2 0

J-

--_.ー---.--.

__

三7どミミ-::::--_ |一一|知三

e 0.015

亨3

0.010

ヱ mrn

図'-9 き裂の関口変位

o O. 1

7 5

(18)

7 6

4 . 4 結 日

線形き裂力学の拡張である非線形き裂力学の物理的背景を有限要 素解析を通じて明らかにした。 まとめとして, 非線形き裂力学の原 理図を, 線形き裂力学のそれと対比させて図4-10に示す。

試験片と実物で, 最大塑性ひずみを揃えると, 塑性ひずみ場の同 一性が保証されることを本章において明らかにした。

塑性ひずみ場が同ーであることは, 同ーの物理現象が生ずること を強く示唆するものであるが, このことに ついては6章において検 証する。

(19)

&nall scale

yielding LC M: K1=K2

Large sca 1 e 11

yt �e-lcf(ng- " NLCM:ε…-FEMI=ε…. FeM2

( 1:specimen 2:real object

Same Elastlc Stress Flelds

Same

Elastic-Plastlc Stress Flelds

Same

Elastlc-Plastlc

Stress Flelds

Same

Phenomena

Same

Phenomena

LCM = L i n e a r C r a c k Me c h a n i c s

NLCM = Non-Li near Crack Mechanl cs

図(-10 非線形き裂力学の原理図

、J 吋

(20)

4 . 5 参考文献

( 1) 田中 ・ 秋田 ・ 高松, 材料強度学会誌, 13-4(1974)487.

( 2)藤崎 ・ 西谷 ・ 田中 ・ 寺西,機論,投稿中 . ( 3)西谷 ・ 藤崎, 機論, 投稿中

.

(4) Parks,D.M., Int.J.Fract. 10-4(1974)487.

7 8

(21)

第三

5

主主主

非線形切欠き力学

本章では大規模降伏条件下における切欠き 材の強度評価方法である非線形切欠き力学の 物理的背景を検討する。

7 9

(22)

8 0

5 .

1 緒 日

本章では, 線形切欠き力学 ( 1 )い( 4 )

の拡張である非線形切欠き力 学の物理的背景に ついて, まず引張りをうける中央切欠き材を対象

に有限要素解析により検討する(U . (S}0

非線形切欠き力学の有効性に関しては6章において切欠き材の引 張り変形挙動のS E Mサー ボ ノマルサによる連続観察と有限要素解析

の比較により詳細に検証する。

5 . 2 有限要素解析

本章において使用するひずみに関する記号はき裂材のそれと同じ である(前章の表4-1 )。 計算に用いた中央切欠き材の形状は図5 -1に

示す通りである。 切欠き半径ρ が2mmと一定で,2ajW=O.2 (w:板厚,

a 切欠き深さ)で, 切欠き深さ a を2,6 m mと変えた相似形切欠き材 (図5 -1のN-1材とN-2材)およびw =60mm, a =2mmのN-3材に ついて計 算を行 った。 なお, 解析はMises の降伏条件を用い, 平面応力状態 として行 った。 有限要素法により得られる値は必ずしも真の値では

ないので, 切欠き材同士で比較するためには, 切欠き材の切欠き底 近傍の要素分割方法はw. a とは無関係にそれぞれ同ーにする必要 がある(図5 -2 )。 最小要素長はO. 2 m mとした。 切欠き材の真応力一対 数ひずみ線図はき裂材のそれと同ーである 〈図4-3)。 非線形方程 式の解法はニ ュ ート ン ・ ラプソ ン法による増分解法を用い, 大変形問 題の定式化では ア ッ プデイト ・ ラグラ ン ジ工法を用いた。 また, J積 分の計算は P a r k s の方法(7 )によ ったo

(23)

8 1

p=2 a=2 W=20 Wrnm arnm ρm 130

20 2 2

60 6 2

60 2 2

(ii - a) N-l材

90 ρ=2

a=6 W=60

ムナi

l--

a 百

90 N-2材

W/2=30

ρ=2 a=2 羽1=60 (ii - b) 丈

L=3羽7

( ii)切欠き材(N材)

N-3材 W/2=30 (ij - c)

(単位・・) FEM解析に用いた切欠き材の形状 ・ 寸法

図5

- 1

(24)

( ii) N

-

1, N

-

2, N

-

3材

図5-

2

切欠き底近傍の要素分割(単位・.)

