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雑誌名 グローバル化とマネーの太平洋. 塩田光喜編. (ア

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(1)

グローバル化と政治的不安定性 : フィジー諸島共 和国二〇〇六年クーデタ後の臨時政権の正当性をめ ぐる闘争を事例として

著者 丹羽 典生

雑誌名 グローバル化とマネーの太平洋. 塩田光喜編. (ア

ジア経済研究所調査研究報告書 ; 2010)

ページ 67‑86

発行年 2012‑03‑01

URL http://hdl.handle.net/10502/5123

(2)

塩 田光 喜 編 『グ ロー バ ル 化 とマ ネ ー の太 平 洋 』 調 査 研 究 報 告 書 ア ジア 経 済 研 究 所2012年

第3章

グ ロー バ ル 化 と政 治 的不 安 定性 フ ィ ジー 諸 島共 和 国 二 〇 〇 六年 クー デ タ後 の 臨時 政 権 の正 当性 をめ ぐる闘争 を事 例 と して

丹羽典 生

要 旨:

本 稿 で は 、 グ ロ ー バ ル 化 と紛 争 な ど の 政 治 的 不 安 定 性 と の 関 連 と い う視 点 か ら 、 フ ィ ジ ー 諸 島 共 和 国 で も っ と も 近 年 に 起 き た 二 〇 〇 六 年 の ク ー デ タ とそ の 後 の 政 治 的 展 開 と課 題 を 事 例 と して 考 察 す る 。 フ ィ ジ ー は 、 一 九 八 七 年 に オ セ ア ニ ア 史 上 最 初 の ク ー デ タ が 発 生 し て か ら政 治 的 混 乱 の 絶 え な い 国 で あ る

。 これ ま で の ク ー デ タ が 先 住 民 民 族 主 義 と親 和 性 の 高 い 政 治 的 主 張 を 掲 げ て い た の に 対 し て 、二 〇 〇 六 年 の そ れ で は 、 ガ バ ナ ン ス と い う市 民 主 義 的 要 求 を 旗 印 に し た ク ー デ タ と い う意 味 で 、 独 特 な位 置 づ け に あ る。 本 稿 で は 、 ク ー デ タ 発 生 か ら現 在 ま で 、 目的 と し て 当 初 掲 げ て い た ガ バ ナ ン ス の 理 念 を 、 臨 時 政 権 側 が い か な る 政 策 を 通 じ て 実 現 し よ う と して い る の か 、 反 対 勢 力 と の 折 衝 、 先 住 系 フ ィ ジ ー 人 の 今 回 の ク ー デ タ に 対 す る意 見 に も 触 れ つ つ 分 析 を す る 。 そ し て 、 軍 に よ っ て 決 行 され た 二 〇 〇 六 年 の ク ー デ タ と そ の 後 の 臨 時 政 権 に よ る 正 当 化 の 確 執 に 焦 点 を 当 て る こ と を 通 じ て 、 言 説 の 上 で は 広 義 の グ ロ ー バ ル 化(近 代 化 路 線)と 親 和 性 が 高 い よ う に み え る 二 〇 〇 六 年 の ク ー デ タ も 、 実 践 の 水 準 で は 違 っ た 姿 が み え て く る こ と を 指 摘 す る 。

***

1.は じ め に

本 稿 で は 、 オ セ ア ニ ア に お け る グ ロ ー バ ル 化 と い う現 象 に 対 して 、 グ ロ ー バ ル 化 と 政 治 的 不 安 定 性 と の 関 連 と い う視 点 か ら考 察 す る こ と を 目 的 と す る 。 よ り具 体 的 事 例 と し て 、 フ ィ ジ ー 諸 島 共 和 国 で 近 年 生 起 し た ク ー デ タ と い う政 治 的 な 問 題 の な か で 、 ガ バ ナ ン ス と い う問 題 が ど の よ う に 提 起 され 、 そ れ を め ぐ っ て ど の よ う な 過 程 が 巻 き 起 こ され た の か と い う観 点 か ら分 析 す る 。

グ ロー バ ル 化 の 現 象 を め ぐ っ て は 、 人 文 社 会 科 学 の み な らず さ ま ざ ま な 研 究 蓄 積 が 生 み 出 され て い る。 人 類 学 に お い て も これ ま で の 地 域 特 有 の 文 化 とい う考 え 方 を 批 判 し て 、 文 化 の フ ロ ー と して の グ ロ ー バ ル 化 を と ら え よ う と い う視 点 か ら理 論 構 築 が な

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され て い る[ア パ デ ュ ラ イ2004]。 そ れ 以 外 の 移 民 や グ ロ ー バ ル 化 の 反 動 と し て の 宗 教 復 興 な ど の 現 象 に 着 目 し た グ ロ ー バ ル 化 の 研 究 と な る と枚 挙 に い と ま が な い[大 塚 2002]。 そ の な か で 、オ セ ア ニ ア に お け る グ ロー バ ル 化 と そ れ に 関 連 す る諸 問 題 に つ い て 人 類 学 的 見 地 か ら考 察 を加 え た 風 間 計 博 の 論 考 は 本 稿 に と っ て よ き 出 発 点 と な る と 考 え られ る[風 間2009]。

風 間 に よ る と 、 これ ま で の 研 究 で 漠 然 と グ ロ ー バ ル 化 と して 語 られ た 現 象 は 、 「グ ロ ー バ ル な 近 代 化 」 と 「ポ ス ト近 代 的 な グ ロ ー バ ル 化 」 の ふ た つ に 区 分 す る こ と が で き る と い う。 前 者 が 、 十 五 世 紀 の 大 航 海 時 代 を 基 点 とす る歴 史 的 変 化 を 指 し、 大 文 字 の 西 洋 近 代 と重 ね られ る こ と が 多 い 国 民 国 家 、 資 本 主 義 、 民 主 主 義 、 科 学 的 認 識 論 な ど の 諸 制 度 に 帰 結 し た グ ロー バ ル 化 と定 義 で き る(広 義 の グ ロ ー バ ル 化)。 そ れ に 対 し て 後 者 は 、 二 十 世 紀 後 半 を 出 発 点 とす る 、 情 報 通 信 技 術 の 爆 発 的 革 新 と経 済 的 に は 新 自 由 主 義 的 経 済 の 進 展 と平 行 し て 生 み 出 され た 現 象 と され る(狭 義 の グ ロ ー バ ル 化)。 前 者 が ウ ォ ー ラ ー ス テ イ ン の 世 界 シ ス テ ム 論 に み られ る よ うに 中 心 ・半 周 辺 ・周 辺 と し て 階 層 化 され た 世 界 秩 序 を 生 み 出 した の と対 照 的 に 、 後 者 は ヒ ト ・モ ノ ・情 報 の トラ ン ス ナ シ ョ ナ ル な 移 動 に よ り 非 構 造 的 な 錯 綜 状 況 を 生 み だ し て い る と い う[風 間 2009]。 注 意 が 必 要 な の は 、 前 者 の グ ロ ー バ ル 化 に 後 者 が 取 っ て 代 わ っ た 訳 で は な く 、 十 五 世 紀 以 降 の 歴 史 の 流 れ に 二 十 世 紀 後 半 以 降 の 変 化 が 重 な り合 う こ とで 、 単 一 の 現 象 と し て 語 られ が ち な グ ロ ー バ ル 化 の 複 雑 性 を 読 み 解 く こ と が 可 能 に な る こ と で あ ろ

う。

以 上 の よ うに 整 理 す る と 、 オ セ ア ニ ア に お け る グ ロ ー バ ル 化 を 考 察 す る 際 の 視 角 と し て 重 要 な の は 、 広 義 の グ ロ ー バ ル 化 で あ る 西 洋 近 代 発 の 国 家 体 制 が 根 付 く前 に 、 第 二 の 近 代 化 の 波 に さ ら さ れ る とい う二 重 の 事 態 が 起 き て い る と い う点 で あ る 。 政 治 的 問 題 に つ い て も 、 第 二 の グ ロ ー バ ル 化 は 、 国 民 国 家 体 制 の 再 編 を 通 じて 冷 戦 後 に 生 起 し て い る 世 界 各 地 の 地 域 紛 争 な ど と 関 連 し て い る と され る が 、 オ セ ア ニ ア も 決 し て そ の 例 外 で は な い[cf.風 間2009]。 い うま で も な く 、 近 代 性 を 十 全 に 達 成 して い な い と い う認 識 は 、オ セ ア ニ ア に 限 らず 、第 三 世 界 の 諸 国 は も と よ り、 「未 完 の プ ロ ジ ェ ク ト

と し て の 近 代 」 と い う視 点 が ドイ ツ の 哲 学 者 ユ ル ゲ ン ・ハ ー バ ー マ ス か ら提 起 され た こ と か ら も伺 え る よ うに[ハ ー バ ー マ ス2000]、 近 代 的 諸 制 度 の 発 端 の 地 と され る ヨ ー ロ ッパ 諸 国 の 問 に さ え程 度 の 違 い は あ れ 存 在 し て い る 。 オ セ ア ニ ア 地 域 の 特 徴 は 、 グ ロ ー バ ル 化 に ま つ わ る そ う した 一 般 的 な 問 題 が 、 地 域 的 特 色 も相 ま っ て よ り極 端 な か た ち で 現 出 し て い る こ とに あ る とい え る だ ろ う。 た と え ば 、 オ セ ア ニ ア 諸 国 が 独 立 期 を 迎 え る の は 一 九 六 〇 年 代 も 後 半 に な っ て か ら で あ る。 ま た 国 民 国 家 の 規 模 の 問 題 を 考 え て み て も 、 オ セ ア ニ ア 諸 国 の ほ とん ど が 、 人 口規 模 が 百 万 に 満 た な い 国 家 の 範 疇 に 該 当 し て い る[田 中2007:7‑11]。

