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A Study of CO2 Gas Absorption into and Desorption   frem Methyldiethanolamine Aqueous Solution

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(1)

小原祐子*藤本勝也**葛原聡子*樋口敏三***

A Study of CO2 Gas Absorption into and Desorption   frem Methyldiethanolamine Aqueous Solution

Yuko OHARA Katsuya FUJIMOTO Satoko KUZUHARA Binzo HIGUCHI

 The apparent absolption rate,(∫/のkL*,and the apparent desorption rate,(3/馳〜of CO2 gas were investigated by blowing CO2 gas and N2 gas血to methyldiethanolam血e(MDEA)aqueous solution through an upwaτd vertical glass nozzle.

Theri (S/V)kL  and (SIV)kz]   with MDEA aqueous solution were compared with those with monoethanolamine(MEA)

aqueous solution.

 It was found that (S/l7)kL  with moEA and MEA solution were 1.4 times and 3.2 tmes as high, respectively, as

that of physical absorption, and that (SI V)kL  was as high as that of physical desorption. Temperature dependencies of

(SIV)kL  and (SIV)kL   with MDEA and MEA aqueous solution were stmilar to those of mass trafisfer in liquid film.

Futhermore, linear relationships were found between (SIP)kL , (SIMJkz and gas flow rate. Both absorption and desorption processes used these solutions, and it seems that the mass transfer process in liquid film was the rate

detemiining step in these reactiens.

 κθγwords=CO2, absoq)tion, deso耳)otion,エnethyldiethanolam量ne, monoethanolamhle

1.緒

 地球温暖化の原因物質であるCO2ガスの固定除去

は緊急の課題であることから,近年,電力業界や鉄鋼 業界において種々の方法が報告されている 1.

 これらのうち,湿式法を用いた排出ガス中のCO2ガス の固定除去は,まずアルカリ水溶液中へのCO2ガスの 吸収,つぎに吸収したCO2のアルカリ水溶液からの除 去,さらにCO2の固定化の過程を経る.

 これらの過程のうち,アルカリ水溶液中へのCO2ガス の吸収反応は,工業用ガス中に不純物として存在する CO2ガスの除去等と関連して重要であり,従来から種々

研究されているZ) 3) }.

 しかし,この吸収反応は,

(i)水溶液中へのCO2ガスの溶解過程および

(il)溶解したCO2とアルカリ水溶液の化学反応 の逐次過程からなる化学吸収である.この後者のアル カリ水溶液とCO2ガスの化学反応が非常に速いため,

その反応条件によっては,前者の溶解過程がCO2ガス の吸収反応の律速過程となる.この場合,CO2ガスの 吸収速度はCO2ガスとアルカリ水溶液との接触面積,

  原稿受付平成13年8月31日

 *専攻科機械・制御システム工学専攻

** {校専攻科修了生(現内山工業㈱〉

*** d子制御工学科

すなわち気位界面面積の影響を受ける5).また,これら

の吸収反応はCO2とアルカリ水溶液の中和反応である ため,反応の進行に伴って液のpHが低下し,その低 下に伴い反応速度も低下し,さらにCO2ガスの吸収速

度も低下する6} }.したがって,このような複雑なアルカリ

水溶液へのCO2ガスの吸収速度を総括的に評価する

ことは困難である.また,水溶液中へ吸収したCO2ガス の除去を検討する場合には,その放散速度も重要であ るが,それに関する報告もほとんど見あたらない.

 そこで,本研究では,ガラス製垂直上向きノズルを通

じて水溶液中にCO2ガスおよびN2ガスを吹き込み,ガ

ス吹込み途上の液のpHと液中のCO2濃度の同時測 定を行うことにより,水溶液のCO2ガスの吸収速度およ び放散速度について実験的研究を行うこととした.前の

論文では,CO2と化学反応を生じないHCI水溶液の 場合,CO2ガスの吸収および放散は液境膜内の物質 移動が律速段階であり,一方,CO2と化学反応を生じ る代表的なアルカリ水溶液であるNaOH水溶液および

