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第3章 沖縄県立名護高等学校生徒へのアンケート調査

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(1)

第3章 沖縄県立名護高等学校生徒へのアンケート調査

第1節アンケート調査の目的

 第2章の2節で述べた沖縄県教員へのアンケート調査と同様に、沖縄県の音楽科教育に おける琉球伝統芸能指導の意義や方法について考察を行うにあたって、沖縄県で学ぶ子ど

もたちが家庭・地域・学校においてどのように琉球伝統芸能と関わり、また、どのような 影響があるのかを確認する必要がある。そこで、沖縄県の高校生を対象に琉球伝統芸能と

の関わりに関するアンケート調査を行うことにした。アンケート調査は沖縄県立名護高等 学校2年生を対象に実施した。本調査結果は必ずしも沖縄県全体の現状を網羅できたわけ ではない。高校生に本アンケート調査を実施した意図は、沖縄県に生まれ小中学校教育を 受けてきた学生は、家庭や地域、学校教育において何らかの形で琉球伝統芸能と関わって さているのではないかと考えたからだ。今後、琉球伝統芸能を伝承していく役目を担って いる沖縄県の学生と琉球伝統芸能との関わりについての現状について、その一端を知るこ とができたという点で、本研究の中でこのアンケート調査は大きな指針となるものである。

 本章では、アンケート調査の方法や回答の内容について整理し、沖縄県の学生と家庭や 地域、学校教育においての琉球伝統芸能との関わりや影響、効果について分析する。

第2節 アンケート調査の形式・方法

質間紙:A3用紙裏表印刷1枚

次ぺ一ジ以降は実際に使用したアンケート用紙である。

94

(2)

これから琉球伝統芸脚二ついて貫間します。

以下に示される資間についてあてばまるものに◎をつけて下さい(複数回答可)

※琉球伝統芸能には琉球民謡(三線を含む)・エイサー・琉球舞踊・組踊・沖縄歌劇 など を含みます。

(1)家族で班球民認を(三線を用いて)晴き歌い出来る人はいますか。

  1.いる→(祖父・祖母・父・母・兄弟・その他      )        (家庭でよく聴く民謡名:       )   2.いない

(2)家庭や地域、学校で琉球伝続芸能の実演を竈業したことがありますか。

 1.ある

』(いつ:。〜。歳.小学校低学年.小学校高学年.中学校.高校)

(何を:琉球民謡(三線を含む)・エイサー・琉球舞踊・組踊・沖縄歌劇・その他 )

(覚えている曲名:        )  (どこで:家庭・地域・学校・その他

2.ない

(3)あなたは家庭や地域活動(手とも会など)で琉球伝続芸能を習ったり、体験した リしたことがありますか。

 1.ある

ら(いつ、。〜。歳.小学校低学年.小学校高学年.中学校.高校)

(何を:琉球民謡(三線を含む)・エイサー・琉球舞踊・組踊・沖縄歌劇・その他  )

(覚えている曲名:       ) 2.ない

(3)

(4)学校で玩球伝誠芸能を習ったことがありますか(ビ1テオ字音や知蒙面の学習は除 く実演を指す)。

  1.音楽の授業で習ったことがある

』(いつ、。〜。歳.小学校低学年.小学校高学年.中学校.高校)

(何を:琉球民謡(三線を含む)・エイサー・琉球舞踊・組踊・沖縄歌劇・その他  )

(覚えている曲名:       ) 2.音楽以外の授業で習ったことがある

ら(いつ:。〜。歳.小学校低学年.小学校高学年.中学校.高校)

(授業名:

(何を=琉球民謡(三線を含む)・エイサー・琉球舞踊・組踊・沖縄歌劇・その他  )

(覚えている曲名:      ) 3、ない

☆今までに琉球民謡を習ったことがない人〔(5)〜(11)の質問に該当しない人〕は  P4の(12)以降の質問にお答え下さい。

(4)の質問で琉球民謡にOをし、今までに学校で琉球民罰(三線を含む)を  一度でも習ったことがある人は次の(5)〜(9)にお答え下さい。

(5)琉球民囲を習って歌詞の意味を理解することができましたか。

 1.理解できた  2.よく解らなかった

(6)三線を弾きながら琉球民副を歌えるよう1=:なリましたか。

 1、弾きながら歌える

3.三線は習ったことがない

96

(4)

(7)ユエ四(:線の業竈)を籠めるようになりましたか。

 1.読める  2.読めない

 3.工工四は習ったことがない

(8)好きな琉球民謡ばありますか。

 1.ある→(曲名:

2.ない→(理由:

(9)琉球民罰を習って良かったと思いますか。

 1.思う→(理由:

2.思わない→(理由:

 今までに琉球伝誠芸態(民囲を含む)を家庭や地域、学校で 一度でも冒った二とがある人は次の(10)(11)にお害え下さい。

(10)班球伝統芸能を習ったことで、今までよりも琉球伝統芸能に興味1関心は演きま

したか。

 1.興味が湧いた  2.湧かなかった

(11)琉球伝統芸能を習ったことで、今までよりも沖掲の歴史や方言に興味・関心は演 きましたか。

  1.興味が湧いた   2.湧かなかった

(5)

