平成 28 年度 事業計画書
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平成 28 年度 事業計画書
概 要
日本骨髄バンク(以下、当法人という)は平成 3 年(1991 年)12 月、非血縁の骨髄提供者(以下、 ドナーという)のあっせん機関として「財団法人 骨髄移植推進財団」の名称で設立され、平成 28 年 (2016 年)に 25 周年を迎えた。国の主導の下、日本赤十字社(以下、日赤という)、地方自治体等 と共に白血病等の血液疾患患者を四半世紀にわたって救命してきた。 平成 24 年 4 月に公益財団法人として認定され、25 年 10 月に名称を「公益財団法人 日本骨髄バン ク」と変更した。26 年 1 月の「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」(以下、 法律という)施行に伴い、骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業者として同年 4 月に許可を得た。 平成 27 年(暦年)の移植件数は 1,268 件(昨年比マイナス 64 件)となり、27 年度の移植件数も 26 年度(1,331 件)をかなり下回ると予想される。累計移植件数は 19,009 件(27 年末)で、今年度 中に 2 万件に達する見込みである。 患者登録数(27 年暦年、海外患者を除く)は年間 2,297 人で、26 年の 2,320 人を下回り減少に転 じた。また、患者登録中に臍帯血移植や血縁者間移植へ移行する例が増えている。 ドナー登録者数は 45 万 6,980 人(27 年末)となった。27 年の新規登録者は 2 万 8,308 人で、3 年 ぶりにプラスに転じた。しかし年齢超過や健康上の理由等による登録取消数は年間 2 万人を超え、純 増分が次第に減少している。この傾向が続くと 45 万人規模のドナープール維持は難しい。こうした 現状を踏まえ、大学生など若年層に向けたPRを強化し、ドナー登録を推進する。 ACジャパンによる PR は平成 27 年 7 月から再開した。今後は TV やラジオ、駅や電車内の AC 広告 を含めた幅広い広報活動で露出を増やす。若年層を中心に社会全体へバンクの存在を浸透させて、ド ナー登録への理解を深める。 コーディネート期間(平成 27 年暦年)は患者登録から移植までが 147 日(前年 147 日)、ドナー 指定から採取までが 122 日(前年 122 日)と前年同様の結果となった。患者救命の観点から、コーデ ィネート期間の大幅な短縮は喫緊の課題である。そこで、27 年末にコーディネート期間短縮プロジ ェクトを発足させ、既成概念にとらわれない抜本的なコーディネート見直しを開始した。同時に造血 幹細胞移植推進拠点病院や認定施設の医師らと密に連携して期間短縮を図る。 平成 22 年 10 月に導入した非血縁者間の末梢血幹細胞移植(以下、PBSCT という)は、移植の新た なソース選択を可能にし、主にコーディネート後半行程の期間短縮が期待されている。27 年暦年実 績は 53 件と前年(54 件)とほぼ同数で、累計で 149 件(28 年 2 月末)に達した。27 年 12 月にドナ ーの提供条件などを緩和したことで、PBSCT を含むコーディネートの割合が増えている。引き続き認 定施設の増加を図り、PBSCT のさらなる拡大を進める。2
本事業計画の数値目標
平成 28 年度 数値目標 27 年度実績見通し 国内移植件数 1,230 件 1,215 件 国際移植件数 20 件 (内、受領 5 件、提供 15 件) 18 件 (内、受領 2 件、提供 16 件) 確認検査件数 5,200 件 (内、国際 80 件) 5,200 件 (内、国際 80 件) 新規ドナー登録者数 32,000 人 28,500 人事業実施の基本方針
