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審査講評 失われていない 新聞広告の力 ひ新聞広告には 単に表現としての面白さや 目を惹かせる ためだけのアプローチは向いていない 当然のことながら 新しい表現手法に挑戦していたり 視点を変えさせる広告 であることが求められる しかし それが広告のテーマの本 なかしま しょうぶん 中島祥文 氏 ウエ

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Academic year: 2021

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選評

第 30 回を迎えた新聞広告賞は、広告主企画部門に 376 作品、新聞社企画部門に 35 作 品の応募をいただきました。ご関係の皆さまに深く感謝申しあげます。 応募作品の審査・選考は、規定により広告委員会が選考委員会となり、6月から7月に かけて 3 次にわたって行いました。その結果、7 月 23 日の選考委員会で広告主企画部門 5 作品、新聞社企画部門 5 作品の本賞のほか、広告主企画部門優秀賞 10 作品、新聞社企 画部門奨励賞 5 作品を選定しました。また、30 回の節目を機に、広告主企画部門に新聞 広告大賞を創設し、第 1 回の大賞に東芝の「一般白熱電球製造中止広告」が選ばれまし た。大賞をはじめとする各賞は9月1日の理事会で正式に授賞を決定いたしました。 新聞広告賞は、評価プロセスの客観性、透明性、審査の公平性を担保するため、2006 年から新聞社以外の外部審査委員を招へいしています。今年も選考委員会に先立って 開催された新聞広告賞選考分科会に、昨年同様、アートディレクターで多摩美術大学教 授の中島祥文氏に加え、クリエイティブディレクター・コピーライターでウエストビレ ッジ コミュニケーション・アーツ代表取締役の西村嘉禮氏に選考に携わっていただき ました。 選考分科会は、広告主企画部門、新聞社企画部門とも投票と議論により授賞作品を決 定しました。大賞に選ばれた東芝の作品は、120 年におよぶ一般白熱電球の製造中止の 決断の重みを製造ラインに社員がお辞儀をする、インパクトのあるビジュアルで表現し、 新聞広告ならではの社会性、ニュース性という特長を生かした作品として高く評価され ました。広告主企画部門では、商品と地元の飲食店の活性を目指した企画、地元とゆかり のある著名人や地域で活躍する女性を起用し、読者に親しみを感じてもらう作品、ある いは企業のキャンペーンや企業の姿勢をシンプルながらもビジュアルの力で訴求するな ど、新聞広告らしい作品が受賞されました。新聞社企画部門では、クリエーティビティー が高く、地域に密着した作品が目立ちました。アイドルグループや高校生を起用した若 者向けの企画、読者との双方向性を意識したものや円筒鏡を使い隠されたメッセージを 読み取る新聞広告の新しい活用方法などバラエティーに富んだ作品が選ばれました。 入賞した作品は、いずれも新聞広告の新しい利用法や新聞広告本来の力を感じさせ るものです。 ご応募をいただきました広告主の皆さまと関係各位にあらためて感謝申しあげます とともに、今回の受賞が、各社の社業および新聞広告の発展の一助となれば望外の幸せ です。今後とも新聞広告に一層のご支援を賜りますよう心からお願い申しあげます。 2010年10月15日 第30回新聞広告賞 選考委員会 社団法人日本新聞協会 広告委員会 委員長 