今までに琉球民田(三線を含む)を家庭や地臥学校で一度も習ったことがない人ば        次の(12)(13)にお答え下さい。

(12)良固は好きですか。

 1.好き→(理由:

2.好きではない→(理由:

(13)今後、琉球民罰を習ってみたいと思いますか。

 1.思う→(理由:

2.思わない→(理由:

全ての人が次の(14)〜(η)にお答え下さい。

(14)音楽の授実で習う音楽は好きですか・

 1.好き→(歌唱・合唱・器楽・鑑賞・創作 )  2.好きではない→(理由:

(15)業器は何かできるものがありますか。

 1.ある→(躍由:

2.ない→(理由=

(16)カラオケは好きですか。

 1.好き

 2.好きではない

(17)好きなアーティストはいますか。

 1.いる→(

2.いない

98

(6)

 本アンケート調査は、沖縄県内の小学校・中学校・高等学校と学校教育を受けてきた学 生と琉球伝統芸能との関わりについて、家庭・地域・学校においてどのような関わりがあ り、またどのような影響があるのかを確認するために、筆者の出身校である沖縄県立名護 高等学校(普通科)に依頼した。

 実施方法としては、沖縄県立名護高等学校へ訪間し、直接アンケート協力願いをし、2年 生(40人×7クラス、42人x1クラス)全8クラスに実施した。

 2011年9月1目に2年生(40人x7クラス、42人×1クラス)322人に実施した結果、

欠席者を除いた310人の回答を得る事ができた。

以下にアンケート調査の結果、内容の分析を記述する。

(7)

第3節アンケート調査の結果・分析

○回答者性別

未回答,1

間一[族で琉球民謡を(三線を用いて)弾き歌い出来る人はいますか。]

●その他: 叔父5人・自分6人・姉、旦那1人

●家庭でよく聴く民謡名1くデンサー節〉く伊佐ヘイヨー節〉〈かぎやで風前〉〈ていんさ ぐぬ花〉く鼻唄〉〈安波節〉2人く涙そうそう〉〈芭蕉布〉〈竜神〉2人く安里屋ユンタ〉2 人〈十九の春〉

 「弾き歌いが出来る人がいる」と回答した28パーセント(87人)の中では「祖父」(38 人)が一番多く、次に「父」(15人)、「祖母」(14人)となっていた。その他では「叔父」

やr自分」という回答もあり、家族で弾き歌いが出来る人がいる家庭においては、幅広い 年齢層で琉球民謡が親しまれているということがわかる。弾き歌いできる人の回答では、

       100

(8)

年配の男性が多く、家庭において民謡の弾き歌いを伝承しているのは年配の男性が多いこ とがわかる。「家族で琉球民謡を弾き歌い出来る人はいない」と回答した人が全体の65パ ーセント(203人)と過半数を占めた。このことは家庭での伝統芸能に触れる機会の減少や、

伝統芸能の伝承が何らかの理由により難しいという現状が推測される。

 また、よく聴く民謡としては〈安里屋ユンタ〉〈ていんさぐぬ花〉〈涙そうそう〉など、

沖縄県民にとって馴染み深い曲が挙げられている。

間二[庭や地域 必校で琉球一統芸能の実演を鑑 したことがありますかコ

未回答

5%

 上の円グラフの「ある」には複数の学校等で鑑賞したことがあるケースが含まれている ので、実数は回答数よりも多くなる。下の棒グラフはそのことを表すために、例えばr小 学校低学年と中学校で鑑賞をした」というケースを2と数えている。以後の棒グラフは全 て同様である。

〔1.鑑賞した時期〕

    i1・

   ..■.

@ 0

い    、

    5     歳

(9)

〔2.何を鑑賞したか〕

160r■■■I1…一……… 0一…『川」一……』…1−L』一⊥一一一一一

100  トー一一一・一一一一一一一一・・一・・… 一・一 ・一一・一    一一一一一一I…ロー一一一一一一」」一」止」一I一一 一一一一一

な    (     エ

    三流

し、       イ

    線球

         サ     含民  1     む謡

組    沖    そ 踊    縄    の     歌     他

    劇

〔3.どこで鑑賞したか〕

120 100 80 60 40 20  0

●覚えている曲名:く二動敵討〉8人〈執心鐘入〉8人〈唐船ドーイ〉9人〈安里屋ユンタ〉

6人〈ミルクムナリ〉8人〈かぎやで風前〉2人く四つ竹〉〈七月エイサー〉2人<竜神〉

 〈テンヨー節〉〈鼻唄〉〈灌水ぬクイチャー〉〈スンサーミー〉〈久高〉〈仲順流り〉〈涙そ うそう〉〈谷茶前節〉く三線の花〉〈安波節〉

●その他:名護市民会館10人・劇場2人・祭り・三線教室・芸術観賞会・公民館

(「その他」の回答では、質間の意図がうまく伝わらなかったようで、詳細な内容が書かれ

ていた。)

