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行為の反省過程としての歴史学習 : 高校地理歴史科世界史B小単元「北米植民地における魔女狩りと民衆意識」の場合

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全文

(1)

会系教

科教育学会

『社会系教科教育学研究』

第13

号 2001

(pp.61-70)

行為の反省過程としての歴史学習

一高校地理歴史科世界史B小単元

「北米植

民地における魔女狩

りと民衆意識」の場合一

The Organization of History Lessons as the Process of Reflective Monitoring' of the

Behavior : In the Case

of the Unit

‘Wi七ch-hunting

case

and the People's Consciousness

in the Colonial New England

≒n the Senior High School Subject

“World History

(B)

梅 

津 

正 

(鳴

門教

育大

学)

平 

井 

英 

(熊本

県立松

高等

校)

I 

問題意識

−なぜ

「行為の反省」

を原理とす

歴史学習が必要か一

筆者は

,学校教育における歴史学習を,厂

歴史

を通

じた現在理解

」を意義

とする匚

社会科歴史学

」と

して性格

づけた

「 ̄

歴史を通

じた現在理

」は

,3つの

内実

をもつ。第

1に,社会構造の

理解

,第

2に

,社会

形成の主体

しての人間理解

第3に

,社会

問題の理解

,である。

しか

し一方で,

歴史授

業の構成や実践

レベル

での子どもの認識形

成の実際は

,研究者な

り実践者が保持

している

Γ社会と人間の関係の捉え方とその分か

り方の論

,すなわ

ち社会認識論によ

り異なっていよう。

筆者は

,これまでに有

力な

「 ̄

社会科歴史学習」

論を

,内在する社会認識論に着

目して,大き

く2

つの類型において整理

している

第工

の類型は

,匚

行為の解釈」を原理とする歴

史学習論である

。この類型では

,厂

社会」と匚

」の関係を,

「個々人の意

図的

・目的的な行為

によ

り社会が構成

される

」と考

える。こう

した社

会認識論を基盤に

,一般に,学習内容は,歴史を

生きた人間の

目的追及活動

(行為)と社会的意味

を紿に構成

され

,学習過程

・方法には

,行為の追

体験

と意味連

関の解釈が採用

される

。そ

して,学

習を通

じて育成がめ

ざされる人間像は

,社会が

らか

じめ保持

している匚

価値

(公共善)

」を受容

,それに基づいて行為できる匚

社会化された

活者

」である。

「’

小学校学習指導要領

・社会

」に

依拠

した歴史学習や

安井俊夫氏の

中学校歴史教育

実践1

,この型の典型例

である。

第2の類型は

,匚

社会

(構造)の分析」を原理

とする歴史学習論である

。この

類型では

,匚

社会

と冂

」の関係を,匚

社会は

,超個人的なシス

テム

であり

,個人の諸行為に影響

し,これ

を制御

している

」と考

える。こう

した社会認識論

を基盤

,学習内容は

,特定の

時空間に

ある社会構造

説明す

る理

(仮説

を紿に構成

され

,学習過程

方法には

,事象の分析が

採用

される。そ

して,学

を通

じてめ

ざされる人間像は

,科学的社会

(歴

史)認識能力と探求技能

を保持

した匚

合理的

・批

判的な社会科学者

」である。森分孝治

氏の匚

概念

探求学習論」2

や原田智仁氏の匚

理論批判学習

」3

,この型の典型例である。

一般に,両類型は

,二元論的

・相互批判的に把

握され

てきた

。第工

の類型に対しては

,匚

授業者

が選択

した歴史上の人物を通

じて

一元的価値観

注入

している

,匚

どもに社会構造の把握が十分

にできていな

」な

どの批判がなされ

てきた

し,

その裏返

しとして第2の類型に対

しては

,厂

科学

の論理が先行

して

,子どもの認識の論理が軽視さ

ている

,匚

個人に対する社会構造の拘束

力が強

調され

るため

,子どもに決定論的歴史認識

を形成

しやす

一方で

,両類型は

」といった批判がなされ

,前者が

「 ̄

行為にね

てきた。

ざす社会的

しか

価値

,後者が匚

社会構造」と社会認識の視

点は

異にするが

,いずれ

も匚

安定的な社会の存在」を

前提に成立す

る学習論として共通項

を保持

してい

るのである。

これ

に対

して,筆者は

,厂

社会」

(特に

「現代社

― 61

(2)

