博 士 ( 医 学 ) 渡 部 由 美 子
学 位 論 文 題 名
痴 呆 患 者 に 対 す る 脳 活 性 化 訓 練 の 長 期 的 効 果 と 予 後
学 位 論 文 内 容 の 要 旨
人口の 高齢化が進 むにっれ ,老年期 痴呆は21世 紀最大の保健問題のひとっとなることは 明らか である.本 研究の目 的は,老 年期痴呆 のなかで も全く発症機序の異なるアルツハイ マ ー型 老 年期 痴 呆 (senile dementia of the Alzheimertype,SDAT) と多発梗 塞性痴呆 とBinswanger病を 合わせた脳 血管性痴 呆(vascular dementia,VD) の患者そ れそれに対 して, 早期介入と して,「 脳活性化 訓練デイ ケア」( 脳活介入)を行うことにより,日常 生活動 作(ADL)と知 的機能に 対して, その増悪 を阻止, 緩和ある いは改善が 期待できる かどう か,生命予 後を好転 させるか ,さらに 効果があ るとすれば,その要因は何かを検討 するこ とである.
対象は 愛全病院の 「脳活性 化外来」 を受診し た患者の うち,SDAT135名およびVD213名の 計348名 で ある . 脳 活介 入を 行った群 (介入群 )と,行 わなかっ た群(非 介入群)の2群 に 分け , 介入 群 に つい て はSDATとVDの別 に介入効 果を比ぺ るため,ADL評価にはBarthel Index(BI), 知的機能に はN式老年 者精神状 態尺度(NMスケール)を用いて,介入前後の 2回,調 査・評価を 行った. この評価 はWilcoxonの符号 付き順位 和検定と 条件付き二 項検 定でそ の変化を検 定した. 多変量ロ ジスティ ック解析 により,8要因(危険 要因,投 薬,
発症年 齢,自主的 リハピリ テ―ショ ン,家族 のサポ― ト,性,痴呆の重症度,デイケア脳 活介入 )の中から 効果の要 因をスク リーニン グした. さらにKaplan−Meier生命表法でこ の8項目 ご と に疾 病 別 の生 命曲線の 検定し, さらにCoxの 比例ハザ ード法に より,痴呆 の 生命予 後に影響し た要因の 多変量解 析をおこ をった.
これら4っの解析の 結果,重 症あるい は介入を 行わなか った痴呆 患者よりも ,介入を行 うこと がADL,知的機 能ヘ効果 を示し, 痴呆の悪 化を阻止あるいは遅らせ,また患者のQOL を高め ることが統 計的に検 証された .とりわ けVDではBIとNMスケールの多項目に介入効果 がみら れ,明らか な生命延 長も認め られた.
多変量 ロジステイ ック解析 では,「 介入」「 家族のサ ポート」 があること がADL,知的 機能ヘ 効果を示し た.またADLで有意と なった要 因「介入 」「家族 のサポート 」「自主的 リハピ リテーショ ン」3要因 すぺてが 存在した 場合の複 合オッズ 比は36倍で,NMスケール で有意 とをった3要 因「介入 」「家族 のサポー ト」「VD」 の複合オ ッズ比は約18倍と推定 された .
Coxの比例 ハザード法 による痴 呆の生命 予後に影 響した要 因として 「介入」「 年齢78歳 未満」 「軽症の痴 呆」そし て「VD」が 検出され これらの 要因が予後に好影響を与えること が認め られた.
SDATとVDを比 較すると,SDATでは痴呆 の中核症 状への効果は薄く,周辺症状を軽快,改 善させ るにすぎな いが,VDで は同辺症 状ばかり では詮く ,中核症 状へも効果 を示し,QOL を高め ながら生命 予後を改 善するこ と,すな わち介入 が痴呆の進行予防ならぴ生命延長に 効果が あることを 示唆した .
多変量 解析を用い たことで ,多数の 予後要因 を同時に 考慮して各因子独自の関連性の強 さを推 定すること が可能と をり,統 計学的に も本研究 の結果としての脳活性化訓練デイケ アは有 効性が高い と思われ た.
以 上 か ら 脳 活 性 化 調 練 は , 痴 呆 の 増 悪 阻 止 に 有 効 と 考 察 し た .