モノエタノールアミン(MEA)水溶液への吸収の場合は,

CO2とOH一イオンの反応およびCO2とMEAの反応が

液境膜内の擬一次不可逆反応であり,液境膜内の反 応界面への物質移動が律速段階であり,CO2ガスの放

散は液境膜内の物質移動が律速段階であることを報告 しだ〉・9}.本論文では,一級アミンであるMEA水溶液と

比べ,CO2ガスの吸収速度は小さいが,放散に関して

はエネルギ的に有利であることが報告されている1> 1。)代表

(2)

津山高専紀要第43号 (2001)

N2

AO

DC

D CM

B

 o

E 

N

J

E

モモーr一一

L (rA,kgJj )K

Fig. 1 Experimental arrangement, (A)gas cylinder,

  (B)valve, (C)manometer, (D)capMary flowmeter,

  (E)humidifier, (F)thermometer, (G)nozzle, (H)CO2   electrode, (Dcombined glass electrode, (J)reflux   condenser, (K)reaction vessel, (L)thermostat,

  (M)mV meter, (N)pH meter, (O)recorder.

14

=n一 10

6

1沿

0

の︻δ9ミδQ︼

ss

一 MEA

一一一 MDEA

   

  t  

 . t

的な三級アミンであるメチルジエタノールアミン(MDEA)

水溶液を用い,MDEAの添加濃度,温度,ガス流量の

条件を変化させて速度論的に検討を行うこととした.ま

たMEA水溶液とのCO2ガスの吸収および放散におけ

る有効性の相違についても比較検討を行うこととした.

2.実験装置および方法

2」実験装置

 本研究に用いた実験装置:の概略をFig.1に示す.

 同図に示すように,高純度のN2ガスおよびCO2ガス はそれぞれボンベ(A)から供給され,水銀圧力計(C)お よび毛細管流量計(D)によって所定圧力および所定流 量に調整された後序合され,加湿器(E)を経て,先端に 内径0.5mm,長さ3mmのオリフィスが融着されたガラ ス製垂直上向きノズル(G)から,反応槽(K)内の試料水

溶液中に吹き込まれる.反応槽は容量1dm3の摺り合

せ蓋付きの円筒型ガラス容器で,その本体寸法は内径

114mm,高さ125mmである.またその蓋にはノズル,

温度計(F),pH測定用複合ガラス電極(1), CO2電極

(H)および還流冷却器①を取り付けるための5個の孔が

設けられている.試料水溶液のpHおよびCO2濃度の

測定は,複合ガラス電極を接続した東亜電波工業(株)

製H:M−5S形pHメータ(N)およびCO2電極に接続した 東亜電波工業(株)製IM−5S形起電力計(M)を用いた.

なお,それらの値を連続的に測定するためにそれぞれ 日本電子科学(株)製U−228形卓上型自動平衡記録計

(O)を接続して用いた.

2.2実験方法

 反応槽内の所定量の脱イオン水にN2ガスを吹き込

むことによって液中のCO2を除去した後に,所定量:の

MDEA溶液を脱イオン水に添加して1dm3とした。次

に,N2ガスを吹き込み,藩中のCO2濃度が十分低値

を示しており,液のpHが一定値を示し,液の温度も一

       

  0

   0      500      1000

      t/sec

Fig.2 Time variation of pH and[CO2]A CO21s by CO2       ヨ       ヨ

      ロエ

   btibbling(C(mc. =0.1mol・dm,G=1.28×10 m・s,

   Temp.ニ298K)。

定値で安定していることを確認した後,N2ガスの吹込 みを停止し,所定圧力,所定流量のCO2ガスをノズル から試料水溶液に吹き込むことにより,吸収実験を開始 した.また,放散実験は,吸収実験による試料水溶液中

のCO2濃度が十分飽和濃度に達した後に, CO2ガス

の吹込みを停止し,N2ガスを試料水溶液に吹き込むこ とによって開始した.CO2ガスおよびN2ガス吹込み途

上の試料水溶液のpHおよびCO2濃度は, pHメータ および起電力計に接続した卓上型自動平衡記録計で

連続的に測定した.

3.実験結果および考察 3.1CO2ガスの吸収実験

3.1.1吸収実験結果の解析

 吸収実験結果の一例として,0.lmolのMDEAを添

加した1dm3の水溶液の液のpHおよび液中のCO2濃 度[CO2]とCO2の飽和濃度[CO2]sの比であるCO2の 相対濃度[CO2]/[CO2]sの経時変化をMEA水溶液のも のと併せてFig.2に示した.