コは

,匚

多元的な価値基準の存在」を前提に

状況に応

じてゆ

らぐ社会

」と

して捉えている。

私たち匚

生活者

」は

,政治

・経済的

・社会的

文化的に

あらゆる営み

をする行為者4

して社会

に存在

している

。しか

し,その行為の決定は,必

しも認識の

合理性や

一貫

した価値

判断に

よらず

自己の

時々の

生活

目標や問題関已

と社会が

自己に

して

くる諸条件に照

らして

,関与す

る社会を選

した

,比重を変えた

りしなが

ら,状況に応

て為

していよう

。ここに言う厂

社会」と匚

個人」

の関係性の捉え方は

「社会は個人の行為や価値

を規

制す

るが

,その

一方で

,個

人の

行為に選

利用され

,変化

していく」という相互作用的な関

係性の見方に立

っている。5

ぐ社会

」における行為の決定には

,自己

の掲げる行為目標への不安や他者の行為

とのぶ

り合いによって常に葛藤が伴うため

,こうした

不安や葛藤から逃避

しよ

うとする者は

,小

さな自

己に対

して大きな社会が提示する

一元的な価値基

準に

自己の行為

を準拠

させ

てい

くか

,個々の

行為

を状況の

中で合理化

してい

くことに安住

していく

,その

ことに

よって,自己を規制す

る社会構造

や社会的価値基準に対す

る反省性が次第に失われ

ていっているのが現状では

なかろうか

こうした社会観の

もと

,筆者は

,社会科授業を

じて育成

した

い人間像に

,日常生活に

おいて状

況の

中で選

した自己の行為

を常にチェック

再方向づけ

していこうとする匚

行為のモニタリン

グ能力

「換言すれば

,匚

行為のメタ認知能カ

をもった匚

反省的な生活者

」モデルが必要である

と考える

「反省的な生活者

」を育成するための

学習原理が匚

行為の反省

」である

。この学習原理

,ミク

ロな行為とマク

ロな社会

を相互作用

関係

にあるもの

して捉

える社会認識論を基盤にする

ことか

,従来二元論的に捉えられ

てきた匚

行為

の解釈

」と厂

社会の分析

」を授

業レベルで有効に

結び付ける視座

を提供

しよう

。またそれ

は,生活

者の行為に影響す

る社会構造や社会的価値が歴史

にね

して形成

され

てきていることを考慮すれ

特に

「 ̄

社会科歴史学習

」おいて有効であろう。

以上の問題意識に基づき

,本小論は

,匚

行為の

反省過程と

しての歴史学習」の授業構成論を明示

,それ

フィー

ドに

く教

示す

発例

を高等

とを

目的

学校

とす

世界

史学

。6

皿 

授業構成論

1.内容構成論

内容構成のための

基本的な考察課題は

,特定の

時代における

「生活者の行為

」と

「社会」の匚

互作用関係

」の具体的な構成の仕方にある

。これ

に対する筆者の概念操作は

,次の通

りである

特定の

時代における匚

生活者の行為と意識の

り様

」を,

「社会構造」と

「文化」との

「 ̄

相互作

用関係

」として構成する。匚

社会構造」は

,社会

集団

・社会階層

,経済組織

,政治制度

,法律体

系,

科学技術

などを要素とするシステム

され

た制度

装置群とそれ

らの相互連関のパタ

ーンである。

「 ̄

文化

」とは,一定の人々の経験知として共有さ

れた価値観

・規範

,基層信仰

,慣習などを要素と

る特定の社会の独

自の性格

を形成する領域であ

。また,

「相互作用関係」の具体的構成は,次

ようである

。まず

,歴史主体である

「生活者」

,多様

な人種

・民族集

団や

,女性と男性

,若年

者と老齢者

,中産層

と貧

困層

,エ

リー

ト層

とノン

エリ

ト層など多様

な社会集団

・社会階層に属す

る人間か

ら選

し構成する

。歴史内容は,多様

生活者が

「 ̄

社会構造

」と

「文化」が生み

出す諸条

件の規定性や統制の

もとで

,それ

らを選択的に利

用することによって

,状況に応

じて生み

した複

数の異なる行為の形態

とその意味

を明らかに

さらに複数存在する行為の葛藤

・せめぎあいを通

じて

,生活者を取

り巻

く厂

社会構造

」や厂

文化」

どの

ように安定化

した

,あるいは逆に流動化

したのか

を把握

していけるよう構成する

内容構成の

基本枠組み

となる

「生活者の行為

と匚

社会

」との関係性

をモデル

して示

したもの

1である。

学習主題の選択は

,主題が

こう

した内容構成の

基本枠組み

を満たす

とともに

,現代社会において

も生活者の

行為と価値観の葛藤

・対立にね

ざして

類似の

問題状況

を提起

しており

,子

どもがそう

た問題状況と対峙することで自分の

行為基準を揺

さぶ

のである

られ

,問題解決への指

ことを基準に行うこととする

向性を高め

ていけるも

一62

(3)

社 

会 

構造

1.

「生

者の

「社

」の

関係

デル

2。学習過程論

学習過程は

,基本的には次の7段階をふむもの

とする

。①特定の時代

を生きた

多様な生活者の行

為内容

,およびその行為の基盤となる意識や価値

観を追体験的に解釈する

。②個別

・複

数の行為

容と意識

・価値観

を比較

・対照す

る。③

生活者を

り巻

く匚

社会構造

」と厂

文化」の連関パター

を分析す

。④個別

・複数の行為内容

を,当該時

代の

「社会構造

」と匚

文化」の連関パター

ンに位

置付

,行為

を生み

した諸条件を解読する

。⑤

学習者

自身の

当該時代の生活者の行為に対する評

価内容

と評価基準を構成する

。⑥学習者自身の評

価内容

と評価基準を他の学習者の見解とのせめ

あいを通

じて批判的に再構成する

。⑦

現在み

られ

る行為

と社会の

関係性をめ

ぐる類似の諸問題の解

決に向けて必要な新たな価

値基準

を選択的に導

くO

この

7段階は

I: 

歴史に

おける行為

・社会

構造

・文化の相互作用関係の事実認識過程」

(①

②③④

)→

: 

学習者自身に

よる歴史的行為の

評価基準の再構成の過程

(⑤⑥

)→Ⅲ

: 

現在

を生きる生活者と

しての

自己の行為の再方向づけ

の過程」

(⑦)へ

と展開する匚

行為の反省過程」

としての歴史学習過程である。

3.学習方法論

学習過程

Iの学習方法は厂

探究法

」である

。そ

の適用過程は

,生活者の行為や意識の

あり様

を彼

らの

手紙

・手記

・物語あるいは

日常物質資料な

を通

じて帰納的に叙述する過程か

,その

ような

行為が展開

した原因

・根拠

を問う発問と資料

を用

,その

回答を厂

社会構造」と厂

文化」の特質

ら子どもに判断させ引き出

してい

く過程へ

と展

して

ことに

Oその

場合

,学

習過

Iを構

成す

学習

段階①

,生

活者の

おけ

る行

とその

ある意

を子

どもが

感的

に理

して

く必

かお

。その

めの

的な

学習

方法には

,匚

行為の

物語の

読み

り」が

く用

られ

るが

さらに厂

ロー

プレイ

ミュ

レー

ョン

」と

いった体験

・活動

的な

方法の

有効

習過

・Ⅲの

学習

方法

は匚

討論

であ

討論

,歴

的過

よび現

在の

問題

と思

事態の

評価

基準

を互

いに

,意

見の

あい

を通

じて子

ども

自身が

為の

評価

基準

再構

して

くの

有効

方法

う。

Ⅲ 

授業構成の実際

上述の授

業構成論に基づ

く教材

開発例

して

高校地理歴史科世界史

B小単元

「北米植

民地に

ける魔女狩

りと民衆意識」を以下に提示する。

1.授業計画

(1)小単元の学習

目標

知識

目標

の知識内容を理解する。

「北米のイギ

リス植

民地に

おいて

,ヨー

ロッパ

よりも遅く魔女狩

りが広がった背景には

,対フラ

ンス戦争の激化やインディアンの

襲撃

,疫病流行

どの

諸事件

,植

民地の社

会制度や社会集

団関係

それ

らに起

因す

る不安定な民衆意識があった

。そ

のなかで

一般の

民衆は

,自らの判断に疑問を持ち

なが

らも,魔女狩

りを許容

していった

力目標

女狩

りと当時の

一般

民衆との関わ

りを現代に

投影することを通

じて

,自己の

日常的な行為と社

会との関わ

り方を反省的に吟味

できる

。その

こと

によって現在の社会の

中に問題

点を発見

,克服

の方策

を自分な

りに展望できる

2)小単元の計画

(4時間構成)

パー

トI:ニュー

イングラン

ド植民地の魔女狩

事件と社会

(2時間

トⅡ

:魔女狩

りと民衆の

関わ

(1時間)

パー

トⅢ

:現代の魔女狩

りと私たち

(1時間)

(3)大単元における位置

本小単元は

,大単元

「アメ

リカ独

立革命への

道」

― 63

(4)

( 7時 間構成) に,以 下 の通り 位置づ け られる。

① 北米 の植 民地化 と13植民地 の成立 ( 1時 間)

② ニュ ーイ ングラ ンド植民地 め魔女 狩り事 件 と

社会 ( 2時 間)

③ 魔 女狩 りと民衆 の関 わり( 1時間)

<第1時>

魔 女 狩 り 事 件 と 私 た ち ( 1 時 間 )

ア メ リ カ 植 民 地 の 反 抗 ( 1 時 間 )

ア メ リ カ 独 立 革 命 け 時 間 )

