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浦安市復興計画(素案)(骨子)についてのご意見と市の考え

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Academic year: 2018

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(1)

市民意見提出制度(

パブリックコメント)

制度によって皆さんからお寄せい

ただいたご意見と、市の考え方を公表します。

〇意見提出実人数

17

〇受付件数

直接提出

9 件

郵便

10 件

ファクス

3 件

電子メール

37 件

計 59

〇計画案等に反映された意見数

43 件

A:意見を受けて加筆・修正したもの

13 件

B:計画案に意見の考え方が概ね含まれていたもの

27 件

C:計画案に意見の考え方が一部含まれていたもの

3 件

〇計画案等に反映されなかった意見数

16 件

D:計画案に意見の考え方が反映・修正されないもの

10 件

E:案以外の意見

6 件

〇資料

浦安市復興計画(素案)

〇担当課

(2)

対応

A:意見を受けて加筆・修正したもの

B:案に意見の考え方が概ね含まれていたもの C:案に意見の考え方が一部含まれていたもの

D:案に意見の考え方が反映・修正されないもの・その他 E:案以外の意見

No 意見の趣旨 対応 回答

1

浦安市復興計画(素案)は全般的に各項目を網羅され計画としては評価したい。

問題はこの計画をいかに現実とするかである。計画が計画で終わることがないよう切にお願いした い。

復興計画の策定を踏まえて、第2期基本計画や都市計画基本方針、地域防災計画などの主 要な計画を修正し、第2次実施計画に主要な事業を位置づけ、実施計画の進行管理等を行 うことにより、復旧・復興を着実に推進することを加筆・修正しました。

2

総合的に災害を捉える複合災害の視点を考慮すべきである。

液状化は災害の一側面であり、首都直下型地震の際には、建物倒壊・火災・孤島化等の災害が 想定され、それらも網羅的に把握して「減災」を考える必要がある。

これら様々な災害要素をバランス良く「減災」しなければならないが、行政に任せると縦割りになり かねない。生活者の視点から災害の種類・程度等を判断できるのは市民であり、活用にあたって は「公と民の連携」が不可欠である。

発生が想定される首都直下地震などによる複合災害の対策として、ハード整備を進めるだけで は限界があり、同時にソフト面からの対策も進める必要があります。しかし、災害からの被害を 完全に防ぐことは難しいことから、被害を最小限に抑える「減災」を基調としています。 また、「減災」は「防災」と同様に、自助、共助、公助という視点から、それぞれが独自に、ある いは連携して取り組むことが必要であると考えています。

今回の震災では、応急対策活動から、行政だけでなく、市民や地域コミュニティ、市内事業者 などが協力し、復旧・復興に取り組んできたため、今後も各主体の役割分担を明確にし、それ ぞれの活動について相互理解を深め、連携強化を図ることを記載しています。

3

ハード面の対策は中長期的に期待できるが、自治会や自主防災組織に頼るソフト面の対策に不 安や不備が残る。例えば、防災リーダーとなる人材をどう選び誰がいつまでにどのように育成する のかを具体化して明記してほしい。

防災リーダーの育成は、震災以前よりと取り組まれていましたが、今回の震災によりその大切さ が改めて認識されたため、引き続き取り組んでいくことを記述しています。また、復興計画は、 復旧・復興に向けて取り組むべき課題と取り組みの方向性をまとめたものであり、全ての事業で 手法や工程が具体化されているものではありません。

このため、復興計画の策定を踏まえ、具体的な事業については地域防災計画などの関連計画 や実施計画の見直しの中で検討を行うこととしています。

4

「地域コミュニティ」を強調することは、大切であるが行政が市民に責任を転嫁しているように思う。 この「計画(素案)」を浦安市外の人が読んで、“浦安はしっかり液状化対策をやっているから、浦 安に住もう”と思うだろうか。

復興浦安の姿が見えるように計画を練っていただきたい。

5

「住みやすいまち」と「暮らしやすいまち」には言及されているが、「住みがいのあるまち」には全く言 及がない。前者はハード中心で、後者はソフト重視である。住みやすいまちは浦安以外にもたくさん ある。これでは浦安に留まる価値はない。

浦安の魅力は「住みやすい」以外の何に求めるのか。「環境共生都市」を含めて「住みがいのある まち」の中長期ビジョン、独自のまちづくり構想をもっと具体的にイメージして掘り下げて魅力的にわ かりやすく明示あるいは例示してほしい。

羅列的な総花的計画ではなく、市民がイメージ共有できる復興シンボルとなる具体策を3つに絞っ て重点化して明示してほしい。特にソフト面の対策に関してそう感じるので強く望む。

6

今回の震災からの復旧には多くの年数と多大な労力が必要なのは十分理解しているが、今回の 復興計画からは、将来、浦安をどのような姿にするのかというトータルなビジョンが読みとれない。 悪く言えば、対症療法を並べた計画という感じがする。

災害時に自分の身は自分で守る自助が防災の基本であり、また自分の周りの人たちと救助活 動や消火活動などを行い、地域コミュニティで助け合う共助が、災害被害の軽減につながりま す。

また、ふるさと復興市民会議や市民アンケートでも、地域力が災害時に大きな力となり減災に つながることから、普段からの地域コミュニティの大切さが述べられています。そのため、地域コ ミュニティの醸成について復興計画の全体にわたり記載しています。

また、復興計画では、第2期基本計画の基本認識である「住みがいのあるまち」を踏襲し、地 域の様々な主体と相互に連携しながら、市民と地域が主体的にまちづくりに取り組むための環 境整備を進めていくことを加筆・修正をしました。さらに今回の震災で得た様々な教訓を活か し、浦安が抱えるまちづくりの構造的課題に対応した新たな都市・地域の魅力の創生に取り組 む必要があると考え、再生可能エネルギーや情報通信技術を活用したエネルギー管理などの 「環境価値」、また医療や介護などの「社会的価値」、さらには観光や商業などの「経済的価 値」の3つの価値を総合的に創生することで、「誰もが暮らしたいまち」「誰もが活力あるまち」の 実現を目指すことを加筆・修正しました。

(3)

No 意見の趣旨 対応 回答

7

浦安を将来、震災を乗り越えた「世界に誇れるまち」にするためのビジョンをオール浦安で知恵を 出し合い、まず、計画を作るべきである。そのビジョン作りには、産官学プラス市民の視点が不可欠 である。

本市と明海大学・企業との産官学による「浦安環境共生都市コンソーシアム」への市民参加の あり方については、今後検討していきます。

8

浦安市には、幸い、まだ、開発が行われていない土地がある。そこに、理想のモデルシティを作る べきだと考える。今回の震災で個別の住宅に対する震災被害は、個人にとっても、行政にとっても 多大な経済的負担を強いるものになり、個別で対応することの限界も見えている。

