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龍谷大學論集 478 - 004牧崎幸夫「道徳の時間の実践的指導力の育成」

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道徳の時間の実践的指導力の育成

1 1

はじめに

いじめが原因と見られる子どもの自殺が相次いでいる。文部科学省が毎年行っている﹁児童生徒の問題行動等生徒 指導上の諸問題に関する調査﹂によると、生徒問暴力、器物損壊などの暴力行為の件数は、年を追うごとに増加の一 途をたどっている。不登校は、平成十三年をピークに減少傾向にあるが、全児童生徒数に占める不登校児童生徒数の 割合で見ると依然として厳しい状態が続いている。平成二十一年度調査によると、不登校になったきっかけと考えら れる状況で最も多かったのは、﹁友人関係をめぐる問題しで、二

0

・三パーセント(このうち、いじめを除くものは 一七・七パーセント)を占めている。 こうした調査結果をうけて決まって言われるのは、生命を大切にする心、他人を思いやる心、正義感や公正さを重 んじる心など豊かな人間性をはぐくむ寸心の教育へとりわけ、道徳教育の充実である。 ﹃中学校学習指導要領(平成二十年三月告示)﹄(以下、中学校学習指導要領という)では、﹁学校における道徳教 育は、道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行弘 L ことが示されるとともに、各学校に道徳教育の推進 を主に担当する教師(道徳教育推進教師)が置かれ、道徳教育充実の方向性が一層具体化され強調されている。 道徳の時間の実践的指導力の育成(牧崎) ー七 七

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龍谷大学論集 七 八 しかし、学習指導要領の記述とは対照的に、現場の学校の道徳教育の状況、特に、道徳の時間の状況は、平成二十 年一月十七日の中央教育審議会答申﹁幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改善に ついて﹂における、寸小・中学校の道徳の時間については、指導が形式化している、学年の段階が上がるにつれて子 どもたちの受け止めがよくないとの指摘がなされており、何よりも実効性が上がるよう改善を行うことが重要であ &。﹂との指摘について、否定することができないのが現状である。 私は、永年にわたる中学校現場での経験から、多くの学校で行われている道徳の時間の指導が、依然として学習指 導要領に示された目標や内容とは大きな隔たりがあると感じている。最大の要因は、教員の道徳の時間に対する実践 的指導力の問題であると考えている。学校現場では道徳の時間が教科の時間に振り替えられたり、学級活動や学校行 事の準備に流用されることがしばしばあるが、それらは、道徳の時間の指導に対する教員の自信の欠知が背景にある と考えられる。道徳の時間の指導に教員の不安感があれば他の教育活動への振り替えや流用は容易である。 道徳の時間の指導に対する教員の不安の大もとは、大学における教職に関する科目﹁道徳の指導法﹂の扱いにある と考えられる。私が校長をしていた学校では、教育実習に来た学生に道徳の授業をさせることにしていたが、これが 大変なのである。ほとんどの学生が、道徳の授業についてのイロハがわかっていない。放課後、実習生を集めて、模 擬授業をし、資料の読み方や指導案の書き方を指導しなければならないのが現実であった。 現在、大学におげる﹁道徳の指導法﹂は二単位の科目であり、わずか十五時間で学生が教檀に立ったときの道徳教 育に関する実践的指導力の基盤を作らなければならないわけである。私が担当する寸道徳教育指導法﹂では、﹁要﹂ とされる道徳の時間の実践的指導力の基盤を作ることに焦点化した授業を行うことにしている。

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今、道徳なのか

近年、学校現場において、担任や生徒指導担当教員が生徒の問題事象を指導していて感じているのは、ひと昔前ま でなら当然分かっていることとして指導できたことができにくくなっていることである。自分が起こした事象のどこ に問題があったかがよく分からず、教員にそれを指摘されてもキョトンとしている生徒が少なくない。いわゆる﹁ツ ツパリ﹂の生徒が自分の非を認めることができず、教員に悪態をついているのとは明らかに違うのである。中学生と して備えていなければならないと考えられる道徳的な心情や判断力が未熟な生徒が増えてきていると思われるのであ る 。 以前、若者の聞に寸

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のレッテルを貼られまいとするあまり、周りの空気 にばかり気を遣い、教室の雰閥気に耐えられなくなって学校に来にくくなる生徒が見られたり、仲間の問題行動にも 意に反して追随してしまう生徒が見られるなど、生徒が自分の気持ちを素直に言葉や行動に出せないでいることも感 じ ら れ る 。 こうした子どもたちの状況を、平成二十年九月の守中学校学習指導要領解説道徳編 L ( 以下、解説書という)では、 ﹁現在、子どもの自制心や規範意識の希薄化、生活習慣の確立が不十分であることなど、子どもたちの心と体の状況 にかかわる課題は少なくない。また、自分に自信がある子どもが国際的に見て少ないことや、学習や将来の生活に対 して無気力であったり不安を感じたりしている子どもの増加等も指摘されている。その中で、現実から逃避し、今の 自分さえよければという自己の考えに閉じこもりがちな子どもの問題も指摘されてい

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と指摘している。 その上で、寸子どもたちが、他者、社会、自然・環境との豊かなかかわりの中で生きるという実感や達成感を深め てこそ健全な自信がはぐくまれる。そのためにも、学校の集団生活の場としての機能を十分に生かし、道徳教育の一 道徳の時間の実践的指導力の育成(牧崎) 七 九

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龍谷大学論集 J~ I rたまごつむ開設」 生 / '¥