い わ ば 、 国 民 国 家 を は じ め とす る 近 代 的 制 度 を 自前 で 運 営 す る と い う歴 史 的 経 験 が

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十 全 に 果 た され る 前 に 脱 近 代 的 な 歴 史 の 潮 流 に 押 し流 され て い る わ け で あ る 。 の み な らず 天 然 資 源 や 人 口 な ど国 家 の 近 代 的 制 度 の 土 台 に 関 わ る 点 に 本 質 的 な 脆 弱 性 を 抱 え る と い う条 件 の 下 で 、 ポ ス ト近 代 の グ ロ ー バ ル 化 の 荒 波 に 巻 き 込 ま れ た オ セ ア ニ ア こ そ 、 グ ロー バ ル 化 に 伴 う諸 問 題 が も っ と も先 鋭 な 形 で 現 出 して い る 地 域 で あ る と い え よ う。

本 稿 で は 、 ふ た つ の グ ロ ー バ ル 化 の 波 に さ ら され た オ セ ア ニ ア に お い て 産 み 出 され た 政 治 的 不 安 定 性 の 問 題 に 焦 点 を 当 て て 議 論 し て い き た い 。 具 体 的 事 例 と して は 、 フ ィ ジ ー に お け る 二 〇 〇 六 年 の ク ー デ タ とそ の 後 の 臨 時 政 権 に よ る 正 当 化 の 確 執 を 取 り 上 げ る 。 フ ィ ジ ー は 一 九 八 七 年 に オ セ ア ニ ア 史 上 最 初 の ク ー デ タ が 発 生 して か ら政 治 的 混 乱 の 絶 え な い 国 で あ る 。 二 節 で は 、 こ う し た 政 変 の 絶 え な い フ ィ ジ ー に お い て 、 こ の ク ー デ タ が ガ バ ナ ン ス を 掲 げ た ク ー デ タ と い う意 味 で 、 独 特 な 位 置 づ け に あ る こ と を 示 す 。 三 節 で 、 ク ー デ タ 発 生 後 四 年 た っ た 現 在 ま で 、 当 初 に ク ー デ タ の 目的 と し て 掲 げ た ガ バ ナ ン ス の 理 念 を 、 臨 時 政 権 側 が い か な る政 策 を 通 じて 実 現 し よ う と し て い る の か に つ い て 、 反 対 勢 力 と の 折 衝 に も触 れ つ つ 記 述 ・分 析 を す る 。 つ い で 、 四 節 に お い て 、 先 住 系 フ ィ ジ ー 人 の 今 回 の ク ー デ タ に 対 す る意 見 に つ い て 考 察 して い く。

以 上 を 通 じ て 、 言 説 の 上 で は 広 義 の グ ロ ー バ ル 化 と親 和 性 が 高 い よ う に み え る 二 〇 〇 六 年 の ク ー デ タ も 、 実 践 の 水 準 で は 違 っ た 姿 が み え て く る こ と を 指 摘 す る。

2.フ ィ ジ ー の ク ー デ タ 史 か ら み る 二 〇 〇 六 年 の 特 徴

2‑1フ ィ ジ ー の ク ー デ タ に 関 す る研 究 史

二 〇 〇 六 年 の ク ー デ タ 以 降 の 展 開 に 関 す る 具 体 的 な 分 析 に 入 る 前 に 、 こ れ ま で の フ ィ ジ ー の ク ー デ タ の 歴 史 に位 置 づ け 、 次 項 で 今 回 の 史 上 四 度 目 に 当 た る 二 〇 〇 六 年 ク ー デ タ の 特 質 に つ い て 提 示 して お く。 フ ィ ジー で は 、 一 九 八 七年 五 月 、 同年 九 月 、 二

〇 〇 〇 年 五 月 に ク ー デ タ が 起 き て い る(1)(本 稿 で 「こ れ ま で の ク ー デ タ 」 と記 述 す る 際 は 特 に こ の 三 回 の ク ー デ タ を 指 し て い る)。 そ の い ず れ も が 、以 下 の 二 点 の 要 因 が あ る と分 析 され て き た 。

ま ず 、 フ ィ ジ ー に 内 在 す る 民 族 間 対 立 の 問 題 で あ る。 一 九 世 紀 末 に 大 英 帝 国 の 政 策 に よ っ て 導 入 され た イ ン ド人 労 働 者 は 、 サ ト ウ キ ビ産 業 の 従 事 者 と して 確 た る 経 済 的 地 歩 を 固 め る の み な らず 、 一 九 五 〇 年 代 に は フ ィ ジ ー の 総 人 口 の 五 〇 パ ー セ ン ト以 上 を 占 め る な ど政 治 的 に も影 響 力 を も つ 存 在 と 目 され て い た 。 対 して 先 住 系 フ ィ ジ ー 人 は 先 住 民 保 護 政 策 の 結 果 、国 土 の 八 三 パ ー セ ン ト以 上 の 土 地 所 有 権 を 確 保 した も の の 、 大 多 数 が サ ブ シ ス テ ン ス な 経 済 水 準 に と ど ま っ て い た 。 独 立(一 九 七 〇 年)以 降 も 、 先 住 民 と移 民 の 末 喬 の イ ン ド人 と の こ う し た 政 治 経 済 的 な 利 害 対 立 の 調 整 は 、 重 要 な 課 題 と され て き て い る[丹 羽2005,2010a]。

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これ ま で の ク ー デ タ に お い て も 、 こ う し た 二 大 民 族 の 対 立 が 原 因 とな っ て 引 き 起 こ され た 側 面 こ と に 自 国 内 で 従 属 的 な 地 位 に 置 か れ る こ と を 恐 れ た 先 住 系 フ ィ ジ ー 人 ナ シ ョナ リ ズ ム の 側 面 は 、 明 白 に 読 み 取 る こ とが で き る[e.g.Scarr1988]。 ク ー デ タ が 起 き た の は い ず れ も イ ン ド人 が 支 配 的 と され る政 権 が 誕 生 した 時 で あ る し 、 ク ー デ タ 実 行 者 は、 つ ね に フ ィ ジ ー 人(以 下 、 断 りが な い 限 り、 フ ィ ジ ー 人 と は 先 住 系 を 指 す)に よ る フ ィ ジ ー の 支 配 と フ ィ ジ ー 人 の 経 済 的 生 活 水 準 の 向 上 へ の 配 慮 を 唱 え て い た 。 ま た 、 フ ィ ジ ー 人 の あ い だ で 強 い 影 響 力 を も っ て い る公 的 組 織 や 機 関(メ デ ィ ス ト教 会(2)、大 首 長 会 議(GCC:GreatCouncilofChiefs)(3)、 フ ィ ジ ー 軍(4)など) も ク ー デ タ を 支 持 して い る こ と は 注 目 に 値 す る 。 ク ー デ タ 実 行 者 お よ び ク ー デ タ の 支 持 者 は 、 つ ね に 民 主 主 義 は 「外 来 種 の 花 」 で あ り[Larmour2005]、 フ ィ ジ ー の 土 地 に は な じ ま な い と主 張 し て き た 。

一 方、 以 上 の よ うな 民 族 的 な 要 因 を 認 め つ つ も 、 ク ー デ タ の 起 き た 背 景 と して 階 級 的 な 側 面 に 注 意 を 呼 び か け る 論 者 も い る[cf.RobertsonandTamanisau1988]。 彼 ら は 、 一 九 七 〇 年 の 独 立 を 経 て

、 近 代 化 、 都 市 化 が 加 速 的 に 進 展 し て い る フ ィ ジ ー に お い て は 、 民 族 間 の 差 異 よ り も 、 民 族 を 横 断 す る よ うな 経 済 的 な 格 差 の 影 響 が 大 き く な っ て き て い る と指 摘 す る。 ま た 、 経 済 開 発 に 乗 り遅 れ た 貧 し い フ ィ ジ ー 人 と経 済 的 に 裕 福 な イ ン ド人 と い う対 立 的 な イ メ ー ジ は 統 計 的 な デ ー タ に 基 づ い た 事 実 で な い と指 摘 し 、 民 族 を 横 断 す る経 済 的 格 差 や 利 害 関 心 の 多 様 化 に 着 目す る。 事 実 、 一 九 八 七 年 の 総 選 挙 で 争 っ た 二 大 政 党 の 対 立 は 、 経 済 的 な 階 級 間 の 争 い と読 み 替 え る こ とが 可 能 な 側 面 も あ る 。 た と え ば 、 勝 利 を 収 め た フ ィ ジ ー 労 働 党(FijiLabourParty)は 、 当 時 成 長 しつ つ あ っ た 都 市 中 間 層 、 ホ ワ イ トカ ラ ー そ し て 労 働 組 合(い ず れ も 多 様 な 民 族 に よ っ て 構 成 され て い た)の 支 持 を 得 た 政 党 で あ っ た し、敗 北 した 同 盟 党(AllianceParty) は 農 村 部 で 生 活 す る 保 守 的 傾 向 の 強 い フ ィ ジ ー 人 を 中 心 的 支 持 母 体 と し て い た 。