今 井 秀 和

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審査講評

新聞広告には、単に表現としての面白さや、目を惹ひかせる ためだけのアプローチは向いていない。当然のことながら、 新しい表現手法に挑戦していたり、視点を変えさせる広告 であることが求められる。しかし、それが広告のテーマの本 質に向かっていないとき、どんなにレベルの高い表現技術 が使われていたとしても、読者はそれを見抜くだろう。 新聞広告にしかできない表現。それは、企業や商品の本 質をとらえ、しっかりとした情報を備えたメッセージを伝 えることだ。よい制作者は、足で広告をつくると言われてい る。自ら取材を重ね、資料やデータを集め、いろいろな人に ヒヤリングをする。そうして集めた数多くの情報のなかか ら、最も読者にとって大事だと思われることを広告として 伝えるのだ。個人的な体験になるが、ある日、若手のコピー ライターから「私は新聞を読まないんです」などと恥ずかし げもなく言われたことがある。当然のことながら、読者とし ての体験を踏まえずにつくられた広告が読者の心をつかむ ことはない。 今年度から新しく設定された広告主企画部門の新聞広告 大賞には、東芝の「一般白熱電球製造中止広告」が選ばれた。 30 段の全面に広がる写真は、従業員の人たちが今まで使わ れてきた生産ラインに感謝の気持ちを表してお辞儀をして いるところをとらえている。読者に背を向けているような 一見変わった広告に見えるが、一度その意図を理解すると、 そこからは深いメッセージを汲くみ取ることができる。白熱 球から LED 電球に変わっても、人びとの暮らしを明るく照 らし続けるという力強い企業のビジョンだけでなく、日本 人のものづくりの奥深さを思い起こさせた。 この広告は、商品や企業の本質的な良さを伝える新聞広 告の力が、いまもなお失われていないことを改めて証明し てくれた。

な か

し ま

 祥

しょう

ぶ ん

ウエーブ クリエーション代表 アートディレクター 多摩美術大学美術学部 グラフィックデザイン学科教授 1944年愛知県生まれ。多摩美術大 学卒。J.W.トンプソンなどを経て、 81年ウエーブクリエーションを設 立。東京ADC会員(02~04年審査 委員長)、朝日新聞社広告賞審査員 (92年~)、日本経済新聞社広告賞 審査員(97年~)、読売新聞社広告 賞審査員(96~99年)を務める。東 京ADC会員最高賞、日本宣伝賞山 名賞ほか多数受賞。著書に『考える デザイン』(2009年・美術出版社)。

失われていない、新聞広告の力。

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新聞広告の先行きを憂慮する声も多い昨今だが、ここに 居並ぶ受賞作を見ていると、そんな危き惧ぐはどこかに吹っ飛 んでしまいそうである。大賞に選ばれた東芝の「一般白熱電 球製造中止広告」は、電球という生活の根っこにある商品だ けに、新聞メディアの持つ社会性という側面が色濃くあぶ り出されて、まさに新聞ならではの事実の強さと広がりを 持った広告となった。企業の誠実な姿勢が素直に伝わり、移 り行く時代への深い感慨を呼び起こさせた。 また、パナソニックは新聞記事の切り抜きを使って、空気 のトラブルに対応する技術の汎用性と情報の信ぴょう性を 巧みに引き出した。福屋はいま新聞広告が最も意識しなけ ればならない「読む」という行為に果敢に挑戦して、「読む」 楽しみをうまくすくい上げている。サントリーは横丁の人 情と活気をいきいきと描いて、ハイボールを生活に深く浸 透させ、長崎県観光連盟は長崎独特のエキゾチックな魅力 をクイズという形式で表現して、関心を誘致することに成 功している。日本マクドナルドの単純明快なビジュアルは インパクトがあって楽しく、これもひとつの新聞広告のあ り方ということができるだろう。 新聞社企画部門で目を引いたのは、朝日・毎日・読売・日 経・西日本 5 紙共同の福岡新聞学校の企画。新聞離れが顕著 といわれる若者に新聞を通じて地域の未来を考えてもらお うと、高校新聞部との協働により展開された。若者を意識し プロモーションを仕掛ける企画は、読売新聞の AKB48 を使 ったキャンペーンなど他にも見られたが、これからの新聞 の大きな課題であろう。また静岡新聞の読者の広告へのフ ァンレターも、新聞広告に元気をくれる好企画だった。今回 の受賞作には、多難な時代に新聞広告が生き残っていくた めのヒントが数多く含まれていたように思う。

