プレゼンテーションの流れ
1.概要 2.目的 3.仮説 4.先行研究 5.研究対象 6.研究方法 7.結果と考察 8.Q&A2
概要
・日本のバラエティ番組は香港でも1990年代から人気があっ たが、2000年代中旬からおもしろさが増してきた。 ・例えば、番組「電波少年」の1990年代の放送を見直してみ ると、2010 年代の最近の放送のものと比べて、おもしろさ が少ない。 ・そこでマルチモーダル媒体であるテレビ番組テロップの特 徴を発見し機能を分析することによってテロップの役割を考 える。3
研究の目的
1.テロップの使われ方の特徴を発見する。
2.テロップの機能を分析する。
テロップについて
1.テロップとは
TELEVISION OPAQUE PROJECTOR
製作者によって映像に後から重ねられた文字。 映像や音声情報と共に受容され、重複する情報を伴う。 2.視聴者が受容する情報の割合 83% 視覚から → 影響大 11% 聴覚から
5
参考: 須藤「テロップが視聴者の解釈に与える影響」 設楽「NHKバラエティ番組に見る文字テロップの変遷」仮説
1.年代を追ってテロップの数と種類が豊富になっている。 2.テロップがあると番組の内容が分かりやすい。 3.テロップがあると出演者に感情移入したり共感したりしやす い。 4.番組制作者は視聴者に伝えたいメッセージをテロップで表現 したり視聴者の感情を誘導したりしている。6
先行研究
鹿島「テレビ番組におけるバラエティ番組の分類-創成期∸」(2013) 須藤「テロップが視聴者の解釈に与える影響」(2008) 設楽「NHKバラエティ番組に見る文字テロップの変遷-テレビにおける表 記実態と機能の文化-」 渡辺他「テレビニュースで用いられるテロップの意味解析」(1996) ウィキペディア日本語版「バラエティ番組」 HTTP://JA.WIKIPEDIA.ORG/WIKI/%E3%83%90%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%86%E3%82%A3%E7%95%AA%E7%B5%847
研究対象
日本の1980年代~2010年代までのバラエティ番組のテロップ、及び 比較対象として2010年代のニュース番組8
主な番組名 番組の 系統 ターゲット 視聴者 分析データ数 探偵!ナイトスクープ 調査系 ファミリー 番組数:18 テロップ数:475 長さ:191:32 ダウンタウンのガキの使いやあらへん で!! トライ系/ ゲーム系 若者~成人 男女 番組数:10 テロップ数:571 長さ:77:52 新堂本兄弟 トーク系 若者男女 番組数:2 テロップ数:62 長さ:10:00 不可思議探偵団 調査系 ファミリー 番組数:1 テロップ数:117 長さ:13:15 ヒルナンデス 調査系 成人女性 番組数:2 テロップ数:71 長さ:10:00 ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ! トーク系 成人男女 番組数:1 テロップ数:121 長さ:14:16 ANNニュース NHKニュース番組の系統
番組の系統 番組内容 トーク系 ホストとゲストが会話をする。ホストはよく知られた芸能人。 調査系 日常生活中の疑問を解決するために調査する。 トライ系 困難な課題にチャレンジする。 ゲーム系 ゲームで勝敗を決定する。9
トーク系
調査系
ゲーム系
ANNニュース
•
テレビ番組テロップ
の原型
•
ニュース内容の補
足説明など
10
NHKニュース
探偵!ナイトスクープ
•
調査系
•
一般視聴者からの依
頼で調査をする
•
1988年3月5日放送
開始~現在
12
ダウンタウンのガキの使いやあらへんで‼
•
トライ系/ゲーム系•
ダウンタウン (浜田雅功・松本人志)•
奇抜で大胆なことをする•
1989年10月3日放送開始~現 在13
新堂本兄弟
•
トーク系•
お笑い系•
主な出演者はアイドル•
2001年4月8日放送開始~ 現在14
不可思議探偵団
•
調査系
•
調査トピックは製作者が
決める
•
2010年4月12日~2011年
9月12日
15
ヒルナンデス
•
調査系•
主なトッピクは食べ物•
出演者はお笑い芸人が多い•
取材•
2011年3月28日放送開始~現 在16
ブラマヨとゆかいな仲間たちアツアツっ!