先 ほ ど の グ ロ ー バ ル 化 に 関 す る 議 論 に 引 き つ け て ま と め る と 、 こ れ ま で の フ ィ ジ ー の ク ー デ タ は い ず れ も 冷 戦 後 の 世 界 の 再 編 と い う歴 史 的 社 会 的 状 況 に お け る 民 族 対 立 の 激 化 と い う、 一 九 世 紀 後 半 の ポ ス ト近 代 的 な グ ロ ー バ ル 化 を 時 代 背 景 と し て 起 き て い る 紛 争 の 一 例 と い え る 。 一 方 で 、 ク ー デ タ の ス ロ ー ガ ン 自 体 は 、 グ ロ ー バ ル 化(広 義 の 方)の 帰 結 で あ る 民 主 主 義 とい う政 治 制 度 に は な じ ま な い 、 フ ィ ジ ー 文 化 の 尊 重 を 対 置 し て 訴 え て い る とい う特 徴 が あ っ た 。 つ ま り西 洋 近 代 的 諸 制 度 が グ ロ ー バ ル 化 す る 過 程 で 、 民 主 主 義 とい う制 度 も 、 普 遍 的 規 範 で あ る か の よ うに フ ィ ジ ー に 導 入 さ れ た 現 実 が あ り、 そ れ に 対 して 民 主 主 義 に な じ ま な い フ ィ ジ ー の 特 殊 個 別 的 な 伝 統 文 化(首 長 制 度 な ど)が 保 守 さ れ る べ き 対 象 と し て も ち だ され て き た の で あ る 。 い わ ば こ れ ま で の ク ー デ タ は 、 普 遍 に 対 す る 個 別 の 保 持 と い う意 味 で 、 反 グ ロ ー バ ル 運 動 と

し て の 側 面 を 有 し て い た と い え よ う。

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2‑2二 〇 〇 六 年 ク ー デ タ 初 期 の 特 色

本 稿 の 対 象 で あ る ク ー デ タ は 、 二 〇 〇 六 年 一 二 月 に 軍 の 司 令 官 ヴ ォ レ ン ゲ ・バ イ ニ マ ラ マ(V6reqeBainimarama)に よ っ て 起 こ され た 。 フ ィ ジ ー 軍 が こ れ ま で の ク ー デ タ の 反 省 か ら フ ィ ジ ー 人 ナ シ ョナ リ ズ ム に 厳 格 な 態 度 で 挑 ん で い た の に 対 して 、 追 放 され た 政 権 の 首 相 ラ イ セ ニ ア ・ガ ラ セ(LaiseniaQarase)は 、 フ ィ ジ ー 人 第 一 の 政 党SDL(SoqosoqoDuavataniLewenivanua:統 一 フ ィ ジ ー 党)の 党 首 と し て フ ィ ジ ー 人 ナ シ ョ ナ リズ ム の 勢 力 と結 託 した 政 権 運 営 を 二 〇 〇 〇 年 ク ー デ タ の 直 後 か ら行 っ て い た 。 そ う し た ガ ラ セ の 政 権 の 舵 取 り に 、 バ イ ニ マ ラ マ は 以 前 か ら批 判 的 で 、 両 者 は 一 触 即 発 状 態 に あ っ た 。 二 〇 〇 六 年 ク ー デ タ は 、 二 〇 〇 六 年 の 総 選 挙 で フ ィ ジ ー 人 か ら の 熱 烈 な 支 持 の も と再 選 され た ガ ラ セ 政 権 が バ イ ニ マ ラ マ 率 い る 軍 部 と の 交 渉 に 失 敗 し た こ と に 端 を 発 して い る 。 こ の ク ー デ タ 以 降 現 在 ま で 、 フ ィ ジ ー は 先 の 軍 の 司 令 官 バ イ ニ マ ラ マ を 首 相 と し て い た だ く 臨 時 政 権 の も と に お か れ て い る[丹 羽2010b]。

つ ま り二 〇 〇 六 年 ク ー デ タ に よ っ て 成 立 し た 臨 時 政 権 は 事 実 上 の 軍 事 政 権 で あ る 。 二 〇 〇 六 年 ク ー デ タ の 初 期 の 特 質 に 関 す る 研 究 も 次 第 に 産 み 出 さ れ て い る [FraenkelandFirth2007;Fraenke1,FirthandLa12009]。 ク ー デ タ 初 期 の 特 徴 に 関 す る 先 行 研 究 を 参 照 しつ つ 、 今 回 の ク ー デ タ に 顕 著 な 特 色 を 分 析 して み る と、 前 節 で 触 れ た フ ィ ジ ー の 歴 代 の そ れ と 対 照 的 な 特 質 を も っ て い る こ と が 分 か る[丹 羽 2010b](5)。 今 回 の ク ー デ タ は フ ィ ジ ー 人 に よ る ナ シ ョナ リ ズ ム 的 要 素(先 住 民 と し て の 権 利 の 強 調 す る側 面)が 希 薄 で 、 む し ろ そ う し た 側 面 に 対 して 批 判 的 で あ る こ と。

そ し て フ ィ ジ ー に 住 む す べ て の 民 族 の 平 等 性 を 訴 え て い る こ と で あ る 。 実 際 、 後 に 臨 時 政 権 の 首 相 に 上 り詰 め た バ イ ニ マ ラ マ は 、 ク ー デ タ の 目 的 と して 政 治 腐 敗 の 一 掃 、 つ ま り は ガ バ ナ ン ス を 掲 げ て い た し 、後 に は 、 「フ ィ ジ ー を 近 代 化(modernisingFiji) す る こ と」 と ま で 語 っ て い る[FijiLive9/17/2009]。

彼 の 立 ち 位 置 は 、 別 言 す れ ば 、 こ れ ま で の ク ー デ タ と は 異 な り伝 統 擁 護 な らぬ 近 代 化 を 推 奨 す る 立 場 に あ る と い え よ う。 オ セ ア ニ ア に お け る ガ バ ナ ン ス に 関 す る 論 者 の 中 に は 、 オ セ ア ニ ア に は 西 洋 と は 異 な る 独 自 の ガ バ ナ ン ス の あ り方 が あ る と提 起 す る 人 も存 在 し て い る が[小 柏2008:64]、 バ イ ニ マ ラ マ は 、 組 織 運 営 に お け る透 明 性 や 説 明 責 任 を 高 め る と い う通 常 の 意 味 で の ガ バ ナ ン ス を 提 唱 し て い る。 い わ ば グ ロ ー バ ル 化(広 義 の)に よ りそ うか た ち で フ ィ ジ ー の 近 代 的 改 革 を 押 し進 め よ う と して い る も の で あ る とい え よ う[cf.Fraenke12010:416]。 こ の 点 は 、 これ ま で の ク ー デ タ の 論 理 は も と よ り 、彼 が 追 放 したSDLを 中 心 とす る 政 権 が フ ィ ジ ー 人 ナ シ ョナ リス トの 主 張

と手 を 携 え 、 伝 統 の 保 守 を 唱 え て い た こ と と対 照 的 で あ る 。

ク ー デ タ 後 に 、 選 挙 の 洗 礼 を 経 る こ と な くバ イ ニ マ ラ マ 主 導 の も と組 閣 さ れ た 臨 時 内 閣 は 、 イ ン ド人 政 党 の フ ィ ジ ー 労 働 党(6)二 〇 〇 六 年 選 挙 に お い てSDLに つ い で 多 く の 議 席 を 獲 得 し て い た 、 及 び 国 民 同 盟 党(NationalAllianceParty)(7)二

(7)

○ 〇 六 年 選 挙 で は 一 議 席 も獲 得 す る こ と が で き な か っ た の メ ン バ ー を 主 要 閣 僚 と し て 招 き 寄 せ る こ と に 成 功 し、 さ ま ざ ま な 改 革 に 着 手 し て い っ た 。 そ の 際 、 臨 時 政 権 が 、 ク ー デ タ の 際 に 掲 げ た 理 念 を 実 現 す る た め に 起 草 し た の が 、 人 民 憲 章(People's CharterforChangeandProgress)と 呼 ば れ る 改 革 の 方 向 性 を 示 す 文 書 で あ っ た 。

た だ し 、 ク ー デ タ と い う武 力 を 背 景 に 成 立 し た 臨 時 政 権 の 正 当性 の 基 盤 は 、 当 初 か ら不 安 定 で あ っ た 。 国 内 で は 、SDLか ら 臨 時 政 権 の 違 憲 性 を め ぐ る訴 訟 が 起 こ され て お り、 臨 時 政 権 の 先 行 き 自 体 が 不 透 明 で あ っ た 。 国 際 社 会 か ら の ク ー デ タ へ の 批 判 の 声 は 強 く 、 臨 時 政 権 側 も 妥 協 を 示 して 、 二 〇 〇 九 年 内 に 総 選 挙 を 開 催 す る べ し とい う 欧 州 連 合 か ら の 要 請 を 受 け入 れ て 、 将 来 的 な 政 治 的 秩 序 の 回 復 を 図 る も く ろ み で あ っ た(8)。