 同一に見られるように,MDEA水溶液の場合はCO2

ガス吹込み開始前の液のpHはMEA水溶液の場合の ものよりやや低く,約10.8の値を示した.吸収実験は

CO2ガスを吹き込んで開始したが, MEA水溶液の場 合と同様に,CO2ガスの吹込みに伴って液のpHは凹

凸のある特徴的な傾向を示して低下しゴやがてpH約7 の一定値を示した.一方,[CO2]/[CO2]sはMEA水溶 液の場合と同様,液のpHが9前後から上昇を開始し,

やがて飽和濃度に達した.

 MDEA水溶液中にCO2が存在する場合のmass

ba董anceの式および電気的中性の式は式(1)〜(5)で表さ

れる4)111>,12).

(3)

O.08

§

 0.04

oo

MEA

MDEA

100

t /sec

200 300

Fig,3 Relatio塾ship between[CO2】T a鶏d t(Conc.

       ユ

        ヨ      る ヨ

   =0.1皿dt・dm,G=1.28×10 m s,Tヒョnp.=298K).

量[CO2]T,すなわち[CO2],[HCO3一]および[CO32 r]の 合計量の関係も求まる.

 そこで,実験中の所定時間tにおける液のpHから

[CO2]Tを求め,それを時間tに対してプロットすることに より,Fig.3を得た.

 同図に見られるように,CO2ガス吹込み開始直後の 約300秒間の比較的短い期間では,ほぼ良好な直線 関係が認められるた.また,この間のCO2濃度はほぼ

零であることから,次式(8)の関係が成立する。

 d[CO2]T

     = SleL [CO2]s

v

  dt

 コ  醐

(i)

(フ02一←()乙〜【一=1i〜て)03 h

盈一加GO3田cO3コ/([CO2}f・H[OH 」) (2>

HCO3 T = CO32一+H+

 K2 ==fco3[CO32r]・fH[H +]/[HCO3 T] (3)

1〜1R妥〉+∬+== RIR2ムrH+

 1(ヨ==fRl児2ノ暇[RiR2iVH  ]/ ([RiR2N]・,加[H+])  (4)

[RiR2NH  ] + [H  ]

     = [OH 一]+ [HCO3 一] +2[ CO32 ] (5)

ただし,298KでKw ・= 10一 i4mo12/dm6,Kl ・= 10 7 65dm3

/mol,K2 = 10  io33 moydm3,K3=10鰯dmシmolであ り,R1は((CH2)20H)2基, R2はCH3基を,また1h,

fOH,fHco3,fco3,fRIR2NHは,それぞれH+イオン,

OH一イオン, HCO3『イオン, CO32一イオン,および RIR2NH+イオンの活量係数を表す.なお,イオンの活

量係数は一般的に式(6)および(7)で得られる13).

1 =(1/2)2 Ci 2i 2

1ogfi = 一A zi 21i 2/ (1+B a li L )

(6)

(7)

ただし,1はイオン強度,Ciは存在するそれぞれのイオ ンの濃度,Ziはそれぞれのイオンの価数, fiはそれぞ

れのイオンの活量係数を表し,AおよびBは298Kで

それぞれO.5115molvadm32および0.3291×10 8cm−1 mol−vedm32であり 3),またイオンサイズパラメータaは6

×10 8cmが平均的な値1 )である.

 CO2ガスの吹込み開始前の液のpHは,上式を解く

ことによって,実験値とほぼ一致する10.82の値が得ら れた.また,これらの式から,液のpHと田中の全炭酸

(8)

すなわち,式(8)を積分することで次式(9)が得られる.

    S

[CO2]T = i7 kL [CO2]s t

(9)

したがって,全炭酸量[CO2]Tと時間tの間の直線

の傾きを[CO2]s ・3.39×10−2mol/dm3で15)割り,見 かけの吸収速度(S/V)kL*を求めた.ただし, Vは試料水

溶液の体積を,Sは気液界面面積をまたkL*は化学反

応を生じる場合の液白膜物質移動係数を表す.

