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老年看護学教育プログラムが看護学生の高齢者イメージ形成過程に影響する要因(第1報) : 1 年次から2 年次における老年看護学授業前後の比較 (研究ノート)

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Academic year: 2021

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(1)人 間 看 護 学 研究. 8:35-45(2010). 35. 研 究 ノー ト. 老年 看護 学教育 プログ ラムが看護 学生 の 高齢 者 イ メー ジ形成 過程 に影 響 す る要 因(第1報) ∼1年 次から2年 次における老年看護学授業前後の比較∼. 畑野. 相子 、北 村. 隆子 、安 田. 滋 賀県 立大 学. 千寿. 人 間看 護 学 部. キー ワ ー ド 高 齢 者 イ メ ー ジ、 看 護 学 生 、 老 年 看 護 学 、教 育 プ ロ グ ラ ム. 1.緒. ンで第34回 世 界 医 師 会 総 会 が 開催 され、 そ こで 採 択 さ れ. 言. た 「患 者 の権 利 に関 す る リス ボ ン宣 言 」 が 基 本 と さ れ て 我 が 国 は急 激 な速 さで 高 齢 社 会 を迎 え、2025年 に は超. い る3)。 ま た、 高 齢 者 のQOLを. 高 め るケ ア につ いて は、. 高 齢 社 会 の ピ ー ク が く る と推 計 さ れ て い る1)。2006年 度. 1991年 に国 連 総 会 で 決 議 され た 「高 齢 者 の 国 連 原 則 」 が. 国 民 生 活 基 礎 調 査 に よ る と、 有 訴 者 の状 況 は 、65歳 以 上 で は約 半 数 とな っ て い る1)。 通 院 者 率 は、 年 齢 が 高 くな. 基 本 的 姿 勢 と され て い る。 そ の 中 で うた わ れ て い る 原 則 は、 ① 尊 厳 の 原 則 、 ② 自 己実 現 の 原 則 、 ③ 参 加 の原 則 、. る に従 って 上 昇 し、65歳 以 上 で は6割 以 上 の者 が 通 院 者 と な つて い る。2007年 患 者調 査 に よ る と推 計 入 院 患 者 数. ④ 自立 の 原 則 、 ⑤ ケ アの 原 則 の5つ で あ る2)。 高 齢 者 ケ アの基 本 的 姿勢 や看護 の質 に は看 護 者 が持 つ 高齢 者 イ メー. は146万 人 で 、 年 齢 別 に み る と65歳 以 上 が約6割. ジが 関連 して い る と言 わ れ て い る。. を 占め. て い る。 この よ うな社 会 背 景 の 中 で高 齢 者 へ の 看 護 は ま. しか し、 超 高 齢 社 会 に突 入 しよ う と して い る一 方 で 、. す ます 必 要 性 を増 して い る。. 学 生 を取 り巻 く背 景 は、 核 家 族 化 が進 み 、 高 齢 者 と の接. 老 年 看 護 の専 門性 は早 くか ら存 在 して い た が 、 老 年 看 護 学 の歴 史 は約20年 とま だ 浅 い2)。1950年 以 前 は結 核 や. 触 が な い学 生 が 増 加 して き て い る。 こ の よ うな 学 生 が 、. 感 染 症 が 死 因 の上 位 を 占め 、 急 性 期 看 護 が老 年 看 護 よ り. き る た め に、 高 齢者 イ メ ー ジを よ りよ く形 成 して い く こ. も重 要 視 さ れ て い た 。 歴 史 的 に み る と、 ア メ リカ で は. と は葵匡しい 。. 1960年 頃 か ら老 年 看 護 を 専 門 領 域 と見 な す動 きが 始 ま っ. 高 齢 者 を理 解 し、 高 齢 者 の 尊 厳 を踏 まえ た看 護 が 思 考 で. 本 学 に お け る現 行 の 老 年 看 護 学 の科 目構 成 を 図1に 示. た。 我 が 国 に お け る老 年 看 護 の専 門性 が 着 目 され る よ う. した。1年. に な った の は1980年 頃 で あ る。 そ れ ま で は成 人 看 護 学 の. オ ム ニ バ ス)で. 中 に含 ま れ て お り、 老 人 看 護 学 と して成 人 看 護 学 か ら独. 年 次 前 期 の 「発 達 看 護 論N演. 立 した の は1990年 の基 礎 看 護 教 育 カ リキ ュ ラ ム改 正 時 で. は老 年 期 の成 熟 と衰 退 にっ い て学 び、 同 じ く2年 次 前 期 の 「臨 床 看 護 論n」(1単 位 、30時 間 、 オ ム ニ バ ス)で. あ る。 この改 正 で 、 老 人 看 護 が 学 問 と して 確 立 す る速 さ. 次 後 期 の 「発 達 看 護 論II」(1単. 位 、30時 間 、. は老 年 看 護 学 概 論 を15時 間 学 習 す る 。2 習 」(1単. 位 、30時 間)で. が 加 速 化 し、1995年 に 日本 老 年 看 護 学 会 が 発 足 した 。. は老 年 看 護 学 の 理 論 と考 え方 を15時 間学 習 す る。3年. 1996年 に保 健 婦 助 産 婦 看 護 婦 養 成 所 指 定 規 則 の 一 部 が 改. 前 期 に 「老 年 臨 床 看 護 演 習 」(30時 間 、1単. 正 さ れ、 老 人 看 護 学 か ら老 年 看 護 学 へ と改 め られ た2)。. て理 論 と看 護 技 術 を 結 びつ け て学 習 す る。 同 じ く、3年. 老 年 看 護 学 で 大 切 な こ と は、 高 齢 者 の尊 厳 を守 り、 生 活 史 を把 握 し、 そ の 延 長 で 生 活 が で き るよ う支 援 す る こ とで あ る。 患 者 の 権 利 擁 護 に つ い て は 、1991年 に リス ボ. 位)を. 次. 通 し. 次 前 期 の 「発 達 看 護 論 実 習 」(2単 位 、90時 間)で は、 高 齢 者 の 成 熟 と衰 退 の 理 解 と対 応 方 法 につ い て 学 習 し、 3∼4年. 次 の 「老 年 臨 床 看 護 論 実 習 」(2単. 位 、90時 間). で は、 そ れ ま で に学 ん だ 知 識 と技 術 を統 合 して 看 護 過 程 2009年9月30日. 受 付 、2010年1月9日. 連 絡 先:畑. 相子. 野. 滋賀県立大学人間看護学部 住. 所:彦. 根 市 八 坂 町2500. e-mail:ahatano●nurse.usp.ac.jp. 受理. を展 開 す る。 さ らに、4年 位 、135時 間)で. 次 前 期 の 「統 合 実 習 」(3単. は、 実 習 全 体 を 通 して の 課 題 を 明 確 に. し、 課 題 追 求 の た め に学 生 自 らが実 習 計 画 を た て看 護 実 践 を す る。.