そ の た め 、 臨 時 政 権 に と っ て は 、 ク ー デ タ の 理 念 を 実 現 す る た め に 人 民 憲 章 の 作 成 を 打 ち 出 す と 同 時 に 、 ク ー デ タ に よ っ て 必 然 的 に 生 み 出 され た 敵 対 勢 力 と折 衝 す る と い うふ た つ の 側 面 か らの 対 応 が 求 め られ た 。 具 体 的 に は 、 改 革 路 線 の 裏 面 と して 、 反 対 勢 力 へ の 時 に は 暴 力 の 行 使 を 辞 さ な い 軍 に よ る 介 入 を 行 い 、 非 常 事 態 令 を 盾 と し た 集 会 の 自 由 の 禁 止 や メ デ ィ ア へ の 検 閲 を 課 す こ と で 、 臨 時 政 権 は 政 権 批 判 を 封 じ込 め る 策 に で た 。 そ して 臨 時 政 権 と反 対 勢 力 の 角 逐 に は 、 国 際 社 会 か らの 影 響 が 暗 に 陽 に 関 わ っ て い る 。

本 稿 で は 、 以 上 の 三 者(臨 時 政 権 、 反 対 勢 力 、 国 際 社 会)の 関 係 の な か で 、 臨 時 政 権 の 立 ち 位 置 が ど の よ う に 形 成 され 、 理 念 と実 践 の 齪 齪 を 産 み 出 し、 そ う した な か で フ ィ ジ ー 人 の 要 求 が ど う水 路 づ け られ た の か を 考 察 し て い く。 先 行 研 究 で は 二 〇 〇 六 年 ク ー デ タ の 初 期 の 特 質 に研 究 の 紙 幅 が も っ ぱ ら割 か れ 、 フ ィ ジ ー 人 自身 の ク ー デ タ に 対 す る 見 解 に つ い て も あ ま り言 及 され て い な い の で 、 本 稿 で は そ う した 点 に 関 す る 記 述 ・分 析 を ま ず 行 い た い 。 そ の う え で 、 グ ロ ー バ ル 化 と政 治 的 不 安 定 性 とい う視 角 か ら 、 二 〇 〇 六 年 の ク ー デ タ の 展 開 を 事 例 に み え て く る点 を 呈 示 し た い 。

次 節 で は 臨 時 政 権 に よ る 正 当 性 を め ぐ る 闘 争 に つ い て 、二 〇 〇 七 年 以 降 か ら着 目 し、

こ と に 二 〇 〇 九 年 四 月 の 一 九 九 七 年 憲 法 の 破 棄 に 伴 う転 換 点 に 焦 点 を 当 て て 検 討 し て い く。

3.ガ バ ナ ン ス ・ク ー デ タ の 進 展 一 臨 時 政 権 の 理 念 と 正 当 性 を め ぐ る 闘 争

3・1人 民 憲 章 の 制 定 と 二 〇 〇 九 年 の 選 挙 に 向 け た 動 き

ガ バ ナ ン ス と い う 目標 を 掲 げ て 武 力 に よ る 政 権 転 覆 を は か っ た 軍 が 、 臨 時 政 権 を 樹 立 し た 後 に 行 っ た 活 動 に つ い て み て い き た い 。 ク ー デ タ 側 の 理 念 と して 打 ち 出 され た の が 人 民 憲 章 で あ る 。 フ ィ ジ ー の 再 生 に 向 け た 基 本 方 針 を 記 し た 文 書 と な る べ く(9)、

二 〇 〇 七 年 一 〇.月一 〇 日、 フ ィ ジ ー の 独 立 記 念 日に 合 わ せ て 、 人 民 憲 章 の 作 成 に 向 け

(8)

た 活 動 が 大 統 領(10)の手 に よ り公 式 に 打 ち 出 され た[FijiLive10/10/2007;FijiTimes

10/10/2007]。 ま た 、 人 民 憲 章 を 通 じて 、 フ ィ ジ ー に 宿 痢 と し て あ る ク ー デ タ 文 化 を 一 掃 す る こ と が 目 的 と され た 。そ の 位 置 づ け は 、現 行 憲 法 に と っ て か わ る も の で は な く 、 あ く ま で そ れ を 補 う も の と され て い た(11)[Yabaki2009]。

特 筆 す べ き 点 は 、 カ ト リ ッ ク 大 司 教 の ペ テ ロ ・マ タ ザ(PeteroMataca)を 、 人 民 憲 章 の 作 成 過 程 に お け る 議 長 の 役 と し て 招 聰 す る こ と に 成 功 し た こ と で あ る[Lal 2008:2]。 彼 は 、メ ソデ ィ ス トに 次 ぐ フ ィ ジ ー 人 第 二 の キ リス ト教 勢 力 で あ る カ ト リ ッ ク 教 会 の 代 表 者 と して 強 い 影 響 力 を も っ て い た 。 同 時 に 、 これ ま で の ク ー デ タ に 対 す る 厳 し い 批 判 者 と して も 知 られ て お り、 そ う し た 彼 の 加 入 は 、 臨 時 政 権 の 活 動 の 透 明 性 を 説 得 的 に す る の に 一 定 程 度 貢 献 し た(12)。

一 一 月 一 二 日 に は、 人 民 憲 章 の 作 成 作 業 の 活 動 母 体 で あ るNCBBF(National

CouncilBuildingBetterFiji:よ り よ き フ ィ ジ ー 建 設 の た め の 国 民 議 会)へ 参 加 の 呼 び か け が な され[FijiTimes1111712007]、 そ れ に 対 し て 、各 界 の 代 表 者 四 五 名 か ら の 反 応 が 得 られ た(13)。 こ の 会 議 を通 じて 、フ ィ ジ ー の 直 面 す る 問 題 点 を 全 国 的 な 協 議 を 通 じ て 析 出 す る と 同 時 に 、フ ィ ジ ー の 将 来 進 む べ き 道 筋 を 明 確 化 す る こ とが 目指 され た 。

た だ しそ の 過 程 が 順 調 に 進 ん で い っ た わ け で は な い 。二 〇 〇 八 年 一 月 に は 、NCBBF の 第 一 回 会 合 が 開 催 さ れ た も の の 、 当 初 参 加 の 意 志 を 示 し て い た 団 体 か ら も 辞 退 す る も の が あ ら わ わ れ た(14)。 こ と に 、SDL、 メ ソ デ ィ ス ト教 会 、 フ ィ ジ ー 人 教 職 員 組 合 (FijianTeachersAssociation)な ど 、 フ ィ ジ ー 人 が 中 心 的 母 体 とな っ て い る 組 織 一 別 言 す れ ば 、 軍 に よ っ て 追 放 され た 政 権 と多 か れ 少 な か れ 密 接 な 関 係 を も っ て い た 層

は 、 こ と ご と くNCBBFの 活 動 を 批 判 し て い た[La12008:4]。

反 対 勢 力 に 囲 ま れ な が ら も 何 度 か の 会 合 を 経 た うえ で 、 二 〇 〇 八 年 八 月 に 人 民 憲 章 の 草 稿 が 公 表 され た 。 草 稿 は 包 括 的 な 内 容 で 、 持 続 可 能 な 民 主 主 義 、 共 通 の ナ シ ョナ ル ・ア イ デ ン テ ィ テ ィ 、 リー ダ ー シ ッ プ の 問 題 、 貧 困 の 削 減 か ら経 済 発 展 ま で 含 ま れ て い た 。 ク ー デ タ 後 の 政 治 的 秩 序 の 回 復 と よ り深 く 関 わ る 点 と して は 、 選 挙 制 度 の 改 革 も提 唱 さ れ て い た[NationalCouncilforBuildingaBetterFiji2008;Fraenke1

2009337‑339]0

以 上 の よ うな 不 協 和 音 状 態 で あ っ た と は い え 、 人 民 憲 章 の 内 容 は 少 な く と も 臨 時 政 権 が 抱 く ク ー デ タ 後 の 政 治 的 秩 序 復 帰 へ の 意 志 と ヴ ィ ジ ョ ン を示 して い た 。 そ し て 、 フ ィ ジ ー の 政 党 を 広 く招 い た 大 統 領 フ ォ ー ラ ム(PresidentialForum)と い う話 し合 い の 場 を 設 け る な ど 実 際 的 な 動 き も 起 こ し て い た 。 大 統 領 フ ォ ー ラ ム に は 、 英 連 邦 (Commonwealth)と 国 連 か らの 関 与 も あ り、 一 四 の 政 党 の メ ン バ ー が 集 ま る こ と に 成 功 し一 重 要 な こ と に は 、SDLも 参 加 して い た 一 、 一 〇 月 二 七 日 に は 、 第 一 回 目の 会 合 が も た れ た[FijiLive10/27/2008]。 こ う し た 会 合 が も た れ た の は 、 ク ー デ タ 後 初 の こ と で 、 臨 時 政 権 に っ ね に 敵 対 し て い たSDLも 好 意 的 に評 価 して い た[FijiTimes

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10/16/2008FijiLive10/27/2008]0

以 上 の よ うな 政 治 的 秩 序 の 復 帰 に 向 け た 明 る い 見 通 し に 後 押 し さ れ た の か 、 総 選 挙 を 見 据 え た 活 動 も活 性 化 した 。 た と え ば 、 既 存 の 政 党 の 動 き も活 発 化 した し、 そ れ ら に 批 判 的 な 政 治 的 影 響 力 の あ る 人 物 か ら は 新 党 を 結 成 す る動 き が み られ た 。 代 表 的 な 例 と し て は 、 フ ィ ジ ー 労 働 党 の 創 設 期 か ら の メ ン バ ー で あ っ た ク リ シ ュ ナ ・ダ ッ ト

