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の地上解像度は約 4cmである 同撮影縮尺時のDMCの地上解像度は4.8cmであり ほぼ同等 の解像力を有していることが分かる 表 -1 DMCの性能諸元 画像サイズ ピクセル ( 合成後 ) 焦点距離 PAN:120mm MS:25mm 撮影画角 74 ( 飛行方向に直角 )

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2004年9月 APA No.87-4 財団 法人日本測量調査技術協会

4.デジタル航空カメラ(DMC)の導入と運用

石 垣 智明

1.はじめに 航空測量用デジタルカメラは、技術面や価 格の問題により製品化が困難とされていたが、 この数年の間に諸問題が改善され実用化され た。弊社では2003年9月にデジタル航空カメ ラDMC(Digital Mapping Camera: Intergraph 社製)を導入した。本報告では、DMCについて、 従来のアナログ航空カメラとの比較、自動画 像マッチングへの優位性の検討を報告する。 また、利点と課題を踏まえた今後の運用につ いて述べる。 2.DMCの概要 2.1 DMCの構成 DMCは、CCDアレイを用いたエリアセンサ型 航空カメラである。図-1にカメラヘッドの 配置を示す。8つのカメラヘッドのうち中央 4つのヘッドが、7K×4Kのパンクロデー タ(PAN)、外側4つのヘッドで3K×2Kのマ ル チ ス ペ ク ト ル デ ー タ (MS: 構 成 は R/G/B/NIR)を取得する。DMCは、各カメラヘッ ドの画像を合成しアナログカメラに匹敵する 画像サイズを確保している。図-2はDMCシス テムの標準構成を示している。左側がDMCの外 観、右側の3段に積み重なっているものが大 容量記憶装置MDR(840GB)である。中央のノー トPCを用いて撮影計画データおよび取得デー タなどの確認作業を機上で行う。 図-1 カメラヘッドの配置 図-2 DMCシステム標準構成 表-1に示すように合成後の画像は、1億 画素を超える高解像力、12bit(4096階調)の多 階調のデータ生成が可能である。また、アナ ロ グ カ メ ラ の 像 ぶ れ 補 正 機 能 (Forward Motion Compensation: FMC)と類似の電子的な 画像補正機能(Time Delayed Intergration:

TDI)およびApplanix社の直接定位システム (Position and Orientation Systems: POS) を標準で装備している。表-2に撮影縮尺・ 高度・地上解像度の関係を示す。従来のアナ ログ航空カメラの場合、1/4,000縮尺による撮 影でスキャニング解像度10μmの画像データ

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の地上解像度は約4cmである。同撮影縮尺時 のDMCの地上解像度は4.8cmであり、ほぼ同等 の解像力を有していることが分かる。 表-1 DMCの性能諸元 画像サイズ 13824×7680ピクセル(合成後) 焦点距離 PAN:120mm MS:25mm 撮影画角 74°(飛行方向に直角)×44°(飛行方向) シャッター・絞り 可変式1/50~1/300秒 f/4~f/22 最短シャッター間隔 2秒 ラディオメトリック 12ビット 表-2 撮影縮尺と地上解像度 撮影縮尺 1:4,000 1:8,000 1:12,500 撮影高度 480m 960m 1,500m 地上解像度 4.8cm 9.6cm 15cm 2.2 DMCの撮影工程 撮影計画から画像合成までの処理工程を述 べる。CADを用いて作成した撮影計画のデータ を航空機に搭載されている運行管理システム (Airborne Sensor Management System: ASMS) に直接デジタルデータとして取り込む。 図-3 DMCの処理内容 GPSを用いた運行支援 機上でのデータ取り込み CADによる撮影計画 地上後処理システムによる画像合成 機上でのサムネイルによるデータ確認

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撮影飛行時には、航空機搭載のGPSと連動さ せることによって正確な位置でシャッターを 切ることが可能である。撮影データは、840GB の大容量記憶装置に格納される。撮影後に地 上の画像合成処理装置によって各カメラヘッ ドの画像の合成を行うことにより、単一のカ ラー画像データが生成される。 このように、DMCの撮影工程は、これまでの ような紙出力した撮影計画図やフィルムロー ルのようなアナログ媒体を介さず、撮影計画 から画像データの生成までデジタルデータの 受け渡しにより行われる。 3.DMC導入による効果 DMCの導入に際して、写真測量作業工程およ び色深度についてアナログ式カメラと比較し た。また、通常の空中三角測量およびPOS解析 の精度検証結果とともに、画像合成の影響に ついて報告する。 3.1 写真測量作業工程の比較 図-4にアナログおよびデジタル撮影方式 による写真測量作業工程を示す。アナログ撮 影方式によるアナログ撮影・現像・スキャニ ングの工程が、デジタル撮影方式によるデジ タル撮影のみで済むことが分かる。このよう に、大幅な工程の削減により、工期および経 費の圧縮が見込まれる。また、災害など時間 的な制約がある場合でも迅速な対応が可能と なる。 図-4 写真測量作業工程 3.2 色深度の比較 空中写真撮影では、冬季の陰影部などの明 瞭な撮影が困難なことがある。アナログ撮影 方式の場合、撮影工程により得られるデジタ ル画像の品質は、現像処理やスキャニング処 理の良否に大きく左右される。これらの工程 は、作業者の熟練度により人的較差が大きく 現れることが知られている。また、通常のス キャニングでは、機器の出力仕様により 8bit(256階調)のデータに劣化する。加えて、 フィルム自体に傷があることやスキャニング 時に埃が付着することもあるため、画像の品 質に斑が出やすい。 一方のDMCは、出力信号を劣化させずに 12bit(4096階調)で格納する。このため、太陽 光量が相対的に少ない夕刻や冬季の撮影にお いてさえ、アナログ撮影方式による画像デー タを大きく上回る色深度を保持している。鮮 明な画質は、陰影部の判読に極めて有利であ り、図化精度や作業効率の向上に寄与する(図 -5)。