未利用の土地に理想のモデルシティを作り、住み替えながら、まちを作り替えていくことのほうが現 実的であると考える。

未利用の土地の活用については、新町地域を対象とした浦安環境共生都市コンソーシアムの 基本構想を踏まえ、ここをコアゾーンとしながら、市全体として、環境価値、社会的価値、経済 的価値を創造する取り組みを産官学の協働により進めることを記述しています。

今回の震災で、大規模で画一的な開発の問題点が明確になった。

これまでの「まちづくり」の問題点を整理し、今後の復興のまちづくりに活かしていくことが重要であ る。これからの「まちづくり」について、以下のような提言をさせていただく。自立するコンパクトシティ やコミュニティのネットワークの考え方が必要である。

< 復興・再生のための「まちづくり」の提言 >

1)自立できる「まち」: 最低、緊急時に電気、飲み水、下水、食糧、医療が確保できる「ま ち」。 また、より積極的にはエネルギー、上下水道などを自前でまかなえるコンパクトな「まちづ くり」を目指すべきである。

2)自分たちで作りあげる「まち」: これまでの「まちづくり」は開発業者が植栽まで作りこんで販 売するケースが多く、自分たちで作りあげる部分がない「まちづくり」であった。少なくとも共有部 分の広場などは、住民自らが作る事で、個人の技術や経験が活かされ、生きがいもうまれる。 また、そのプロセスの中でコミュニティと助け合いの精神が培われ、スコップなどの道具(災害時 に有効)も整備されていく。

3)多世代がすむ「まち」: 大規模開発で作られた「まち」は、同世代に偏り、年齢構成が画一 になりやすい。一つのコンパクトな「まち」の中に、賃貸、持ち家、定期借地、シェアハウスなどの 4)住んでいる人の顔が見える「まち」: コンパクトな「まち」では、住民の顔が見えると同時に、ま ちの中に「広場」を作るなど、コミュニティが自然に作られる仕掛けをもった「まちづくり」が必要で ある。

5)店のある「まち」: コンパクトな「まち」の中に、店を数店作る。また、市(バザール)などの臨時 の店も可能にする。緊急時の物資の確保の視点で有効である。いくつかのコンパクトなまちの ネットワークになれば緊急時に衣食住をある程度まかなうことができる。

6)まち医者がいる「まち」: 大規模病院だけのまちでは、緊急時には、ほとんど対応が不可能 である。地域である程度の医療を確立しておく必要がある。

7)みどりに囲まれた「まち」: 今回の震災で、樹木が倒れたところは少なく、大地にしっかりと根 を下ろした「みどり」の強さが明確になった。また、みどりや樹木の多いタウンハウスは、液状化に も強いことが証明されている。また、津波、火災の延焼にも「みどり」は有効である。さらにみどり の環境浄化機能、温度の調整機能を考えれば、みどりを核にした「まちづくり」が重要。 8)水を取り込んだまち: 浦安は水に囲まれた「まち」。水による災害を最小限に抑えると同時 に水と触れられる環境を両立する必要である。緊急時には、浦安市が孤立した場合の外への 重要なアプローチにもなる。みどりのマウンド(津波対策)、護岸、水辺を一体として設計すること により、防災と環境を両立できる。また、「まち」の中に池を作ることにより、普段はビオトープとし てふれあい・体験の場として使い、緊急時は水の供給源、防火槽として使うことができる。

復興計画で位置づけた復興の基本方針として、まず何よりも重要な課題として、震災で被害を 受けた被災者の暮らしを一日も早く震災前の姿に取り戻し、市民一人ひとりが安心感を持って 暮らせるようすることとし、被災した住宅、宅地の早期再建のみならず、こころやからだへのケ ア、健康維持を含め、一日でも早く安心できる暮らしができるよう、被災者を総合的に支援する 取り組みを示しました。

また、復興の礎となる災害に強いまちづくりを進めるため、発生が予想される首都直下地震の ような地震動を想定しながら、液状化による被害を最小限にとどめ、被災しても早期復旧がで きる「減災」の視点を持って多重の対策を講じる防災まちづくりの方向性を示しました。 さらに、今回の震災を経験し、本市の市民力、地域力が、この難局を乗り越える大きな力とな ることも確信したことから、今後、復興を進めるにあたっては、このような市民力、地域力を復興 に活かしていくことや市民の知恵と経験を結集し、単に震災被害の復旧に止まらず、今まで培 われてきた経験や取り組みの実績を活かし、今日、浦安が抱えるまちづくりの課題を解決しつ つ、新たな都市、地域の魅力や価値の創生をめざした取り組みを持続的に推進する必要性と 方向性を示しました。

(4)

No 意見の趣旨 対応 回答

10

浦安の創生に向けてダイナミックな発想でグランドデザインし、プロジェクトを起こす創生戦略室をつ くるべきである。

創生戦略室の役割は、この震災を踏まえて浦安はどんな街に生まれ変わるのか、そのコンセプト 創造とプロジェクト創出である。それは、大きな視野での都市計画のグランドデザインである。新町 を創生のための戦略的な街として位置づけることがよいのではないか。創生戦略構築のプロセスに は簡単にいうと次のアプローチが考えられる。

①新町地区に残されたの土地用途をもう一度見直し、ダイナミックな発想で護岸を含めた都市構 想計画を立案する。(国や都市整備機構や県企業庁、ディズニーにも参画を求める)

②都市構想計画の基本理念を踏まえた具体的な計画案をグローバルレベルのコンペで募集す る。

③実現可能性を検討しながら、コンセプトに肉付けしプロジェクトを創出、考えられるロードマップを 作成する。

これは昨年発足した、浦安市環境共生都市コンソーシアムが近いのかもしれないが、その視野の スパン(範囲や期間)をもっと大きくしたものである。住宅、交通、健康・医療、防災、環境、観光な どが有機的に関連しあう新しい都市像を作り上げる作業である。

ここに市民がもつ知見とネットワークをどのように活用するかが非常に重要となる。大学の参画も必 須であるし、場合によっては戦略室長を企業経験者からのスカウトや公募することも考えられる。 広大な話に見えるかも知れないが、これくらいのことをしないと浦安の価値は復活しないのではと思 う。またチャレンジするだけの価値があることだと思う。

復興計画は、復旧・復興に向けて取り組むべき課題と取り組みの方向性をまとめたものであり、 全ての事業で手法や工程が具体化されているものではありません。このため、新生浦安の創生 に向けてのプロジェクトについては、復興計画の策定を踏まえ、個別計画や実施計画を策定し ていくなかで、さらに検討を進めます。

また、行政組織については、これまでと同様に社会情勢の変化や行政課題に応じ効率的な市 政運営ができるよう必要な改正を行います。

11

耐震(液状化を含む)を考慮した道路・歩道・雨水管、汚水、雑排水管の埋設方法やその他復旧 の検討、実施が必要である。

事業内容の

「1)公共主体による都市基盤施設の復旧推進」を「公共主体の都市基盤施設の耐震化等の復 旧推進」に改める。

また、「国道、県道など」に「市道」を追記する。(市道が記入されていないのは理由があるか)