102

(10)

全体の76パーセント(223人)が鑑賞したことがある」と回答している。鑑賞した時 期は「高等学校」が310人中94人と一番多い回答であった。小学校高学年から中学校、

高等学校まで校種を超えて継続して琉球伝統芸能に触れてきたという回答もみられた。

また、鑑賞内容は「組踊」が一番多く89人、次に「エイサー」の40人であった。さら に、鑑賞した場所としては「学校」が74人、次に「地域」の47人であった。つまり、

琉球伝統芸能の実演を初めて鑑賞した場として一番多いのは、「高等学校」であり、内容 としては随踊」や「エイサー」を鑑賞したことであると考えられる。また、覚えてい る曲名ではく二動敵討〉〈執心鐘入〉といった組踊が多く挙げられており、またくミルク ムナリ〉や〈唐船ドーイ〉などのエイサー曲も目立つ。

間三[あなたは 庭や地域活動(子ども会など)で琉球 統芸能を ったり 体験したり したことがありますか。]

未回答  2%

〔1.経験した時期〕

180 160

140  一・一一 120 .・一一一・

100

80 ;上 60 一一一 40 1−

20  0

一■ 1一.一一1

な     0     小 し、     ∫     学

     5    校      歳    低       学       年

小     中     高 学     学     等 校     校     学 高       校

(11)

〔2.何を経験したか〕

180 160 140 120 100 80 60 40 20  0

な   (    エ     三流

い  線球  イ     含民  サ

         1     む謡

    一一一一8一一一一一一一一一一一一一一一 一一一一一2一一

   ■.._........

琉    組    沖 球    踊    縄 舞        歌 踊         劇

P一一

●その他=太鼓・豊年祭

●覚えている曲名:く唐船ドーイ〉6人〈海ヤガラ〉〈浜千鳥〉〈ミルクムナリ〉6人〈安 里屋ユンタ〉6人く涙そうそう〉く竜神〉く海ぬチンボーラー〉く鳩関節〉3人〈かぎやで 風前〉8人〈めでたい節〉〈安波節〉く伸順流り〉く加那ヨー〉2人〈かせかけ〉く上り口説〉

く三線の花〉〈デンサー節〉〈あしぴな一〉(遊び庭)〈ハイサおじさん〉〈テンヨー節〉〈国 頭サバタイ〉〈島人ぬ宝〉

 「家庭や地域活動で習ったことがある」と回答したのは45パーセント(137人)であっ た。習った時期では「小学校高学年」が一番多く84人で、次に「小学校低学年」36人、「中 学校」63人と続いていた。また、「校種をまたいで長期間継続的に習い続けている」という 回答は52人と、予測よりも多い結果となった。経験した内容としてはrエイサー」が90 人と一番多く、差が開いて「琉球民謡」が42人であった。「エイサー」は地域の青年会や 子ども会においても活発に取り組まれており、地域での伝承の努力がなされていることが わかる。琉球民謡は個人で三線教室を開いて指導している人や、地域の子ども会、または 家庭において指導している人など、地域の伝承者の数が多く、経験する機会を得たものと

104

(12)

考えられる。

 覚えている曲名ではエイサー曲やPOPS曲が多く見られる。経験した時期は「小学校高 学年」が多数であり、指導の際に児童生徒の興味関心を弓1き出すことを優先に、考慮した

うえでの選曲であると推測される。

間四 凸 で琉球伝統芸能を ったことがありま か ビデオ出 や知識面の必 は除く

【①音楽の授業で習ったことがある】

禾回答

1%

〔1.習った時期〕

180 160 140 120 100 80 60 40 20  0

「■

二、・二 何1何一

な    0     小

い    s   学学      5   年校      歳   低

 小 学学  高 年校

中    高 学    等

枚   学

     校

(13)

〔2.何を習ったか〕

180 160 140 120 100 80 60 40 20  0

三流  工 合民  サ

     1

む謡

     6    ..□..

琉    組 球    踊 舞

 沖    そ  縄    の  歌    他

 劇

●その他:くミルクムナリ〉

●覚えている曲名:〈安里屋ユンタ〉6人〈鼻唄〉〈安波節〉1O人〈執心鐘入〉〈ミルクム ナリ〉6人〈三線の花〉5人くていんさぐぬ花〉2人〈島人ぬ宝〉く唐船ドーイ〉

 「音楽の授業で習ったことがある」と回答したのは50パーセント(151人)であった。

時期では「小学校高学年」が82人と多く、次に「中学校」の55人、「高等学校」の53人 である。習った内容では「琉球民謡」が87人と一番多く、次に「エイサー」65人であった。

音楽の授業で習った内容として、琉球民謡を習ったという回答が多いことは納得できる。

しかし半数は、「今までに音楽の授業で琉球伝統芸能を習ったことがない」と答えている。

 また、覚えている曲名としても挙げられている曲数は少なく、音楽科の授業において琉 球伝統芸能を取り上げる際に、教材として取り組み易い素材はそれほど多くない、という

ことを表しているのではないだろうか。

106

(14)

【②音楽以外の授業で習ったことがある】

未回答

1%

〔1.習った時期〕

250 200 150』

100 50

0 3

な   0

い   、

   5    歳

r町113L一

心   小 学学  学学 年校  年校 低   高

中   高 学   等 校   学

   校

〔2.何を習ったか〕

250 200 150 100 50 0

.趾」』.。∴.

