1
論 文】UDC :624
.
154 :624.
042.
7日本 建 築 学 会 構 造 系 論文 報告 集 第424号
・
199ユ年6月Journal
of Struct.
Constr,
Engng,
AIJ,
No.
424,
June,
1991粘弾
性
表
層
地
盤 中
に
設
置
さ れ た
単杭
の
鉛 直振 動特
性
CHARACTERISTICS
OF
SINGLE
PILES
INSTALLED
IN
VISCOELASTIC
SURFACE
STRATA
UNDER
VERTICAL
VIBRATION
野 添 久 視
* , 日 下部 馨
* * ,福 住
忠裕
* * *Hisashi
NOZOE
,
Kaoru
・【〜7SAKABE
andTadOhi
厂oFUKUSUMJ
The
fundamental
characteristics of single piles vibratirig vertically,
i.
e.
,
theinfluence
of the sur−
face
wave, the coupling effect of vertical and
ho
τizontal vibrations of strata on pile−head
impe−
dances
and so on,
has
been
clarified correspondingly to each problem parameterby
abroad
para−
metric study with a rigorous analysis taking account of coupling of vertical and horizontal vibra−
tions of strata
,
where 出e elasticfloating
piles areinstalled
in
the viscoelastic,
homogeneous
andisotropic surface strata with
hystereitc
damping
on the rigid bedrocks.
KeywOids
:imPetlance,
recePtance,
soil・
pile
interaction,
verticat 励 r 如 0η,
end bearingpiie
,
floating
pile
インピ
ー
ダンス,
伝 達 関 数,
杭と地 盤の相互 作 用,
鉛直振 動,
支 持 杭,
浮杭1,
序 論 地 震に よる地 盤と構 造 物の挙 動を把 握する うえ で, 入 力 地 震 動お よ び動 的 相 互 作 用の 問 題が重 要 視され て い る。 軟 弱な地 盤 上に建 設 される杭 基 礎で支 持され た構 造 物におい て は,
こ の種の問 題がよ り複 雑な もの と なっ て い る。 杭 基 礎とし て,
鉛 直 支 持 力の面か ら荷 重を杭 先 端 の堅 固な地 層に伝え る先 端 支 持 杭 (endbearing
pile) と荷重を杭 周 面 摩 擦で周 辺 地 盤に伝える摩 擦 杭 (friction
pite)の形 式に大 別さ れ る。 本 論 文で は弾 性 解 析の立 場 か ら
,
杭 先 端が基 盤 に固 定 さ れ た杭 を 支 持 杭 (endbearing
pi且e),
杭 先 端が可 動する杭を浮 杭 (floating
pile) と称し,
振 動 数 領 域にお ける地 盤と杭の相 互 作 用 問題を 取 扱う。 地 盤と杭の動的相互作 用 問題に関し て数 多く行われた 既往の解 析 的研究におい て,
杭一
地 盤系の解 析手法に よ る分 類と し て集 中 質 量 (離散)系と 分布 質量 (連 続体 ) 系が考え ら れて い るが1 ),
こ こ では解 析モ デルに取り入 れられた杭 周 面に作 用する地 盤 反 力 (相 互 作 用 力 )の考 え方から,
1)Winkler タ イ プ系, 2)連 続 体 系, 3)離 散系の3
系 列に大 別 して とらえ る。 ユ)Winkler タイ プ モ デル で は,
杭周 地 盤 反 力がそ の作 用 点の み に依 存する ば ね と変 位の積で表さ れ るとし て,
Penzien ら2)は 水 平 振 動 する支 持 杭に対し集 中 質 量 系モ デル に Mindlin 解 を 用い た 静的ば ね とし て取 り込 んで い る。 Novak は水 平 振 動ま た は鉛 直振 動す る支 持 杭31に対し分 布 質量系モ デ ル にBranov
の動的平 面ひずみ解に よ る複素ばね を用 い, さ らに杭 先 端に は半 無 限 弾 性 地 盤 上の剛 円 盤に対 す るBycroft
の 動 的 解に よ る複 素ばね を用い て鉛 直振 動す る浮杭ll にも適用して いる。 代 表 的 なこれ らの手 法は多 層地 盤 や 地盤の非 線 形 性を容 易に取 扱うことが でき実用 的で あ る が,
静 的ば ね系モデル で は低い振 動 数 領 域に お い て,
動 的 平 面ひずみ系モデル で は高い振 動 数領 域に お い て有 効 性 を 持つ と考え られ る。
2)連 続 体モ デル は弾 性 波 動論に立脚した方 法で, 地 盤の鉛直振 動と水平振 動 が 連 成 し ないと仮 定した近 似 解 析とし て は,
杭の水 平 振 動で は 田治 見5) の 方 法を 用いたNovak
ら6;の支 持 杭に,
竹 宮ら7 〕の多層地 盤 中の支 持 杭に関 す る もの が あり,
杭 の鉛 直振 動で は野 上らS) が支 持 杭に対し て, 野上 9 }と 堯 天ら]e )と 井上])は 杭 下 部の地 盤 を1次 元 土 柱に三者そ れ ぞ れ異なっ た剛 性で モデル化する こ と によ り浮 杭に対し て示してい る。 地 盤の鉛 直 振 動 と 水 平 振 動 が 連 成す る と す る厳密解は,
杭の水 平 振 動また は鉛 直振 動において,
支持杭では小堀ら11LT2}に よっ て,
浮 杭で は野添ら13)・
]4 ) に よっ てそ れ ぞ れ誘 導 されて い る。
これ らの研 究で は,
杭 寧 神 戸 大学大学院 自然科学研究科 助手・
工修 * * 神 戸 大 学 工 学 部建 築学科 教授・
工博 #*
神戸大学工学 部建 築 学 科 助 手・
工修Research Assoc
.
,
Graduate School of Science and TechrLology,
Kobe Univ.
,
M.
Eng,
Prof
,
,
Dept,
o ‘Architecture,
Facutty of Engineering,
Kobe Univ.
,
Dr
.
Eng.
Research Assoc
.
,
Depし oI ArchitectuTe,
Facu[ty of Engineering,
Kobe Univ.
,
MEng.