西

に し

む ら

よ し

な り

クリエイティブディレクター コピーライター 株式会社ウエストビレッジCA代表 取締役 東京アートディレクターズクラブ、 東京コピーライターズクラブ会員。 毎日広告デザイン賞、広告電通賞、 日本新聞協会新聞広告賞審査員。 毎日広告デザイン賞特選、準朝日 広告賞、ADC会員賞、TCC最高 賞、クリオ賞、IBA賞など受賞。主 な仕事に、サントリー山崎「なにも 足さない。なにも引かない」、ウー ルマーク「触ってごらん、ウールだ よ」など。

これからの新聞広告の課題が見える。

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応募状況・選考経過

2009年6月1日から2010年5月31日までに、新聞 協会会員新聞に掲載された広告活動を対象に、広 告主企業、広告会社、新聞社に応募・推薦を呼びか けた結果、6月3日の締め切りまでに、広告主企画部 門に 376 作品(単独広告主 371 作品、複数広告主 5 作品)、新聞社企画部門に 35 作品(単独企画 33 作品、 共同企画2作品)の応募・推薦があった。 新聞協会会長の任命する委員をもって新聞広告賞 選考委員会(=広告委員会)が組織され、下記のとお り応募・推薦作品の審査・選考を行った。 1.新聞広告賞予備選考会=6月12日〜18日 選考委員会は、広告委員会の下部組織である広告 プロモーション部会に予備選考を委嘱した。新聞広 告賞予備選考会は、広告主企画部門、新聞社企画部 門の両部門に応募・推薦のあった全広告活動を対象 に審査した。 (1)第1次予備選考会=6月12、14、15日 広告主企画部門の全作品のなかから、広告プロモ ーション部会の各委員がそれぞれ 30 作品を推薦し、 総計 129 作品を第 2 次予備選考会の審査対象とする ことにした。また、新聞社企画部門の全作品を内覧 した。 (2)第2次予備選考会=6月17、18日 選考に先立って座長に望月聡・広告プロモーショ ン部会長(朝日東京)を互選、審査・選考にあたって は、新聞広告賞制定の趣旨から、企画性、広告活動 の成果など新聞広告活動の全過程を対象に評価す ることを確認した。 17日は新聞社企画部門の選考を行い、選考基準の 各項目を念頭において審査することを確認したのち、 展示された広告紙面と「応募申込書」の記載事項に 基づいて審議・投票した。その結果、15 作品を選考 分科会に上申することを決めた。 18日は、広告主企画部門の第 1 次予備選考会を通 過した作品を対象に選考を行った。展示された広告 紙面と応募申込書の記載事項に基づいて審議・投票 を重ねた結果、36 作品を選考分科会に上申すること を決めた。 2.新聞広告賞選考分科会=7月22日 広告委員会常任委員およびアートディレクターの 中島祥文氏(ウエーブクリエーション代表取締役、多 摩美術大学教授)、クリエイティブディレクター・コ ピーライターの西村嘉禮氏(ウエストビレッジ CA 代 表取締役)で構成された選考分科会で、新聞広告賞 予備選考会から上申された候補作品を審査・選考し た。 選考に先立ち座長に大橋善光・広告委員会副委員 長(読売東京)を互選、望月・広告プロモーション部 会長、石山真・同部会委員(新潟)が、応募総数・応 募作品の傾向、予備選考会経過、上申作品の推薦理 由を報告した。 新聞社企画部門については、予備選考会から上申 された15作品を閲覧のうえ、30点満点で採点して、9 社5作品を新聞広告賞授賞候補、5社5作品を奨励賞 授賞候補とした。なお、自社作品には投票権を認めな かった。広告主企画部門については、36 作品を対象 に作品閲覧のうえ連記式の投票により入賞 16 作品を 選び、順位に従って 1 社 1 作品を新聞広告大賞授賞 候補、5社5作品を新聞広告賞授賞候補、そのほか10 社10作品を優秀賞授賞候補に決定した。以上、計26 作品を新聞広告賞選考委員会に上申することにした。 3.新聞広告賞選考委員会=7月23日 7 月度広告委員会が最終の選考委員会となり、大 橋・選考分科会座長が選考経過についての報告を行 った。広告委員会は選考分科会からの上申を最終選 考結果とし、9月度理事会の承認を得ることとした。 4.理事会=9月1日 新聞協会理事会は、新聞広告賞選考委員会からの 選考結果と選考経過に関する上申を承認した。 選考経過 応募・推薦状況