○平成 28 年度は以下に重点を置く。 1 コーディネートルールの抜本的見直しによる期間大幅短縮 2 末梢血幹細胞移植における「凍結」の検討 3 若年層を軸としたドナー登録拡大 4 関連組織との連携強化と「造血幹細胞移植支援システム」構築への関与 5 バンク設立 25 周年記念事業1.コーディネートルールの抜本的見直しによる期間大幅短縮
複数の移植ソースがある中で、バンクドナーからの移植が必要な患者にとってコーディネート期 間短縮(以下、期間短縮という)は必須であり急務である。飛躍的な期間短縮に向け、昨年末より 期間短縮プロジェクトを発足させて既成概念にとらわれない抜本策の検討を開始した。期間短縮に 協力的な病院等と連携し採取枠を有効活用する。必須とされてきた家族同意は廃止を視野に見直す。 また、造血幹細胞移植推進拠点病院との連携を深め、認定施設の医師や関係機関に対して採取受 け入れ拡大を継続的に促す。2.末梢血幹細胞移植における「凍結」の検討
末梢血幹細胞移植(PBSCT)は平成 27 年 12 月よりドナーの提供条件を緩和した。これに伴い、 適合検索ドナーの過半数が PBSCT を含むコーディネートとなっている。期間短縮の観点からも一層 の件数拡大を図る。また「財政安定化ワーキンググループ」(27 年 7 月発足)であっせん業務改 善策のひとつとして「末梢血幹細胞の短期間凍結保存」が答申された。関係者と調整した上で、導 入を検討する。3.若年層を軸としたドナー登録拡大
AC ジャパンの支援は平成 28 年も継続される。AC によるテレビや新聞、ラジオ、交通広告などの マスコミ媒体での PR を軸として登録を広く呼びかける。インターネットやスマートフォンなどを 通じて新しい情報を発信することで、大学生・専門学校生らを軸とした若年層への浸透を図る。学 校などで元患者らが闘病体験を話す「語りべ」講演会事業や、卒業・入学時のチラシ配布なども継 続する。支援機関に対して若年層への重点的・積極的なリクルート推進を働きかけるとともに、現 行のドナー登録会会場を見直し、これまで登録者が少なかった会場から学校(主に大学)での開催 に変更する。また、地方自治体・ボランティア団体などと連携を強め、登録者拡大に努める。3
4. 関連組織との連携強化と「造血幹細胞移植支援システム」構築への関与
移植施設認定に関する手続きは、今年度より日本造血細胞移植学会で実施される。当法人は、そ の一部の業務を受託する。検体保存事業(日赤・日本造血細胞移植データセンターに移行)も当法 人が一部の業務に協力する。 現在、組織ごとに存在する造血幹細胞情報に関連するシステム(※)を一元化して「造血幹細胞 移植支援システム」(支援機関による一元化システム)を構築する事業が始まっている。本件は日 赤が主体となり進められる。当法人のコーディネート支援システムはその範囲が広く、関係機関や 関係者も多岐にわたるため、今後も日赤を始め関連組織と連携を強め、事業を適切に進める。 ※当法人の「コーディネート支援システム」、日赤の「骨髄適合検索システム」、臍帯血バンク の「さい帯血情報公開システム」5.バンク設立 25 周年記念事業
当法人は造血幹細胞を非血縁者間であっせんするため、四半世紀にわたりドナーを募ってきた。 設立 25 周年となる平成 28 年は、骨髄バンク推進全国大会を記念大会として世界骨髄バンクドナー デー(9 月 17 日)に横浜市で開催する。硬軟織り交ぜた集客策をプログラムに織り込む。 地域の行政、ボランティアの協力を得て、各地のイベントや講演会で 25 周年を PR してドナー登 録に結びつける。事業の実施
Ⅰ 組織運営
1.財政全般
○支出項目を引き続き精査するとともに経費削減を実施し、効率的に予算を執行する。 ○寄付実績のある企業・団体・個人へ継続的に働きかけ、複数回寄付に結びつけて一般財源を確保 する。ホームページ上で完結するクレジットカード募金など利便性を高めることで社会全体から 広く寄付を募る。なお「患者負担金等支援基金」への寄付は、国庫補助金が増額された事情に鑑 み受付を一時停止して、一般寄付に特化する。 ○当法人が負担していた検査料等を患者負担とする。2.人事関連施策