公共主体による都市基盤施設の復旧推進は、一部耐震対策を記載していますが、原則とし て、復旧に対する考え方を示しています。耐震・液状化対策の方向性については、「公共公益 施設の耐震・液状化対策の強化」で示していることから、ここに想定する地震や都市基盤施設 の目標とする性能などを加筆・修正しました。

また、復興計画は、市が行う施策の方向性を示すものであるため、特段の場合を除き市の管 理施設については、直接施設名称を記述するようにしています。一方、道路については、市以 外にも管理者があることから、管理者が明確となるよう国道、県道と記述しました。

12

国からの支援待ちの様子が見えるが、災害に強いインフラの整備、特に上下水道の整備は、最優 先課題と考える。(市役所の建設より優先度は高い)。

液状化対策推進事業は、多くの自治体で住民の同意が得るのは非常に困難だと思われる。 国の液状化対策推進事業を待つことなく、先ずは幹線道路の液状化対策を優先して実施し、願

わくば、生活道路の液状化対策をお願いしたい。 A

発生が想定される首都直下地震などを考えた場合、インフラの液状化対策や防災拠点の整 備はどちらも非常に重要なことと考えています。

道路の液状化対策については、施設の重要度や被害の状況などに応じて優先度が決まります が、早期の復旧が重要であることから、緊急輸送路のうち特に重要な路線で復旧に併せ液状 化の対策に取り組み、段階的に市全体へと展開することを加筆・修正しました。

また、生活道路については、国が創設した液状化対策推進事業などの制度を活用し、道路や 下水道などの公共施設と隣接宅地との一体的な液状化対策の実現可能性について検討する こととしています。

13

市民の生命と財産を守るための「復興計画(素案)」では、下記の点について液状化対策が見えて こない。

①基幹道路の液状化対策方法と期間 ②避難所の対策

③電気、ガス、上下水道などのライフラインの対策 ④戸建住宅の事前対策

優先順位を明確にして具体的な計画を記述していただきたい。

B

(5)

No 意見の趣旨 対応 回答

14

昨年3月11日の発災以降、市民は水道が出ず、水汲み行列、ガスも出ず、トイレは外、風呂にも 入れず、道路はうねり、マンホールは飛び出す、という文明生活とは程遠い、まるで山奥同様の生 活を強いられた。これでは東京のすぐ隣にある都市の生活とはとてもいえない。二度とこのような事 態を市民に経験させないという決意が必要である。

公共公益施設については、機能を保持できるような対策を講じることが基本となりますが、首都 直下地震のような大きな強度を持つ地震動(レベル2)に対しては、今回、液状化の被害を受 けなかった元町も含め、液状化の発生を完全に防ぐことは困難を極めます。このため、千葉東 方沖地震のような発生確率が高い地震動(レベル1)に対しては、道路や上下水道などがその 機能を保持することができ、首都直下地震のような大きな強度を持つ地震動(レベル2)に対し ては、液状化による被害を最小限にとどめ、被災しても早期復旧ができる「減災」の視点を持っ て取り組むことを記述しています。

15

自己責任については、公的責任と対のセットで論じられるべきである。

公的責任の範囲を具体的に明確にしないまま、自己責任や自助・共助が強調されるのは、公的 責任の範囲をあいまいにしたままの責任逃れとも受け取られかねない。

市有地の液状化対策について「自己責任で」と言うのであれば、公有地内の道路・上下水道・ガス 等のインフラ・ライフラインの液状化対策については「公的責任で」ということにならなければ、論理 的整合性がない。

16

現在、日の出、高洲地区に液状化対策を施したスマートシティ構想があるが、そこに繋がる上下水 道・ガス・道路等のインフラ・ライフラインは現状のままでは液状化に不安があり、未整備のままで は誰も安心して転入して来る気持ちにはなれない。まして、資産価値が下がる危険性も大となれ ば、魅力など感じられない。

つまり、インフラ・ライフラインの本格的液状化対策なしには、市にとって固定資産税、住民税の増 加は期待できない。

インフラ・ライフラインの液状化対策が基本中の基本であり、最優先課題である。

17

今回の液状化で、浦安は「砂上の楼閣」の汚名をあびるとともに、近傍の都市より都市基盤の安全 レベルが劣ることを露呈した。この安全レベルを大幅に高めなければ、まちの将来像も持続可能な 都市も「砂上の楼閣」の延長でしかない。それ故、都市基盤(設備)の安全レベルを大幅アップす ることを、「復興計画」の第一課題に設定すべきである。

安全レベルの目標は、必要コストとのバランスで設定されなければならない。そのため、その具体 像が往々にして見えづらいが、例えば、目標の最低レベルを「近傍都市と同等以上」と、とり敢えず 設定することで実感できるのではないか。

液状化地域であっても、宅地でいえばディズニーリゾートや旧住都公団分譲団地のように問題な かったところがあったが、これは建設当初に適切な液状化対策を行っていたからである。また、公 道では、国道357号は無傷、県道では多少の被害で済んだが、市道・ライフラインは悲惨だった。 これは道路構造の仕様レベルが被害の大きさと反比例することを示している。

つまり、液状化は適切な対処をとることで無くする、または軽減させることができるもので、対策次 第である。

液状化に対する安全レベルを検討する際、宅地と公道で扱いが異なる。前者の場合は所有者が 自らの判断で対処すること対して、後者では行政の所管であり、例えば市道は浦安市の責任とな る。

つまり、住宅内の安全レベルを考えるのは原則として居住者だが、今回被害が多かったライフライ ンの安全レベルを向上させる責任は行政にあり、その大半は市である。

その意味で、ライフラインの安全レベルを大幅に高める対策(仕様と予算)を講じる責務は市にあ り、その実現に向けて全力を注入すべきである。

(6)

No 意見の趣旨 対応 回答

18

行政はなすべきことについて、選択と集中、さらに優先順位を市民に明示すべきで、復興計画委 員会も行政にこの線に従った提案勧告をすべきではないか。

浦安市復興計画検討委員会では、本市の復旧・復興に向けた方向性や考え方について、多 角的な視点から積極的に検討していただき、多くの貴重なご意見をいただいたところです。施 策の優先順位については、市や各公共施設の管理者が復興計画を踏まえ、個別具体に検討 を進め実践していくものと考えています。

19

護岸・堤防については、立地上、二つのアキレス腱をもっている。一つは「軟弱地盤」で、もう一つ が「海に面している」ことである。

三方を海に囲まれているのは確かに魅力だが、それがアキレス腱にもなっている。つまり津波・高 潮の脅威と表裏の関係になっていることを忘れてはならない。これに対して十二分な対策と注意 が必要であることは、東日本大震災における津波災害をみれば明白である。

ひとつは、護岸・堤防を支える基礎である。今回傾斜・損傷が発生した箇所が多数あったが、これ は表面上の問題ではなく、液状化によって基礎がずれた可能性が高い。これは、津波・高潮が襲 来した場合、基礎から倒れる恐れを意味するもので、そうした観点から現在の仕様を見直す必要 があると思われる。