8 2

(25)

8 3

5 . 3 E F田ax・ F H Wと切欠き半径p が切欠き材における弾塑性応力場 の支配因子

有限要素解析により得られた相似形切欠き材(N-1 , N-2材)の公 称応力一公称ひずみ曲線を図5-3 に示す(公称応力と公称ひずみの 定義は 4章と同じ)。 両切欠き材における切欠き底の最大相当塑性

ひずみE FEaz, F E Mと公称ひずみ εの関係を図5 - 4に示す。

図5-1のN-1. N-2. N-3材において, 切欠き底の最大相当塑性ひずみ

e P皿・x. F K Wが同じときの切欠き底付近の塑性域の進展の様子を図5

-

5(i). (ii). (iii)に示す。 これから, 分かるように, 切欠き材では e P皿・x.

FKW

(これは実質的には ε Pmax. FHW)とp が弾塑性応力場の 支配因子であること, すなわち, e P田・z・ FK Wとρ (負荷を加える前 の切欠き半径〉 を揃えると塑性域の発達状況は切欠き深さや板幅に 無関係に互いによく似ていることが分かる。

以上のことは, E FEaz, F E Mとρ を揃えたときの切欠き底付近のひ ずみ分布や切欠き形状変化を比較すればさらに明確となる。

図5 - 6はe P皿・x. F K Wとp を揃えて, N-1. N-2. N-3材における ε: の

分布を比較したものである。 また図5- 7はE FE・x. F K W と ρ を揃えて 切欠き形状変化を各材において比較したものである。 図5- 6 , 7はい ずれも全断面降伏後の状態を示している。 両図から分かるように

E

Fmaz・ FK Wとρ が同じであれば , ε:の分布もまた切欠き形状変化も 板幅や切欠き深さに無関係に互いに極めてよく似ている。

以上のことから, 大規模降伏条件下でも, E F E・x. F K Wとρ のみに よ っ て切欠き材における弾塑性応力場が一意的に決まることが分か る。

(26)

4 0 0

B C D

A� � 、弘、

何 300

C

b

仏4 a

2 0 0 a == 2mm (a,._d)

oa==6 (A,._D)

〉、

b

100ト対 Notch ρ==2皿 議 ==0.2

r

。 。 0.5 1 . 0 1.5 2. 0 2.5 3. 0 ε %

図5-

3

切欠き材の公称応力一公称ひずみ曲線( Za/ 1=0・2, FEM)

8 4

(27)

•••

て事F士一一一一ーー

三三三士三三±三

司噌 1

0.5 0.4

a=6_ 1 a=2�

503} B→c1 ./' \ d

仏日 0.2

ICJJ

仁/ \

0.1 � J a

2a

Notch UT=0.2 ρ=2mm

o 1.0 2.0 3.0

ε %

図5-4 切欠き底の最大相当塑性ひずみë '・・z・rlllllと 公称ひずみ ε の関係( 2a/曹=0.2, FEM)

8 5

(28)

0.25 r-J 0.20

0.15 0.10

0.05 0.00

∞ 0)

AUM

…………一……一一…い一……ぃ……:………

-AU・

日・

EJ叫F四==0.40

("ë"I'BW はMisesの降伏条件iこ

FEM)

N-l材,

c r … …

. nu u ・.

言;EM

切欠き底付近の塑性域の進展 基づく相当塑性ひずみ,

(ii-a)

N-l

図5-5 ( i )

(29)

0.25r.J 0.20

0.15 0.10

0.05 0.00

ε;EM

D同

……….

一川口口一ハリハU・

εJ川副==0.36 EJ叫剛==0.29

… … ……… … …… … …………

一ハU

… … …… … … … ………

一nL

I

II-~II:

一ハU

………… … ………… … ………… … …

一一一

8 AR

………日…

………恥阻

剛 …

…………:………

・ …

………

………

………… …

の川判・

3 A Z

E

-

- --

-

--

-

-

一小|||8|||止

a ρ W

(ii-b)

N-2

( �" BWはMisesの降伏条件に FEM)

N-2材,

切欠き底付近の塑性域の進展 基づく相当塑性ひずみ,

図5 -5 ( ii )

(30)

0.25....,

ELx.m=040 ELM凶==020

0.20 0.15

0.10 0.05

ー;EM . ・ ・ 一 一一一一一 円U ・ ………一一 D一

ELM聞=0.36

( ë r

, B ..はMisesの降伏条件iこ

FEM)