2    0

三流 線球

含民 む謡

工   琉   組 イ  球   踊 サ   祭

1  踊

沖  そ

縄   の

歌   他

(15)

 ●授業名:クラブ3人・芸術鑑賞・総合学習5人・体育26人・国語・選択科目・サーク ル・病名川教室・運動会5人・子ども会・学園祭

 ●その他:なし

 ●覚えている曲名:〈島人ぬ宝〉<二動敵討〉〈安波節〉2人〈ミルクムナリ〉6人く安里  屋ユンタ〉2人〈めでたい節〉〈ていんさぐぬ花〉くオジー自慢のオリオシビール〉〈海ヤ  カラ〉く唐船ドーイ〉

 「音楽の授業以外で琉球伝統芸能を習ったことがある」と回答したのは32パーセント

(95人)であった。「音楽の授業で習ったことがある」と回答したのは50パーセント(151 人)であるため、学校教育において琉球伝統芸能を取り扱っている割合は音楽の授業が 多いといえるだろう。音楽の授業以外で習った時期としては「中学校」と回答した63人 が一番多く、次に「小学校高学年」59人と続いている。授業名としては「体育」の26 人が一番多く、次に「総合学習」5人と続いている。他には「クラブ」や「運動会」、「国 語」、「三線教室」、「子ども会」など興味深い回答があった。

 習った内容に関しては、「エイサrが64人と一番多く、次に「琉球民謡jの18人で あった。沖縄県では、一般的にエイサーは体育の授業において取り扱われ、運動会など で披露されているため、そのような経験を挙げて回答したものと考えられる。琉球民謡 に関しては、国語の授業において組踊や琉歌を学ぶ際に民謡を取り上げられていたと考 えられる。

○間五〜間九は今までに学校で琉球民謡(三線を含む)を一度でも習ったことがある人に 対しての質問である。

108

(16)

未回答 0%

 第2章の第2節の沖縄県教員へのアンケート調査の結果からもわかるように、名護高校 では音楽科の授業において琉球民謡(三線を含む)を、全学年を対象に指導しているため、

音楽の授業を選択している生徒は全員琉球民謡を学んでいる。また、授業の中では歌詞に ついても学習していると考えられるが、歌詞の意味を理解できたと回答したのはわずか28 パーセント(54人)であった。今までに琉球民謡を習っていたとしても、半数以上の生徒 は琉球民謡の歌詞の意味を十分には理解できていないということがわかる。

間六[三線を弾きながら琉球民謡を歌えるようになりましたか]

.三線は習ったこと  がない

■弾きながら歌える

■弾けるが歌えない

■弾けないが歌える

■どちらもできない

■禾回答

(17)

 未回答を除くと、「弾けるが歌えない」と回答したのが42パーセント(80人)と一番多 かった。次に「弾きながら歌える」31パーセント(58人)である。全体の31パーセント

(58人)が琉球民謡を三線を弾きながら歌えるということは素晴らしい結果である。名護 高等学校の場合は音楽の授業は選択授業であるが、授業の中で積極的に琉球民謡や三線を 取り入れて指導しているため、このように琉球民謡を三線を弾きながら歌える人が31パー セント(58人)という結果がでたものと考えられる。しかし、弾けるが歌えないと回答し た42パーセント(80人)という結果からは、生徒が三線という楽器を弾くということに重 点を置いてしまっているようにも思われる。三線は技術が間われるため時間を多く費やさ なければならず、また苦手な生徒からすれば音楽の授業のみでは時数が足りず、弾きなが ら歌うところまで達することができなかったとも考えられる。また、音楽科の授業で同じ ように指導を受けていてもこのように結果に差が出ているのは、個人的な要因はもとより 家庭や地域においての経験の有無も関係していると考えられる。

間七[工工四(三線の楽譜)を読めるようになりましたか。]

未回答  1%

 「工工四(タンクンシー)を読める」と回答したのは62パーセント(117人)であった。

この回答数は間六で「三線を弾きながら歌える」、「弾けるが歌えない」、と回答した73パ ーセント(138人)よりも少ないことがわかる。このことから工工四は読めないが三線を弾

110

(18)

くことは出来る生徒がいるといえるだろう。そのような生徒は、教師や周りの生徒の指や 弾き方を見て覚えたり教えてもらったりして弾き方を学んだものと考えられる。本来なら ば工工四を読めるようになり、どのような曲でも工工四を見て弾けるようになることが望 ましいため、このような生徒をどのように指導していくかが課題である。