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L道徳心情

附の充笑を閃らなければならない 。﹂と述べて い る 。 F O 揃山利弘は、﹁たまごつち理論﹂と名付けて生徒指専と道徳教行の関 係を公 ー のようにわかりやすく説明する。 ﹁ あ い δ つ告しよう。﹂﹁・パ必を正しく使おう。﹂﹁時間を守ろう。﹂な どのように生徒指導で扱うのは、主としてたまごつちのよの部分にあた る行動や 町 パ主に対ナる桁りである。た£ごつらのししの部分は、側々の道 徳的災脱会﹄指導する教育訓助である。 道徳投打で取り上げるのは、たぷごつらの

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の油分に中 l たる、心へ すなわら道徳性である。たまごつちの. 卜 の部分に当たる道徳教育は、 例々の道徳的実践の推進

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となる道徳的実践力を有てる教育活助役ので あ る 。 小学校学習指碍嘘領では、 ﹁ 叩 山 山 徳 教 行 は 、

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で 数 行 法 本 法 及 び 川 , r 校教汗法に定められた教育の仰木 ・ 制神に基 づき 、 人間尊恨の制神と生命 に 対 す る 川 N 敬の念を米低、 校 その他社会における日体的な午前の 中 に 生 か し 、 泣かな心をもら、 伝統と文化を咋重し 、 それらをはぐくんで きた拡が同と郷上を愛し、 削性泣かん袖文化の側道を阿ると と ら に 、 -、 、 ι 、 , ヮ , , IJ の稲神金持び、 民主的な社会及び岡山ぷの発 Mm に 努 め 、 他問を尊重し、凶 際社会の.平和と発民や時抗の保全に

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献し米米を桁く主体性のある日本人企行成するため、 金持う己とをけ僚とす&。﹂と一不在れている。 その地位としての道徳 竹 一文が長く読みづらいが ﹁ 道 徳 教 引 け は ﹂ であり ;'ffl lま 述部は

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﹁道徳性を養うことを目標とする。﹂である。 さらに、第 3 章道徳では、寸道徳教育の目標は、第 1 章総則の第 l の

2

に示すところにより、学校の教育活動全体 を通じて、道徳的な心情、判断力、実践意欲と態度などの道徳性を養うこととする。﹂と、道徳教育の目標を道徳的 な心情、判断力、実践意欲と態度などの道徳性を養うことであると示した上で、﹁道徳の時間においては、以上の道 徳教育の目標に基づき、各教科、総合的な学習の時間放ぴ特別活動における道徳教育と密接な関連を図りながら、計 画的、発展的な指導によってこれを補充、深化、統合し、道徳的価値及びそれに基づいた人間としての生き方につい ての自党を深め、道徳的実践力を育成するものとする。﹂と示している。 学校では、生徒指導担当教員が﹁服装の乱れは、心の乱れがあるんだよ。﹂と言って生徒を指導しているのをよく 耳にする。こうした指摘が正しいのであれば、当然、たまごつちの下の部分を育でなければならないのであるが、現 実は、寸明日からその服装を直してきなさい。﹂と、上の部分の指導にとどまっていることが少なくない。 学校教育において、生徒指導や道徳教育はなくてはならない教育活動である。生徒の問題行動への対応が大変で、 道徳にまでとても手が回らないという声を聞くことがある。しかし、それでは、たまごつちの上半分だけで教育をし ていることになる。適切な行動や言葉の基盤となる道徳的実践カを育てずに、個々の道徳的実践を求めても教育効果 は薄いと言わざるを得ない。 生徒指導や特別活動など、たまごつちの上の部分の指導が有効に機能するためにも、たまごつちの下の部分である 道徳的実践力を育てる道徳教育が重要なのである。

道徳の時間に対する学生の意識

﹁ は じ め に L で述べたように、学校現場における道徳の時間の扱いに大きな課題が見られる。このことが事実であ 道徳の時間の実践的指導力の育成(牧崎) J¥

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2

:道徳教育に係るアンケート(抜粋) Ga徳教育府与法) 龍谷大学論集 道猫教育に係るアンケート 問1あなたの中学時代のI道徳の時間lの学習の内容とそれらの4開眼業時数に占めるおよそ のIJJt拾について答えてくださ凡儲当欄にO印含し、割合を敏宇で容えてくださ凡} I道徳の瑚砲1の内容 W!J合(%) 自民形ドを信掬した道徳の授業 11.9 laI朋防壮使用しないが、賃設掛量惇除用意して道徳の俊策 8.3 道徳に関する先生の説話 5.1 人権学習 13.3 平和学習 8. 7 喫煙待費物乱用の防止に即する争習 6.3 進路i乙閲する抱場 7.6 f!I:<鮪 3.6 場担で起こった諸問題に関する話し合い 4.9 磁の編成、鰐除当訴の触助組、体育大会、掛学習など行事の役割分組 9.7 職場体験学習や修学旅行などの事前指導 5.2 そ 1.0 ト一一 の ト一一 他 よく覚えていない 14.4 容と結果をまとめたものである。 問2 中学時代の道徳の時間の学習で、印象に残っている資料(物穏など}にはどのようなも のがあげられますでiJ>oGl脱がわからなb暢 合f弘あらすじでキ宝掴を記入してくださ川} 問3 中学樹時代の道徳の時間の学習を通じて、その後の生き方の櫛十iこなったととや、今 自分がモットーとしているととはあります泊、 1 ある{ 2 ない /¥ れば、学生の道徳教育に 対する意識に少なからず 影響があることは容易に 想 像 で き る 。 道徳教育指導法では、 開講に当たり、道徳教育、 とりわけ中学時代の道徳 の時間に対する学生の意 識を把握するため、二講 座二六一名の学生を対象 にアンケートを行った。 アンケートは、中学時代 の道徳の時間について、 主 に 、 その内容ごとに割 合を調べるものである。 表 2 は 、 アンケートの内 アンケートの結果からは、いくつかの課題が浮かび上がってくる。 第一は、道徳の時間と学級活動の時間との混同である。アンケートで用意した道徳の時間の内容のなかには、あえ

