腰椎黄色靱帯肥厚マウスモデルの確立

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九州大学学術情報リポジトリ

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腰椎黄色靱帯肥厚マウスモデルの確立

齋藤, 武恭

https://doi.org/10.15017/1806914

出版情報:Kyushu University, 2016, 博士(医学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

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氏 名:齋藤 武恭

名:Experimental Mouse Model of Lumbar Ligamentum Flavum Hypertrophy (腰椎黄色靱帯肥厚マウスモデルの確立)

区 分:甲

論 文 内 容 の 要 旨

腰部脊柱管狭窄症は高齢者に好発する脊髄障害の

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つであり、社会の高齢化に伴って本 疾患の患者数は増加している。脊柱管内に位置する靱帯である黄色靱帯の肥厚によって、

神経根および馬尾神経が直接的に圧迫されることが、本疾患の主な要因である。これまで に黄色靱帯肥厚に関する研究は散見されるが、この肥厚のメカニズムはいまだ明らかにな っていない。本研究の目的は、黄色靱帯肥厚マウスモデルを確立し、この肥厚に関与する 病的因子を明らかにすることである。まず我々はメカニカルストレスに着目し、マウス黄 色靱帯に継続的に屈曲・伸展メカニカルストレスを与えることのできる刺激負荷装置を開 発した。メカニカルストレスを

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週間与えた結果、メカニカルストレスを与えなかった対 照群と比較して、メカニカルストレスを与えた群では有意に黄色靱帯が肥厚していること が確認された。加えて、メカニカルストレスを与えた群では、コラーゲン線維、黄色靱帯 細胞数、および線維化関連因子の遺伝子発現の増加も認められた。しかしながらこのメカ ニカルストレスモデルでは、腰部脊柱管狭窄症患者の肥厚黄色靱帯では認められたマクロ ファージ浸潤、血管新生、およびトランスフォーミング増殖因子-β1(TGF-β1)の発現増加 は認められなかった。よって我々は次に黄色靱帯肥厚における浸潤アクロファージが与え る影響を調査した。マウス黄色靱帯に微細な損傷(micro-injury)を与えてマクロファージ 浸潤を促した結果、損傷後

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週の時点で

TGF-β1

の発現増加とともに損傷部位には過剰な コラーゲン産生が認められ、損傷後

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週の時点で黄色靱帯肥厚が確認された。本研究で得 られたこれらの知見は、メカニカルストレスが黄色靱帯肥厚の原因要素であることを示す とともに、マクロファージ浸潤がコラーゲン産生を刺激して黄色靱帯肥厚の重症化に関与 していることを強く示唆するものであった。

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