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津波漂流物の衝突を対象としたコンクリート充填鋼管部材の耐衝撃性能評価に関する実験的研究 [ PDF

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財津 周平

津波漂流物の衝突を対象としたコンクリート充填鋼管部材の

耐衝撃性能評価に関する実験的研究

2. 研究計画 2.1 漂流物の流速決定  巨大津波の道路橋に関する津波平均速度は v = 5m/s と 考えてよいという報告がある3 ).また,東北地方太平洋 沖地震で宮城県名取川左岸地区のビデオから推計され た津波流速は 7m/s(25km/h)とする報告がある4).漂流物 2 2 v H g  3. 実験概要 3 . 1 加力方法および測定方法 (a) 衝撃載荷実験  衝撃載荷は図 1 に示す実験装置を用いて行い,試験体 中央に重錘を落下させることで衝撃力を加える.重錘 の落下高さは衝突時速度が 5m/s,7m/s となる場合に対応 してそれぞれ 1.25m,2.5m とする.重錘の先端は曲率半径 180mm の球形とする.加力は一つの試験体に対して重錘 を数回落下させ,衝撃時応答(中央たわみ,支点反力, 各部の歪等)や残留たわみ,損傷を調査する.測定方 法については,支点反力を試験体両端に設置した 1000kN ロードセルにより測定し,試験体下面における中央の たわみをレーザー変位計により測定した. (b) 静的載荷実験  加力点の先端形状や支持条件を衝撃実験と同様にし 2.2 衝撃荷重の指標  衝突速度が 10m/s 以下の場合は低速衝撃問題 と呼ばれるが,津波漂流物はこれに当たる.こ の場合,衝撃力作用時間は 10 ~ 20ms 程度とさ れており,部材損傷の指標として入力エネル ギーが適切と考えられる5 ).そこでここでは, I OP E LP V EEEEE ガイドレール □-300×12 ロードセル 円柱 D=200 滑車 電動チェーンブロック 吊りプレート 1.5m 2.0m 2.5m 3.0m 3.5m 4800 レーザー変位計 跳ね上がり 防止治具 ローラー 6 3 2 5 0m 3305 重 錘 約250kg 約125kg 試験体 使用重錘 先端曲率:R=180 H-300×300×10×15 H-300×300×10×15 H-300×300×10×15 L-150×150×15 L-150×150×15 図 1  衝撃載荷実験装置 の速度は,基本的には津波流速以下と考えて よい.本研究では,津波流速を 5m/s,7m/s の 2 パターンを想定し,漂流物速度 v もこれらと 同じとする.そこで,力学的エネルギー保存 の法則より,        (1) v:速度,H:重錘の落下高さ.(1)式より ,v =5m/ s のとき H =1.25m,v =7m/s のとき H =2.5m となる. 衝撃荷重作用前と作用後の試験体最大たわみ時におい て次のエネルギーの釣合いが成立するとする.               (2) ただし,EI:衝撃荷重による入力エネルギー,EOP:部材 全体の塑性変形(局部座屈も含む)による吸収エネル ギー,EE:弾性ひずみエネルギー+弾性振動エネルギー, ELP:衝撃荷重作用点の局部塑性変形吸収エネルギー,EV: 応力波伝播による減衰吸収エネルギーとする.実験に より EIに占める EOPと EEの割合を明らかにする. 1. 序論  近年,大規模な津波が断続的に発生しており,津波 により生じる漂流物が建築物に衝突し,致命的な損傷 を与えている.このような衝撃荷重に対して,耐衝撃 性能を期待できるコンクリート充填鋼管(CFT)部材があ る.現行の設計示方書1 )における耐衝撃設計の考え方に は,衝撃荷重を静的な荷重に置き換えて許容応力度法 により設計するというもので ある.しかしながら,実 際に設計を行う場合,衝撃荷重をどのような方法で静 的な荷重に置き換えるかについての具体的な方法は確 立されていない.そこで,本研究では衝撃載荷実験を 行い,同時に静的載荷実験を行うことにより CFT 部 材の挙動特 性 と エ ネ ル ギ ー 吸 収 能 力 を 比 較 ・ 検 討 し,CFT 部材の耐衝撃性能に関する定量的評価を行う ことを目的としている.既往の研究2 )でパイロット衝撃 実験を行い,C F T 部材について,充填コンクリートが 局所変形を抑制するため衝撃力に対して高い抵抗力を 示すことを明ら かにした.