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て寸学級で起こった諸問題に関する話し合い﹂や寸班の編成、掃除当番の役割分担、体育大会、校外学習の役割分 担﹂、﹁職場体験学習や修学旅行の事前指導﹂といった明らかに学級活動で行われる内容を含めている。学生の回答に はそれらの内容に占める割合が少なくない。こうした結果は、二つの側面を示していると考えられる。一つ目は、学 生自身に道徳の時間の確実なイメージがなく、学級活動の時間に扱われた内容と混同してアンケートに答えていると 考えられることである。二つ目は、実際に道徳の時間にそうした内容が行われ、道徳の時間が他の教育活動に振り替 えられたり流用されたりしていたことを物語っていると考えられることである。 第二に、寸人権学習 L ﹁平和学習﹂寸喫煙や薬物乱用の防止に関する学習 L 1 進路に関する指導﹂寸性教育 L をあわせ ると約四割を占めていることである。これらの内容は、学生の学級活動との混同というよりも、かなりの割合が実際 に道徳の時間や﹁総合的な学習の時間 L で扱われていると考えられる。﹁人権学習﹂や﹁平和学習 L などを道徳の時 間で扱う場合、どのようなねらいで授業が行われたのかが関われることになる。道徳の時間で扱う場合には、学習指 導要領で示された道徳的な心情、判断力、実践意欲と態度などの道徳性を養うことを目標に、﹁道徳の内各﹂に沿っ て行わなければならないわけである。 第三に、道徳の時間のねらいに沿って行われた授業であると思われる寸副読本を使用した道徳の授業 L ﹁ 副 読 本 は 使用しないが、先生が資料を用意して道徳の授業﹂寸道徳に関する先生の講話﹂を合わせた回答が約二五パーセント しかないことである。学生が中学時代に在籍した学校の実際の状況はともかく、学生にとって、道徳の時間について 道徳の学習をしたという意識はこの数字が示しているとおりなのである。 以上のように、学生の道徳の時間に対するイメージはあまりはっきりしていないことがわかる。このことは、全体 を見わたして、設問に対する回答がかなり分散していることからもわかるわけである。 大学における寸道徳の指導法﹂は、こうした学生の道徳の時間に対するイメージからスタートすることになる。 道徳の時間の実践的指導力の育成(牧附) J¥

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龍谷大学論集 J¥ 四

道徳教育指導法の内容

, 同h、

、、~ 大学における﹁道徳の指導法﹂の扱いについて 東京学芸大学では、平成二十一年七月に、全国の六四九の大学を対象に﹁全国の大学・短大における教職科目守道 徳の指導法﹄に関する調査 L を実施し、三七

O

校から回答を得てい&。 それによると、﹁道徳の指導法﹂の担当者の専門分野は、教育関係(思想・史)一五二人、教職課程関係(実務) 五九人、そのほかの専門(社会科学)四

O

人、道徳教育三七人、教育関係(方法)三六人などとなっており、道徳教 育を専門分野にしている教員は一

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・二パーセントであった。さらに、担当者の現場経験を尋ねた結果では、寸小中 校での教職経験なし﹂が六三・九パーセントに当たる二三二人であった。 この調査では、シラパスの内容や構成等に関する分析も行っており、回収された三三

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大学、四六五名、五

O

四 講 義のシラパスについて、内容に関するカテゴリー分類を行っている。それによると、内容を読み取ることができなか った一七五講義を除く三二九講義のシラパスのうち五

0

・八パーセントに当たる一六七講義で﹁授業力や実践的指導 力形成﹂が四

i

五回程度を超えて扱われ、授業力や実践的指導力形成が意識されていることがわかる。しかし、寸授 業力や実践的指導力形成﹂が十四を超えるシラパスは三九講義であったのに対し、哲学・倫理、心理や道徳性の発達、 道徳教育の歴史、学習指導要領に即した内容、授業力や実践的指導力形成など、各テ

l

マについて網羅的に扱う﹁多 彩なテ

l

マの細分化 L されたシラパスが七四講義あったことも注目に値する。 道徳教育を専門分野にしている教員が極めて少ないことや、現場経験のない担当者が三分の二近くにのぼる現状は、 シラパスの内容や構成等が網羅的な傾向を示すことと無関係ではない。 寸道徳の指導法﹂を受講する学生の道徳の時間に対するイメージや、教育実習をはじめる学生の道徳の時間の指導

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表3:シラパスの概嬰 E

I

道徳教育の意義

l

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ーなぜ、今、道徳教育なのかー

l

1皇 制 準 額 宵 の 目 標 と 内 容 一道徳教育の目標や内容はどのように示されているのかー 道徳教育の変遷 一学習指導要領における道徳教育はどのように変遷してきたのか一 道徳の時間の学習指導案 ーヤマのある授業を行うための指導案作成は、どのような手順によるのかー 道徳の時間の授業 一生徒の多様な発言を引き出すための道徳の授業はどのように工夫するのか一 学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育 一道徳教育の全体計画、道徳の時間の指導酔画はどのように作成するのか一 道徳の時間の実践的指導力の育成(牧崎) への不安という現実を見たとき、ー道徳の指導法﹂における学習指導 案の作成や模擬授業など実践的指導力を育成するための内容の質的、 抗的な充実が重要であると考える。