●ある・曲目:〈ていんさぐぬ花〉4人〈安里屋ユンタ〉20人〈安波節〉5人〈めでたい 節〉〈伊佐ヘイヨー節〉〈テンヨー節〉2人〈十九の春〉〈肝がなさ節〉〈唐船ドーイ〉5人

〈黒島口説〉〈三線の花〉3人〈宣神〉2人〈いちゅび小節〉〈芭蕉布〉〈鼻唄〉2人〈十五 夜〉〈秋の踊り〉全部

gない・理由:興味がない5人・名前が覚えられない・わからない23人・忘れた6・得 にすきなものはない・歌詞が理解できない・三線を弾くことで精一杯だった・特に気に せず聞き流すから

 「好きな曲がある」と回答したのは38パーセント(67人)であった。自由記述の好きな 民謡の曲名には、〈安里屋ユンタ〉が20人と一番多く、次に〈安波節〉5人、〈唐船ドーイ〉

5人、〈ていんさぐぬ花〉4人、く三線の花〉3人と続いている。好きな曲目を質問されて、

歴史の古い伝統音楽である<安里屋ユンタ〉が挙げられているのは、学校教育において取

(19)

り扱われていたり地域の祭りや家庭などで耳にしたりすることが多いからであると考えら れる。また、〈めでたい節〉や〈十九の春〉など学校教育ではあまり取り扱われていない曲

もみられた。おそらく家庭や地域で琉球民謡を耳にする機会が多い生徒の回答ではないか と考えられる。

 「好きな琉球民謡はない」と62パーセント(109人)が回答しているが、その理由とし て「わからない」23人、「曲がわからない」13人が挙げられていた。他にも「あまり触れ る機会がないから」や、「歌詞が理解できない」「特に気にせず聴き流していたから」など が挙げられており、間五の項目において「歌詞の意味を理解できなかった」と44パーセン

トの回答があったように、歌詞の意味を十分に理解できなかったことも、琉球民謡を好き になれなかった、または興味を持てなかった、という結果に際がった原因の一つであると 考えられる。

●思う・理由:楽しい27人・沖縄の人だから6人・沖縄の文化に携われたから2人・今 でも弾けるから・弾けるようになったから4人・よく解った・沖縄の伝統音楽だから31 人・一つの競技として活用できると思うから・将来役に立ちそう10人・いい経験ができ た・音に触れるいい機会になる・文化に触れることができてよかったと思う3人・伝統 を伝えてもらったから・和むから・エイサー最高・少しでも伝統的なものができるとい いと思うから4人・自分の地元の伝統芸能を一通りできるようになれたから・なんとな

112

(20)

 く悪くはない・沖縄に住んでいるから・沖縄のことを知ってよかった2人・自分でだま  に弾いて楽しめる・沖縄らしさを感じる・県外にいった時にアピールできる・琉球舞踊  を踊れるとみんな喜んでくれるから・おぱあちゃんのおかげ・いろんな人と伸良くなれ  る・沖縄の伝統芸能を習って沖縄について知ることが増えたから・三線は良い・少し興  味が持てるようになったから・祖父母が喜んだ・沖縄のことを知った気がする・沖縄で  しかできないことだから・沖縄の心をもっと知ってもらいたいし、民謡は楽しい・体を  動かし、声を出している時は楽しいから

 ●思わない・理由:わからない3人・忘れた2人・特に必要ないから3人・役に立たな い・興味がない・授業を受けてないから

 今回の全アンケート項目の中で、間九の自由記述は記入者数が多かった。84パーセント

(147人)が「琉球民謡を習って良かったと思う」と回答しており、琉球民謡や伝統音楽に 対する高感度の高さが表れている。理由としては「沖縄の伝統音楽だから」31人が一番多

く、次に「楽しい」27人、「将来役に立ちそう」10人、「沖縄の人だから」6人と、郷土の 伝統音楽であることに対する誇りや、伝承に対する責任感のようなものを感じさせる回答 が多い。また、眠謡は楽しい」「祖父母が喜んだ」「自分でたまに弾ける」「沖縄の心をも っと知ってほしい」など、琉球民謡を習って良かったと思う理由には様々な想いがあるこ とがわかる。沖縄の高校生が琉球民謡に対してこれほどに想いを持っているということは 大変重要で貴重であるといえる。しかし、16パーセント(28人)は「習って良かったと思 わない」と回答している。理由としてはrわからない」やr特に必要がないから」などで あり、琉球民謡を授業で習った実感としてこのような感想が出たとするならば、沖縄の伝 統音楽である琉球民謡の魅力を更に深く感じることのできる授業が求められていると考え

る。

(21)

