‑34 ‑
‑55
0C
および室温でのS15C
切欠き材の ひずみ制御低サイクル疲労挙動宮 野 泰 治 ・ 安 藤 正 昭 ・ 大 山 博 史 *
S t r a i n Control Low C y c l e F a t i g u e Behavior o f Carbon S t e e l ( S 1 5 C ) with Notch a t ‑55
0C and Room Temperature
T a i j i MIYANO , Masaaki ANDO and H i r o s h i UHYAMA ( 1 9 9 4
年8
月2 2
日受理)F o l l o w i n g t h e p r e v i o u s p a p e r o f l o a d c o n t r o l f a t i g u e t e s t
,one s i d e s i g n c u r v e s t r a i n c o n t r o l low c y c l e f a t i g u e t e s t were c o n d u c t e d on carbon s t e e l ( S 1 5 C ) a t ‑55.C and room t e m p e r a t u r e . Shape and s i z e o f specimen were same a s p r e v i o u s e x p e r i m e n t . P l a t e s p e c i m e n o f 6 m m t h i c k n e s s had U shape n o t c h a t t h e c e n t e r .
The r e s u l t s o b t a i n e d a r e summarrised a s f o l l o w s :
( 1 ) F a t i g u e l i f e i s i n d e p e n d e n t o f mean s t r a i n which i s u n d e r 5 0 X 10-
3•S t r a i n a m p r i t u d e i s main f a c t o r o f e
旺e c t son f a t i g u e l i f e .
( 2 ) E f e c t o f r i s i n g f a t i g u e I
if e have t e n d e n c y t o i n c r e a s e a s s t r a i n a m p r i t u d e i n c r e s e a t low t e m p e r a t u r e ( ‑ 5 5 . C ) .
( 3 ) S t r e s s a m p r i t u d e a t one c y c l e a r e a l m o s t c o n s t a n t i n f a t i g u e p r o c e s s e x c e p t i n v e r y b e g i n i n g o f f a t i g u e and i n l a t e
r.Value o f s t r a i n a m p r i t u d e i s d e p e n d e n t on s t r a i n a m p r i t u d e
,i n d e p e n d e n t o f mean s t r a i n and t e m p e r a t u r e .
( 4 ) I n f a t i g u e p r o c e s s
,maximum s t r e s s d e c r e a s e r a p i d l y i n v e r y b e g i n i n g ( u n d e r 5% o f
NjNfa t room t e m p e r a t u r e , u n d e r 10% o f
NjNfa t ‑ 5 5 . C ) and i n l a t e r o v e r 80‑90% o f
NjNf.Maximum s t r e s s c h a n g e s gradua
l1y i n i n t e r m e d i a t e p r o c e s s o f f a t i g u e .
( 5 ) Maximum s t r e s s o f i n t e r m e d i a t e i n f a t i g u e p r o c e s s a t ‑55
0C i s g r a t e r t h a n t h a t a t room t e m p e r a t u r e . Maximum s t r e s s i s a p p r o x i m a t e l y c o n s t a n t w i t h o u t e 証 e c t so f mean s t r a i n and u p p e r l i m i t s t r a i n a t ‑55.C
,b u t w i t h l i t t l e e 任 e c to f u p p e r l i m i t s t r a i n a t room t e m p e r a t u r e .
1 .緒 言
寒冷環境下で使用される機械構造用炭素鋼の強度 特性の検討の一貫として,これまでに報告1‑6)してき た一連の実験に引き続き,本報告は,
S15C
材を供試 材として,片握りのひずみ制御疲労試験を室温と低 温‑55
・C
で守子ったものである。試験片は,前報告の荷重制御疲労の場合のU形ノ ッチ試験片と全く同じもの6)を使用した。実験では,
主として,試験片に発生する繰返し応力の挙動を調 べて疲労挙動を検討し,疲労挙動におよぽすひずみ
秋田高専 専 攻科学生
振幅や平均ひずみ,最大ひずみの影響と低温の影響 を考察した。また,前報告の荷重制御の結果との関 連性についても検討を試みた。
以下に,その大要について報告する。
2.試験片必よび実験方法
2 ・ 1
試験片実験に用いた試験片は,前報6)の試験片U と同じ もので,市販の機械構造用鋼
S15C
材φ22
丸棒から 図1
に示すような形状寸法を有する板状に機械加工 し,その中央部にワイヤカットによる U形ノッチを 付したものである。これを9 2 0 . C 1
時間の真空焼き秋閲高等研究紀要第 3 0
号‑ 5 5 ' C
および室温でのS15C
切欠き材のひずみ制御低サイクル疲労挙動表 1 化学成分(%)
c I S i l M n l P
1s I C U 0.16 1 0.24 1 0.40 1 0.0171 0 .0301 0.04
表
2
静的引張試験結果民峨片温贋 ストロ‑11 よ降伏点 下筒伏点 引!I曽さ ftび
℃ 蛮位適宜
m m l m i n .