 また,同図に見られるように,CO2ガス吹込み開始 後の約300秒間では,同一時間におけるCO2の

吸収量は,MDEA水溶液よりMEA水溶液の方

が大きくなった.

3.1.2添加濃度の影響

 試料水溶液のMDEA濃度を0.01,0.03,0.1,

0.3および1.OmoYdm3の5水準に変化させて実験を

行った.なお,何れの実験においても液温は298 K,CO2ガス流量は1.28×10 5m3/sの一定とした.

 求めた化学反応を生じる場合の見かけの吸収速度

(sプレ)々がの値を化学反応を生じない場合のそれ8)で割る ことにより,次式(10)で定義される反応係数φを求めた.

   kL*

ip =一Ll :一一 =

  々五

(S/V)kL

(Srw)kL

(10)

なお,この反応係数φの解析解を整理するために溶解 した反応物質の拡散速度とそれと反応成分の化学反応

速度の比であるパラメータ》励が使用される.すな

わち,MDEA水溶液の場合はCO2と反応する液相中 の反応成分をOH一イオンと考えると, fMは式(11)で

表される.

     koH[OH一]Dco,

VM=

       kL

(11)

なお,計算にあたっては反応速度定数としてkOH=

9,000dm3/mol・sの値3)を,拡散係数として1)co・=1.97

×10−5cm2/sの値17)を,さらに四境膜物質移動係数とし てkL=0.025cm/sの値を用いた.また, OH一イオン濃

(4)

津山高専紀要第43号 (2001)

1000

100

10

A present work (MDEA, koH)

A present work (MDEA, kMDEA)

o previous work (MEA)

o previ(nis work 〈NaOH)

V Fukunaka et al. (NaOH)

e Goto et al. (NaOH)

opde=eo

1000 500 200 100 50

AA ̀

20 P0 T

1

 0.1

2

︵U

一2

の1>

三一4

の1>

三 ・6

1

Fig. 4 Enhancement factor.

10

100 1000

度[OH一]は,[CO2]Tとtの問に直線関係が認められた

一8

a pH3 added HCI soln.

       電O MEA O.lmol・dm A MDEA O.lmol・dm

         EMEA=20.7 kJfmol EMDLEA=13.2 kJfmo

         EHor=12.3 kJ/mol

範囲の平均の値を用いた.

 式(10)で求めた反応係数φを式(11)で定義される fMに対してプロットしたものをFig.4に示した.

 また,式(12)で示されるVan K:reveienらによって提:

案された境話説に準拠した二次瞬間反応の場合の反

応係数φの近似曲線鳴併せて同図に示した.

¢=

M(¢co 一 ¢)/(¢oo 一 1)

tanh V M(¢eo 一 ¢)/(¢oo 一 1)

      CBL

¢co= 1 十

     v[CO2ユi

(12)

(13)

ただし,式(12)のφeeは式(13)で与えられ, vはCB

/[CO2]の化学量論比を表し, CBLは液相内のCB,す なわちOH一イオン濃度を,また[CO2]iは気病界面での CO2濃度を表す.なお,φ。・=・。のとき,式(12)の反応 係数φは次式(14)で示される境膜説を用いた擬一次不 可逆反応の反応係数と一致する.

φ「侮/肺門轟

(14)

また,同図にはNaOH水溶液を用いた実験での

Fukunakaらτ),後藤ら18)および前の論文8} 9>の反応係数 の値も併せて示した.同図に見られるように,MDEA水 溶液はNaOH水溶液の揚合のkoH ・=9,000dm3/mol・s を用いてパラメータを求め,反応係数をプnットすると擬 一次不可逆反応の場合よりもはるかに高値を示した.す なわち,NaOH水溶液中における液隔膜内のCO2と OH イオンの反応よりはるかに速い反応が起こっている

と考えられた.一方,W.C.YuらはMDEAはCO2の加 水分解において触媒として作用し,MDEA存在下では 溶液のアルカリ性を考慮して計算したCO2の吸収速度

より著しく大きくなることを報告している19).したがって,

MDEA水溶液中に溶解したCO2とOH一イオンの反応

一10

 3.0 3.2   3.4       −1

        1/T fK

Fig. 5 Arrhenius plot.

