ソビエトにおける女子に対する労働教育
一食物に関する課業を中心として一
岩 崎恭枝*
(1984年9月29日受理)
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Hcye HBACAKM
(Received September 29,1984)
は じ め に
ソビエトの学校教育には,日本の家庭科にあたる独立した教科はないが,第4−8学年の労働教 育の中で,女子のみに対して家庭科に類する教育が行われている。
労働教育は,第1学年から第10学年まで一貫して学習されるが,形態,教育目的・内容などから みると,第1学年から第3学年までの初等段階,第4学年から第8学年までの中等段階,第9学年 および第10学年の後期中等段階の3段階に分けられる1)。このうち,初等段階,後期中等段階では,
性別にかかわりなく,同一の教育内容が提示されているが,第4学年から第8学年までの中等段階 では,教育内容が男子は技術労働(TexH川ecKHH Tpy双),女子はサービス労働(06c型細Bag一
孤舶Tpy』)と別々になっている。つまり,男女の特性が考慮され,「女子には,家政の知識2、」も 与えられているのである。
社会体制も異なり,教科の名称も異なるけれども,その内容が家政に関するものを含んでおり,
労働教育という視点から特色ある「家庭科教育」が実施されているといえる。
本論文では,4−8学年における食物に関する課業について,まず,指導書の内容を考察し,さ らに,教科書の内容を具体的にみることで,食物に関し,何を,どのように教えようとしているの か,日本と比較しながら,その特色を明らかにしたい。ソビエトでは,7歳児就学なので,第4学 年から第8学年までは,10歳から14歳までであり,およそ日本の小学校4年から中学校2年にあ たる。そこで,本論文では,日本と比較するにあたり,小学校および中学校の家庭科を参考とし,
高校段階のものは考慮しなかった。
*茨城大学教育学部家政科
工 指導書の中にみられる食物領域の内容
ソビエトでは,労働教育の内容は,各共和国教育省が責任をもっているがおよそ,ソビエト連 邦共和国教育省あるいはロシア共和国教育省出版の指導書が中心に考えられているようである。こ
こでは,1983年に出版された,ロシア共和国教育省出版の指導書をとりあげた。
各学年70時間の労働教育の中で,食物に関する時間は,各学年とも11時間であり,わずか16%
の時間配分である3)。日本では,指導書できっちり何時間と決められてはいないが,およそ各学年 20−35時間は配分されており,きわめて少い時間数といえよう。
各学年とも20r 3っの題材がとり扱われている。題材の横の数字は,時間配分である。
以下,各学年ごとに示すことにする。
4学年
サンドイッチとあつい飲み物(7時間)
。料理のリスト:オープンサン゜ドイッチとふつうのサンドイッチ,紅茶,ココア,コーヒー
。技術的知識:調理法についての理解。サンドイッチの種類。サンドイッチの調理のために心要な 品物。人間の食事におけるパンの意味。パンの大切さ。家庭および公共食堂におけるサンドイッチ の調理のための製品の加工方法。設備,食器およびそれらの管理。サンドイッチの調理のための製 品の加工の方法,設備,食器およびそれらの管理。サンドイッチの調理のための製品をきざむため の器具および電気機械や装置。サンドイッチの調理技術。つくられたサンドイッチの質に対する要 求。食品調理と関連した人々への衛生的な要求。食品の調理と保存。場所と設備などへの衛生的な 要求。労働の安全規則。
あつい飲物とその人間の食事における意義。食事における水の役割。水に対する注意深い態度。
ココア,茶,コーヒーとその準備の方法。コーヒー豆をひくための器具や煮るための器具。できあ がった飲み物の質の要求。労働の安全規則。
労働場所の組織。
朝食に対する食卓の配膳。個人的な衛生の規則と食卓のマナー
。見学:台所の施設や設備,学校食堂の従業員の仕事を知ること。
・教科間の結合:自然3−4学年(人間の生活における植物の役割。人間にとっての水の意義。
水を大切にする態度。食事の衛生規則。食事とその組合わせの意義。人間の健康の保持)
・実習:サンドイッチの調理。紅茶,ココア,コーヒーの調理。配膳。サンドイッチや飲み物のサ 一ビスとその質の規定。食器の洗浄。