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学位 論文審査の要旨 主査 教授 近藤喜代太郎 副 査 教 授 田 代 邦 雄 副 査 教 授 小 山 司
学 位 論 文 題 名
痴呆患 者に対す る脳活 性化訓練 の長期的効果と予後
人 口 の 高 齢 化 が 進 む に っ れ , 老 年 期 痴 呆 は21世 紀 最 大 の 保 健 問 題 の ひ と っ と な る こ と は 明 ら か で あ る . 本 研 究 の 目 的 は , 老 年 期 痴 呆 の な か で も 全 く 発 症 機 序 の 異 な る ア ル ツ ハ イ マ 一 型 老 年 性 痴 呆 (senile dementia of the Alzheimer type,SDAT) と 多 発 梗 塞 性 痴 呆 とBinswanger病 を 中 心 と し た 脳 血 管 性 痴 呆 (vascular dementia,VD) の 患 者 そ れ そ れ に 対 し て , 早 期 発 見 ・ 治 療 の 第2次 予 防 と し て , 「 脳 活 性 化 訶 練 デ イ ケ ア 」 ( 脳 活 介 入 ) を 行 う こ と に よ り , 日 常 生 活 動 作 (ADL) と 知 的 機 能 に 対 し て , そ の 増 悪 を 阻 止 , 緩 和 あ る い は改 善が 期待 でき るか ,効 果に 影 讐を 及ば す要 因は 何か ,ま た生 命. 予後 を好 転さ せる か , さらに延命させる 要因は何かを検討することである・
対 象 は 愛 全 病 院 の 「 脳 活 性 化 外 来 」 を 受 診 し た 患 者 の うち ,SDAT135名お よぴVD213名 の 計 348名 で あ る . 脳 活 介 入 を 行 っ た 群 ( 介 入 群 ) と , 行 え な か っ た 群 ( 非 介 入 群 ) の2群 に 分 け , 介 入 群 に つ い て はSDATとVDの 別 に 介 入 効 果 を 比 較 す る た め ,ADL評 価 に はBarthel Index(BI) , 知 的 機 能 に はN式 老 年 者 精 神 状 態 尺 度 (NMス ケ ー ル ) を 用 い て , 介 入 前 後 の 2回 , 調 査 ・ 評 価 を 行 っ た . ` こ の 評 価 はWilcoxonの 符 号 付 き 順 位 和 検 定 と 条 件 付 き二 項 検 定 で そ の 変 化 を 検 定 し た . 多 変 量 ロ ジ ス テ イ ッ ク 解 析 に よ り ,9要 因 ( 脳 活 介 入 , 痴 呆 重 症 度 , 発 症 年 齢 , 性 別 , 危 険 要 因 , 投 薬 , 自 主 的 リ ハ ピ リ テ ― シ ョ ン , 家 族 の サ ポ ー ト ) の 中 か ら 効 果 に 影 響 を 及 ほ し た 要 因 を ス ク リ ー ニ ン グ し た .Kaplan−Meier生 命 表 法 で こ の8項 目 ご と に 疾 病 別 の 生 存 曲 線 の 算 出 と そ の 検 定 を し , さ ら にCoxの 比 例 ハ ザ ー ド 法 に より,痴呆の生命 予後に影響した要因の多変量解析を行なった.
介 入 群 に つ い てSDATとVDを 比 較 す る と ,SDATで は 痴 呆 の 中 核 症 状 へ の 効 果 は 薄 く , 周 辺 症 状 を 軽 快 , 改 善 さ せ る に す ぎ な い が ,VDで は 周 辺 症 状 ば か り で は な く , 中 核 症 状 へ も 効 果 を 示 し た . 次 にADLと 知 的 機 能 へ 効 果 を 及 ば し た 要 因 の 検 出 を 行 な う た め , 多 変 量 ロ ジ ス テ イ ッ ク 解 析 を お こ な っ た . そ の 結 果 , 「 介 入 」 「 家 族 の サ ポ ー ト 」 が あ る こ と がADL, 知 的 機 能 両 者 へ 効 果 を 示 し た . ま たADLで 有 意 と な っ た 要 因 「 介 入 」 「 家 族 の サ ポ ー ト 」
「 自 主 的 リ ハ ピ リ テ ー シ ョ ン 」3要 因 す ぺ て が 存 在 し た 場 合 の 複 合 オ ッ ズ 比 は36倍 で ,NM ス ケ ー ル で 有 意 と を っ た3要 因 「 介 入 」 「 家 族 の サ ポ ー ト 」 「VD」 の 複 合 オ ヅ ズ 比 は 約18 倍と推定された.
8要 因 ご と に , 生 存 曲 線 を 推 定 し そ の 検 定 の 結 果 ,SDATで は 「 痴 呆 重 症 度 」 の み で,VDで は,「介入」「痴 呆重症度」「年齢」「自主的リハピリテーション」「家族のサポ―ト」で有意とな っ た . 次 に ,Coxの 比 例 ハ ザ ー ド 法 に よ る 痴 呆 の 生 命 予 後 に 影 響 し た 要 因 を 検 定 し た結 果 , SDATで は, 「痴 呆重 症度 」「 性」 で ,VDでは 「介 入」 「年 齢78歳未 満」 「軽 症の 痴呆 」が ス ク リ ― ニ ン グ さ れ こ れ ら の 要 因 が 予 後 に 好 影 響 を 与 え る こ と が 示 唆 さ れ た . こ れ ら4つ の 解 析 の 結 果 , 重 症 あ る い は 介 入 を 行 わ な か っ た 痴 呆 患 者 よ り も , 早 期 軽 症 の 状 態 で 「 介 入 」 を 行 う こ と がADL, 知 的 機 能 ヘ 効 果 を 示 し , 痴 呆 の 悪 化 を 阻 止 あ るい は 遅
ら せ こ と が 統 計 的 に 検証 さ れ た. 介 を わ ち 介 入 が 痴 呆 の 進行 予 防 をら び 本 研 究 は , 老 年 期痴 呆 対 策の ひ と 的 機 能 , 生 命 予 後 へ の効 果 の 程度 , 究 の よ う な 分 析 は , 世界 的 に も例 が
・ 実 用 的 価 値 は き わ め て 大 き い ・ 審 査 員 一 同 は , これ ら の 成果 を 高 学 院 課 程 に お け る 研 鑚や 取 得 単位 な 分 を 資 格 を 有 す る も のと 判 定 した .
入 は ,QOLを 高 め な が ら 生 命 予 後 を 改 善 す る こ と , す 生 命 延 長 に 効 果 が あ る こ と を 示 唆 し た . つ の 中 心 と な る デ イ ケ ア を 実 践 し , 疾 患 別 にADL, 知 効 果 に 影 響 す る 要 因 を 明 ら か にし た も の であ る . 本研 少 な く , 重 要 な 新 知 見 を 多 く 含ん で お り ,そ の 学 問的
く評 価し
ども 併せ ,大
に充
りの ある でけ 心受 熱を つ位 か学 実の 誠) て学 し医 と( 者士 究博 研が た者 ま請
,申