周 地 盤 反 力が連 続 量と して表 現さ れ
,
地 盤 との相互作 用 を考 慮し た杭の基 本的な振 動特性を把握す る の に適し て い る もの の,
相対 的に こ の系列の研究は少ない。
3
)杭 周 地 盤 反 力 を離 散 化し た離 散 系モ デルと して は,
有 限 要 素 法を用いた Wolf らIs ]とKuhlemeyeri6
]・
i7) ,3
次元薄層 要 素法 を杭周のSofter
Zone
に も拡 張 し た水 畑・
日 下 部181な どの研究が知ら れ てい る。 ま た, 地 盤内部の点加 振 解を 用い 杭周 で離 散 化す る手 法と して, 境 界 要 素 法に よ るSen
ら]9[ ,点 加 振 3次 元 薄 層 要 素 法に よる長 谷 川 201,
杭に差 分 法 を適 用し た 八 幡2’)な どの 研 究が あ る。 こ の 系 列の解 析 手 法は数 多く示さ れ,
地 盤の成 層 性や基 礎 形状 に伴う地 盤の不 整 形 性な ど実 状に応じ た数 値 解析が可 能 と な っ ている が, 離 散 化の程 度が問題 と なり杭の動 的性 状に お け る数 値 結 果の精 度に注 意 を 要 する。Winkler
タ イプ系 を除 く他の系 列の解 析 法は,
勤 的 相 互作 用力と なる杭周地 盤 反 力を解析 的に評 価で き,
特 定 のモ デルに対す る数 値 解析 法 として は有 用 と なるが,一
般に膨 大な数 値 計 算 を伴うの で,
数 多くの解 析パ ラ メー
タを有する こ の種の 問題で は, それぞれの パ ラ メー
タに 対 応 した杭の動 的 特 性が十 分には明ら かに さ れてい な い。
特に,
構 造 物の鉛直振動 は も と よ りロ ッ キン グ振 動 を取 扱う う えで重 要な杭の鉛直振 動に関 する研 究は,
杭 の水 平 振 動に関する もの に比べ 少な く, 浮 杭の動 的 特 性 に及 ぼ す杭 先 端 地 盤 反 力の影 響な ど多く の問題が残さ れ てい る。
本論文は, 文 献 14 )お よ び22), 23)の一
部を 整 理 し,
さ らに詳 細な検 討 を加えたもの で ある。 こ こ で は,
基 本 的な杭の動 的 特 性を考 察する目的か ら杭 周 地 盤 反 力を離 散 化し ないで連続体モ デルと する弾 性 波 動 論の立 場を取 り,
剛基盤 上の粘弾性 表 層 地 盤 中に設 置 され た単 杭の鉛 直 振 動におい て,
他に例のない 地盤の水 平 振 動も考 慮に 入 れ た浮杭に対す る厳 密 解を示し, 支 持 杭と浮 杭に対す る広 範 囲の パラメ トリック ス タディ か ら,
杭の鉛 直振 動 特 性に及ぼす表 層 地 盤の鉛 直振 動と水 平 振 動の連成効果 な ど,
各 解析パ ラ メー
タに対 応 さ せ 明 ら かにす る。
2.
有限フー
リエ・
ハ ンケル変 換24) によ る解の定 式 化 2.
1 解 析 仮定 こ こで取 扱う杭一
地 盤 系の解 析モ デルは,
円筒 座 標 系 におい てFig.
1に示 す よ うに,
浮 杭と剛 基 盤 上に あ る 表 層 地 盤か らな る。
さ らに表 層 地 盤を周 辺地盤と杭下部 に位置す る杭と同径の土 柱に分けて考える。 表 層 地 盤は 履歴 型の 内 部 減 衰 を有する均 質 等 方な 3次 元 粘 弾 性 体と す る。
杭は1次元弾 性 棒で,
地 盤と完 全に密 着し て振 動 す るもの と す る。
鉛直調 和 外 乱 と して杭 頭 加 振 力および 基 盤入力 地 動 を想 定す る。
本 解 析における混 合 境 界 値 問 題 を 以 下の境界条 件に従っ て処理 する。
1
) 周辺地 盤に おける剛 基 盤との密 着 条 件お よ び地表 r,
r 口 θ 量り
し ハrpLθ Ground surface ムP F且σati pUe H Surroundi soiUay 11 L51 「z1 可丶SoU CO1 皿 「 1 聖 Wl!
r 曜・
9
↑ R’gid bed「°ckFig
.
1 Modei of a soil・
pile system面で の 自由 条 件 2) での外 力 条 件 3) 2
.
2 周辺地 盤の解 析 土柱にお ける剛 基盤,
杭との密 着 条 件お よ び杭 頭 周 辺 地 盤と杭一
土 柱 系と の接 触 面での密 着 条 件 周 辺 地 盤は杭 と土 柱 部 分に相 当 する空 所 を 有し,
z 軸 に対 称な鉛 直 調 和 外 乱がある場 合,
その運 動 方 程 式は,
(・・ +… )躱
・…塾
一
醜 (・… 〆)髪
一
…十
・
∂(5
脅
) =一
ρω1(ω十 晩)……
(1> と な り,
時間因子 exp (iwt )は便宜 上省略し てい る。 こ こに,
‘=
虚 数 単 位, ω・
・
’
円振 動 数, ρ=
地 盤の密度で,
劉
織
議 纛
1
講
、謄
空
織
対 変 位 u,
ω に よっ て表 さ れ る。
また,
粘 弾性 体の Lam 壱 の定数は, 履 歴減 衰比 ξを 用い て次の よ う な複素 表現と す る。 λ* =λ(1
十2i
ξ},
μ *=
μ(1
十2i
ξ}…・
・
……
(2
> z 方 向に関し て (1)式を有 限フー
リエ 変換 すれ ば,
像 関 数 uC(r,h
。),
wS (r,
hn
)で統一
でき次 式が得ら れ る。・・
h
:一
(・・+ ・・つ謝 妾
・÷
)
−
P・・,
[
_融
_ 、
曝
鳶
篤
]
・
諜
淵
一
{
蹴
二
1
卜
……・
一
(・・ こ こ に・
hn一
壼
(2・司 )・層尉・
・−
1・
2・
・1],・
・
で 上 付 添 字 C,S
は そ れ ぞ れ有限フー
リエ cosine,
sine 変 換 を示 す。(3
)式の右辺の φ c (r,hn
),び (r.
