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情報活用技術の新たな変革期を迎えて

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Academic year: 2021

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巻頭言

情報活用技術の新たな変革期を迎えて

総合情報基盤センター センター長 黒田 卓

(人間発達科学部 教授)

私たちの生活に情報技術はすでに欠かせな いものになってきている。日本では 10 年ほど 前に「ユビキタス」という言葉が盛んに使わ れ、「いつでもどこでもコンピュータ」とい うキャッチフレーズが、情報化政策などでも 盛んに使われていたが、いよいよそれが現実 のものになってきた。

ゼロックスのマーク・ワイザーは、1988 年 頃から自身の論文等で、「ユビキタス・コン ピューティング」という言葉を使い始めた。

同氏はそこで今後のコンピュータの方向性と して、コンピュータが「見えなく」なる、コ ンピュータ同士が無線でつながり相互に情報 交換を行うようになると予測している。10 年 前のユビキタスブームの際には、コンピュー タの小型化と無線化によるモバイルデバイス の普及と曲解されていたが、その本質は、さ まざまな「もの」や「場所」にコンピュータ は埋め込まれ、人間の目につかなくなるが、

それらがネットワークに繋がり、協調的に動 作することにある。この 10 年の間に、情報技 術は着々と進化し、昨年あたりからこれらの 変化がやっと気づかれるようになってきたの だろう。同氏は残念ながら 1999 年に亡くなっ たが、現在の状況をどう見るだろうか。

2014 年の IT 業界では、「ビッグデータ」、

「オープンデータ」、「モバイル」、「クラ ウド」、「IoT (Internet of Things)」とい った言葉が話題となった。「モバイル」や「ク ラウド」は新たにというより、より普及が進 んだということであろう。「ビッグデータ」

も数年前から話題にはなっていたが、「オー プンデータ」などの動きから、より身近なも のになってきている。「IoT」という言葉や、

それと関連して「M2M (Machine to Machine) という言葉も、最近新聞等でも目にするよう になってきた。あらゆるものにコンピュータ

が搭載され、それらがネットワークに繋がる。

コンピュータにはさまざまなセンサが繋がり、

そこで得られたデータがビッグデータとして 解析され、私たちの生活を変えている。

このような動きの中でより重要になってき ているのはネットワークである。コンピュー タ単体としては非力なデバイスであったとし ても、ネットワークにつながり、その先にあ るコンピュータとつながることで、無限の能 力を持たせることが可能となってきた。利用 者の意識としては、目の前のデバイスを使っ ているだけであるが、実際にはネットワーク の先にあるコンピュータをフルに利用してい るといったことが、あたりまえのこととして 行われるようになってきているのである。

ネットワークの先のコンピュータは、それ ぞれの個人が管理する、手元にあるものでは なく、データセンターで管理される高性能の コンピュータを利用するケースも増えてきて いる。もちろん、大容量の記憶装置もこれら が利用されている。

これらの変化は、大学の教育、研究、業務 等においても変化をもたらし始めている。本 学では平成26年6月にデータセンター棟が完 成し、現在基幹システムの更新および更新時 期を迎えた業務システムから順次移設され、

稼働し始めている。平成27年度からは、各種 研究等でも利用いただけるように現在準備を 進めている。同時に、仮想サーバレンタルサ ービスの利用も増えており、新システムでは リソースの更なる増強を行う予定である。

国立大学法人第2期中期目標期間の最終年 度を迎え、大学の情報化についてもこれから を見越した堅実で確実な推進が求められてい る。総合情報基盤センターでも本学の情報化 推進のため、変革の方向を見据えながら一歩 ずつその歩みを進めて行く所存である。

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