4) 小 単 元 の 展 開 過 程

匚教 授 計 画 書 ( 試 案 )」 と し て , 以 下 に 示 す 。

れ パート

教 師 の 指 示 ・ 発 問 ・ 説 明 教 授 ・ 学 習 活 動 資料 生 徒 の応 答 ・ 学 習 内容 導 入 0 学 習 の 視 点 と 学 習 課 題 の 確 認 O。 導 入 0-1. 人 間 の 行 為 と 社 会 と の 関 係 を , 今 君 た ち が 着 用 し て い る 制 服 を 例 に 考 え て み よ う。 君 た ち の 中 に は, 自 分 な り の 解 釈 に し た が っ て 制 服 を 改 造 し て い る 者 も い る。 そ の 背 景 に は メ デ ィ ア の 発 達 に よ っ て , 都 会 の 流 行 が 情 報 と し て 全 国 に 発 信 さ れ て い る こ と も 影 響 して い る で あ ろ う。 日 本 の経 済 的 発 展 に よ っ て , 学 校 で の 服 装 に費 用 を で き る だ け か け ま い と し た 制 服 の 意 義 も 徐 々 に失 わ れ つ つ あ る 。 ま た同 様 に, 制 服 に よ り 学 校 と い う 集 団 と し て の 秩 序 を 保 と う と す る 意 識 も, 個 性 尊 重 と い う 意 識 の 広 が り の な か 揺 ら い で い る。 こ れ を 資 料 1 の 図 に 従 っ て 考 え て み る と, 制 服 の 着 用 と い う 「 行 為 」 は , 国 民 の 経 済 水 準 や 学 校 制 度 な ど 社 会 の し く み ( 社 会 構 造 ) と 道 徳 主 義 や 集 団 主 義 な ど 日 本 的 な 価 値 観 ( 文 化 ) に 支 え ら れ 維 持 さ れ て き た が ,「 メ デ ィ ア の 発 達 , 安 価 な 衣 服 の 供 給 , 就 学 率 の上 昇 」 な ど の 社 会 の し く み の 変 化 と 厂個 人 主 義 ・ 個 性 の 尊 重 」 な ど の 価 値 観 の 変 化 が, 従 来 の し く み や 価 値 観 と 葛 藤 を お こ し, そ の 葛 藤 の も と で の 君 た ち 自 身 に よ る 行 為 の 選 択 と し て 「 制 服 の 改 造 」 が 行 わ れ て い る と 考 え るこ と が で き る。 こ の よ う に, 行 為 は社 会 構 造 や 文 化 に 規 制 さ れ な が ら も , 逆 に 社 会 構 造 や 文 化 を 主 体 的 に 読 み 替 え た り , 変 化 さ せ た り す る 場 合 が あ る ので あ る。 歴 史 上 の 事 件 や 出 来 事 も, 実 は 生 活 者 の能 動 的 な 行 為 の 選 択 が , そ の 原 因 ・ 経 過 ・ 結 果 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ し て い る と考 え る こ と が で き よ う。 今 日 か ら し ば ら く, 1692 年 に 北 米 植 民 地 ニ ュ ー イ ン グ ラ ン ド の セ ー ラ ム村 で 起 こ っ た 魔 女 狩 り 事 件 を, 生 活 者 と 行 為 と 社 会 構 造 ・ 文 化 相 互 関 係 性 と い う 視 点 か ら 考 え て い こ う 。 0-2. ま ず, セ ー ラ ム村 で 起 こ っ た 魔 女 狩 り 事 件 の 概 要 を, 確 認 し て お こ う。 O− 3.「 セ ー ラ ム村 の 魔女 狩 り 事 件 」 を主 題 に , 次 の 3つ の 問 い を 軸 に学 習 を 進 め て い こ う。 A . ヨ ー ロ ッパ にお い て 魔 女 狩 り の 犠 牲 に な っ た 人 は , 数 十 万 と も 数 百 万 と も い わ れ る が , そ の 時 期 は1600 年 を 中 心 と す る 約 百 年 間 で あ っ た。 ヨ ー ロ ッパ で 魔 女 狩 り が 終 わ っ た 時 期 に, な ぜ 北 米 植 民 地 で 魔 女 狩 り が 猛 威 を ふ る っ た の だ ろ う か 。 B . セ ー ラ ム村 の 魔 女 狩 り 事 件 に は, こ れ を 恥 ず べ き 事 件 と す る 見 方 と , 勇 気 と良 心 の 勝 利 と み る 見 方 の 二 つ が あ る。 君 た ち は, ど ち ら の 立 場 で こ の事 件 を 評 価 す る か。 C. 当 時 の 北 米 植 民 地 の民 衆 と 魔 女 狩 り 事 件 と の 関 わ り 方 を 比 較 の材 料 に し て , 私 た ち の 日 常 的 な生 活 行 為 と 社 会 構 造 や 文 化 と の関 わ り 方 を 検 討 し て みよ う 。 現 在 の私 た ち の 社 会 に 問 題 と な る よ う な 状 況 が あ る の だ ろ う か 。 な ぜ そ れ は問 題 と 言 え る の か 。 そ う し た 問 題 の 吟 味 や 解 決 に む け て 私 た ち は ど の よ う な 見 方 や 考え 方 を も つ 必 要 が あ る のか 。 T . 説 明 す る T. イ ン タ ー ネッ ト ・ サ イ ト を 利 用 し て , 事 件 の 概 要 を 説 明 す る 。 T . 小 単 元 全 体 の 学 習 課 題 を 提 示 す る 1 2 1692 年 に, マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 植 民 地 の セ ー ラ ム 村 で は , 数 人 の 少 女 た ち の悪 魔 憑 き の発 作 と魔 女 告 発 を き っ か け に , 魔 女 と し て200 人 以 上 が投 獄 さ れ , う ち 処 刑 さ れ た者 は20 人 に 及 ん だ 。

― 64

(5)

ノヾ I 卜 I 1 生 活 者 の 行 為 と 意 識 の 解 釈 及 び 比 較 A . ヨ ー ロ ッ パ で 魔 女 狩 り が 終 わ っ た 時 期 に, な ぜ 北 米 植 民 地 で は魔 女 狩 り が 猛 威 を ふ る っ た の だ ろ う か 。 1 . セ ー ラ ム村 の 魔 女 狩 り 事 件 に 関 与 し た 主 な 人 々 の 行 為 や 意 議 につ い て , 気 づ い た こ と や 疑 問 に 思 っ た こ と を 指 摘 し な さ い 。 卜1. 最 初 の魔 女 裁 判 に 関与 し た 人 々 の 行 為 や 意 識 を , ロ ー ル プ レ イを 通 じて 考 え て み よ う 。 1-2. テ ィ チ ュ ー バ だ け が な ぜ 自 分 を 魔 女 だ と認 め た の だろ う か 。 1-2-1.テ ィチ ュ ー バ と他 の二 人 の 容 疑 者 の 異 な る 点 は何 か 。 1-2-2.テ ィ チ ュ ーバ 固 有 の条 件 が, 他 の二 人 と 異 な り , 自分 が 魔女 だ と 認 め た こ と と関 係 が あ る の だろ う か。 1-3. ベ テ ィ ら 少女 た ち は, 確 信 も な い の に なぜ 魔 女 の告 発を 続 け た の だ ろ う か 。 1-3-1.ベ テ ィ ら は , な ぜ 村 で 禁 止 さ れ て い る オカ ルト 遊 びを 続 け て い た の だ ろ う か 。 1-3-2.少 女 た ち は な ぜ 魔 女 告 発 を はじ めた のだ ろ う か。 T . パ ー ト I の 課 題 提 示 T . 発 問 す る P . ロ ー ル プ レ ィ の指 示 P . ロ ー ル プ レ ィ を 行 う T . 発 問 す る T . 発 問 す る P. 予 想 す る T . 発 問 す る P . 資 料 を 基 に 答え る T . 発 問 す る T . 発 問 す る P . 資 料 を 基 に 答え る T . 発 問 す る P . 資 料 を 基 に 答え る 3 4 ・ 裁 判 の後 , オ ズ ボ ー ン は 獄死 , グ ツ ド は 最 後 ま で 罪 状 を 否 認 し 処 刑 , テ イ チ ュ ー バ だ け は 自 白 と 容 疑 者 の 告 発 に よ り , キ リ ス ト 教 の 味 方 に 転 じ た と 認 定 さ れ , 処 刑 を 免 れ た。 ・ テ イチ ュ ー バ は カ リ ブ 出 身 の 黒 人 奴 隷 で , 呪 術 信 仰 に た けて い た。 ・ 日 頃 か ら 差 別 さ れ , 呪 術 も 使 い , い か に も 魔 女 に 疑 わ れ や す い テ イ チ ュ ー バ に と って , 自 白 と 告 発 し か 生 き 延 び る 術 が な か っ た の で は な い か 。 ・ 日 頃 の 単 調 な 生 活 の 中 で の , 好 奇 心 や 不 満 の 捌 け 囗 と し て 禁 じ ら れ た 遊 び に興 じ た ので は な い かo ・ 禁 じ ら れ て い た オ カ ル ト 遊 び を し て い た こ と を 告 発 に よ り カ モ フ ラ ー ジ ュで き る と 考 え た ので は な い か。 ・ こ れ ま で に な い 注 目 さ れ る こ と の 快 感 を 味 わ って い た ので は な い か。 < 第 2 時 > 1 ノマ 卜 I 2