(2) 36. 畑野  相 子. 各 年 次 に お け る教 育 プ ロ グ ラ ムが 、 学 生 の 高 齢 者 イ メ ー ジに ど の よ うな影 響 して い るか を把 握 して い く必 要 が あ る。 そ して 、4年 間 を 通 して 、 看 護 学 生 の 高 齢 者 イ メ ー ジの構 築 過 程 とそ れ に関 連 す る教 育 内容 を 明 らか にす る. Ⅱ .研 究 方 法 1.調. 査対象. 本 学 人 間 看護 学 部 の2008年 度 入 学生60人 を対 象 と した。. こ と は、 カ リキ ュ ラ ム改 正 を 目前 に した 現 在 、 大 変 意 義 の あ る こ と と考 え る。 そ こで 、 本 研 究 で は、 そ の第1報 と して、1年. 次 か ら2年 次 の 学 生 の高 齢者 イ メ ー ジの変. 2.研. 究期 間. 2008年11月. か ら2009年7月. 遷 過 程 を 把 握 し、 教 育 内 容 と高 齢 者 イ メ ー ジの 関 連 を明 確 に す る こ とを 目的 と して 検 討 を した 。. 3.調. 査方法.   研 究 ス タ イ ル は調 査 研 究 と し、4回. 調 査 を実 施 した。. 調 査 時 期 は、1年 次 後 期 の授 業 で あ る 「発 達 看 護 論ll」 の授 業 開 始 前 と終 了 時(2008年11月 と2009年1月)、2 年 次 前 期 の授 業 で あ る 「発 達 看 護 論 演 習IV」 と 「臨床 看 護 論1工(老 年)」 の授 業 開 始 前 と終 了 時(2009年4月 同年7月)と. と. した 。 授 業 前 の調 査 は、 当該 科 目の第1回. 授 業 を 開始 す る前 に調 査 用 紙 を一 斉 配 布 し、記 入 して も らい、 そ の場 で 回 収 した。 ま た、 終 了 時 の 調 査 は、 当 該 科 目 の第15回 授 業 終 了 時 に、 調 査 用 紙 を一 斉 に配布 し、 そ の場 で 回 収 した 。 4.調. 査 内容.   授 業 開始 前 の 調 査 内容 は、 対 象者 の 基 本 的 属 性 、 高 齢 者 イ メ ー ジ 形 成 に 影 響 す る と思 わ れ る 個 人 的 要 因 と して. 図1  老 年 看 護 学 の 科 目構 成. 高 齢 者 と の生 活 体 験 、 高 齢 者 に対 す る イ メ ー ジ と した 。 授 業 終 了 時 の 調 査 内 容 は、 授 業 前 に 実 施 した 調 査 内 容 に 、 老 年 看 護 学 に 対 す る 興 味 ・関 心 、 授 業 内 容 と イ メ ー ジ 変. 表1 . 1・2年. 次 にお ける 老 年 看 護 の 授 業 内容. 1年次 発達看護論H (オムニバス) 老 年期 にあ る人の 心身 の 変化 およ び社会 的状 況 を理解 し、健康 段階 に 応 じたケ アを実 践 し、高齢 者のQOLを 高 め る看藷 を学ぶ.. 科目. て 、 保 坂4)ら. 2年 次 発達看護論 演習1V. 臨床看護論演習 豆(老年)    (オムニバス) 老年の特徴的病態を理解し、急性 期・ 慢性期・ 回復期 における生活上 の問題点、QOLを高めるための看 護援助の方法 について学ぶ。. 1老 年看護 の概 念. 心身の機能の特徴 ① 廃用症候群 ② 日常生活勤作の把握と評価. 老年看護の理念 と健康問題を持つ 高齢者の理解. 2人 ロの高 齢化 と諸 問題. 身体的特徴の理解 シニァ体験. 脳血管疾患を有する高齢者の病態 と援助方法1. 概要. 高齢者の成熟と衰退に関するアセ スメント能力を高め、健康 段階に応 じた健康の保持増進 、QOLの 向上 を目指した支援を考える。理論学 習 を基盤にして、講 義、演習 、 事 例検 討等を通して学 習を深める。. 精神的機能の特徴とアセスメント   高齢者の理解(1)身体 的・3 脳血管疾患を有する高齢者の病態 ①老いの受容と適応 ②加齢 に伴う と援助方法2   生理的 ・ 心理的側面 精神t慶③精神機能 の評価   高齢者の理解(2)発達段階4課題を教材 に「心身の機能の特徴」骨 ・ 関節系疾患を有する高齢者 の   的側面 ・ 社会的側面 について討議 病態と援助方法1-一 一一一一一一一一   高 齢者 の健 康段階 に対5 コミュニ ケ ーシ ョン技 法 骨・ 関節系疾患を有する高齢者 の 病態 と援助方法2   応 した 看護   我 が国 の高齢 者保 健医 食事のアセスメントと援助技術 ①食べることの意義 ②嚥下のス 慢性心 不全を有する高齢者の病態 6療 ・福 祉対 策 テージ ③加齢と食機 能 ④おいしく と援助方法1 食べ昼ための条件と看護 一一一一一   高 齢者 看護 に用 い られ7 介護保 険等各種 サー ビス利用と家 排泄のアセスメントと援助 族支 援   る理論 睡眠のアセスメントと援助 9. 心の健康を高める支援一代替療 法一①回想法②笑いのセラピー. 10. 転倒の特徴と予防. 化、 授 業 に 対 す る感 想 を加 え た 。 高 齢 者 イ メ ー ジにっ い は 高 齢 者 イ メ ー ジ を あ ら わ す50の 形 容 詞. を 精 選 して い る。 そ の 後 、 小 泉5)や. 大 谷6)や. 守 屋7)ら. の 研 究 に よ り高 齢 者 イ メ ー ジ が 修 正 さ れ て い る が 、 定 ま っ た もの はな い。 そ こで、 高 齢 者 イ メ ー ジを あ らわす 形 容 詞 と し て 、 大 塚7)ら 用 い ら れ て い る15項. が 研 究 に用 い て い る一 般 的 に よ く 目 を 用 い た(図2)。. の ス ケ ー ル に っ い て は 、Semantic  (意 味 的 微 分 法 、 以 下SD法. イ メ ー ジ測 定. Differentia!Method. と す る)を. 用 い た 。 「評 点6」. に 「尊 敬 で き る 」 「役 に 立 っ 」 な ど の 肯 定 的 表 現 を 、 「評 点1」. に. 「尊 敬 で き な い 」 「役 に 立 た な い 」 な ど の 否 定. 的 表 現 を お い て6段. 階評 価 と した。 老 年 看 護 学 に対 す る. 興 味 ・関 心 に つ い て は 、Visual  Analogue  VAS法. と す る)を. Scale(以. 下. 用 い た 。 授 業 内 容 とイ メ ー ジ変 化 に. つ い て は 、 授 業 内 容 を 代 表 す る キ ー ワ ー ド15個 を 精 選 し、 そ れ らの 内 容 が 高 齢 者 イ メ ー ジ に 肯 定 的 に 影 響 し た の か 否 定 的 に 影 響 し た の か をVAS法. を用 い て測 定 した。. 11. 生 活1ル 、ビリテー シ ョン 、ICFとICIDH. 12. 認知症の理解(1). 13. 認知症の理解(2) ビデオフオーラム. 5.分. 14. アクティビティケアの基本と実際.   各 年 次 に お け る講 義 ・演 習 の 前 後 の イ メ ー ジ の 変 化 お. 15. 高齢者の健康問題 の現状と課題. よ び そ れ に 影 響 す る要 因 を 分 析 し た 。 ① 属 性 と イ メ ー ジ. 析方法. の 関 連 に はX2検. 定、   Kruskal . Wallis検. 定 、  Mann一.