、‘" 道徳の時間の実践的指導力育成に焦点を当てた構成 本学の寸道徳教育指導法﹂は、一一一回生以上が受講することになって い る 。 道徳の時間における実践的指導力の育成を重視するため、寸学習指 導要領に示された道徳教育の目標、内容等について理解し、指導計画 や学習指導案の作成、僕擬授業等を通して実銭的指導力の基礎を身に 付ける。﹂ことをねらいとし、﹁解説書を活用し、道徳教育の目標、内 容等について理解するとともに、読みもの資料をもとに指導案の作成、 模擬授業を行う

J

という方法で授業を進めている。 シラパスの概要は、表

3

の通りで、指導案の作成と学生による模擬 授業に十回を充て、道徳の授業ができる学生の育成を最大の目標にし て い る 。 寸道徳教育の意義﹂、﹁道徳教育の目標と内容﹂などは、横山利弘の ﹁たまごつち理論 L に依拠しながら解説書に示された内容を扱ってい る /¥. 五

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龍谷大学論集 ー 、 て 、 F J ︺/ 学習指導案作成や模擬授業で使用する資料は、読み物資料を使用している。近年、道徳の授業には、映像や音楽 (歌)などさまざまな資料が用いられるようになっている。しかし、道徳教育指導法では、あえてそれらを使わず、 読み物資料を使用することにしている D 解説書に 1 読み物資料には、生徒に深い感銘を与え、道徳的な心情を豊かに したり、道徳的判断力を高め、人間としての生き方についての自覚を深めたりすることなどに適したものが多い。 L と述べられているように、活字を追うことによって場面を思い浮かべ、登場人物の心情をさまざまに推し量ることに よって道徳的価値を見いだしゃすいと考えるからである。 中学校学習指導要領では﹁自分の考えを基に、量聞いたり討論したりするなどの表現する機会を充実し、自分とは異 なる考えに接する中で、自分の考えを深め、自らの成長を実感できるよう工夫するこむ。﹂が求められているが、生 徒が自らの考えを持つことが前提となってはじめて﹁自分とは異なる考えに接する中で、自分の考えを深め、自らの 成長を実感できるよう﹂になるわけである。 道徳教育指導法では、道徳の時間に使用する資料の基本とも言うべき読み物資料のみを使用し、学生に資料を深く 読み込ませることによって、生徒の多様な考えが引き出せるヤマのある授業を行うための学習指導案づくりや模擬授 業に取り組んでいる。

学習指導案の作成

解説書では、学習指導案作成の主な手順として次のように示していふ o ① ね ら い を 検 討 す る ②指導の要点を明確にする ③ 資 料 を 吟 味 す る

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④ ⑤ ⑥ ⑦ 学校現場における道徳の時間の学習指導案については、年度当初に作成された 生徒の感じ方、 考え方を予測し、主な発聞を考える 学習指導過程を考える 板書計画を立てる 事 前 指 導 、 事後指導について考える ﹁道徳の時間の年間指導計岡﹂をも とに作成されるため、 解説者に示された手順で作成していくことが妥当であろう。 道徳教育指導法では、学生に、読み物資料を提示するところから始めることにしている。 学生には、与えられた資 料についてヤマのある授業にすることを最大のねらいとして学習指導案を作成させている。その際、横山が提唱する ヤマのある授業を行うための学習指導案作成手恥により、資料の中心場面から考えさせることにしている。 ﹁ 一 冊 の ノ

l

ト﹂をもとに、 以 下 北鹿波文照作の その手順を述べることとする。 寸 一 冊 の ノ

l

ト L のあらすじは 次の通りである。 ぼ く と 弟 の 隆 は 、 祖 母 が こ の 頃 物 忘 れ が ひ ど く な っ た と 会 話 し て い る 。 一 翌朝、テレビの上に置いた問題集がなくなっていることに気づいたぼくは、祖母に尋ねるが知らないという。 一やがて、隆が、押し入れの新聞入れの中に入っている問題集を見つけてくる。ぼくは﹁しっかりしてよ、おばあ一 一ちゃん。近ごろ、だいぶぽけてるよ。ぼくら迷惑してるんだ。今も隆が問題集を見つけなかったら、遅刻してし一 一 ま う と こ ろ じ ゃ な い か 。 ﹂ と 隆 と と も に 祖 母 を 非 難 し た 。 一 ある日、友達と下校の途中、﹁おい、見ろよ。あのばあさん、ちょっとおかしいんじゃないか。 L と、友達が季一 一節はずれの服装にエプロンをかけ、古くて大きな買い物館を持った祖母を指さしたロ祖母は、すれちがうとき、 道徳の時間の実践的指導力の育成(牧崎) 1¥ ー七

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龍谷大学論集 J¥ J¥ 一ほほえみながら何かを話しかけたが、ぽくは友達に気づかれないように知らん顔をして通り過ぎた。祖母が帰っ一 一てくるやいなや﹁おばあちゃん。なんだよ、そのへンなかつこうは。何のためにふらふら外を出歩いているんだ一 一よ。﹂などと非難した D そこへ隆が加わってきて、祖母に頼んでおいたきずばんと軍手を買っていないと抗議し一 一だした。隆の執鋤な抗議に、ぽくは﹁もうやめろよ。おばあちゃんは忘れてしまったんだから J と言って、隆一 一 と と も に 買 い 物 に 出 か け た 。 一 その晩、ぽくと隆は、父から祖母の記憶が相当弱くなっており、現在の医学では治すことができないという話一 一を聞いた。ぽくは、﹁それはぽくたちにもよくわかっているよ。だけど・:。﹂と応えた。その後も、ものがなくな一 一る回数はますます頻繁になった。 一それから一週間あまりすぎたある日、さがしものをしていたぼくは、祖母のノ 1 トを見つけた。そこには、自一 一分でも記憶がどうにもならないもどかしきゃ、これから先どうなるのかという不安などが、切々と書き込まれて一 一いた。しかし、そのような苦悩のなかにも、家族とともに幸せな日々を過ごせることへの感謝の気持ちが行間に一 一あふれでいた。ノートは、ぺ

