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天然物を原料に用いた高感度化学センサーの開発

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Academic year: 2021

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Annual Report

東京電機大学 The Research Institute for Science and Technology 総合研究所年報 Tokyo Denki University

課題番号 Q18K-04

課題名(和文) 天然物を原料に用いた高感度化学センサーの開発

課題名(英文) Development of High Sensitive Chemical Sensors based on Natural Ingredient

研究代表者 所属(学部、学科・学系・系列、職位) 理工学部、理工学科・理学系、准教授 氏名 足立 直也 共同研究者 所属(学部、学科・学系・系列、職位) 氏名 所属(学部、学科・学系・系列、職位) 氏名 所属(学部、学科・学系・系列、職位) 氏名 所属(学部、学科・学系・系列、職位) 氏名 研究成果の概要(和文) 本研究は、天然物であるクルクミンを原料に用いて、クルクミンに分子認識部位を導入した共役系化合物の合 成を行い、アンモニアを検出可能な化学センサーの開発を目指し研究を行った。クルクミンのホウ素錯体を合 成しアニオンやアンモニアに対する化学センサーとして機能するか検討を行った。合成したクルクミン錯体で あるOPE 1 は、アンモニアを添加することで溶液色がオレンジから赤色へと変化した。また、アンモニア添加 するとOPE 1 は蛍光スペクトルの長波長シフトが観察された。これは、クルクミンの水酸基が脱プロトン化し カルボニル基へと変化し、ホウ素部位へとエネルギー移動することで溶液色および蛍光スペクトルが変化した。 以上の結果から、今回合成したOPE 1 はアンモニアを目視で検出できることがわかった。 研究成果の概要(英文)

(2)

Annual Report

東京電機大学 The Research Institute for Science and Technology 総合研究所年報 Tokyo Denki University 1.研究開始当初の背景 アンモニアは医療や染料などを製造するために不 可欠な物質で、特に化学肥料の製造には欠かすこと はできない原料であり、世界的に工業生産されてい る。しかし、人体においては、タンパク質が肝臓で 分解される際にアンモニアが生じ尿素へと変換され るが、肝機能が低下していると血中アンモニア濃度 が上昇し健康被害をもたらす。また、近年では自動 車の排気ガス中に含まれるアンモニアが環境に与え る影響に関する研究が行われていることから、アン モニアを簡単に検知できる方法が求められている。 2.研究の目的 共役有機化合物を基にしたケミカルセンサは、検出 対象を検知し反応することで吸光・蛍光特性が変化 するため、大型分析機器を使わないで高感度に標的 物質の有無を判別することができる。また、光学的 測定によって定量的な分析も可能である。中でも、 可視光域での色調変化は目視で標的物質の存在を簡 単に確認できるため、注目を集めている。 本研究では、アンモニアが持つ非共有電子対や水 素結合能に着目して、これらに応答可能な共役オリ ゴマーを合成し、アンモニアを目視で認識可能なケ ミカルセンサへの応用について検討を行った。 O O OH OC12H25 C12H25O O O HO OH OCH3 H3CO B Scheme. 合成した OPE 1 の化学構造 3.研究の方法 1-Iodo-4-methoxybenzene から合成したエチニル化 合物と1,4-dimethylbenzene から合成したジケトン基 を持つ化合物を用いて、薗頭カップリング反応を行

OPE 骨格を合成した。この OPE と Curcumin を

tributyl borate で錯体化することによって目的とする 共役オリゴマーOPE1 を合成した(Scheme)。 合成したOPE1 を THF 中に溶解させ UV-vis および 蛍光スペクトル測定を行った。その後、25%アンモ ニア水溶液をピペットで順次滴下していき、それぞ れの蛍光スペクトル測定を行い、アンモニアの滴下 量によるスペクトル変化と混合溶液の色調変化につ いて検討を行い、アンモニア認識能を調査した。 4.研究成果 合成したOPE1 を THF 中に溶解させ UV-vis およ び蛍光スペクトル測定を行った。その結果、421 nm に吸収ピークが、493 nm に蛍光ピークが観測され た。次に 25%アンモニア水溶液を順次滴下してい き、蛍光スペクトル測定を行った。その結果、蛍光 強度が徐々に減少し、混合溶液の色が蛍光灯下で黄 色から赤色へ変化していく様子が観察できた。溶液 の黄色から赤色への色調変化は吸収された光が青色 から青緑色へと変化したことであり、基底状態から 励起状態へ遷移するためのエネルギーの大きな低下 が認められる。これはOPE1 の Curcumin のフェノー ル部位がアンモニアにより脱プロトン化[1]し、ヒド ロキシ基がカルボニル基に変換されたことによる構 造変化によって、ドナーであるCurcumin 部位からア クセプターであるホウ素錯体部位へと光誘起電子移 動[2]によりエネルギー移動が生じた結果、色調変化 が起こったと考えられる。 以上の結果から、今回天然原料としてクルクミン部 位を持つ共役オリゴマーOPE1 の合成に成功した。 測定結果から、OPE1 はアンモニアを目視で検知可 能なケミカルセンサであることが明らかとなった。 【参考文献】

[1] Masahiro Tsuchikawa, et al., RSC. Adv., 2017, 7,

36612-36616.

[2] Yoshikazu Oka, et al., BUNSEKI KAGAKU. 2012, 1,

61, 3, 145-156 5.主な発表論文等 〔雑誌論文〕(計1 件)

参照

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