次に津波・高潮の想定高さである。これは、国・県レベルで見直しがなされているので、その状況を 踏まえて対処することになるが、住民・まちの死命を制するものなので当事者の視点から綿密に取 り組まなければならない。

最後に、市域の標高が低いことで、標高は、元町0m、中町2m、新町4mである。このことは、市域 が溢水してその水位が1mだとすると、元町は水没し、中町・新町は孤島化する。こうした観点から の防災対策も講じるべきである。

護岸・堤防は基本的に千葉県の所管だが、市は住民の視点に立つとともに市民と力を合わせて県 と綿密に協議すべきである。また、津波・高潮は湾岸自治体共通の課題なので相互に連帯する必 要がある。

復興計画においても「Ⅳ-2(3)治水・高潮・津波への対策」で、これに関して言及しているが、上 記のような視点から補強するよう望む。

なお、「境川河口部に水門と排水機の整備について、県と協議」とあるが、こうした個別案件は治 水対策全般の中で検討されるべきで、唐突に復興計画という構想レベルで触れるのには違和感 がある。

災害をハード面の施設整備で制御する防災対策には限界があり、被災しても被害を最小限に 止める「減災」の視点を持って、人命を守ることを重視した多重の対策を講じていく必要がある と考えています。

このことから、同様の問題を抱える近隣自治体と連携しながら、液状化対策を含め、広域的な 洪水・高潮・津波への対策に取り組むとともに、海や河川の護岸の補強や強度の検証について は、今後、国や千葉県で想定する東京湾で発生する津波や高潮被害の想定を踏まえ、管理 者である千葉県に必要な整備を求めるとともに、津波対策については、国や千葉県の津波に 関する検討状況を踏まえながら、浦安市地域防災計画を見直し、必要な対策や整備に取り組 むことを記述しています。

また、境川の水門設置については、これまでも千葉県と協議を行ってきています。今回の震災 を踏まえ、災害に強いまちづくりを進めていくうえで、水門や排水機場の整備による機能強化を 含め、治水対策の必要性が改めて認識されていることから、復興計画に記述しています。

20

旧江戸川護岸で最も脆弱な箇所は、舞浜大橋直下の約380m、堤防高さは3mの直立堤防で両 側とも盛土がない。堤防の構造は、鉄筋コンクリート(厚さ50cm×幅10m×高さ3m)で10m毎 の堤防接続部の目地(ゴム系素材)は、劣化が進んでいる。3.11の大震災で堤防(厚さ50cm) の一部が倒壊している。

旧江戸川 満潮水位の+50cmにすぎなく、津波や洪水と重なると大水害が想定される。従って 可能な範囲で早期に舞浜大橋直下の約380m区間の堤防陸側に盛土工事が必要です。(市内 の瓦礫・噴出土砂や工事残土等の近場活用でコストダウンを図る。)

「浦安市防災マップ」の避難場所は、49箇所あるが、「浦安市水害ハザードマップ」の避難場所は 33箇所で16箇所の公園は殆どが低地で避難場所から除外されている。公園に「丘づくり」して水 害時の避難場所に活用できれば大きな意義がある。

復興計画は、復旧・復興に向けて取り組むべき課題と取り組みの方向性をまとめたものであり、 全ての事業で手法や工程が具体化されているものではありません。このため、海や河川の護岸 の補強や強度の検証については、管理者である千葉県に必要な整備を求めていくとともに、国 や千葉県などの被害想定などを踏まえて、本市の地域防災計画の見直しを行うこととしていま す。

(7)

No 意見の趣旨 対応 回答

21

防災拠点としての新市庁舎が必要との主張が具体的に見えるが、ライフラインが切断される市民 の危険性を後回しにして、市庁舎だけが安全であることに何の意味があるのか?街が健全になれ ば、防災拠点は小さくて済むはずである。

防災拠点は、現在ある消防署(免震対策済)の二階に設置し、発災時には関連メンバーはここに 集中して詰めればよいのではないか?資金面の配慮も必要である。巨額の液状化対策費に新庁 舎の建設費が加われば、益々財政悪化に拍車がかかる。誰が負担するのか。

22

先の震災では今まで経験したことのない上下水道の破壊は、トイレ、風呂、炊事の使用出来ないこ との不便さはみじめであった。2度とかような経験をしたくない。

今、地震がいつ起きてもおかしくない。直下型地震が起きる可能性はかなり高いと騒がれている中 で液状化対策が何よりも優先される事ではないだろうか。

それには、莫大な金がかかる。市庁舎建設なんて言っている場合ではないであろう。建設資金は 復興資金に廻すべきである。基金80億円を持ちながら国に要求するのは他から見れば滑稽な話 と映る。まず、復興工事をしてから市庁舎建設を打ち出すべきである。

建設の理由に対策本部が必要と言うが、建設されて間も無い消防署を使うのがいいと思う。 浦安ブランドの復活と言われているが、青べかの浦安→ディズニーの浦安→液状化の浦安、に なった。これを消してこそブランド復活になる。液状化対策を切に願う。

23

市庁舎などは、後回しで先にやることが、たくさんあるはずである。現段階での市庁舎建て替えは

反対である。 D

24

災害対策は、市内各所の地区災害拠点と市役所内災害拠点の連携が不可欠であり、その観点 からの見直し再整備を行うべきである。・・・(素案対象項目:「Ⅳ.2(5)防災拠点や防災ネットワー クの機能強化」など)

◇今回災害時に既存の防災倉庫・施設等が役に立たなかった一方で、市内各地域で自主防災 活動が活躍した。また、これを機に様々な防災対策活動が新たに生まれている。こうした自主防 災活動を一つの細胞と捉えてそれを繋ぎシステム化するのが生きた災害対策であり、そのシステ ムの拠点となるのが市役所であろう。

実際に被災時に被災者が頼るのは先ず地区災害拠点であり、ここが不十分のままで市役所拠点 だけが整備されても意味がない。

◇こうした災害拠点は、災害時だけでなく通常時に活用されるのが望ましいことが、各地の実例か ら指摘されている。浦安市で言えば、地域災害拠点は小学校・公民館だと思うが、ここを通常活 動に活かすには例えば行政機能の一部を置く案もあり得る。こうした地に着いた検討が必要であ り、場合によっては、他方で市役所庁舎の規模も抑えられる可能性も出てくる。

◇「Ⅳ.2(5)防災拠点や防災ネットワークの機能強化」に「災害対策拠点となる市役所庁舎の建 替え」と記載されているが、上記の観点から見直すべきである。

また、1-3項で述べた復興予算の観点からも慎重に検討すべき事項だと思われ、「建替えに取組 みます」は言い過ぎではないか。

25

災害対策本部の設置の重要性は素案での指摘のとおりだと思う。

しかし、インフラ・ライフライン等の復旧・復興災害対策と費用が膨大になると素案にもあるが、最 終的に費用はどのくらいになるか分からない状態ではないか。そのような現状で、新庁舎を建設 し、災害対策本部を設置する計画がでているが、現時点では復旧・復興・避難場所などの災害対 策を優先してほしい。そして、災害対策本部は消防庁舎内に設置することを考えていただきたい。 平成19年度工事監査の結果方向によると、2008年9月に完成している消防庁舎は免震構造で 液状化に対応した基礎工法とある。また、通信等の設備についても高機能であると明記されてい る。