(3) 老年看護学教育プログラムが看護学生の高齢者イメージ形成過程に影響する要因(第. 615. 11 4 13 2. 3 7. 1報). 皿.結果. -尊敬できる. -尊敬できない. -役に立つ. -役に立たない. -努き. -嫌い. 1.対象者の属性. 9人(回収率 9 8 . 3 % ) であった。 そのうち 回収数は 5 2人 ( 3 7 . 3 % ) であった。高齢者 同居経験がある学生は 2 と話す機会が「よくある」と回答した学生は、 l年次で 1 1人 ( 1 8 . 6 % )、 2年次で 1 4 人 ( 2 3 . 7 % ) であった。同居 しているあるいは同居経験がある学生のうち、話す機会 が「よくある」と回答した学生は 9人 ( 4 0 . 3 % ) であっ た 。. -明るい. •H 音 し 、. -積極的. -消極的. -さっそうとしている. -みじめ. -強い. -弱い. -あたたかい. -冷たい. -優しい. -厳しい. -上品. -下品. -思いやりがある. -思いやりがない. -プライドが高い. -プライドが低し、. -きれい. -汚い. 同居していない. -素直. -頑闘. 過去にしていた. -考えが新しい. -考えが古い. 表 2 同居経験の有無 (単位人) 人数. その{也 合計. 図 2 高齢者イメージ. 割合. 1 5 3 5 7 2 5 9. 同居している. 4 % 2 5. 5 9 . 3 % 1 .9 % 1 . 4 % 3 1 0 0 . 0 %. 表 3 高齢者と話す機会. W h i t n e y 検定を用いた。②学習前後のイメージの変化の 検定には、 W i l c o x o nの符号付き順位検定を用いた。③. l 年次 人数. 学習内容が高齢者イメージに及ぼす影響と老年看護学に 対する興味関心との関連の検定には一元配置分散分析を PSS1 4 . o jf o rWindowsを用い、 用いた。統計ソフトは S 以下とした。 有意確率は 5%. よくある 時々ある ほとんどない 全くない 合計. 6 . 倫理的配慮 研究対象者に対して、研究の意義、目的、方法を文書 により説明した。併せて、参加は自由であること、参加 を拒否しでも不利益を被ることはないこと、参加を途中 で中止することも可能であること、成績とは一切関係が ないこと、調査内容は目的以外に利用しないこと、結果 を論文として発表するに当たっては倍人が特定される記 載は一切しないこと、終了後は'清報を破棄することを伝 え、同意を得た。同意が得られた学生には回答してもら い、同意が得られなかった学生には白紙にて提出しても らった。 なお、実施にあたっては滋賀県立大学研究に関する総 2 0 0 8 年1 1月1 8日、第 8 8 号) 理審査委員会の承認を得た。 (. 1年次・ 2年次における授業開始前と終了時の高齢者 イメージは表 5に示した。 1年次における授業開始前と終了時の高齢者イメージ 変化では、「さっそうとしている-みじめ」の項目は授 業開始前より授業終了時の方が低得点になっていたが、 それ以外の項目はすべて授業開始前より授業終了時の方 素直一 が高得点であった。その中でも「強い-弱い JI 頑固JI 考えが新しい一古い」の 3つイメージにおいて、 授業開始前より授業終了時の方が有意に高得点、であった。 2年次における授業開始前と終了時の高齢者イメージ変. 単 位 : 人 () は %. }-%%. ヲ ro- ハリU F h u ハH u n けv h L - F h υ Aせ. 幽. hνレ. nuHH. 2 ( 5. 4 % ). 寺一 1 1. 同居経験なし. 9 ( 4 0 . 3 % ). 々一口氏. 同居中又は同居経験あり. 1 4 2 3 . 7 % 2 2 3 7 . 3 % 2 2 3 7 . 3 % 1 1 .7 % 0 0 . 0 % 5 9 1. 2 . SD法による高齢者イメージ. 表 4 同居と話す機会の関連 よくある. 割合. 1 1 1 8 . 6 % 2 6 4 4 . 1 % 1 9 3 2 . 2 % 5 . 1 % 3 5 9 1 0 0 . 0 %. (単位人) 2 年次 割合 人数. ほとんどない. 全くない. 2 ( 9 . 1 % ). 0 ( 0 % ). 1 7 ( 4 5 . 9 % ). 3 ( 8 . 1 % ). 有意確率. P = O . O O l.