1-4.魔女 裁 判 で 村 の 混 乱 が 続 くな か , メ ー ザ ー 牧 師 は, な ぜ 徹 底 し た 魔 女 の発 見 と処 罰 を 主 張 し て い る の か。 1-5.テ ィ チ ュ ーバ は自 分 が 魔 女 だ と 認 め た た め, 処 刑 を 免 れ た。 魔女 を 認 め れ ば 処 刑 さ れ ず に済 む のに, レ ベ ッ カ ・ ナ ー ス は , 自 分 の 裁 判 で な ぜ最 後 まで 否 認 し 続 け た の だ ろ う か 。 1-6.陪 審 員 ト マ ス・ フ ィ ク ス は, な ぜ ナ ー ス へ の 無 罪 評 決 を 覆 え し た のか 。 1-7.総 督 ウ ィ リ ア ム・ フ ィ ップ ス は, 最 終 的 に は 魔女 裁 判 の 中 を 決 定 して い る。 総 督 は , 魔 女 な ど い な い と 確 信 を も って 裁 判 中 止 を 決 定 し た の だ ろ う か。 2。 事 件 が 起 こ っ た17 世 紀 末 の マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 植 民 地 社 会 はど のよ う な特 質 を もつ 社 会 だ っ た の か。 2-1.北 米 の英 領 植 民 地 の特 色 を 考 え て み よ う。 ま ず 移 住 の動 機 は何 だ ろ う。 1620年 の 事 件 を 思 い 出 し て みよ う 。 2-2.北 米 のフ ラ ン ス植 民 地 の 場 合, 毛 皮 取 引 を 目 的 とす る一 時 的 な 居 住 で あ っ た 。 こ れ に対 し て , イ ギ リ ス 植 民 地 の 産 業 ・ 居 住 形 態 は ど の よ う な も の だ ろ う 。 世 界 史 資 料 集 (『 新 詳 世 界 史 図 説 』 浜 島 書 店, p.130.) 図 表 2 「 イ ギ リ ス の 北米 植民 地」 を 参 考 に答 え な さ い 。 2-3.マ サ チ ュ ー セ ッ ツ は1691年 にプ リ マ スを 併 合 し て い る が, こ の 時 期 ま で 併 合 が 遅 れ た の は宗 教 的 理 由 か ら で あ る。 プ リ マ ス の 宗 教 的 特 色 と は何 か 。 世 界 史 資 料 集 図 表 3 「 ア メ リ カ植 民 地 の 成 立」 を 参 考 に答 え な さ い 。 2-4.マ サチ ュ ー セ ッ ツ に お け る 自 治 制 度 はど の よ うな も の だ ろ う か 。 南 部 の カ ウ ン テ ィ 制 度 と比 較 し て み よ う 。 世 界 史 資 料 集 図 表 2 を 参 考 に 答 え な さ い 。

-65 一

T 。発問する

T . 資 料 を 基 に

答え る

T .発問する

P. 資料 を 基 に

答え る

T 。発問す る

P. 資料 を 基 に

答え る

T.発問す る

P. 資料 を 基 に

答え る

T。発問する

T.発問す る

P.答える

T.発問す る

P . 資 料集 を 基

に答え る

T。発問 する

P . 資 料集 を 基

に答え る

T。発問 する

P . 資 料集 を 基

に答え る

5 年表 料 の 表 資 集 図

料 の 表 資 集 図 ・ キ リ ス ト 教 に対 す る 強 い 信 仰 心 と, 北 米 植 民 地 社 会 の 中 核 の 村 で あ る と の自 尊 心 が 作 用 し て い る。 ・ 自 分 の良 心 に 従 っ た。 ・ 神 は正 し い 者 を 救 っ て く れ る と 信 じ た。 ・ 被 告 が 魔 女 だ と は 思 え な い が , こ こ は 裁 判 長 に 従 っ た 方 が 得 策 だ と 考 え た。 ・ 自 分 の 信 条 に 従 っ た と い う よ り も , 社 会 的 地 位 や 威 信 の あ る 人 の 意 見 を 勘 案 し た り , 社 会 的 情 勢 を 見 極 め な が ら, 裁 判 中 止 を 決 定 し て い る。 ・宗 教 的 自 由 を 得 る た め。 ・ 自 営 農 民 と し て 家 族 単 位 で 移 住 し , 定 住 す る 者 が 多 か っ た。 ・ ピ ュ ー リ タ ン の 分 離 派 に 属 す る。 北 米 に移 住 し た ピ ュ ー リ タ ン に は, 移 住 後 も イ ギ リ ス 国 教 会 か ら 離 脱 し な い 人 々 ( 会 衆 派 ) と 離 脱 し た 人 々 ( 分 離 派 ) と が い た が , マ サ チ ュ ー セ ッ ツ の 場 合 は 会 衆 派 が 中 心 で あ っ た。 ・ 教 会 を 中 心 と す る 直 接 民 主 政 方 式 に よ る 寄 り 合 い 制 度 で あ っ た。