3.6 ×10

はNaOH水溶液中におけるよりも促進され,反応速度

定数の値もNaOH水溶液の場合のものより大きくなると

考えられる.そこでMDEA水溶液の場合の反応速度

定数 kMDEAの値をkOHの100倍と仮定して求めたパラ メータfMに対して反応係数をプUットすると,

NaOH水溶液およびMEA水溶液の場合と同様に式

(14)で示される境論説を用いた擬一次不可逆反応の反

応係数と一致した.また,VersteegらはCO2とMDEA 水溶液の反応速度が擬一次不可逆反応で提案される

反応機構とよく一致すると報告している2。〉.これらのこと

から,本実験のMDEAの濃度範囲では, CO2濃度が

零の期間ではMDEA存在下のCO2とOH イオンの 反応が液境論内の擬一次不可逆反応であると考えられ

た.

3.1.3温度の影響

 MDEA水溶液の温度を278,288,298,308およ び323Kの5水準に変化させてCO2ガスの吸収実験

を行った.なお,MDEA濃度はO.1moYdrn3,CO2ガ

ス流量は1.28×10−5m3/sの一定とした.

 [CO2]s,Kw,Kl,K2およびK3はそれぞれの温

度の値4) ) 12)を用いて(S/V)kL を求めた.

 それらの温度依存性を調べるために,Fig.5に示す アレニウス・プロットを行った.また,同図にはHCI水溶 濯およびMEA水溶液9>のものも併せて示した.

 同図に見られるように,MDEA水溶液の(S/V)kL の 活性化エネルギの値として13.2kJ/mo1の値が得られ

た.この値はHC1水溶液およびMEA水溶液の

12.31〈r/molおよび20.7kl/molの値と比較的近いことか ら,この値は液境膜内の物質移動速度の温度依存性を 示す値として妥当な値と考えられた.

3.1.4流量の影響

 CO2ガス流量をO.64,0.96,1.28,1.92および 2.57×10−5m3/sの5水準に変化させてCO2ガスの吸

(5)

×io9

tiut 16.0

ゴ 12ρ

u)1>

葺 8.o 副〉

4.0

ロ pH3

0 MEA A MDEA

e

 o 1.0 2.0 3.e ffe5

      G / m3・s−1        s    s

 Fig. 6 Plots of vkL and vkL  vs・ G・

収実験を行った.なお,MDEA濃度はO.lmoVdm3,

液温は298Kの一定とした.

 MDEA水溶液の(5/y靴*の値をCO2ガス流量に対し てプロットしたものをFig.6に示した.また, HCI水溶 液8)およびMEA水溶液9>のものも併せて示した.

 同図に見られるように,HCI水溶液, MEA水溶液

およびMDEA水溶液とも(S/y)leL*とCO2ガス流量の問 には直線関係が得られた.このことから,何れの水溶液

においてもCO2ガスの吸収は液境膜内の物質移動が

律速段階であると考えられた.

 なお,MEA水溶液の(srw)kL*の値はHCI水溶液の

それの約3.2倍に対し,MDEA水溶液の場合は約し7

倍の比例関係が得られた.そこで,CO2ガス吹込み開 始直後の比較的短い期間の全炭酸量[CO2]Tと時間t

の問に直線関係が認められる範囲の平均のpHおよび

kOHの100倍のkMDEAの値を用いて,式(11)に示した パラメータ》冴を求め,さらに式(14)に示した擬一次 不可逆反応の反応係数φを求めるとし7の値が得られ た.これらのことから,MDEA水溶液の(S/のkL*とHCI 水溶液のそれの問の比例関係は妥当と考えられた.

3.2CO2ガスの放散実験 3.2.1放散実験結果の解析

 放散実験結果の一例として,0,1molのMDEAを添

加した水溶液のpHおよび[CO2]/[CO2]sの経時変化お よびMEA水溶液のもの9>と併せてFig.7に示した.

 半弓に見られるように,MDEA水溶液およびMEA

水溶液の何れも[CO2]/[CO2]sはN2ガスの吹込み開始

直後から急激に減少し,約1000秒で低下は緩やかに なった.一方,液のpHはN2ガスの吹込み開始直後か

ら徐々に上昇した.

