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自脱穀型コンバインの生脱穀に関する研究 (第1報) : 脱穀作用について

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Academic year: 2021

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(1)

(33)

自脱型 コンバインの生脱穀 に関す る研究

(第

1報

)

石 原

昂 。 寺 田

(鳥取大学農学部農業機械学研究室)

Studies on帝 Vet Threshing by Smali Combincs wtth Sclf‐

feeding Typc Thrcshcr

I. Function of Thrcsling

Akira lsHIHARA and` lasaru TERADA

ω ψ″サ脇οガ げ れγぢθ″″″紹′〕4,fカカ♂り,Яπ″′″ げ ムgttο″″″ヮ

,拘

チチο″ゲυ″υ″sガ

Recently,small combines、 7ith a Self‐feeding type thresher have been introduced to many farmers in Japan. Grains were threshed lnder 、vet cOnditiOns in those

combines. Thereだ ore, the gFain threshing process containing high moisture became very important, In this paper, the authors compared fOur kinds of small combines and six kinds o£ threshers with regard to each dimension of structure,

The performance of wet threshing was compared continuously with that oだ dry threshing, and also, the threshing Power required was studied theoretically and

experimentally. 優* 緒

言 近年, 自脱型 コンバイ ンの普及につれて

,刈

取 り脱穀 を同時に行な ういわゆる生脱穀が行なわれ るようにな っ てきた。 この生脱穀は従来の慣行脱穀法に比べて極めて 能率的であるか ら

,今

後ますます普及す るものと考えら れ る。 しか るに

,現

在の自脱型 コンバイ ンの脱穀部およ び生脱穀兼用の自動脱穀機は

,従

来の乾燥扱 ざ用の脱穀 部をそのま ゝかあるいは改良 してあるに してもその極 く 一部を改良 しているにすざず

,生

脱穀特有 の構造的諸条 件が余 り考慮されていない。 したが って

,生

脱 穀 時 に は

,選

別不良

,調

整不良

,機

内の詰まりな どに よる所要 動力の増加や機体の著 しい損傷などの問題が起 こる。本 研究は, これ らの生脱穀における諸問題を定量的に究明 す るために行 ったもので

,脱

穀作用 と選別作用 とを別 々 に検討 した。本報ではその内 脱 穀 作 用について報告す る。 市販脱穀機

,自

脱型コンパインの脱穀 部についての現物調査 調査対象 としては

,全

自動脱穀機6機種,自脱型 コン バイン4機 種を選定した。 そ して

,(1)歯

IT形状 (歯 村の種類

,寸

,数,配

列法

,回

転間隔

,重

複数など)

,(2)受

網 (受網の種類,日開き

,線

,有

効漏下面 積

,受

網 と歯村先端 との間隔

,受

網の垂線前後における 扱胴包囲角など

),(3)扱

胴 (扱胴直径

,幅,形

状な ど

),な

どの各項 目について計測た。 これ らの調査結果より

,全

自動脱穀機 と自脱型 コンバ イ ンの脱穀部の類似点

,相

達点をまとめると次の如 くで あった。類似点は

,(1)歯

粁はすべて固定式

,(2)

整椀歯の種類

,本

,形

,配

列順序

,配

列方法

,(3

)扱

,補

強歯の種類

,配

列順序

,(4)受

網の種類, 目開き,目形

,(5)扱

胴の形状

,仕

切板 の数

,位

置, 受匁の種類

,な

どである。また

,相

違点は

,(1)自

脱 型 コンバイ ンの扱歯

,補

強歯は 補 助 歯 を持つものが多 く

,歯

tT総数も10本程度多い

,(2)歯

粁の植込み密度 が高い

,(3)扱

,受

網が少 し大きい

,な

どである。 このように

,若

千の相違点は全 自動脱穀機 と自脱型 コン バインの間に認めら浄た。 これは設計者の苦心の跡と推 研究報告

XXⅣ

*現在は石川県農業短期大学

1972

(2)

察されたが, この相違を作 るための理論的根例はあまり 明瞭ではない。 したが って

,本

調査の結果

,従

来の乾燥 扱き用脱穀機 と生扱き用脱穀機 との間には僅少の相違 し かない ことが明 らか とな った。 生脱穀兼用金 自動脱穀機による性能比較実験

(a)実

験装置お よび方法

A機

,B機

の供試全 自動脱穀機を使用して

,生

扱 ざと 乾燥扱 ぎを行 った。供試機の主要諸元および各調節部の 調節位置を第 1表 に示す。供試稲は国光で平均子実歩合 第 1表 供試機の諸元 と調節部 第 1図 兼用型 自動脱穀機の諸性能 動脱穀機の生扱きえの適応性は低い ことが明 らか とな っ た。つ ざに