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と 文 化 の 連 関 ノ ヾ 夕 I ン の 分 析 2-4.マ サ チ ュ ーセ ッツ にお け る 自治 制 度 は ど の よ う な も の だ ろ う か。 南 部 の カ ウ ン テ ィ 制 度 と 比 較 し て み よ う 。 世 界史 資 料 集 図 表 2を 参 考 に答 え な さ い。 2-5.ア メ リ カ 最 古 の 大 学 で あ る ハ ー バ ー ド 大 学 が 設 立 さ れ た 目 的 は 何 か。 そ れ は何 を 意 味 して い る か。 2-6.魔女 と して 告 発 さ れ た 人 も, 告 発 し た人 も す べ て女 性 で あ る 。 こ の こ と は 植 民 地 社 会 に お け る女 性 の 地 位 や 立 場 につ い て 何 を 意 味 し て い るか 。 2-7.セ ー ラ ム事 件 が 起 こ っ た1692 年 頃 , 新 大 陸で は ど の よ う な事 件 が 起 こ っ て い る のだ ろ う か 。 2-8.英 領植 民 地 の民 衆 に と って, フ ラ ンス軍 以 上 の脅 威 が あ っ た。 自営 農 民 が 多 か っ た こ と と も 関 係 が あ る が , そ れ は何 だ ろ う か。 2-9. イ ン デ ィ ア ン・ フ ラ ンス 軍 の 襲 撃 以 外 に も, 大 航 海 時 代 に ス ペ イ ン人 が 新 大 陸 に 持 ち 込 ん だ 伝 染 病 も流 行 し て い た。 そ の 伝染 病 と は 何 だ ろ う 。 世 界 史 資 料 集p.Ill の 図 表 2 「 ア メ リ カ 大 陸 に も た ら さ れ た も の」 を 参 考 に 答 え な さ い。 2-10.世 界 史 資 料 集p.130 図 表 3を も う一 度 み て みよ う 。 163 6年 に ロ ード アイ ラン ド植 民 地 を 設 立 し たロ ジ ャ ー・ ウ ィ リ ア ム ス は ク エ ーカ ー 教 徒 に も 信 仰 の 自 由 を 与 え る べ き だ と 主 張 し た こ と に よ り マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 植 民 地 か ら追 放 さ れ, ロ ード ア イ ラ ン ド 植 民 地 を 建 設 し た。 こ の 出 来 事 か ら , マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 植民 地 の 宗 教 的 雰 囲 気 とし て ど の よ う な こ と が 考 え ら れ る か 。

T 。説明する

T .発問する

P.答える

T. 発問する

P. 資 料 集 を 基

に答 える

T. 発問する

P . 年 表 を 基 に

答え る

T. 発問する

P . 予 想 し て答

え る

T. 発問する

P 。 資 料集 を 基

に答え る

T 。 資 料集 を 基

に説明 する

T.発問 する

P . 予 想 し て答

える

4 年表 料 の 表 資 集 図

・ 牧 師 の教 育 を 目 的 に 設 立 さ れ た 。 ・ 北 米 植 民 地 に お い て は , キ リ ス ト 教 信 仰 が 極 め て 重 要 視 さ れ て い た 。 ・ 男 性 中 心 の 社 会 で , 女 性 の 立 場 が 弱 か っ た。 ・ フ ラ ンス と の 植 民 地 戦 争 で あ る ウ ィ リア ム王 戦 争(1689 ∼97 ) が 起 こ っ て い る。 ・ 先 住 民 の イ ン デ ィ ア ン が 土 地 を 奪 わ れ た 恨 み か ら, フ ラ ン ス に 味 方 し て イ ギ リ ス頷 を 襲 って い た。 ・ 天 然 痘 ・ マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 植 民 地 は, キ リ ス ト 教 信 仰 が 重 き を な し て い た 地 域 で あ り , 自 分 た ち の 信 仰 ・ 教 条 か ら 逸 脱 し て い る 者 を 許 さ な い と い う, 宗 教 的 に不 寛 容 な地 域 で あ っ た。 < 第 3 時 > ノヽ冫 1 卜 I

3. ヨ ー ロ ッ パ で 魔 女 狩 り が 終 わ っ た 時 期 に, な ぜ北 米 植 民 地 で は魔 女 狩 り が 猛 威を 振 る っ た の だ ろ う か 。 3-1.17世 紀 末 の マ サチ ュ ー セ ッ ツ植 民 地 の 社 会 構 造 と 文 化 の 特 徴 を ど の よ う に 整 理 す る こ と が で き る だ ろ う か 。 資 料 1 の モデ ル図 を 参 考 に し て ま と め て み よ う 。 3-2.マ サ チ ュ ー セ ッ ツ植 民 地 社 会 の 社 会構 造 と文 化 の 特 質 に 照 ら し て , 事 件 に 関 与 し た 人 々 の 行 為 の 意 味 を 改 め て 考 え て み よ う。 そ れ ぞ れ の 行 為 の 意 味 に は, 共 通 点 が あ る だ ろ う か。 ま た , 相 違 点 が あ る だ ろ う か。 そ の よ う な 共 通 点 や 相 違 点 を 見 出 し た あ な た の 根 拠 は何 か 。 3-2.最 初 の 問 い に 戻 ろ う 。 ヨ ー ロ ッパ で 魔 女 狩 り が 終 わ っ た 時 期 に , な ぜ 北 米 植 民 地 で は 魔 女 狩 り が 猛 威 を 振 る っ た の だ ろ う か 。 T . 発 問 す る T . 発 問 す る P . モ デ ル 図 を 活 用 し て 答 え る T . 発 問 する P . 答 え る T . 発 問 す る P . 答 え る 1 ・ ( 社 会 構 造 ) 教 会 を 中 心 と し た 自 治 , 自 営 農 民 が 多 数 を 占 め る 社 会 構 成 , 男 性 中 心 の 社 会 ・ ( 文 化 ) キ リ ス ト 教 信 仰 の 重 視 と そ れ に基 づ く宗 教 的 不 寛 容 さ ・ 魔 女 告 発 を し た ベ テ ィ ら 少 女 た ち , 自 白 し た テ ィ チ ュ ー バ は, 立 場 こ そ 違 え 村 で は 社 会 的 弱 者 で あ っ た 。 彼 ら は, 告 発 や 自 白 と い う 方 法 に よ り , 日 頃 の 不 満 や 不 安 に対 す る ス ト レ ス の 捌 け 口 や 自 己 主 張 の 場 を 得 て い た と思 わ れ る。 ・ メ ー ザ ー と ナ ー ス は , 事 件 に お け る 立 場 は 異 な る が , 彼 ら は 植 民 地 社 会 の 秩 序 や キ リ ス ト 教 信 仰 に , 自 己 の 行 為 の 規 範 を ぶ れ る こ と な く置 い て い る。 ・ ス タ ウ ト ン, フ ィ ス ク, フ ィ ッ プ ス は , 魔 女 裁 判 を 司 る責 任 あ る 立 場 に あ り な が ら, 植 民 地 社 会 に お け る 立 場 や 権 力 関 係 と 自 己 の 信 念 と の 間 で 葛 藤 し , 行 為 の 決 定 が 揺 らい で い る。 ○ 植 民 地 社 会 は , 教 会 中 心 , 白 人 男 性 中 心 と い っ た 硬 直 し た 内 部 構 造 を 持 っ て い た 上 に , 外 的 に は 食 料 難 , 伝 染 病 流 行 , 継 続 す る 戦 争 な ど 不 安 要 因 を 抱 え て い た。 そ う し た 中 で , 民 衆 は , 不 満 の 捌 け 口 や 自 己 主 張 の 機 会 を 求 め て い た と 考 え ら れ る 。 魔 女 告 発 の連 鎖 は, そ う し た共 同 体 の ス ト レ ス の受 け 皿 と な り 拡 大 し て い っ た 。 民 衆 は, 魔 女 裁 判 の 結 果 を 全 面 的 に は 受 け 入 れ て い な か っ た が , 社 会 的 地 位 の 高 い 人 が 言 っ た こ と に は 従 っ て お こ う と い う 考 え が , 魔 女 狩 り を さ ら に拡 大 さ せ た。