MPa MPa MPi% 1 262 260 421 22.9
室 温5 283 267 431 24
.41 0 298 285 435 23 1 367 335 485 1 6
.4. 5 5 s 386 350 489 1 9 . 2 10 422 375 496 1 5 . 5
F507 441 507 8 . 3 . 1 0 5 5 529 444 538 λ8
10 530 454 532 6 . 2
」
之ヱ
ト 叫 ZL 同
図
1
試験片の形状寸法~ 80
。 2 4 6 8 1 0 E I onga 1 i onλ{
剛n )
図
2
荷重変形図(変位速度10 mm/min)
なまし処理をしてから実験に用いた。供試材の化学 成分を表
l
に,また,この試験片の,室温,‑55
0C
, ‑1 0 5
0C
の各温度における変位速度1
,5
,1 0 mm/min
での静的引張試験結果を表2
および図2
に示す。表2
の 結 果 よ り 得 ら れ た 考 察 は 前 報 の と お り で あ る旬。2 ・ 2
ひずみ制御疲労試験使用した試験機は,電気油圧サーボ式材料試験機 (島津
EHF‑UD10)
で,低温での試験は,試験片お よびそのチャック部装置を覆う恒温槽中に液体窒素 を噴霧させ,C‑C
熱電対からの温度検出により,試験片表面温度を
‑55
士2
0C
に保持して行った。ひずみ制御疲労試験は,試験機のストローク制御 で行った。繰返し速度は,ひずみ振幅の大ノj
、 l
こより1 Hz
と3Hz
にした。ここで,試験機のストローク信号は,チャック間 距離の変位に対応するものであるが,チャック部と 試験片の形状寸法の剛性を考慮すれば,チャック間 距離変位の大部分は,試験片中央部の伸ぴに相当し ているものであると考えられる。そこで,本実験で は,ストローク変位を,図
1
に示す試験片の板状部 分40mm
の伸びを代表したものとみなし,40mm
の 長さに対する公称ひずみで評価し実験結果を整理することにした。
ひずみ制御疲労試験は,平均ひずみεmを,
5%
,3.75%
,2.5%
,および,ひずみ比εL/εu= 0
(εm‑0.16‑0.4%)
の4
種類に設定して行った。これらの 場合の平均ひずみの各々は,ストローク変位の2 m m
,1.5mm
,1 m m
,および,0.064mm‑0.16mm
に相当している。
ひずみ制御での疲労寿命については,試験片に発 生するき裂が一定量に達する繰返し数を寿命
Nf
と 定義する場合が一般的であるが7 1
本報告では,便法として,試験片に発生する最大応力 σuの値が,繰返 し数
N
=3 0 0
回のときの値の1 / 2
に達したときの繰 返し数を,破断寿命Nf
とすることにした。これは,3
章で述べる疲労過程中の試験片に発生した抵抗応 力の挙動を参考にしたもので,疲労開始時にみられ るσuの上昇と下降の速度がN = 3 0 0
回ではかなり緩やかとなって定常的状態に近付いていること,そ してまた,疲労後期のき裂拡大に伴う σuの下降速 度は,
N
=3 0 0
回のときのσuの値の1 / 2
程度に達す るころ,急激となる様相を呈していることから,こ のようなNf
の定義を試みたものである。なお,このNf
のときのき裂長さは試験片断面のおよそ1 / 2
程度を占めていた。
3.
実験結果および考察3 ・ 1
疲労寿命曲線繰 返 し ひ ず み 振 幅 ら と 寿 命
Nf
を両対数目盛に とった寿命曲線を図3
に示した。図中の平均ひずみεmは設定値であるが,実際の 実験では,制御誤差のため,設定値のそれぞれに対 し,
4.99‑5.03%
,3.69‑3.76%
,2.43‑2.61%
の 範閣の中で行われている。ぱらつきがやや大きいが,図から,寿命に対しては平均ひずみの大小の影響は
‑3 6
ー富野泰治・安藤正昭・大山博史
0 . 5
決0 . 4
( ‑ s s ' C )
。
; t : m = 5 . %
。
; = 3 . 7 S . %
。
; = 2 . S . %
O;N
/ N f = O
。
?
