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香川縣に於ける家畜飼養の実態的研究 I 木田郡に於ける乳牛飼養について-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

香川願に於ける家畜飼養の実態的研究

Ⅰ木田郡に於ける乳ヰ飼養について

中 広 義 碓

Study on the ActualCondition of Cattk Raising

in Xagawa prefecture

10n the RaisingOf the Milking Cow

in Xida−g−un,Kag■awa pr・efectt)re

By

Yosio NAKAHIRO

(Lado吏左toryofZoQteChni9alScience)

1緒

戦後に於て我国の農業経営の欠格を補正し,其の生産力を高めると共に,内部の合理化のために・は種々 ロ)方法が辞じられ,且現実に試みられつ」ある.夙に唱導されて発た特段も各地に■於て推進され 香川腰 に於ても集約濃紫を更に合理的に高度化するものとして,酪農の価値博極めで大きく,之がため乳牛飼養 艶数は急速に増加し,之は戦後に於る濃紫経営の一腰的轡向と見倣されてゐる 而して其の経営の形態練,立地傑作より見て概して水田酪農と称すろ部類惚属し;之〉を家畜野合理的飼 養の見地より見れぽ,欠格も多く,今後最も有利に導くためには,先づ其の冥態を把擁し,障路を打開し つ「ゝ合;艶的に組紡丑てる必要がある. 斯かる観点よ、り香川願東部酪農地帯を形成せる平井町を中心とした木担郡下草華牒乳牛飼養の笑態調査 を試みたので,菟に之を報督する.

2 材料及び方法

先づ対象として木田郡に於け の冥態老僧魔的に把捜し,琴の琴営規模並:に飼料の給与状態に依って5群に分ち,夫々の群の代表的農家 1声宛につき,昭和25年12月1日よりユ.月29日に登る迄を第1期とし,昭和26年5月1日よ る迄を第2期と.することによわ,寒暖雨期に於ける飼料横取の総量を求め,】.日中垣当りの飼料給与に対 し,飼養棟準と顔料して盈的及び質的なる過不足につき検討した・

3 結果並に考琴

① 飼養基礎條件

a自然的現場 最も雷要なる関係を持つ気象的條件紅つきネ塀の例を示せば,次の如くである・

第1表 香川懸に於ける月別年間雨曇並に混濁慶 (高級測候所詞昭和25年密) 第1表の如く,年平均温度は14.50Cで大体家畜の適温範囲即ち10∼ユ80c円にあると云うことが出来る・ 然し年間の較差が甚だしく,然も高温なる夏季に於て多渥となり,家畜の保健衛生上有害條件に・なるが, 冬季昧比較的凌ぎ易い条件下にある..従って大局的に見れば,夏季の暑熱に・対して通常なる処置をとれば, 家畜の生理上適した環境となる. 土地傭件として匪,本願の土地紘一般に砂質壌土にして土性は酸性部分多く,大草は老朽田であり,.そ れは母岩の和泉砂岩,花崗岩により生成せられたことに原因して地力に乏しい.即ち土壌中の有機物含有 量少く,高度集約農法を蓮放する上其の土地ぺの還元物たる有機物の蕪辞類を農家副菜加工品たる藁工晶 −35 −

(2)

平 均 の原料としてゐるため,家畜飼養匿.よる堆厩肥の施用は必然不可1欠の要求でト農象の家畜との結びつきも 頒濾で強固となってい盗. 本地方0)如く寮候温暖雨最少い地方では有機物の消化は甚だしく,・全国平均堆肥の施用反当盈は17’6貰 壷.対/し本痍は2由貰であるにも拘らず,土壌中の有機物含有畳は内地の平均8.、61に、勤し4.91と反対■に傾 い. 採草地,原野に類するものは.殆んどなく,総て穀作,果樹,及工芸作物等が栽培されている・ b 経営経済的環境、容麒は絵画層1声58方粁,人口93万人を占め,其の人口密度は査国策7伸二にあり,見 るべ普産発乙草なく大部分は農家であつ宰1就業者総数の中56・%’が農業者であり,各産業絵生産額合計の40% が農高産物であると蕾ふ藩琴が示している嘩に盛栄が主産菓であり,我国盛栄経営形態の申最も過集約的 な典型的有産である, 然して儀農象戸数は.88459戸(昭.22.10.11罰)で,田畑の稔面積、ま496,619反(昭22.8.1調)で,其の中水 田は377,374反畑は119,245反という割合教なしている.農家ユ.芦当り餅作面頭は5反6畝であり,全国平 均7−8反に対−し其の年分位の狭小なる土地で,其の内訳は田4反2畝旭1反3畝12歩である ネ地方の農業経営に於ては,余剰努力を利用する意味の家畜は特に必要とされている. 面積狭小な中に集約的略奪農法億行っている関係より,有畜農草の極めて強力に推進されているのち当 然の事であり,戦後飛躍的に増加したものとしては,劉牛,豚,親等が挙ゆ得られる.然し乍ら,反面攻 城的な色彩濃く価格変動の波に乗らんとするため,茸常なる発達を囲み,且自らも多・大の損失を蒙ってい る場合が甚だ多い. 市場関係・飼料の入手酪係より専業搾乳菓としてをま成立甘丸殆んど総て農象るこ於ける副菜的搾乳で⑬ 少,合理的農業経皆の一−・環として和牛飼育の努力的生産的非効率胡より,.胚爽乳牛に依る役利尉に立脚し 溌膚腰生産と現金収入を伴う有磯的経営の道を迫っているの払雷地方のみでなく日本の農業経営の一つ −¢)方向樽換と見るべきである. 酪農発展の最大要件たる需要の間露軌概地方が酪農工場による集乳区域戸恥こあるため,加工原料乳に −・36・−

