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案件概要表 1. 案件名国名 : コートジボワール国案件名 : 和名妊産婦 新生児継続ケア改善プロジェクト英名 Project for Improving Continuum of Care for Mothers and Newborns 仏名 Projet d Amélioration du C

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案件概要表

1.案件名 国 名: コートジボワール国

案件名: 和名 妊産婦・新生児継続ケア改善プロジェクト

英名 Project for Improving Continuum of Care for Mothers and Newborns

仏 名 Projet d’Amélioration du Continuum des Soins de Santé Maternelle et Néonatale 2.事業の背景と必要性 (1)当該国における保健セクターの開発実績(現状)と課題 コートジボワール共和国(以下、コートジボワール)では内戦の影響により、母子保健指 標は、2015 年の妊産婦死亡率(出生十万対)645(サブサハラ平均 542)、新生児死亡率(出 生千対)38(サブサハラ平均 28)と低水準である(WHO、2016 年)。この状況に対し、コ ートジボワール政府は「国家保健開発計画2016-2020」において、母子保健の改善を戦略軸 の一つに掲げ、保健ピラミッド各層のマネジメント強化、医療施設の建設・改修・整備、妊 産婦への統合的サービスの提供等を目指している。また、ユニバーサル・ヘルス・カバレッ ジ(UHC)に向けた「国家保健財政戦略」(2015 年)が策定されており、これらは、コート ジボワール政府も採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」にも即している。 母子保健指標の改善のためには、科学的根拠に基づいた妊産婦・新生児の継続ケアを確立 することが緊急の課題であり、そのためには、コミュニティから保健ピラミッド各層の医療 施設までの適切な機能分担と連携システムが有機的な連携を実現する広義のリファラル体制 の強化が課題となっている。すなわち、利用者(住民)に最も近いコミュニティから一次、 二次、三次医療施設がそれぞれの役割を有機的に果たしていくための包括的な能力強化が必 要とされている。 (2)当該国における保健セクターの開発政策と本事業の位置づけ コートジボワール政府は、「第二次国家開発計画(PND II 2016-2020)」の中で、「人的資本 及び社会福祉の発展の加速化」を戦略軸におき、国民の健康状態の改善(質の高い保健医療 サービスの利用頻度の向上、女性・子供の栄養状態の改善)や、脆弱層による社会保障の享 受(国民皆保険CMU の実施)を掲げている。また、これに即した「国家保健開発計画(PNDS 2016-2020)」や UHC に向けた「国家保健財政戦略」(2015 年)が策定されている。これら は、コートジボワール政府も採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」にも即している。 本事業は、低水準となっている妊産婦死亡率、新生児死亡率など母子保健改善のための医 療の質や医療体制の改善に取り組み、コートジボワール政府も戦略軸として掲げている「母 子保健の改善」に資するものである。

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(3)保健セクターに対する我が国及び JICA の援助方針と実績 我が国は「国際保健外交戦略」(2013 年 5 月)や「平和と健康のための基本方針」(2015 年 9 月)において、UHC 達成に向けた協力強化を表明している。対コートジボワール共和国 国別開発協力方針(2018 年 3 月)では、保健分野の改善支援を含む「安全で安定した社会の 維持」を重点分野に位置付けている他、対コートジボワール共和国 JICA 国別分析ペーパー (2016 年 3 月)でも基礎的社会サービスの提供機能の回復への支援を重視している。本事業 はこれら国際公約や我が国の援助方針・分析に合致する。また、無償資金協力「ココディ大学 病院センター拡充計画」(1994-1995 年)において当該施設の改修及び機材整備を支援した。 2017 年 4 月、JICA とコートジボワール関係省庁において保健セクターの協力プログラム について方向性・枠組みが合意された。同プログラム「女性・子ども・貧困層に向けたユニバ ーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)推進プログラム」は、妊産婦・新生児の継続ケア確立を 中心的課題としながら、コミュニティ及び一次から三次医療施設までのリファラル体制の強化、 全てのレベルにおける保健サービス提供体制強化や利用促進を図るとともに、利用者に過度な 負担をかけずに必要な医療サービスが提供できる医療保障制度の効果的・効率的な運営を支援 し、UHC の促進を目指すものである。 (4)他の援助機関の対応 ドナー協調は重視されており、WHO を議長とする月例調整会議に加えてサブセクター調 整会議も組織されている。母子保健サブセクター会議は国際連合人口基金(UNFPA)、国際連 合児童基金(UNICEF)、WHO、世界銀行、AFD、JICA 等で構成。国連機関は保健省に対して 母子保健関連の政策策定及び研修実施を支援している。 世界銀行はココディ大学病院のリファラル対象医療圏で二次医療施設全4 か所及び一次医 療施設 51 か所を対象に調査を実施し、その結果に基づき施設改修の支援を予定している。ア ビジャン内では10 か所の一次施設の整備を予定。(内、ココディ大学病院の対象医療圏5 か所) AFD は母子保健を中心とした保健システム強化を推進しており、トレシュヴィル及びヨプ ゴン大学病院のリファラル対象医療圏で計2 か所の二次医療施設整備を支援中。さらにアビジ ャン内で5 か所の二次医療施設整備、バンジャビル精神病院の整備を予定。 首相府官民連携公共事業により、二次医療施設8 か所(内、アビジャン内 5 か所)の整備 を実施している。 WHO は、今般刊行された「ポジティブな出産経験のための出産ケアガイドライン」に沿 った人材育成・能力強化を開始している。 今後、より具体的な連携を図っていくことで本案件の成果の面的展開が期待される。

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3.事業概要 (1)事業目的 本事業は大アビジャン圏の中でも貧困世帯が多いアボボ東・西両保健区において、コミュニテ ィ、保健センター、地区総合病院における継続ケアモデルの導入・実践に伴いケアの改善を図る ことにより、無償資金協力を実施しているココディ大学病院母子保健棟(アボボ東・西両保健区 住民の利用が多い)の整備と合わせ、総合的に母子保健サービスを強化し、もって同地区の母子 の健康改善に寄与するものである。 (2)プロジェクトサイト/対象地域名 大アビジャン圏内のアボボ東保健区、アボボ西保健区 (3)本事業の受益者(ターゲットグループ) アボボ保健区の妊娠期から分娩期、産褥期の女性と新生児(約320,000 人) (4)総事業費(日本側) 約6 億円 (5)事業実施期間 2019 年 7 月~2024 年 7 月を予定(計 5 カ年) (6)事業実施体制 保健公衆衛生省:保健総局 (DGS), 看護・助産ケア局(DSIM), 国家母子保健プログラム (PNSME)、国立保健人材養成所(INFAS), ココディ大学病院、アビジャン第2州保健局、 アボボ東保健区、アボボ西保健区 (7)投入(インプット) 1)日本側 ① 専門家派遣(合計約 170M/M): 長期:総括/母子保健、地域保健、業務調整 短期:5S-KAIZEN-TQM、プロジェクト評価等 ② 機材供与:正常分娩や基礎的緊急産科・新生児ケア等継続ケアの実施に必要な機材 ③ 研修実施:研修教材の作成、地域保健活動にかかる IEC 素材の作成等 ④ その他:プロジェクト広報にかかる経費等 2)コートジボワール国側 ① JICA 専門家のプロジェクト事務所の設置 ② 機材の維持管理費用 ③ 医薬品・消耗品の供給 ④ コートジボワール側カウンターパートの交通費・宿泊費・日当等 (8)環境社会配慮・貧困削減・社会開発 1)環境に対する影響/用地取得・住民移転 ① カカテゴリ分類:C ② カテゴリ分類の根拠:本事業は、「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン(2010 年 4

