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秋山祖久 論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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秋山祖久 論文内容の要旨

主 論 文

Relationship between Regulatory T Cells and the Combination of Pegylated Interferon and Ribavirin for the Treatment of Chronic Hepatitis Type C

(C 型慢性肝炎に対するペグインターフェロン+リバビリン併用療法と 制御性 T 細胞の関係)

秋山 祖久 市川 辰樹 宮明 寿光 本吉 康英 竹下 茂之 小澤 栄介 三馬 聡 柴田 英貴 田浦 直太 中尾 一彦

(Intervirology in press)

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻

(主任指導教員:中尾一彦教授)

緒 言

生体の免疫機構は,病原性外来微生物(外来抗原)や,癌細胞(変異性自己抗原)を検知 し,これらを排除する高度な生体機構であるが,その活性化と沈静化の連鎖の破綻は, アレルギー性疾患や自己免疫性疾患,発癌といった事態をもたらす。この免疫系の制 御,抑制に中心的な役割を果たす特別なリンパ 細胞集団として,制御性 T 細 胞 (Regulatory T cell,以下 Treg)が提唱されている.

C 型肝炎ウイルス(Hepatitis C virus,以下 HCV)感染は 50-80%において慢性化する といわれているが,その原因の 1 つに免疫動態の関与が示唆されている.C 型慢性肝炎 (Chronic hepatitis type C, 以 下 CHC) で HCV 排 除 を 目 的 と し た 治 療 法 は Interferon(IFN)療法であるが,CHC において,IFN 投与後の HCV 量の低下は 2 相性であ るといわれている. 第 1 相(投与後 48 時間)は,IFN 用量依存性であり,HCV の産生放出 の阻止に関連していることが示唆されているが,減少率の緩やかである第 2 相(48 時 間以降)は,免疫反応による感染細胞の排除が関連していると示唆されている.また, 近年 IFN の併用薬として抗 HCV 効果を増強している Ribavirin (Rib)の併用により, 投与後 2-4 週目以降に HCV 量の緩やかな減少が見られ、第 3 相といわれている.その 出現は HCV 排除の良い指標とされている.近年,慢性感染症においては Treg の関与が 推測されており,今回,Peginterferon(PEG-IFN)+Rib 併用療法後の第 2 相,第 3 相にお ける末梢血中の Treg の変化と HCV 量の減少の関係を検討した.

(2)

対象と方法

HCV は,血清型で 1 型と 2 型に分類され,さらに治療の観点から高ウイルス量,低ウイル ス量に分類される.1 型よりも 2 型,高ウイルス量よりも低ウイルス量で治療効果が高 く,日本人は 1 型高ウイルス量が多いといわれている.今回我々は,初回治療として PEG-IFN+Rib 併用療法を施行した 1 型高ウイルス量症例 20 例を対象とした.治療終了 後 24 週時点の HCV-RNA 持続陰性化症例を Sustained virological response(SVR),治 療不応症例を No response(NR)とし,治療前,48 時間後,2 週後,8 週後,12 週後,24 週後 の末梢血リンパ球を採取し, CD4+,CD25+,Foxp3+免疫染色を行い,Flow cytometry にて CD4+,CD25+,Foxp3+を発現する Treg を count し,SVR 例(10 例),NR 例(10 例)における 治 療 前 後 の Treg の 動 態 を 検 討 し た . ま た , 治 療 前 に 施 行 し た 肝 生 検 切 片 に CD3+,CD4+,CD8+,Foxp3+免疫染色を行い,門脈域中の Foxp3+細胞を count し, SVR 例,NR 例において肝組織中の Treg の割合に相違があるかも合わせて検討した.

結 果

末梢血中リンパ球の Foxp3+/CD4+の割合は,SVR 例と NR 例において治療前 8.4±

3.4%vs5.1±3.9%,48 時間後 7.7±2.1%vs7.4±1.2%,2 週後 9.3±4.9%vs6.8±4.1%,8 週 後 21.0 ± 3.2%vs3.3 ± 1.1%,12 週 後 17.4 ± 6.9%vs4.5 ± 2.5%,24 週 後 13.4 ± 4.3%vs4.7±3.2%であり,治療前,48 時間後,2 週後,24 週後では両群に有意差は認めな かったが,8 週後,12 週後において SVR 例で有意差を認めた.また,肝組織中リンパ球 の Foxp3+/CD4+の割合は,SVR 例と NR 例において 9.2±2.1%vs12.9±0.2%と NR 例で増 加し,CD8+/Foxp3+の割合は, 6.1±2.7%vs4.0±1.8%で SVR 例で増加した.いずれも両 群間に有意差を認めた.

考 察

SVR 例では,第 3 相に相当する時期に Treg の割合が上昇し,治療前の肝組織では NR 例 で Treg の割合が上昇していた.治療前の肝組織内に存在する Treg は,細胞障害性 T 細 胞(Cytotoxic T lymphocyte,以下 CTL)による HCV 感染細胞排除の抑制に関与している と考えられ,IFN 治療抵抗性の原因の 1 つであることが示唆された.また,SVR 例におい て,IFN 治療開始後の CTL の活性化に伴い,末梢血中の Treg が反応性に上昇していると 考えられた.いずれも治療効果の予測として有用である.

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