(4) 3 8. 畑野栢子. 化では、「明るい一暗い JI さっそうとしている一みじめ」 「強い一弱い JI 優しい-厳しい JI きれい-汚い JI 考え が新しい-古い」の 6つのイメージにおいて、授業開始 前より授業終了時の方が高得点であったが、有意な差は 見られなかった。その他の高齢者イメージは、授業開始 前より授業終了時の方が低得点であった。. 1年次における授業開始前と 2年次の授業終了時のイ メージを比較すると、「強い一弱い JI プライドが高い低い JI 素直一頑悶JI 考えが新しい-古い」の 4つのイ メージにおいて、 l年次の授業開始前より 2年次の授業 終了時の方が高得点であった。その他の高齢者イメージ は、すべて 2年次の授業終了時の方が低得点であった。. 表 5 各年次における高齢者イメージの評価. イメージ ①尊敬できる ②役に立つ ③好き ④明るい ⑤積極的 ⑥楓爽としている ⑦強い ⑧あたたかい ⑨優しい ⑩上品 ⑪思いやりがある ⑫プライドが高い ⑬きれい ⑬素直 ⑮考えが新しい. l 年 次 I 授業目J 授業後 有 確意 率 標準偏差 標準偏差 点数 点数. 4 . 9 3 4 . 3 3 4 . 5 9 4 . 3 5 3 . 7 6 3 . 9 3 3 . 2 0 4 . 9 8 4 . 8 0 4 . 1 5 4 . 6 3 4 . 0 9 3 . 8 3 2 . 8 9 2 . 2 6. 0 . 8 0 0 . 9 3 0 . 8 1 0 . 6 5 1 .1 0 0 . 8 7 1 .3 1 0 . 7 1 0 . 8 3 0 . 6 8 0 . 8 1 0 . 9 7 0 . 6 1 1 .0 4 0 . 8 6. 5 . 0 0 4 . 3 7 4 . 7 4 4 . 4 1 3 . 9 2 3 . 8 0 3 . 6 0 5 . 0 0 4 . 8 7 4 . 2 0 4 . 6 9 4 . 2 8 3 . 9 3 3 . 3 0 2 . 6 6. 0 . 7 0 0 . 8 2 0 . 6 5 0 . 7 9 0 . 8 6 0 . 9 0 1 .2 3 * 0 . 8 7 0 . 9 5 0 . 7 1 0 . 7 7 1 .0 3 0 . 6 0 0 . 9 3 キ* 1 .0 0 * *. 2 授業部 標準偏差 点数. 4 . 8 3 4 . 1 3 4 . 6 1 4 . 2 1 3 . 7 9 3 . 5 7 3 . 3 3 4 . 9 1 4 . 6 4 4 . 1 6 4 . 6 0 49 4. 3 . 7 2 3 . 0 9 2 . 4 8. 0 . 7 2 0 . 9 2 0 . 7 4 0 . 6 9 0 . 9 7 0 . 8 6 1 .1 3 0 . 7 8 0 . 9 8 0 . 8 4 0 . 9 1 0 . 9 1 0 . 6 9 1 .2 2 0 . 9 9. 年. 次. 授業後 有確 意 率 標準偏差 点数. 4 . 7 1 4 . 0 1 4 . 5 7 4 . 2 2 3 . 7 0 3 . 7 0 3 . 5 9 4 . 6 8 4 . 5 3 3 . 9 7 4 . 5 0 4. 49 3 . 8 6 3 . 0 7 2 . 6 9. 0 . 7 5 0 . 9 7 0 . 7 4 0 . 8 2 0 . 8 7 0 . 7 7 1 .0 4 0 . 9 2 0 . 9 5 0 . 8 8 0 . 9 8 0 . 8 7 0 . 7 4 1 .1 0 0 . 8 9. ②. ① ③ (注) 点数が高いほど肯定的イメージ. 3 . 属性と高齢者イメージとの関連 同居経験、話す頻度と高齢者イメージとの関連はみら れなかった。. 4 . 授業内容と高齢者イメージとの関連 1) 1年次における教育内容と高齢者イメージの関連は 表 6に示した。これは、授業内容を表すキーワード① から⑮が、学生の高齢者イメージに「変化なし Jを中 +J、否定的に 心におき、肯定的に影響した場合を I 影響した場合を「一」として、 VAS 法で評価したも 否定的になったと回答した学生(のである o 100mm 1 0 0と表示)から、 100mm 肯定的になったと回答した 学 生 (+ 100と表示)があった。平均値を見ると、否 定的イメージに影響していた授業内容は 4つあり、否 定的影響が大きい願に「高齢者虐待JI 身体拘束JI 生 身体的変化」であった。肯定的イメー 活不活発病 JI. 1で、肯定的影響が大きかっ ジに影響した授業内容は 1 た上位 3つの授業内容は「健康づくり JI 福祉対策」 「介護保険法」であった。 2 ) 2年次における授業内容と高齢者イメージの関連に ついては表 7に示した。これは、 2年次前期の「発達 V J の授業内容①から⑬が、学生の高齢者 看護論演習 I イメージに肯定的に影響したか否定的に影響したかを 人数で示したものである。高齢者イメージに肯定的に 0 元以上の学生が回答した授業内容は、 影響したと 7 笑いのセラピー JI 認知症の 「アクティビティケア JI 理解」であった。逆に、高齢者イメージに否定的に影 響したと 3 0 %以上の学生が回答した授業内容は、「摂 食・礁下JI 排池JI 廃用症候群JI シニア体験Jであっ. f こO. 3 ) 2年次における「発達看護論演習 I V J の授業内容に 対する興味・関心を表 8に示した。これは、授業終了.