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月)」上、環境への望ましくない影響はほとんどないと判断されるため。 ③ 環境許認可 ④ 汚染対策 ⑤ 自然環境面 ⑥ 社会環境面 ⑦ その他・モニタリング 2)ジェンダー平等推進/平和構築・貧困削減 本プロジェクトの対象地域は、長年の内戦と2010 年の大統領選挙後の混乱により、住民間 の関係が大きな影響を受けたアビジャン(特にアボボコミューン)である。本事業により妊産婦・ 新生児ケアを実施し、医療サービスの向上を図ることで、住民からの行政への信頼を回復させる ことは、紛争後の平和構築への寄与という観点からも重要と言える。なお、継続ケアモデルの実 践に際しては、透明性や公平性、包摂性に配慮する。 本事業では、科学的根拠に基づいた妊産婦・新生児ケアの実施だけでなく、そのケアの受益者 である女性の声を反映することでケアの質改善を図ることから、女性の尊厳の回復、女性のエン パワーメントに配慮する。 3)その他 (9)関連する援助活動 1)我が国の援助活動 ・ 協力準備調査(無償資金協力)「大アビジャン圏母子保健サービス改善のためのココディ 大学病院整備計画」(2017 年度~2018 年度) ・ 技術協力個別案件(専門家)「保健プログラムアドバイザー」(2018 年度~2020 年度) ・ 技術協力プロジェクト「大アビジャン圏社会的統合促進のためのコミュニティ支援プロ ジェクト(COSAY)フェーズ2」(2017 年度~2021 年度):重点分野「安全で安定した社会の 維持」の一環として、2010 年大統領選挙後危機の多大な影響を受けたアボボコミューン及びヨ プゴンコミューンを対象に、基礎的社会サービスの提供機能の回復や行政・住民間の信頼構築を 支援。 2)他ドナー等の援助活動 上記2.(4)の通り。 4.協力の枠組み (1)協力概要 1)上位目標と指標 プロジェクトが支援する保健施設の管轄地域における妊産婦・新生児死亡が減少する。 (指標及び目標値) 2029 年までにアボボ東およびアボボ西保健区における妊産婦・新生児死亡が減少する。 (注:上記指標及び目標値はプロジェクト開始後にベースライン調査の結果や関係者と

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の協議を元に最終決定する) 2)プロジェクト目標と指標 プロジェクトが支援する保健施設において、妊産婦・新生児継続ケアの質が向上し、サー ビスが利用される (指標及び目標値) 1)妊産婦・新生児継続ケアモデルが導入された対象施設における分娩数が増加する。 2)妊産婦・新生児継続ケアモデルが導入された施設の数と割合が増加する。 (注:上記指標及び目標値はプロジェクト開始後にベースライン調査の結果や関係者と の協議を元に最終決定する) 3)成果 成果1:妊産婦・新生児継続ケアモデルが策定される 成果2:妊産婦・新生児継続ケアモデルが、プロジェクトが支援する保健施設において実践 される 成果3:妊産婦・新生児継続ケアモデルの概念が、看護師・助産師の初期教育モジュールに 組み込まれる 5.前提条件・外部条件 (1)前提条件 対象施設の周辺環境が維持される。 対象施設の医療人材が頻繁に異動しない。 無料医療制度により供給される出産・新生児ケアに対する還付がタイムリーに実施される。 緊急搬送システムが機能する。 医薬品・消耗品・血液製剤が対象施設にタイムリーに供給される (2)外部条件(リスクコントロール) 医療施設の利用者が無料医療制度に反して利用料を請求されない。 6.評価結果 本事業は、コートジボワール共和国の開発政策、開発ニーズ、日本の援助政策と十分に合致し ており、また計画の適切性が認められることから、実施の意義は高い。 7.過去の類似案件の教訓と本事業への活用 (1)類似案件の評価結果 セネガル国「タンバクンダ州及びケドゥグ州母子保健サービス改善プロジェクト」においては、 妊産婦・新生児ケアに係るコンセプト及び PRESSMN モデルを構築した。全国普及・拡大は、 PRESSMN モデルに関する共通認識を関係者間で醸成することに多くの時間が割かれたものの、 最終的には同モデルを実施するための詳細を記したマニュアル等の成果文書が保健省によって

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承認されたことで、モデルは確立された。多様な関係者がかかわったことから、妊産婦・新生児 ケアに係るコンセプト及びPRESSMN モデル構築に時間を要したものの、これらの関係者を巻 き込むことにより、結果的にはPRESSMN モデルの全国普及・拡大への道筋が開かれることと なった。 (2)本事業への教訓 住民の意識向上やコミュニティの体制強化が目指すところは、住民による行政や医療従事者の 責任の肩代わりではなく、母子保健サービスに対する適正な需要の喚起と現実を踏まえた持続性 ある母子保健サービスの普及であるので、行政・医療機関の責任部署を巻き込む工夫が重要であ る。 特に、モデル型の案件では、行政を深く巻き込むことにより地域活動の制度化や全国展開まで 視野に入れることが望まれる。その際、行政と住民との接点を考えれば、地方レベルでは保健行政 に限らず広い視点で行政府の参画を得るべき場合が多い。早期からこれら関係者を巻き込むこと により、オーナシップの醸成、定着・普及・拡大への足掛かりとなる。 8.今後の評価計画 (1)今後の評価に用いる主な指標 4.(1)のとおり。 (2)今後の評価計画 事業開始○か月 ベースライン調査 事業終了3年度 事後評価 (3)実施中モニタリング計画 事業開始 ○か月/年 ●●時JCC における相手国実施機関との合同レビュー 事業終了 ○か月前 終了前JCC における相手国実施機関との合同レビュー 9.広報計画 (1)当該案件の広報上の特徴 1)相手国にとっての特徴 2)日本にとっての特徴 (2)広報計画

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案件概要表 個別案件(専門家) 2020 年 8 月 5 日 現在 主管区分:本部主管案件 人間開発部 案件名 (和) 保健プログラムアドバイザー (英) Program Advisor 対象国名 コートジボワール 分野課題1 保健医療-その他保健医療 分野課題2 分野課題3 分野分類 保健・医療-保健・医療-保健・医療 プログラム名 行政の信頼回復プログラム 援助重点課題 安全で安定した社会の維持 開発課題 行政の信頼回復 プロジェクトサイト 署名日(実施合意) (*) 協力期間 (*) 2018 年 10 月 3 日 ~ 2021 年 3 月 31 日 相手国機関名 (*) (和) 保健・公衆衛生省

(英) Ministry of Health and Public Hygiene

プロジェクト概要 ・背景 コートジボワール共和国では内戦の影響により、2015 年の妊産婦死亡率 (出生十万対)が645(サブサハラ平均 542)、新生児死亡率(出生千対) が38(サブサハラ平均 28)と、母子保健指標が低水準となっている(以 上WHO、2016 年)。この状況に対し、当該国政府は「国家保健開発計画 2016-2020」において「母子保健の改善」を戦略軸の一つに掲げ、保健ピ ラミッド各層のマネジメント強化、医療施設の建設・改修・機材確保、妊 産婦への統合的サービスの提供等を目指している。母子保健指標の改善の ためには、妊産婦・新生児の継続ケアを確立することが緊急の課題であり、 コミュニティから保健ピラミッド各層の医療施設までの適切な機能分担 と連携システムが有機的に成り立つという意味での広義のリファラル体 制の強化が不可欠である。すなわち、利用者(住民)に最も近いコミュニ

