• 検索結果がありません。

1. 序論 2011 年に始まったシリア内戦は シリア国内に多くの壊滅的な被害をもたらすと同時に 史上稀にみる数の難民を生み出した 世界各国がシリア難民の受け入れに奔走するなか 日本では大きな問題として取り沙汰されることはあまり無く 対岸の火事ともいうべき出来事として捉えられている 1981 年イン

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "1. 序論 2011 年に始まったシリア内戦は シリア国内に多くの壊滅的な被害をもたらすと同時に 史上稀にみる数の難民を生み出した 世界各国がシリア難民の受け入れに奔走するなか 日本では大きな問題として取り沙汰されることはあまり無く 対岸の火事ともいうべき出来事として捉えられている 1981 年イン"

Copied!
17
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

2016 年度 一橋大学社会学部 中北浩爾ゼミナール ゼミ論文

「日本の難民受入政策について −他国との比較から−」

西村彩花 (社会学部 4 年 4113162c) 【目次】 1. 序論 1.1 難民の定義 1.2 難民受入国の分類 1.3 比較対象国の基本情報 2. 移民受入先進国 2.1 ドイツ 2.2 フランス 2.3 小括 3. 移民受入後進国 3.1 イタリア 3.2 日本 3.3 小括 4. 結論

(2)

1. 序論 2011 年に始まったシリア内戦は、シリア国内に多くの壊滅的な被害をもたらすと同時に、 史上稀にみる数の難民を生み出した。世界各国がシリア難民の受け入れに奔走するなか、 日本では大きな問題として取り沙汰されることはあまり無く、対岸の火事ともいうべき出 来事として捉えられている。1981 年インドシナ難民受け入れを機に難民条約に批准した日 本であるが1、他国と比較すると受け入れ人数の差は歴然としており国際社会からは「難民 鎖国」2と批判されている。 本稿ではフランス、ドイツ、イタリアとの比較を通して、日本の難民受入政策について 研究する。比較対象の4 カ国は人口、国の規模、GDP ともに近い数値を出していて、かつ 移民を前提にして成り立っていない国である3。ともに国連で1951 年に採択された『難民 の地位に関する条約』に批准している国であるが、その難民受入政策には大きな違いがみ られる。基本的な難民受入政策と、庇護申請者および認定者に対する支援の2 点を比較項 目とし、各国ごとにまとめた上で、日本の受入政策の特徴およびその要因について探る。 構成は以下の通りである。序章では、難民の定義、難民受入国の分類、比較対象国の基 本情報を取り上げる。第一章で移民先進国であるドイツ、フランス、第二章で移民後進国 であるイタリア、日本を取り上げ比較項目についてまとめた後、結論で他国との比較から 浮かび上がる日本の難民政策の特徴について考察する。 1.1 難民の定義 「難民」という言葉は比較的良く耳にする言葉であるが、具体的にはどのような者を指 しているのだろうか。メディア等で「難民」という言葉が使われる場合、国内避難民や中 国潜伏中の脱北者など、難民とは庇護を求めやってくる者を指し、その定義は多岐にわた る 4。本稿では、1951 年に国連にて採用された難民の地位に関する条約(以下、難民条約) に基づき「難民」を定義する。難民とは「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構 成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のあ る恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることが

1 根本かおる(2013)『日本と出会った難民たち―生き抜くチカラ、支えるチカラ―』英治出 版、31 頁。 2 山田寛ほか(2007)『日本の難民受け入れ 過去・現在・未来』中央公論事業出版、16 頁。 3

Hollifield, J., Martin, P., & Orrenius, P. (2014). Controlling Immigration: A Global

Perspective, Third Edition. Stanford University Press.