本市の復旧・復興を進める上では、発生が想定される地震において液状化被害を可能な限り 抑止し、液状化しても被害の軽減や早期復旧が図れるよう液状化対策を実施することが重要 と考えています。

(8)

No 意見の趣旨 対応 回答

26

舞浜は震災時、市職員が本庁と連絡がつかず舞浜小学校の非常用物資の配布や災害倉庫のカ ギの解除など、防災面や情報などまったく機能せず。こちらから情報を市の職員に提供し、動いて いた。舞浜地区は、市内を結ぶ橋が2本しかなく、倒壊の場合の陸路での非難困難や消防本部か ら遠く、今川の消防署からの出動も望めず、舞浜地区や千鳥地区の消防署の設置や船での避難 経路など早急に考えて実行してほしい。

27

浦安は三方を海と川に囲まれている。災害時に浦安住民の市外から市内への流れと、東京ディズ ニーリゾート入園客(1日平均7万人)の市外への逆流れが発生する。東西線、京葉線が不通とな れば、浦安駅・新浦安駅・舞浜駅(乗降人員合計1日平均約20万人)利用者のアクセスが不能と なる。浦安市と東京の陸路アクセスは浦安橋と舞浜大橋しかない。大量の人の流れにこの二つの 橋だけでは対処できない。災害時の人(物)の流れのインフラについて、陸路・海路ライン確保が課 題となる。

東京との陸路ラインとして旧江戸川に浮橋・架設柱橋の仮橋が必要であろう。

仮橋の一案として設置場所を堀江5丁目のバス道路(さくら道り)と江戸川区東葛西島の香取神社 とを繋ぐ線上に架設してはどうか。

渡河資材は陸自施設部隊に要請して、自走浮橋・自走架設柱橋を使用してはどうか。(習志野第 1空挺団の施設中隊と事前協議)

船は釣り宿組合(事前協定)の釣り船を活用してはどうか。

港は浦安側を堀江ドック、鉄鋼団地岸壁(鉄鋼団地組合と事前協定)とし東京側は葛西臨海公園 の遊覧船の岸壁を利用(東京都、江戸川区、遊覧船会社と事前協定)してはどうか。

浦安沖合にヘリコプター甲板を有する艦船の手配。艦船を拠点とし重傷者・重要物資・薬品の搬 送を行ってはどうか。(海上自衛隊にはヘリコプター甲板、医療システムを装備した自衛艦の輸送 艦「おおすみ」型、補給艦「ましゅう」型を有している。海自との事前協議)

28

減災、ハードとソフト防災の組み合わせの実施には、住民は目に見える形での防災対策を望みが ちであるという現実がある。その意味でも市民と行政、市民相互の共通理解を得ることが重要と考 える。市民のひとりとして、共通理解を深めることに全面的に協力したい。

国の液状化対策事業の実施には住民の合意形成が必要であり、重要と考えます。 B

国の創設した液状化対策事業を活用し、本市として公共施設と隣接宅地の一体的な液状化 対策を推進するため、実現可能性の調査、検討を実施する予定です。また、事業の実施には 関係する多くの方々が互いに理解し協力しあうことが不可欠です。

また、ふるさと復興市民会議や市民アンケートでも、多くの方々が地域力が災害時に大きな力 となり減災につながるので、普段から地域コミュニティが大切だと感じてることがわかります。こ のため、地域コミュニティの醸成について復興計画の全体にわたり記述しています。

29

私の昨年の経験では震災時のマンションの復旧対策、処理は自治会と管理組合の行動の違いが いろいろと生じた。

災害時、自治会が主となるか管理組合との融合した形となるか、普段から地域主体の市民の防 災組織が成り立っていることが必要と考える。

3月3日(土)浦安市民プラザでの記念講演『3.11・・あの日あなたはどうしていましたか?』は大 変よい内容で、このような講演会などにも自治会、管理組合が参加できるような通知の仕方が大 切と感じた。行政と自治会、管理組合他との災害対策組織との関係の検討が必要と考える。 事業概要の「1)様々な地域組織との連携による災害時対応のためガバナンスの形成準備」を「ガ バナンスの強化推進」と改める。(形成準備では遅いため)

また、「プラットフォームづくりの促進」を「行政、市民の災害対策組織づくりの強化促進」に改める。 ガバナンスは人によりわかりにくいのでわかりやすい文言に変更をお願いしたい。

災害時の避難所運営は、自治会などの地域コミュニティを中心とした様々な主体が協働して 行います。また、避難所の開設・運営マニュアルの策定は、地域コミュニティや学校、行政が 協力して行うことから、その策定過程により地域のネットワークの醸成を図れると考えています。 地域での住民、事業者相互の支えあいや自治会、NPO、産業団体など様々な組織が協力し 合う経験は、災害対策の組織づくりに限らず、本市の各地域における住民自治の展開の礎とな るものです。そこで、今まで培ってきた市民相互の協力関係を基礎としながら、地域の個性を 尊重しつつ、地域の自立を高めていき、災害時にも地域で意思決定し、対応できる地域自治 の体制づくりを進めていくことを加筆・修正しました。

また、ガバナンスなどのカタカナ語については、できるだけ日本語で表現するよう見直しました。 発災直後の初動期における応急対策活動で、様々な課題が明らかになったことから、この経 験を踏まえ地域防災計画の見直しに取り組むことを記述しています。

また、消防・救急需要の増加や多様化に対応するため、消防資機材の強化や消防出張所の 建設など、市全体の消防力の強化を図ることを記述しています。

また、緊急時の搬送や物資の空からの受け入れについては、地域防災計画におけるヘリポート の位置づけを踏まえ、設置予定地を含むヘリポートの液状化対策に取り組むこと、道路では ネットワーク強化を図るため、都市計画道路3・1・2号の整備に向け引き続き協議すること、海 からの搬送、物資の受け入れのあり方については、関係機関と協議しながら検討することを記 述しています。

(9)

No 意見の趣旨 対応 回答

30

訓練は図上演習のみではなく、シナリオを読むことが出来ない防災訓練(訓練のための訓練でな く)を定期的に実施してほしい。この種の訓練により計画はより現実味を帯び実効性が高まる。