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ティから一次、二次、三次医療施設がそれぞれの役割を有機的に果たして いくための包括的な能力強化が必要とされている。 2017 年 4 月、JICA とコートジボワール関係省庁において保健セクターの 協力プログラムについて方向性・枠組みが合意された。同プログラム「女 性・子ども・貧困層に向けたユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)推進 プログラム」は、母子保健改善のため妊産婦・新生児に対する継続ケアの 確立と、一次から三次医療施設までのリファラル体制の強化を図るととも に、利用者に過度な負担をかけずに必要な医療サービスが提供できる医療 保障制度の効果的・効率的な運営を支援し、UHC の促進を目指すもので ある。 また、同プログラムの下実施する無償資金協力事業「大アビジャン圏母子 保健サービス改善のためのココディ大学病院整備計画」の計画段階から、 本アドバイザーが関与し、保健・公衆衛生省等と継続ケアにかかる現状分 析、改善方針を議論し、同施設の整備計画に政府改善方針を反映させる等 の取組みも必要とされている。 係る状況から本プログラム推進のため、プログラム全体を統括するプロ グラムアドバイザーが要請された。 ・上位目標 UHC 推進に向けて、保健・公衆衛生省における本プログラムの関連部局 の行政能力が強化される ・プロジェクト目標 保健プログラムアドバイザーの派遣を通じて「女性・子ども・貧困層に向 けたUHC 推進プログラム」の推進を図るものである。 当該プログラムの一環として実施される諸案件を俯瞰的に調整し、プログ ラムとしてのインパクトの発現を促進し、①同プログラムの下実施する複 数の支援の総括及び政策等への提言、活動計画の実施にかかる助言、②同 国における妊産婦・新生児に係る継続ケアの現状分析、改善方針策定にか かる助言、③医療機関間のリファラル体制強化にかかる現状分析、強化方 針策定にかかる助言などを行うことで、コートジボワールにおける UHC の推進を図るため本保健プログラムアドバイザーの派遣をおこなうもの。 ・成果 1.コートジボワール保健・公衆衛生省本省の政策・調整能力が強化され る。

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2.コートジボワールにおいて日本のプログラム「女性・子ども・貧困層 に向けたUHC 推進プログラム」が円滑に実施される。 3.コミュニティから一次、二次、三次医療施設における、母子保健に関 するリファラル・カウンターリファラル体制の改善に向けた方策が特定さ れる。 4.妊産婦・新生児に係る継続ケアの改善に向け、現状分析、方針が策定 される。 5.日本の協力が他の開発パートナーとの協調のもと実施される。 ・活動 1. 日本のプロジェクトの経験を踏まえ、保健・公衆衛生省が策定する政 策・戦略に対して助言を行う。 2. 保健・公衆衛生省各部局、関係地方局、関連する他省庁、開発パート ナー等との情報交換・意見交換を行い、UHC 推進に向けて、関連部局間の 横断的連携、保健・公衆衛生省本省と対象地域及び郡レベルの行政機関の 垂直的連携、保健・公衆衛生省と関連他省庁との連携の推進を支援する。 3. 日本のプログラムをより効果的に調整・実施すべく、助言を行う。 4. プログラム対象地域における妊産婦・新生児継続ケア改善プロジェク トの策定に向けて助言を行う。 5. 妊産婦・新生児の継続ケアの確立に必要な要素(リファラル体制、保 健センターにおけるコミュニティの役割、患者受療行動等)について、保 健・公衆衛生省関連部局による現状調査実施を支援する。 6. 一次・二次・三次医療施設のそれぞれにおいて妊産婦・新生児ケアの 実践について、保健関連部局による現状調査実施を支援する。 ・投入 ・日本側投入 日本人専門家 ・相手国側投入 ・カウンターパートの配置 ・専門家執務室およびその維持管理に必要な経費 ・免税措置 ・外部条件 治安情勢が悪化しない

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実施体制 ・現地実施体制 主たるカウンターパート:保健・公衆衛生省官房、看護・助産ケア局 ・国内支援体制 (*) 関連する援助活動 ・我が国の援助活動 ・他ドナーの援助活動 (*) 該当する場合のみ記載

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案件概要表 国際協力機構 社会基盤・平和構築部 平和構築・復興支援室 1.案件名 国 名: コートジボワール国 案件名: 和)中部・北部紛争影響地域の公共サービス改善のための人材育成プロジェ クト フェーズ 2

英)The Project on Human Resource Development for Strengthening Local Administration in Central and Northern Areas of Côte d'Ivoire (PCN-CI) Phase 2

仏)Le projet de développement des ressources humaines pour le

renforcement de l’administration locale dans les zones Centre et Nord de la Côte d'Ivoire (PCN-CI) Phase 2

2.事業の背景と必要性 (1)当該国における中部・北部地域の地方行政に関する開発実績(現状)と課 題 コートジボワール国では 1999 年の軍事クーデターに発端する内戦及び政治 的混乱により、2011 年の現ワタラ政権誕生までの間、10 年弱にわたり国土が事 実上南北に分断され、反政府勢力が実効支配した北部では公共サービスが実質 的に提供されなかった。その結果、コートジボワールの構造的問題であった南 北格差が拡大した。首都中心の開発及びそれに起因する地域間格差や住民の不 満は、過去に起きた内戦の直接の要因ではないものの、情勢の不安定化の要因 となり得るため、地方における行公共サービス提供能力の改善は国の安定のた めの重要課題である。 JICA はコートジボワール政府の要請により、2013 年 11 月から「中部・北部 紛争影響地域の公共サービス改善のための人材育成プロジェクト」(以下「フ ェーズ1」(2013 年 11 月~2017 年 4 月)を実施した。同プロジェクトでは、第 二の都市であり、内戦中に反政府軍の拠点となったブアケが位置するベケ州の 地方自治体を対象としたパイロットプロジェクトの実施をとおし、住民のニー ズや客観的根拠に基づく地域開発事業の計画策定、行政機関間の協働・調整メ カニズム、行政と住民の協働メカニズムを含む地方自治体による公共サービス

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提供のための「モデル1(以下「モデル」という)が構築された。しかし、「モ デル」に基づいた公共サービスの提供が持続的になされるためには、中央レベ ル・地方レベルの双方におけるさらなる能力強化と制度構築が必要であること から、フェーズ1の成果の定着及び他地域への展開のために本事業を実施する。 (2)当該国における中部・北部地域の地方行政の開発政策と本事業の位置づけ ワタラ政権は、第一期国家開発計画(2012 年-2015 年)、第二期国家開発計画 (2016 年-2020 年)において、「国家機構の質及びガバナンスの向上」を主要戦 略軸に掲げ、地域格差の縮小及び地方行政の改善に注力している。公共サービ ス提供能力向上の仕組みの定着・構築をとおし、より良い公共サービスの提供 を図る本事業を中部・北部地域で実施することは、地方行政の改善、ひいては 地域間格差の縮小に貢献することが期待され、コートジボワール政府の政策と 整合する。 (3)平和構築セクター/コートジボワール中部・北部を中心とする紛争影響地域 に対する我が国及びJICA の援助方針と実績 我が国は TICAD Ⅴの主な支援策として、「平和と安定、民主主義、グッドガバ ナンスの定着」を掲げ、TICAD Ⅵにおいても「繁栄の共有のための社会安定化 促進」の柱の下、中央・地方政府当局の能力向上を支援する旨表明している。 また、対コートジボワール国別開発協力方針(2014 年 4 月)は、同国の持続的 な経済成長の前提となる、「安全で安定した社会の回復」を重点分野に掲げ、国 家に対する国民の信頼回復や行政機能改善を支援することとしている。 本事業は、紛争影響地域である中部・北部地域を中心にフェーズ1で構築し た公共サービス提供の仕組みをベケ州にて定着させ、さらに他地域へ展開させ ることで、より広範囲での地方行政の改善とそれを通した住民の行政に対する 信頼構築を目指しており、国別開発協力方針の重点分野に基づき実施している 「行政の信頼回復プログラム」に位置づけられ、また、重点分野に含まれる「国 家の統治機能回復プログラム」(国家警察能力強化、刑事司法支援等)との相乗 効果も見込まれる (4)他の援助機関の対応 ・フランス援助庁(AFD):地方行政官養成学校設置を計画しているが 2018 年 9 月現在未着手。 1 「モデル」とは、地方自治体の基礎公共サービス(給水・教育施設セクター)を計画、実施、モニタリ ングするための一連の仕組みであり、1)関連行政機関間の各々の役割と責務に基づいた協働・調整メカニ ズム、2) 給水・教育施設の把握及び住民のニーズ特定のためのデータベース及びセクター開発計画、3) 行 政と住民の協働メカニズムという3 つの原則に沿うものである。