•
トーク系•
ブラックマヨネーズ (吉田敬小杉竜一) 2011年4月9日放送開始~現 在17
研究方法
1.テロップが現れる回数を数え、テロップが現れる場面を記述。 2.テロップの内容をカテゴリー分けし、特徴と機能を分類。 3.量的研究:同一の番組を年代別に分析。 テロップの使われ方の変化を時系列的に比較。 4.質的研究:2010年代複数のバラエティ番組テロップにつ いて特徴、機能の違いを比較。18
研究方法 ♦多角的分析♦
1.量的/質的 分析 2.モード(話し言葉/書き言葉) 3.テロップの機能 4.番組制作者のメッセージ 5.笑いの喚起 6.装飾 7.まとめ19
量的分析カテゴリー
1.製作者の声(ナレーター)
2.出演者の声
3.テロップの装飾
量的分析の方法
2010年代 % % % % % % % % % % % 番組名 ガキの使い ガキの使い ガキの使い 探偵ナイトスクープ ザ!鉄腕!Dash!! 探偵ナイトスクープ ブラマヨとゆかりな仲 間たち ヒルナンデス びったんこカンカン 探偵ナイトスクープ 有吉ゼミ 長さ 7:32 9:38 6:27 15:32 3:52 13:46 23:15 2:02 4:05 14:24 25:40 放送日 ######### 2011-07- 2012/1/8 2012/3/9 2012/7/22 2012/9/14 2013/2/22 2013/4/8 2013/11/15 2014/2/21 2014/3/10 テレビ局 番組系 ゲーム系 try系 ゲーム系 探求系 ゲーム系 探求系 トーク・お笑い 探求系 ゲーム系 探求系 探求系 視聴率 18.70% 20.60% 11.70% トータルテロップ数 93 49 87 17 44 32 436 66 33 72 647 カテゴリー一覧 出演者の名前 4 4% 5 10% 45% 3 18% 3 7% 4 13% 2 0% 3 5% 2 6% 4 6% 6 1% 番組タイトル 1 1% 0% 0 % 1 6% 1 2% 0% 1 0% 0% 0% 1 1% 2 0% コーナーのタイトル 4 4% 1 2% 22% 0% 0% 1 3% 2 0% 0% 2 6% 1 1% 2 0% 番組内容の説明〈テロップ) 0% 21 43% 15 1 7 % 7 41% 21 48% 5 16% 30 7% 1 2% 2 6% 0% 20 3% 番組内容の説明〈ナレーター) 35 38% 11 22% 16 1 8 % 0% 2 5% 0% 7 2% 6 9% 0% 28 39% 63 10% 製作者のメッセージ〈テロップ) 0% 0% 0 % 0% 1 2% 0% 7 2% 0% 0% 1 1% 1 0% 製作者のメッセージ〈ナレーター) 0% 0% 11% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 撮影スタッフの声(メッセージあり) 0% 0% 0% 0% 1 2% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 英訳付き 0% 0% 0 % 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 出演者の声(メッセージなし) 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 外国人ゲスト出演者(一般人) 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 場所の名前 0% 0% 0 % 0% 0% 5 16% 0% 0% 2 6% 2 3% 7 1% 021
量的分析方法① 番組概要
量的分析方法② 製作者の声
23
量的分析方法③ 出演者の声
量的分析方法④ テロップの装飾
場面の記述
モード
① 話し言葉
② 書き言葉
機能別カテゴリー
モード:話し言葉 1 話者のメッセージの伝達 2 話者の個人的な感情や内省を顕在化する 3 会話の主旨を分かりやすく示す 4 場面の補足説明 5 話し言葉特有の表現で場面のライブ感を高揚する * 疑問符(?)、感嘆符(!)、(…)などを加えて話し手の感情を表現する29
モード:書き言葉 a 「話し言葉」の要約やまとめ b 場面の名づけ c 場面の補足説明 d ナレーター(番組制作者)の意見・解釈 e 次にくる場面の予告 * 疑問符(?)、感嘆符(!)、(…)などを加えて話し手の感情を表現するモード:話し言葉
機能別カテゴリー