(3)

関する限りて無限に近い. ⑧ 乳牛の飼養状況 本地方時■古くより水田作に伴う和牛の生産地得であり,新興的な酪農地としての発展も実質的に見れ ば,和牛由育より乳牛飼登への持換∴或は樽換への移行型と見るべ普であり,其の意味佗.於て乳牛紅対・す・ る役利用の要求も食まれているJ未だ乳牛の合理的飼養の体験と知識に.乏し普ため,飼養的,経営的志保 伴を克服するための諸棲のエ犬がなされていなレ㌧ 水田酪農絶と雄も,此餃的広面積の経営にして,裏作として育刈作物顆其の他飼料とLて利鞘の可■能な る作物萩野の出来得る埠方は兎も角,本地方拡・於ては卜耕作面積狭′J、なため飼料自給策として甲輪作も困 耗で,飼料親増の余地乏しく,採草坤としての山野からは速く離れ,農場副産物も少く,比較的購入飼料 解多く依存せねぼな・らない現状に.ある.普通農象に於■ける給与飼料の・−づ投的構成匪,大体第2表の如くで あ為. 象2表 腰衣に於ける乳牛飼料の・一疲構成 備考・車内に於ける飼料の比率ほ時価換割こ依り使周畢に応.じて夫々罪出した. 次に調査に‥よる袋象の飼料給与畳,並に之が飼養標準に対する栄養の過不足乱舞3.4.5.6表の如くで あ. 弟3表 来期に於ける飾料状態(自昭2S.12.1∼至昭26.1.29)(kg) 以上の数字の算出に雷つ てほ,各館利q)中特殊白餅 ものである瞳準革,野菜闇 は,夫れをこ構成せる諸鐙の 植物を其の分布状態並に牧 畳を計畳の上,瞳呼単にあ りては9恕,野菜屑は8椅 につき分析した上,農家の 使月弓塵に應じて計算し,其 の他の」−・肢的飼料は,農林 省畜産試験場の戦債に.依る

分析表により求めた.又

Hansson民の飼養傍準との 照合には,可濁化螢自質量 と澱粉価を基礎とした 各表によって明らかな如 く,其の飼料の内容は椙藁 に加へ棟数を以て主とせる 稽・ 環 睦 畔 草 甘 肇 笛 横 枠 甘 預 大 麦 大 豆 粕 几豆 腐 粕 コプラミ←ル

適 甘】退 官

食 塩

適 官l適 官 偏向的飼料の連続的給輿で

ー 37・−−

(4)