・展示:〈食物に関する課業〉表。〈配膳〉のスライド 卵料理(4時間)
・料理のリスト:ゆで卵(かたゆで,半熟,半熟よりややかたく)。卵焼き。つけあわせのついた卵 焼き,オムレツ,つけあわせのついたオムレツ
。技術的知識:保存期間に関する卵の種類(食餌療法の,食卓の),食事における卵の意義。卵料理
の種類。卵料理の技術。卵のあわだておよび卵料理のための器具。できあがった料理の質と盛りつ
けに対する要求。食器使用の規則。加熱器具についての知識およびそれらの利用規則。労働の安全
規則。労働場所の組織。
。教科間の結合:自然4学年(動物性食品)
。実験的実習:良質の卵の規定(透して見る,水の中に落してみる)
・実習:卵をかたく,半熟に,半熟よりややかたく,ゆでること。卵焼きとオムレツの料理。料理 のできぐあいの規定。できあがった料理の盛りつけ。
食卓の配膳。料理のサービス。その質の規定と許容誤差の分析。食器洗浄。学習した食品からつ くられた料理を含む朝食のためのメニューの作成。
。展示:〈食物に関する活動〉表
5学年
マカロニ,ひき割穀物,牛乳,乳製品を用いた調理(7時間)
。料理のリスト:煮たマカロニ,かゆ,コロッケ,凝乳のプディング(他略)
。技術的知識:ひき割穀物の種類。マカロニ製品や乳製品の種類。人間の栄養摂取におけるその意 義。脱穀工場や乳製品工場の従業員(食用豆類精製機技師,分装・包装および帯機技師,全乳およ び酸乳製品マスター,バター製造人,コンデンスミルクおよび粉ミルク担当従業員)。
ひき割穀物,マカロニ製品,牛乳および乳製品からなる料理とその調理技術。ひき割の半加工製 品。食品と料理を準備するための設備。
できあがった料理の質および盛りつけへの要求。衛生面での要求と労働安全規則。労働場所の組
織。
夕食のための食卓の配膳。
。教科間結合:自然4学年(植物性および動物性食品の人間による利用)
。実験的実習:外面的特徴に基づくひき割穀物の種類の規定,良品質のひき割穀物の規定。
。実習:ひき割穀物(ひき割濃縮乾燥食品)とマカロニ製品からなる2つの料理の調理。牛乳と乳 製品からなる料理の調理。できあがった料理の盛りつけ。
食卓配膳。料理のサービス。その質の規定と許容誤差の分析。
。展示:〈食品に関する活動〉表。ひき割穀物とマカロニ製品の見本。〈食卓配膳〉スライド。
デザートの料理(4時間)
・料理のリスト:生あるいは乾燥果実のコンポート,ムース(他略)
・技術的知識:栄養摂取におけるデザートの意義とそれらの分類。デザートの料理技術。漿果と果 物の原加工および熱加工のさいのビタミンの保護の条件。食品と設備(すりつぶす器具,ジューサ 一など)。できあがった料理の質と盛りつけに対する要求。衛生面での要求と労働安全規則。労働場 所の組織。
。教科間の結合:自然4学年(植物編一種子のある果物)
・実習:デザートを2種類調理する。それらのできぐあいの規定。食卓配膳。料理のサービス。そ れらの質の規定と許容誤差の分析。食器洗浄。学習した食品から調理された料理を用いた夕食のた めのメニューの作成。
・展示:〈食物に関する活動〉表。
6学年(5時間)
野菜料理
・料理のリスト:ビネグレート,サラダ,野菜スープ,野菜シチュー,コロッケ
。技術的知識:人間の栄養摂取における野菜の意義,各種の野菜料理および付け合わせをつくるた めの利用。野菜屑の利用。野菜の原加工(選別,洗浄,切取り)。日常生活および生産における野菜の 手間のかかる加工過程の機械化。野菜の熱加工(煮る,焼く,むす)。調味したスープを煮るときの
一・
ハ的規則。野菜料理の技術。できあがった料理の質と盛りつけに対する要求。衛生面での要求と 安全規則。労働場所の組織。昼食のための食卓の配膳。
。教科間の結合:植物学5学年(茎,塊茎,鱗茎,およびそれらの家政的意味)。労働教育3学年(野 菜の栽培)
。実習:野菜料理の実施。それらのできぐあいの規定。できあがった料理の盛りつけ。食卓配膳。
準備された料理のサービス。それらの質の規定と許容誤差の分析。食器の洗浄。
・展示:〈食物に関する活動〉表。スライド〈料理の盛りつけ〉。スライド〈食卓配膳〉
魚および肉料理(6時間)
。料理のリスト:魚のスープ,肉団子入りジャガイモスープ,シチュー(他略)
。技術的知識:なま物,半加工食品,加工食品についての概念。家庭の条件および公共食堂におけ る食物調理の方法。人間の栄養摂取における魚料理と肉料理の意義。良質の魚と肉の規定。魚およ び肉の料理。