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朝日新聞東京本社 広告局長 鈴 置 修一郎 毎日新聞東京本社 広告局長 手 塚 泰 彦 読売新聞東京本社 取締役広告局長 大 橋 善 光 日本経済新聞社 クロスメディア営業局長 今 井 秀 和 東京新聞 広告局長 井 戸 義 郎 産経新聞東京本社 営業局長 松 本   肇 ジャパンタイムズ クロスメディア局長 道 又 敬 敏 報知新聞社 取締役広告局長 戸 島 雅 彦 日刊工業新聞社 取締役営業担当本社業務局長 井 水 治 博 日刊スポーツ新聞社 営業センター長 塩 田 浩 一 日本工業新聞新社 営業・事業本部長兼営業部長 松 岡 健 夫 スポーツニッポン新聞社 広告局長 矢 野 康 彦 日本農業新聞 広報局長 中 村 秀 一 朝日新聞大阪本社 広告局長 魚 谷   明 毎日新聞大阪本社 執行役員大阪本社副代表広告局長 園 﨑 明 夫 読売新聞大阪本社 執行役員広告局長 伊 藤 隆 範 日本経済新聞大阪本社 クロスメディア大阪営業局長 森 川   徹 産経新聞大阪本社 営業局長 田 中 康 雄 北海道新聞社 取締役広告局長 田 村 雄 司 十勝毎日新聞社 執行役員広告局長 和 田 郁 夫 東奥日報社 常務取締役広告局長 塩 野 勝 幸 デーリー東北新聞社 取締役広告局長 松 本 康 広 岩手日報社 常務取締役広告局長 小野寺   勲 河北新報社 営業本部副本部長 中 山 晴 久 秋田魁新報社 取締役営業局長 熊 谷 清 隆 山形新聞社 広告局長 本 田 孝 三 福島民報社 広告局長 矢 森 真 人 福島民友新聞社 常務取締役広告局長 菅 野 建 二 茨城新聞社 取締役営業局長営業統括・労務担当 関 谷   智 下野新聞社 営業局長 飛 田 博 通 上毛新聞社 取締役広告局長 山 田 義 明 埼玉新聞社 取締役クロスメディア局長 関 根 正 昌 神奈川新聞社 営業局長 三 好 秀 人 千葉日報社 業務局長 鎗 田 光 明 山梨日日新聞社 広告局長 津 野 治 彦 静岡新聞社 取締役営業局長兼 静岡営業センター長 村 松 重 治 信濃毎日新聞社 取締役広告局長 古 川 哲 夫 中日新聞社 広告局長 安 藤 靖 彦 岐阜新聞社 広告局長 田 中 松 治 新潟日報社 取締役広告事業担当 広告事業本部長 栗 山 和 広 北日本新聞社 営業局長 棚 田 淳 一 北國新聞社 広告局長 砂 塚 隆 広 福井新聞社 執行役員営業局長 山 本 道 隆 伊勢新聞社 代表取締役社長兼営業局長 小 林 千 三 京都新聞社 京都新聞COM 取締役営業戦略推進室長 宮 脇 一 徳 神戸新聞社 執行役員営業局長 井 田 眞 治 奈良新聞社 取締役東京支社長 上 田 達 雄 山陽新聞社 常務取締役営業局長 高 橋 隆 一 中国新聞社 執行役員広告局長 石 川 哲 夫 山陰中央新報社 広告局長 石 原 安 夫 山口新聞社 取締役山口新聞本部副本部長 宮 本 邦 彦 徳島新聞社 理事広告局長 佐 野 和 史 四国新聞社 執行役員広告局長 中 村 卓 朗 愛媛新聞社 広告局長 村 上 和 士 高知新聞社 役員待遇広告局長 岡 村   亨 西日本新聞社 執行役員広告局長 行 武   亨 佐賀新聞社 営業局長 宮 崎 俊 一 長崎新聞社 取締役営業局長 松 江 健次郎 熊本日日新聞社 広告局長 下玉利 敏 郎 大分合同新聞社 取締役広告局長 入不二 茂 隆 宮崎日日新聞社 広告局長 岡 本   哲 南日本新聞社 営業統括本部長広告・事業担当 前 田 義 人 沖縄タイムス社 広告局長 外 間 尹 敏 琉球新報社 取締役広告局長 芦 原 栄 喜 以上64社64人 (2010年7月現在、会員名簿順、 敬称略)