,
hn
)は,
基 盤入力 地 動Wc と変換に際し自 動 的に導 入 された 4種 の境 界 値 τx。(r,
0},
w (r,0
), u(r,
H
),
σ〜
Cr
,
H )か ら な る。次に
,
r に関 する (3)1
式の微 分 方 程 式を解き,
r→
。。で解が有限 と なるものを取れ ば , 次 式の よ うにな る。 uc(r, hn)=
AnPnKI(Pnr >十BnhnKi
(Snr )+
∬
婦 廟dq
ωs(7、
んn)=
/しπんnK 。(P陬7)十β兀s乱Ko(Snr) +w・n+f
, M ・v。。
Jo(q
・}dq
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
・
(4
) こ こ に, Pn=
v秤 , Sn=媒
κ’ドで
,
波 数 君;
ρω2/(λ*十2μつ, 錆二研
であ り , みKp
はそ れ ぞ れ レ 次の第 1種 Bessel関 数, 第 2種 変形Bessel
関 数で ある。An,
Bn
は積 分 定 数で,
Re
(Pn),
Re
(Sn)>0
と す る。 W。n は ゲ の 晩・
の項に対す る特 解で, 1次元 弾 性 棒の縦 振 動 解に相 当し,
また Ug。,
ωgn は φ C,
び の4
種の境 界値に対す る特解で,
空 所の ない表 層 地 盤の動 的 解25 〕 に相応 す る有 限フー
リエ 変 換 形 表 現とな っ て い る。一
般解は,
(4 )式の逆 有 限フー
リエ 変 換 形とし て形 式 的に次式で表 現さ れる。
U(・
・
,
Z)一
葺か
(r,
・hn
)・・S(h
・Z)・
(5)・(・
.
・暗
惑
げ 〔r,
・h
。)・i
・〔h
。Z) 第 1番 目の境 界 条 件は r > r。 (=
杭 半 径 )におい て,
z=
0で u・
=
w=
!
O, 2=
H で τz。=
σz=
0とし て与 え ら れ る。
こ の条 件か ら,
残っ た 2つ の境 界未知 量 砺 (r,
0),
u (r,
H >を次の ように F。urier・
Besse1
積 分で表現 す る。
t・
Xr
・
・)で
磁 (qr)dq
u(r,
H
)−xc
°
・.J,
(q・)dq
…………・
……・
(6) また, こ こで定 義さ れ る変 形Bessel
関 数は,
基 盤での 表 面 力の有限 性 を保 証す る た め に,
連続 関数と して拡張し た
Four・
ier−Besse1
積 分表現 と する。
つ ま り,
∬
κ・(q,
ζn)」、(9r)d
σ=
κ1(ζnr )・ ・≧ r]=
ヱニκ ,(ζnr ,):0〈 r < r、 rl……・
…・
・
…・
・
……一 一 …
(7) なお,
rt(0〈 rl ≦ r。)は数 値 積 分 を 行 う際の杭 周 け;
r。)での精 度に関 係し て選 択さ れ る。
ま た,
ζn は Pn ま たは Snを表し,
Kn (q、
ζ 。〕は解 析 的に得 られ る。 (6},
(7)式 を 考 慮し た境 界 条 件 式 :u(r,
0)=
O,
τt。(r,
H >=
・
Oの Fourier−
Bessel積 分 表 現 式 (r>0)・
か ら,
q に 関す る連 立 1次 方 程 式 を解 く ことによっ て,
積 分 方 程 式 で定 式 化し た小 堀らの解 析 的 表 現IZ) とは異な り,
Uq,
τg が次の形で得られ る。
1
割
一
撚
[
譲
:
劉
畷
:
ll
;
:
駕
}
・
最
,)・
…一 ……・
……一 ………・
(8 ) こ こ に, 係数』
αen,
fiOP
は (q,
hn
)の 関 数で表さ れ, 上 付 添 字 q,
n で示す。
F,(q )は剛基盤 上の表 層 自 由 地 盤 にお け る一
般化、
さ れ たRayleigH
関 数である25)。
第1
番目の境 界 条 件を処 理 する際に,
0< r < r。にお け る境界値も同時に (6 ),
(7)式の形 式で関 与し て い る が,
こ の境 界値に よ る r>r。で の解は明ら か に第 1 番 目の境 界条件を満足 す るもの で,
r=
・r。で の解の連 続 性に大きく寄 与してい る。
2.
3 杭一
土 柱 系の解 析 杭 先 端に密 着 し た3
次 元 土 柱に おい て,
前節の (ユ)〜
(3
) 式を適 用できる 。 な お,
周 辺 地 盤と区 別す る た めに下 付 添 字 S を付 記する。
r に関して (3)』
式の微 分 方 程 式を有 限ハ ンケル 変 換す ると, 像関数 ukC(qsm,
hs
κ),
ω鰍 q跏,
hsk
)に よっ て次 式の よ うに表 現さ れ る6[
(λ*+2μ*)σ翫+μ零鳳 L ρω2,
(λ*+μつq。
。九。. 〔λ* +μつ9。 。んsk,
μ*qk
。+(λ * +2μ* 罵厂 ρω 2]
・
{
蹴
:
震
:
;
}
−
lli
:
[
z
:
:
:
1
:
ll
,
tt・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
…
一・
《9 ) こ こ に・
h・
・一
螽
慨一
1)・土 柱 長さL
・,h
− ・ ・,
・2,
3,…
で,asm
は 0 (m ・=O )お よ びJ
,(qs
. rb)=0
の 正根 (m=
1,
2,
3,…
)で ある。
ま た,
上付 添 字1C,
OS は 有限ハ ン ケル・
フー
リエ2
重変 換形 を示 し,
φとc (q。m,
h
。。),
興 S (q。m, ん。κ)も 周 辺地盤と同 様に基 盤入力 地 動Wc
お よび 境 界 値と して τ蓉「
(r,
O
).
ωs(r,
O),
Us (r,Ls
), σ訓7,
Ls
)の有限ハ ンケル変換 形 の 4種と さ らに Us(r。,
z ),
τ訳 r。,
z)の有限フー
リエ変換 形の2
種で構 成さ れ る。
一
般 解は,
(9
)式の 連立 1次方程 式 か ら得ら れ る U≧c(q。m,
h
。k),
球 s (q。m、
妬 ∂を形 式 的に2
重逆変換 す ることに よ り次の よ う に表 現さ れ る。
2 m c’
ユu・{ r
・
z)「 幕
羅籌
1瓦
蓋 c (q・m・
ん・・)」1(σ・・r>・
COS (hskZ
)Ws 〔・,・)
一
去
葱義
鵡
・臨 ・ 城 (α跚 ・)・
sin (んsκ2)・
…・
………・
・
・
・
・
・
…….