災害時に円滑な応急対策活動を進めるため、行政組織体制を整備するとともに、継続的に実 践的な訓練を行うことを防災体制の確立・強化に記述しています。

なお、図上訓練とは、訓練参加者に必要最小限の状況を条件として与え、参加者が与えられ た条件を基に状況予測により対応を考えていく訓練方法をいいます。

31

首都直下型地震への記述が少ないように思う。

最悪に備え、楽観的に対処するのが危機管理の要諦である。

平時において、予め最悪のシナリオを描き、そうならないために今、何をすべきかの検討が必要で ある。このためには、専門家により、首都直下型地震の場合、浦安では、どの様な被害が想定さ れ、個人レベルで対処できることは何かなど、具体的な対応策を示すことが不安解消に繋がる。 原発対応でみるように「いたずらに不安を煽る」として情報を出したがらないのがこれまでの行政で ある。情報を公開しないから憶測をよんでデマのもとになり、不安が増幅する。情報の開示には工 夫が必要だが、積極的な開示を望む。

昨今、放射能問題の過剰防衛騒ぎにみるように、マスメディアだけでなくネットメディアもいたずらに 騒ぐことがある。誤った情報が流れないためにも、専門家による検証があれば、それを使うことがで きる。

32

情報の受発信問題については、広域避難場所を情報の受・発信基地にすることが重要かつ有効

と考える。 B

33

市や自治会の性格上、正確な情報の提供しか出来ないが、震災当時は、不正確でもいいので、 多くの状況を把握したかった。しかし、正確な情報とは言い換えると情報鮮度が悪い場合もある。 一般個人の名を借りれば出せる情報もあるはずである。

34

広域避難場所として、学校が指定されている。この有効活用について踏み込んでの検討を希望す る。

文科省通達により学校長の任務は建物の管理に加え運営が加わったと聞いている。校区単位 に、自治会の自主防災組織のみならず、教育委員会、PTAや教職員も巻き込み、機能する自主 防災体制を構築し、そのネットワークの構築を目指す必要があると考える。

地域コミュニティで自立した活動が担える地域ごとの体制づくりが図れるよう、地域圏域(小学 校区や中学校区など)における自治会やPTA、老人クラブなどの地域活動団体やNPOなど が、今回の震災の経験を踏まえ地域の課題解決に向けて、相互に連携・共有し、活発に活動 が展開できるように、地域自らが自治を担う場や組織の設置に向けて取り組むことを加筆・修 正しました。

35

今回の内容では、情報伝達ルートは市役所から自治会、そして市民へという流れで検討されてい るように読み取っている。これでは有事発生の際はいくつかの問題が発生すると考えられ、実際に 今川では、自治体主体では非自治会員が対象にならない、自治会自体が大きな組織なために情 報が隅々行きわたらないなどの問題が発生した。

有事発生時の情報連携に、市民と非市民や自治会員と非自治会員の差はないかと認識している が、自治会を中心とした情報連携の場合、強制加入の権限がないだけに、そこが大きく問題にな る。

36

災害時に自治会未加入の住民、自治会未設立地区の住民に対するケアをどうするのか検討して ほしい。震災以降、自治会加入者は増えていると思われるが、経済的な理由で自治会費が払え なかったり、自治会の意義を感じなかったり、人間関係等の問題で自治会未加入者はかなりいると 推測される。

また、住んでいる地区に自治会自体がない地域もある。このような漏れた住民が孤立したり、取り 残されたりしないよう、明確に施策を検討してほしい。

災害時に、自分の身は自分で守る自助が防災の基本であり、また自分の周りの人たちと救助 活動や消火活動などを行い、地域コミュニティで助け合う共助が、災害被害の軽減につながり ます。今回の震災では、自治会をはじめ住宅管理組合などの地域コミュニティが主体となって 応急対策活動や情報伝達に取り組むなど、改めて地域コミュニティの大切さを認識しました。 ふるさと復興市民会議や市民アンケートでも、多くの方々が地域力が災害時に大きな力となり 減災につながるので、普段から地域コミュニティが大切だと感じてることがわかります。このこと から、今後も自治会をはじめ、地域コミュニティの活動を推進していくこととしています。 また、災害時に様々な情報を市民や在勤・在学者、来訪者に伝えられるよう、防災行政用無 線や地域防災無線、市ホームページ・ツイッター、携帯メール、情報掲示板、自治会などを通 した伝達などの既存手段の活用と工夫に加え、新しい技術の導入の検討など、様々な状況に 対応できる多様な情報発信手段の強化を図るとともに、それらの情報が、その内容や対象者、 手段などに応じ、迅速かつ正確に収集・発信できるよう、体制や仕組みを整備することを記載 しています。

(10)

No 意見の趣旨 対応 回答

37

震災以降、余震も含め地震が起きる頻度が高くなっている。特に近頃では関東圏を震源地とする 地震が起きている。

文部科学省の研究チームが想定する首都直下型の想定震度が6強から7に引き上げられ、東京 湾北部地震が発生した場合は、沿岸部の浦安市も深刻な被害を受けることが指摘されているが、 災害時の避難場所や避難先として指定されている学校や体育館、公園、公民館の施設は十二分 な対応がされているのか。浦安市では学校等の耐震補強は済ませていると思うが、東京湾北部 地震の直下型地震を想定した対策を早急に進めてほしい。

災害時の避難所となる学校施設やその他の公共建築物の耐震対策は、一部を除いて終了し ており、終了していない施設についても建替えを計画しています。

また、災害に強く安心して利用できるよう、幼稚園、小・中学校や公民館などの文教施設、保 育園などの社会福祉施設などの公益施設の耐震・液状化対策に取り組むとともに、特に避難 所である学校では、校庭の液状化対策に取り組むことを記述しています。

38

ペットが避難できる屋外スペースを確保してほしい。

ペットの餌や排泄物の処理を飼い主の責任で行うこと、鳴き声や他の避難者への配慮等、動物を 保護している団体と連携を取り、対策について定期的な話合いを行ってほしい。

最近は独り暮らしの高齢者がペットと暮らしている方が増えている。飼い主にとってのペットは家族 である。震災前に飼い主と生活をともにしていた犬や猫が置き去りにされ、避難所に移動した飼い 主が生きる支えをなくし体調を崩すなどの二次被害が生じることもある。岐阜県では、被災者が ペットと同伴で避難できるよう、被災動物救援計画に盛り込んでいるとのことのなので、これを参考 にして検討してほしい。

災害時のペット対策については、地域防災計画の見直しの中で、国の動向を踏まえ、今後さら に検討を進めていくことを加筆・修正しました。

首都直下型地震対策について

・阪神淡路大震災では6,500名の死者のうち500名は通常の医療が提供できたならば命を落とす ことはなかったと言われている。

・災害時における緊急医療現場では、その多くを自衛隊が担っている。しかし、自衛隊の災害派遣 には「緊急性」「公共性」「非代替性」の3要件があり、一定期間経過後は、民間医療での対応が 不可欠である。

・災害医療の場合、「災害特有の混乱が原因で救えなかった死」として問題となるのは「重症の外 傷」「重傷の火傷」「クラッシュ症候群」である。

・東京直下型地震では元町地区が火災や家屋の倒壊等の壊滅的被害を受ける恐れがある。これ らの治療を担う拠点病院をどうするか、順天堂大医院、東京ベイ医療センターを核にした緊急医 療体制の整備・構築が求められる。