第30回新聞広告賞選考委員会名簿

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賞の構成

クリスタルトロフィー (丸型) クリスタルトロフィー (角型) 新聞広告賞は、広告主企画部門と新聞社企画部門の 2 部門で 構成される。30 回目の節目を記念し、広告主企画部門に新聞広 告大賞を設けた。受賞者には賞状および記念像、純金製記念メ ダルが贈られる。両部門とも新聞広告賞はそれぞれ 5点とされて いる。受賞者には賞状および記念像またはトロフィーが贈られ る。 また、この賞には、広告主企画部門においては若干数の「優秀 賞」が、新聞社企画部門においても、若干数の「奨励賞」が、それ ぞれ与えられることになっている。 この賞は、広告主企画部門では当該広告活動の企画立案にあ たった広告主に、新聞社企画部門では日本新聞協会会員新聞社 の当該広告活動企画部門に、それぞれ贈られる。 ◉新聞広告大賞〈広告主企画部門〉 賞状とブロンズ記念像、純金製記念メダル ◉新聞広告賞〈広告主企画部門〉 賞状とブロンズ記念像 ◉新聞広告賞〈新聞社企画部門〉 賞状と純銀メダル付きクリスタルトロフィー(丸型) ◉新聞広告賞優秀賞〈広告主企画部門〉 賞状と純銀メダル付きクリスタルトロフィー(角型) ◉新聞広告賞奨励賞〈新聞社企画部門〉 賞額 新聞広告賞ブロンズ記念像 日本新聞協会は、新聞広告賞〈広告主 企画部門〉入選者の栄誉をたたえて 故・高田博厚氏制作のブロンズ記念 像を贈ります。 この記念像「STATUETTE」は、新聞 広告賞のために特に高田氏に制作を お願いしたもので、豊ほう饒じょう・気品・健康・ 温かさ、といったイメージを表現して います。 ブロンズ記念像 構成 純金製記念メダル