(3)

できないもの」5、および地域条約で難民と規定された人々、欧州諸国などで「一時保護」 を与えられた集団(庇護申請者・人道的保護対象者等)である6と定義する。 1.2 難民受入国の分類 本稿では難民受入国を次の3 種類に分類する7I. 移民国家 (移民により建国された国) 、 II. 移民受入先進国 (移民がその国の社会的・経済的発展に大きな役割を果たしているが、 建国には関わっていない国)、III. 移民受入後進国 (かつて移民送出国であった国で、ここ 数十年の間に受入国へと移行した国)の三種類である。 本稿では建国自体に移民が関わっておらず移民を後天的に受け入れている国、つまり分類 のII と III にあたる国を中心に比較・検討する。特に人口、国の規模、GDP ともに近い数 値を出している4 カ国(フランス、ドイツ、イタリア、日本)を比較対象として選定した。 表1 難民受入国の分類8 分類 該当する国 I. 移民国家 アメリカ合衆国、オーストラリア、カナダ II. 移民受入先進国 イギリス、オランダ、ドイツ、フランス、デンマーク、スウェー デン、ノルウェー、スイス III. 移民受入後進国 イタリア、韓国、スペイン、日本 1.3 比較対象国の基本情報 比較対象国であるドイツ、フランス、イタリア、日本の基本情報である。表2 を参照す るといずれの国もGDP は世界上位 15 位以内に入り、人口、面積ともに特に大きな開きは なく、国内にいる外国籍の者の割合も一様に少ないことが分かる。しかし、表3、表 4 から 明らかなように難民の庇護認定者数、認定率には大きな開きがあることが見受けられる。

5外務省(2004)『難民条約』国内広報課、6 頁。 6 山田寛ほか、前掲書、14 頁。

7

Hollifield, J., Martin, P., & Orrenius, P. (2014). Controlling Immigration: A Global

Perspective, Third Edition. Stanford University Press.の分類に基づく。

(4)

表2 比較対象国の基本情報9 人口(1,000 人) 面積 (㎢) GDP(100 万米ド ル) 国籍別人口:自 国籍の割合(%) ドイツ

80,220

357,340

3,868,291

92.3

フランス

61,400

551,500

2,829,192

94.5

イタリア

59,434

302,073

2,141,161

93.2

日本

128,057

377,972

4,605,511

97.9

表3 庇護申請者数及び認定者数(2014)10 庇護申請者数(人) 条約難民認定者数 (人) 人道的地位(人) ドイツ 173,072 31,042 6,509 フランス 59,041 12,391 2,876 イタリア 63,657 3,641 16,941 日本 5,000 6 49

9総務省統計局(2017)「2-5 人口・面積」世界の統計 2016、 http://www.stat.go.jp/data/sekai/0116.htm#c02、2017 年 2 月 5 日参照。 総務省統計局(2017)「2-10 国籍別人口」世界の統計 2016、 http://www.stat.go.jp/data/sekai/0116.htm#c02、2017 年 2 月 5 日参照。 総務省統計局(2017)「3-2 国内総生産」世界の統計 2016、 http://www.stat.go.jp/data/sekai/0116.htm#c03、2017 年 2 月 5 日参照。 以上を参考に著者作成。

10 United Nations High Commissioner for Refugees. (2015). Global Trends 2014. UNHCR.

http://www.unhcr.org/statistics/country/556725e69/unhcr-global-trends-2014.htmlを参 考に著者作成。

(5)

表4 各国の難民認定率 (決定総数における認定者の割合(%))11 2. 移民受入先進国 本章では先述の分類のII. 移民受入先進国にあたるドイツ、フランスの 2 カ国の難民受入 政策について取り上げる。それぞれについて基本的な難民受入政策とそれが成立するまで の経緯、庇護申請者および認定者に対する支援について述べた上で、その国の難民受入政 策における特色を明らかにする。 2.1 ドイツ 2.1.1 難民受入政策 ドイツは第二次世界大戦中、ナチス政権下において5000 万〜6000 万人ものユダヤ人が 国外に逃亡、難民となり、ドイツ人自身が国外で庇護を享受した歴史をもつ 12。その体験 をふまえ、戦後ドイツは寛大な難民庇護の法制度を構築した。ドイツの憲法にあたる基本 法の16 条に政治難民の庇護請求権を認めることを明記したのである 131970 年代以降、 難民制度を利用して賃金を稼ぐために入国する「経済難民」が大量に流入するようになっ たこと、EU 統合がすすみ共通移民政策を受け入れるようになったことで、次第にドイツの 難民受入政策は寛容でなくなり庇護申請者の人数は30 年前に比べると激減したが14、依然 として新規難民申請受入国のなかでトップに君臨している 15。これは主に市民社会、特に