(5) 3 9. 老年看護学教育プログラムが看護学生の高齢者イメージ形成過程に影響する要因(第 1報 〉. 表6. N=59 差一 j 偏一川. 最大値. 最小値. 準一叫却 標 一. 授業内容. 平均値. -42. 1 0 0. 3 0 . 9 8. 加齢. 1 0 0. 1 0 0. 2 3 . 0 9. 41 4 7.. 老化. -100. 1 0 0. 1 0 . 1 4. 4 7 . 7 9. 身体的変化. -100. 1 0 0. -5.8. 5 0 . 3 6. 精神的変化. 1 0 0. 1 0 0. 7 . 6 6. 5 3 . 0 8. 高齢者J心理. -96. 1 0 0. 1 5 . 2 2. 4 6 . 3 6. 老いへの適応. -56. 1 0 0. 2 5 . 9 3. 4 5 . 0 6. 高齢者の健康. -100. 1 0 0. 1 8. 48. 4 8 . 8 2. 1 0 0. 5 3 . 3 6. 3 6 . 8 2. 平均寿命. ハ u. ο q. ①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑬ 表7. 1年次における授業内容と高齢者イメージの関連. 健康づくり対策 福祉対策. -100. 1 0 0. 3 6 . 9 8. 4 5 . 5 8. 介護保険法. -100. 1 0 0. 3 2 . 2. 4 9 . 3 8. 高齢者看護と理論. -100. 1 0 0. 1 2 . 3 4. 4 6 . 2 8. 身体拘束. -100. 1 0 0. -30.78. 5 9. 47. 高齢者虐待. -100. 1 0 0. -41 .97. 5 9 . 2 7. 生活不活発病. -100. 1 0 0. -26.85. 5 4. 42. 2年次における授業内容と高齢者イメージの関連. -oO. 圃. ーよりム. 円. ベ n o η L F b huoOハ U Aせ 0000 にυ ハU F b o o nU U. 円べ. ベ Q U 1 i 1 i Q υ ょ RU/1っ u qU. ハ ω一弘 ZFh・仏丘町ふ1 L L a 2 . a ι L L な. Eta! 聞. 伺 謹 一 一 嗣 ft¥. 影一一. 的一)一. 一 数 一. 1i. Q U A吐 門i. 定 一 人 一 一 - (同m 71η 3 2 9 1 0 1 9 1 9 4 11 4 70 りんのム ムワム i -Jl-. 不コ. 一 実. 山. anふ 仕. 氏U. Q. hu-ηi ハ huponoqunLQU 門 i n L n O 只 u n 6 n A にυ 寸 iQU. ノ. ④排池アセスメント ⑤精神機能の特徴 ⑥回想法 ⑦笑いのセラピー ⑧ ICF ⑨転倒予防 ⑬廃用症候群 ⑪認知症の理解 ⑫認知症のビデオ ⑬高齢者インタビュー ⑭睡眠の特徴 ⑮生活リハビリ ⑬アクティビティケア. 旦尽山一. ③摂食・鴨下. 塑 〓σ - 1 4 4 a Z 1 ι 1 ι a L 乱 i 立円四 -A吐 4 ムワム Q U F b ρ 0 η I A吐 A 吐 っ け 氏 U 門. 評錨 ① ADL・IADL ②シニア体験. 的一)一 定 一 人 一 一 き弓ウーニ 1iQU 氏u n A A吐 FhunU1inunA ハU 氏UFOFhUQunu J J 数 一3 2 1 2 3 4 5 3 3 2 4 4 4 2 2 5 実 一. 授業内容. N=59 影響なし 実数(人) 1 6 5 1 5 1 1 1 1 9. 5 2 2 1 6 1 2. 6 5 9 1 6 2 0. 5. (%) 2 4 . 6 7 . 7 2 3 . 1 1 6 . 9 1 6 . 9 1 3 . 8 7 . 7 3 3 . 8 2 4 . 6 1 8 . 5 9 . 2 7 . 7 . 1 3 . 8 2 4 . 6 3 0 . 8 7 . 7. 後に興味・関心が「全くなし J を IOJ とし、「大い. ると、興味・関心が 70mm 以上の授業内容は、「笑い. 法で測定したもの にある」を 1100mmJ とし、 VAS. 認 知 症 の 理 解 JI 回想法 JIアクティビ の セ ラ ピ -J I. である。興味・関心は、全くないの IOJ から大いに. シニア体験Jであった。 ティケア JI 4) 2年次における「臨床看護論 n (老年 )J の 授 業 内. あるの 1100mmJ までの幅がみられた。平均値でみ.

(6) 4 0. 畑野相子. 表 8 学習内容に対する興味関心 授業内容 ① ADL・IADL評 価 ②シニア体験 ③摂食・嚇下 ④ 排准アセスメント ⑤精神機能の特徴 ⑥回想法 ⑦笑いのセラピー ③ I CF ⑨転倒予防 ⑮廃用症候群 ⑬認知症の理解 ⑫認知症のビデオ ⑬高齢者インタピ、ュー ⑭睡眠の特徴 ⑬生活リハビリ ⑬ アクティゼティケア. 度数. 最小値 10 17 24 1 1 5. 54 55 54 55 52 55 55 55 55 54 53 55 55 55 55 55. 。. 30 1 1 28 9 49 19 40 48 27 49. 最大値. 平均値. 90 99 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100. 5 7 . 8 5 7 5 . 4 4 6 3 . 9 8 6 0 . 0 7 6 8 . 2 5 7 7 . 8 2 80.98 6 2 . 0 5 11 68. 6 7 . 3 7 7 8 . 5 5 7 9 . 9 6 .76 71 6 4 . 5 1 6 2 . 9 1 7 6 . 2 9. 標準偏差 1 7 . 6 0 1 7 . 3 3 1 6 . 9 7 1 7 . 7 3 2 0 . 1 6 1 8 . 5 3 48 1 6. 1 9 . 4 2 1 6 . 9 1 2 0 . 1 8 1 5 . 2 6 1 7 . 2 1 1 7 . 6 9 1 4 . 5 4 1 5 . 9 8 1 5 . 7 6. 容と高齢者イメージとの関連を表 9に示した。肯定的. する興味関心度を表 1 0に示した。これは、老年看護学に. イメージに影響した内容は、自力で努力する高齢者の. 対 す る 興 味 ・ 関 心 が 「 全 く な い Jを. 姿勢や援助の可能性等であった。否定的イメージに影. 「大いにある Jを. 響した内容は、身体機能の低下や病気等が多くなるこ. のである O 授業後の興味・関心は平均 7 3 .44mmであり、. と等であった。. 老年看護学に対する興味・関心は授業開始前に比べて授. i0mmJ とし、 i 1 0 0 m m J とし、 VAS法で測定したも. 業終了時の方が有意に長くなっていた。. 5 . 老年看護学に対する興味・関心度 2年次における授業開始前と終了時の老年看護学に対 表 9 臨床看護論 I I (老年)が高齢者に及ぼす影響 肯定的イメージに影響した内容 ・高齢であっても援助でよくなることができる -援助の工夫をすれば、できないとかんがえら れることでも出来るようになること -自発的に排尿しようとしたり、すべての介助 を必要としない姿勢( 3件) -認知にっし、て -積極的に治療する姿 .素直さ ・自力で試みる姿勢. 否定的イメージに影響した内容 3件) .両齢者は転倒リスクが高いこと ( ・病気が多し、こと ( 6件) -身体的に弱ってきているから、すぐに怪我をした り、病気をしたりする -廃用症候群 ( 2件) -さまざまな喪失体験があること .筋力低下 (4件) 排f 世の援助を受けることで、自分を否定的に 考えることがあること -自尊心を失いがちになること ( 2件) . 1つの病気から様々な病気を引き起こしゃすい .老化 ( 2件) ・看護問題で起こりうるさまざまなリスク .機能低下 ・セルフケア不足 ・病気をした後、弱気になる. 表1 0 2年次における学習内容に関する関心度の変化 平均値 授業前の興味・関心 授業後の興味・関心. N=54. 標準偏差 平均値の標準誤差 有意確率 68.74 48 2 . 7 9 20. P=0.042 73. 1 8 . 0 5 44 2. 46.