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新聞広告大賞受賞告知広告 日本新聞協会はこのほど、第30回(2010年度)新聞広告賞 の大賞を、株式会社東芝の「一般白熱電球製造中止広告」に 贈ることを決定しました。 東芝は2010年3月、CO2排出量の削減のため、国内で初め て実用化に成功した一般白熱電球の製造を中止し、120年間に およぶその歴史に幕を閉じました。広告では、これまで実際に 白熱電球を製造していた工場社員の協力のもとで撮影された 写真を使い、他社に先駆けて下された決断の重み、同社を支 え続けてきた商品に対する敬意を表現しています。その真摯 な姿勢が読者の共感を呼び、新聞広告ならではの社会性、ニ ュース性、そして次世代LED電球の販売促進に大きく貢献し たことが大賞にふさわしい作品と評価されました。 1981年に創設された新聞広告賞は、「新聞広告活動の全過 程」を対象に選考する日本でただ一つの表彰制度です。○新 聞広告の新しい利用法や表現領域の開拓に成功した活動、 ○新聞広告を使って広告目的に合った大きな効果をあげた 活動、○新聞媒体の特性・機能を活用し、新聞と広告の発展 に対し大きな貢献をした広告活動──を基準に選考しました。 応募総数は411作品で、日本新聞協会広告委員会(全国の 新聞社64社の広告責任者で構成)および外部審査委員2氏 による厳正な審査の結果、大賞ほか以下の受賞作品を決定 しました。 【講評】 中島祥文氏(アートディレクター・ウエーブ クリエーショ ン代表・多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学 科教授) 30段の全面に広がる東芝の「一般白熱電球製造中止広 告」は、読者に背を向けているような一見変わった広告に見 えるが、一度その意図を理解すると、そこからは深いメッセー ジを汲み取ることができる。白熱球からLED電球に変わって も、人びとの暮らしを明るく照らし続けるという力強い企業の ビジョンだけでなく、日本人のものづくりの奥深さを思い起 こさせ、商品や企業の本質的な良さを伝える新聞広告の力が、 いまもなお失われていないことを改めて証明してくれた。 西村嘉禮氏(クリエイティブディレクター・コピーライタ ー・ウエストビレッジCA代表取締役) 新聞広告の先行きを憂慮する声も多い昨今だが、ここに居 並ぶ受賞作を見ていると、そんな危惧はどこかに吹っ飛んで しまいそうである。大賞に選ばれた東芝の「一般白熱電球製 造中止広告」は、電球という生活の根っこにある商品だけに、 新聞メディアの持つ社会性という側面が色濃くあぶり出され て、まさに新聞ならではの事実の強さと広がりを持った広告 となった。企業の誠実な姿勢が素直に伝わり、移り行く時代 への深い感慨を呼び起こさせた。 ◉広告主企画部門(広告主名50音順) 大賞 株式会社東芝 一般白熱電球製造中止広告 本賞 サントリービア&スピリッツ株式会社 東北支社 「仙台横丁物語」&「気分は横丁」仙台角瓶キャンペーン 社団法人長崎県観光連盟 TRY 渡来 長崎 日本マクドナルド株式会社 「ビッグな夢を見よう。」キャンペーン パナソニック株式会社 パナソニック「ナノイー技術」 株式会社福屋 広島とともに80年「福屋物語」 優秀賞 味の素株式会社 「味の素」100周年・婚活を支えた味。 株式会社寛文五年堂 「KANBUN 心の見聞録」シリーズ 財団法人競艇振興センター Close Up ! KYOTEI・私にとっての競艇・ 株式会社小松製作所 人のための道具だから。社会のための道具だから。 シヤチハタ株式会社 シヤチハタ模様 株式会社集英社

キミがいたから、ジャンプできた。ONE PIECE from週刊少年ジャンプ 株式会社ちふれ化粧品 CHIFURE「SAVE WOMAN」キャンペーン トヨタ自動車株式会社 かけがえのない一台シリーズ 日本ハム株式会社 日本ハムグループ 企業広告「育む」シリーズ 株式会社パイロットコーポレーション 書く、を支える。 ◉新聞社企画部門(新聞協会会員名簿順) 本賞 読売新聞東京本社 「読売新聞×AKB48」プロジェクト 東京新聞 東京の森を歩く 神奈川新聞社 横濱開港新聞 静岡新聞社 第62回新聞大会記念広告特集号 新聞広告に返事をしよう。キャンペーン 「ココロにとどく、ココロがうごく。新聞広告。」 西日本新聞社・朝日新聞西部本社・毎日新聞西部本社・読売新聞西部本 社・日本経済新聞社西部支社 福岡新聞学校プロジェクト 奨励賞 朝日新聞大阪本社 「映す広告新聞」 河北新報社 仙台市市制120周年・政令指定都市20周年記念 百年の杜づくり あしたのみどりキャンペーン 中日新聞社 WE LOVEドラゴンズ∼日本の元気はナゴヤから∼ 神戸新聞社 「神戸新聞の7日間」特集紙面 西日本新聞社 fukuoka B discovery magazine fb 受賞作品は、日本新聞協会の新聞広告総合サイト「新聞広告データアー カイブ」(http://www.pressnet.or.jp/adarc/)でご覧いただけるほか、11 月から1年間、日本新聞博物館(神奈川県横浜市中区日本大通11横浜情報 文化センター 電話045・661・2040)で展示します。 審査に際し、外部審査委員からいただいた講評をご紹介します。