(KrishnaDatt)(15)と[FijiLive8!2112008;FijiLive11/2/2008]、 臨 時 政 権 で 一 時 期 観 光 大 臣 を 務 め た ベ ル ナ ン デ ッ タ ・ ラ ウ ン ズ=ガ ニ ラ ウ(Bernadette Rounds‑Ganilau)が あ げ られ る[FijiLive111312008]。

た だ し 、彼 ら新 設 の 政 党 を 含 め た 各 政 党 の 足 並 み が そ ろ う こ と は な く 、 こ と にSDL は 、 当 初 こ そ 期 待 を い た だ い て い た よ うで あ っ た が 、 す ぐ に 大 統 領 フ ォ ー ラ ム に 否 定 的 と な っ た 。 理 由 と して 、 会 合 に 実 質 的 な 対 話 が 不 足 し て い る こ と 、 結 党 して 間 も な い も の ま で 含 め て 大 小 一 四 も の 党 が 参 加 し て お り、 そ れ ら と発 言 権 を 同 じ く され る こ

と に 大 政 党 と し て 不 満 が あ っ た と され る[FijiLive10/30/2008]。

そ れ 以 外 の 理 由 と し て 、SDLは 、 人 民 憲 章 の 活 動 自体 が 違 憲 で あ る と訴 訟 を 起 こ し て い た た め[FijiTimes911112008;FijiLive9/14/2008;FijiLive101812008]、 た と え 口 実 と し て で は あ れ 、 臨 時 政 権 の 存 在 に 正 当 性 を 与 え る よ うな 行 動 に は 乗 り 出 さ な か っ た こ と が あ げ られ る 。 ま た 、 二 〇 〇 六 年 の ク ー デ タ で 追 放 され た 元 教 育 大 臣SDL の 主 要 メ ン バ ー で 、東 部 の 大 首 長 と して 強 い 影 響 力 も つ 人 物 で も あ る一 の 見 解 に 代 表

され る よ うに 、臨 時 政 権 の 近 代 志 向 と は 裏 腹 の フ ィ ジ ー 人 の 伝 統 的 制 度(首 長 制 な ど) に 対 す る 否 定 的 な 態 度 へ の 反 発 が 強 く あ り[FijiLive11!10!2008]、 人 民 憲 章 の 諮 問 過 程 自体 を 「無 駄 」 と考 え る 人 々 も い た[FijiTimes8!14!2008]。 こ う し た 要 因 が 、 臨 時 政 権 と敵 対 勢 力 の 友 好 的 な 交 渉 を 妨 げ て い た と い え る。 彼 ら さ ま ざ ま な ア ク タ ー の 思 惑 の 中 で 、 結 果 と して 、 臨 時 政 権 側 は 妥 協 す る こ と な く 、 大 統 領 フ ォ ー ラ ム に 批 判 的 な 四 政 党 を 話 し合 い か ら外 す と い うよ り強 硬 な 手 段 に 訴 え た(16)[FijiTimes41912009]。

た だ し 、 こ の 時 点 で は 、 臨 時 政 権 側 が 強 引 に イ ニ シ ア テ ィ ヴ を と っ て い た も の の 、 批 判 勢 力 共 々 対 峙 し な が ら 、 二 〇 〇 九 年 の 選 挙 に 向 け て 動 い て い た と い え る。

3‑2一 九 九 七 年 憲 法 の 破 棄 か ら ロ ー ドマ ッ プ の 提 唱

人 民 憲 章 を 通 じて み ず か らの ア ジ ェ ン ダ を 広 め る 臨 時 政 権 が 軸 とな り、 そ れ に 対 立 す る 勢 力 と の 交 渉 が 行 わ れ る と い うか た ち で 、フ ィ ジ ー の 人 々 は 選 挙 に 向 か っ て い た 。 情 勢 が 一 挙 に 転 換 す る の は 、 二 〇 〇 九 年 四 月 九 日の 控 訴 判 決 が 下 さ れ て か らで あ る 。 こ の 判 決 に よ っ て 、 こ れ ま で か ろ う じて 保 た れ て い た 臨 時 政 権 の 正 当性 は 完 全 に 否 定

され る こ と と な っ た 。

経 緯 を さ か の ぼ る と 、 そ も そ も 二 〇 〇 六 年 一 二 月 の ク ー デ タ 以 降 臨 時 政 権 の 正 当 性 は 、 二 〇 〇 八 年 一 〇 月 九 日の 高 裁 の 判 決 に よ っ て 法 的 に 担 保 され て い た 。 同 判 決 で 、

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「国 家 の 安 定 性 が 危 機 に さ ら され て い る 」 と い う 「例 外 的 な 状 況 が 存 在 して い た 」 こ と を 理 由 と し て 、 ク ー デ タ を 受 け て 大 統 領 が 行 っ た 二 〇 〇 七 年 の 臨 時 政 権 の 任 命 と そ の 後 の 大 統 領 令(decree)に よ る 支 配 は 、 合 法 で あ る と 判 断 さ れ て い た の で あ る [Fraenke12009:192]。 と こ ろ が 、 判 決 を 受 け た 後SDLに よ っ て 上 告 され た こ の 案 件 は 、 控 訴 審 で 覆 さ れ た 。 控 訴 審 の 判 決 に よ る と 、 大 統 領 の 権 限 は 一 九 九 七 年 憲 法 の も

と 明 確 に 限 定 され て い る と確 認 され 、 先 の 判 決 を 覆 し 、 臨 時 政 権 の 正 当 性 は 最 終 的 に 否 定 され る こ と と な っ た[Fraenkel2010:421]。

さ ら に 、 控 訴 審 判 決 で は 政 治 的 秩 序 の 再 編 に つ い て も言 及 さ れ た 、 そ れ に よ る と 、 大 統 領 に よ っ て 、 中 立 的 な 首 相 が 暫 定 的 な 役 割 と し て 任 命 され 、 そ の 首 相 が 議 会 を 解 散 す る と い う手 順 を 経 た う え で 、 出 直 し選 挙 が 実 施 され る こ と と な っ た 。 こ こ で 中 立 的 と い うの は 、 二 〇 〇 六 年 ク ー デ タ 時 の 首 相 で あ っ た ガ ラ セ は も ち ろ ん の こ と、 臨 時 政 権 首 相 の バ イ ニ マ ラ マ の ど ち ら も 、 暫 定 首 相 と な れ な い こ と を 含 意 し た 。

フ ィ ジ ー に お け る こ れ ま で の ク ー デ タ の 特 徴 と し て 裁 判 の 判 決 を ク ー デ タ 側 が 遵 守 す る とい う特 異 な 点 が あ っ た が 、 バ イ ニ マ ラ マ は 別 の 判 断 を 下 した(17)。控 訴 審 の 判 決 が 下 され た 翌 日四 月 一 〇 日、 大 統 領 は 一 九 九 七 年 憲 法 を 廃 棄 して 、 新 た な 法 的 秩 序 を 形 成 す る手 に で た 。 ま た 、 こ れ ま で 国 際 的 に も 問 題 の 焦 点 に さ れ て き た 総 選 挙 の 開 催 時 期 を 二 〇 一 四 年 に ま で 先 延 ば し に した 。 さ ら に 、 大 統 領 は 、 バ イ ニ マ ラ マ 首 相 及 び 閣 僚 を 再 度 任 命 す る と と も に 、 集 会 や 報 道 の 自 由 を 制 限 す る 非 常 事 態 令(public emergencyregulations)を 発 令 し た の で あ る。

二 〇 〇 九 年 四.月の 憲 法 破 棄 の 結 果 、 そ れ ま で は 曲 が りな りに も継 続 され て い た 政 党 間 の 意 見 調 整 の 場 で あ る 大 統 領 フ ォ ー ラ ム は 棚 上 げ に され た 。 以 降 フ ィ ジ ー の 政 治 的 動 向 は 、 二 〇 〇 九 年 六 月 に バ イ ニ マ ラ マ が 臨 時 政 権 の 首 相 と して 発 した ロ ー ドマ ッ プ に 受 け 継 が れ る こ と と な っ た 。 臨 時 政 権 の 新 た な 指 針 た る ロ ー ドマ ップ で は 、 グ ロ ー バ ル 経 済 の 悪 化 の 影 響 を 受 け た フ ィ ジ ー 経 済 の 立 て 直 し を 今 後 三 年 間 の 優 先 事 項 とす る こ と。 総 選 挙 は 二 〇 一 四年 に 開 催 予 定 と し て 、 そ の 前 年 ま で に 新 た な 憲 法 を 策 定 す る こ と。新 憲 法 は 人 民 憲 章 の 勧 告 を 得 る こ と が 明 言 され た[Bainimarama2009]。 っ ま りは 、 国 内 の 政 治 的 諸 勢 力 との 交 渉 が 必 要 な 政 治 的 秩 序 の 回 復 は 先 延 ば し に して 、 国 際 社 会 か ら の 要 請 も 袖 に し て 、 経 済 問 題 に 集 中 す る と 宣 言 し た の で あ る。

