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大崎洋先生の退職によせて

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Academic year: 2021

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大崎洋先生の退職によせて

齋 藤 之 美

    

 2015年3月、大崎洋先生は創価大学を定年により退職なさった。先生は1971年4月創価大学開 学と同時に経済学部専任講師に就任されている。創立当初には、多事多端なご苦労があったに違 いない。

 恩師である大野信三先生とともに、ミクロ経済学の講義を長きに渡り担当され、多くの学生 の指導にご尽力いただいた。1979年創価大学出版会から刊行された『理論経済学Ⅰ微視経済学』、

2001年に創価大学通信教育部から刊行された『理論経済学Ⅱミクロ経済学』が示すように、先 生のご講義はミクロ経済学に関する該博な知識と深い理解に裏付けられていた。これらの本で学 び、経済学理論の学習に没頭できた学生たちは、幸せであったと思う。さらに、先生は経済学的 な視点から私たちの生活の実態を考察していく生活経済学の研究にも沈潜され、1998年創価大 学出版会から『生活経済論』も刊行されている。

 大崎先生には退職まで多くの授業を担当し続けていただいた。共通科目の経済学、ミクロ経済 学、生活経済学、現代産業論、さらには大学院生のご指導等、常に快く引き受けてくださった。

通信教育部においても、理論経済学Ⅱ(ミクロ経済学)と生活経済論を長くご担当いただいた。

先生のお人柄に甘えてしまい、ご負担の多い状況が続いていたと推察する。そういったことを表 には出さず、黙々と後輩を支え面倒を引き受けてくださる先生であった。先生の退職を機に、私 が通信教育部の理論経済学Ⅱを引き継ぐこととなった。必修科目である理論経済学Ⅱを、夏季ス クーリングや秋季スクーリング、レポートの採点などずっとお一人で負担されてきたことは驚き に値する。先生が背負ってきたご苦労を思うと、私が弱音を吐くべきものではないと常に気持ち を引き締めている。

 多くの経済学部教員にとって忘れられないのは、2006年44日経済学部2年生ガイダンスに おいて、大崎先生がゼミナールの意義について語られたご講演である。私個人においても深く感 銘を受けたお話であった。このご講演の中で、恩師であられる大野信三先生について、「先生は 本当に心温かい人でした」。さらに、「学識の豊かさ、学問に対する情熱と真摯な姿勢、エネル ギッシュで自身に満ちた講義」と語られている。そして、ご自身の学生生活が「ゼミに入って大 きく変わった」と。大崎先生が心から尊敬される師と学生時代に巡り合い、先生の人生に大きな 影響を与え続けたことが語られ、聞く者の心に深い感動を与えた。

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 大崎先生は、お酒も多くは嗜まれない真面目でとても控えめな先生だった。ポーラー・タイを 着用され、いつもダンディーな先生。にこやかに微笑まれる温かさに包まれた先生。さらには、

いつも若々しく、ご退職間近にも研究室のある8階まで1階から階段を1段飛ばしでかけ上る姿 には私たち一同、いつも驚かされた。

 創立以来の大学を支えてくださった功労者のお一人がまた、大学を去られたことは、寂しい限 りである。とはいえ、いつまでもお元気で、今後とも陰に陽に応援いただきたいと願っている。

最後に、長きに渡り創価大学経済学部を支え続けていただいた大崎先生へ、感謝と御礼を心より 申し上げたい。

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