 MDEA水溶液およびMEA水溶液の見かけの放散

速度を(S/tOkL とし,液境膜内の物質移動を律速段階と 仮定すると,水溶液中からのCO2の放散速度式は次式

(15)で表される.

11

畳 7

3

0

1

0 5

の冒OO≦㎝OO﹈

s s

s

一 MEA

一一一

@MDEA

  d[CO2]T

      =Skガ[CO2]

一V

  dt

(15)

  0

   0      500      1000

      t/sec

Fig。7 Time variatioll of pH and[CO2Y[CO2】s by N2        ヨ ロ         ヨ

       ら    bubblhlg(Conc.=e.1mo1・dm,G=2.41×10 m・s,

   Temp.=298K).

 吸収実験と同様に,実験中の所定時間∫における液 のpHから[CO2]Tを求め,それを時間tにプmットするこ

ヨ セァ レい おをり  む ヂロるヨゐ

どピーよワr lg・or乙伺ヲL・

 同校に見られるように,N2ガス吹込み開始より,時間

の経過とともにMDEA水溶液の方が[CO2]Tの減少量

が大きいことが確認された.

 また,式(1)〜(5>に示したmass balanceの式および 電気的中性の式を用いることによって[CO2]T,[CO2],

[HCO3一]および[CO32 ]の諸量と液のpHの関係を求 め,Fig.9に示した.

 同図に見られるように,[CO2]Tの減少に伴って[CO2]

も減少し,また[HCO3一]も減少するという挙動を示した.

したがって,式(15)を積分することにより,次式(16)の関 係を求めた.

O.05

 0.04η

日0,03

8α02

Ψ

O.Ol

oo

MDEA MEA

soe

t /sec

1000

Fig.8 Relationship between[CO2】T and t(Conc.

        お      お

      ヨ モ

   ニ0.1mol・dm,G=2.41×10 m s,㎞p,=298K).

(6)

津山高専紀要第43号  (2001)

5 0

0 0

0

5 0

0

叩嵩.頑\ぞ§§§δ9・︐き層・も︒︒量墓昌8

kco,].

面\

    .X       x        x

co2]

     7.0      9.0         11.O

      pH:

.Fig. 9 Effect(Of pH on concentration of various CO2

      ヨ

   compoundS(MI)EA O.1md・dm,Temp.=298K).

1.0

O.8

g o.6

H

x

ocu O.4

0一

O.2

HN[Ka一一[一一一[一。一,.

      一3 e O.Olmel・dm       .3v O.03mol・dm

     −30 O.lmol・dm

     −3A O.3mol・dm

     −3 1.Omol・dm

[CO2]T=一

堰@kL  S[CO2]dt一 (16)

そこで,[CO2]Tの値を∫[CO2]dtに対してプロットしたも のをFig.10に示した.

 同図に見られるように,MDEAの添加濃度が0.01,

0.03,0.1,0.3および1.OmoYdm3の何れの場合も

[CO2]Tと∫[CO2]dtの間には終始良好な直線関係が

認められた.このことからMDEA水溶液からの放散の

場合は何れも液境膜内の物質移動が律速段階であると

考えられた.

3.2.2添加濃度の影響

 MDEAの添加濃度に対して見かけの放散速度(S/V)

kVの値をプロットしたものをFig.11に示した.

 同図に見られるように,MEAの場合は添加濃度を

変えても(S/V)kLTの値はHCI水溶液のものとほぼ同じ

大きさの値であったが,MDEAの場合は,添加濃度が

O.Ol,0.03,0.1および0.3mo1/dm3ではHCI水溶 液のものとほぼ一致したが,1.OmoYdm3の場合はHCI 水溶液の場合より著しく低山を示した.

 いま,液境膜物質移動係数kLは,δを液境膜厚さと

すると式(17)で表される.

煤│tN一一es−t・一.e..A一.A.一一

一〇一〇一〇一一〇一e−o一一

  Dco,

hL ==

   6

(17)

  o    O 5 10 15

       S[CO2]dt

 Fig. lo [co2]TvsS [co2]dt.

(18)の比例関係が成立するz2).