○職員に働きやすい職場を提供し、同時に組織活性化と生産性向上を実現するために以下の人事施 策を実施する。 (1) 人事給与体系の再構築 当法人は新卒採用をせず中途採用を行ってきた経緯から、職員の年齢や職歴、バンクにおける 経験が長短様々であり、明確な賃金モデルを組み立てることができていない。入職時期によって給 与格差が生じる場合もある。「役職に対する手当」等も、適切かどうか十分検討されていない。現 在の給与体系が適切か否かを検証し、必要に応じて見直すことが円滑な組織運営に不可欠である。 一方、収支構造を見ると人件費の割合が経年的に上昇しており、その抑制が急務である。これら を勘案し、今年度に人事給与新体系を検討して平成 29 年度から実施できるよう取り組む。4 (2)評価制度の継続的な運用 人事評価の目的は、職員個々の能力・資質や実績等を把握しメリハリのある給与処遇を実現す ることである。上司と部下の「目標実績面談」を通じて認識を共有し、評価シートの適切な運用 により人事評価を賞与と昇給に反映する。 本制度は平成 25 年度から実施しており今年度も継続する。人事給与体系見直しに伴い、より良 い運用ができるよう併せて検証も継続する。また評価に基づき職制上の任免を適切に実施する。 (3)その他 ① ジョブローテーション ジョブローテーションにより人材育成と職員のモチベーションの維持向上を図る。組織を活性化 して職場内の人間関係硬直化を回避し、風通しの良い職場環境を実現する。対象者は一定期間、同 一業務に従事している職員とする。中央事務局と地区事務局、および地区事務局相互のジョブロー テーションも実施する。 ② 人員の適正配置 各部門の重点施策と業務量等を勘案し、人員の適正配置に努める。 ③育児・介護休業への支援 育児・介護休業の対象職員に従来どおり支援制度を周知して、休業に伴う職場のマンパワー低下 には代替措置を講じる。
3.公益財団法人および骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業者として
(1) 適正な法人運営 公益法人制度改革の趣旨にのっとり、内閣府の指導の下、法令および定款に基づいて適正に法人 運営を行う。また法律および厚生労働省令、ガイドライン等に基づき、骨髄・末梢血幹細胞提供あ っせん事業の許可事業者としてバンク事業を円滑に実施する。 (2) 個人情報保護対策 ドナーや患者の個人情報を取り扱うことを常に念頭に置き、引き続き個人情報保護対策を適切に 実施する。またマイナンバー(個人番号)及び特定個人情報を取り扱う部署では細心の注意を払う。4.関係機関とのコミュニケーション強化
(1)関係機関とのコミュニケーション 厚生労働省をはじめ、造血幹細胞移植事業関係者(支援機関、各臍帯血バンク、日本造血細胞移 植学会、日本造血細胞移植データセンター、造血幹細胞移植推進拠点病院)との連携を一層密にして、 骨髄バンク事業に取り組む。都道府県単位の「骨髄バンク連絡推進会議」の活性化や情報交換など、 地域レベルで地方自治体、支援機関、医療関係者、ボランティア等と連携してバンク事業を推進する。 (2)諸会議への参画 支援機関が主催する諸会議(※)や関係機関の会議などへ必要に応じて参画して協力する。 ※造血幹細胞移植事業関係者会議、骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業者連絡会議、情報一5 元管理連絡会議、普及啓発連絡会議、臍帯血供給事業者連絡会議、HLA 委員会など
Ⅱ 普及啓発事業
1.普及広報活動