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・フランス Expertise France:内務・治安省分権化・地方開発総局にフラ ンス人の技術顧問を配置(2012 年~2017 年)。 ・EU:地方給水に関するプロジェクト(PHAM)を西部トンピ州、ゲモン州、 カヴァリ州と、中部マラウェ州、オー・ササンドラ州で実施中(~2018 年 8 月終了)。レベル2の給水塔を設置する案件だが、維持管理体制の構 築支援はほとんど活動に含まれていないことから、PCN-CI の C/P である 経済インフラ省及び国家給水委員会は PCN-CI で学んだ手法を活用してお り、現場レベルでの相乗効果がみられる。 3.事業概要 (1)事業目的(協力プログラムにおける位置づけを含む) 本事業は、コートジボワールのベケ州、オー・ササンドラ州において、公平 性、透明性に配慮した公共サービス提供の「モデル」を改善、定着させると ともに、行政官の能力向上を図り、もって改善された公共サービスの提供が 可能となり、将来的に住民の行政に対する信頼醸成に寄与する。 (2)プロジェクトサイト/対象地域名 ベケ州とオー・ササンドラ州 (3)本事業の受益者(ターゲットグループ): ベケ州、オー・ササンドラ州の州自治体・各コミューンの自治体の技術課職員、 社会文化課職員、開発計画課職員2、Secretary General ベケ州、オー・ササンドラ州の技術官庁地方出先機関(地方水利局職員、地方 教育局、視学官事務所)職員 パイロット事業実施対象自治体の住民 (4)事業スケジュール(協力期間): 49 か月間(2019 年 2 月~2023 年 2 月)を予定 (5)総事業費(日本側):約 6.94 億円 (6)相手国側実施機関 実施機関:内務・治安省分権化・地方開発総局 協力機関:州知事事務所、地方自治体(州自治体、コミューン)、中央 の技術官庁(経済インフラ省、教育省、給水省3、技術官庁の地方出先 2 開発計画課は州自治体のみ 3 2018 年 7 月に新設。当該機関の役割及び関わり方につき要確認。

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機関(地方水利局、州教育局、視学官事務所) (7)投入(インプット):90MM 1)日本側 : ・専門家派遣 総括/地方行政①、副総括/地方行政②、住民組織運営、社会調査/紛 争予防配慮、施工計画・監理/調達監理/データベース(地方給水施設)、 施工計画・監理/調達監理/データベース(教育施設)、業務調整/研修 管理 ・本邦/第三国研修 ・現地国内研修 ・機材供与 ・ローカルコンサルタントの傭上 2)コートジボワール国側 ・C/P の業務に必要な先方予算の確保 ・オフィススペースの提供 ・ベケ州におけるパイロット事業の実施に必要な予算の確保 (8)環境社会配慮・貧困削減・社会開発 1)環境に対する影響/用地取得・住民移転 ① カテゴリ分類(A,B,C を記載):C ② カテゴリ分類の根拠 本事業は「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」(2010 年 4 月公布) に掲げる影響を及ぼしやすいセクター・特性および影響を受けやすい地域 に該当せず、環境への望ましくない影響は最小限であると判断されるため。 2) ジェンダー平等推進・平和構築・貧困削減 ① 平和構築: 本事業では、行政と住民の関係構築を重視する。住民のニーズ把握と客観的 根拠に基づく地域開発事業の計画策定を行い、事業の選定クライテリアや選 定理由を住民説明会を通して丁寧に伝え、理解を得るプロセスを重視して進 める。 また、プロジェクト対象地域が多文化・多民族で構成されていることに鑑み、 プロジェクトの実施により住民・コミュニティ間の関係に負の影響を与えな い、また紛争を助長しないよう配慮する。

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② ジェンダー平等推進:「ジェンダー活動統合案件」 本案件では、開発計画策定や事業の選定過程において実施予定の住民説明会 等に際し、女性の参加・意見聴収を予定している。また、社会インフラ整備 後の維持管理委員会(水管理委員会等)に住民を巻き込む際に、女性の意見 が反映されるような工夫を行う。さらに、プロジェクト開始後のニーズ調査 等の分析結果を踏まえて、地方行政官を対象としたジェンダー研修の実施を 検討する。 3)その他 特になし (9)関連する援助活動 1)我が国の援助活動 ・中部・北部紛争影響地域の公共サービス改善のための人材育成プロジェク ト(2013 年 11 月~2017 年 4 月) ・大アビジャン圏社会的統合促進のためのコミュニティ緊急支援プロジェク ト(2013 年 7 月~2016 年 6 月) 2)他ドナー等の援助活動 2.(4)のとおり。 4.協力の枠組み (1)協力概要 1)上位目標と指標 公共サービス提供能力が構築され、住民の行政に対する信頼が醸成される。 指標1:研修モジュールに沿って他地域で研修が実施される。 指標2:ベケ州、オー・ササンドラ州の*%以上の人が公共サービスに満 足する。 指標3:ベケ州、オー・ササンドラ州の*%以上の人が地方政府がコミュ ニティの意見をくみ取っていると感じる。 指標4:ベケ州、オー・ササンドラ州の*%以上の人が地方政府が公平な 開発事業を行っていると認識する。 指標5:ベケ州、オー・ササンドラ州の*%以上の人が地方政府が情報を 住民に公開していると認識する。 2)プロジェクト目標と指標 地方自治体の住民との協働による公共サービス提供能力向上の体制が構

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築される。 指標1:ベケ州、オー・ササンドラ州において、3 か年計画(給水・教育 セクター)がデータと優先順位付プロセスに基づいて策定される。 指標2:ベケ州において、住民への説明会をとおし、教育・給水セクター のプロジェクトが3 か年計画のもとで行われる。 指標3:ベケ州のコミューン・州自治体において住民協働で学校・給水施 設が運営、維持される。 指標4:ベケ州、オー・ササンドラ州の***%以上のコミューン・州自 治体職員がプロジェクト開始当時と比較して、明確化された役割分担にそ って、出先機関からの技術的な支援の内容・頻度が向上したと感じる。 3)成果 成果1.地方行政官のための公共サービス提供にかかる研修ツールが開発され る。 成果2.ベケ州において、「モデル」が改善され、定着する。 成果3.研修およびパイロット事業を通じて、改善された「モデル」がオー・ ササンドラ州で試行される。 成果4.他州への展開に向けた提言が整理される。 4) 活動 活動1-1.研修 モジュールを開発、研修計画を策定する。 (①計画 ②実施 ③モニタリングのモジュールを開発) 活動1-2.成果 2,3 に基づき、研修モジュールが改訂される。 活動2-1.「モデル」の活用状況に関するレビューを行う。 活動2-2.「モデル」の活用状況をモニタリングする。 活動2-3.教訓をとりまとめ、「モデル」改善版の提案を行う。 活動3-1.研修プログラムが実施される。 活動3-2.オー・ササンドラ州において、データベースが作成される。 活動3-3.オー・ササンドラ州においてデータベースを使用し、セクター開発 計画が策定される。 活動3-4.オー・ササンドラ州においてパイロット事業を選定する。 活動3-5.オー・ササンドラ州において選定したパイロット事業を実施する。 活動3-6. オー・ササンドラ州においてコミュニティ組織により、施設の監督・ 維持管理状況がモニタリングされる。