・
…・
(10
) こ こ ・,
Alm一
知
・繭 )1
・・m!
:
・,
・,
・,….
一
方,
杭に おい て,
基 盤入力 地 動 眺 に対す る杭の鉛 直相対 変位 Wp 表 示によ る運 動 方 程 式は次のと お りであ る。・
−
145
一
畷
£
・+恥
一
・fE ,A
・親・
一…・
・
(11) こ こ に,E
,= 杭の ヤング係 数,
ん=
杭の断 面 積,
ρ。=
杭の密 度であ り, 波 数 x。=
ω/V
,,
杭の縦 波 速 度 v,=
師
と な る。 Pvは周 辺 地 盤によ る杭周地 盤 反 力で,
P,
一一
・・r。・T. ,(・r。, z>一
融
・・ … (・・2)…・
………・
・
……・
・
…・
…
(ユ2) の よ うに与え ら れ, Pvnは (8
)式を考 慮する こ と に よ り,An,
Bn
の項の み で表 現で き る。
(ll)式を有限フー
リエ 変 換し て,
像関数 (h。
h)を求 め,
その逆 変 換 形 として解が次の よ うに形 式 的に表 現さ れ る。
・・
一
黴
・暑(hPh
)… (… Zp)・・・…一
・・・
・
…
9・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(13 ) こ こ 1・・h・
・一
螽
(2
κ一1
)・杭 長L
・・
κ一
1,
・2・
・3・
・“・
で, ωi
(hpx)には基盤 入力 地 動 Wcお よび境 界値と して 杭先端での ω,と杭 頭で の軸力N
,が自 動 的に含ま れ る。
第 2番 目の境 界 条 件の処理 を行うに際し
,
杭一
土柱系 に対して次の境 界条 件を与え る。
Us=
Ws=
O on z;O
Us= =O ,
Ws
=
Wp,
Ns=Np
on z=
=Ls ・
(14〕 ハ1P=
NPL at 2=1f
こ こ に,
NPL は杭 頭に作用 する鉛 直加 振 力の振 幅で あ り,
Ns
は土柱によ る杭先 端 地 盤 反 力であ る。 (14)式で与え られ た境界条 件の下で,
残っ た境 界 未 知 量を次の よ うに表 現する。
・
gr
(・,
・)一絖
繍 一 の・言(・,・L・)
十
・ +鮎
・・
ゐ(q… )d
・(r・,・)一
去
躯
・ ・S (h
… )驫 ・)一
去
鮎
… (・…Z)・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
・
・
・
…
『
『
・
・
…
tt・
・
・
・
・
・
…
〔15) 土 柱 変 位 Us (r,0
)=0
お よ び杭と土 柱との接 触 面が平 面を保持す る条件式 を有 限ハ ンケル変 換 することによっ て,
τ。m,
σsm ;(m = 1,
2,
3,…
)が次の よ う に決 定さ れ る。1
蠶
}
一畠
[
α野iC,b
? lt α磐,
酵κ]
陰
1
…・
一 ・
(・6) こ こ に,
係tw
amit,
δ規
κ は (qsm,
hsh)の関数表現とな り,
上 付 添 字 m,h
で示す。
Ns
は,
(15) 式の第 2式 を考 慮 する と,
Ns
=
2π σ3ゴ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(
17
) の よ う に得られ, 杭 先 端の未知 変位を Wm と すれ ば,
杭 と 土 柱の接 点での境 界 条件か ら,
Wm。,
σs。:(m=
O>が 杭 頭 条 件を考慮 して, 次の よ うに求め られる。
陰 ト
籠
1
甥}
・・+惑
[
li
:
:
1
;
:
]
・
陰}
・[
:
:
:
1
:
]
{
惚}
…
(18
) こ こ にt 係 数Dn
はhn
の関 数で,
c,
d
は定数と な る。
2.
4 境 界 条件式の縮 約 化最 後に
,
周 辺地盤と杭一
土 柱 系 との接 触 面 (r; r 。) で の境 界値問題 を処 理し な け れ ば な ら ない。 まず, 土柱 周 面で の表 面 力の連続 条 件 :σ尸 茜,
τzr=
τ訳 0<z〈Ls
)を有限フー
リエ 変 換する ことに よっ て,
土柱の境 界 未 知 量 u。
h,
τ。κ :〔h
=
1,
2,
3,…
)が次の境界条 件 式 か ら決 定され る。
CD ageu。、+
b
: ’t τ。
k+Σ [a評駕Sj十b
tl
’
tSi] ’i1
+ Σ [α勤 。+β野瑚 樽 cξ押。 、+d
}嫣n
=
]
tO
τst= Σ [α梦!4η
+β評B
司 鷲iI
・
一・
・
一・
・
r・
(19 > こ こ に,
ノは土柱のパ ラ メー
タk
に対 するサ ブパラメー
タである。
次に,
杭一
土 柱 系の周 面(r=
r。)での 変位の連 続 条 件 :1
二
峯 楓
留
笠
誰論
卜
…・
…
(・・} の有 限フー
リエ 変 換形 (0
〈zくH
)か ら,
周 辺 地 盤の 積 分 定 数An,
Bn
:(n=
1,2,3,…
)に関する境 界 条 件 式は,
次の よ う な表 現 とな る。
Σa71tu。k+ a?
A
π+β7Bn
+Σ[α7
【 ん+β苧t」3
‘]=0
尾田
l l=
1tO Σ [α窪iCUsk+
b
譽κτ8日+ a容/1
,、+β皆B
η k=
1m
十Σ[α
9
’At
十β?tB,]=
C:・
IV
,,十d
: Wa t=
1…………・
・
…・
…………・
・
…・
(21 ) こ こ に,1
は周辺地 盤の パ ラメー
タ n に対す るサ ブパ ラ メー
タで,
(16 ),
(18 )式 を用い て いる。
さらに,
(19
)式の第 2式 を用い て,
(19 )式の第 1式と (21 )式の第 2式の τ。
k(τ。」)を消去す れば, 境 界 条 件 式 は,
u。k,
An
,Bn
に関す る複 素連立 1次 方 程 式で表 現さ れ る。
結局,本 解 析における すべ て の境界 未 知 量 14種 (周 辺地 盤 :6種,
土柱 :6
種,
浮 杭 二2個 )が直 接ま た は 境界 条 件 式か ら間 接 的に決 定で き る。
こ のよ うに本 解析 的 表 現がフー
リエ級 数 解 表 現と大き く異な る点は,
形 式 的 逆 変 換 形 (フー
リエ級 数 )では表 現でき ない境界での 値が変 換 過 程で境界未 知 量と し て 自動的に導入 さ れると ころにあ る。 2.