(1) AC ジャパンの支援 AC ジャパンの支援キャンペーンは平成 27 年 7 月から再開されて 28 年も継続される。AC 広 告の CM は講演会やイベントなどで広く活用して、特に若年層の登録に結びつける。 (2) 各種媒体による啓発広報活動 映像素材を活用して学生や社会人、また職場や家族の理解を促す。また、ラジオ番組やイ ベント、インターネットを活用してドナー登録を PR する。街頭大型ビジョンやケーブルテレ ビなどに協力を呼びかけて、当法人や AC ジャパンの CM を放映していく。また新聞・雑誌へ の広告掲載や、駅・電車内のポスターコーナー設置などに関して協力企業を発掘して、露出 機会を拡大する。なお、フリーダイヤル(0120-445-445)は費用対効果の観点から今年度中 に廃止する。 (3) 若年層に対する広報活動 小・中学校、高校、大学や専門学校で元患者らが体験を話す「語りべ」講演会を引き続き 開催する。入学式・卒業式でのチラシ配布や、成人式会場でのリーフレット配布など若年層 に対する広報活動を強化する。 (4) マスメディアへのアピール 新聞やテレビなどマスメディアへ積極的に情報発信して、報道を通じて社会への浸透を図る。 (5) 地域活動の強化 ボランティア団体、日赤奉仕団、企業・団体などと協力して「語りべ」講演会活動による 企業等での PR など、地域における草の根レベルでの普及広報活動を推進する。 (6) 公式サイトやソーシャルメディアの活用 骨髄バンク事業を広く一般に知ってもらうため、必要な情報を正確かつタイムリーに検索 できるよう、公式ホームページやドナーズネットを活用する。You Tube やフェイスブックな どのソーシャルメディアの更新頻度を高め、若年層向け情報提供を強化する。 (7) 骨髄バンク推進月間の取組み 毎年 10 月の骨髄バンク推進月間に向け、国や関係諸団体が協力する地域の普及広報活動や 講演会、ドナー登録会をサポートする。 (8) 骨髄バンク 25 周年記念全国大会 骨髄バンク事業の普及広報のために全国大会を毎年開催している。今年度は 9 月 17 日(土) の World Marrow Donor Day に慶應義塾大学藤原洋記念ホール(横浜市)で実施する。今年は バンク設立 25 周年の節目であり、若年層ドナー登録推進に結びつく内容で開催する。6
2.ドナー登録推進活動
(1)
ドナー登録の活発な展開 ドナー登録会を支援機関、地方自治体、ボランティア団体とともに全国で開催する。支援 機関などと協力して献血会場でのドナー登録受付を推進する。各地の地区普及広報委員や説 明員、ボランティアの協力を仰ぎ、若年層を軸とした登録推進と新規登録会場開拓に努める。 (2)「骨髄バンク連絡推進会議」の再構築と地区の活性化 各地の行政担当者と連絡を密にして、都道府県単位で設置する「骨髄バンク連絡推進会議」 の再構築と新設を図る。地域に合わせた具体的なドナー登録拡大策を提案する。若年層を 対象とした新規支援先を開拓して登録会を活性化し、草の根レベルでドナー登録実績を向上さ せ、バンク事業の普及広報に努める。 (3)地区普及広報委員、説明員活動の向上等 地区普及広報委員や説明員に対して適切に情報提供して、説明スキルの向上を図る。説 明員が少ない地域では、関係者の協力を得て人材を育てる。養成用ツール作成や認定申請お よび更新手続きを速やかに実施して、登録が伸び悩む地域の底上げを図る。3.ドナーリテンション活動
(1) ドナー登録者の提供意思の維持のための施策 「日本骨髄バンクニュース」は、ドナー登録者の提供意思継続およびその家族や職場など の理解を促す目的で年 2 回作成している。編集にあたってはドナー目線に立って内容を再検 討する。発送費を削減するため、7 月号は電子メールで配信して 12 月号は登録者全員にメー ル便で発送する。 (2) 企業・団体等への各種働きかけ 企業・団体等にドナー休暇制度の導入を働きかける。当法人ホームページで導入企業を紹 介する。またドナーが有給休暇を取得しやすくなるよう職場の理解を深める。前述の「語り べ」講演会や新規ドナー登録会も積極的に開催を働きかける。 (3) 保険会社や市町村のドナー給付制度の拡大 ドナーに給付金が支払われる保険を販売している保険会社は 18 社(平成 28 年 2 月末現 在)。また、全国 127 の自治体(同 2 月末現在)が提供ドナーへの給付制度を導入している。 導入自治体を拡大して提供者を後押しする。4.委員会の運営(普及啓発事業)