11 根本かおる、前掲書を参考に著者作成。 12 昔農英明(2014)『「移民国家ドイツ」の難民庇護政策』慶應義塾大学出版株式会社、40 頁。 13 同上、3 頁。 14 同上、4 頁。 15 山口綾子(2016)『欧州の難民受入問題―EUは危機を乗り越えられるか?―』公益財団 20.7 7.9 8.5 0.3 0 5 10 15 20 25 ドイツ フランス イタリア 日本

(6)

教会が難民の権利擁護を主張し「教会アジール」として難民保護の機能を果たすことで、 国家に対して政策改善を行うよう運動を展開、圧力をかけているからである16 ドイツでは、難民を含む外国人政策は連邦移民・難民庁の所轄であり、庇護申請手続き、 難民保護、難民の社会統合に関する調査・研究、外国人登録等の情報管理を行っている17 国連難民高等弁務官事務所(以下、UNHCR)の第三国定住プログラムは導入しておらず国外 から定期的な難民受け入れは行っていない 18。ドイツでは 3 通りの庇護申請による難民認 定のパターンが用意されている。第一にドイツの憲法にあたる基本法の16 条 2 項 2 条(現 行16a 条 1 項)「政治的に迫害されているものは庇護権を享有する」(昔農, 2014, 15 頁)とい う庇護規定に該当する場合であり、国家もしくはそれに準ずる主体に迫害された、または 迫害される恐れが非常に高い人に付与される 19。この庇護規定に基づいて認定される難民 は、申請者全体のうち数%にとどまっている 20。第二に庇護手続法3 条 1 項に基づく場合 である。これはジュネーヴ難民条約が規定する出身国に送還した場合に、その出身国にお いて生命、身体、自由に何らかの迫害を受けるおそれのある場合に付与されるもので、主 に非国家主体による迫害やジェンダー特有の迫害を受けたものに付与される 21。第三に庇 護手続法3 条 1 項、滞在法 60 条 5、7 項の規定に基づいて人道的、国際法的観点から滞在 許可を取得する場合である 22。第二、第三のパターンが適用されるのは第一の基本法の庇 護規定が適用されなかった場合に限られる。 2.1.2 庇護申請者及び認定者に対する支援 以下、⑴庇護申請者に対する支援、⑵難民認定者に対する支援の2 点について詳述する。 ⑴庇護申請者に対する支援 庇護申請者は申請期間ドイツ全土の各州(16 州)に割り振られ、その州の収容施設に入 所する23申請者の生活は連邦政府の予算ではなく各州の税制によって支援されている24 (a)住居及び財政的支援25

法人国際通貨基金、4 頁。 16 昔農英明、前掲書、8 頁。 17 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2007) 「ドイツにおける条約難民及び庇護申請者 等に対する支援状況報告」難民事業本部「世界の難民ほっとにゅーす」 http://www.rhq.gr.jp/japanese/hotnews/data/pdf/wha0819.pdf、2017 年 2 月 5 日参照。 18 同上、9 頁。 19 昔農英明、前掲書、15 頁。 20 同上、6 頁。 21 同上。 22 同上。 23 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2007)、前掲書、22 頁。 24 同上。 25 同上、22-23 頁。

(7)

各州により異なる。基本的には 3 ヶ月の第一次施設への入居が義務づけられており、 申請書を出せば外出が許可される場合が多い。3 ヶ月を過ぎると第二次施設に移行、も しくは空きがあればそのまま第一次施設に滞在できる。入所者は必要最低限の生活が 保障され生活必需品(紙おむつ、粉ミルク、離乳食を含む)が現物支給されるほか、「庇 護申請給付法」に基づき14 歳以上は月額 40 ユーロ、14 歳以下は月額 20 ユーロが支 給される。 (b)言語教育26 公的なドイツ語教育は提供されていないが、ボランティアによる言語教育支援が行わ れている。 (c)就労支援・職業訓練27 原則として受入施設に入居している者は就業が許可されていない。 ⑵認定者に対する支援 条約難民に特化した支援は無いが、「統合プログラム」をはじめ定住者を対象とする支 援を受けることが出来る28 (a)統合プログラム29 本プログラムは十分なドイツ語能力の習得と、ドイツの歴史・文化の理解を通じた難 民のドイツ社会への統合の促進を目標としている。語学のレベルに応じて基礎・発展 のクラスがあり、それぞれに学習速度の違う 3 つのコースが用意されている。また、 オリエンテーションコースにおいてドイツの歴史・文化・政治等を学ぶことができる30 コース実施に必要な費用について、連邦政府が1 億 4000 万ユーロ負担し、受講者は 1 単位につき1 ユーロを支払うことで参加できる。 (b)住居31 特別な支援はない。 (c)財政及び就業支援32 難民に対する特別な支援はないが、失業保険などドイツ人と同等の社会保障を受ける 権利を有する。 2.1.3 特徴:教会アジール