,脱

穀能率を毎時毎馬力効程および所要動力 と稲秤合水率の関係で示す と第 2図 のごとくなる。生扱 きは毎時毎馬力効程は少な くて所要馬力が大きく

,乾

燥 第 2図 稲秤合水率 と脱穀能率 の関係 扱 きと反対の傾向を示 し

,粗

,秤

における水分の影響が 顕著に表われている。すなわち

,粗

合水率が

1%増

加す ると所要馬力は約0.05%増 加 し

,毎

時 毎 馬 力 効程 は約 25K7/ps.h低 下 して脱穀能率が低下する。 脱穀所要動力の理論的考察および実験

(a)脱

穀所要動力の理論的考察 と数値計算 脱穀現象は極めて複雑な現象である。すなわち

,脱

粒 機構は次のごとくである。扱胴の歯拝によって衝突を受 けた不完全弾性の稲穂は

,歯

粁の運動エネルギーに より それの一部の粗が脱粒され

,そ

れ と同時にその慣性力で 歯将に巻きつ こうとす る局部的な横振れ運動を起 こす。 しか しなが ら

,高

速度で回転運動をす る歯拝には高速度 (約8∼15m/s)なるが 故に 巻きつ くことが 出来 ず, 歯村による横振れや巻きつき運動は規制 されて反力を受

毎 時 毎 馬 力 効 程   p s 所 要 馬 力 PS

1写

1甲1甲

│ は約35%である。生扱きはバイ ンダで刈 った後

,直

ちに 1形 に結束 したものを

,乾

燥 扱 きはバイ ンダで 刈 った 後

,約

20日間架千 したものをそれぞれ脱穀 した。水分検 定 は電気抵抗式水分計 と赤外線水分計を使用 した。脱穀 方法は供給間隔 3秒 の束扱きとし

,被

脱穀物 は 1番 口, 2番 口, 3番口

,機

外か ら集め

,全

量を計量 して後,舘, 唐箕を使 って粗と爽雑物に分離 した。また, 1番口被脱 穀物150夕 を均等に取 り

,手

選別により精粒

,粒

,枝

梗 付着粒

,穂

,損

傷粒

,葉

屑を分けて

,そ

れぞねの重量 を計 った。

(b)実

験結果および考察 生扱き時 と乾燥扱き時における兼用型 自動脱穀機の諸 性能の比較を第 1図 に示す。脱穀機国営検査基準を尺度 として諸性能を比較すると

,乾

燥扱きでは全性能が基準 以下の値をとり, 自動脱穀機 としての性能は十分発揮さ れている。他方

,生

扱きでの諸性能は検査基準以上の値 を示す ものが多 く

,そ

の値は乾燥扱きの約 2倍 を示すも のもある。 したが って,生扱き時の性能は極めて悪 く,自 連 こ 雌 国 生 乾 10 20 30 40 50 60 70 卜 乾燥 こぎ十 生 こぎ引 稲 秤 含 水 率 (%)

(3)

ける。 この反力に より逃方 向の横振れ運動を起 こして隣 接歯村に接触や衝突 して脱粒 される。また

,接

触や衝突 以外にも受網や扱胴表面 との摩擦によって脱粒が行なわ れ る。 これ らの脱粒仕事に要す る動力を脱穀所要動力 と す る。いま

, Pl :無

負荷動力

(PS), P2 :正

味脱穀 動力

(ps),P3 :脱

穀物の移送漏下に 要 す る動 力 (

pS),と

す ると

,脱

穀所要動力

P(PS)は

次式で示 され る。

P=Pl+P2+P3(ps)中

●●●●… … ・(1)

こゝ

,Pl=ち

半 μ

………

(2)

た ゞし

, I:扱

胴の慣性モーメン ト (kgo m・ Sec2) ω:角速度 (rad/Sec)

:角

加速度⊂

ad/確

つぎに, P2事 P2′+P2″+P2″ (ps)……・……(3) たゞし

,P2/:脱

穀に要する動力 (pS) P2〃 :横送 りおよび摩擦に要する動力 (pS) P2′′′:茎繹切断に要する動力 (PS) 他方

,力

,運

動量理論の適用によってP2′,P2′′, P2〃′を求めると次のごとくである。 P2′ =ε mV2/75(ps)・……… (4) P2″ 事 μ

NV/75(ps)