(7) 老年看護学教育プログラムが看護学生の高齢者イメージ形成過程に影響する要因(第 1報). 6 . 授業内容が高齢者イメージ!こ与える影響 授業内容が高齢者イメージに与える影響を表 1 1に示し た。授業内容が、高齢者イメージに肯定的に影響したの か、否定的に影響したのかを VAS法で測定し、平均値 を示したものである。「認知症の理解Jの授業内容は、 高齢者イメージに肯定的な影響が脊意に認められた。 「摂食・聴下」の授業内容は、高齢者イメージに否定的 な影響が脊意に認められた。. I V .考 察 老年看護実践に高齢者イメージが関連していると言わ れていることから、よりよい高齢者イメージを形成する ことが老年看護の質に影響する。そこで、第 1段階とし て 、 1年次から 2年次にかけての学生の高齢者イメージ の形成過程と高齢者イメージに影響する要因について考 察した。. 1.学生の高齢者イメージの実態 表 5より、 1年次から 2年次にかけての高齢者イメー ジを示す形容詞対 4点以上は、 1年次の授業開始院と終 了時とも「尊敬できるーできない JI 役に立つ一立たな いJI 好き-嫌い JI 明るい 培い JI あたたかい-冷た いJI 上 品 下 品 JI 思いやりがあるーない JI プライド が高い-低い」の 9項目で、 2年次の授業開始前も同様 の 9項目だったが、授業終了時は「上品-下品」が 3点. 41. 台になり 8項目になっていた。 2年次の授業終了時に 「上品 Jが 3点台になっていたが、 1年次から 2年次に かけての肯定的高齢者イメージは、あまり変化しないこ とが示唆された。大谷 6) らが報告して いる大学生の高 p. 齢者イメージは、「消極的JI 弱い JI 頑毘JI 考えが古い」 の 4項目が 2点台であり、「あたたかい JI 積極的 JI 好 フ。ライドが高い」の 4項目が 4点台を示している O きJI これと比較すると、本学の学生のイメージの方が肯定的 と言える O 肯定的イメージ内容を分析すると「尊敬でき るJI 役に立つ JI 好き」は、高齢者を概観し評価的にみ て形成されるイメージである。また、「あたたかい JI 上 品JI 思いやりがある」は高齢者としての円熟性を感じ て形成されるイメージである。「明るい Jは高齢者の活 動性から形成されるイメージである。「プライドが高い」 は高齢者と接してその関係性の中で形成されるイメージ である。逆に、高齢者イメージを示す形容詞対 3点 以 下 さっそうとしている一みじめ」 は、「積極的-消極的 JI 「強い-弱い JI きれい一汚い JI 素直一頑固 JI 考えが新 しい-古い Jの 6項目であった。すなわち、学生が抱い ている高齢者イメージは、「消極的 JI みじめ J1~53 い」 「汚い JI 頑固 JI 考えが古い J と否定的に傾いていると いえる。否定的イメージ内容を分析すると、「消極的J f みじめ JI 弱い」は高齢者の活動性から形成されるイメー ジである。「汚い j は、高齢者を概観して形成されるイ メージである o I 頑掴 JI 考えが古い」は、高齢者と接し て、その関係性の中で形成されるイメージである O 以上. 表1 1 授業内容が高齢者イメージに与える影響と老年看護学に対する興味の関連 肯定的 ADL, IAD否定的 L評 価 影響なし J. ーア体 肯定的 一 否定的 験 影響なし. 摂食・礁 肯定的 否定的 下 影響なし. 排世アセ 肯定的 スメント 否定的 影響なし. 精神機崎恥 肯定的 否定的 の特徴 影響なし 肯定的 回想法否定的 影響なし 笑いのセ肯定的 ラピー 影響なし 肯定的 ICF 否定的 影響なし. 平均値度数標準備差有意確率 7 5 . 5 5 3 1 1 5 . 3 7 7 3 . 2 9 2 2 . 8 8 7 7 0 . 6 3 1 6 2 0. 40 7 0 . 5 2 2 9 1 7 . 6 3 7 9 . 1 0 2 1 1 6 . 1 0 2 3 . 3 9 6 5 . 8 0 5 71 .6 3 1 6 1 5 . 3 1 1 7 . 9 8p = 0 . 0 4 7 9. 43 2 3 6 4 . 7 3 1 5 1 7 . 5 8 71 .2 3 2 2 1 8 . 5 8 7 5 . 0 5 2 2 2 0 . 6 4 7 4 . 2 7 1 1 9 . 5 7 1 2 . 9 7 7 4. 44 3 4 7 2 . 8 9 9 2 8. 46 7 2 . 5 5 1 1 21 .5 8 7 4 . 7 3 4 5 1 6 . 1 9 9 8 . 0 0 6 3 . 7 8 9 2 3 . 0 2 7 3 . 1 2 5 0 1 8 . 6 4 7 5 . 8 0 5 7 . 6 0 7 7 . 2 3 3 1 1 6 . 0 1 7 5 . 0 0 1. 6 8 . 9 1 2 2 1 9 . 7 0. 転倒予 防. 廃用症 候群. 肯定的 否定的 影響なし 肯定的 否定的 影響なし. 認知症肯定的 の理解否定的 ( 1 ) 影響なし 認知症肯定的 の理解否定的 ( 2 ) 影響なし 両齢者イ肯定的 ンタ 否定的 ビ、ュー 影響なし 睡眠の 特徴. 肯定的 否定的 影響なし. 生活リハ肯定的 ピ リ 否定的 影響なし アクァィ肯定的 ゼティケ影響なし. 平均値度数標準偏差有意確率 7 5 . 6 3 3 0 1 4. 4 4 7 5 . 0 0 9 2 3 . 2 9 48 0. 6 8 . 1 9 1 6 2 71 .5 0 2 2 1 4 . 9 9 7 6 . 2 4 2 1 21 .2 7 71 .7 5 1 2 1 7 . 1 5 7 3 . 1 3 4 0 1 6 . 1 7 6 8 . 3 3 9 2 6 . 0 3 8 2 . 5 0 6 1 3 . 6 9 7 3 . 6 7 4 6 1 6 . 0 9 7 . 7 7p = O . O l 5 2 . 2 5 4 2 8 7. 40 .7 0 5 11 7 3 . 6 9 4 5 1 7 . 7 2 7 6 . 0 0 71 .44 9 2 0 . 6 7 71 .2 8 2 5 1 6 . 8 3 8 0 . 8 6 1 4 1 9 . 6 6 7 0 . 0 6 1 6 1 7 . 1 1 7 7 . 1 4 2 8 1 8 . 0 0 7 2 6 6 . 7 1 3 . 5 1 7 0. 40 2 0 1 5 . 1 1 7 4 . 2 2 5 0 1 7 . 8 0 6 4 . 8 0 5 1 8 . 3 8.