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ノ・ぐ I 卜 n 4 行 為 に 対 す る 評 価 及 び 再 構 成 B. セ ー ラ ム 村 の 魔 女 狩 り 事 件 に は, こ れ を 恥 ず べ き事 件 と す る 見 方 と, 勇 気 と 良 心 の 勝 利 と す る 見 方 の二 つ が あ る。 君 た ち は, ど ち ら の立 場 で こ の事 件を 評 価 す る か。 4-1.「 恥 ず べ き 事 件」 と 評 価 す る 人 は, そ の理 由 を 述 べ な さ いo 4-2. 匚勇 気 と良 心 の 勝 利」 と 評 価 す る人 は, そ の 理 由 を 述 べ な さ い。 T . パ ー ト n の 課 題 提 示 T. 発 問 す る P. 討 論 す る T. 発 問 す る P. 討 論 す る ○ こ の 事 件 で は, 村 全 体 が 精 神 的 な 混 乱 状 態 に 陥 り , 一 部 の 権 力 者 や 狂 信 者 の 言 動 に, 本 来 は 理 性 的 で あ る は ず の 多 く の人 々 が か ら め 取 ら れ, 適 切 な 判 断 力 を 失 っ て し ま っ て い た。 そ し て , 社 会 的 弱 者 や 共 同 体 の 中 で 異 質 な 者 と み な さ れ た 人 に , 魔 女 の 嫌 疑 が 多 く か け ら れ た。 こ の 事 件 は , ま さ に 人 間 の 弱 さ を さ らけ だ し て い る よ う に思 う。 ○ 住 民 自 身 が 自 ら の 手 で 事 件 を 終 息 に 導 び い た の で あ り , 裁 判 所 は 自 ら の 過 ち を 認 め, 被 害 者 に 損 害 賠 償 ま で 行 っ て い る 。 人 間 は 自 ら の 手 で 理 性 を 取 り 戻 す こ と が 出 来 る こ と を 示 し た の で あ る 。 人 間 に 理 性 と良 心 を 信 頼 し た い。

<第4 時 >

ノマ 1 卜 Ⅲ

MJ

C 。 当 時 の北 米 植 民 地 の民 衆 と 魔 女 狩 り と の 関 わ り 方 を 比 較 の 材 料 に して , 私 た ち の 日 常 的 な 生 活 行 為 と 社 会 構 造 や 文 化 と の 関 わ り 方 を 検 討 し て み よ う 。 現 在 の 私 た ち の 社 会 に問 題 と な る よ う な 状 況 は な い の だ ろ う か。 な ぜ そ れ は問 題 と 言 え る の か。 問 題 だ と す る な ら ば , そ う し た 問 題 の 吟 味 や 解 決 に む けて 私 た ち は社 会 に 対 す る ど の よ う な 見 方 や 考 え 方 を もつ 必 要 が あ る の か。 5-1.セ ー ラ ム 村 の 魔 女 狩 り 事 件 が 示 して い る問 題 と 類 似 し た 問 題 が , 私 た ち の 社 会 に も あ る か 。 問 題 点 は ど こ に あ る の か。 5-2.そ う し た 問 題 の 吟 味 や 解 決 に む けて , 私 た ち は 社 会 に 対 す る ど のよ う な 見 方 や考 え 方 を も つ 必 要 が あ る のか 。 T . パ ー ト Ⅲ の 課 題 提 示 T. 発 問 す る P. 討 論 す る T . 発 問 す る P . 討 論 す る ( 予 想 さ れ る問 題 の 例 示 ) ・200 工年 7月 の参 議 院 議 員 選 挙 の 時 み ら れ た国 民 の 政 治 的 態 度 と 政 治 意 識 。 小 泉 内 閣 が 掲 げ る 匚構 造 改 革 論 」 は, 日 本 の 既 存 の政 治 ・ 経 済 の し く み や 平 等 主 義 ・ 集 団 主 義 な ど 日 本 的 価 値 観 に 根 本 的 な 変 更 を 迫 る 可 能 性 も 持 っ て る に も か か わ ら ず , 政 策 議 論 が 十 分 に な さ れ な い ま ま , 首 相 の 個 人 的 人 気 に 依 在 し た 選 挙 運 動 や 投 票 行 動 か み ら れ た こ と。 ・ 最 近 , 各 種 の 占 い や 新 興 宗 教 が 流 行 し そ れを め ぐ る ト ラ ブ ル が 多 発 し て い る 。 そ こ に は , 社 会 情 勢 の 不 安 定 な 中 , 多 く の 人 が 自 分 に 自 信 が 持 て ず , つ い メ デ ィ ア か ら の 情 報 や 集 団 意 識 に 促 さ れ て 無 批 判 に 信 仰 に走 って る 現 状 が あ る の で は な い か。 ○ 自 分 の 行 為 を 規 制 し て い る 社 会 の し く み ( 社 会 構 造 ) と 社 会 的 価 値 (文 化 ) を 批 判 的 に 吟 味 し て い く こ と。 ○ 自 分 の 行 為 選 択 の 仕 方 と 行 為 の 中 身 を批 判 的 に 吟 味 し て い く こ と。 ( 学 習 資 料 ) 1. 本 稿 理 論 編 図 1 「 生 活 者 の行 為 と 社 会 の 関 係 モデ ル」 を 使 用 す る。

2. イ ン タ ー ネ ット サ イト:S 山 m Witch Museum (http//w ww.salemwitchmuseum.c om ) 3. ロ ール プ レイ 用 資 料

① 場  面 : マ サチ ュ ー セ ッ ツ州 セ ーラ ム村 の教 会 で の最 初 の魔 女 裁 判予 備 審 問 ② 年 月 日:1692 年 3月 1 日 (火 )