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3.2 試験体概要  図 2 に角形試験体の図を示す.試験体は全長 1000mm で, 実物の柱の約 1/8 モデルとしている.断面形状は円形, 角形,菱形の 3 種類で,各断面に対し CFT 試験体と中空 試験体の 2 通りを作成した.使用材料として,Fc60 の高 流動高強度コンクリート,鋼管に STKR400,STK400 を使 用している.表 1 に使用材料の機械的性質を示す.  衝撃載荷実験の実験変数は断面形状,充填コンク リートの有無,落下高さ(衝突速度),衝突回数,重錘 STKR400 □ -100 × 3.2 1000 1 5 0 6 6 980 16 16 1 0 0 CFT 中空 図 2  角形試験体概略図 表 1  使用材料の機械的性質と試験体一覧 4 . 静的実験結果  表 2 に静的実験結果を示す.図 3 には円形断面試験体 の荷重‐変形関係を示す.実線はレーザー変位計計測 による荷重 - 中央たわみ,破線は 200mm 差動式変位計計 測による荷重 -(中央たわみ + 局部変位)関係を示す.初 期剛性の 1/6 接線剛性点を実験値の終局荷重ePuとし,理 論値 cPuと比較する.最大荷重ePmaxも比較する.Dvs 試験 体のみ最大荷重点を終局点としている.CFT 試験体は概 ね評価できているが,中空試験体は局部変形の影響が 大きく,過大評価となった. 重量で,試験体数は 15 体である.静的載荷実験の実験 変数は断面形状,充填コンクリートの有無で,試験体 数は 6 体である.表 1 に試験体一覧も示す.  試験体の終局曲げモーメント Muは文献6 )を参照し,断 面の全塑性状態を仮定し,一般化累加強度式より終局 軸力 N u=0 として求めた.表 1 に各試験体の終局曲げモー メント M uも示す. て 500kN 万能試験機により載荷を行った.試験体中央た わみを衝撃載荷時と同様の方法で測定した.また,万 能試験機のクロスヘッド間の変位量を 200mm 差動式変 位計で測定した. 断面 形状 鋼管 (実測値) 充填コンク リート (実測値) 終局 モーメント Mu[kNm] 崩壊 荷重 Pu[kN] 5%たわみ時の エネルギー Eop [kJ] 載荷 方法 重錘 重量 M [kg] 落下 高さ H [mm] 落下 回数 入力 エネルギー (概算) [kJ] 総入力 エネルギー [kJ] Cfi1-1 1回目 3.06 Cfi1-2 2回目 6.12 Cfi2-1 1回目 3.06 Cfi2-2 2回目 6.12 3 Cfi3 250 2500 1回 6.13 6.13 4 Cfs 静的 Cvi1-1 1回目 1.53 Cvi1-2 2回目 3.06 Cvi1-3 3回目 4.60 Cvi1-4 4回目 6.13 Cvi2-1 1回目 3.06 Cvi2-2 2回目 6.12 7 Cvs 静的 Sfi1-1 1回目 3.06 Sfi1-2 2回目 6.12 Sfi2-1 1回目 3.06 Sfi2-2 2回目 6.12 10 Sfi3 250 2500 1回 6.13 6.13 11 Sfs 静的 Svi1-1 1回目 1.53 Svi1-2 2回目 3.06 Svi1-3 3回目 4.60 Svi2-1 1回目 3.06 Svi2-2 2回目 6.12 14 Svs 静的 Dfi1-1 1回目 3.06 Dfi1-2 2回目 6.12 Dfi2-1 1回目 3.06 Dfi2-2 2回目 6.12 17 Dfi3 250 2500 1回 6.13 6.13 18 Dfs 静的 Dvi1-1 1回目 1.53 Dvi1-2 2回目 3.06 Dvi1-3 3回目 4.60 Dvi2-1 1回目 3.06 Dvi2-2 2回目 6.12 21 Dvs 静的 ※E:ヤング係数,F:コンクリート圧縮強度,(総入力エネルギー)=(入力エネルギー)×(落下回数) 1.53 20 250 1250 3.06 19 菱形 中空 15.4 61.7 3.08 衝撃 125 1250 76.3 3.81 16 F=70.6 [N/mm2] E=3.9×104 [N/mm2] 19.1 15 9 衝撃 125 2500 3.06 250 1250 3.06 1.53 13 250 1250 3.06 65.3 3.27 衝撃 125 1250 12 角形 中空 16.3 衝撃 衝撃 125 1250 1.53 6 250 1250 250 1250 3.06 77.4 3.87 衝撃 125 2500 3.06 3.06 8 角形 CFT STKR400 ○-100.0 ×3.01[mm] B/t=33.2 σy=385 [N/mm2] εy=0.205[%] E=1.88×105 [N/mm2] F=70.6 [N/mm2] E=3.9×104 [N/mm2] 19.4 菱形 CFT No 試験体 名称 断面詳細 載荷方法 1 円形 CFT STK400 ○-114.4 ×3.24[mm] B/t=35.3 σy=411 [N/mm2] εy=0.189[%] E=2.17×105 [N/mm2] F=70.6 [N/mm2] E=3.9×104 [N/mm2] 21.1 84.6 125 2500 3.06 2 250 1250 5 円形 中空 3.06 16.5 65.8 3.29 4.23

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終局 モーメント Mu(kNm) 終局 荷重 cPu(kN) 最大 荷重 ePmax(kN) 終局 荷重 ePu(kN) 最大 変位 中 央 (mm) 最大 変位 中央 +局 部 (mm) 残留 たわみ (mm) 中央 たわみ EOP 中央たわみ + 局部変形 EOP+ELP 局部変形 ELP ePmax/cPu ePu/cPu Cfs 21.1 84.6 97.16 79.73 70.07 72.66 63.43 6114 6282 168 1.15 0.94 Cvs 16.5 65.8 40.70 28.78 80.91 148.11 72.75 2785 5016 2231 0.62 0.44 Sfs 19.4 77.4 97.38 86.86 69.89 72.09 65.12 6013 6092 78 1.26 1.12 Svs 16.3 65.3 44.28 41.36 70.43 88.31 64.05 2370 2910 540 0.68 0.63 Dfs 19.1 76.3 85.76 81.69 69.84 72.83 65.47 4547 4815 268 1.12 1.07 Dvs 15.4 61.7 43.69 43.69 69.49 111.24 58.77 1974 3252 1278 0.71 0.71 円形 名称 断面 形状 理論値 実験値 吸収エネルギー(joule) 実験値と理論値の比較 菱形 角形 0 20 40 60 80 100 0 30 60 90 120 150 荷 重 ( k N ) 変位 (mm) 中央たわみ たわみ+局部変位 終局荷重(理論値) 0 20 40 60 80 100 0 30 60 90 120 150 荷 重 ( k N ) 変位 (mm) 中央たわみ たわみ+局部変位 終局荷重(理論値) 表 2  静的実験結果 (a) 円形 CFT (b) 円形中空 図 3 静的荷重‐(中央たわみ + 局部変位) 図 4 衝撃荷重‐中央たわみ(円形断面) 5 . 衝撃実験結果 5 . 1 衝撃荷重‐中央たわみ関係  表 3 に衝撃実験結果,図 4 に衝撃荷重‐中央たわみの 関係を円形断面について示す.Cfi1(重錘重量 M=125kg,落 下高さH=2500mm)と Cfi2(M=250kg,H=1250mm)はいずれも1 撃目と 2 撃目でほぼ同等の荷重変形関係を示している ことがわかる.また,Cfi1 と Cfi2 の 2 撃分の吸収エネル ギーは,Cfi3(M=250kg,H=2500mm)の 1 撃分と概ね一致し ている.したがって,CFT 試験体の吸収エネルギーは総 入力エネルギーと大きな相関があるといえる.一方,中 空試験体の場合 Cvi1(M=125kg,H=1250mm)の結果から,衝 撃回数が増加するに伴って中央たわみの増分量も増大 している.