1 話者のメッセージの伝達 2 話者の個人的な感情や内省を顕在化する 3 会話の主旨を分かりやすく示す 4 場面の補足説明 5 話し言葉特有の表現で場面のライブ感を高揚する * 疑問符(?)、感嘆符(!)、(…)などを加えて 話し手の感情を表現する30
話している
内容
に焦
点
言葉そのものに焦点、
感情
の喚起
モード:書き言葉
機能別カテゴリー
a
「話し言葉」の要約やまとめb
場面の名づけc
場面の補足説明d
ナレーター(番組制作者)の意見・解釈e
次にくる場面の予告*
疑問符(?)、感嘆符(!)、(…)などを加えて話し手の感情を表現する31
・分かりやすく説明 ・背景知識 ・製作者
のメッセージ ・話の展開への注意喚起量的分析対象
番組名 データ収集期間 データ 数 探偵!ナイトスクープ 1988年3月5日 ~ 2014年2月21日 番組数:18 テロップ 数:475 長さ:191:32 ダウンタウンのガキの使いやあら へんで 1996年11月3日~ 2012年1月8日 番組数:10 テロップ 数:571 長さ:77:5234
35
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1996 2000 2002 2003 2005 2007 2009 2010 2011 2012 ガキの使い 年代別1996年~2012年
製作者の声 出演者の声 テロップの装飾量的分析 1.ガキの使い
量的分析
2.探偵!ナイトスクープ
年代別変化
ガキの使い
37
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 1990年代 2000年代 2010年代 製作者の声 出演者の声 テロップの装飾38
考察
1.「製作者の声」の比率が高い。 2.「出演者の声」は2007年代から顕著に増加し、2012年には 「製作者の声」より多くなっている。 結論: 年代を追って視聴者の視点の重点が製作者か ら出演へ変化してきている。年代別変化
探偵!ナイトスクープ
40
考察
1.「製作者の声」は1080年代から2000年代まで増加傾向がある が、 2010年代に減少している。 2.「出演者の声」は2000年代から顕著に増加し、2010年代には 「製作者の声」より多くなっている。 結論: 年代を追って視聴者の視点の重点が製作者か ら出演者へ変化してきている。年代別変化 平均
41
0.00 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 1990年代 2000年代 2010年代年代別平均
製作者の声 出演者の声 テロップの装飾42
考察
1.「製作者の声」はあまり変わっていない。 2.「出演者の声」は1990年代から顕著に増加し、2010年代には 「製作者の声」より多くなっている。 3.テロップの装飾は顕著に増加し、2010年代も増加続いている。 結論: 年代を追って視聴者の視点の重点が製作者か ら出演者の気持ちへ変化してきている。質的分析対象
番組名 データ収集期間 データ数 新堂本兄弟 2014年3月3日~23日 番組数:2 テロップ数:92 長さ:10:00 ブラマヨとゆかいな仲間たちアツア ツっ 2014年2月22日 番組数:1 テロップ数:121 長さ:14:16 ヒルナンデス 2014年3月25日~27日 番組数:2 テロップ数:71 長さ:10:00 不可思議探偵団 2011年9月12日 番組数:1 テロップ数:117 長さ:13:15 探偵!ナイトスクープ 2012年10月26日 番組数:1 テロップ数:59 長さ:14:0244
話し言葉
1 話者のメッセージの伝達 2 話者の個人的な感情や内省を顕在化する 3 会話の主旨を分かりやすく示す 4 場面の補足説明 5 話し言葉特有の表現で場面のライブ感を高揚する * 疑問符(?)、感嘆符(!)、(…)などを加えて 話し手の感情を表現する46
話している
内容
に焦
点
言葉そのものに焦点、
感情
の喚起
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1 2 3 4 5 * 1 2 3 4 5 * 出演者 % ナレーター %
話し言葉
新堂本兄弟 ブラマヨ ヒルナンデス 不可思議探偵団 探偵ナイトスクープ 出演者 % ナレーター %47