○間十、間十一は、今までに琉球伝統芸能(民謡を含む)を家庭や地域、学校で一度でも 習ったことがある人に対しての質問である。

間十[琉球伝統芸能を習ったことで、今までよりも琉球一統芸能に興味・関心は きまし

未回答0%

 67パーセント(129人)が「習ったことで今までよりも興味が湧いた」と回答しており、

このことからは学校教育において琉球伝統芸能を指導することは有意義であるがわかる。

しかしその約半数である33パーセント(64人)は、「興味は湧かなかった」と回答してお り、学校で琉球伝統芸能指導をしてもその場のみの活動で終わってレまっていることがわ かる。琉球伝統芸能の伝承や発展を促していくためには、生徒の興味関心を引き出し、初 めの基礎的な部分を身につけさせることができるような授業を模索していく必要がある。

間十一[琉球伝統芸能を ヨったことで、今までよりも 縄の歴史や方言に囲味・ 心は

きましたか。]

114

(22)

 間十では67パーセント(129人)が「琉球伝統芸能に興味が湧いた」と回答していたが、

間十一では「沖縄の歴史や方言に興味が湧いた」と回答したのは62パーセント(119人)

であったので、若干数ではあるが、歴史や方言に興味が湧いた人数は少ないということが わる。関八でも述べられていたが、「琉球民謡は好きではない」と回答した理由の一つに「歌 詞がわからないから」とあった。つまり方言が理解できないために興味関心が湧かないと いう結果に至ったものと考えられるので、琉球伝統芸能を習ったことで歴史や方言に興味 関心が湧いたという回答は、今後の伝統芸能の伝承や方言の保存にも大きな影響を与えら れるだろう。しかし、38パーセント(72人)は「沖縄の歴史や方言に興味関心が湧かなか った」と回答している。学校教育において郷土の伝統芸能を学ぶ意義のひとつに伝統芸能 の伝承や発展が挙げられるが、まず興味関心を引き出すことができなければ伝承には繋が らないのではないだろうか。第2章の第2節、沖縄県教員へのアンケート調査の回答にあ ったように、琉球民謡を取り扱っても時数の問題などで歴史や方言指導を掘り下げていく ことが難しく、教材研究に充てる時間もなく指導方法がわからないという現状がある。こ れを改善していけるような指導案を考えていく必要があるだろう。

○間十二、間十三は、今までに琉球民謡(三線を含む)を家庭や地域、学校で一度も習っ たことがない人に対しての質問である。

(23)

●好き・理由:楽しい18人・うち李んちゅだから3人・ゆったりしていて楽しい・三線 が好き・いい音色・伝統だから3人・好きだから1O人・和むから・エイサーだけ好き・

落ち着く6人・沖縄の文化がいいから・リズムが楽しいから2人・穏やか・おじいちゃ んが弾いていて少し興味があった。・沖縄っぽくてなんかいい4人・テンションが上がる・

家で聴くから・何か力強いものを感じるから・エイサーの太鼓の音が好きだから・エイ サーで踊ることが楽しい・迫力がある・基本的に音楽が好きだから・陽気な曲がある・

昔から聴いていてなじみのあるものだから

●好きではない・理由:よくわからない24人・言葉がわからない7人・興味がない8人・

ゆったりしすぎ4人・自分から進んで聞かない4人・盛り上がらない・親しみがない3 人・眠くなる3人・古臭い2人・特に魅力を感じない・地味だから・難儀だから・あま

り面白くない2人

 琉球民謡を習ったことがない人のなかで「民謡は好きである」と49パーセント(92人)

が回答している。理由としては「楽しい」18人、「好きだから」1O人、「落ち着く」6人、

「昔から聴いていて馴染みがあるものだから」などの回答が挙げられており、家庭や地域 などで触れていたり、耳にしたりする機会が比較的多い環境にあったのではないかと推測

される。「好きではない」と回答した理由では、「よくわからない」24人、「興味がない」8 人、「ゆったりしすぎ」などが挙げられていた。好きと回答した人とは反対に、家庭や地域 において民謡に触れる機会が少ないことが原因の一つではないかと考えられる。また、琉 球民謡にはアップテンポのものもあるが、民謡をあまり聴かないために民謡はゆったりし たものという印象がついてしまっているともいえるだろう。

116

(24)

間十三[今後、琉球民謡を習ってみたいと思いますか]

未回答 O%

●思う・理由:楽しい11人・沖縄の人だから4人・もっと知りたい3人・三線習ってみ たい7人・将来のためになりそう2人・興味がある3人・上手になりたい・特技になる から・伝統であるから3人・独自の歌唱法が味があってよい・伝えていきたいから・沖 縄が好き・習ったことがないから・青年会でやっていたから・沖縄に住んでいる以上沖 縄の音楽を楽しみたい

●思わない・理由:わからない4人・難しそう6人・時間がないから19人・あまり知ら ない・興味がないから35人・習うほどではない4人・自分に合わない2人・あまり必要 ではないから2人・機会がない2人・面倒2人・歌詞がわからないから・聴く方が好き

 間十二において「民謡は好きである」と49パーセント(92人)が回答していたが、習っ てみたいかという質問に対しては、「習ってみたい」と回答したのは29パーセント(55人)