5 杭 頭 インピー
ダン ス と伝 達 関 数地震時に お ける構 造物の応 答 を求める問 題を
,
構造物 の慣性力に よる相 互 作 用 (lnertialInteraction
)と 基 礎 の地 動拘束に よる相 互 作 用 (Kinematic
InteraCtion
)の2つ の問題に分けて 考え るこ と がで き る26)。 杭 基 礎で 支持さ れ た構 造 物で は
,
杭一
地 盤系におい て,
前 者は杭 頭 イン ピー
ダン ス を,
後 者は伝 達関 数を求め る問題に相 当してい る。
つ ま り, κw=1VPL
/恥L (Wc=0
)・
tt・
・
・
・
・
…
(22 )Svc
=
%4
既 (IVp
,=O
) こ こ に,Wn は杭 頭の鉛直絶 対変位応 答を示し,
インピー・
ダン ス関 数Kvv
は複 素 数 さ, 実 部は 剛性を, 虚 部は減 衰 を表 現してい る。
伝 達 関 数Svc
は,
基 盤入力 地 動 Wcに 対す る自由な杭 頭で の複索変位応 答倍率で,
絶 対 値は振 幅 比 を, 偏角 は位相差 を表す。 解析的に は,2
つ の鉛 直 外 乱 (N 。
,
.
,
眺 )に対す る解か ら そ れ ぞ れ求め られる。
3,
単杭の鉛 直 振 動 特 性 3.
1 解 析パ ラメー
タの設 定 杭一
地 盤系の動的 性 状を明らか にす る た めに,
広 範 囲 の パ ラメ ト リッ クス タ ディを数 値解析に よっ て行 う。 本 解 析における杭 頭 イン ピー
ダン ス,
伝 達 関 数な ど は,
次 に示す ように 8個の解 析パ ラ メー
タか ら なる関 数と して 表 現さ れ る。K
・v ・ ・s
・c−F
(
舞
舞
,
銑
,
嘉
,
穿
,
旨
,
ξの
・
・
777
・
一・
・
一・
−7・
7・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
・
(23) こ こ に,
地 盤の横 波 速 度・
yκ=師
および縦 波 速 度 Yv=
(λ十2μ)/ρ で, 波 数は 勘=
ω/脇, Xv=
ω/Vvとな る。
・ た灘 地 盤・基 本 鬮 数・
蜘号
愉
・対・ ・轍 元 振 動 数b
,=
ω /ωHI (また は層 厚に関 係しない無 次 元 振 動 数 α 1=
b,・
ro/H )である。
解 析パ ラメー
タの範 囲とし て,
表 層 地 盤で は軟 弱 土 層 を想 定し,
ボ アソ ン比 レ=
ユ/3〜O.
479
:縦波と横波の速 度比V,
/V
”= 21 −
v )/(1− 2v =2.0〜5
,0
で,
履 歴 減 衰比 ξ、
=o.ol〜o.
10 と し,一
般 的なVv
/V
.=
2.
5 (v=
0,
405
)お よび ξ=0.05
を軸 とし ている。一
方,
杭で は 場 所 打コ ン ク リー
ト杭 を 想 定 し, 密 度 比 を一
般 的な Pp/p=
4/3 と し, 断 面 積 比 A,/(πrl )=
1, ヤ ング係 数E
,=
2.
1× 105kgf
/cm2 とす る。
杭 と 地 盤の 速 度 比 をVp
/Vtr
=7.
5〜60
と し,
通常の表層地 盤剛性 を網 羅して い る。 杭 長さ径比Lp
/r。=
10〜
80, 杭長 と 層厚の 比L
./H ;1〜1
/3
(ま た は土柱長 さ径比Ls
/r。=o− 80
)の 範 囲 を 考え る。
3.
2 本解析法に よる結果の検 討 周 辺地 盤の解 析 的 表現に は qに関する (0,
Q。)の定 積分表 示 式が含ま れ て い る の で,
そ の積 分 値を求め る必 要が ある。
粘 弾 性地 盤 (ξ≠0)で は特 異点 が実 軸上に は存 在し ない の で,
実 軸上に沿っ て数値積 分を行うこと箏
繖
轟
晶
課
嶽
凱
適 用して行わ れ,
そ れ よ り大きい q に対 し て被 積 分 関 数 を10−
3以 内の 誤 差を有す る漸近展 開で 近似し て解 析 的に処 理され て いる。
ま た,Rayleigh
poleを含む領 域 で は分 割 を細か く し,
精 度 上 特に配慮してい る。
r=・
r。=
2rt に おけ る (7)式の表 現 が 連続関数と し て表 現さ れて い る ため,
そ の誤 差は 5% 程 度 と小さ く なっ てい る。
無 限 級 数に お い て,
項 数 n=
m=
h=
25項ま で取っ たKvv,
Svc
の解 析 結 果は数 %程
度の誤 差 内で収 斂す る こ と を確かめt
お り14 ],
本 解 析 結 果で は項 数 n=
m=
k
=
25項まで取っ た もの を示す。 本 解 析 法の有 効 性 を検 討するた めに, 境 界 条 件 式 を積 分 方 程 式と して解か れ た小 堀らに よ る支持杭の解析 結 果12} との比較を 行っ た とこ ろ,
杭頭イン ピー
ダン スKvv
お よび伝達 関数Svc
共に本 解析結果 (Ls
→0
)が小 堀ら によ る もの と よ く一
致して いるこ と を確認 して い る1”。
ま た, 基 盤 上の表層 地盤 地 表面に設置さ れ た 剛で滑 ら な い円形 基 礎の イン ピー
ダンスKvv
の本 解析 結果 (L
尸→0
) に は,
付 録Fig.