26 同上、24 頁。 27 同上、24 頁。 28 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2007)、前掲書、28 頁。 29 同上、28-34 頁。 30 同上、33 頁。 31 同上、36 頁。 32 同上。

(8)

ドイツの難民受入政策における特徴は市民社会による積極的な難民庇護、特に「教会ア ジール」と呼ばれる市民活動の存在である。教会アジールとは、キリスト教会において、 歴史的に行政の教会への「不可侵」が原則とされていることを利用し33、難民申請を不認 定され国外への強制退去の危機に立たされている者を保護する活動のことを指す34。国民 の約6 割が支持しているドイツ各地に広がる活動で、多くの難民が滞在資格を得るという 活動成果を残しており、難民政策の改善に大きく貢献している35 2.2 フランス 2.2.1 難民受入政策 フランスは19 世紀から出生率の低下、特に第一次世界大戦以降は少子化に悩まされてお り、人口減少対策として、移民を受け入れてきた長い歴史と経験を有する国である36。オ イルショック以前は欧州諸国や旧アフリカ植民地から大量の移民をフランスの重要な労働 力として受け入れてきたが、「移民受入れの抑制」、「移民選別の促進」、「移民の社会統合」 を柱とした新移民法が成立した2006 年以降、IT 技術をもつ者など質の高い移民は積極的 に受入れる一方、非合法移民の取り締まりは厳しくなり、難民の受け入れにも消極的にな っている37 フランスにおける難民認定は外務省の下に設置されているフランス難民及び無国籍者保 護局(以下、OFPRA)が行っている38。その他難民申請が棄却された場合に異議申し立てを する難民訴訟委員会(以下、CRR)や、予算管理、民間団体への業務委託を行っている人口及 び移民局(以下、DPM)等の機関が整備されている39。フランスでは2003 年に改正された新 難民認定法(正式名称「庇護権に関する条約」)に基づき難民認定を行っており、認定には 2 通りのパターンが存在する40。第一は1951 年難民条約に基づき難民と認定される場合であ

33 昔農英明、前掲書、60 頁。 34 同上、64 頁。 35 同上、67 頁。 36今野浩一郎・大島秀之ほか(2006)『欧州における外国人労働者受入れ制度と社会統合― 独・仏・英・伊・蘭5 カ国比較調査―』労働政策研究・研修機構、74 頁。 37 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2007) 「フランスにおける条約難民及び庇護申請 者等に対する支援状況報告」難民事業本部「世界の難民ほっとにゅーす」 http://www.rhq.gr.jp/japanese/hotnews/data/pdf/71.pdf、2017 年 2 月 5 日参照、4 頁。 38岡村美保子(2004)「フランスの難民認定制度」『レファレンス』54 号、85 頁。 39 同上。 40岡村美保子(2004)「フランスの難民等の庇護に関する条約」『外国の立法』No. 221 、115

(9)