魚および肉の熱加工法(煮る,焼く,むす,表面のみ焼く)。肉および魚のかんづめや乾燥食品の 利用。魚および肉料理の調理技術。それらの質と盛りつけの規定。衛生面での要求と労働の安全規 則。労働場所の組織。
。教科間の結合:自然4学年(動物性食品)。地理5学年(海と湖の動物界,世界の海洋資源の利用,
それらの保護の方法)
・実習:前菜の調理。魚と肉からなる第1コースおよび第2コースの調理。それらのでき具合の規 定。できた料理の盛りつけ。食卓の配膳。料理のサービス。それらの質の規定と許容誤差の分析。
昼食のためのメニューの作成。
o展示:〈食物に関する活動〉表
了学年
練粉料理と練粉製品の調理(9時間)
。製品のリスト:プリン,ピロシキ,ペチューニュ,生菓子,ケーキ(他略)
。技術的知識:人間の栄養摂取における練粉製品の意義。練粉の種類とその調理法。料理と練粉。
家族と企業におけるパン製造。パン製造のための新しい機械や装置の製作におけるソビエトの科 学と技術の達成。パン焼工場,菓子製造工場の従業員(練粉製造人,パン焼人,菓子製造人,ビス ケット製造人)の職業。
練粉製品のために使用される製品。撹拝機の種類とその意義。練粉製品の製造とその料理技術。
それらの質と盛りつけへの要求。酵母の入らない練粉と入った練粉の調理。練粉の調理とその料理
のための器具,装置,食器。衛生的要求と労働の安全規則。労働場所の組織。
祝祭時の食卓の配膳
。教科間の結合:自然4学年(粉のもとになる植物製品),植物学5学年(禾本科植物幌酵母)
物理7学年(熱伝導法)
・実験的実習:形,におい,味に関する良質の粉の規定
。実習:活動計画の作成。練粉料理と練紛製品の各2つの調理。それらのできぐあいの規定。でき た料理および製品の盛りつけ。祝祭時の食卓のためのメニューの作成。
食卓配膳。でき上がった製品および料理のサービス。それらの質の規定および許容誤差の分析。
・展示:〈食物に関する活動〉表,スライド〈食卓配膳〉
見学(2時間)
公共食堂について知ること(料理工場,食堂)。食品の加工技術について知ること,新しい設備 や技術の創造におけるソビエトの科学と技術の役割と成果。企業の従業員(コック,パン焼人など)。
生産の先駆者たち。
・展示:映画く生徒のための公共食堂制Σスライド〈公共食堂企業の施設〉
8学年
食料品の貯蔵(6時間)
。かんずめのリスト:ジャム,酢漬けの果物あるいは野菜,塩づけ野菜,発酵させたキャベツ(他
略)
。技術的知識:貯蔵は食品の長期保存の方法である。食物腐敗の原因。バクテリアの活動を止める 方法。人間の栄養摂取における貯蔵食物の意義。食料品貯蔵の方法。生産の条件下における食物貯 蔵の長所。煮沸,酢漬け,発酵・塩漬け,砂糖づけによるかんづあ製品の技術。衛生的要求。労働 安全規則。労働場所の組織。
かんづめ工場の労働者の職業(かんづめ殺菌工,縫合わせ機械工)
。教科間の結合:植物学4学年(果実,バクテリアの繁殖,酢酸発酵バクテリア,バクテリアの
役割)
・実習:貯蔵のための食器と食物の準備。密封自動びん詰めの装置を用いないで3種類のかん詰め を製造すること。煮沸(砂糖づけ),酢づけ,塩づけ(発酵)。食器洗浄。
・展示:〈食物に関する活動〉表 メニューの作成(3時間)
・技術的知識:栄養素とその意義。食物カロリーについての概念。定糧あたりの食物の栄養価。人 間の活動,年齢,気候条件に応じた合理的な栄養摂取とその基準。栄養摂取のきまり。
メニューとその衛生的要求。朝食,昼食,夕食のためのメニュー。職業一栄養士。
。実験的実習:1日のメニューの作成。定糧あたりの食物の栄養価の規定(表に基づく化学成分と カロリー計算)
朝食,昼食,夕食のための食費の計算。
。展示:〈食物に関する活動〉表。映画〈ビタミンは驚くべき物質である〉
見学(2時間)
職業指導のための料理学校の訪問。職業養成分野について知ること。
以上,各学年ごとに指導書の内容を示したが,各学年の内容は,野菜,肉といった品目別にその 栄養的意義,調理法,器具,技術について述べられ,衛生面の要求,安全規則,労働場所の組織,
実習の中では,できぐあい,盛りつけ,配膳,サービス,質の規定と許容誤差の分析,食器の洗浄 といったことが,内容構成の軸となっている。
そこで,次に,これらが教科書の中で具体的に,どのような言葉で,表や図で示されているのか,
明らかにし,考察してみたい。