A −
1に示す ように,
3次 元 薄 層 要 素 法 を用い た Tassoulas らz9〕の結果と よい一
致が見られ,
本 解 析 法が有 効である と言え る。3.
3
振 動 特 性に及ぽす表 面 波の影 響 杭の動的性状は表層地 盤の一
般 化さ れ た Rayleigh 関 数の性 質に大き く依 存 する。 Rayleigh Poleq
。[凡 (q
。)=0
の根]に よる表 面 波の性 質は基 盤 上の完 全 弾 性 地igzs
)やVoigt型の粘 弾 性 地va2s
)に お い て既に よく知られ て い る。 こ こ で は余り知られ て い ない履 歴 型の粘 弾 性 地 盤に おける
Rayleigh
Pole
につ い て考 察する。
無 次 元 振 動 数b
, に対 し て} Vv/脇三
2.
5』
(v=
O.
405)で ξ=
0.
05 の粘 弾 性 地 盤に おける複 素 Rayleigh Pole の実 部 ユ.
21.
086 4 伍 軌 翫 薹 〉
。
O)
£ O.
20一
〇.
2 1.
2ミ
1
:
:
章
:
:
1O
.
2 1st.
.
一
.
.
.
2nd 3rd 4th 匿 5th 4th」
「
、
・
9・
・
♂ 6 ア匕h.
pr
.
「’
”
6th゜
°
」
」.
し
9置
’
ξ雷
o 3面 5th ξ=
0,
05 o 5 10 0 0 5 b,
10Fig
.
2 C〔)mplex Rayleigh pole in v{scoelastic surface stratawith
hysteretic
damping:
Re
(q。)/πH=
VH/V, (VR : レィリー
波速 度)と虚 部 :一
恥(q
。)/κH>0 を,
完 全弾性 地盤 (ξ・=O)の結 果と と もに Fig.
2に示す。Fig.
2か ら,
振 動 数 が 高く な るに従っ て,
各モー
ドの 実 部で示 さ れ る位 相 速 度は完 全 弾 性 地 盤の レイリー
波 速 度に漸近 し, 虚部で表さ れ る幾 何 減 衰は比 較 的 小さ な値 と な るの で,
レイリー
波に及ぼす 地 盤の履 歴 減 衰の影 響 は少ない と 言 え る。
完 全 弾 性 地 盤で は レイリー
波の存在 し ない振動 数領域に おい ても, 粘 弾 性 地 盤で は レイ リー
波は すべ て の モー
ドで存在し,
3次 と5次モー
ドでは実 部が負の後退 波 と な る が,
振 動 数が低く な る とともに各 モー
ドにお け る幾 何減 衰が急 激に増 大す るの で,
こ の よ うな振動 数領域にお け る表 面 波の影 響は小 さいと考え ら れ る。
1
次 と2
次モー
ドの実 部で は,
完 全 弾 性 地 盤にお け る 両モー
ドの遷 移 する現 象が みられ,
完 全 弾性地 盤に お け る群 速 度が極 小 値を取る点 (Airy 相 :○印で表 示 )と よ く対 応し て いる。 ま た,
3次と4次 (また は 5次と 6 次 )モー
ドの実 部の交差す る点は, 完 全 弾 性 地 盤に おけ る両モー
ドが非 常に接近 して いる付 近に現れ てい る。
こ の よ うに,
よく知 られて い る完 全弾性地 盤のRayleigh
Pole
の特 性に よっ て も履歴 型 の粘弾 性地 盤にお け る複 素Rayleigh
Pole
の 実 部の特 性を大 略 理 解す るこ と が で き る。
杭 頭 イン ピー
ダンス Kvvに及ぼす 表 面 波の影 響を考察 する ために,
Vv/VH=
2.
0,
2.
5,
5.
o (v= 1/3,0.
405 , 0.
479 :以 下に示 す 振 動 数は そ れ ぞ れこれに対 応 してい る)に対 して地盤の履 歴減 衰比 ξと ともに Fig.
3に示 す。Fig.
3
か ら, 完全弾性地 盤で の レイ リー
波による群 速 度が極 小 値 (1次 :b
,=
1.
88,
1.
98,
2.
07)お よ び零 (2次 :b
,=
1.
95,
2.
31,
2.
81,
3次 :δ1=
4,
93,
5.
00.
4.
96> を 取る (Fig.
2の○ 印で示す ) 振 動 数の ところで,
Kvv の実 部, 虚 部 共に急 激な変 化が見ら れ,
表 面 波に よる影 響 を強 く受 けてい るの が分か る。
地 盤の鉛 直 振 動と水 平 振 動が連 成し な い近 似 解 析8L ]O] な どで見 ら れ るような表 層 地 盤の縦波に よ る 1次の共 振 点 {b
、;
2.
0, 2.
5
,5.
0
) での 急激な変化は 現 れ ていない。
Kvv
に及 ぼ す地 盤の履 歴 減 衰の影 響とし て,
履 歴 減 衰 が小さい場合 (ξ;
O.
01)に見ら れ る ような群 速 度が零 とな る表 層 地 盤の共 振 点でのKvv
の鋭い変 化はもは や履 歴 減 衰の比 較 的 大きい場 合 (ξニO.05,0.
10)に は顕 著 で な く, 群速度が極 小と な る 振 動 数 付 近で の KI,
v の変化 は履 歴 減 衰に余り影 響さ れ ない こ と が分か る。 こ の よう に, 杭 頭 インピー
ダン スKvv
に及ぼ す履 歴 型の粘 弾 性 地 盤に おける表 面 波の影 響を考 察する際に は,
群速度の零 と な る振 動 数よ りもむ しろ群 速 度の極 小と な る 1次 振 動 数 (Airy
相 )付 近がより重 要 な ものと な る。
表 面波に よる こ の ]次 振 動 数よ り低い振 動 数 領 域で は,Kvv
の実 部で表され る剛 性は,
履 歴 減 衰に は余り影 響され ず,
ボア ソン比が大き く な る と ともに漸 増す る.