る41。第二は、第一の要件を満たさないが、「自国において、死刑、拷問又は非人間的若し くは品位を貶める刑罰若しくは取り扱い、あるいは、国内の又は国際的武力紛争の状態か ら生じる非公権的な一般化した暴力を理由とした直接的かつ個人的なその生命又は人格に 対する重大な危険のどれかに晒されていることを証明するすべての者に対して与えられる」 (岡村, 2004.7, 85 頁)とされる補完的保護という認定である。補完的保護は 1 年間有効であ りその後も更新可能であるが、付与となった理由が存在しなくなった場合は延長ができな い42。また、認定者が過去に犯罪に関わっていたことが判明した場合やフランス国内で有 罪判決を受けた際はいつでも補完的保護を打ち切ることが出来る43 2.2.2 庇護申請者および認定者に対する支援 以下、⑴庇護申請者に対する支援、⑵難民認定者に対する支援の2 点について詳述する。 ⑴庇護申請者に対する支援 DPM に委託された市民団体が CADA と呼ばれる庇護申請者受入れ施設を運営してお り、入居義務はないが入居者の方が難民に認定される確率が高いことから入居すること が勧められている44。入居すると申請に必要な住所が付与され、申請手続き支援や医療、 子どもの就学援助等の支援を受けることができる45 (a)住居及び財政的支援46 フランス全土に269 の受入れ施設があり 19,410 人が収容可能である。申請者の状況を 把握しやすい集合型という同じ建物に居住するかたちと、フランス社会に同化しやす い分散型という町のアパートに分かれて居住するかたちの二種類が用意されている。 CADA での平均滞在期間は 17~18 ヶ月で、認定者及び否認定者は退所が義務づけられ ている。 (b)言語教育47 庇護申請者向けには行われていない。 (c)就労支援・職業訓練48 庇護申請者の就労は禁止されているため、就労支援・職業訓練は行われていない。

頁。 41 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2007)、前掲書、12 頁。 42 岡村美保子(2004)「フランスの難民等の庇護に関する条約」『外国の立法』No. 221、117 頁。 43 同上。 44 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2007)、前掲書、20 頁。 45 同上。 46 同上。 47 同上、21 頁。 48 同上。

(10)

⑵認定者に対する支援 難民と認定されればフランス国民と同様の社会保障を受けることが出来る 49。また、 フランス語やフランス社会について学ぶ教育を受けることが可能で、医療や住居、就業 等に関する情報提供などの公的サービスを受けることが出来る50 (a)言語教育51 定住者を対象とした無料のフランス語教育プログラムが用意されている。民間の語学 教育機関もしくは民間団体に委託されており、プログラムはそれぞれ異なるが、フラ ンス語を学ぶのと同時にフランスの文化や社会規範を学べる場合が多い。 (b)住居52 CPH と呼ばれる認定者一時居住施設が用意されており、住居を見つけるまでの期間入 居することが出来る。 (c) 財政及び就業支援53 難民のみを対象とした財政支援は無いが、フランス国民と同様の社会保障を受けるこ とが出来る。就業支援に関しても難民のみを対象とした支援は無いが、一般の職業訓 練施設を利用することが出来る。 2.2.3 特徴:民間団体による支援 フランスの難民受入政策の最大の特徴は庇護申請者と難民認定者に対する支援の多くを 民間団体に委託している点である。主な民間団体としては次の二つを挙げることができる。 一つ目はFrance Terre d’ Asile (以下、FTDA)と呼ばれる 1970 年に設立された団体で、フ ランス全土40 カ所以上の活動拠点を持ち、国からの援助を受けながら庇護認定者及び認定 者受入れ施設の運営、法的支援、語学教育、就業支援等の支援を提供しており、同時に政 府への政策提言や市民への啓発運動も活発に行っている54。二つ目はComite

intermouvements aupres des evacues (以下、CIMADE)と呼ばれる 1939 年に設立された 歴史あるプロテスタント系の団体で、基金や寄付、国やEU からの助成金をもとに活動し ており、CADA での支援の他難民不認定を受けた人々への人道的・法的支援も行っている。 2.3 小括 ドイツ・フランスに共通している特徴として、長く難民を含めた移民を受入れてきた歴 史と民間団体による難民支援の二点が挙げられるが、ドイツにおける教会アジールやフラ

49 同上、25 頁。 50 同上。 51 同上、26 頁。 52 同上、25 頁。 53 同上、26 頁。 54 同上、10 頁。

(11)