DCco, (S/V)kLC DOco, (S/V)kLO

20 25

(18)

また1)OCO,およびDCCO2をそれぞれ純水および所定

濃度のMDEA水溶液の拡散係数,(S/V>kL。および

(srw)kLCをそれぞれHCl水溶液および所定濃度の

MDEA水溶液の見かけの放散速度とすると,次式

 そこで,純水およびMDEA水溶液の所定濃度で

の拡散係数の値およびHCI水溶液の見かけの放散速 度の値を式(18)に代入し,MDEA水溶液の所定濃

度での(S/V)kL を求めた.ただし, HCl水溶液の見か けの放散速度の値として4,5×10 3s−1の値を用いた.

このようにして求めた(S/V)kL の値と実験で得られた

(S/V)んガの値をTable 1に示した.同表に見られるよう

×10

?

8.0

\  6.0

の1>

5 4・0

の1>

2.0

o

O.MEA A MDEA

pH3 added HCI soln.

A

Fig. 11

O.Ol

O.1

     一3 C /mol・dm

Plots of g.kL ahd 一1}. kL  vsl c.

    v 一 r  v

1

(7)

Table 1 Caleulated and observed vahie of g. kt

       v

。。n。.[m。L血、弓]

0.01 0.03 0.1 0.3 LO

ca量。. va㎞e[S 1]

黶@ 一  }  一  ■  曜  騨  幽  一  零  幽

盾b刀D value[s 1】

    3

S,5x10

黶@  幽   一   一   一   一

@   一3

S,4×10

     3 S.5x10

黶@  一   一   冒   一   一

@   ・3 S13×10

     3

S。3x1σ

黶@ 一  一  ■     一

@   .3

S.3×10

    8

S.Oxユ〇

黶@  }   一   ■   一   一

@   召

S.3x10

     3R.1x10

ル   昌   一   層   一   一   謄

@    .3 R.2×10

×loB

一4

  ﹀

・日

Cヨ    遜

   ﹀.ゴi三

   の

一8 3.0

EMEtt=17.2 kl/mol

      EHa=13.8 klfmol

EMDEA=16.0 kl/rno1

3.2 3.4

   一1 1fT /K

m 8・O

園 (;・0

の1>

ゴ4・o

のi>

  2.0

回pH3 0 MEA

AMDEA

    一3 3.6 ×10

o

 o 1.0 2.0

G /m3・s i

Fig. 13 Plots ofekLand gkL  vs. G.

Fig. 12 Arrhenius plot.

に,MDEA水溶液の(SfV)leL の計算値と実験値は何れ の添加濃度においてもほぼ一致した.したがって,

MDEA水溶液の放散実験において, MDEAの添加 濃度が1.OmoVdm3の場合のみ(∫rw)kL が著しく低値 を示したのは,MDEAの添加に伴うCO2の拡散係数

の低下21)によるためと考えられた.

3.2.3温度の影響

 MDEA水溶液の温度を278,288,298,308およ び323Kの5水準に変化させてCO2ガスの放散実験

を行った.なお,MDEA濃度は0.lmoVdm3,N2ガス

流量は2.41×10 5m3/sの一定とした.

 [CO2]s,Kw,Kl,K2およびK3はそれぞれの温度

における値を用いて,MDEA水溶液の(S/V)L,L を求

めた.

 それらの温度依存性を調べるために,Fig.12に示 すアレニウス・プロットを行った.また,同図にはHC1水 溶液8>およびMEA水溶液9)のものも併せて示した。

 同図に示したように,MDEA水溶液の(S/V>kL の活 性化エネルギの値としては16.OkJ/molの値が得られ

た。この値はHC1水溶液およびMEA水溶液の

13,8kJ/molおよび17.2kJ/molの値と近いことから,この

値は液境野内の物質移動速度の温度依存性を示す値

として妥当な値と考えられた.

3.2.4流量の影響

 N2ガス流量を1.21,1.81,2.41および3.62×10−5

3.0 ffts

m3

^sの4水準に変化させてCO2ガスの放散実験を行

った.なお,MDEA濃度はO.1moYdm3,液温は298 K

の一定とした.