第 30 回新聞広告賞

新聞広告大賞受賞作品

〒100-8543 東京都千代田区内幸町 2-2-1 日本プレスセンタービル 7 階 電話03(3591)4407 http://www.pressnet.or.jp き ぐ 新聞広告大賞受賞作品については、全15段の受賞告知広告を10月15日から 12月末日までの間、新聞協会会員各紙において随時掲載する。

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「新聞広告賞」に関する規定

第1条(目的と名称) 日本新聞協会は、新しい新聞広告の可能性を開 拓した広告活動を顕彰し、新聞と広告との発展に 資することを目的に「新聞広告賞」を設け、毎年新 聞週間に際し贈賞する。 第2条(表彰の事由・贈賞の対象) (1) 新聞広告の新しい利用法や表現領域の開拓に 成功した活動、新聞広告により広告目的に即し て大きな成果をあげた活動、その他新聞媒体 と新聞広告の特性・機能を活用あるいは開発 し前条の目的に照らして貢献するところが大 きいと認められる活動を表彰する。 (2) 本賞は、協会会員紙に掲載され、前項に該当 すると認められた広告作品に贈られる。 第3条(賞の構成) (1) 本賞は、広告主企画と新聞社企画との二つの 部門によって構成する。 (2) 選考委員会は、前項両部門について、本賞とは別 に広告主企画部門においては優秀賞を、新聞社 企画部門においては奨励賞を贈ることができる。 第4条(受賞者) 本賞の受賞者は、広告主企画部門については当 該活動の企画立案にあたった広告主企業代表者 とし、新聞社企画部門については協会会員新聞社 の当該活動企画部門とする。 第5条(表彰) (1) 広告主企画部門の入選作は 6 作品とし、うち 1 作品を大賞として賞状と記念品を贈る。ほか 5 作品に賞状ならびに記念像を贈る。 (2) 新聞社企画部門の入選作は 5 作品とし、賞状 ならびに賞牌はいを贈る。 (3) 優秀賞に対しては賞状と賞牌を贈る。 (4) 奨励賞に対しては賞状を贈る。 第6条(応募・推薦) (1) 本賞は、原則として、本賞の目的に合致した作 品の企画・制作、掲載をした関係者の応募によ り選考を行う。ただし、広告関係の第三者によ る推薦を妨げない。 第7条(選考) 本賞の選考はつぎの方法による。 (1) 会長の任命する委員をもって新聞広告賞選考 委員会を組織し、広告賞贈賞に関する事項を 審議決定する。 (2) 選考委員会は、応募・推薦された候補につい て審議し受賞者を決定、その旨を理事会に上 申し承認を得る。 (3) 選考委員会は、必要に応じ外部の関係者から 意見を求めることができる。 (4) 両部門の特性を考慮し、選考委員会の運営細 則を別に定める。 (5) 選考結果は、「新聞協会報」および「新聞広告 報」紙上と当協会ウェブサイトで発表する。 第8条(選考の対象期間) (1) 本賞選考の対象となる作品は、前年6月1日か ら本年5月末日までの1年間協会会員各紙に 掲載されたものとする。 (2)上記期間を越える長期の活動については顕彰 に値すると選考委員会が判断した場合は、始 期は問わずこれを対象に含める。 第9条(提出資料および締め切り期日) 応募者ならびに推薦者は、当該作品に所定の関 係資料をそえて毎年6月初旬までに選考委員会に 提出するものとする。 第10条(その他) 本賞の選考および運用の細目については、選考 委員会の決定により別に実施細目を設けることが できる。 2010年10月15日発行 〒100-8543 東京都千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル7階 電話 03(3591)4407 http://www.pressnet.or.jp 2010年度「新聞広告の日」共同キャンペーンテーマ 「手から手へ、伝わる信頼──新聞広告」

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