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活動 3-7. オー・ササンドラ州において、「モデル」の適用性をモニタリング し、レビュー内容を研修プログラムに反映する。 活動3-8. 教訓の取り纏めを行い、「モデル」改善版の提案を行う。 活動4-1.活動 1~3 の教訓や課題を取り纏め、関係者と協議する。 活動4-2.研修実施体制の構築に向けた提案が行われる。 5.前提条件・外部条件 外部条件(リスクコントロール)  コートジボワールにおいて、地方行政の促進を阻害する事象が発生しな い  対象自治体の治安状況、社会政治状況が極度に悪化しない。 6.評価結果 本事業は、コートジボワール国の開発政策、開発ニーズ、日本の援助政策と 十分に合致しており、また計画の適切性が認められることから、実施の意義は 高い。 7.過去の類似案件の教訓と本事業への活用 (1)類似案件の評価結果 ・フェーズ 1 の終了時評価では、ベケ州で作られた公共サービス提供モデ ルを他地域や、他セクターにも適用することで、モデルを検証しその制度 を向上することが望ましいと提言された。 (2)本事業への教訓 ・フェーズ 1 の終了時評価では、地方自治体の意思決定者のフルサポートを 得るためには、プロジェクト開始当初からプロジェクト活動に巻き込むこと の重要性、また、プロジェクト実施による質的な変化を確認するためには、 プロジェクト開始段階でのベースライン調査実施が重要であることが教訓 として抽出された。 ・本事業では「モデル」をベケ州の 3 か年計画の中において活用し、計画・ 実施状況をモニタリングする。持続可能な研修体制を構築するため、必要な 経費はベケ州の予算を使用することを想定している(ただし、特に予算規模 の小さい自治体に対しては、予算獲得(中央省庁からの予算、自主財源含む) を目標とした技術的支援を行う可能性がある)。 ・本事業では、「モデル」改善に注力するために、オー・ササンドラ州にお けるパイロット事業数を限定する。なお、パイロット事業は給水セクターお

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よび初等教育セクターとし、想定されるクライテリアは、給水セクターでは (i)HV4のニーズ、(ii)紛争影響地域への配慮、初等教育セクター(公立小学 校、EPP5)では(i)「モデル」適用の観点から、異なる社会・経済的特徴の コミューン(人口、自主財源、技術課の職員数)、(ii)紛争影響地域への配 慮とする。 8.今後の評価計画 (1)今後の評価に用いる主な指標 4.(1)のとおり。 (2)今後の評価計画 事業開始 1~2 か月後 ベースライン調査 活動終了 4 か月前 エンドライン調査 事業終了 3 年後 事後評価 (3)実施中モニタリング計画 事業開始 6 か月毎 モニタリングシート及び JCC 時に相手国実施機 関との合同レビュー 以上 4 Hydraulique Villageoise:人力ポンプ給水。 5 École Primaire Public:公立小学校

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案件概要表 1.案件名 国 名: コートジボワール共和国 案件名: 和)大アビジャン圏社会的統合促進のためのコミュニティ強化プロジェト フェーズ2

仏)Projet de Renforcement des Communes Pour La Promotion de la Cohésion Sociale dans le Grand Abidjan Phase II

英)The Project for Community Reinforcement Towards Social Cohesion in Greater Abidjan Phase II

2.事業の背景と必要性 (1) 当該国における平和構築セクター/大アビジャン圏の現状と課題 コートジボワールのアビジャン圏では、同国が経験した 2000 年代の紛争 の影響を長く経験してきた。2010 年の大統領選挙後、アボボコミューン及び ヨプゴンコミューンにおいて現体制支持派と旧体制支持派間の対立が騒乱 に発展し、特にアボボ、ヨプゴン両コミューンにおいてはインフラの破壊や 政治的分裂・住民間の関係悪化が激しい形で健在化した。 かかる状況からコートジボワール政府は社会インフラの整備を通じた社 会統合を促進するための支援を我が国に対して要請し、技術協力プロジェク ト「大アビジャン圏社会的統合促進のためのコミュニティ緊急支援プロジェ クト(以下、COSAY フェーズ 1)」(2013 年 7 月から 2016 年 6 月)が実施さ れた。COSAY フェーズ 1 では、内務省地方分権化総局、アボボ市役所・ヨプ ゴン市役所と共に、アボボコミューン・ヨプゴンコミューンを対象に、イン フラ整備事業を通じた住民間の関係修復・社会統合を促進させる手法を提 案・試行し、その成果をハンドブックに取りまとめた。終了時評価では、イ ンフラ整備事業の実施にあたり、民族や宗教の違いを超えた住民のプラット フォームを作り、交流や協働を重ねることにより、住民間の意識の変化や関 係強化に寄与したことを確認した。 しかし、COSAY フェーズ 1 で行ったパイロット事業の対象地域は両コミュ ーンで計 8 か所と限定的であった。コートジボワール政府は、COSAY フェー ズ1で実施したアプローチの有用性を認識、評価しており、これを取り入れ より広範囲に社会統合を促進させるために、COSAY フェーズ1の手法を引き 継ぐ技術協力「大アビジャン圏社会的統合促進のためのコミュニティ強化

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プロジェクトフェーズ 2」を要請した。 2010 年の騒乱から約 5 年が経過した 2015 年の大統領選挙は大きな騒乱 をもたらすことなく終わったが、旧体制支持派層の選挙区における低い投 票率、バックグランドの異なる住民グループ間での不信感、両コミューンの 若者層の失業問題・貧困地域の治安問題など、未だ社会統合にかかる懸念事 項が存在する。 JICA はアボボコミューン・ヨプゴンコミューンの社会統合の現状及び課 題の把握を目的に「大アビジャン圏社会統合促進のためのコミューン強化 プロジェクトフェーズ 2 にかかる基礎情報収集確認調査」(以下、基礎調査) を実施した(2017 年 1 月 11 日~27 日)。基礎調査の結果として、アボボコ ミューン及びヨプゴンコミューンでは、①住民間における緊張感や不信感、 ②行政の不公平な公共サービスの提供が人々を分断する社会統合の阻害要 因となっていることが明らかになった。かかる状況を踏まえて、COSAY フェ ーズ 2 では、公平性や包摂性に配慮した COSAY メソッド を公共サービスの 計画・実施段階に定着させることで、アボボコミューン及ぶヨプゴンコミュ ーンでの社会統合の促進を目指しプロジェクトを実施する。 (2) 当該国における平和構築セクター及びコートジボワールの開発政策と 本事業の位置づけ コートジボワール政府は社会統合に関して「国家開発計画 2016-2020(PND)」 において、第一 1 戦略的方向性「国家機構及びガバナンスにかかる質の向上」 の中で、「国民間の信頼醸成及び平和における社会統合の強化の必要性」を 明記しており、同計画の最重要課題と位置付けられている。また「社会的統 合国家プログラム(PNCS 2012-2015)」及び、「連帯と社会的統合に係る国家 政策(PNSCS 2016-2020)」の中では目指す社会統合の姿として「国民が日常 生活のあらゆる分野(住宅、保健、文化、教育、研修、雇用、司法等)にお いて、平等の機会と権利が確保された調和、統合のとれた社会の中で生活す る」こととしている。 2017 年 1 月 11 日~2 月 27 日に実施した「大アビジャン圏社会的統合促進 のためのコミューン強化プロジェクトフェーズ 2 にかかる基礎情報収集確 認調査」(下記、基礎調査)の調査結果を踏まえて、アボボコミューン及び ヨプゴンコミューンでは、①住民間における不信感や緊張関係、②行政の「不 公平な公共サービスの提供」が人々を分断することで社会統合の阻害要因と なっていることを双方で確認した。 PNSCS 及び対象地域の現状を踏まえて 本プロジェクトで目指す社会統合 とは、「公共サービスの実施・定着を通じて分断的な社会の状態から、地域