これは,前半の衝撃では局部変形が支配的 であるのに対し,後半の衝撃では部材全体の曲げ変形 が卓越す るため である . しかしな がら, C v i 1 と 表 3 衝撃実験結果 5 .2 エネルギー吸収率  表 3 に各試験体の入力エネルギー,吸収エネルギー とエネルギー吸収率を示す.ここで入力エネルギー EI は重錘の落下高さに中央たわみの最大値分を加えたも のに基づいて算定したポテンシャルエネルギー,吸収 エネルギー EOP+EEは衝撃荷重と中央たわみの最大変形 試験体 名称 使用 重錘 M (kg) 落下 高さ H (mm) 最大 たわみ (mm) 残留 たわみ (mm) 最大 荷重 Pi (kN) 吸収 エネルギー Eop+EE (joule) 入力 エネルギー EI (joule) エネルギー 吸収率 (Eop+EE)/EI (%) Cfi1-1 29.3 23.9 348 3324 3526 94.3 Cfi1-2 52.2 46.6 436 3243 3558 91.1 Cfi2-1 29.2 23.3 305 3260 3351 97.3 Cfi2-2 52.8 46.6 369 3323 3413 97.4 Cfi3 250 2500 55.7 49.2 399 6435 6696 96.1 Cvi1-1 14.1 10.6 57 599 1762 34.0 Cvi1-2 33.7 28.5 124 1010 1789 56.5 Cvi1-3 60.5 52.7 112 1267 1827 69.4 Cvi1-4 108.1 96.5 73 1646 1893 86.9 Cvi2-1 33.0 27.9 56 1425 3361 42.4 Cvi2-2 106.8 95.1 84 2636 3554 74.2 Sfi1-1 29.9 24.2 410 3433 3527 97.3 Sfi1-2 54.4 48.4 441 3506 3561 98.5 Sfi2-1 29.7 24.1 269 3369 3353 100.5 Sfi2-2 53.5 47.4 362 3398 3415 99.5 Sfi3 250 2500 56.3 50.1 421 6688 6697 99.9 Svi1-1 21.9 17.4 71 1099 1773 62.0 Svi1-2 61.5 54.6 105 1575 1828 86.1 Svi1-3 136.2 126.5 48 2066 1932 106.9 Svi2-1 63.1 55.9 63 2568 3440 74.7 Svi2-2 230.0 230.0 54 4150 3877 107.0 Dfi1-1 29.9 24.5 391 3144 3527 89.2 Dfi1-2 56.8 51.0 373 3260 3564 91.5 Dfi2-1 29.3 23.7 230 2951 3352 88.0 Dfi2-2 57.8 52.2 300 3082 3426 90.0 Dfi3 250 2500 69.8 65.6 373 5690 6732 84.5 Dvi1-1 17.7 12.7 84 729 1767 41.3 Dvi1-2 47.8 38.2 60 1085 1809 60.0 Dvi1-3 95.2 80.1 75 1217 1875 64.9 Dvi2-1 51.5 41.6 86 1729 3410 50.7 Dvi2-2 232.0 232.0 62 3344 3882 86.1 125 1250 250 1250 125 2500 250 1250 125 1250 250 1250 125 2500 250 1250 125 1250 250 1250 125 2500 250 1250  CFT 試験体では,2 つのグラフの挙動が概ね一致して いることから局部変形は極僅かであることがわかる. 中空試験体においては,初期の段階から変形差が大き く,局部変形が先行したのは明らかであり,残留した局 部変形も大きい.角形・菱形断面試験体も同様の挙動を 示した.