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ジをくるごとに少しずつ字が乱れてきて、判読もできなくなってしまった。最後一 一の空白のペ

l

ジに、ぽつんとにじんだインクのあとを見たとき、ぽくはもういたたまれなくなって、外に出た。 ぼくは、庭の片隅でかがみこんで草とりをしている祖母と並んで草とりを始めた。ぽくの寸おばあちゃん、き一 一れいになったね J と い う こ と ば に 祖 母 は 、 に っ こ り と う な ず い た 。 一 _..句、

、句.,.., 資料を読む 学習指導案作成に当たって、最初にしなければならないのは、資料の読みである D 資料をしっかり読み込み、感動

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することがスタート地点である。学習指導案を作成することを意識しすぎて、発問などを考えながら読んでしまうと、 邪念が入り資料の読みを誤ってしまうことがある。 資料を読みは次のように行う。 ア ストーリーを読む 登場人物の行動や言葉から、その背後にある心を読み込むことが大切である。例えば、表4のように、﹁ぽくは友 達に気づかれないように知らん顔をして通り過ぎた﹂という行動は、どのような心がそうさせたのかを読むのであるロ この場面では、ぼくが下校途中に出会った祖母が、ほほえみながら何かを話しかけたのに対して、友達の手前、無視 するという道徳的判断をしているわけである。また、父から祖母の 状況を聞いたぽくが、﹁それはぽくたちにもよくわかっているよ。 だけど:・。﹂と言っているところでは、﹁だけど﹂という言葉のあと に 続 く 寸 : ・

J

がどのような道徳的心情を表しているのかを読んで 表

4

:登場人物の心を読む イ 登場人物の心を読む ぼくは友達に 気づかれないよ うに知らん顔を して通り過ぎた (行動・言葉) (心) ぼくの祖母だ とわかれば恥ず かしL

道徳の時閣の実践的指導力の育成(牧崎) 、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...・ いくことになる。 ウ 主人公の道徳的変化を読む 道徳の資料には、主人公が何かをきっかけにして道徳的に変化す る場面が盛り込まれているものが少なくない。﹁一冊のノ

l

ト﹂で 八. 九

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龍谷大学論集 九

は、父から祖母の状況を聞いても﹁それはぽくたちにもよくわかっているよ。だけど・:。 L と言っていたぽくが、祖 母のノ

l

トを見て、いたたまれなくなって外に出て、祖母と並んで草取りを始めることになる。祖母に抗議していた 隆に、﹁もうやめろよ。おばあちゃんは忘れてしまったんだから J と吐き捨てるように言っていたぽくが、﹁おばあ ち ゃ ん 、 きれいになったね J と優しく言っている。この主人公の変化を読むのである。

人間を読む 人間は、正しいことだとわかっていても、実際にそれを行動に移すのは難しい。﹁一冊のノ

l

ト﹂の場合、父から 祖母の状況を聞いてーだけど:・。 L と言っているぽくの心情に共感しながら資料を読むことが大切である。寸こうあら ねば﹂という教員の姿勢が見えれば、生徒は本音を語らなくなる。様々な意見を出させるなかで、自分とは異なる考 えに接し、自分の考えを深めるていけるのだということを念頭に、寸人間とはこういうものだ。﹂ということに共感し ながら資料を読んでいくのである。 場面に分ける 読んだ資料を場聞に分けていく。資料をもとに紙芝居を作ると何枚の絵を用意すればよいかを考えてみる。

J

冊 の ノ

l

ト﹂では、次のようになる。 " ・ 、

、-' プロローグ 第一場面 第二場面 第三場面 ぽくと隆が、祖母がこの頃物忘れがひどくなったことについて会話している場面 ぽくの問題集がなくなり、ぽくと隆が祖母を非難している場面 ぽくと隆が、下校途中に出会った祖母の格好や頼んでいたものを買っていないことを抗議する場面 父から祖母の病気の様子を聞く場面

(15)

探し物をしていたぽくが、祖母のノ

l

トを見つけて読む場面 庭の片隅で、ぽくが、祖母と並んで草とりをする場面 プロローグは、この物語の前提をぽくと隆の会話という形で解説している部分である。 第一場面は、問題集がなくなったことから家族問の問題が表面化する場面であり、道徳的な問題が発生する場面で あ る 。 第四場面 第五場面 第二場面は、ぼくと降の祖母への不信感が深刻化する場面で、ぼくの﹁もうやめろよ。おばあちゃんは忘れてしま ったんだから

J

という言葉に象徴されるように、祖母の状況への諦めにも似た感情が出ていることがわかる場面で あ る 。 第三場面は、祖母の病状を説明する父の言葉に、理屈ではわかっていても内心納得がいかない様子を寸それはぼく たちにもよくわかっているよ。だけど:・。﹂というぼくの返事で表している場面である。 一 冊 の ノ

l

トに記された祖母の心情を知ったぽくの心が大きく揺れ、ノートの最後の部分のぽつんと いたたまれなくなってしまう場面である。 第 四 場 面 は 、 にじんだインクのあとを見て、 第五場面は、家族として支え合いながら暮らしていこうというぽくの道徳的判断を、祖母に寄り添って草とりをす ることによって表している場面である。 中心場面を決める ヤマのある授業にするためには、時間をかけて多くの生徒から多様な発言を引き出すための中心場面をまず決める ことが重要になる。中心場而は、一般的に、主人公の道徳的な変化が見られる場面か、その直後の場面である。二 冊のノ

l

ト﹂の場合は、第四場面がぽくの心が大きく揺れる場面であり、この場面を中心場面にすることも考えられ , ー、

、、ー' 道徳の時間の実践的指導力の百成(牧附) )L

(16)