第4表 Hansson毛飼養槙準と照合せる栄養の過不足(kg) あること匪一,乏迄日本水田 作地の飼蕃習慣的な道を歩 んでいると云うべきであり ,之等の給与により栄養障 碍はもとより,嗜好を曲め ,消化吸収を悉くしド,強度 の場合にありては軽度の、下 痢症状を伴ったま」飼育せ られている状錬にあり,稽 藁多用に基く珪酸の多過と ,槽硬顆の偏用による燐酸 分の過剰から起る石衣分の 相対的絶如勺紋乏と準に, 特典な飼養的紋隋となつ七 いる.■更に此の問題は,諸 自給性飼料の殆んどが,酸 性土境地に於て生産される ことに.依って,致命的とな って’いる■然し乍ら,石衣 の不足は,潰接的障碍を・伴 わ′ぬため,数字的にも現し 輝く,且叉麻袋地としての 顔見も新しい関係から,膏 成■された乳牛も≡若齢にある ため,生産力に.附隠せる乳 牛薄命につき・−「股的な統計 資料な、く,兎角等閑硯され 易いが,準殊な飼料構成頭 囁より考へて無機形態と∴L ての給源である衆酔石衣の 漆加,更に積極的には酸性 土壌の中和,茸科植物茎葉 の給与,石衣藁の製造等の 方法翠静ずることは, 紋の問題と考へられる. 全般的な栄養素は良好で あるが配合㌧悪く,ために個 体の能力,体力等に伴う栄 番傘の変化が弾力的に調和 されていない.即ち,放牧 的賓白質含有量少き飼料を 以飼養していてるため,乳 盈増加に従って全栄養量 に対・し,蛋白質盈が不足 す−る傾向にあるひ 此の署は 飼料の入手関係も多大な関 係あり,特に哉浸大豆粕等 の如く黄白質含敏夫にんて ,栄遼寧調節上有効なる飼 料が得難い点に.あると考え る. 節5表 援期に瀞ける飼料状態(邑昭26…5.1∼6..29)笹g)

第6表 Hansson曳飼養磨準と照合せる栄萎の過不足(kg)

− 38 −

(5)

良質なる粗忽の豊奮セないと.と軋酪農を合理的に発展首すための悉條件となっているれ之が経営上 の打開策としてほ,部下に散凄する傾斜地の利用が挙伊られる!土質が強度の酸性の上席穂に乏しい之等 の土地も,家畜の増殖に依る有機循環自勺な経営を行ひつ1, ば飼料自給の−・端を扱うことが払来ると恩はれる・之と同時に.既存の掟防,瞳呼等に於ける草生の改良も 行はれるべきであって,特に.濫獲による植生の退化を防ぐ必要がある. 郡内に於ける野草の種類は禾本科拾物最も多く,堤塘に草するも甲ほ82.%を占めサイドガキ,ヨシサ,チ ガヤ等が大部分を占め,峰呼革は東本科55∼ウ9%で各種のものが混生してゐるが,優良なる牧草の来聴に 依って利用度を高めねばならない. 又経蜜面からは其の立地條件に應じたぬ作把よる飼料の激増自給申分野についても,高度薬拘置皆の・一一 環として,之に準じた置営組織,並に管理方法の検討が必要なる併以を本調査を通じて特に考へられた■ 乍 緒 香川原木田郡に・於ける乳牛飼聾の実態を調査した絡畢,=.極度な集約農業経営の立地僚件下にあるた め,良質なる堪飼料の自給が困難であり,之に代るべき適当なる濃厚飼料の合理的配合,及び給与が, 泌乳盈増大のたあの最大要件と思はれる. 2こ・重体としての栄養素は充分なるにも拘らず,漆原飼料め構成悪く, 給輿不足と滑化率の低下を発しセいるこ

台∴畦呼,堤防革の利用は駄犬湛行はれてゐるも,草生ゐ改良を行ふと共に,作物栽庵と閲聯した帯革の

昌給に努める必要がある. 参 考 文 献 (1)・Beckr,R.B.Neal,

yield andbone strengthin cattle・・Jl・Dairy Sci・17・ (2) Mackintosh‘J.1932.Ibid Nutr■itionl・Feeding standard・ (a) 西山太平.昭和25年..酪盛経営法.

(4) 横井愚.1917.水田酪袋の研究.日鼻研.資料経1. (5) 斉藤濫雄.1949.乳牛の飼料計画.賓蕊の研究∴3,10

R岳sdm6

1.Result of the research madein Kita−gun,Ka・gaWa{Prefecture on the actualcondition of the

ralSlngOfthemi1king cowis as follows;aSitis difficult forthe cattle toSupportitselfwith

graSS Of g00d puality on年CCOunt Of extremelyintensivp managementOffarming・,the▼mOSt

importantbusinessfortheincreaseofmi1ksecretionistoreasonablyharmonizetherichfodder

asthe substitute for the gTaSS and feed the cow onit.

2.Notwithstanding・the nutrition on the wholeis sufficient,the bad combination of the rich

fodder,thatis,OVerfeeding・the cowon the byq・prOduct of the gr・ain hascaused th9 Calcium

defi(:iency andindig■eStion・

3.Tho11ghthe gr・aSSWhichgrOWSOnthelowdykesseperIating the rice fields,On the ridge of

the field,andon the banksisutilizedto the utmost,itis necessary toimprove theway qf

grassgrowingaswellasendeavor torealize the selfいSupplyofthe green grass related to the

crop cultur・e.

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