(1)広報推進委員会 広報推進委員会は、ドナー募集策や提供意思の維持・持続策などを検討する。また、寄付募 集やバンクとの事業協力(法人または個人)、バンク広報資料の企画立案なども扱う。AC ジャ パンの今後の休止に備えた PR 策も検討する。7
Ⅲ 連絡調整等事業
○移植件数の大幅減少を踏まえて、将来を見据えた体制整備やコーディネート期間短縮に取り組む。 移植全般に関わる主治医からの相談は、臍帯血移植に関する内容も含めて当法人に設置された委 員会で引き続き対処する。患者登録等の一本化(中央患者登録センター/仮称)は、造血幹細胞 移植支援システム構築の中で関係者と連携して引き続き検討していく。 ○PBSCT のドナー提供条件を平成 27 年 12 月に緩和した。これにより PBSCT を含むコーディネート 割合が増えたため、引き続き認定施設の増加に努める。適切な連絡調整を行い、柔軟かつ効率的 なコーディネートを実現する。国内のコーディネートが安定して条件も緩和されたことから、 PBSCT の国際コーディネートを開始する。また、末梢血幹細胞の一時凍結保存法に関して関係者 と調整を図り、導入を検討する。移植側としては、提供がドナーの意思や健康状態に左右される 事態を回避できる。これにより患者の希望時期に移植できる例が徐々に増えると期待される。 ○コーディネート期間をさらに短くするため、既成概念にとらわれずルールを抜本的に見直す。造 血幹細胞移植推進拠点病院(28 年 2 月末現在全国 9 施設)との連携を深め、採取日程をスムーズ に調整して迅速なコーディネートを目指す。 ○ドナーの自由意思と安全を確保しつつ迅速で的確なコーディネートを実現して、患者が必要とす る時にタイムリーに提供できる体制を構築する。 ○各地区に配置しているコーディネーションスタッフを活用して、今年度から活動を開始する新人 コーディネーターの指導育成を継続して定着化を図る。コーディネーター研修を通じて、さらな る期間短縮と質の高いコーディネートを実現する。 ○非血縁者間造血幹細胞移植の移植施設(診療科)は学会が認定すること、また採取施設は学会と当 法人が共同で認定することになった。今年度から新たな認定基準が導入されるため、当法人は学 会からの業務委託を受けて適切に認定事務を行う。1.患者コーディネート業務
(1)業務の着実な遂行 主治医に対して正しい情報を適切なタイミングで提供する。 (2)業務内容の改善 平成 27 年度に実施した新たな施策(新 HLA 適合検索評価の導入、PBSCT 条件緩和)によるコ ーディネート状況を把握し、患者(主治医)のニーズに合った柔軟なコーディネートを提供す る。最も効率のよいコーディネートが実現できるように、専門知識の習得とともにコーディネ ートスキルを向上させる。 (3)コーディネートの見直し検討 コーディネートをさらに効果的、効率的に実施できるように現行ルールを随時見直し、必要8 に応じて改善する。それに伴い業務マニュアルも適宜追加・改訂する。 (4)患者問い合わせ窓口の対応 患者負担金免除やコーディネート行程など患者からの質問に適切に答える。
2.ドナーコーディネート業務
(1)コーディネート実施体制の整備・強化 ① ドナーの安全確保の推進 ドナーの健康と安全を確保するため、健康被害を防ぐ対策や適切な情報提供、ドナーフォロ ーアップのあり方を検討していく。ドナー適格性判定基準ならびに末梢血幹細胞採取マニュア ルを適宜改訂する。ドナーのインフルエンザ対策として予防接種費用を助成する(平成 21 年度 から実施)。コーディネーターへの予防接種費用補助も継続する。 ② コーディネート期間短縮 コーディネート期間短縮プロジェクト(27 年末に設置)でルールを抜本的に見直し、実現可 能性が高い期間短縮策を検討する。 ③ コーディネーターの研修 今年度は「コーディネーターブラッシュアップ研修会」をバンク設立 25 周年記念全国大会併 催として開催する。特に期間短縮策を中心として運用体制の徹底を図る。専門家による医学・コ ミュニケーションの講義や事例報告を通じて、複雑化するコーディネートに対応するための知識 と能力を習得させる。