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の開発という共通の目的のもと、対話、協働、合意形成していくプロセスを 生み出すことで、住民間の不信感や社会的緊張を緩和し相互理解や信頼関係 の構築を促進していくこと」である 。したがって、本プロジェクトはコー トジボワールの国家政策である PNSCS の成果 2.3「基本的な社会サービスへ の公正・公平なアクセス促進」、成果 3.3「人々の間の社会的調和の確保」、 に貢献するものと位置付けられる。 (3) 社会連帯・社会統合に対する我が国及び JICA の援助方針 我が国は TICAD VI の主な支援策として、「平和と安定」を掲げている。 対コートジボワール国別援助方針(2014 年 4 月)では、同国の持続的な経 済成長の前提となる、「安全で安定した社会の回復」を重点分野に掲げ、国 家に対する国民の信頼回復や行政機能改善を支援することとしている。 COSAY フェーズ 2 では、大統領選挙後の騒乱の影響を被ったアビジャン 圏内のコミューンにおいてフェーズ1で活用した COSAY メソッド を公共 サービスの手法として強化・定着させることで、より広範囲での社会統合 の促進を目指すものであり、重点分野に位置づけられる「行政の信頼回復 プログラム」を構成することから、我が国の国別援助方針に合致している。 (4) 他の援助機関の対応 1) ヨーロッパ連合(EU):社会統合の促進を目的に、①社会文化事業、②研 修、③インフラ改修事業、を実施。(アボボコミューンとヨプゴンコミュー ンにおける住民の和解と社会統合支援事業(PARCS)」(2014 年~2016 年) 2) 米国国際開発庁(USAID):社会統合の促進を目的に、①選挙プロセスの 能力強化支援、②コミュニティの調和を目的とした対話事業、を実施。(Côte d’Ivoire Transition Initiative (CITI) program」(2011 年~2016 年) 3) 国連(真実和解委員会と社会統合のための支援): 真実和解委員会は、 コートジボワールにおいて内戦が発生した原因、混乱の中生じた人権を脅か す問題などの分析を通じて社会統合に向けた方策を提案することを目的に 2011 年に設立された委員会。2013 年には大統領に対して報告書を提出して いる。 3.事業概要 (1) 事業目的(協力プログラムにおける位置づけを含む) 本事業は、アボボコミューン及びヨプゴンコミューンにおいて、公平性や 透明性を確保した計画策定、包括性に配慮した公共事業の実施管理・住民参 加を含めた施設の維持管理に関する手法を確立・定着させることにより社会

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統合の促進に寄与するものである。 (2) プロジェクトサイト/対象地域名 アボボ市役所及びヨプゴン市役所 (3) 本事業の受益者(ターゲットグループ) アボボ市役所及びヨプゴン市役所職員、公共サービス事業に参画するアボボ コミューン住民及びヨプゴンコミューン住民 (4) 事業スケジュール(協力期間) 2017 年 10 月~2022 年 7 月 (5) 総事業費(日本側) 約 5.5 億円 (6) 相手国側実施機関 和) 国家行政・地方分権省、アボボ市役所、ヨプゴン市役所

仏) Ministère de l'Administration du Territoire et de Décentralisation, Abobo Commune, Yopougon Commune

(7) 投入(インプット) 1) 日本側  専門家派遣 総括、平和構築・コミュニティ開発、社会調査、地方行政、建設設計 /積算/調達管理/施設維持管理、業務調整・コミュニケーション・研 修  国内研修  現地リソースを活用した社会調査  プロジェクト実施のための一部経費 2) コートジボワール国側  プロジェクト・ダイレクター:国家行政・地方分権省 分権化・地方 開発総局長  プロジェクト・コーディネーター:国家行政・地方分権省 地方開 発局長  アボボ市役所技術局長、社会文化事業・人間促進局長、コミュニケ ーション局長・ヨプゴン市役所技術局長、人間開発局長、コミュニ

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ケーション局長 (8) 環境社会配慮・貧困削減・社会開発 1) 環境に対する影響/用地取得・住民移転 (ア) カテゴリ分類(A,B,C を記載):C (イ) カテゴリ分類の根拠 本事業は「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」(2010 年 4 月公布) に掲げる影響を及ぼしやすいセクター・特性および影響を受けやすい地 域に該当せず、環境への望ましくない影響は最小限であると判断される ため。 2) ジェンダー平等推進・平和構築・貧困削減 (ア) 平和構築 COSAY フェーズ 2 での事業実施にあたり、以下を重視する。 ① 社会統合の弊害となっている行政サービス提供能力の強化  基礎調査によると、行政の「不公平」な対応が社会統合の阻害要因 となっている。COSAY フェーズ 2 では、1)社会調査の実施によるカ ルティエ毎の社会統合の現状の確認、2) 社会インフラのデータベー スの構築及び客観的なデータに基づいた開発計画の策定により、社 会的包摂性や公平性に配慮した事業実施を通じて社会統合を目指す。 ② 住民間の関係強化  COSAY フェーズ 1 では、パイロット事業の実施時に住民組織を形成 することで住民間の関係強化(住民間の連絡・交流の増加、部族伝 統的行事への他部族の招待、住民の間に芽生えた“共存できる”と いう意識の変化)に寄与することを確認した。  COSAY フェーズ 2 も、同アプローチを踏襲するが、①CCGPP の設置の 必要性の検討、②より幅広い住民の代表の確保、③コミュニティに よって異なる民族構成や既存の住民組織を把握したうえで、住民組 織を形成していく。 ③ 若年層への配慮  基礎調査では若年層の失業問題は社会統合に関する不安定要因であ ること、また若年層間の社会統合は進んでいないことが指摘されて いる。COSAY フェーズ 2 は市役所が実施する公共サービスを通じた 両コミューンの社会統合の促進に注力するものであり、雇用機会の 促進を目的とした案件ではないものの、①住民組織への青年グルー プ代表の参加、②公共サービス事業への若年層参加、③パイロット 事業の選定における若年層の社会統合促進への配慮を行い、事業を

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進める。 (イ) ジェンダー平等推進 パイロット事業実施前に、コミュニティ毎の民族構成や既存の住民組 織を把握したうえで、女性グループの代表性を確保した住民組織を構成 し活動を行うように配慮する。プロジェクト本体で実施予定の社会調査、 ベースライン調査(以下、B/L 調査)、エンドライン調査(以下、E/L 調 査)ではジェンダーバランスに留意し収集・分析をすすめる。 (ウ) 貧困削減 対象地域(特にアボボコミューン)は貧困率が高く、若者の雇用問題 が課題となっている。COSAY フェーズ 2 は雇用創出が主な活動目的では ないが、COSAY フェーズ 1 から継続して事業対象地での公共インフラ事 業の際には、住民への研修及び住民雇用を行う。 (9) 関連する援助活動 1) 我が国の援助活動 【技術協力プロジェクト】  大アビジャン圏社会的統合促進のためのコミュニティ緊急支援プロ ジェクト(2013 年 7 月~2016 年 6 月)  中部・北部紛争影響地域の公共サービス改善のための人材育成プロ ジェクト(2013 年 11 月~2017 年 4 月) 2) 他ドナー等の援助活動 2.(4)の通り。 4. 協力の枠組み (1) 協力概要 1) 上位目標と指標 上位目標:対象地域における社会統合及び調和が促進される。 指標1:対象コミューンにおいて、アボボ・ヨプゴン両市役所が COSAY メソッドを踏まえた案件を少なくとも年に 2 つ実施する。 指標2:対象地域において、住民間及びコミュニティ間の協働活動・ 交流の数及び種類が増加する。 指標3:社会統合を促進するためにアボボ・ヨプゴン両市役所が住民 組織と協働し続ける。 指標4:対象コミューンにおいて、他の住民との関係が Cohesive(密 になった、結束した)と感じる住民の数(2024 年)が、ベースライン