③ 登 場 人 物

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立  場 氏   名 人   物   の   概   要 判    事 ジ ョ ン ・ ホ ー ソ ン 地 方 集 会 の 議員 で, 法 律 専 門 家 で はな い 。 被    告 テ イ チ ュ ーノ`ぐ バ ル バ ド ス出 身 の女 奴 隷。 使 え て い る パ リ ス牧 師 の娘 ベ テ ィ ら少 女 た ち に, 黒 魔 術 を 指 南 して い た。 被    告 セ ア ラ ・ オズ ボ ー ン 裕 福 な女 性 だ が, 一 年 以 上 教 会 に 行 って い ない 。 夫 の死 の 直 後 に 使 用 人 と 再 婚 。 被    告 セ ア ラ ・ グッ ド 貧 し い物 乞 い。 6歳 の 子 の 母 で , 妊 娠 中 。 原 告 兼 証 人 ペ テ ィ ・ パ リ ス 遊 び に興 じ て い た。9歳 の女 子 。 父 は牧 師 で, テ ィ チ ュ ー バ の主 人 。 仲 間 の 少 女 た ち と, 密 か に オ カ ル ト 原 告 兼 証 人 ア ビ ゲ イ ル ・ ウ ィリ ア ム ズ ベ テ ィ と同 居 す る 従 姉。 原 告 兼 証 人 5 ∼ 6名 の 少 女 ベ テ ィ, ア ビ ゲ イ ル と 共 に 被 告 3人 を 魔 女 と証 言 。 ④  脚 本 判  事 : 誰が お 前を 苦 し め た のか 。 ベ テ ィ :父 や 聖 職 者 た ち か ら 「 あ な た た ちを 苦 し め て い る 者 の名 を あ げ て く れ」 と頼 ま れ て も, 最 初 は 思 い 出 し よ う が あ り ま せ ん で し た。 誰 が 自分 た ちを 陥ま せ た ので も な い。 た だ そ れ が 起 こ っ た と い う だ け だ っ た の で す。 で も, よ く 考 え て み る と。 そ れ は, テ ィ チ ュ ーバ と セ ア ラ・ グ ッド , そ れ に セ ア ラ ・ オズ バ ー ンで す。 判  事 : お前 は 子 ど も た ち を 苦 し め たこ と があ る か。 グ ッド : ぱ か ば か し い 話 だ よ 。 判  事 : お前 は 物乞 い の と き 何 か ぶっ ぶ つ 言 い な が ら家 々を 回 る よ う だ が , い っ たい 何 を 言 っ て い る の か。 グ ッド : あ ん た に そ れ を 言 わ な き ゃな らな い の な ら, 言 う よ。 そ れ は 私 の 戒 律 さ 。 判  事 : セ ア ラ ・ オ ズ ボ ー ンを こ こ へ 。 グ ッド : オ ズ ボ ーン ば あ さ ん だ よ 。 子 ど も た ちを い じ め て い る の は。 判  事 : お前 は 魔女 か。 オ ズ ボ ー ン: 魔女 ど こ ろ で は な く , 自 分 が 妖 術 を か け ら れ た み た い で す。 イ ン デ ィ ア ン のよ う な 真 っ黒 い も のが , 私 の首 をつ ね り, 頭 の 後 部 を つ か ん で 引 っ張 り , 家 の ド ア の と こ ろ ま で 連 れ て い き まし た。 判  事 : テ ィ チ ュ ー バ を こ こ へ。 子 ど も た ちが 言 って い る こ と は 本 当 か。 テ ィチ ュ ー バ : 本当 で す。 悪 魔 の 「 か た ち( 生 霊 )」 が, 私 に 子 ど も た ち を つ ね れ と命 じ た ので す。 ( ロ ール プ レ イ 用 資 料 は, マ リ オ ン・ L ・ ス タ ー キ ー ( 市 場 泰 男 訳 )『 少 女 た ち の 魔 女 狩 り ーマ サ チ ュ ー セ ッ ツ の冤 罪 事 件 一 』平 凡 社, 1994, pp.52 ∼68. よ り 筆 者 作成 。) 4. 文 字 資 料 女 た ち も怠 け て はい な か っ た が, そ の 仕 事 は ず っ と 昔 か ら お なじ み の単 調 な き まり き っ た 仕 事 の 繰 り 返 し だ っ た。 時 に はい つ も と 違 っ た 仕 事 が や っ て く る こ と が あ っ た が , そ れ は主 に 夏 で , 野 に 出 て 野 イ チ ゴ を な ど の実 を つ む と きや , 林 や 畑 で 働 い て い る男 た ち にビ ー ルを 届 け る と き な ど だ っ た。 冬 に はそ う い っ た わ ずか な気 晴 ら し も す べ て 絶 た れ た。 な か に は安 息 日 の集 会 の と き以 外, 家 の外 に は ぼ と ん ど一 歩 も 外 に 出 な い 人 もい た。 既 婚 婦 人 に は こ の単 調 さ も 馴 れ っ こ に な って い た。 足 手 ま とい に な る ご く 小 さ い 子 ど もが い る 人 は, 忙 し さ で 気 が 紛 れ た。 し か し , ま だ 縁 談 も か か っ て こ な い 若 い 娘 に と って は, 冬 は 救 い の ない 単 調 な 苦 行 だ っ た。 と い っ て も 彼 女 た ち か ら み れ ば , 結 婚 す れ ば ロ マ ン チ ッ ク な 生 活 が 送 れ る と は 必 ず し も思 え な か っ た 。 娘 た ち が 暮 ら し て い る精 力 旺盛 な 社 会 で は, 既 婚 婦 人 は ま るで 牝 牛 の よ う に し ょ っ ち ゅう 妊 娠 す る の が み ら れ た し, 出 産 の つ らさ もよ く わ か っ た 。 し か し た とえ そ う だ とし て も, 結 婚 か, そ れ の は っ きり わか る 見 通 し が な くて は, 将 来 の方 向 が ま る で 検 討 がっ か なか っ た し, お ま け に そ れ以 上 に 悪 い こ と に, 一 人 前 に扱 って も ら え な か っ た。 彼 女 た ち に は 居 場 所 も 地 位 も なか っ た。 ひ とり よ がり の 既 婚 婦 人 や 寡 婦 の い う ま ま, な すが ま ま に 暮 ら す ほか な く, な か に はそ う い う 既 婚 婦 人 や 寡 婦 を ひ ど く恨 んで い る者 も い た。 ( ス タ ー 牛 −, 前 掲m p.28. よ り 引 用。) 文 字資 料 人  物 立   場 主  張  ・  状  況  認  識 コ ッ ト ン ・ メ ー ザ ー イ ェ ール 大 学 設 立 者 で , 牧 師。 種 痘 の 推 進 者。 悪 魔 の 存 在 を 信 じ, 魔 女 狩 り を 奨 励。 ニ ュ ー・ イ ン グ ラ ンド 人 は, かつ て悪 魔 の 領 土 で あ った と こ ろ に住 み着 い た 神 の民 で あ る 。 悪 魔 は, こ れ ら の人 々 が イ エ ス に対 し て な さ れ た約 束 を 達 成 し よ う と し て い る の に気 づ きお お い に困 惑 し て い る で あ ろ う 。 ‥ ・ こ う し て 悪 魔 は怒 り だ し, こ の 貧 し い 植 民 地 を くつ が え そ う と し て あ ら ゆ る 手 段 を こ ころ み た。 ・ ‥ い ま わ れ わ れ はそ う い う 恐 ろ し い 企て を 見 い だ し て い る。 一 軍 の悪 魔 が セ ー ラ ム に瞿 い か か っ て い る 。 セ ー ラ ム の土 地 こ そ, わ が イ ン グ ラ ンド の植 民 地 の 中心 で あ り, い わ ば そ の最 初 の も の な の だ。 レ ベ ッ カ・ ナ ース 71 歳 の 女 性 。 魔女 と 告 発 さ れ , 裁 判 に か け ら れ た ( 工692年 7月 処 刑) 。 魔 女 だ と認 め れば , 死 な ず に 済 む の は 分 か っ て い る 。 し か し私 は 永遠 の父 の 前 で 自 分 は 無 実 だ と言 う こ とが で き ま す。 そ し て 神 様 は 私 の無 実 を 明 ら か に し て く だ さ る で し よう 。 ウ ィ リ ア ム ・ ス タ ウト ン レ ベ ッカ ・ ナ ース 裁 判 の 裁 判 長 。 ハ ー バ ード 大 学 と オ ク ス フ ォ ード 大 学 で 学 ん だ。 ( 陪 審 団 の無 罪 評 決 に対 し) 私 は 陪 審 に 口 を はさ む つ もり は な い。 し か し 自 白 し た 魔 女 の の一 人 デ リ ヴ ァ ラ ンス ・ ホ ッ ブ ズ が , レ ベ ッ カ ・ ナ ー スを 見 て ,「 お や, あ の人 を 連 れ て き た の ? あ の 人 は私 た ち の 仲 間 な の に。 」 と 言 っ た。 陪 審 員 た ち が こ の言 明 の含 む意 味 を 考 慮 し て 無 罪 評 決 を 下 し たか は疑 問 だ。 ト マ ス・ フ ィ ス ク レ ベ ッカ ・ ナ ー ス裁 判 の 陪 審 員 長 。 無 罪 評 決 を 出 し た も の の, 自 分 だ ち よ り 学 識 も経 験 も豊 か な裁 判 長 が, 被 告 を 魔 女 だ と確 信 し て い る よ う な の で, 評 決 を 「 有 罪 」 と変 更 し よ う。 ウ ィ リ ア ム ・ フ ィ ップ ス マ サチ ュ ー セ ッ ツ州 総 督 レ ベ ッ カ・ ナ ー ス の 子 ど も た ち の 主 張 は十 分 納 得 の い く も の だ っ た の で, 死 刑 執 行 延 期 に サ イ ン し た。 し か し, こ の 延 期 に クレ ー ムを つ けて き た人 の 中 に は, 無 視 で きな い マ サ チ ュ ーセ ッ ツ の お 偉方 もい た ので , 死 刑 を 再 度 認 め る し か なか っ た のだ 。 だが , ニ ュ ー ヨ ー ク の 聖 職 者 た ち は , マ サチ ュ ー セ ッ ツ の 魔女 裁 判 に 疑 問 を 呈 し て い る。 ま た, 魔女 裁 判 が 原 因 で , 人 心 は荒 廃 し , 経 済 も 停 滞 し て い る。 こ れ 以 上 の 魔 女 裁 判 は 禁 止 し な け れ ば な ら な い 。 ( ス タ ー牛 −, 前 掲 書 及 び 浜 林 正 夫 , 井 上 正 美 『 魔女 狩 り 』 教 育 社, 1983, を 参 考 に 筆者 作 成。) −68 −