ンスにおけるFTDA・CIMADE の市民団体の活動等、特に後者が特徴的である。EU 全体 の流れのなかで難民の受入れに関して難色を示す国が増えてきているが、そのただ中で移 民受入先進国として未だ多くの数の難民を受入れている理由には民間団体による市民や政 府への働きかけが大きく寄与しているといえるだろう。 3. 移民受入後進国 本章では先述の分類のIII. 移民受入後進国にあたるイタリア、日本の 2 カ国の難民受入 政策について取り上げる。それぞれについて基本的な難民受入政策とそれが成立するまで の経緯、庇護申請者および認定者に対する支援について述べた上で、その国の難民受入政 策における特色を明らかにする。 3.1 イタリア 3.1.1 難民受入政策 1970 年代初頭までヨーロッパ有数の労働力輸出国だったイタリアは、移民・難民受け入 れの歴史が浅く、移民受入国と転身したのは1970 年代後半からである55。庇護申請者の入 国経路としては海路が最も多く、申請者全体の約60%にあたる56。イタリアの難民政策で は保護対象者と不法移民のそれぞれの地位の明確化と識別が最も重視されている57 イタリアでは庇護の権利及び難民の地位はイタリア共和国憲法及び難民条約に基づいて 保障され移民法により規定されるので、難民基本法は存在しない58。また第三国定住プロ グラムには参加しておらず、庇護申請に基づく受入れのみを行っており59、難民条約に基 づき条約難民と認定される若しくは人道的保護対象者と認められた場合にイタリアに滞在 することが許可される60 3.1.2 庇護申請者および認定者に対する支援 イタリアの難民受入政策において最も特徴的なのは地方自治体に属する SPRAR ネット ワーク、UNHCR の支援を受けた NGO、宗教団体等が庇護申請者、条約難民、人道的保護 対象者を区別せずに支援を提供している点である61。以下、(a)住居支援、(b)言語教育、(c)

55秦泉寺友紀(2010)「現代イタリアにおける移民問題をめぐる諸論点」『和洋女子大学紀要』 第50 集、151 頁。 56 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2008)「イタリアにおける条約難民及び庇護申請者 等に対する支援状況報告」難民事業本部「世界の難民ほっとにゅーす」 http://www.rhq.gr.jp/japanese/hotnews/data/pdf/76_2.pdf、2017 年 2 月 5 日参照、7 頁。 57 同上、9 頁。 58 同上。 59 同上、16 頁。 60 同上、9 頁。 61 同上、22 頁。

(12)

就労支援・職業訓練の3 点について詳述する。 (a)住居支援62 SPRAR ネットワーク、NGO 等が住居の提供及び住居を探す支援を行っている。緊急 で入居が必要な場合は申請手続きの種類に関係なく、政府管轄の収容施設である身元 確認センター(以下、CDI)、初期保護センター(以下、CPA)に入居することが出来る。 (b)言語教育63 CPA、CDI の施設でイタリア語の教育を受けることが出来る。庇護申請者は NGO 団 体や公的機関が主催する語学教室に通うことが出来るほか、義務教育年齢の子どもは 学校に通うことが出来る。 (c)就労支援・職業訓練64 庇護申請後6 ヶ月が経過し一定の条件を満たす申請者は就労が許可される。SPRAR ネ ットワークやNGO 等が就労支援・職業訓練を実施しているほか、労働省の外国人労働 者への支援を受けることも出来る。 3.1.3 特徴:庇護申請者・条約難民・人道的保護対象者を区別しない支援 イタリアにおける難民政策の最大の特徴は、地方自治体管轄のSPRAR ネットワークを中 心に、UNHCR の支援を受ける NGO 団体、宗教団体等が庇護申請者・条約難民・人道的 保護対象者を区別せずに一括した支援を提供している点である。難民基本法が存在せず、 共和国憲法により庇護申請者及び難民の地位と権利が一括で保障されていること 65が理由 として考えられる。 3.2 日本 3.2.1 難民受入政策 1975 年、日本にインドシナ難民がボートピープルとして漂着し、日本は初めて難民問題 と直面した66。このインドシナ難民をきっかけに、国際的な圧力、特にアメリカの世論か らの圧力を受け1981 年に G7 の国のなかで最後に難民条約に批准した67。これに伴い日本 で難民受入れに関する法整備が進められることになった。 日本における難民受入れ政策は法務省入局管理局が管理しており、難民条約と「出入国