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調査時と比較して増加する。 指標5:対象コミューンにおいて、「市役所が実施する公共サービス に満足している」と感じる住民の数(2024 年)が、ベースライン調査 時と比較して増加する。 2) プロジェクト目標と指標 対象地域において社会統合に配慮した公共サービス提供の手法が定 着する。 指標1:三か年契約や他プロジェクト策定時は根拠に基づき計画策定 を定めること、また COSAY メソッドに沿った住民組織の形成及びモニ タリングを定めることが、アボボ・ヨプゴン両市で条例として制定さ れる。 指標2:パイロット事業地において、住民間及びコミュニティ間の協 働活動・交流の数及び種類が増加する。 指標3:アボボ市・ヨプゴン市において、パイロットプロジェクト(タ イプ 1 バッチ1・2とタイプ2)を除き、住民組織が少なくとも一つ 形成される。 指標4:パイロット事業完了後、パイロット事業地において、「住民 間の関係がよくなった」と感じる住民の数が増加する。 指標5:パイロット事業完了後、パイロット事業地において、「市役 所が実施する公共サービスに満足している」と感じる住民の数が増加 する。 3) 成果 成果1:アボボ市・ヨプゴン市において、三か年計画や他プロジェク トが、社会統合に配慮しつつ根拠に基づき計画策定がなされる。 成果2:市役所と住民及び住民間の社会統合を強化するよう、COSAY メソッドに沿って、アボボ市・ヨプゴン市において住民組織が形成・ モニターされる。 5.前提条件・外部条件 (1) 前提条件  対象コミューンにおいて治安状態がプロジェクト活動を阻害するほど に悪化しない。  市役所及び対象地域の住民からプロジェクトへの理解と協力が得られ る。 (2) 外部条件(リスクコントロール)  社会統合にかかる国家政策がネガティブに変更されない。

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 対象地域において、社会的統合促進を阻害する事象が発生しない。  対象コミューンの社会政治状況が悪化しない。  COSAY メソッド活用にかかる条例が、法の定める手続きに従いタイムリ ーかつ適切に議論され進められる。  プロジェクトカウンターパートが対象地域にて継続的に働く。  3 か年計画用の市役所プロジェクト予算が計画通りに配分される。 6.評価結果 本事業は、コートジボワール国の開発政策、開発ニーズ、日本の援助政策と十 分に合致している。また、基礎調査でのフォーカル・グループディスカッション、 詳細計画策定調査での関係者との協議を通じて計画の適切性が認められること から、実施の意義は高い。 7.過去の類似案件の教訓と本事業への活用 (1) 類似案件の評価結果 先行案件である「大アビジャン圏社会的統合促進のためのコミュニティ緊急 支援プロジェクト」は、コートジボワール国内務省地方分権化総局、アボボ・ヨ プゴン市役所と共に、アボボ・ヨプゴンコミューンを対象に、インフラ整備事業 を通じた住民間の関係修復・社会統合を促進させる手法を提案・試行し、その成 果をハンドブックに取りまとめた。 しかし COSAY フェーズ1の終了時評価では、パイロット対象地域は各コミュ ーンの人口比に対して限定的であることから、より広範囲に社会統合を促進さ せるためには、COSAY フェーズ 1 で構築したプロセスや仕組みを、各コミューン の状況に適応した形で活用することが提言された。 1)本事業への教訓 (ア) COSAY メソッドの強化に向けた支援 COSAY フェーズ 2 では、包摂性や公平性に配慮した COSAY メソッド を公共サ ービスの計画・実施段階に定着させることで社会統合の促進を目指すこととす る。COSAY フェーズ 1 からの教訓を踏まえて、①社会統合にかかる理解促進、② 住民のニーズに基づいた計画策定プロセスの強化、③より広い住民代表を確保 した住民組織の形成、④広報活動の強化、を通じてメソッドの強化を目指す。社 会調査については、現地事情に精通する専門機関の知見の活用も検討する。 (イ) 3 か年計画への COSAY メソッド適応に向けた支援 前述の通り、2 通りのパイロット事業(①市役所予算の 3 か年計画、②JICA 予 算)に COSAY メソッドを適応させることで広範囲での社会統合の促進を目指す。

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市役所の 3 か年開発計画予算に COSAY メソッドの定着を支援することで一層の 持続性を担保する。 8.今後の評価計画 (1) 今後の評価に用いる主な指標 4.(1)のとおり。 (2) 今後の評価計画 事業開始直後 社会調査 事業開始 6 か月後 B/L 調査 活動終了 4 か月前 E/L 調査 事業終了 3 年後 事後評価 (3)実施中モニタリング計画 事業開始 6 か月毎 モニタリングシート及び JCC 時に相手国実施機 関との合同レビュー 9.広報計画 (1) 当該案件の広報上の特徴 1) 相手国にとっての特徴 本プロジェクトの取り組み、住民参加型の透明性を持った公共サービ ス事業の進捗状況等の情報発信を積極的に行うことで、住民間や行政 への信頼醸成を図る。 2) 日本にとっての特徴 行政官の能力強化を通じて社会統合の促進を目指すドナーは JICA の みであり、日本の貢献を強くアピールする。 (2) 広報計画  JICA ホームページ上のプロジェクトページの活用  ニュースレター発行(四半期ごと)  Facebook 等、SNS の活用

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案件概要表

技術協力プロジェクト 2019 年 02 月 07 日 現在

主管区分:本部主管案件 農村開発部 案件名 (和) 国産米振興プロジェクト

(英) Local Rice Promotion Project 対象国名 コートジボワール 分野課題1 農業開発-稲作・その他穀物、根茎作物 分野課題2 分野課題3 分野分類 農林水産-農業-農業一般 プログラム名 一次産業振興プログラム 援助重点課題 持続的な経済成長の推進 開発課題 一次産業の振興 プロジェクトサイト アビジャン特別自治区、ヤムスクロ特別自治区、ベケ 州、ベリエ州 署名日(実施合意) (*) 2013 年 10 月 14 日 協力期間 (*) 2014 年 02 月 20 日 ~ 2020 年 03 月 31 日 相手国機関名 (*) (和) 農業省 (英) Ministry of Agriculture プロジェクト概要 ・背景 コートジボワールは国土の大部分が熱帯モンスーン気候区に属し、南部 の平均降水量 1,600~2,200mm、月平均気温 25.0~28.3 度という恵まれ た自然環境により農業生産のポテンシャルが高く、農業はGDP の 27%を 占め、労働人口の3 分の 2 が従事している。生産される食用作物はヤムイ モ・キャッサバ・コメ・料理用バナナ・トウモロコシと多彩であるが、こ の中でコメだけが輸入に依存しており、国内需要量190 万トン(2011 年) の74%にあたる 140 万トン(2011 年)を輸入している。この背景には急 速な人口増加及び都市部における消費の著しい増加があると言われてお り、コメ需要量は1960 年と比較すると 10 倍に増加している 。一方で、 国内生産量は2011 年の生産量は 45.6 万トンに留まっている。この原因と

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して、政治的な混乱の影響に加えて、①優良種子の供給体制や普及サービ スが行き届かず、国産米の生産性が低く留まっていること、②作付準備金 の不足等から耕地が有効利用されず土地利用率が低いこと、③収穫後処理 における脆弱な設備・技術・マネージメント能力が原因となり、十分な品 質・量を市場に提供出来ていない状況にあること等が上げられる。こうし た中、経済首都アビジャンをはじめとした大都市において、コメ市場の大 部分は輸入米で占められるようになっており、結果として、国産米の生産 地から都市部消費地への流通ネットワークも弱体化し、国産米流通の一層 の制約要因となっている。 ・上位目標 対象地域(ヤムスクロ、ベリエ州、ベケ州)で生産されたコメ販売量が拡 大する。 ・プロジェクト目標 対象農家におけるコメ販売量が増加する。 ・成果 成果1 ステークホルダー の対話が促進される。 成果2 対象グループにより、研修を通じて得られた知識・技術が活用さ れる。 成果 3 対象グループの内、選定された生産者グループ/精米業者/流通業 者の能力が強化される。 成果4 ステークホルダーによる国産米振興に関する取り組みが加速され る。 ・活動 1-1 対象グループの詳細情報の整理 1-2 コメ振興に関するステークホルダー情報の整理 1-3 ステークホルダー間の対話の調整 2-1 研修に必要な教材の作成を行う。 2-2 普及員に対する技術研修を実施する。 2-3 研修に必要なインプット(種、肥料等)を供与する。 2-4 生産者グループに対する研修を実施する。 2-5 精米業者/流通業者に対する研修を実施する。 2-6 研修に参加した生産者グループのモニタリング・評価を実施する。