・順天堂医院を核として、中小病院、クリニック、薬局を巻き込んだDisaster Medical Assistance Team(DMAT)が求められる。

・以上は救急医療体制の構築に国や自治体はもっと注力すべきという意味である。 ・米加州では、震災後の1993年、EarthquakeRecovery:ASurvivalManualLocal Government(地方自治体のための地震復興計画立案指針)を纏めている。 千葉県に働きかけ、同様なマニュアルの策定を希望する。

・上記マニュアルは、米加州各地の自治体職員が危機管理、構造、都市計画、精神衛生など幅 広い専門分野の有識者の協力の下に纏めた地方自治体のための地震後の復興段階用マニュア ルである。

・内容は具体的であり、次の震災時に直ぐにも活用できるものとなっている。震災対応も施設といっ たハード面だけでなく、災害直後に自治体や応急対応の指揮を執る長が、いち早く報道機関を通 じてメッセージを発表することの必要性など、心理的な安定を含めたソフト面の対応についてもきめ 細かく記述している。

・行政や医療機関などだけでなく、民間企業まで巻き込んでその活力を生かした広範囲な協力体 制を取っている。

・コンピューターを旨く活用して地図情報を載せたGIS(地理情報システム)を導入し、それにもライ フラインや地盤などはもちろん、所得水準や言語などのソフト面の対応のための情報が入れること

災害時でも緊急的な医療・救護活動が行われるよう、医師会・歯科医師会・薬剤師会などと の連携のもと、救護所や病院、診療所の機能、消防署や医療機関などの連絡・情報共有体制 など、医療・救護体制の強化に取り組むとともに、千葉県の指定する災害拠点病院と市内の病 院、診療所との連携による災害時の応急医療システムが機能するよう関係機関との協議に取 り組むことにより、災害時の医療体制を整備・充実していくことを記述しています。

(11)

No 意見の趣旨 対応 回答

40

首都直下型地震の際には、先に述べた重症の外傷」「重傷の火傷」「クラッシュ症候群」の患者ま でも運び込まれる可能性がある。どのように基幹病院に搬送するかなどを含め、現場での救急医 療をスムーズに行うため、医療コーディネーターを予め任命し訓練しておく必要がある。

災害時の緊急医療で重要な点は総合的な運用体制である。多様なリソースを動員できる機能 や、包括的に情報を収集し正確に分析する能力を備えた体制の構築の中に、医療対応を位置付 ける必要がある。

併せて自己完結型の体制で臨む必要もある。

今回の震災では幸いにも人的被害は発生しませんでしたが、発生が想定される地震では人的 被害が考えられることから、災害発生直後の緊急的な医療救護活動が速やかに行われ、安 心して診察や手当てを受けられるよう、国や千葉県はもとより災害拠点病院や市内の病院など 医療・救護に係る機関が連携し、その体制や機能を強化していく必要があります。

このことから、災害時でも緊急的な医療・救護活動が行われるよう、医師会・歯科医師会・薬 剤師会などとの連携のもと、救護所や病院、診療所の機能、消防署や医療機関などの連絡・ 情報共有体制など、医療・救護体制の強化に取り組むことを記述しています。

41

浦安市をスマートシティ実現の場として強調してほしい。もっと大規模に浦安市全域をカバーする 未来都市構想としてほしい。子供や若者がワクワクするような施策とすべき。その実現のため、ま ず、民間資金の活用で、プロジェクトファイナンス、PFI等民間や市民から融資・投資資金を集め、 浦安市全域の電力需要をまかなえるような発電施設(ガスタービン、再生エネルギー)をつくること や、ハイブリッド・電気自動車を推進し、充電施設を整備し、新しい産業・雇用をつくることを希望す る。

今回の震災で得た様々な教訓を活かし、各種の復旧事業や災害対策の強化に向けた取り組 みにあわせて、浦安が抱えるまちづくりの構造的課題に対応できる新たな都市・地域の魅力や 価値の創生に向けて取り組む必要があるため、国家戦略プロジェクトの一つとしてスタートした 環境未来都市構想の検討を進めていきます。

低炭素社会や超高齢社会への対応など社会的要請に的確に対応し、また本市がこれから自 律的に発展できる持続可能な都市機能の更新・転換を図り、本市の歴史、産業、文化などを 踏まえた「誰もが暮らしたいまち」「誰もが活力あるまち」という新生浦安の実現を目指し、医療 や介護、エネルギー、情報通信技術、教育、住宅などの生活基盤を向上させるため、「環境価 値」や「社会的価値」、「経済的価値」の3つの価値の創生と6つのプロジェクトに取り組むことを 加筆・修正しました。

また、ハイブリッド・電気自動車の推進など具体的な提案については、今後、本市と明海大学・ 企業との産官学による「浦安環境共生都市コンソーシアム」で検討していきます。

42

環境共生都市は、きれいな名称であるが具体的イメージが浮かんでこない。他の都市でも唱えそ うな流行り言葉で、今や凡庸である。浦安の個性や強みが全く見えてこない。まちづくりにも「マネジ メント」が必要である。浦安の強みは何か、それを活かして何を重視するのか、その目玉、シンボル になる具体的イメージを共有したい。

環境共生都市については、現在、本市と明海大学・企業との産官学による「浦安環境共生都 市コンソーシアム」で検討しています。その参加企業から太陽光発電やコージェネレーションシ ステムなど様々な再生可能エネルギーの活用などの提案を受けていますが、環境共生都市に 必要な要素とそのマネジメントについては、引き続き、産官学の協働で検討していきます。

43

再生可能エネルギーにさらに強調する。

現在、道路の交差点付近の歩道、学校の近くの歩道にある太陽光利用の街灯。老人福祉セン ター、高洲公民館の太陽光発電の一部採用などが目につく。

今後、新町の環境共生都都市構想からも再生可能エネルギー、省エネを取り入れた街の復興計 画を検討すべきと考える。

千葉市は再生エネルギー導入専門委員会が設けられ、太陽光・下水道汚泥を使ったバイオマス 発電などを行うとのことである。

例えば第2湾岸道路予定地だけでも5~6万平方メートルあり、このような場所を含め検討が必要 と考える。

「再生可能エネルギー(太陽光など)の活用検討」を「再生可能エネルギー(太陽光など)の活用・ 推進検討」に改めてほしい。

再生可能エネルギーに関する研究や技術開発の動向などを踏まえ、公共公益施設や住宅、 事業所において、太陽光などの再生可能エネルギーの活用や省エネルギー機器の導入を促 進していくことを記述しています。