 MDEA水溶液の(釘の々ガの値をN2ガス流量に対し

てプロットしたものをFig.13に示した.また, HCI水溶 液8)およびMEA水溶液9)のものも併せて示した.

 同義に見られるように,MDEA水溶液の(S/V)kL

N2ガス流量の間には直線関係が得られ,またHCI水 溶液およびMEA水溶液の見かけの放散速度の値とも ほぼ一致した.このことから,MDEA水溶液からのCO2

ガスの放散も液境膜内の物質移動が律速段階であると

考えられた.

4.結

 本研究では,水溶液中にCO2ガスおよびN2ガスを 吹き込み,液のpHとCO2濃度の同時測定を行うことに

より,MDEA水溶液のCO2ガスの吸収速度および放

散速度について実験的研究を行った.またMEA水溶

液との有効性の相違についても比較検討を行った.

 得られた結果を以下に示す.

(1)水溶液中にCO2ガスが溶解している場合のmass

 balanceの式と電気的中性の式を解くことにより, CO2

 ガス吹き込み開始後の約300秒間では,水溶液中  へのCO2の吸収量はMDEA水溶液よりMEA水溶  液の方が大きくなることが分かった.MDEA水溶液  中のCO2とOH一の反応は, NaOH水溶液中のそれ  らの反応より速いため,反応速度定数㎞DEAの値を  kOHの100倍と仮定すると,境膜説を用いた擬一次

 不可逆反応の反応係数と一致した.したがって,CO2

 濃度が零の期間でのMDEA存在下のCO2とOH一

 イオンの反応は,MEA水溶液の場合と同様に四境

 膜内の擬一次不可逆反応と考えられた.またMDEA

 水溶液の見かけの吸収速度(SN)kL O活性化エネル  ギの値は13.2kl/molであり, MEA水溶液およびHCl  水溶液の20.7kymolおよび12.3kJ/molとほぼ同程度  の値が得られ,何れも液境膜内の物質移動の温度依

(8)

津山高専紀要第43号 (2001)

 存性を示す値として妥当な値であった.またMDEA  水溶液見かけの吸収速度とCO2ガス流量の間には  MEA水溶液の場合と同様に良好な直線関係が得ら  れた.これらのことから,MDEA水溶液およびMEA  水溶液へのCO2ガスの吸収反応は液境膜内の物質  移動が律速段階であると考えられた.さらに,MEA  水溶液の見かけの吸収速度(srw)kL*はHCI水溶  液の約3.2倍であるのに対し,MDEA水溶液のそ  れは約1.7倍であり,その値はkMDEAの値をkOHの

 100倍と仮定して求めた反応係数φの値と一致した.

(2)MDEA水溶液からの放散の場合, MDEA濃度が

 O.3moYdm3以下では,見かけの放散速度(S/V)kLT  の値はHCI水溶液のそれとほぼ一致したが,

 1.Omo1/dm3では, CO2の拡散係数が低下するた

 め,HC1水溶液の場合よりやや低値を示した.一方,

 MEA水溶液の場合, MEAの添加濃度を変えても

 (S/のkLTO値はHCI水溶液のそれとほぼ同じ大きさ  の値となった.またMDEA水溶液の(S/y)kL の活性  化エネルギの値は16.0幻/molであり, MEA水溶液  およびHCI水溶液の17.2kJ/molおよび13.8kJ/mol  とほぼ同程度の値が得られ,液幽晦内の物質移動の  温度依存性を示す値として妥当な値であった.さらに

 MDEA水溶液の見かけの放散速度とN2ガス流量の

 問にはMEA水溶液の場合と同様に良好な直線関  係が得られた.これらのことから,MDEA水溶液およ  びMEA水溶液からのCO2ガスの放散は細論膜内  の物質移動が律速段階であると考えられた.

参 考 文 献

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Table 1 Caleulated and observed vahie of g. kt                v 。。n。.[m。L血、弓] 0.01 0.03 0.1 0.3 LO ca量。. va㎞e[S 1] 黶@ 一  }  一  ■  曜  騨  幽  一  零  幽 盾b刀D value[s 1】     3S,5x10黶@  幽   一   一   一   一 @   一3 S,4×10      3S.5x10黶@  一   一   冒   一   一@   ・3S13×10

参照

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