3・3憲 法 破 棄 以 降 の 反 対 勢 力 と の 交 渉

二 〇 〇 九 年 四 月 一 〇 日の 一 九 九 七 年 憲 法 の 破 棄 と 、 臨 時 政 権 の 再 任 、 非 常 事 態 令 の 発 令 と い う一 連 の 動 き は 、 フ ィ ジ ー 国 内 に も甚 大 な 影 響 を 与 え た 。 こ れ ま で 臨 時 政 権 に 押 さ え 込 ま れ て い た とは い え 、 ま が り な り に も政 府 批 判 は 、 多 種 多 様 な メ デ ィ ア 等 を 通 じ て な され て い た 。 と こ ろ が 憲 法 が 破 棄 され て 以 降 、 イ ン タ ー ネ ッ トの 反 政 府 系 プ ロ グ に 掲 載 され る 、 場 合 に よ っ て は 事 実 関 係 の 確 定 の 難 しい 情 報 以 外(18)、 こ と に フ

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イ ジ ー 国 内 か ら の 政 府 に 対 す る 批 判 的 な 言 辞 ・報 道 は 、 あ ま り 目 に つ か な く な る 。 臨 時 政 権 に よ る 批 判 勢 力 の 封 じ込 め つ い て み て み る と 、政 治 家 た ち 、こ と にSDL関 係 者 に つ い て は そ れ 以 前 か ら徹 底 し て 攻 撃 さ れ て い た が[丹 羽2010b]、 こ の 時 期 に な る と変 化 が み られ た 。 二 〇 〇 六 年 ク ー デ タ に 対 し て 好 意 的 な ス タ ン ス を 示 して い た フ ィ ジ ー 労 働 党 も 臨 時 政 権 か ら距 離 を 置 く よ うに な っ た の で あ る(19)。二 〇 〇 八 年 八 月 に は 臨 時 政 権 か らす で に 離 脱 して い た も の の 、 フ ィ ジ ー 労 働 党 は 依 然 と して そ れ ほ ど激 し い 政 府 批 判 を 行 っ て は い な か っ た 。 と こ ろ が 、 二 〇 〇 九 年 二 月 に な る と、 フ ィ ジ ー 労 働 党 の 党 首 と 臨 時 政 権 首 相 と の あ い だ で は 、 貧 困 対 策 や サ トウ キ ビ 産 業 の 再 生 案 に 関 す る 政 策 上 の 対 立 が 表 面 化 し て い る[Fraenkel2010:417‑418]。 八.月に は 、フ ィ ジ ー 労 働 党 の 党 首 は 、仇 敵 で あ っ たSDL党 首 ガ ラ セ と の 連 名 で 臨 時 政 権 を 諌 め る 手 紙 ま で 提 出 し て い る[QaraseandChaudhry2009](20)。 臨 時 政 権 が 段 階 的 に 孤 立 化 す る 状 況 、 あ る い は 逆 の 方 向 か らみ る と 、 一 方 的 に 自 己 の 目 的 を 追 求 し て い く様 が 伺 え よ う。

国 内 メ デ ィ ア へ の 統 制 は よ りい っ そ う徹 底 し て 行 わ れ る よ うに な り、 各 メ デ ィ ア に は 警 察 官 や 情 報 省 か ら の 官 吏 が 派 遣 さ れ て 、 出 版 報 道 の 内 容 が 事 前 に 検 閲 さ れ た [Yabaki2009]。 以 降 、 政 治 的 問 題 と関 係 す る 報 道 自体 が 極 端 に 少 な く な っ た 。 さ ら に 二 〇 一 〇 年 に は 、 メ デ ィ ア 産 業 開 発 法 令(MediaIndustryDevelopmentDecree)が

発 せ られ た こ と に 伴 い 、 国 内 メ デ ィ ア の 株 式 は 九 〇 パ ー セ ン トが 国 内 で 所 持 され る べ き で あ る と され た[FijiLive612812010]。 国 内 最 大 規 模 の 新 聞 社 で あ っ た フ ィ ジ ー ・タ イ ム ズ 社 は 、 オ ー ス トラ リア 資 本 の ニ ュ ー ス 会 社 に 所 有 され て い た こ と も あ り 、 ロ ー カ ル 資 本 の イ ン ド系 企 業 が 買 い 取 る こ と に な る な ど[RadioAustralia9!15!2010]、 臨 時 政 権 は 、 報 道 体 制 の 経 済 的 基 盤 に ま で 介 入 し た 。

さ ら に 宗 教 関 係 者 に も 統 制 が 及 び 、 二 〇 〇 九 年 に は 、 非 常 事 態 令 に よ る 集 会 の 制 限 に 伴 い 、 メ ソ デ ィ ス ト教 会 が 主 催 して い る フ ィ ジ ー 会 議(BosekoViti)の 開 催 が 、 一 定 期 間 見 合 され る こ と とな っ た 。 フ ィ ジ ー 会 議 は 、 毎 年 八 月 に フ ィ ジ ー 各 地 の メ ソデ ィ ス トが 一 同 に 会 し、 教 会 の 運 営 基 金 の 寄 付 を 募 っ た り、 合 唱 コ ン ク ー ル な ど が あ わ せ て 行 わ れ た 行 事 で あ っ た 。 臨 時 政 権 は 、 一 九 八 七 年 、 二 〇 〇 〇 年 の ク ー デ タ を 支 持

し て き た メ ソデ ィ ス ト教 会 自体 に そ も そ も批 判 的 で 、両 者 は 以 前 よ り対 立 して い た(21)。

こ と に こ の 年 は 、 レ ワ(Rewa)地 方 ロ マ ニ コ ロ(Lomanikoro)が フ ィ ジ ー 会 議 を 主 催 す る 村 落 で 、同 地 の 首 長 がSDLの 主 要 な メ ン バ ー で あ っ た こ と も 問 題 を 複 雑 に した

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こ う し て 政 治 家 、 メ デ ィ ア 、 教 会 関 係 者 に い っ そ うの 統 制 が か か る よ う に な っ た 。 臨 時 政 権 内 部 に も 重 要 な 変 更 が な され た 。 大 統 領 は 、 二 〇 〇 六 年 一 二 月 の ク ー デ タ の 始 ま っ た 当 初 か ら 、 当 時 八 八 歳 の 老 齢 と病 弱 の た め 、 ど こ ま で 彼 の 意 志 と判 断 で 行 動 し て い る の か 疑 問 視 さ れ て い た 存 在 で あ っ た 。 そ の 大 統 領 が 、 二 〇 一 〇 年 七 月 三 〇 日 に 突 如 引 退 し[FijiTimes7/29/2009]、 後 任 に は 、ラ トゥ ・エ ペ リ ・ナ イ ラ テ ィ カ ウ(Ratu

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EpeliNailatikau)が 、審 議 を 経 る こ と な く 臨 時 政 権 の 意 向 で 、任 命 され た の で あ る[Fiji Times111612009]。 そ も そ も 臨 時 政 権 は 、 二 〇 〇 九 年 四 月 一 七 日 に 、 公 式 的 な 手 続 き を 経 る こ と な く ラ ト ゥ ・エ ペ リ ・ナ イ ラ テ ィ カ ウ を 一 方 的 に 副 大 統 領 に任 命 して お り [FijiTimes411812009]、 こ の 時 点 で 臨 時 政 権 側 は 大 統 領 の 地 位 を 掌 握 す る た め の 用 意 を 行 っ て い た と 思 わ れ る 。 ラ ト ゥ ・エ ペ リ は 一 九 八 七 年 の ク ー デ タ が 起 き た 際 に 軍 の 司 令 官 で 、 同 時 代 的 に 一 九 八 七 年 の ク ー デ タ を 批 判 し た の み な らず[Scarr1988:55]、

こ れ ま で の ク ー デ タ に も批 判 的 な 人 物 で 、 タ イ レ ヴ(Tailevu)出 身 の 同 郷 者 と い う こ と も あ り、 バ イ ニ マ ラ マ が 親 衆 す る 存 在 と し て 知 られ て い る。 こ う して 、 首 相 、 大 統 領 と い っ た 国 内 の ト ッ プ は 完 全 に 臨 時 政 権 の 意 向 に 左 右 され る も の と な っ た 。

臨 時 政 権 に 批 判 的 で あ っ た の は 、 何 も 国 内 の 勢 力 ば か りで は な い 。 今 回 の ク ー デ タ に 対 し て は 、 当 初 か ら友 好 的 と は 言 い 難 か っ た 国 際 社 会 も憲 法 の 破 棄 を 期 に 決 定 的 に 態 度 を 硬 化 させ た 。 ク ー デ タ 直 後 こ そ 、 臨 時 政 権 側 も選 挙 時 期 に 関 す る 海 外 諸 国 か ら の 要 請(二 〇 〇 九 年 に 開 催)に 歩 み 寄 る な ど 国 際 社 会 に 対 し て 譲 歩 す る 姿 勢 も み せ て い た が 、 そ の 後 の 政 権 運 営 の 中 で 、 バ イ ニ マ ラ マ 自身 の 選 挙 開 催 時 期 に 関 して 態 度 に ゆ れ が あ っ た 。 翌 年3月 予 定 の 選 挙 開 催 ス ケ ジ ュ ー ル を 見 越 して 、 太 平 洋 諸 島 フ ォ ー ラ ム(ThePacificIslandsForum)は 二 〇 〇 八 年 三 月 に フ ィ ジ ー に 対 し て 最 後 通 牒 を 出 し て い た が[FijiLive8/21/2008]、 二 〇 〇 八 年 七 月 に は 、 二 〇 〇 九 年 に 総 選 挙 は 実 現 不 可 能 とバ イ ニ マ ラ マ は 、 は や く も 明 言 し て い た[FijiTimes711812008]。 こ う した 一 連 の 流 れ に お い て み る と、 二 〇 〇 九 年 四 月 の 憲 法 破 棄 後 に な さ れ た バ イ ニ マ ラ マ に よ る 二 〇 一 四 年 ま で 選 挙 開 催 時 期 を 延 期 す る 声 明 は 、 国 際 社 会 と の 信 頼 関 係 を 無 碍 に す る こ と を 顧 み ず 発 表 され て い た と い え よ う。