。
S0.3
可 コ ω
コ五
0 . 2
<t
E
C O (f)
( R . T )
③; t : m = 5 . % E D ; ; 3 . 7 5 . %
Q; ; 2 . 5 . % O ; N ! N I = O
@
0 . 1
1 0 4 105 106
Number o f C y c l e s N
図
3
疲労寿命幽線( ε a ‑ N
曲線)明瞭で'なく,寿命の主たる影響因子はひずみ撮幅で あることがわかる。温度条件では,低温による寿命 上昇効果が認められる。 最小二乗法近似した図中の 各温度における寿命曲線で,室温に対する低温(ー
5 S
0C)
の寿命上昇比を推定すれば,ゐ=0.3875%
で は約2 . 0 4
倍,ゐ=0.25%
では約1.3
倍となっており,らの大きい低寿命側のほうで寿命上昇比が大きく なっていた。
3 ・ 2
繰返し応力の挙動疲労過程中に試験片に発生する繰返し応力(最大 応力と最小応力)を計測した。その一例を図
4
に示 す。応力は試験片切欠き部の公称応力で表したもの である。繰返し応力は,疲労初期に急激に変化し,その後,
定常的な状態を続け,疲労後期に再び大きく変化し ている。しかし,その応力銀幅見は疲労の極〈初期 を除けば,殆ど一定値を呈しているようにみえる。
図
5
は,図4
の場合の疲労初期の繰返し最大応力σ u
と応力振幅のを拡大して示したもので,この図 には,同一ひずみ条件の低温(‑S5
0C )
の場合も併せ て示してある。繰返し数N
が5 0
回付近までは,σ u
, ぬとも上昇し,繰返しひずみ硬化挙動を示してい る。その後,σ u
のほうは下降し,やがて,小さな上 昇,下降を繰返して下降していくが,N
=3 0 0
回付近 では,かなり変化が緩やかになっている。一方,ぬの ほうはN = 5 0
回過ぎから上昇,下降のつりあった 一定値を呈するようになる。温度条件の差異では,σ u
は 低 温 (ー5 5
0C )
のほうが明らかに大きいが, ぬE m ; 2 . 5 . % . t : a ; 0 . 2 5 . % . N I ; 5 5 3 3 6
的目
ω
﹄ 判 的
2x10 ・ 4x10 ・
N u m b e r o f C y c l e s N
図
4
疲労過程の繰返し応力挙動c d
; 200
ト: 2 ・ 2: ; 3 3 : } ε m ; 2
・以t a = 0 . 2 5 . % g b
L喝
あ
100
100 200 300 400 500
N u m b e r o f C y c l e s N
図
5
疲労初期 (N= 5 0 0
固まで)の繰返し最大応カと応 カ振幅の挙動には大差が認められない。以上のよ うな繰返し応力 の挙動は,他の試験条件の場合においても,大略に おいて共通していた。
図
6 ( a ) ‑ ( b )
に, 平均ひずみE m
が,5
%,3 . 75%
,2.5%
のときの,σ u
とのの挙動を示した。横軸の疲 労過程は寿命比NjNf
で表してある。これらの各図 から一般的な傾向をみると,試験片に発生する繰返 し応力は図4
でみたような三つの段階を経過して変イ J I
していることカfわかる。まず,
σ u
についてみると,疲労の極く初期で一時 上昇してから,急激な下降をみせる。続いて,室温 秋岡高等研究紀要第3 0 号
‑55 ・ C
および室温でのS15C
切欠き材のひずみ制御低サイクル疲労挙動 では寿命比0 . 0 5
過ぎ,‑55.C
では0 . 1
過ぎ頃から,以後の疲労の大部分の期間を,若干の上昇と下降を繰 返しながら, (極めて緩やかに下降し続けたり,少し 上昇したりする場合もあるが, )大略では一定値を呈 しているかのようにみえる状態が続く。そして,疲
〈
MeanS t r a l n 5%)
0 . 2 0 . 4 0 . 6 0 . 8 Cycle R a t l o NlN f
図
6 ( a )
最大応力と応力振幅の挙動( e m = 5
%)ε E2 ∞
2
話3 a g v
n u n u n u n u
司' h t t
︒ 匂 コ 畠
﹄
a
E d
司
ω g
﹄ 窃
2400 2
∞
∞
︒
JH司孟ωω Em wE
コ
E ‑雷同H 何雲
aE V
∞
∞
n 4 4
・ 0
勺 コ モ
a g
d
﹃
ω g
﹄ 窃
Ea (%)
・
55 ・ c ー 『 ・ 一 一 0 . 2 7 5 0
・
55 " C 一 一 ・ ← ‑ 0 . 3 8 7 5 R . T . 一 亡 ト 州 問
R . T
一 合 ‑0 . 2 6 :
おR .T.‑‑01375
。 1 . 0
(Mean S t r a l n 3.75%)
Ea(%)
. 5 5 " C ‑.‑ 0 . 2 6 2 5
・
5 5 " ( ; ー ・ ー 0 . 3875 R . T . ー乎‑ 0 . 1 6 2 5 R . T .