… ………。(5) P2″

=B(C-1)D/75(ps)…

……(6) た ゞし,

V:歯

lTおよび脱穀物の移動速度 (m/s) 2π nr′ 60 扱胴の回転数 (rpm) h 扱胴の有効半径

(m)=r+弓

h 扱胴の半径 (m) 扱歯の高 さ (m) 脱穀物群の単位時間当 りの質量 (彰・ Se C/m) 歯l‐Fによる茎秤の圧縮力 (彰) :歯粁 と茎秤の動摩擦係数 脱穀時の歯lrTと茎秤の総接触面積 (cM) 脱穀物中に合まれる粗量で

, mの

中の靱の 比率 (脱穀係数) 子実歩合

C-1):1本

の茎洋より生ずるわ ら屑の数

:1秒

間に扱胴内を横方向に移動す る秤茎の 重さ (K7.m/seC) N ′ A の   B く D 自脱型 コンバインの生脱穀に関す る研究 (第1報) (35) つ ざに

,脱

穀物が停滞な く移送

,漏

下 されているとして

P3=mV2/75(Ps)…

………・(7) したが って

,(1)式

(2),(3),(4)。

(5),

(6),(7)式

を代入す ると,

P=キ

(b半

mvみ

μ

NV+Bに

-1)D+

mV2}Φ

の … … … …… … (8) これが脱穀部の脱穀所要動力を表わす一般式 となる。い ま

,生

脱穀時の所要動力を Pヾ

,乾

燥脱穀時の所要動力 を Paと する。そ して

,生

脱穀時 と乾燥脱穀時における 消費動力の差を求めると次のごとくなる。

Pw乳

=■

(NV

ヾ―μ

)■

V2仰

_

mD(ε

+1)}…

…… …… …… (9) た ゞし

,無

負荷 動力 は生脱穀時 も乾燥脱穀時 も等 しいか ら,

h伽

=L釦

とし

,茎

秤切断力 は生稲 も乾燥稲 も大差がないか ら, B、

(Cw-1)Dw■ =Bd(Cd-1)Dd

とみなす。 ついで

,上

式を使 って数値計算をする。いま

,次

の各 数値を与えるものとす る。 μ

v=0.8,″

d=o.4,N=1(レ

),mw=o,0103

(IC7・

Sec/m),ma=0.0156(彰

.seC/m),C=0.9,

r′=0,172(m), n=500, 550, 600(■ Pm)。 その結果,

n=500(rpm)で

,P(―

Pd=0.0298(Ps)

n=550(■

Pm)で

は,Pヾ ―

Pd=0,0397(Ps)

n=600(rpm)で

,P(―

Pd=0.0419(P3)

を得た。すなわち

,生

脱穀時の動力消費が乾燥脱穀時に 比べて大きい ことが分 る。また

,生

脱穀時の茎秤や釈の 動摩擦係数 μ、は合水率

,歯

拝速度によって異なるが, 0.3≦ μヾ ≦ 0.4である。 ヽま

,

μヾの増 減 による (Pw一

Pd)の

値を

(9)式

で計算すると第 3図 のご とき関係 となる。

(b)脱

穀所要動力の実験 粗水分の多少が脱穀部動カヘおよぼす影響を調べるた め

,実

験装置 として手扱き式の動力脱穀機を試作 した。 この試作機の扱胴は自脱型 コンバイ ンのものを利用 し, 流穀板 は傾斜度を可変 し調節 し得るようにした。また,

(4)

0.8 0.7 所 α6 要 0,5 1弱 0.4 (≧)0,3 ・. 0.2 0.1 0 や粗の水分の影響が現われて くる。生扱きと乾燥扱 きの 4.5 5.0 5.5 6.0× 1(). 回 転 数 (rpm) 第3図 (P、 一

Pd)と

wの

関係 脱穀部側面および扱胴カバーは内部の脱穀状態を観察す るために無色のプラスチ ック板で作 った。試作機の主要 諸元を第 2表 に示す。上記の性能比較実験の場合 と同様 の脱穀方法で

,生

扱きと乾燥扱きを行ない扱胴軸に取付 第 2表 試 作 機 の 諸 元

/

-8

/

″ g

/

/・

//

/ I │ ― 生 こ ぎ ― 靭 こ ぎ 数 (本) 0.8 0.7

o乾

燥脱穀 ・ 生 脱 穀

_議

生 脱 穀 引 0,2 0.1 ,o 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 概 含 水 率

W(%)