,
虚 部で表さ れ る減 衰とし て は表 面波に よる放 射 減衰とし て の効 果は小さ く,
主と して地盤の履歴減 衰に よ るもの で あ る。一
方,
この1
次 振 動 数よ り も高い 振 動数領 域で は,
剛 性,
減 衰 共に ボアソ ン比によ る影 響は小さい。
こ れは,
表面 波が励 起 され る 1,2,3次 振 動 数が そ れ ぞ れ ポァソン比に対 し て よ く似た値 を示 してい る た め と,
4 次 以 上の表面 波の高 次モー
ドに よる影 響が少ないた め と 考え ら れ る。 剛性は履歴 減 衰が大き く なる に従っ て,
少 しずつ 低下し ているe ま た,
減衰は表 面波の励 起に よ る 放 射 減 衰が卓越 し,
低振 動 数領域で顕著で あ る履歴 減衰 による わずか な効 果を放 射 減 衰に加 算 し た程 度の大き さ と なっ て い る。 3.
4 杭 頭イン ピー
ダン ス を 構成す る3
要素 (11)式の杭の運動方程式を全 杭 長に沿っ て積分 し た 杭 全体と し ての動 的 釣 合 式は次の よ うに表 現できる。
NPL=
ハTpo十Pv−
ntpω2LpwpA :Wa=
0・
・
……・
(24) こ こ に, N.=
杭 先 端の軸 力,
総 杭 周 作 用 力Pv は (12) 式で得られ る杭 周 地 盤 反 力Pv を全 杭 長に沿っ て積 分し た作用力で,
杭の線 密 度 彿p=
ρ尸A,,
ωp、=
=
杭 長に わ た る 鉛 直 平 均 変 位で ある。 勤 的 杭 周 作 用ば ねhcv
お よ び 土柱 に よる動 的 杭 先 端 作 用ば ねKsv
を次 式の ように導 入 す る。
hcvLp=Pv
/WPA , Ksv=
IVpo/Wpo………
(25 )30 20 10KLw
.
0 μ「
◎
40 30 20 10 0D 5 b1100 5 b:
100 5 わ卩
10 q ) Vv/V■
=
2,
0 (v=
1!3 ) b) Vv/VK=
2.
5 (り=
0.
405) c) Vv/VH=
5■
O (り=
0.
47g)(
22
),
(24
)式 か ら,
杭 頭インピー
ダン ス Kvvは,Kvv=KHV
十Kcv
十κrジrr・
7・
・
・
・
・
・
…
一
・
・
・
・
…
一
・
・
・
・
…
(26
) の よ う に3
つ の要 素で構 成さ れ る。
ここに,
倫 轟語
麟 杭 〉蒜伽
翻ωP
湘
,
κ、广 況 。ω ・L
。 璽Kcv=hcvLp
WPL u)PL…
一・
・
・
…
一・
・
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(27) つ ま り,
(26
)式は杭 頭 インピー
ダン スKvv
が基 盤 また は杭 先 端 土 柱によ る複 素ばね 剛 性KBV,
杭周地 盤に よる 複素ばね剛性 Kcvお よ び杭の慣 性に よ る複 素ばね 剛 性KiV
の 3要 素によっ て分 担され る ことを表し て い る。 杭 頭イン ピー
ダン ス の 3要 素につ い て無 次 元 振 動 数 al の 数点で調べ たの がFig.
4 で ある。 解析パ ラ メー
タは,Vv
/Vu=
・
2.
5,
ξ=o.05
で,
後に示すFig.
7のL
,/r。=
10で L,/H = ・1/2の浮 杭の
V。
/V。
= 7.
5,
15,
30に対 応 してい る。Fig.
4a
か ら,
土柱に よ る複索ばね剛 性Kev
の実 部は 振 動 数に対 し てほと ん ど一
定で, その虚 部は振 動数と と もに直線 的に増加し,Vp
/V
,=
7.
5で は負の値 を示す。
杭 周 地 盤に よ る複 素 ばね剛 性Kcv
は実 部,
虚 部 共に振 動 数 全 域に わ たっ て Kvvの主 要 部 分をな し て お り,
振 動 数 の上昇と ともに杭の慣 性に よ る複 素ば ね 剛性 KiVが卓越 し て くる。 ま た,
Vp/玲=
15,
30の 場 合,
杭一
地 盤系 の 固 有 振 動 数の と こ ろで は Kvvの 実 部が零に な る (Fig.
7参 照 )。 Fig.
4b に単 位 長さに対す る動 的 杭 周 作 用ば ねkcv
と 杭の慣 性 力 肌 p ω2 につ い て示 し て い る。
動的Winkler
ばね の表 現に相 応する んcy は Vp/ V.に ほ と ん ど無 関 係 で,
周 辺 地 盤の表 面 波による影 響 を強く受 けてお り,
表 面 波による 1次 振 動 数を越え る領 域で,
実 部は ほ と ん ど一
定の 剛性を,
虚 部は振 動 数と と もに直線 的に増加 す る 逸 散 減 衰を表して いる。 α 1=
1/2
付近を境にkcv
の実部 と杭の慣 性力 祝 pω2の 値の 大 き さ が逆 転 してい るの が分 か る。
こ れ か ら,Kvv
の特 性が放 物 線 を描くよ うに大き く変化す る主な要 因は杭の慣 性で ある と言える。
こ の逆 転する振 動 数は杭の 線 密 度 mp に依 存す ると考えられる。
Fig.
4c に は杭の変 形 特 性 Wp、/WPL につ い て示し てい る。
この振 幅 特 性は α1=
1/8
(表 面 波に よ る1次 振 動 数 付 近)の変化を除く と α、〈1
/2
では ほ ぼ一
定と な っ てい る が,
α、=
1/2 付近を 越 え る とVp
/V
”−
15,
30の杭で は微 増し,yp
/脇=7.5
の杭では減 少す る 傾 向 を示 して い る。
位 相 遅 れ はV
,/−V
,,= 7.
5
の杭の α1=1
/8
付近の 急 激な変 化 以 外は振 動 数に対して単 調に 1.
o 変 化し,Vp
/ Vuの小さな柔な杭ほど位 相 遅れの大きい こと を 示し てい る。
こ の よ うに, a:
>1/2の高 振 動数領 域では,
Kvvの特 性に及ぼ す杭の変形特性の影 響が大き く な る。 つ まり, 杭の全 慣 性 (祝 pげLp
)と Wp。/WPL の実部の特 性に より,
KiVの実 部 が 脇/VH
の大きい剛な杭では剛体的な慣 性を コ 表 し, 柔な杭で は杭の持つ慣性が抑 制され,
ま た,
杭の 160140120loo80604020o一
20一
40一
60一
80一
10D一
120 0 1086420 112 aL l O 1〆2 al l a) Kev,
Kcv,
KiV and KYV◇ 切
,
』・
!μ・
』【駲/μ!