‑t.缶‑0 . 2 6 2 5
日T . ‑‑(ト 0 . 3 8 7 5
。 0 . 2 0 . 4 0 . 6 0 . 8
Cycle R a t l o NlN
f1 . 0
図6(b) 最大応力と応力振幅の挙動( σ i n = 3.75%)
(Mean St
悶I n 2 . 5
均省 内 出 言 }
ω
例 ︒ ﹄m w
。
1 . 0 0 . 2 0 . 4 0 . 6 0 . 8
Cycle R a t l o N 川
f図
6
(c) 最大応力と応力振幅の挙動(品=2.5%)
労後期の寿命比0.8‑0.9
過ぎから,また明瞭な下降 現象が再開され,寿命が近付くにつれ急激となる。σu
が定常状態にある第2
段階の期間では,σu
の 値に,規則性やひずみ振幅の大小の明瞭なる影響は 認められず,それぞれの平均ひずみのもとで,σu
は 近い値となっている。また,平均ひずみεm
が2.5%
と
3.75%
では,温度の影響が現れ,低温(ー5 5 ・ C )
の ほうが大きい値となるが, Em = 5%
では低温(‑55 . C )
と室温との値には大差がみられない。つぎにぬについて述べる。全ての試験片で,
N = 5 0
回程度で,ひずみ硬化を示す応力の上昇がほぼ終 わり,その後は,若干の上昇(硬化)や下降(軟化) を繰返すが,寿命間際までほぽ一定値を示す定常状 態が続いている。この期間のぬの値はひずみ振幅に 依存し,平均ひずみや温度の影響は極めて少ないことが観察される。
図には繰返し最小応力
σL
の挙動を表していない 杭 以 上 の 結 果 で 見 ら れ たσu
の下降現象は,同時 に,σ L
の下降(すなわち圧縮力の上昇)を示してい るものである。σL
は,疲労開始直後のσu
が一時上昇 するときでも,下降し続けていた。そして,この時 期はのの上昇期間に相当していた。疲労初期の繰返し応力挙動は,繰返しと共に,上 限のひずみ
( ε u )
に対する引張力は低下し,下限のひ ずみ(εL)に戻るための圧縮力が上昇している現象で あって,塑性伸び変形が増大して行く過程を示唆し‑ 3 8
ーはあるが,
0 . 1
と0 . 5
には大差がなく,0 . 9
ではかなり の下降が認められる。しかし,E : u
やεm .