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3-1 追加支援メニューを作成する。 3-2 追加支援対象生産者グループを選定する。 3-4 政府、他ドナー、民間企業、NGO 等と協議のうえ、支援方法を具体 化する。 3-5 追加支援を実施する。 3-6 追加支援の結果をモニタリング・評価する。 4-1 国産米の流通量に関するデータを収集する。 4-2 消費者の国産米の嗜好調査を実施する。 4-3 都市部の消費者に対する国産米の販売促進活動を実施する。 4-4 プロジェクトのアプローチをガイドラインとして取りまとめる。 ・投入 ・日本側投入 ①専門家派遣 チーフアドバイザー/バリューチェーン、農民組織化/クレジット管理、 稲栽培技術、業務調整、灌漑/水管理、その他 ②研修 本邦研修(年間2 名程度) ③機材供与 車輌、研修圃場管理用農業機材(耕うん機等) ④その他プロジェクトに必要な現地活動費 JICA 専門家の活動費、技術指導、研修にかかる経費を含むが、コート ジボワールカウンターパートの給与・移動・活動費は含まない ・相手国側投入 ①カウンターパート人員の配置 プロジェクト・ダイレクター:MINAGRI 計画・統計・プロジェクト総 局長 プロジェクト・マネージャー:ONDR 職員 プロジェクト・マネージャーの下に、ONDR 職員、MINAGRI 職員、 ANADER 職員からなるユニットを設置(バリューチェーン、農民組 織、稲栽培技術分野等) ②プロジェクト拠点となる建物 過去の技術協力プロジェクト(PASEA)の稲作研修センターの利用 MINAGRI 内にアビジャン連絡事務所を設置

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③ローカルコスト負担(活動経費・光熱費等) コートジボワールカウンターパートの給与・移動・活動費を含む ・外部条件 ① 前提条件 ・事業対象地域において治安状況が悪化しない。 ② 成果達成のための外部条件 ・旱魃・洪水等の大規模な自然災害が発生しない。 ・農業資機材の価格が著しく変動しない。 ③ プロジェクト目標達成のための外部条件 ・コメの国内価格が著しく変動しない。 ④ 上位目標達成のための外部条件 ・コメの国際価格が著しく変動しない。 実施体制 ・現地実施体制 ・国内支援体制 (*) 関連する援助活動 ・我が国の援助活動 2013 年 4 月から 2015 年 3 月まで個別専門家「農業技術アドバイザー」 を派遣し、先方政府機関(農業省)による本プロジェクト要請から、実施 段階にかけて側面支援を実施。 ・他ドナーの援助活動 稲作部門に関しては、2012 年から世界銀行が WAAPP(西アフリカ農業生 産性プログラム)を実施中であり、品質保証種子生産を支援する一方で、 老朽化した農業機械訓練センター(CFMAG)のリハビリと研修機材調達 に対する資金援助を行っている。 また、FAO 支援による APRAO(西アフリカコメ生産改善プロジェクト) が国内4ヵ所のサイトで実施されており、①優良種子の使用促進、②生産 システムの向上(種子・肥料・加工・貯蔵の各段階で生産者の能力向上)、 ③コメ品質の向上をプロジェクト目標に据えて、各サイトにおいて活動を

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実施している。 加えて、政府により、海外民間企業による稲作開発への投資が強く期待さ れており、欧米の大手穀物関連企業が計画策定に係る調査を実施し、一部 試験事業が開始されている。 本プロジェクトでは、これら他ドナー支援、民間投資の取組みを積極的に 取り込み、シナジー効果を発揮することが期待されている。 (*) 該当する場合のみ記載

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案件概要表

個別案件(専門家) 2019 年 03 月 06 日 現在

主管区分:本部主管案件 農村開発部 案件名 (和) 漁業・養殖技術アドバイザー

(英) Advisors on Fishery and Aquaculture 対象国名 コートジボワール 分野課題1 農業開発-水産 分野課題2 分野課題3 分野分類 農林水産-水産-水産 プログラム名 一次産業振興プログラム 援助重点課題 持続的な経済成長の推進 開発課題 一次産業の振興 プロジェクトサイト コートジボワール国及び中西部ギニア湾漁業委員会加 盟国を中心とした中西部アフリカ諸国 署名日(実施合意) (*) 協力期間 (*) 2019 年 03 月 13 日 ~ 2021 年 03 月 18 日 相手国機関名 (*) (和) 動物・水産資源省

(英) Ministry of Livestock and Fishery Resources

プロジェクト概要 ・背景 コートジボワールの一次産業は国内総生産の 24%を占め、内戦後の経 済回復・成長の牽引役として期待されている。一方、急激な人口増加に伴 う食料の需要増加に対して国内生産が追いつかず、多くの食料を輸入に依 存している。国家開発計画(2016-2020 年)において、農業の競争力強化 及び生産者の収益性向上が柱として掲げられ、農業セクターにおける近代 化と生産量の増加、畜産・水産セクターにおける自給率向上が課題として 掲げられている。 水産分野においては、動物・水産資源省は「畜産・漁業・養殖開発戦略 計画(PSDEPA)2014-2020」を策定している。漁業においては持続可能な 資源管理、生産性及び競争力の強化、水産業従事者の能力強化を掲げてい

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るが、セクターのガバナンスが脆弱なため秩序ある漁業が行われていない ばかりか、IUU 漁業により国家の富である水産資源が日々失われている状 況が続いている。養殖分野においては持続可能な遺伝資源管理、養殖業全 体の底上げ、生産性向上を柱として掲げており、JICA はそれら目標への 道筋を示すため「内水面養殖再興計画策定プロジェクト(PREPICO)」を 実施している。 先方政府は開発戦略計画を着実に実施して行こうという意思はあるも のの、20 年に及ぶ内戦と混乱で疲弊した政府の行政能力は未だ脆弱であ る。特に持続可能な水産資源の管理、違法漁業対策などは自国のみならず 地域での取り組みが必須であることもあり、内戦後遅々として実効的な対 策がとれない状態にある。また、ブルーエコノミーといった新たなテーマ に対応するためには、技術的にも資金的にも引き続きドナーの支援が必要 な状況である。 加えて、他の中西部アフリカ諸国(島嶼国を含むモーリタニア~アンゴラ にわたる大西洋岸諸国)も水産セクターは、食料安全保障、経済振興にと って重要であり、我が国の協力が実施されている。これら協力が効果的に 実施され、期待された成果をあげるために、同地域でのJICA の経験・教 訓を共有していく必要がある。 ・上位目標 コートジボワール国が地域機関「中西部ギニア湾漁業委員会(CPCO)」に おいてリーダーシップを発揮しつつ、漁業及び養殖業の分野の政策実現に 貢献する。 ・プロジェクト目標 1.コートジボワール国の「畜産・漁業・養殖開発戦略計画(PSDEPA)2014-2020」の実施支援を通じ、同国の経済成長及び食料安全保障に貢献する水 産協力を推進する。 2.コートジボワール及び中西部アフリカ諸国おける我が国の水産分野の プレゼンス向上に貢献する。 3.中西部ギニア湾漁業委員会(CPCO)及び同委員会加盟国と連携し、地 域の共通課題に対応する水産協力を推進することを通じ、コートジボワー ル国における持続的な水産業の維持・発展に貢献する。 ・成果 1.コートジボワール国動物水産資源省の政策・戦略策定及びその実施能力

参照

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