F尸
諺
’
グ」
FF
厂
r「
1 0 16一
一一
徽 電 :蠶
−隔
x蹠・
晒a1 丶P、
.
.
臥
x A叩量itロde−馳
1 冨 £ 0「
薈
H匿
謡
灘
i
x P 二seL 昭 Real 0 1〆2 σ【
1 0 1/2 σ1 1一
1 b ) kcv and rnpωs c)WPA /WpLFig
.
4 Three essential parts of κレ
レ
for a nQating pile(1.
p/r。=
10
,
Lp/H畢 1/2,
Vv/y甜= 2,
5,
ξ=
0.
05)1
蜘
1
o.
5 0慧
》
.
壕
:
rK
1.
01黷 1
o.
5鷲
一
一
’
16”一
/3’
”“
,
一
一
”
等 7.
5 c lO 20 40 Lp!rっ
80 10 20 40 ムp/ro 8D u)&nd 腱 ing piles b)Flcating pilesFig
.
5Charactenstic
parameter α rep陀sennng the pi【e be.
havior
.
(b■
=
0.
5,
レγ
/y肘
二
2.
5,
ξ=
0.
05)全 慣性と tVPA/lvpL の虚 部との特性に よ りKtVの虚 部と して現れ る。
一
方, Kcvの特 性に はkcv
の実 部の振 動 数 に対し一
定の要 素と虚 部の振 動 数の 1次 関 数 的な要 素が ωPAノωPL の実部と虚部の特性を介し て複 雑に現れ る。
3.
5 杭の分 類 杭一
地盤 系の鉛 直振 勤 性 状に杭と地 盤の速 度 比 レp/脇 (ま た は杭と地 盤の 剛性比Ep
/μ)と杭長 さ径 比 L尸/r。 が大き く影響 す るこ と は,
既往の研 究ε}・
2U な ど で も明ら かに さ れ てい る が, 両 者 を同時に考慮し た杭の分 類によ 400 3go 3803T。
”叫一
一
冒
曽
‘
丶 丶.
一
.
360i
ii
!
”
−
40 血 a 「。
30 20幽
’
‘
1’
幽
’
1・
丶 10 0
・
一一
曽
・
κ鬥
〆μ」
ー
0 α 0000 4321 780 770 760 210 200 190 7e 60 50 4e 駈 μ「・
301 20 10 0 40 3e 20 10 0 0 る考 察は ほ とん どな され て いな い。
(27)式で表現され る よ うに, 支 持 杭で は軸 力の比 N嘱/1V。 。, 浮 杭では鉛 直 変 位の比 ω尸0/ω PL で示さ れる杭 頭に対 する杭 先 端の応 答 特 性お よび杭の 変 形 特 性 ω尸ん/ω。 乙が,
杭を分 類する うえ で重 要な因 子になる と考え ら れ る。 そこで,
両者 を 統 合し た杭の分 類を行 うに際し,
支 持 杭での 解。Iv
.,, 浮 杭で の ωp。/w,,に着目 し,
その絶 対 値とLp
/「
r。の 関 係 をパ ラメー
タV.
/V.
,Lp
/H
と と も にb,
= ・O.
5のVv
/VH=2.
5
でξ一
・
o.
05
に対し て Fig.
5
に示す。
な お, L,/H の すべ ての結果を示 し 410 400 390 380 120 110 1eo go 50 40 血 μ「・
30 20 10 0 00000 4321 Real魔
矯
\童%
、
丶
、
、
1
・Cg 、) Vp!v.
=
7.
5 15 30 Iavag。
1/2 aL 1 (5) (b【
) (10) G) Lpfr。
=
10 240 230 220 210 100 go 80.
70 50 40, 血 μ「。
30 20 10 0 40 30 20 10 0 1/4 σ1 1/2 (5〕 (b、
) (10) b)五P/r。
石
20 。。ノ。。
… 〔… 3) 30(813) 15(1613) 7.
5(32 !3) Rea正 1圏g.
7P ! γH雷
60 30 且5 7,
5 1/8 σ1 1/4 0 1/16 σ【
1/B (5 ) (bI) (10) (5) (b【
) (1 ) c)Lp/上昌
生o d)乙P/ro=
80 Fig.
6 Variations of pile.
head impedances with frequency fore皿d bearing piles (1ん/レ”
‘
2.
5,
ξ=
0.
05) て はい ない。
こ の 図に は α; ・ VH Lp可
π をパ ラ メー
タ と し た もの を破線で示してい る。
a が小さ く な る と 剛で・
短い 杭 に,
a が大き く な る と柔で長 い杭に相 当す る。
Fig.
5 か ら,
支 持 杭 の (IVpo
/NPL
) と 浮 杭 の (tOm/WPL)で示され る杭 頭 に対す る杭 先 端の応 答特性は よく似た傾 向を示す と と も に, パ ラメー
タを α と し た 応 答 特 性に及ぼ す Lp/r。 (ま たはVp
/V
,)の 影 響は,
パ ラメー
タ をVp
/V
” 1ま た は Lp/ro)と し た場 合に比べ非 常に少な く な るの が読 取れ る。
この ように,
杭の分 類の た めの特 性パ ラメー
タ と して a が よ り適 し て おOP
t 目安 と して α≦2/3の杭 を 剛 短 杭,
a ≧8/3の杭 を 柔 長 杭,
そ れ 以 外の杭 を 中 間 杭と して分 類 す る。 この分 類に従っ て杭の 鉛直振動 特性を明ら かに して い くことにす る。3.
6
支 持杭の杭 頭 インピー
ダン ス の振
動
特 性 種々 のLp
/r。に お ける支 持 杭の杭 頭イン ピー
ダン スKvv
の振 動 数に対す る変化 を, V
./V
”= 2.
5 で ξ=o.
05
の場 合につ いて,V
,.
f
VH
(ま た は a )と と もにFig.
6 に 示す。 こ の図に は表 層地 盤の 存在し ない自立杭の杭 頭での 動 的 鉛 直ばね剛 性K
。v を破 線 で 爪 して いる。
Fig