1 話者のメッセージの伝達 2 話者の個人的な感情や内省を顕在化する 3 会話の主旨を分かりやすく示す 4 場面の補足説明 5 話し言葉特有の表現で場面のライブ感を高揚する * (?)、(!)、(…)などを加えて話し手の感情を表現する 内容 言葉そのもの、 感情番組別比較
48
考察
1.出演者は、会話、(?!・・・)などの記号が多い。 2.ナレーターは、ほとんど「話し言葉」がないが、ヒルナンデ スでは場面の補足説明が「話し言葉」でされるのが特徴的。結論:
1. 「話し言葉」では、会話の主旨を分かりやすく説明するた めにテロップが使われる。 2.(?!・・・)などの記号を使って頻繁に出演者の感情が表さ れる。書き言葉
a
「話し言葉」の要約やまとめb
場面の名づけc
場面の補足説明d
ナレーター(番組制作者)の意見・解釈e
次にくる場面の予告*
疑問符(?)、感嘆符(!)、(…)などを加えて話し手の感情を表現する49
・分かりやすく説明 ・背景知識 ・製作者
のメッセージ ・話の展開への注意喚起a 「話し言葉」の要約やまとめ b 場面の名づけ c 場面の補足説明 d ナレーター(番組制作者)の意見・解釈 e 次にくる場面の予告
50
・分かりやすく説明 ・背景知識 ・製作者のメッセージ ・話の展開への注意喚起番組別比較
51
考察
1.「出演者」では、話し言葉の要約やまとめでよくテロップが 使われる。 2.「ナレーター」では、場面の名づけと場面の補足説明でよ くテロップが使われる。 3.ヒルナンデスは、話し言葉の要約やまとめを「出演者」で はなく、「ナレーター」が言っているのが特徴的。結論:
1.「出演者」と「ナレーター」の役割分担が明らか。 「出演者」 → 話し言葉の要約やまとめ ナレーター → 場面の名づけ、場面の補足説明新堂本兄弟(トーク系)
考察
1.「話し言葉」がそのままテロップになっている。
2.主に出演者がしゃべり、ナレーターがあまりない。
ブラマヨとゆかいな仲間たちアツアツっ!
(トーク系)
55
31% 69% 13% 87%考察
1.トーク系だが、「話し言葉」が要約され「書き言葉」でテ
ロップになっている。
2.主に出演者がしゃべり、ナレーターがあまりない。
ヒルナンデス(調査系)
57
74%
26% 59%
考察
1.「話し言葉」がそのままテロップになっている。
2.出演者よりナレーターがしゃべっている比率が高い。
3.ナレーターの「話し言葉」がそのままテロップになっている。
不可思議探偵団(調査系)
59
63% 37% 39% 61%考察
1.「話し言葉」のほうがやや多いがバランスがとれている。
2.出演者のほうがよくしゃべるが、バランスがとれている。
探偵!ナイトスクープ(調査系)
61
81% 19% 56% 44%考察
1.「話し言葉」が要約され「書き言葉」でテロップになっている。
2.ナレーターがしゃべる比率の方がやや多い。
番組別分析まとめ
1.番組の系統によってテロップのモードや誰の声が多いかとい う傾向はなかった。傾向は番組によって違う。 2.話し言葉-書き言葉 / 出演者の声-ナレーター の比率 の違いが各番組の個性になっている。63
話し言葉 VS 書き言葉
考察
トーク系
66
新堂本兄弟 「話し言葉」が多い。出演者が言った 言葉そのものが強調されている。 → 「話し言葉」がおもしろい。 ブラマヨ トーク系にもかかわらず、「書き言葉」 が多い。 製作者によって話の要点が強調さ れ、内容に焦点がある。 → 話の内容がおもしろい。考察
調査系
67
ヒルナンデス、不可思議探偵団 「話し言葉」が多い。 調査系にもかかわらず内容よりも出 演者が言った言葉そのものに焦点が ある。 → 内容が少ない。 出演者の話が面白い。 探偵ナイトスクープ 「書き言葉」が非常に多い。 製作者によって話の要点が強調さ れ、内容に焦点がある。 → 話の内容がおもしろい。モードの種類
68
書き言葉的 ~ 話し言葉的 ~ 書き言葉的 ~ 話し言葉的モード
書き
言葉
話し
言葉
ANNニュース NHKニュース ブラマヨ 探偵ナイト スクープ 不可思議 探偵団 ヒルナンデス 新堂本兄弟
69
モード
書き言葉 話し言 葉出演者 VS ナレーター
考察
トーク系
71
新堂本兄弟、ブラマヨ
共通して、「出演者」が主に話してい る。 → 著名なスター出演の番組は、出 演者がよく話す。考察
調査系
72
3番組
共通して、「出演者」と「ナレーター」 のバランスがとれている。 → 「出演者」は話のおもしろさ、 「ナレーター」は補足説明。 番組全体が分かりやすく、おもし ろくなっている。内容 VS 言葉
話し言葉
(内容:カテゴリー1~4, 言葉:カテゴリー 5~*)