ねによる規 則性は明瞭 ではない。つぎに,σu
とεu
の関係をみる と,やや相闘がみられ,εu
が増大するとσ u
もわずか に増大する傾向がみられる。また,同一レベルのε u
に対しては,ε u: : : : 4 %
程度以下では低温(‑55 " C )
での
σu
は室温よりもかなり大きな値をとるが,ε u
が5%
程度になると大差がなくなっている。図
8
は, N j N f
が0 . 0 5
と0 . 5
お よ び0 . 9 5
のときの むと のの関係を示したものである。この図では,σ m
が異なっていてもN j Nf
の み で1
個 の 記 号 に 統ーしている。例 え ば,室温で
NjNf : : : : 0 . 0 5
のO
印のそ れぞれには,ε m
が5%
,3.75%
,2.5%
やεLj ε u
ニO
の試験条件の場合がある。図から,ゐが大きいほう では, ぱらつきが大きくなるが,らとのの関係は,おおむねでは, 一つの直線上に収束しているとみな し得る。したがって, 試 験 片 に 発 生 す る の に は
εm
や 温度の影響は殆どみられず,むにのみ依存していることカfわカ る。
富野泰治・ 安藤正昭 ・大山博史
ているものと考えられる。これに対して,疲労後期 の挙動は,主に,き裂の発生と拡大に伴う現象で,
ε u
に対する引張力はき裂の拡大とと もに当然小さ くなり,εL
に対する圧縮力の上昇は,き裂付近の塑 性変形の増加に伴う現象であると考えられる。図
7
は,比較的緩やかに変化している第二段階の 期間でのσu
の様相を示したものである。1
個 の 試 験 片で観 測 さ れ た,寿 命 比Nj Nf
が,それぞれ,0 . 0 1
,0 . 5
,0 . 9
のときのσ u
を縦軸に,その試験片に 与えられた最大ひずみε u (= E :
m+
EB)を横軸にとっ ている。 図中の,3
個の記号を縦に重ねた直線はl
個の試験片の結果を意味し,破線は各試験片のN j Nf : : : : 0 . 5
で示された傾向の大略を示す。また,同一グ /レープのεm
での横方向の変化はらの大小によるも のである。図より,
σ u
はN j Nf
の増加に伴い下降する傾向にさ
ム4 .
荷量制御疲労試験結果との関連について前報6)では,本報告と同じ試験片を用いた片振り の荷重制御の塑性疲労試験を行った。その結果と本 実験結果との関連について以下に検討を試みる。
( 1 )
低温(‑55 " C )
による寿命上昇効果は,ひずみ 制御ではひずみ振幅の大きいほうが,荷重制御では 応力振幅の大きいほうが,増大している。すなわち, 低寿命側で上昇効果が大きくなる。( 2 )
荷重制御では塑性伸びの挙動が大略3
段階を 経過して破断に至るのに対し, ひずみ制御でも試験 片に発生する抵抗応力の挙動が3
段階を経過して破 断に至る。ひずみ制御での応力挙動も塑性変形に伴 う現象であって,塑性疲労の現象の本質では,両者 の試験に同じ結果が現れている。( 3 )
荷重制御では,1
サイクルの繰返し伸び幅は,疲労過程の大部分において,一定値を呈し,それら の値については, 主に繰返し応力幅にのみ依存し,
最 大応力的や温度の影響は極めて少なかった。こ れに対し,ひずみ制御では,疲労過程の大部分,
1
サイクルの応力振幅 ぬ が一定値を呈し,ぬの値は, ひずみ振幅ε a
に依存し,平均ひずみεm
や温度の影 響は見られない。いま,前報での繰返し伸び幅を,本報告の場合と 同様に,試験片の板状 部 分
40mm
の公称、ひずみで評 価し,ひずみ振幅ε a
と応力振幅ぬの関係で整理し件
「
三L,を
‑ J Z ; ? ? ; : ‑
f 可 安
( 0
仏 三 )
コ
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b
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tEJ
AUE
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‑ ‑
M円O
目 ︒
2 3 4 5 6 Mαximam S t r a i n ε u ( % )
島
'
/
令委長
最大ひずみと最大応力の関係
。
;N州
1=0.05,0 ;
=0.50 ト( R . T )
く 〉 ・ = 0 . 9 5
J・
;
=0.051
A:
=0却 卜
(‑55匂
•
図
7
可
ω
33
a‑.
~ 1 0 0
(/) 田
直3
U
~ 】1 0
喝守 3 0 0
c....
、 豆
・. . . .