表 2 には,荷重 - 変形関係の積分値として得 られる吸収エネルギーを示している. Cvi2(M=250kg,H=1250mm)を比較すると,中空試験体の場 合にも吸収エネルギーと総入力エネルギーの大きな相 関性が確認できる. 0 100 200 300 400 500 0 30 60 90 120 Cfi1 衝 撃 荷 重 (k N) 中央たわみ(mm) 終局荷重(理論値) M=125kg,H=2500mm 0 100 200 300 400 500 0 30 60 90 120 Cfi2 衝 撃 荷 重 (k N) 中央たわみ(mm) 終局荷重(理論値) M=250kg,H=1250mm 0 100 200 300 400 500 0 30 60 90 120 Cfi3 衝 撃 荷 重 (k N) 中央たわみ(mm) 終局荷重(理論値) M=250kg,H=2500mm 0 30 60 90 120 150 0 30 60 90 120 Cvi1 衝 撃 荷 重 (k N) 中央たわみ(mm) 終局荷重(理論値) M=125kg,H=1250mm 0 30 60 90 120 150 0 30 60 90 120 Cvi2 衝 撃 荷 重 (k N) 中央たわみ(mm) 終局荷重(理論値) M=250kg,H=1250mm

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7 . 結論 1) 2) 3) 4) 表 4 衝撃・静的比較 図 6 衝撃実験と静的実験の荷重 -たわみ関係

(a) 円形CFT[Cfi3] (b) 円形中空鋼管[Cvi2]

土木学会:構造物の衝撃挙動と設計法,1994. 財津周平,河野昭彦他:津波漂流物の衝突を対象とした CFT部材の耐衝撃性能に関する実験的研究,第10回複合・ 合成構造の活用に関するシンポジウム,2013.11. 新道路技術会議:国土交通省道路局,国土技術政策総合研究所, 道路政策の質の向上に資する技術研究開発成果報告レポート No.19-2「津波による道路構造物の被害予測とその軽減策に関す る研究」,2010.6. 国土交通省国土技術政策総合研究所独立行政法人建築研究所: 平成23年東北地方太平洋沖地震調査研究(速報),建築研究資 料 No.132,2011.5. 岸徳光,三上浩,松岡健一,安藤智啓:静載荷時に曲げ破壊が 卓越するRC梁の耐衝撃設計法に関する一提案,土木学会論文 集,No.647/1-51, pp.177-190, 2000.4. 日本建築学会:コンクリート充填鋼管構造設計施工指針,2008. 6 . 衝撃載荷と静的載荷の比較  静的実験結果は除荷部の曲線をオフセットし,静的 載荷と衝撃載荷の吸収エネルギーについて比較する. その結果を表 4 に示す.静的載荷曲線のオフセット方法 について図 5 に概念図を示す.衝撃載荷と静的載荷下で は同じ最大変形時の残留たわみは概ね一致すると考え られる.よって,静的載荷試験を衝撃載荷試験の最大 たわみ・残留たわみに一致させ,その 2 点間の直線を静 的試験の除荷部とする.この時,静的試験において曲 線で囲まれた面積は塑性変形吸収エネルギー E OPのみで あり,弾性ひずみ(振動)エネルギー E Eも含めて衝撃試 験と比較する.図 6 に円形断面の衝撃載荷実験と静的載 荷実験の荷重‐変形関係を示す.[1 ] 平均的挙動は概ね 一致しているが衝撃載荷の方が初期剛性・最大荷重・ 終局荷重が大きい. また,[ 2 ] 吸収エネル ギー量も衝撃載荷の 方が大きくなった. 特に CFT 試験体では [ 1 ] , [ 2 ] の違いが中空 試験体よりも顕著に 現れている.これは 充填コンク リートの ひずみ速度効果が 一因と考えら れる.同種類の試験体での静的最大荷重に対する衝撃 最大荷重の比を動的増幅率と定義しているが,試験体 毎にばらつきが見られる.表 4 より静的載荷と衝撃 載荷による吸収エネルギーの比は C F T 試験体,中空 試験体で概ね一定である.図 6 より,衝撃と静的で は載荷直後の挙動が大きく異なり,変形が進むにつれ て同様な挙動に収束していくので,入力エネルギーの 小さい(たわみ量が小さい)試験体は吸収エネルギー 倍率が大きくなっている.