44

緑の防潮堤や丘づくりの施策は大賛成で、ここの「丘づくり」を公園(用地)で行うことにより、水害時 の避難場所の増加を推進したい。「丘づくり」する公園の選定にあたっては、公園の周囲住宅等に 低地が多く、また中高層ビルが少ない等、水害時に高台が少なく車両ドライバー・歩行者等の外 来者の利用が期待できる立地の公園がよい。例えば、中高層ビルがない舞浜住宅地区、浦安市 内で最も低地が多い富士見地区に近い舞浜公園の1/2~1/3の面積に盛土を行うことにより、水 害時の避難場所としてこの地域の安全・安心に大きな期待が持てる。

また、この「丘づくり」は、高さに応じて展望台や監視カメラの設置場所としても利用でき、災害発 生時のにも多面的に活用できる。「魅力の創生」観点から将来的には舞浜公園の堀江橋側に展 望台を建造すれば、房総半島から昇る朝日・富士山に沈む夕日・ディズニーリゾート方面はもとよ り、東京スカイツリーも望める一大パノラマが楽しめる観光スポットも夢ではない。

緑の防潮堤や丘づくりについては、液状化の際に発生した噴出土砂などを利用して、緑化の推 進とともに津波や高潮被害の軽減効果もある緑の防潮堤や丘づくりを、市民参加、協働により 整備することを記述しています。

(12)

No 意見の趣旨 対応 回答

45

市の収入源と、公的部門の液状化対策による支出増の結果、国・県からの支援がなければ、市の 財政は厳しいものになる。不交付団体から赤字団体へ転落する可能性があるのではないか。

復旧・復興事業費の負担により市の財政が悪化し、市民サービスの低下や次世代への負担増 加を招かないよう、復興交付金などの国や県の支援の活用と長期にわたる復旧・復興事業の 継続的な財政的支援を要請しながら、中・長期の財政見通しを持って、効率的・計画的な行 財政運営を行い、復旧・復興財源の確保を図ることを記述しています。

46

財政的検討の記述が少ないように思える。

昨年末の復興計画検討委員会で宮崎委員提出の「浦安市の復興における論点」の視点が重要 である。インフラ整備は、従来よりも、よりレベルの高い安全性が求めらる。他方で、それ相応の費 用が必要となり、国からの助成金を含め財政上の議論も必要となる。いわば、懐具合に合わせて 安全性を考えざるを得ないわけで、「減災」と将来を見据えたコストとのバランスを考慮する必要が ある。換言すれば、災害を減じる(減災の)レベルは投資可能な額で決まる。この額は、査定済み の復旧費とは別で、市民の意見も聴きながら検討し実施する必要がある。これを「行政だけでやる のは困る、何らかの形で納税者が関与できる形で行うべきだ」と考える。

液状化対策として有効とされる地盤の締固めなどの地盤改良工法については、その効果とコス トはトレードオフの関係にあり、市域全体にわたり液状化対策を実施するには膨大なコストを要し ます。このため、復興交付金などの国や県の支援の活用と長期にわたる復旧・復興事業の継 続的な財政的支援を要請しながら、中・長期の財政見通しを持って、効率的・計画的な行財 政運営を行い、復旧・復興財源の確保を図ることを記述しています。

47

財源捻出に当たっては、あらゆる努力が必要である。

浦安市補助金検討委員会が平成17年5月提出の提言に沿い補助金のあり方について見直しも 必要と考える。

23年度予算執行にあたり、補助金も含み経常的経費の20%削減の取り組みや事業の総点 検によりコストの削減に取り組んできました。

今後も、既存事業の統廃合などの更なるコスト削減の取り組みにより歳出を抑制するとともに、 市税徴収率の向上や住民間の負担の公平確保の観点から受益者負担の適正な見直しなど、 引き続き行政改革に取り組むことを加筆・修正しました。

48

復興予算について

「液状化対策」、「津波・高潮対策」を検討する際の目安は、「浦安に住むのには不安が残る」と いった対策レベルではなく、「これなら安全だ」と一般に認められるレベルでなければならない。 その安全レベルと予算を浦安市が主体的に設定すべきであり、その過程では市民への情報公開 や市民との連携が求められる。

安全レベルを達成するのに必要な予算はかなりの額になりそうだが、だからと言って対策案を縮小 するのは本末転倒である。浦安の存亡をかけるものだから、対策案は断固として実現する必要が あり、それには国や県の支援・補助等を求める必要もあるが、一方で、市民で負担することや実施 期間を延ばして20~30年に設定することも検討すべきである。

復興計画は、復旧・復興に向けて取り組むべき課題と取り組みの方向性をまとめたものであり、 全ての事業で手法や工程が具体化されているものではありません。このため、復興計画の策定 を踏まえ、地域防災計画などの関連計画や実施計画の見直しを行うこととしています。 また、液状化対策として有効とされる地盤の締固めなどの地盤改良工法については、その効 果とコストはトレードオフの関係にあり、市域全体にわたり液状化対策を実施するには膨大なコ ストを要します。このため、復興交付金などの国や県の支援の活用と長期にわたる復旧・復興 事業の継続的な財政的支援を要請しながら、中・長期の財政見通しを持って、効率的・計画 的な行財政運営を行い、復旧・復興財源の確保を図ります。

なお、復興計画の計画期間は、本市の基本構想の目標年度である平成32年度を目標として いますが、復興計画で取り組む施策や事業のうち、10年を超えた長期にわたる取り組みが必 要なものについては、実施計画の進行管理を行う中で復興計画の成果や進捗の検証、評価を 行い、次の基本構想、基本計画に引き継ぐことを記述しています。

49

財源確保が困難ならば、お金のかからない方法を検討すべきである。例えば、都市計画の用途地 域を見直す、第一種低層住居専用地域(容積率100%)を第一種中高層住居専用地域(容積 率200%)に変更する。(容積率等の緩和) ほとんど市の資金負担がないだけでなく、建設推進 により将来、市の税収増となる。「都市計画」という言葉さえないのは残念である。習志野市のケー スは参考とならないか?

50

今後、中町を中心としてマンション、住宅等の老朽化が先に進む(入居30数年を迎えている)こと から今後の建て替えも視野に入れた街づくり、都市計画(用途地域・建蔽率・容積率)、立て替え 時の仮住まい(東京都は都営住宅を提供など)等の検討について強調してほしい。

51

シンボルロードは今後、新町の環境都市計画等から、さらにバス利用者が多くなると思われる。こ のことからBRT(バス・ラピッド・トランジット:エコ対策)他など公共空間を配慮した景観形成を進め

BRTを含む新たな交通システムの導入などについては、今後、本市と明海大学・企業との産官 学による「浦安環境共生都市コンソーシアム」の議論を踏まえ、今後、検討していきたいと考え 高質な住環境や都市景観に代表される本市の都市計画は、従前より高い評価を受けているこ とから、復旧・復興を進めていくに当たっては、早期に震災前の姿を取り戻すことが重要と考え ています。用途地域の変更や容積率、建ぺい率の緩和など都市計画の変更にあたっては、都 市における密度構成と住戸規模のバランスのほか、周辺市街地環境への影響やインフラなど を見定めながら、慎重に行うものであると考えています。

参照

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