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図-5 色深度の違い(左;アナログカメラ / 右;DMC) 3.3 精度検証 ①画像合成の精度検証 DMCは、4枚のパンクロ画像を合成して1枚 の画像を生成している。このため、撮影縮尺 1/8,000で約0.2ピクセルの幾何補正による誤 差を含んでいる[1]。その誤差がどの程度計測 精度に影響するのか確認する必要があった。 そ こ で 、 デ ジ タ ル 写 真 測 量 シ ス テ ム ImageStationを用いて、POS解析および空中三 角測量による精度検証を実施し、画像合成が 起因となる突出した結果が現れることがない か検証した。 図-6に示す5コース140モデル撮影縮尺 1/4,000の撮影を実施し、POS解析結果の外部 標定要素を用いたステレオモデルとVRS-GPS により設置した地上検証点(34点)を比較し た。 図-6 POS解析による撮影主点位置 表-3に水平方向および高さ方向の較差の 標準偏差と最大値を示す。公共測量作業規定 では、通常の空中三角測量の基準点残差の制 限値を、標準偏差が対地高度の0.02%以内、 最大値が同0.04%以内と規定している(バン ドル法適用時)。撮影縮尺が1/4,000であると き対地高度は480mとなる。標準偏差で0.096 m最大値で0.192mの精度が要求される。本検 証結果は、POS解析結果の外部標定要素のみの 成果でありこの制限値を満たしていない。今 後、異なる撮影縮尺でも検証することによっ て、POS解析のみの成果でどの程度の精度があ るか検証する必要がある。 表-3 検証結果(検証点数34点) 最大値 0.22m 水平(xyの合成) 標準偏差 0.10m 最大値 0.53m 高さ 標準偏差 0.17m ここで、任意の1画像を抽出しその画像が 画像合成の歪による、何らかの特出した影響 が現れるかを検証した。VRS-GPSの検証点は22

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点、4つの画像合成境界付近から外側にかけ て偏りなく配置した。図-7は、左側に VRS-GPSの検証点位置を、右側にステレオモデ ルによる計測とVRS-GPSとの残差ベクトルを 表している。残差ベクトルは、大きさ方向と もに突出した傾向が出ていないことが分かる。 図-7 VRS検証点位置と残差ベクトル 次に、図-8に示す5コース97モデル撮影 縮尺1/6,500、基準点15点の通常の空中三角測 量を行った。基準点をマニュアル観測し、パ スポイントおよびタイポイントは自動相互標 定機能で取得した。表-4に示すようにこの 精度は、作業規定の制限値を満足するもので あり、先にあげた幾何補正の精度は通常の写 真測量には十分耐えうるものであることが分 かる。これは、DMCがアナログカメラの代替え として精度的に問題がないことを示している。 図-8 空中三角測量による検証コース 表-4 DMCによる空中三角測量結果 水平(m) 高さ(m) 制限値(m) Std 0.10 0.15 0.16 Max 0.22 0.27 0.31 ②残存縦視差の状況 DMCのPOS解析結果によるステレオモデルは、 これまでの知見(アナログカメラや他のデジ タルカメラ)と比較して、残存縦視差が安定 して微小である。