他の中空試験体と比較して Cvi1-1 や Svi1-1 はその傾向が顕著に現れている. 図5 衝撃実験と静的実験 の比較方法概念図 衝 撃 荷 重 静 的 荷 重 中央たわみ オフセット 塑性変形吸収 エネルギー 弾性ひずみ(振動) エネルギー 残留たわみ 最大たわみ EOP EE 時までの応答値を積分したもの,エネルギー吸収率は EOP+EEを EIで除したものである.CFT 試験体のエネル ギー吸収率は 90%前後と非常に高く,入力されたエネ ルギーの大部分が部材全体の塑性変形に費やされてい ることがわかる.また,エネルギー入力方法の違いに よるエネルギー吸収率に差は見られない.中空試験体 のエネルギー吸収率は C FT 試験体よりも低く,載荷回 数を重ねる毎に増加している.これは 1 撃目では局部変 形により吸収されたエネルギー EL Pが多く,載荷回数 の増加によって局部変形部に局部座屈が発生し,全体 の塑性変形が卓越することによると考えられる. 静的載荷実験において,CFT 試験体は理論値通りに, 中空試験体は局部変形の影響で過大評価 となった. 衝撃載荷実験において,CFT 試験体へのエネルギー入 力方法の違いが試験体の挙動や吸収率に与える影響 は小さい.中空試験体は局所変形が先行するが衝撃 回数の増加とともに塑性変形吸収エネルギー量が増 加する.衝突現象において,総入力エネルギー量 が部材挙動の 要因となる. 静的および衝撃挙動は載荷直後の挙動は異なるが変 形の増大に伴い同様な挙動を示すようになり,吸収 エネルギー量は衝撃による方が大きい.それらの違 いは CFT 試験体の方が顕著である. 衝突現象において,CFT・中空鋼管の両試験体とも, エネルギー吸収能力は増大し,その増幅率には規則 性が見られた. 【参考文献】 1) 2) 3) 4) 5) 6) 試験体 加力方法 吸収 エネルギー Eop+EE [joule] 吸収 エネルギー 倍率 衝撃/静的 最大 荷重 Pi , Ps [kN] 動的 増幅率 (Pi / Ps) Cfi1-1 衝撃 3324 348 Cfs 静的 2466 96 Cfi2-1 衝撃 3260 305 Cfs 静的 2469 96 Cfi3 衝撃 6435 399 Cfs 静的 5021 97 Sfi1-1 衝撃 3433 410 Sfs 静的 2558 96 Sfi2-1 衝撃 3369 269 Sfs 静的 2536 96 Sfi3 衝撃 6688 421 Sfs 静的 5098 97 Dfi1-1 衝撃 3144 391 Dfs 静的 2330 86 Dfi2-1 衝撃 2951 230 Dfs 静的 2288 86 Dfi3 衝撃 5690 373 Dfs 静的 4603 86 Cvi1-1 衝撃 599 57 Cvs 静的 495 40 Cvi2-1 衝撃 1425 56 Cvs 静的 1245 41 Svi1-1 衝撃 1099 71 Svs 静的 862 44 Svi2-1 衝撃 2568 63 Svs 静的 2237 44 Dvi1-1 衝撃 729 84 Dvs 静的 644 44 Dvi2-1 衝撃 1729 86 Dvs 静的 1648 44 1.35 3.6 1.32 3.2 1.28 4.1 1.34 4.3 1.33 2.8 1.31 4.3 1.35 4.6 1.29 2.7 1.24 4.3 1.21 1.4 1.14 1.4 1.28 1.6 1.15 1.4 1.13 1.9 1.05 2.0 0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 荷重P [kN] 中央たわみ  [mm] Cvi2 P max=56 衝撃載荷 静的載荷 250kg-1250mm 0 50 100 150 200 250 300 0 20 40 60 80 荷重P [kN] 中央たわみ  [mm] Cfi3 P max=399 衝撃載荷 静的載荷 250kg-2500mm

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