皿 教科書の中に見られる食物教材のとり扱われ方
ソビエトの教科書には,yqe6HHKとyqe6Hoe noco6Heの2種類がある。 yqe6HHKは,一応完 全なものとしてソビエト連邦共和国教育省が承認したものであるのに対し,yqe6HHK noco6Heは まだ改善の余地があると考えられているものである。それ故,yqe6Hoe noco6Heは,教育省とし ての承認ではなく,その前段階としての教育省学校総局の承認を得ている。サービス労働に関する 教科書にはyqe6HHKはなく,yqe6Hoe n・co6Heとなっている。ここでは,1981年に出版され たソビエト連邦共和国教育省学校総局推薦の6学年の教科書5)の内容を中心に,食物教材の取り扱 われ方を明らかにし,考察してみたい。
指導書による第6学年の学習題材は,野菜料理魚および肉料理の2つであった。教科書の中の 見出しをあげてみると表1のようになる。
各大見出しごとにその内容を考察してみると,まず,「料理」
の中では,煮る,蒸し煮,焼くの3種の熱加工が示され,次 表1 見出しの一覧 に,前菜,スープ,肉あるいは魚料理,デザートのコースに
料 理
ついて,朝食,昼食,夕食別に,コースの変化,前菜,スー 昼食のための食卓の配膳 プ,肉あるいは魚料理,ソースに対し,各食品群6)からでき 食卓マナーの文化について る料理名の一覧が3ページにわたってあげられている。また, 実習を行うにあたって 料理14種の1人分の量とカロリー価,食品の次蔵庫での保存 ソース(+実習)
について簡単に説明している。 ?@菜 野菜の原加工
「昼食のための食卓の配膳」の中では,図入りの食卓の整 野菜の熱加工 え方,フォークやナイフの扱い方が示されている。
@「ソース」では,ソースの種類,ソースの栄養的意義など
野菜の料理(+実習)
宦@魚の原加工
が説明されている。 魚の熱加工
「野菜」では,野菜が球根類,果実類,塊茎類,根菜類の 魚料理(+実習)
4種類に分かれること,14種の野菜について100gあたりの
肉ビタミン価(C,A, B),ビタミンの役割などが示されてい 肉の原加工 る。野菜の原加工には,調べて選別する,洗う,皮をむく, 肉料理(+実習) の熱加工 きざむという過程があることが示され,それが野菜の種類に 自分で料理してみよう よってどのような手順になるか,またきざむ器具や道具,き
ざみ方が絵入りで説明されている。野菜の熱加については,
各熱加工に必要な時間,熱加工によるビタミンCの損失,などが説明されている。野菜の調理では,
野菜サラダと野菜スープがとりあげられ,各料理の一般的規則が個条書きされている。
「魚」と「肉」では,魚や肉の栄養,種類,それぞれの調理上の特徴,原加工の過程,道具,熱 加工の種類による調理の特徴前菜,スープ,メイン料理の種類や作り方などが示されている。
この教科書では,食物に関する内容のページ数は,46ページであるが,そのうち,「実習」に関す るページがおよそ半分の24ページをしめ,実習にポイントがおかれていることがわかる。指導書に あって教科書では言及されていない項目は,「技術的知識」の中では,できあがった料理の質と盛 りつけに対する要求,衛生面での要求と安全規則,労働場所の組織,「実習」の中では,できぐあい の規定,料理のサービス,質の規定と許容誤差の分析,である。これらは,実際の活動および料理 を目にしなければg説明されえないのかもしれないが,安全規則や質の規定と許容誤差の分析など には,自己評価にもなりうるように,具体的な文章が示されてもいいようにも思う。しかし,実際 の学習活動の中でどのように指導されているのか,それいかんにかかわる問題ともいえよう。
巫 ソビエトの教育内容の特色
ソビエトでは・指導書の中で・「労働に関する課業は,基本的に実践的な性格をもっものであると いう原則から,理論的なことは25%以下におさえるべきである7)」とされている。食物に関する 時間数が11時間という少ないなかで,理論と実践の結びつきがどのようにはかられているのか,
日本の家庭科教育にも相通じる,一番の問題ではないだろうか。
ソビエトの食物領域の教育内容の特色として,次にあげられるのは,卵料理,野菜料理,魚およ び肉料理というように食品の分類別にとりあげていることである。日本では,料理法での分類が されている。たとえば,卵でいえば,5年でゆで卵,6年で,卵料理(フライパンを用いるもの),