龍谷大学論集 九 ぽくが道徳的に変化した直後の場面、すなわち、祖母と並んで草とりをする第五場面のほうが、 ぽくの祖母へのこれまでの態度と今後の祖母への接し方の両面を考えさせやすくなる。 る が 、 そ れ よ り も 、 中心発問を考える 中心場面から中心発問を作る。中心発問は、資料が投げかけているテ

l

マに沿った生徒の多様な発言が得られ、生 徒の道徳性が養えるような内容を工夫しなければならない。 ﹁ 一 冊 の ノ

l

ト﹂の場合、いたたまれなくなって外に出たぽくは、ノートを見たことは口が裂けても言えないわけ であるから、祖母に﹁ゴメン。﹂とは言えないのである。そうした状況が、ぽくをしてだまって祖母と並んで草とり をさせることになるわけである。従って、中心発問は、草とりをしているときのぽくの心情を考えさせるのである。 ﹁ぽくは、どんな気持ちで祖母と並んで草とりをしていたのでしょうか J のようにぽくの気持ちを聞くこともでき るが、むしろ、﹁ゴメン。﹂と一言えずに無言でいるぽくに心の中で話しかけさせる方が、ぽくの思いを引き出しゃすい と考えられる。そこで、﹁祖母と並んで草とりをしているぽくは、心の中で祖母にどのように諮りかけていたのでし ょうか。﹂と聞くわけである。 ( 四 ) 中心発問に対する予想される生徒の反応を考える 中心発問に対して、生徒がどのような発言をするかを考えて指導案に書き込む。ここは、教員が生徒の発言の多様 さをどれだけ予想できるかがかかっている。生徒の心情を指導者がどれだげつかめているかが問われるわけである。 寸 一 冊 の ノ

l

ト﹂の場合、寸おばあちゃんごめんなさい。﹂﹁おばあちゃんがこんなにも僕たちのことを考えてくれ ているとは知らなかった J ﹁記憶がどうにもならなくなる不安を抱えているのに、ひどいことを言ってごめんなさ ( 五 )

(17)

い 。 L など、これまでの祖母に対する自らの反省や、﹁これからはぼくがおばあちゃんの面倒を見るよ。﹂﹁これからは 自分のことは自分でするよ。﹂といった今後への決意などが予想できる。また、﹁おばあちゃん大好き J のように素 朴な発言も出てくるだろう。 主題、内容項目、ねらいを決める 資料を読んだ段階で、当然、この資料が何をテ

l

マにしているかをつかんでおくのであるが、ここでは、主題、内 容項目、ねらいを確定して、文章化する。 ( 六 ) 主題は、資料がテ

l

マとしていることを簡潔に書く。 二 冊 の ノ

l

ト﹂の場合は、﹁家族への敬愛 L で あ る 。 内容項目は、中学校学習指導要領に示された内容を、数字で書き表す o

J

冊のノート L の場合は、フ

4

1

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6

)

﹂ で あ る 。 ねらいは、決められた形式があるわけではないが、﹁日々老いゆく祖母の言動に、心配をしながらもいらだちを感 じていた主人公が、一冊のノ

l

卜から自分に対する祖母の深い愛情に気付いて変化する姿を通して、父母、祖父母に 敬愛の念を深め、家族の一員としての自覚を持って充実した家庭生活を築こうとする道徳的実践怠欲を養う。﹂のよ うに、資料の概要、学習指導要領に示された内容、育てたい道徳性の中味の順に世間くとわかりやすい。

(

)

不要な場面を捨てる 道 徳 の 時 間 は 、 一時間(中学校では五

O

分 ) 内 叫 で完結することが限則であ&。中学校で取り披う資料には、範読する だけで十五分程度かかるものも少なくない。ヤマのある授業を行うためには、中心発問で多くの生徒から多様な発言 道徳の時間の実践的指導力の育成(牧崎) }L

(18)

龍谷大学論集 九 四 を引き出すための時間を確保したい。そのためには、授業のヤマに結びつけるのには不要であると考えられる場面は、 思い切って捨ててしまうことが大切である。 ( 八 ) その他の場面の発問と予想される生徒の反応を考える 不要な場面を捨てたあと、授業のヤマに向かうために効果的な場面の発問を考え、 それらに対する予想される生徒 の反応も考える。 発問は、主人公について行うことが基本であり、主人公の行動や言葉のうちにある心を考えさせていく。ここでも 生徒の多様な発言を引き出す工夫が必要である。 二 冊 の ノ

l

ト﹂の場合、第一場面では、﹁ぼくの﹃やっぱりおばあちゃんのせいじゃないか。﹄という言葉にはど んな思いが込められているのだろう

J

、第二場面では、﹁ぽくが隆に﹃もうやめろよ、おばあちゃんは忘れてしまっ たんだから﹄といったのはどうしてだろう

J

、第三場面では、寸ぽくが、司それはぽくたちにもよくわかっているよロ だ け ど ・ :J と言っていますが、﹃だけど:・。﹄に続く言葉はどのようなものだと思いますか。 L の よ う に な る 。 道徳教育指導法では、以上の手順に沿って学習指導案を作成させているが、手順では触れなかった導入の発問や終 末の方法についても考えさせるようにしている。 授業では、受講生を五

1

七名のグループに分けている。学生には、その時間に配布する読み物資料について、前述 の手順に沿って、最初は個別で作成させ、作成の結果をグループで検討させる。検討結果については、あらかじめ指 定しておいたいくつかのグループに、内容項目、中心発問、中心発問に対する予想される生徒の反応を黒板に書かせ ることによって発表させ、全体で検討することにしている口