実 際 、総 選 挙 開 催 の 約 束 が 空 手 形 で あ る こ とが 明 白 とな る と、二 〇 〇 九 年 五 月 二 日、

太 平 洋 諸 島 フ ォ ー ラ ム か ら参 加 の 一 部 停 止 の 処 分 を 受 け た[FijiTimes51312009;Daily Post51412009]。 さ ら に 、二 〇 〇 九 年 九 月 一 日 に は 英 連 邦 の メ ン バ ー シ ッ プ が 完 全 に 停 二 〇 〇 六 年 一 二 月 八 日か ら英 連 邦 会 議 へ の 参 加 停 止 で は あ っ た され る こ と と な っ た[FijiLive9/2/2009;RadioAustralia91312009]。 事 態 を 重 く と ら え た 英 連 邦 の 外 交 特 使 が 、 メ ン バ ー シ ッ プ 停 止 直 後 に フ ィ ジ ー を 訪 問 し て 、 バ イ ニ マ ラ マ に 翻 意 を 促 し 、 大 統 領 フ ォ ー ラ ム の 継 続 と早 期 選 挙 の 開 催 を 訴 え た が 、 成 功 しな か っ た 。 の み な らず 、 臨 時 政 権 は 、 政 権 に 批 判 的 な 旧与 野 党 両 者(SDLと フ ィ ジ ー 労 働 党)が 外 交 特 使 と面 会 す る こ と を 禁 じ て ま で い る[FijiLive9/10/2009;Fraenkel2010:429]。 内 的 に も 国 際 的 に も 臨 時 政 権 は 孤 立 の 度 合 い を 進 め て い た と い え る が 、 そ う した な か で も 臨 時 政 権 は あ く ま で 強 硬 な 姿 勢 を 崩 し て い な い と い え る 。

4.臨 時政権 の孤 立化 とフ ィジー人 の諦 念 として の受容

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以 上 に お い て 、 事 実 上 の 軍 事 政 権 で あ る 臨 時 政 府 が 国 内 政 治 を 掌 握 す る 過 程 と 、 国 際 社 会 と の 関 係 悪 化 な ど に つ い て 記 述 ・分 析 し て き た 。 本 節 で は 、 そ こ か らみ て と る こ と が で き る 国 内 の 変 化 と 、 フ ィ ジ ー 人 の 動 き に つ い て 考 察 す る 。

4・1理 念 と実 践 の 乖 離 一 国 内 外 で の 臨 時 政 権 の 孤 立 化

軍 の 司 令 官 バ イ ニ マ ラ マ が 二 〇 〇 六 年 一 二 月 に ク ー デ タ を 起 こ した 際 に は 、 そ の 主 た る 目 的 に ガ バ ナ ン ス を 掲 げ て い た 。 ま た 、 武 力 に よ る政 権 の 転 覆 とい う ク ー デ タ の 性 質 上 矛 盾 し た こ と で あ る とい え 、 一 九 九 七 年 憲 法 の 保 持 を 唱 え て い た 。 こ う し た バ イ ニ マ ラ マ の 理 念 に 、 国 内 の りベ ラ ル な 勢 力 を 引 き つ け る効 果 が あ っ た こ と は 容 易 に み て とれ る。 ま た 、 ク ー デ タ 直 後 の 二 〇 〇 七 年 頃 で あ れ ば 、 看 護 師 、 教 職 員 を は じ め とす る 組 合 の ス トも容 認 さ れ て い た し、 追 放 され た 側 の 与 野 党 の 政 治 家 を 中 心 とす る 臨 時 政 権 に 対 す る反 対 勢 力 は 比 較 的 自 由 に 言 論 活 動 を 行 っ て い た 。 メ デ ィ ア に 対 す る 威 嚇 は す で に な さ れ て い た が 、 二 〇 〇 九 年 の 憲 法 破 棄 以 降 ほ ど で は な か っ た[丹 羽 2010b]o

つ ま り、 人 民 憲 章 に 提 示 さ れ た 原 理 の も と に フ ィ ジ ー の 近 代 化 を 果 た す とい うバ イ ニ マ ラ マ の 理 念 は 、 た び か さ な る こ れ ま で の ク ー デ タ に 疲 弊 して い た 層 に と っ て 、 魅 力 的 な ア ジ ェ ン ダ で あ っ た とい え よ う。 そ う し た 理 念 に 反 す る 人 権 問 題 を 臨 時 政 権 が 起 こ し て い た と し て も[AmnestyInternationa12009]、 政 権 と行 動 を と も に す る進 歩 的 な 教 会 勢 力 やNPOな ど の 存 在 が あ っ た た め 、 傍 系 的 な 出 来 事 と し て 扱 わ れ る傾 向 が 強 か っ た と い え る 。

と こ ろ が こ う した 臨 時 政 権 の 先 進 的 」 な 理 念 の 背 後 で は 、 こ れ ま で の 節 で 記 述 ・ 分 析 し て き た よ うな 臨 時 政 権 の 実 際 行 っ て い る 活 動 と そ の 帰 結 に 着 目す る と別 の 側 面 が み え て く る。 そ こ か ら伺 う こ とが で き る の は 、 む しろ 臨 時 政 権 の 孤 立 化 の 進 行 で あ り、 ま た 、 敵 対 者 と の 対 話 の 拒 否 の 姿 勢 で あ ろ う。 二 〇 〇 七 年 以 降 現 在 に 至 る フ ィ ジ ー の 政 治 は

、 臨 時 政 権(事 実 上 の 軍 部)に よ る 一 方 的 な フ ィ ジ ー の 政 治 的 秩 序 の 掌 握 が 進 展 し て い く過 程 と し て 要 約 で き る 。

当 初 こ そ フ ィ ジ ー 人 ナ シ ョナ リ ズ ム を 代 弁 し て い た これ ま で の ク ー デ タ で は 周 辺 化 され て い た イ ン ド人 な どか ら支 持 を 取 り付 け て い た が 、 彼 ら の 最 大 の 支 持 者 で あ っ た フ ィ ジ ー 労 働 党 は 二 〇 〇 八 年 八 月 に 政 権 か ら離 脱 し て い る。 結 果 と して 臨 時 政 権 に 残 され て い る の は 、 軍 部 と国 民 連 合 党 の メ ン バ ー で あ り、 ま た 、 要 と して の 大 統 領 で あ る 。 国 民 連 合 党 の 党 首 も 、 ラ ト ゥ ・エ ペ リ ・ナ イ ラ テ ィ カ ウ 大 統 領 も 、 ど ち ら も フ ィ ジ ー 軍 の 元 司 令 官 で あ っ た こ と を 考 え 合 わ せ る と 、 臨 時 政 権 は 、 事 実 上 軍 事 色 を 徐 々 に 強 め て い る と い え よ う。 実 際 そ れ 以 外 の 公 務 員 の 幹 部 ク ラ ス に も 軍 人 が 次 々 と任 命

され て い る。 そ も そ も ク ー デ タ の 理 念 で あ っ た こ と も あ り、 臨 時 政 権 は 、 多 民 族 へ と 開 か れ た フ ィ ジ ー 社 会 の 建 設 を 唱 え て い る が 、 公 務 員 改 革 と して フ ィ ジ ー 人 が 偏 重 さ

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れ て 雇 用 され て い る と い う公 務 員 体 制 に お け る 民 族 配 分 の 是 正 の 問 題 に は 着 手 し て い な い[Prasad2010:20‑21]。

こ と に 、 二 〇 〇 九 年 四 月 の 控 訴 審 判 決 以 降 は 、 これ ま で の ク ー デ タ 後 の 行 動 パ タ ー ン と異 な り、 軍 部 は 臨 時 政 権 か ら手 を 引 き 、 判 決 に 従 い 兵 舎 に 引 き 返 す こ とが な か っ た 。 む し ろ 、 二 〇 〇 六 年 の ク ー デ タ 開 始 直 後 か ら保 持 す る と 強 く 主 張 して い た 一 九 九 七 年 憲 法 を あ っ さ り破 棄 す る 手 段 に 訴 え て 、 臨 時 政 権 の 継 続 を優 先 さ せ た 。 こ う し た 強 硬 な 態 度 は 、 メ デ ィ ア 統 制 の 強 化 に も み て とれ 、 警 察 と兵 隊 が 派 遣 さ れ て い る 。 こ れ ま で も ク ー デ タ で は 、 こ こ ま で の 規 模 と期 間 に わ た っ て 警 察 国 家 と も い うべ き 状 況 に 至 っ た こ と は な か っ た 。 ま さ に 、 あ る歴 史 家 が 、 「フ ィ ジ ー は … 『太 平 洋 の ビル マ 』