第 4図 扱胴回転数 と所要動力の関係 時の扱胴回転数 と所要 動力の関係を第 4図 に示す。生扱 き

,乾

燥扱 きとも回転数を大 きくすると所要動力は増加 す るが

,増

加割合は一定でな く回転数の増加につ浄て増 加割合は減少 し

,脱

穀仕事の最 も能率的な適正回転数の 存在することが示 された。水分の影響による生扱 きと乾 燥扱き時の所要動力の差は

,約

0・1∼0.2Psで回転数が高 くなるとこの差が大きくなる。粗の合水率 と所要動力と の関係を第 5図 に示す。合水率が大きくなると所要動力 は増加す る。所要動力の増加率20%程度までは小 さく一 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1,1 1.2 1.3 1.4 1.5 稲 秤 動 摩 擦 係 数 μw 第 5図 楓合水率 と所要動力の関係 定であるが

,20%を

越す と多少大きくなる。とし扱きと乾 燥扱き時の動力差

,つ

ま り脱穀部所要動力におよぼす水 分の影響は最大 0,2Psで あ り, 図のハ ッチ ング部分が 所要動力の増加を示す ことになる。以上の実験を総合 し て

,正

味動力 (Pヾ ―

Pa)=Y(PS)と

粗合水率

W(%

)との関係を片対数方眼紙に描 くと第 6図 のごとくであ 脱 穀 所 要 馬 力 P P S

0 ・ 20     0 ・ 10   0 .。7 0 ・06 0 ・05 0 ・ 04 0 ・ 03   0 ・ 02     0 , 01 ︵ J I コ 了 ♂ 命 巴 生 脱 穀 動 力 と 乾 燥 脱 穀 動 力 の 差 配 列 法 率杭歯・ 補強歯・ 並歯 不 規 則 回転間隔 Clllm) 最大70 最大60 最小10 歯秤 と受網の間隔 (mm) 受 網 の 目 合 (mm) 8 × 8 日可 90 っ笙 40 扱 胴 ほ う 囲角 (度) 受 網 曲 率 半径 (lnlll) 183 2334 前

4

後 0 有 効 漏 下 面積 (cf) 受 刃 本 数 (本) けたス リップ リングにより,ス トレイ ンメーターとペン 書きオ ッシロを使って所要動力の変化を測定した。 実験の結果

,脱

穀部の所要動力に及ぼす水分の影響は 次の通 りであった。すなわち

,脱

穀部における所要動力 は

,生

扱きと乾燥扱きとでは生扱きの方が大きく

,茎

秤 最小10 m

¨

W〓・kg

N〓・kg

¨

/ /

(5)

自脱型 コンバインの生脱穀に関す る研究 (第1報) (37)

,3

,2

正 味 動 力

中‐

151o171819絵

警架筆

2栃

5262728

第 6図 粗合水率 と正味動力の関係 る。図によると

,正

味動力は生脱穀 として考え うる鞠囲 の合水率では最小0・05ps,最 大 0,2Ps程 度であり

,図

のハ ッチ ングを施 した領域に包合される。 このハ ッチン グ部分の実験式は Y =10(539■ ■)W-0293 で表わ される。た ゞし,α はハ ツチ ング部分の測定値の ばらつ きによる幅を考慮 した定数であり, この実験では 0,23とな った。 この実験式 より

W=1%の

増加は

,Y=

0.02psの 正味動力の増加 となる。 したが って

,脱

穀部 における水分の影響はあるがさほど大きくはない。 した 力ゞって

,生

扱きの所要動力の増加は選別部や輸送部の影 響が大きいと思われ る。 結

(1)乾

燥脱穀用 自動脱穀機 と生脱穀用 自脱型 コンバイ ン脱穀部の間には

,機

構的な相違は少な く生脱穀のため の条件が加味されていない。 したが って

,乾

燥脱穀では 十分であっても生脱穀では不十分である。

(2)脱

穀部所要動力は生脱穀時の方が大 き く

,茎

秤お よび粗の高合水率の影響が表われた。 しか し

,そ

の増加 率 はさほど大きくはない。

(3)生

脱穀時のこの所要動力の増加 は

,脱

粒仕事に要 す る動力よりもわ ら屑など爽雑物の発生の増加に よるも のと考え られ る。 参 考 文 献

1)江

崎春雄:コンバイ ンとバイ ンダ P,350∼ 358農 業 図書

K.K1970

2)東

大農業工学教室 :農 業機械実験便覧 P,302∼ 312養賢堂 1966

3)庄

司英信・ 佐野文彦 :高速度撮影に よる回転脱穀機 の脱穀過程に関す る一解析 農業機械学会誌 第19 奉 第 4号 P,167∼ 1701958 4)Kanafojski,C。(上屋功位訳):コ ンバ イ ンの理論 と 実際P・ 2∼

28新

農林社 1967 多

回転数550r 束重量 l kg

lll

加 F

(PS)&脱

0.03 0.02 0.01

参照

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