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学習指導案作成に充てている五時間のうち、最初の時間は、手順について解説を行い、四時間が指導案作成の演習 となる。演習の前半の二時間は、手順を徹底するため、ワークシ

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ト(表

5

)

に書かせる方法で行い、後半の二時間 は学習指導案の様式に書かせることにしている。 表5:指導案作成用ワークシート 学冒指尋案の作成 r (資料名) J舎もとに ー 学持11号 ( ) 氏 名 { .置に分ける 区 ~ 場 面 の 橿 - - . ①P ・ 行自から p • 存目まで l③P 自iI‘ら p • 行自まで │③p ・ 行待 舗から p • 目まで ③P ・ ff白から p • 待目まで │⑤ p ・ 行符白から p • 固まで │ ⑥ p • 行聞から p • 符目まで 資"を.む 道徳の時間の実践的指導力の育成(牧崎) 4・1Ij) 3 中心細菌を決める 4 中心.聞..~る 5 (中心鎗聞に量すする}予盤される生,

.

c

o

.

えを宥える e 主・名、肉事項目、ねらいを決める (1)主.~ (3) ね~い 中心場面1:1.(郷 (2) 内事項阿 l ー ( ) I 生虫1..i 一 一 ← 一 一 一 一 一 一 一 一一一一一←一一一____k必k土生 { 道 徳 的 心 情 i首術的判断カ 遭 観 的 . . 意 欲 } や釜う. 7 不要な繍蘭を鎗てる 8 四炉心温置以外の.聞を考え.生後の箸えを 間

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九 五

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龍谷大学論集 ;)L /'¥ -L. ノ、

模擬授業の実施

五回実施する模擬授業は、学習指導案作成の時に編成したグループのなかから希望したグループが行う。希望した グループには、模擬授業の二週前に読み物資料を配付し、手順に沿った指導案づくりをさせる。一週間前には、学校 現場で教員が行った授業の指導策を見せて、グループ内で作成した指導案を再検討させる。こうしてできた指導案は、 模擬授業の数日前に私と最終的な検討を行った上で、当日の授業に使用される。 模擬授業に当たるグループでは、授業を担当する者(複数の場合もある)、資料を範読する者、板書をする者、生 徒役にマイクを向ける説、授業記録をとる者などに役割分担して授業を行う。 模擬授業では、毎回、六グループの学生約三十五名を輪番制で生徒役にし、その他のグループの学生を参観する教 員役にしている。生徒役の学生には学習指導案の記述に基づき感想文などを書かせる。参観者には、授業についてよ かった点と改善すべき点を脅かせるとともに、自分が授業をする場合の中心発問、基本発問、導入の発問を脅かせる ことにしている。 授業終了後は、質疑応答の時間をとっているが、指導案の記述をはじめ、導入の内容、範読の巧拙、中心発問の内 容、中心発問に結びつける基本発問の内容、生徒の反応を聞く教員役の姿勢、板曹の構成など多岐にわたる質問や意 見が出る。生徒役や参観者役の学生からは、学習指導案の作成などそれまでの学習を踏まえて鋭い質問や意見が出る こともあり、授業研究が一層深められることになる。

おわりに

道徳教育指導法の定期試験は、当日配布する読み物資料について学習指導案を作成させる内容で行っているロ試験

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の評価規準は、①ヤマのある授業をするための学習指導案作成の手順に沿って書けている。②中心発問と中心発問に 対する予想される生徒の反応が適切に書けている。③主題、内容項目、ねらいが適切に書けている。④中心発問に結 びつけるための基本発問等が適切である。とし、規準に到達しているかどうかで採点することにしている。 三・四回生には、道徳の時間の実践的指導力を一層高めるため、﹁横山先生を囲む道徳教育研究会﹂や寸宇治市道 徳教育研究合﹂など各地で行われている研究会や、文部科学省などの指定校で行われる道徳教育研究発表会などを紹 介し、参加の呼びかけも行っている。また、近年、教職を目指す学生がボランティアとして学校現場に入ることも多 くなっているが、そうした学生には、道徳の授業を参観させてもらうよう指導している。 道徳教育指導法における道徳の時間の実践的指導力の育成に焦点化した内容をはじめ、各種研究会や学校現場にお ける道徳の時間の参観等を通じて、学生の道徳の時間に対するイメージをはっきりさせるとともに、やがて、学生が 教壇に立ったときに、道徳の時間の指導に対する不安がわずかでも解消できればと考えている。 横山は、価値観が多様化したいまの世の中には、人間がこれまで自ずと判断や行動の基準としてきた共通の規範が なくなっていることを指摘するロまた、共通の規範はなくなっているが、善悪についての人間の本質はなくなっては いないとも分析する。その上で、文部科学省が平成十七年に実施した﹁義務教育に関する窓識調査 L における﹁学校 教育に何を求めているか﹂という調査結果で、学校で学びたいことの第一位が﹁よいことと悪いことを区別する力﹂ であったことを取り上げ、﹁善悪の区別は知っていて実行できないだけだと思っていましたが、子どもたちは、パラ パラの規範で行動する身近な人々やクラスメイトと接し、しかもそれを指導しない教師や大人たちに混乱しているの です。私には、この調査結果は、生きにくくなったいまの時代に子どもたちがあげている悲鳴のように思えるので す。﹂と指摘し、寸本当に子どもが求めているのは、 育なのです

J

と述べてい旬。 コンセンサスの成り立つ共通の規範であり、それを考える道徳教 道徳の時間の実践的指導力の育成(牧崎) jし 七

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龍谷大学論集 九 八. 大学において二単位、十五時間の教職課程科目﹁道徳の指導法 L を実効あるものにし、学校現場において自信を持 って道徳の時間の指導ができる教員を育てるための研究は今後も一隠進めていかなければならないと考えている。 註