と な る 途 上 で あ る 」[La12009]と 述 べ た 所 以 で あ る 。

国 内 に お け る 臨 時 政 権 の 孤 立 して い く傾 向 は 、 国 際 関 係 か ら も み て と る こ と が で き る 。 臨 時 政 権 は こ と あ る ご と に ニ ュ ー ジ ー ラ ン ドや オ ー ス トラ リア とい う近 隣 の 大 国 を 目 の 敵 に す る が 、 臨 時 政 権 の や り方 に 批 判 的 で あ る と い う点 で 、 英 連 邦 も 太 平 洋 諸 島 フ ォ ー ラ ム も 変 わ りな い 。 む し ろ 、 国 際 社 会 か ら の メ ンバ ー シ ッ プ 停 止 や そ れ に 伴 う援 助 の 保 留 と い う事 態 に 直 面 して も 、 諸 外 国 に 屈 し な い 政 権 の ポ ー ズ を ア ピ ー ル す る 材 料 に し て い る側 面 す ら伺 え る 。 代 案 と し て 、 従 来 の 外 交 の 行 き 詰 ま りか ら 、 臨 時 政 府 は 、 中 国 な ど 近 年 成 長 の 著 しい ア ジ ア 諸 国 の 積 極 的 な 支 援 を 求 め る 政 策 に 打 っ て 出 て い る が 、 中 国 や イ ン ド と は 通 常 の ビ ジ ネ ス 関 係 を 築 い て い る とは い え 、 そ れ ら が ど こ ま で 実 体 的 な 外 交 関 係 に ま で 発 展 させ て い く こ と が で き る か は 依 然 未 知 数 に と ど ま っ て い る[Prasad2010:19]。 そ の 意 味 で 、 外 交 的 に も 臨 時 政 権 は ま だ 多 元 化 の 成 功 に は ほ ど遠 く 、 あ る 意 味 で 孤 立 化 の 道 を 歩 ん で い る の で あ る 。

4‑2フ ィ ジ ー 人 の 二 〇 〇 六 年 ク ー デ タ に 対 す る反 応 一 反 発 か ら諦 観 と して の 受 容 冒 頭 で 述 べ た よ うに 、 フ ィ ジ ー 人 の フ ィ ジ ー に お け る窮 状 を 代 弁 し、 伝 統 を 保 守 す る と い う大 義 名 分 で こ れ ま で の ク ー デ タ は 起 こ され て き た 。 と こ ろ が 二 〇 〇 六 年 の ク ー デ タ で は、 そ う した 方 向 と は 逆 に 、 特 権 的 存 在 と し て の フ ィ ジ ー 人 で は な くて 、 多 民 族 社 会 フ ィ ジ ー の 現 状 を認 識 して 、 す べ て の 人 が 平 等 に 遇 せ られ る 社 会 の 建 設 を 訴 え て い る。 そ の た め 、 先 の 節 で 記 述 ・分 析 し て き た よ うに 、 フ ィ ジ ー 人 の 政 党 、 大 首 長 会 議 、 メ ソデ ィ ス ト教 会 な ど、 フ ィ ジ ー 人 の 利 害 と根 強 く結 び つ い て い る 諸 機 関 の 意 見 は 、 今 回 の ク ー デ タ に お い て 非 常 に 周 辺 化 され て い る と い え る 。 あ え て 図 式 化 し て 述 べ る と これ ま で の ク ー デ タ に お い て 支 持 者 と し て あ っ た フ ィ ジ ー 人 は 、 今 回 で は ク ー デ タ 批 判 者 と な っ て い る の で あ る(23)。フ ィ ジ ー 人 が 人 口上 の 多 数 派 を 占 め る 国 家 に お い て 、 フ ィ ジ ー 人 の 意 向 と寄 り添 わ な い 臨 時 政 権 の 行 動 に 対 して フ ィ ジ ー 人 は ど の よ うに 受 け 止 め て い る の だ ろ う か 。 本 稿 で は 、 先 行 研 究 で は 触 れ られ る こ と の あ ま

り な か っ た こ の 点 に つ い て も 、 こ こ で 若 干 の 考 察 を 加 え て お き た い 。

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臨 時 政 権 へ の フ ィ ジ ー 人 の 反 発 は 根 強 く あ り、 そ の こ と は 、 三 節 の 記 述 か ら も 伺 う こ と が で き よ う。 と こ ろ が 二 〇 〇 九 年 四 月 一 〇 日以 降 、 検 閲 さ れ た 情 報 の 中 か ら と は い え 、 現 状 を 当 面 受 け 入 れ た 上 で 、 積 極 的 に 活 用 し よ う と い う姿 勢 が み て とれ る 。

た と え ば 、 二 〇 一 〇 年 五 月 二 六 日 に は 、 ザ カ ウ ン ロ ヴ ェ 地 方 議 会(Cakaudrove ProvincialCounci1)は 、 バ イ ニ マ ラ マ へ の 支 持 を 表 明 し た[Fijivillage.com]。 こ の 例 で 興 味 深 い の は 、 こ の 地 方 の 大 首 長 の 意 向 に 反 し て 、 地 方 議 会 が 臨 時 政 権 に 賛 意 を 表 明 し て い る 点 に あ る。 大 首 長 は 、 ク ー デ タ で 追 放 され た 政 権 の 元 閣 僚 で 、 二 〇 〇 〇 年 ク ー デ タ 実 行 者 へ の 恩 赦 を 選 挙 公 約 に 掲 げ る な ど 二 〇 〇 〇 年 ク ー デ タ に 肩 入 れ し た こ

と で 知 られ て い た 。 別 言 す る と、 臨 時 政 権 が も っ と も 非 難 し て き た 人 物 の 一 人 で あ っ た し 、 逆 に 、 大 首 長 も 二 〇 〇 六 年 ク ー デ タ(及 び そ の 後 の 臨 時 政 権)へ の 強 力 な 批 判 者 の 一 人 と し て 、 バ イ ニ マ ラ マ た ち と っ ね に 対 峙 して い た(24)。二 〇 〇 六 年 以 降 か ら は じ ま り、 ま だ 終 わ りの 見 え な い 臨 時 政 権 の 長 期 化 と そ の 政 策 に 耐 え き れ な く な っ た 地 方 に お い て は 、 こ の よ う に ロ ー カ ル な 伝 統 社 会 と密 接 に つ な が り を も つ 首 長 の 意 向 と 対 立 し て ま で も支 持 を 表 明 す る 人 々 も あ ら わ れ 始 め て い る の で あ る(25)。

村 落 レベ ル に お い て も 、 似 た よ う な 傾 向 の 動 き を い くつ か 目 に す る こ とが で き る 。 こ と に バ イ ニ マ ラ マ 自 身 の 出 身 地 方 で あ る タ イ レ ヴ 地 方 で は 、 タ イ レ ヴ 地 方 議 会 (TailevuProvincialCouncil)が バ イ ニ マ ラ マ へ の 支 持 を 表 明 し た の を 皮 切 り に[Fiji Times511212010]、 い くつ か の 村 落 で も 同 じ趣 旨 の 儀 礼 が 執 り行 わ れ た[FijiVillage 81412010](26)Q

一 部 の ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド出 身 の 開 発 研 究 の 専 門 家 が 開 設 す る プ ロ グ で は

、 以 上 の よ うな フ ィ ジ ー 人 の 動 き を 、 二 〇 〇 六 年 一 二 月 ク ー デ タ 以 降 三 年 以 上 す ぎ た 現 在 、 臨 時 政 権 に 理 解 を 示 す フ ィ ジ ー 人 の 増 大 を 示 唆 し て い る と解 釈 し て い る[CrozWalsh's Blog5/10/2010,5/27/2010]。 し か し こ う し た フ ィ ジ ー 人 の 行 動 が ど こ ま で 彼 ら の 実 体 的 な 「支 持 」 を 表 して い る の か 注 意 が 必 要 で あ ろ う。 先 の 諸 村 落 も バ イ ニ マ ラ マ の 出 身 地 方 に あ る村 落 で あ る た め 、 何 らか の 血 縁 ・地 縁 関 係 が 存 在 して い る ゆ え に 、 オ ブ ラ ー トに 包 ん だ 発 言 が さ れ て い る 可 能 性 が 高 い 。 フ ィ ジ ー 人 の 文 化 的 文 脈 で は 、 た と え 招 か ざ る 客 で あ っ て も 、 訪 問 儀 礼 と し て の 手 順 に の っ と り、 来 客(こ の 場 合 、 臨 時 政 権)に 好 意 を 示 す よ うな 言 葉 を 挟 む の が 礼 儀 と され る か ら で あ る 。 何 よ り こ う し た 報 道 自体 検 閲 され た 情 報 で あ る こ と、 ま た フ ィ ジ ー の 人 々 は 臨 時 政 権 に よ る 政 権 批 判 者 へ の 容 赦 な い 処 罰 を こ れ ま で 目 に した うえ で 、 以 上 の 発 言 が な さ れ て い る とい う文 脈 に よ り注 意 す る 必 要 が あ ろ う。

筆 者 の 限 られ た 経 験 で も 、 フ ィ ジ ー の 地 域 を 問 わ ず フ ィ ジ ー 人 の 村 落 生 活 者 で バ イ ニ マ ラ マ 支 持 を ス ト レー トに 公 言 す る 人 に 出 会 っ た こ と が な い 。 そ れ は 彼 の 出 身 村 落 の 近 隣 で も 同 じ事 で あ る 。 こ の 点 は 、 一 九 八 七 年 ク ー デ タ と そ の 実 行 者 に 対 して 、 そ こ か し こ で 耳 に す る こ と が で き る 賞 賛 の 声 と 非 常 に 対 照 的 で あ る(27)。ま た 、 長 年 の フ

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