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(Μm) 0 2 4 6 8 10 12 14 01 ~0 001+0 1~ 0002 01 ~0 011+0 1~ 0012 01 ~0 021+0 1~ 0022 02 ~0 005+0 2~ 0004 02 ~0 015+0 2~ 0014 02 ~0 025+0 2~ 0024 03 ~0 007+0 3~ 0008 03 ~0 017+0 3~ 0018 03 ~0 027+0 3~ 0028 04 ~0 011+0 4~ 0010 04 ~0 021+0 4~ 0020 05 ~0 003+0 5~ 0004 05 ~0 013+0 5~ 0014 05 ~0 023+0 5~ 0024 (ステレオモデル) 図-9 残存縦視差の状況 図-9は、図-6で示した5コース140モデ ルのPOS解析の成果のみによるステレオモデ ルの残存縦視差を示したものである。縦軸に 縦視差(μm)、横軸に各モデルを示している。 これまでPOS解析の成果のみによるモデルで は、半数以上のモデルで残存縦視差が20μm を超えるという報告[2]がなされている。しか し、DMCのこの例では、Max=13.3μm, Avg= 8.4μmであった。このよう良好な結果が得ら れた要因としては,1)ジャイロマウントが備 わっているためにカメラの振動が比較的小さ いこと 2)内部標定の観測誤差がないこと 3)IMUがカメラ中心の真上に近接して設置さ れていることなどが考えられる(図-10)。こ れにより、相互標定をせずにPOS解析の成果の みによる、中縮尺の図化やオルソ作成で充分 な精度を保持できる。 ③自動相互標定 DMCにより生成される12bitと8bit画像を用 いて自動相互標定を行い、それぞれの交会残 差を比較したところ、12bit画像の方が概ね 5%の精度向上がみられた。12bitと8bitに ついてタイポイントおよびパスポイントの取 得数を比較したところ精度との相関はなかっ た。したがって、取得点数には関わらず、12bit 画像を用いた方が常に正確なポイント取得が なされることが分かった。このように12bit 画像を用いることは、今後、あらゆる工程で 行われている自動化の精度向上およびフル オートメーションに寄与するものと考えられ る。 4.運用実績と課題 2003年9月の導入以来、DMCを地形図作成・ 固定資産評価・環境調査など、多種多様な業 務に利用している。また、公共測量への利用 実績もあり、利用機会は拡大する一方である。 ここで、今後の運用も考慮しデジタルカメラ の課題について整理する。 現在の航空デジタルカメラの主な課題は、 図-10 IMUの設置位置

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①画角が小さくモデルおよびコース数が増加 すること ②焦点距離(レンズ)が換えられ ないこと ③撮影間隔を2秒以下に設定でき ないことなどが挙げられる。モデル数の増加 は、公共測量作業規定に準拠した空中三角測 量を行う際の基準点数の増加を意味しており、 対空標識の設置など現場作業の増加に繋がる。 また、アナログ式カメラでは、用途によって 焦点距離f=153mm、f=210mmなどを使い分けて きた。デジタルカメラの場合、焦点距離の変 更ができないため、要求される撮影縮尺に対 して、対地高度のみで調整する必要がある。 したがって、飛行高度を下げられないような 場所では大縮尺撮影が困難となる。撮影間隔 の制限は、データ転送速度に依存し大縮尺に よる高ラップ撮影が難しくなる。 5.今後の展開 デジタルカメラのメリットは、一つにス キャニングや現像が不要なため、撮影コスト がコース数や写真枚数に比例しないことであ る。大容量の記憶装置を備えたDMCは一日の撮 影で2,200枚以上(ロールフィルム3本相当) のデータが取得できる。これらの長所は、従 来の撮影手法にとらわれることなく、広域か つ高いオーバーラップとサイドラップを適用 する撮影法[3]を可能とする。この撮影法は、 オクルージョン(建物の倒れこみによる隠蔽) を少なくできるため、図-11に示すような トゥルーオルソ(TrueOrtho)の生成に適して いる。 図-11 DMCによるOrtho(左)とTrueOrtho(右) DMCによって取得されたデータは、近赤外画 像の生成も可能であることから、地図作成以 外の分野(農業や防災など)への利用も期待 できる。 図-12に撮影縮尺1/4,000の近赤外画像を 示す。こうした近赤外画像を用いることに よって環境調査や土地利用調査などに活用で きる。写真右では、人影が認識できるのが分 かる。これまでの衛星画像データを主とした リモートセンシングで表現できない、より高 解像度のデータを必要とするような分野への 利用も可能であると考えている。 図-12 海岸の近赤外画像

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6.まとめ 本報告では、DMCの紹介から導入時の精度検 証結果、今後の展開について述べた。 航空デジタルカメラの導入は、スキャンレ ス(工程削減)のみならず、図化判読の向上、 自動相互標定の精度向上、新たな市場への利 用など多くの可能性が期待できる。 アナログ解析図化機がデジタル図化機に置 き換わったように、近い将来、アナログ航空 カメラは急激にデジタル航空カメラに取って 換わられていくであろう。 今後、デジタル航空カメラの進化とともに、 取得できるデータの解像度やバンド数も変化 するだろう。高品質なデータのメリットを最 大限に活かすための処理環境の整備も重要で ある。 (※国際航業株式会社) 参考文献

[1] Tang L, Doerstel C, Jacobsen K, Heipke C, Hinz A; GEOMETRIC ACCURACY POTENTIAL OF THE DIGITAL MODULAR CAMERA, ISPRS, Vol.XXXⅢ, Working Group Ⅰ/3, 2000 [2] 内田修・織田和夫・真屋学・土居原健:POS撮影精度

管理法、APA No85-3 p23~p45、2003.9

[3] 大山容一・南義彦・村井俊治:デジタル航空測量に 適した撮影手法の提案、応用測量論文集p45~p49、2004.6

参照

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