であった。習ってみたいと思わない人の理由としては、「興味がないから」35人が一番多く、

次にr時間がないから」19人、r難しそう」6人、r歌詞がわからないから」などが挙げら れていた。このことから、琉球民謡についてよく知らなかったり触れる機会が少なかった りするために関心が薄く、民謡を習うことに敷居の高さを感じているのではないだろうか。

郷土の音楽に対して生涯にわたって親しんで行けるように、学校教育において小学校や中 学校など早い段階で琉球伝統芸能に触れ、学ばせる必要があると考える。

(25)

○問十四〜間十七は、全ての回答者に対する質問である。

未回答

きではない  O%

〔好きな領域〕

工80 .       一一一        一・・一一一一一一一一

140 … 一一・一・一一・・

120  ・ 一一・一一        一一一一一一・一一・一一 ・

100  ・・一一・一…一一一一・・・…

80

    好    歌    含     き     唱    唱     で

    は     な     い

      一       一       一     ■      一         一       ■   一      一    一        一      一

器    鑑     創 楽    貫     作

       」

 ●好きではない・理由:出来ないから・難しそうだから3人・音痴だから・興味がない7 人・音楽を選択していないから4人・楽しくない6人・音楽が苦手だから8人・恥ずかし い・歌を歌うのが苦手だから2人・ふるいから

 暗楽の授業は好きである」と96パーセントが回答している。この数値は本アンケート 調査で一番高いといえる。しかし、自由記述には好きではない理由が多数記述されており、

「難しそうだから」「音楽が苦手だから」「恥ずかしい」などが挙げられていた。周りの評       118

(26)

価を気にしてしまい、本来ならば自分を思いっきり表現することができる音楽の時間が苦 痛となってしまっているのであれば、音楽の授業のあり方を今一度考え直さなければなら ないのではないだろうか。好きな領域では「合唱」と回答した人が155人と一番多かった。

次に「歌唱」76人、「鑑賞」75人、「器楽」69人であった。合唱は中学校でも合唱コンクー ルが盛んであることもあり、中学校での合唱指導の成果が結果に出ているのではないかと 思われる。しかし器楽や鑑賞は合唱に比べて回答者が少なく、苦手な生徒が多いことがわ かる。器楽は個人の評価となってしまうことが多いことや、時数が限られているなかで生 徒が納得のいくまで技術を身につけることは難しいことが原因のひとつであると考えられ る。また、鑑賞の授業はただ単に苗を聴いたり、DVDを鑑賞させて感想を述べたりするなど の指導にとどまってしまいがちであるように思う。多忙な教員にとって全ての授業の内容 を深めていくことは大変難しいことであるが、改善していく必要があるだろう。

間十五[楽器は何かできるものがありますか。コ

禾回答 4%

 ●出来る楽器:リコーダー41人・タンブリン5人・カスタネット7人・トライアングル 3人・鍵盤ハーモニカ2人・ピアノ33人・三線22人・ギター9人・エイサー2人・ヴァイ オリン・パーカッション・トロンボーン・フルート4人・サックス4人・ドラム3人・チ ューバ2人・クラリネット3人・トランペット8人・ホルン2人・オーボエ・べ一ス・木 琴・鉄琴・横笛・太鼓

(27)

 約半数は「できる楽器がある」と回答している。一番多かったのは学校音楽教育におい て必ず取り扱われるであろう「リコーダー」41人であった。次に「ピアノ」33人、「三線」

22人などが挙げられていた。中でも「三線」ができるという回答があり大変驚いた。学校 や地域において三線を習っている人もいるようだが、沖縄県民として伝統楽器である三線 が弾けるという声を高校生から聴けたことは大変うれしいことである。その他では名護高 校は吹奏楽部経験者が多いこともあり吹奏楽器が目立った。また、「カスタネット」や「タ

ンバリン」などの打楽器も多数挙げられていた。

間十六[カラオケは好きですか。]

 問十二で「民謡は好き」と回答したのは30パーセント(92人)であったのに対して、「カ ラオケが好きである」と回答したのは72パーセント(222人)と大変多い。民謡に比べて カラオケで歌うであろうPOPSなどは地域において耳にする機会が非常に多いことが影響し ているといえるだろう。また、間十四でr合唱が好きである」という回答が多かったこと からも、歌唱活動全般に対する関心が高いことがわかる。

120

(28)

間十七[好きなアーティストはいますか。]

禾回答

 4%

 間十六で「カラオケは好き」と回答した72パーセント(222人)よりも、「好きなアーテ ィストはいる」と回答している人が74パーセント(228)と若干数であるが増えている。

歌うことは苦手であるが聴くことや鑑賞することは好きである人が多いことがわかる。高 校生にとって音楽が身近な存在であるといえるだろう。

(以上17項目)

(29)

第4節 アンケート調査の考察

 上記の結果を見ると、家族で三線を用いて琉球民謡を弾き歌い出来る人がいる家庭にお いては幅広い年齢層で琉球民謡に親しんでおり、特に年配の男性が伝承していることがわ かる。三線は中国から伝来した当初は宮廷楽器として定着し、士族男子の嗜みとされ男子 中心の音楽へと発展したという歴史的背景があり、このことが影響しているのではないか