(9)

2。授業展開の論理

高等学校の

世界史の授

業に

おいて

,17

世紀後半

∼工8

世紀前半の北米植

民地をめ

ぐる問題は

,これ

まで植民地戦争を軸と

して展開されてきた

Oしか

し英領植

民地には軍隊は駐留

しておらず

,戦いの

中心となったのは入植者によって組織

され

た民兵

であった

。この意味で英頷植民地の社会構造に関

する認識形成において当地における厂

生活者

」の

り方を無視することはできないと思われ

。ま

た英頷植

民地の特色と

して

,その設立の背景が宗

教的理由であ

,移住

を目的と

した家族単位での

民であった

ことが

,後の先住

民からの

土地の収

奪という問題にもつなが

った

。以上の

ことか

ら,

北米に

おける英領植

民地社会を

,生活者の

立場か

ら理解することが

重要であると考

,本単元を構

した

。事例に選

したの

は,

1692

年にマサ

チュー

セッツ

で発生

した魔女狩

り事件

である

。事例の選

択にあたっては

,本事件が

,当時の北

米植民地の

社会構造

(政治や経済

,社会集団関係)と文化

(宗教的意識や価値観)を反映

した事件であり

民衆の

日常的な行為と社会との関わ

りをよく示

ている

と考えたことがひ

とつの基準となった

。ま

,この

事例が

,社会構造に内在する不平等

,差

別意識など

「 ̄

課題の現在性」を内包

していること

も選択

基準となった

本小単元は

,大き

く三つのパー

トか

ら構成され

ている

。パー

トIは,主要発

問Aに基づき,

「植

民地戦争期に

おける民衆の行為

と社会の

関係

認識

(事実認識)の過程であり

,パー

トHは

主要発問

Bに基づき

「 ̄

魔女狩

りに関与

した

人々の行為に

する評価基準の再構成

(価値認識)の過程と

。そ

してパー

トⅢが主要発問

Cに基づき

「現在

を生きる生活者

としての

自己の行為の

反省的吟味

と再方向づけ

(価値認識)の過程である

トIでは

,まず魔

女狩

りの端緒となった人

物についての意識

・価値観

を究明

し,それ

に基

く行為

を解釈する

。その際

,意識

・価値観

を心情

的に理解できるようロ

プレイ

を用いた。そ

,マサ

ゴーセ

ッツの

民衆が魔女狩

りに対

して

示した複

数の行為を比較する

。学習対象となる行

為者の選択の基準と

り方の立場性と差異性

しては

を考慮

,魔女狩

した。当該社会の

りに対する関

中で弱者の立場に

ありながら

,事件においては

植民地社会の権

力関係

をうまく利用

して自己の立

場を守った人物群

としてティチュ

バとベティら

少女たちを選び

,植民地社会の

しくみ

や規範に

己の

行為

を明確に

一致

させて

いる人物

群と

してメー

とナース

を選んだ

。また

,植

民地社会の権

関係と自己の意志との間で行為に迷い

,葛藤が現

いる

人物群

してス

タウ

トン

フィス

フィッ

プス

を選んだ

。そ

して17

世紀末のニュー

イングラ

ド植

民地

,なかでもマサチュー

セッツの置かれ

ていた政治的

・経済的

・社会的状況の探求

を通

,これ

らの行為が

生み

出された条件を,社会構

・文化との連関において把握する。以上

をふま

えた上で

,当時のマサチューセ

ッツの

人々の

生活

行為

(疑問を感

じながらも

,社会的評価の高い人

を信用

して

しまった

こと)が

,結果と

して魔女

りを激化させて

しまった

ことの問題性

を認識す

展開となって

いる。

トnでは,現在セー

ラム事件に対

してな

ている相反する

二つの評価を紹介

し,魔女狩

に関わ

った人々の行為に対する評価とその基準

形成する

。そ

して他者の意見を聞

くことで,自己

の評価

を再構成す

ることを目指

した

。この事件に

ついての

評価は

,オー

プンエン

ドとする。

以上の

学習

を踏ま

えパ

トⅢでは

,魔女狩

りを

容認

して

しまったマサチュ

ーセッツ植

民地の

民衆

,当時の行為や意識のお

り様

と同

じ論理で説明

できる現在の我々の行為や意識の

り方をめ

ぐる

問題

を取

り上げる

。そ

して,それ

らの問題の解決

を指向しての社会の見方

・考

え方を,生徒

同士の

討論を通

じて探っていくという展開をとる

。5-1

の学習では

,例

えば,

2001

年7月の参議院議員選

挙にみ

られ

「 ̄

構造改革」をめ

ぐる政策議論抜

きの

,ややもすると政治家の個人的人気に促され

た国民の政治的態度決定の在

り方や

,最近の

各種

占いや新興宗教の流行

とその無批判な受容

をめ

る問題な

どを取

り上げることができよう

。前者は

政治問題

,後者は社会生活問題で,問題の位相は

異なるが

,政治混乱や経済不況のなか

,日本の既

存の社会システムや

平等主義

・集

団主義といった

日本的価値観が揺らいでいる状況下で

を主張す

る言説や態度に対する批判力が

,一元的価

失われ

−69−

参照

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