g 2 0 0
0 . 5
(%)0 . 4 ε
。0 . 1 0 . 2 0 . 3 S l r o l n A m p r i l u d e
。
秋岡高等研究紀要第 3 0 号
ひずみ掻幅と応カ振幅の関係図
8
‑55 ・ C
および室温でのS15C
切欠き材のひずみ制御低サイクル疲労挙動直すと図
9
のようになる。この図に,本実験の図8
のN/Nf = 0 . 5
の結果を併せて示した。図
9
より,荷重制御でもひずみ制御でも,らとσ a
は極めて強い相闘があり,試験法の違いにも関係な し一つの直線関係で表きれるような傾向にあるこ とがわかる。ただし,ひずみ制御のほうが少しばら つきは大きいようである。
この結果より,前述の図
3
の寿命曲線(ε‑N
曲線) の ら をN/Nf
=0 . 5
のときの応力撮幅で評価し直 して,S ‑ N
曲線に変換しまた,前報告の荷重制御 でのS‑N
曲線も両対数グラフに変えて,両者を合わ せて示すと図1 0
のようになった。図から,本実験の ひずみ制御の結果は,前報告の平均応力O"m
ニ1 6 1 . 7 Mpa
の結果に近い結果となっていることが観察さ300
( 0
丘三)
g200
n u
n U
8 2 E L
﹄ あ g
主
。 2 0 0
、、ー' b
o
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5
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~ 100 . 2 90 玄 8 0 E 70
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1 6 → . .f%(R . T )
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'C)~: "3.75%(
・5 5
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'C).~
0; … )
%(益的•
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〆/L o c d C o n t r o l
d.;Um叶6 1 . 7MPo ( R . T )
ロ;
: : 2 . 0 MPa ( R . T ) 企; = 1 6 1 . 7 MPa ・ ( 55 ・ 0
・; =240MPo ・ ( 5 5
・q
。 0 . 1 0 . 2 0 . 3 0 . 4 0 . 5
S t r a i n Ampriludeεa ( . % )
図
g
ひずみ振幅と応力援幅の関係℃
d
一T均 的 一R J・
M一
G O
O‑
c d
﹄
3 ? b z
Load c o n f r o l
一一‑‑‑O'
m=161 1 6
1.. 7 7 MPo MP ロ I ( ( R ‑ . 5 T ) 5 C) 240 MPo ( R . T ) 240 MPo (‑55 C)
1 0 4 10 5 10 6 10 7 Number o f Cycles N
図
1 0 S‑N
幽線、
、ー・・・ーー申令れる。また,この図と図
3
を対比すると,図3
でみ られた,ひずみ振幅同一レベルでの寿命のばらつき は,実際に試験片に発生した応力掻幅の差によるも のであることが推察される。( 4 )
荷重制御では,疲労中の塑性伸びの挙動は,応力振幅
σ a
には依存せず,繰返し最大応力的に支 配され,塑性伸びと σuの関係は大略では直線的関 係がみられた。これは,換言すれば,繰返し:最大応 力的と最大ひずみεu
との関係に相当する。これに 対して,ひずみ制御では,σu
とεu
には荷重制御のよ うな強い相関は認められなかった。これらは,変位 無拘束の荷重制御と,変位が拘束されているひずみ 制御の違いによるもので,ひずみ制御では塑性疲労 に伴う塑性伸びの現象がσu
の下降として現れることによる相違であると考えられる。
以上の検討結果より,荷重制御とひずみ制御では,
その塑性披労挙動の本質的な現象においては差異は 認められないようであった。
5 .結 毛主~
" "
前報の片撮り荷重制御疲労試験に引き続いて,同 じ
U
形ノッチを有する試験片(S15C)
を用い,片振 りのひずみ制御低サイ クル疲労試験を,室温と低温(‑55 ・ C )
で行った。得られた主な結果を要約すればつぎのとおりであ る。
( 1 )
繰返し平均ひずみは,実験範囲の5 %
以下では,疲労寿命に影響を及ぽきない。ひずみ振幅が疲労 寿命の主たる影響因子となっている。
(2) 低温(ー
55.C)
による寿命上昇効果は,ひずみ振 幅が大きいほうの低寿命側で増大する傾向がみら れる。(3) 1サイクルの繰返し応力張幅は,疲労の極く初 期と破断寿命間際を除けば,疲労過 程中,殆ど変 化しないで一定値を呈している。 その値はひずみ 掻幅に依存し,平均ひずみや温度の影響は殆ど認 められない。
(4) 疲労過程中の最大応力は,疲労初期と後期に大 きい下降を示す。その中間部の疲労過程では極め て緩やかに下降し続けるものや.ほぽ,一定値を 呈しているような場合がある。
( 5 )
その疲労中期の最大応力は,最大ひずみとやや 相闘がみられる。同一レベルの最大ひずみにおい ては,低温(‑55.C)
のほうが室温より大きいが,最大ひずみが,大きいほうの,
5 %
程度になると‑ 40‑
宮野泰治・安藤正昭・大山博史
大差がな{なる。
( 6 )
前報告の荷重制御疲労試験の結呆との関連を検 討すると,塑性疲労の挙動の本質的な面では,制 御条件の違い等の試験法の差異による影響は認め られず,低温(‑5 5 . C )
の影響にも大きな差異はなし、。
参考文献
1 )
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宮野,安藤,ほか2
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秋田高専研究紀要第