ω

寸 第 1 章総則、第 1 教育課程編成の一般方針の 2 ﹂

ω

五 八

i

五九頁﹁ 7 教育内容に関する主な改善事.項 ( 4 ) 道 徳 教 育 の 充 実 ﹂

ω

本学では、教職に関する科目﹁道徳の指導法﹂は、﹁道徳教育指導法﹂という科目名にしている。

ω

四頁寸第 1 章 総 説 第 1 節道徳教育改訂の要点 2 道徳教育改訂の趣旨 ( 1 ) 改善の基本的な観点 学校の役割と道徳教育﹂

ω

ω

に 同 じ 。

ω

元文部省教科調査官で、現在は関西学院大学教授、日本道徳教育学会会長。著書には﹁道徳教育とは何だろう L ( 二

O

O

七、腕教育凶許)、﹃道徳教育、画餅からの脱却﹄(同)がある。二

OO

五年から大阪、京都、神戸で月一回行われてい る﹁横山先生を聞む道徳教育研究会﹂を主宰している。 的 註

ω

に 同 じ 。

ω

人権に関しては、内容項目 4 │ ( 3 ) ﹁正義を重んじ、だれに対しても公正、公平にし、差別や偏見のない社会の実現に 努 め る 。 L、平和に関しては、 4 l ( 日)﹁世界の中の日本人としての自覚をもち、国際的視野に立って、世界の平和と人類 の幸福に貢献する。﹂などが対象になると考えられる。

ω

東京学芸大学が、平成二十二年二月十九日に行った﹁﹃総合的道徳教育プログラム L 全学フォーラム﹂において中間報 告が出されている。 側シラパスの内容に関するカテゴリー分類の基準として、まず、十五回の講義のうち八回を超えて環点化して扱われてい る内容を﹁哲学・倫理等の量視 ( T ) ﹂、寸法や政治等の重視 ( L ) ﹂、寸心理や道徳性の発達等の重視 ( S ) L ﹁ 社 会 問 題 や 社会背景の兎視 ( M ) ﹂、寸道徳教育の股史の重視 ( R ) L 、﹁外国の道徳教育の実際の重視 ( G ) ﹂ 、 ﹁ 学 習 指 導 要 領 に 即 し た 内容の重視 ( K ) ﹂、﹁道徳授業理論の重視 ( H ) L 、寸授業力や実践的指導力形成の重視 ( j ) ﹂、﹁生徒指導や人権教育等の ウ これからの

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重視 ( I ) L に分け、﹁多彩なテ l マの細分化

(

A

ごという内容も設げて、それらの複合されたものも基準として設けて いる。例えば、

TS

であれば、哲学・倫理・宗教等に関する内容と心理や道徳性の発達等の両簡を合わせて十四を越え、 その両面を重視したと考えられるシラパスということになるり、

TA

であれば、哲学・倫理などを重視し、残り半分裂度 をいくつかのテ l マで細分化して構成しているシラパスということになる。

ω

解説書九三頁 仰 寸 中 学 校 学 習 指 導 要 領 第 3 章 道 徳 第 3 指導計画の作成と内容の取り扱い﹂の 3

ω

解説脅八六頁

ω

﹁横山先生を凶む道徳教育研究会 L などにおいて、横山が提唱している。

ω

文部省﹃中学校読み物資料とその利

m

l

寸主として柴聞や社会とのかかわりに閲すること﹂│﹄(一九九三)に所収 側解説書九一頁には、寸重点的な主題の学習を進める場合や、主題や資料の性格等を考慮した結果によっては、一つの主 題について複数時間扱いの指導とすることが考えられる J ことも示されている。 仰寸横山先生を囲む道徳教育研究会﹂では、検討した読み物資料について、翌月の研究会で授業に取り組んだ教員から指 導案が出される。学生には、主に、研究会で報告された指導案を見せることにしている。 M W 授業者には、マイクを使わせていないが、生徒役の学生の発言を聞き取りゃすくするため、生徒役にはマイクを向けて い る 。 側牧崎が主宰し、主に京都府南部地域の教員を対象に月一回開催している。 側横山利弘箸吋道徳教育とは何だろう﹄一四五

i

一四七頁 キーワード 山 j -H 別 品 、 ノ b x d d n n 句

. H H 批 判 M n u 肱 仲 " 比 ・ 横山利弘 実践的指導力 道徳の時間の実践的指導力の育成(牧崎) 九 九

表 2 :道徳教育に係るアンケート(抜粋) Ga 徳教育府与法) 龍谷大学論集 道猫教育に係るアンケート 問 1 あなたの中学時代の I 道徳の時間 l の学習の内容とそれらの 4 開眼業時数に占めるおよそ の I JJt拾について答えてくださ凡儲当欄に O 印含し、割合を敏宇で容えてくださ凡} I 道徳の瑚砲 1 の内容 W ! J 合(%) 自民形ドを信掬した道徳の授業 1 1
表 3 :シラパスの概嬰 E  I 道徳教育の意義 l  l  ーなぜ、今、道徳教育なのかー l  1 皇 制 準 額 宵 の 目 標 と 内 容 一道徳教育の目標や内容はどのように示されているのかー 道徳教育の変遷 一学習指導要領における道徳教育はどのように変遷してきたのか一 道徳の時間の学習指導案 ーヤマのある授業を行うための指導案作成は、どのような手順によるのかー 道徳の時間の授業 一生徒の多様な発言を引き出すための道徳の授業はどのように工夫するのか一 学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育 一道徳教

参照

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