N-3材,

pu一 …………一…….… • . ・ ・

1一一一一一一い一

nU 一 い ・一一 一 nU

ELM聞==029

切欠き底付近の塑性域の進展 基づく相当塑性ひずみ,

図5

-5 ( iii )

一小||

8ーー-v一 a pw

(ii-c)

N-3

(31)

8 9

0.50

N 0 t c h 0.40 l- ρ= 2 rnm

-:-P

ε

π】a� F百叫

>,0.30 �、、 0.40

仏ぷ

0.20 L �ミ\

-/

0.36

---二二 Wnnn amm

---司圃・・・・ 20 2

60 6

-・・司-.咽-._..圃圃・・司・・・・田・圃 60 2

0.10

0 0

ーーー一-

--一

『ー『ーー一ー~ ーー・ーー←--ーー『ーーーーー一一-ー・←-

ー.

-こ竺ー._ー._ー-ー

一ー---

一 ーーーーー

・ 一-一

にυ ハu

qU nL FO

m

o

m

5 エ nL

ハU

図5-

6

切欠き底付近の塑性ひずみ ε F F分布(

F

EM)

(32)

日3 E

コ) 2

9 0

4 Notch ρ= 2mm

二一一二 -.司・・・同--- Wrrnn 20 arrnn 2

60 6

-・・・・圃・・・・・・圃_._.-._ 60 2

1

lni t ial shape

O

-2 唱- 1

m m

ox 2

図5

- 7

切欠き形状変化(

F E

M)

(33)

9 1

5

.

4 結

線形切欠き力学の拡張である非線形切欠き力学を提案し, その物

理的背景を有限要素解析を通じて明らかにした。 まとめとして, 非 線形切欠き力学の原理図を, 線形切欠き力学のそれと対比させて図

5-8に示す。

試験片と実物で, 最大塑性ひずみと切欠き半径をそれぞれ揃える と, 塑性ひずみ場の同一性が保証されることを本章において明らか iこしTこ。

塑性ひずみ場が同ーであることは, 同一の物理現象が生ずること を強く示唆するものであるが, このことに ついては6章において検

証する。

(34)

Small scale

yielding LNM : a max l=a max2 ρ1=ρ2

,-- _.-

Large scale

yielding NLNM :

町民 F&MI ...・.".F&M2

(1:sμc imen 2:realobject

P1=ρ2

Same EJastlc Stress Flelds

Same

EJastic-PJastlc Stress Fields

Same

Elastlc-Plastlc

Stress Flelds

Same

Phenomena

Same

Phenomena

LNM= Linear Notch Mechanlcs

NLNM = No nーLlnear Notch Mechanlcs

図5-8 非線形切欠き力学の原理図

<0 1\)

(35)

9 3

5 . 5 参考文献

( 1)西谷 ・ 田中 ・ 藤崎, 機論,

51-462.A (1985) 421.

( 2)西谷 ・ 田中 ・ 藤崎, 機論,

55-511.A (1989) 409.

(

3)藤崎 ・ 野田 ・ 田中 ・ 西谷, 材料,

39-447 (1990) 1 5 3 3 .

( 4)西谷 ・ 藤崎 ・ 田中 ・ 田中, 機論,

57-534.A (1991) 2 38.

( 5)藤崎 ・ 西谷 ・ 田中 ・ 寺西,機論 ,投稿中 . ( 6)西谷 ・ 藤崎, 機論, 投稿中 .

(7) Parks.

D. M.

Int.

J.

Fract. 10-4(1974)487.

参照

関連したドキュメント

スキルに国境がないIT系の職種にお いては、英語力のある人材とない人 材の差が大きいので、一定レベル以

ドリル教材 教材数:6 問題数:90 ひきざんのけいさん・けいさんれんしゅう ひきざんをつかうもんだいなどの問題を収録..

キャンパスの軸線とな るよう設計した。時計台 は永きにわたり図書館 として使 用され、学 生 の勉学の場となってい たが、9 7 年の新 大

この P 1 P 2 を抵抗板の動きにより測定し、その動きをマグネットを通して指針の動きにし、流

DJ-P221 のグループトークは通常のトーンスケルチの他に DCS(デジタルコードスケル

 今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ

QRされた .ino ファイルを Arduino に‚き1む ことで、 GUI |}した ƒ+どおりに Arduino を/‡((スタンドアローン})させるこ とができます。. 1)

 講義後の時点において、性感染症に対する知識をもっと早く習得しておきたかったと思うか、その場