また地区事務局とコーディネーター間の連携を深める。 各地域でコーディネーションスタッフなどが主導して「コーディネーター会議研修会」を複数 回開催する。PBSCT 拡大とコーディネート期間短縮に向け、拠点病院セミナー等を活用して知識 や説明能力の習得、コーディネートでの対応力強化を目指す。 ④ 新人コーディネーターの指導育成と定着化 コーディネーター養成研修会を修了したコーディネーターが今年度(5 月)から活動を開始す る。引き続き、地区事務局・コーディネーションスタッフ主導で指導・育成して定着を図る。 (2)コーディネート推進のための環境整備 ① 採取数増加の働きかけと PBSCT の拡大 既存採取施設に対して採取受け入れ増加を働きかける。また、新たな採取施設を増やす。特 に末梢血幹細胞採取施設は国の施策を踏まえて増加に努め、PBSCT を拡大していく。 ② 調整医師不足の解消と業務委託契約の推進 確認検査などを円滑に実施できるように調整医師の増員を図る。調整医師になっていない血 液内科医を掘り起こす。また、調整医師所属施設に対して業務委託契約の締結を促す。 ③ その他 検査会社の協力を得て、確認検査検体の翌日集荷を開始する。またドナー利便性の観点から平 成 20 年度以降に一部の地域で土曜日の確認検査を実施しており、これを継続する。3.コーディネート支援システム等の管理
基幹業務システムであるコーディネート支援システムを適切に運用・管理する。PBSCT 機能追9 加を含めたシステム更新(平成 24 年 6 月)後も円滑に稼働しており、コーディネートルール見 直しや帳票変更に合わせ適切に仕様変更する。造血幹細胞移植支援システム構築では、支援機関 と連携して積極的に関与していく。
4.国際協力事業
国内の移植希望患者からの海外ドナー検索依頼、および海外の移植希望患者からの国内ドナ ー検索依頼を受け付け、国内外の患者の移植機会を拡大する。臍帯血の海外提供に関して臍帯 血バンクや関係組織と引き続き協力して推進する。各国間でより円滑な造血幹細胞提供を実現 するため、国際会議に参加する。支援機関から引き続き協力を得て、世界骨髄バンクドナーデ ータ集計システム(BMDW)に、日本のドナー登録者 HLA 集計情報を定期的に提供する。また、 臍帯血移植国際協力の観点から同ユニット情報も同様に提供する。5.調査研究協力事業
(1)採取・移植データの解析 治療成績とドナー安全性の向上には医学的な調査・研究が不可欠であり、以下の活動をする。 ① 移植データの追跡調査への協力 日本造血細胞移植データセンターにおける造血細胞移植登録を一元管理するため、データの 収集・管理に協力する。 ② ドナーフォローアップデータの収集・管理 骨髄採取・末梢血幹細胞採取およびドナーフォローアップに関連するデータを収集・管理す る。解析結果は必要に応じて公表し、ドナーの安全性向上に寄与する。 ③ 調査研究への協力 当法人各委員会や研究者からの要請に基づき、必要に応じて審査して調査研究に協力する。 (2)検体保存事業 移植に至った患者とドナーの血液検体を保存する検体保存事業は、平成 27 年度から日赤が実 施している。患者やドナーへの説明や同意確認にかかわる業務手続き等で日赤に協力していく。 また、保存期間が 10 年経過した検体は日本造血細胞移植データセンターで保存することとされ ており、当法人は必要に応じて協力する。6.患者負担金等支援基金事業
患者負担金等支援基金は平成 14 年度に設置された患者支援のための基金で、低所得者対策と して国庫補助金も受けている。患者負担金の減額免除(以下、減免という)とドナー入院時の差 額ベッド代を肩代わりする。 減免は、生活保護受給世帯と住民税・所得税の非課税世帯等の低所得の患者に対し世帯収入に 応じて全部または一部を免除する。差額ベッド代は生活保護受給世帯の患者に対して助成する。7.患者に対する費用軽減措置
DLI(ドナーリンパ球輸注療法)に係るコーディネーター活動費等の諸経費は、患者に請求する10 ことができない。そこで、患者負担金軽減積立金(平成 17 年度設置)を充当する。