(8) 4 2. のことから、学生の高齢者イメージ形成は、評価的に概 観して形成されるイメージは肯定的となり、逆に、活動 性から形成されるイメージは否定的となっていることが 考えが新しい-古い」 示唆された。また、「素誼-頑国JI 「プライドが高い一低い Jなど高齢者と接し、その関係 性の中で感じることにより形成されるイメージは、どの ような高齢者と接するかにより肯定的にも否定的にもな ると考えられる。 l年次において、授業開始前より授業終了時に有意に 高得点になっていた形容詞対は「強い一弱い JI 素直一 頑固JI 考えが新しい-古い Jであった。この 3項自は、 有意に高得点に変化していたが、「強い-弱い JI 素誼ー 頑田 Jの平均点は 3点台、「考えが新しい-古い」の平 均点は 2点台で、否定的イメージに傾いている o I 強い一 弱い」は、活動性から形成されるイメージである。「素 直一頑固 JI 考えが新しい一吉い」は、高齢者と接じ、 感じる中で形成されるイメージである。学生が高齢者を イメージする場合、思い浮かべるのは「祖父母」が約 7 割であるとの先行研究があるようにヘ祖父母の影響が きし可。しかし、同居経験や話す頻度と高齢者イメージ において関連は見られなかった。 1年次の授業開始前と 2年次の授業終了時の高齢者イ メージを示す形容詞対を見ると、「素謹一頑固 Jが 2点 台から 3点台になり、「上品一下品」が 4点台から 3点 台になっているが、有意な差はなかった。古城ら 9) の 強い J というイメージが 研究においては「やさしい JI 素直一頑固 JI 上 有意に高くなったと報告されている o I 品一下品」は高齢者と接する中で円熟性を感じることに より形成されるイメージである。 1年次と 2年次にける 教育プログラムは、学内における授業形態が主流であり、 高齢者との交流体験は少ないことや同居経験、話す機会 の少なさが高齢者イメージ形成に影響していると考えら れる。. 2 . 高齢者イメージに影響する要因、 1) 祖父母との交流と高齢者イメージの関連 高齢者のイメージ形成に、中野ら 10) は祖父母との 過去の経験が重要であると述べている。大谷ら 8) に よる調査では、学生が高齢者と聞いて思い浮かべる人 は、「祖父母j が約 7割であると報告している。また、 渡辺ら 9) の調査研究でも高齢者イメージと祖父母と の会話頻度が主要な要因であったと報告している O し かし、今回の調査では、 1年次における授業前の高齢 者イメージと祖父母との同居経験や話す頻度との関連 は見られなかった。先行研究と異なる結果だったのは、 今回の調査では、同居経験の省無や話す頻度という形 態しか質問できていないことが要因と思われる O 祖父 母の年齢や健康状態が学生の高齢者イメージに影響を. 畑野棺子. 及ぼす ωといわれているが、今回の研究ではそこまで 言及していない。祖父母の健康状態や、どのような内 容の会話をしているのかなど、間居状況や話す内容な ど質の面と高齢者イメージの関連を追求していくこと が必要である O. 2) 授業内容と高齢者イメージの関連 授業内容が高齢者イメージに与える影響は、 より大きな幅があることがうかがえた。 1年次におい て高齢者の否定的イメージに影響した主な内容は、 「高齢者虐待 JI 身体拘束 JI 生活不活発病」であり、 肯定的イメージに影響した主な内容は、「健康づくり 介護保険制法JI 平均寿命」などであった。 施策JI 定的イメージに影響した授業内容の共通性は、加齢に 伴う心身の衰退がイメージ化しやすいことである。肯 定的イメージに影響した内容の共通性は、保健福祉施 策や制度など高齢者を中心に据えた社会的環境である O 平均寿命と環境との関連や、制度や施策は人が創るも のであることから、心身の機能が低下しても保健福祉 が充実すれば希望がもてるという気持ちに繋がり、そ れが肯定的イメージに関連したと考えられる。高齢者 イメージの形容詞対において l年次の授業前より授業 後で有意に高得点だった項自は、「強い-弱い」 頑固 JI 考えが新しい-古い」である。心身の衰退を 学び、否定的イメージが優位になったり、社会施策等 を学び肯定的イメージになったりしながら、高齢者イ メージが形成とされていることが示唆された。 2年次において高齢者の否定的イメージに影響した 主な内容は、「摂食・瞬、下JI 排准JI シニア体験J等 であった。肯定的イメージに影響した主な内容は、 アクティビティケア JI 高齢者イ 「笑いのセラピー JI ンタビュー JI 認知症の理解」等であった。職下障害 や排滑樟害は、加齢に伴う身体機能低下を踏まえて学 ぶ内容である。心身機能低下を実感することで、高齢 者イメージが否定的になると言える。「笑いのセラピー」 「アクティビティケア」は、高齢者の心身機能の向上 を自指した支援内容であり、実際に体験すると高齢者 でなくても楽しいものである O 楽しいという感情が肯 定的イメージに影響すると考える。米山川は楽天的 なことを考えるとポジティブ思考になると述べている。 楽しい要素をいれた授業組み立てをすることの大事さ が示唆された。また、「高齢者インタビュー j は直接 高齢者との会話を余儀なくされる。高齢者との同居体 験や話す機会が少ない学生にとって、インタビューか ら、予想以上の活動性や円熟性に触れたのではないか と推滅する O そのことが、肯定的な高齢者イメージに つながったと考える。高齢者と接する機会を通して、 学生自らが感じる中で高齢者イメージは形成されるこ とが示唆された。.