と考えられる。

 「家族で琉球民謡を弾き歌い出来る人がいない」と回答していた人は65パーセントであ った。小島美子は「沖縄の人々にとっては、歌ったり踊ったりすることは、まさに生活の 一部、生きることの一つの営みだということである」1と述べているが、本アンケート調査 の結果からは、家庭において琉球伝統芸能に触れる機会の減少や、琉球伝統芸能の伝承が 何らかの理由により難しいという現状が推測され、生活のなかに歌や踊りがあるとは言い 難い。小島美子が述べているような、歌うことが生活の一部であるという沖縄の良き伝統 が薄れてきているのではないかと危惧される。

 しかし、地域活動においてはエイサーが活発に行われているようだ。主に小学校高学年 の時期に子ども会や地域の青年会などを中心としてエイサーを経験しているという回答が

目立った。やはりエイサーは馴染みがあり若い世代の興味や関心も高いことがわかる。

 また、学校教育においては音楽や体育、国語、総合学習などの教科で琉球伝統芸能に取 り組んでいる学校もみられる。音楽科以外の教科での取り組みとしてはやはりエイサーが 多いことがわかった。主に体育の授業で取り扱われており、体育祭や学園祭といった学校 行事に向けて取り組んでいるようだ。その際に指導者として地域の青年会などのエイサー 伝承者をゲストティーチャーとして招くことで地域との交流を図ることができ、またエイ サーの伝承にも繋がっているといえるだろう。

 音楽の授業では「琉球民謡を習ったことがある」と回答した人が50パーセントであった。

1小島美子『日本の音楽を考える』音楽之友社 1976p.251        122

(30)

名護高等校では音楽科の授業において琉球民謡を三線を用いて積極的に取り組んでいるた めこのような結果に繋がったものと考えられる。しかし、授業で琉球民謡に取り組めたと しても歌詞の意味を理解することができない生徒や、三線を弾きながら歌うことができな い生徒は多数おり、課題が残されているようである。三線は弾くことができても工工四を 読むことは出来ないという回答もあり、このような生徒に対する指導の在り方を模索して いく必要があるだろう。また、琉球民謡に対して興味がない、習って良かったと思わない と回答した人の理由には厭詞がわからない」、「あまり聴かないから」、などの理由が多く みられた。琉球民謡の歌詞は方言で書かれているため方言離れしてきている高校生には方 言が理解できず琉球民謡に対して興味や関心が湧きにくいのではないだろうか。

 生徒の琉球民謡に対する印象として特にうれしく感じたことは、間九の琉球民謡を習っ て良かったと思う理由の内容である。本アンケ㎞ト調査の自由記述において一番回答が多 く、内容も沖縄への郷土愛を感じさせるものが大変多かった。特に「沖縄の伝統音楽だか ら」「民謡は楽しい」「祖父母が喜んだ」「沖縄のことを知って良かった」「沖縄らしさを感 じる」「沖縄の心をもっと知ってほしい」という回答は郷土の伝統音楽である琉球民謡に対 する誇りや伝承に対する責任感が感じられ、学校教育において琉球民謡を取り扱う重要性

を改めて確認することができた。

 中学校学習指導要領20年度改訂により、教科目標に「音楽文化についての理解」が盛り 込まれ音楽科教育の課題として「我が国の音楽文化に愛着をもち、そのよさを感じ取って 理解し、他国の文化を尊重する態度等を養うため、長く歌い継がれ親しまれてきた日本の うたや、和楽器などの伝統音楽の充実を図ること」2と挙げられている。郷土の伝統音楽に 対する意識は高まり、音楽の授業において琉球民謡を取り上げることは自然なように思わ れるが、未だに琉球民謡を指導することが難しい教貫も多いようだ。そのような現状に至 った理由としては、やはり伝統楽器等の設備・伝統音楽の音源の有無など、伝統音楽の指 導の環境も各学校で差があることや、琉球民謡の背景や歌詞の意味、民謡の種類について 2文部科学省『中学校学習指導要領』東京書籍 2008

(31)

教材研究する時間が取れないことなどが挙げられるだろう。教員自身が琉球民謡を深く学 んだ経験がない場合は、授業に琉球民謡を取り入れることは更に難しく思うかもしれない。

しかし生徒が沖縄の伝統音楽である琉球民謡に生涯にわたって親しんで行けるようにする には、琉球民謡の魅力を更に深く感じ、知ることが重要であると考える。そのためには、

まず授業のなかで琉球民謡に対する興味関心を引き出し、授業で学んだ後に理解できた、

弾きながら歌うことができた、楽しいといった思いを生徒が持つことができることが大切 なのではないだろうか。

 このような現状を考慮し、更に改善していくために、第4章では基本的な琉球民謡の知 識やより理想的な指導方法や取り組み方などについて考察し、音楽科教育において琉球民 謡を取り扱う際の指導案を作成し、授業実践へ向けた提案をする。

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参照

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