中学校3年で卵のむし物,野菜でいえば,5年で緑黄色野菜の油いため,6年でじゃがいも料理,
中学校1年でいため物及びサラダ,中学3年で野菜のあえ物となっている。
特色の第3は,食品の性質や食品の調理上の特性といった家政的なものがないことである。これ と関連して・調理上の実験といったものもとりあげられていない。しかし,そのかわり,食物にか かわる社会的な面,たとえば,穀物の生産量の変化,乳製品の工場,そこで働く人々について,な どがとりあげられており,特色の第4といえよう。ソビエトでは,この労働教育が「職業への志向 を決定させ,国民経済における種々の労働への興味を生徒に与える8)」ことを目標としている以上,
当然のことであろう。
第5に,1人あたりの栄養所要量などが第8学年にきており,献立作成のポイントを最後の学年 の8学年においていることである。日本では,献立作成は,各学年の目標能力の1つとなっており,
調理実習も1食分の献立となるように組み合わされておこなわれている。
特色の第6は,教科間の結合として,自然,植物学,地理の教科目の内容があげられており,巾 広くとらえられている。
以上,6つの特色をあげてみたが,「実生活に対しての準備をするという課題をになうと同時に,
諸種の生産的な労働に対しても準備する9)」というサービス労働の基本的な教育目標からひきださ
れるものといえよう。
お わ り に
ソビエトはいま教育改革の渦中にある。本年4月12日,「普通教育学校と職業学校改革の基本方 針」がソ連邦最高会議において決定され,教育改革が具代的に進められてきている。この改革内容 の中に,労働教育の改革が含まれており,しかもきわめて重要視されている。労働教育改革の第1 点は,表2のように,労働教育の時間が大巾に
搗蛯オたことである。労働教育時間の増大にと 表2 週あたりの労働教育時間の変更11)
もない,第8学年から一般的な職業資格取得の 現 行 改 革 後 準備を開始し,普通教育学校の第10・11学年終 学 年 時 間 学 年 時 間
了までに,すべての生徒が一般的な職業の1つ
1 ※初等教育に関する基礎的な資格を取得するよう指導され
1〜3
22〜4 3
ることになった。第2は,夏季休暇を短縮した 5〜7 4
前期中等教育
J働実習の逐行,「生産の基礎・職業選択」の 4〜8
28〜9 6 コースの新設,および職業指導の強化があげら 後期中等教育 9・10 4 10・11 8 れる。これは,これまでの総合技術教育の,「す
べての教科を通して教えられる総合技術的知識 ※ 新1学年については明文化されていないので
1よ結脳片的なものに終わらざるをえなし渦, 省略幡 という弱点を克服するものとして考えられてい
るようである。第3は,施設・設備の面で,労働教育実習の場として数校が共同で利用する「学習・
生産コンビナート」や「学習・生産工場」のいっそうの拡充に加え,職業技術学校との緊密な協力 がはかられることとなった。
このような教育改革の中で,1985年には教科書も全面的に改訂されるという。この改革で,サ 一ビス労働がどのように変わってゆくのか,おさえてゆきたい。
注
1)詳しくは,拙稿「ソビエトの労働教育一布に関する課業を中心として一」 『茨城大学教育学部紀要(教育科 学)』第32号,1983号,p.46−48.
2)yqHTe丑bcKaH ra3eTa,29 a6rycTa 1959r., cTμ1.
3)赫HHHcTepcTBo npocBe田leHHπ PCΦCP,「IporpaMMbl BocbMHπeTHH藺田Ko』bl, TPyAoBoe 06yqeHHe lV一皿K双accH乃』H ropoAcKHx田Ko』PCΦCP, M., HpocBe皿eHHe,1983.
4)被服分野は48時間で70%,電気は10時間で14%の割合となっている.
5)A. 兄.」1a63HHa, BacHハbqeHK⊂、 E, B.06,πy)KHBaK)田IH益 TpyA 双ハ月 6ro Kハacca,納.,
npocBe叫eHHe 1981, cTp.4−49・
6)牛乳および乳製品,ひきわり小麦およびマカロニ製品,魚,肉,野菜,果物と果実の6つに分かれている.
7) ハへHHHcTepcTBo npocBeu耳eHH翔 PCΦCP, TaM }Ke, cTp.8.
8) Ta勲1)Ke, CTP.4.