(9) 老年看護学教育プログラムが看護学生の高齢者イメー父形成過程に影響する要因(第 1報). 3) 授業が高齢者イメージに及ぼす影響と老年看護学 に対する興味・関心の関連 「摂食・礁下」の授業から高齢者を否定的にとらえ ている学生の方がそうでない学生より老年看護学に対 する興味関心は有意に強かった。また、「認知症の理 解」に関する授業から、高齢者を肯定的に受け止めて いる学生の方がそうでない学生より老年看護学に対す る興味関心は有意に強かった。学習意欲は、内発性、 自律性、価値志向性という特性を備えたものであると いわれている ω。単に、高齢者イメージに肯定的に影 響することが学習への関心につながるわけではない。 なぜ機能低下するのか、支援の方法によって可能性は 大きくもなるし小さくもなるという価値指向性や内発 性が学生の中に芽生えることが学習意欲を喚起する。 まずは、学生自身が「今の自分にとって、老いとは何 かJI 今の自分は高齢者をどう感じているのか J とい う率直な自己表出を行うことが内発性を高める第 l歩 であると考える O 教育するうえで、否定的イメージを 肯定的イメージに変えることを重視するのではなく、 なぜそのように感じるのかということを学生自身にフィー ドバックして、学生自身が自己の高齢者イメージの形 成過程を踏むことにより、学習意欲が喚起されると考 える。. V. 結 論 1.高齢者イメージについて 1)高齢者イメージと同居経験や話す頻度との関連は認 められなかった。. 2) 1年次における授業開始前と終了時のイメージ評価 は、「素直一頑固 JI 考え方が新しい-古い」の形容詞 対が有意に高かった。 2年次における授業開始前と終 了時のイメージ変化に有意な差はなかった。 1年次か ら 2年次にかけての高齢者イメージは、あまり変化し ないことが示唆された。. 要性が示唆された。. V I . おわりに 超高齢社会を迎え、老年人口は増加している。加齢に 伴い心身機能は低下することから、高齢者に対する看護 や介護の必要性は増している O 看護実践をするにあたり、 高齢者との接触が希薄になりつつある学生に、高齢者を 理解してもらうためには様々な工夫が必要で、ある O そし て、学生自身が「今の自分にとって、者いとは何か」を 考えたり、自身の高齢者観を持つことが重要である O l年次から 2年次は学内における講義と演習が中心で ある。その中で学生のイメージがどのように変化するか 確認してきた。 3年次からは専門教育や実習が導入され るO 学生がどのような高齢者観を形成していくのか見届 けていきたい。 加離にともなう高齢者の身体的な機能低下の面ばかり でなく、高齢者のポジティブな面、成熟菌、生活の中で 培ってきた生きる力を学生に感じてもらいたいと原買って いる。. 謝辞 本研究の趣旨をご理解いただきご協力いただいた学生 の皆様に深謝いたします. 文献 1)国員衛生の動向:厚生統計協会, 2 0 0 8年第 5 5号 第 9 τ 玉. 2)奥野茂代,大西和子:老年看護学,概論と看護の実践, 百IROKAWA ,2 0 0 9. 9 8 3)世界医師会:患者の権利に関するリスボン宜言, 1 l 年総会で採択, 1 9 9 5 年総会で修正. 4 )保坂久美子,袖井孝子:大学生の老人イメージ,社会 老年学 (27) , 22~23 ,. 2 . 授業内容と高齢者イメージの関連 1)施策や支援等、創造の可能性がある内容は肯定的イ メージに影響し、加齢に伴う心身機能低下に関する内 容は否定的イメージに影響する。心身の衰退を学び、 否定的イメージが優位になったり、社会施策等を学び 肯定的イメージになったりしながら、高齢者イメージ が形成されていることが示唆された。 2)授業内容が高齢者イメージに及ぼす影響は個人差が 大きい。 3)高齢者イメージと学習への関心には関連は見られな かった。学習意欲の喚起には、なぜそのようなイメー ジを持つのかを学生自身が自分に問いかけることの重. 4 3. 1 9 8 8. 5)小泉美佐子,上本純子:看護学生の老人イメージ, 8 e m a n t i cD i f f e r e n t i a l法による分析,筑波医短大研 幸 員 , Noll 33-39 1 9 9 0 6)大谷英子,松本光子:老人イメージと形成要因に関す る調査研究,日本看護研究学会雑誌, V o 1 1 8,No4. 1 9 9 5. 7)守屋滝乃,稲垣宣子,鈴木偉代他:老人に対する意識 調査,看護教育 ( 2 8 ),5 3 9,1 9 8 7 8)大塚邦子,正野逸子,日浦瑞枝,白井百合子:看護学 生の老人に対するイメージに関する研究,老年看護 学V ol1,1 9 9 9 9)古城幸子,木下香織,馬本智恵:老年看護学の授業に.

(10) 4 4. 畑野相子. よる学生の高齢者イメージの変化,新見公立短期大 4 巻 ,p 2 5 3 3,2 0 0 3 学紀要,第 2 3 4 ), 1 0 ) 中野いく子:児童の老人イメージ,老年社会学 ( 2 3 3 5,1 9 9 2 1 1 ) 大谷英子,松本光子:老人イメージと形成要因に関 o 1 1 8,No4,1 する調査研究,日本看護研究学会雑誌V. 1 2 )渡辺裕子,倉 E トシ子,森田祐代:看護学生の高齢者 イメージに関する研究,山梨県立大学看護大学短期 大学部紀要Vo l 1 l ,N o14,2 0 0 5 0 0 9 1 3 )米山公啓:脳の地図張.青春出版社, 2 0 0 9 1 4 )杉森みど里,舟島なをみ:看護教育,医学書院, 2. 9 9 5. ' ,.

(11) 老 年 看 護 学 教 育 プ ロ グ ラ ムが 看 護 学 生 の 高 齢 者 イ メ ー ジ形 成 過 程 に影 響 す る要 因(第1報). 45. (Summary). Factor that geriatric nursing education programs influence on elderly people image formation of nursing students (The first report) —Relation with nursing course and elderly peopleimage of freshmanand sophomore— Hatano. School. Key. Words. image. of Human. of the. elderly,. Aiko,. Kitamura. Nursing,. nursing. The. students,. Takako,. University. geriatric. Yasuda. of. nursing,. chizu. Shiga. Prefecture. learning. program.

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参照

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