62 同上。 63 同上、22 頁。 64 同上。 65 同上、9 頁。 66浅川聖(2013)「日本の『内』への難民政策の特徴:難民認定申請者に対する『管理』と『保 護』を中心に」『横浜国際経済法学』21(3)、384 頁。 67 根本かおる、前掲書、31 頁。

(13)

管理及び難民認定法」に基づき法務大臣の許可によって難民認定される68。現在日本にお いては難民又はそれに準ずる地位に認定される場合の3 パターン存在している。第一は難 民条約に基づき「条約難民」として認定される場合である。第二はUNHCR の第三国定住 プログラムに基づきパイロットケースとして難民認定される場合である69。第三に人道配 慮と呼ばれる、難民認定で不認定となった者に対し、「人道上の観点から日本に在留するこ とを特別に許可する」(根本, 2013, 31 頁)という制度である70。人道配慮は法務省の「裁量 行為」であることから許可の明確な基準が公開されておらず、条約難民・第三国定住難民 ではないため難民のみを対象とした日本語教育や就職あっせん等の支援を受けることが出 来ないほか、許可は1 年ごとに更新する必要がある 71。難民不認定に不服な者は、処分の 通知を受けてから7 日以内に異議申し立てをすることが出来る。異議申し立てには「難民 審査参与員制度」という制度が導入されており、「人格が高潔で難民認定に係る異議申し立 てに関し公正な判断ができ、法律又は国際情勢に関する学識経験を有する者から法務大臣 が任命」(岩田, 2011, 3 頁)した NPO 関係者、弁護士、大学教授等の参与員が、申請者への インタビュー等を基に法務大臣に意見を述べる72。法務大臣は基本的に参与員の意見を尊 重することとなっており、難民認定に関する透明性の向上が目的とされている73 3.2.2 庇護申請者および認定者に対する支援 以下、⑴庇護申請者に対する支援、⑵難民認定者に対する支援の2 点について詳述する。 ⑴庇護申請者に対する支援 難民事業本部(RHQ)による保護措置業務により、原則として4ヶ月間支援が行われる が、支援を受けている庇護申請者の数は全体の申請者数と比べ相当少なく 10%に満たな い74 (a)住居及び財政的支援 生活費として12 歳以上の大人一人につき日額 1,500 円、12 歳未満の子ども一人につ き日額750 円が支給される。住居借料費は単身者には 4 万円、一世帯の支給費は上限 6 万円である75。また、ESFRA(難民認定申請者緊急宿泊施設)の提供を行っている76

68 岩田陽子(2011)「我が国の難民認定制度の現状と論点」『調査と情報』第710 号、1-2 頁。 69 同上、3、5 頁。 70 根本かおる、前掲書、39 頁。 71 同上、40 頁。 72 岩田陽子、前掲書、3 頁。 73 山田寛ほか、前掲書、61 頁。 74 浅川聖、前掲書、398 頁。 75 同上。 76 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2016)「難民事業本部案内」難民事業本部「資料一

(14)

(b)言語教育 特に無い。 (c)就労・職業訓練77 難民申請から6 ヶ月が経過すると就労許可がおりる。 ⑵認定者に対する支援 RHQ による支援が行われており、予算は外務省・文化庁・厚生労働省からの委託費等 でまかなわれている78 (a)言語教育79 条約難民とその家族及び第三国定住難民を対象に日本語教育プログラムや日本で生活 する上で必要な制度、社会の決まりや仕組みを学べる生活ガイダンスのプログラムを 提供している。 (b)住居80 本部事務所・支部にて難民相談員に生活相談をすることが出来る。 (c) 財政及び就業支援81 職業相談員による職業相談及び職業紹介を受けることが出来る。また、職場の訪問や 相談に応じる等就職後のケアも受けることが出来る。 3.2.3 特徴:庇護申請者に対する支援の不足 日本はODA や国際機関等「外」への支援は積極的に行ってきた一方、「内」に存在する 国際的な問題、すなわち難民への支援に積極的とは言いがたい状態が続いている82。特に 庇護申請者に対する支援が手薄なのが特徴といえるだろう。本来受入国が支援をすべき申 請者であるが、実際に国により委託されたRHQ が支援している申請者数は全体の 10%に も満たず83、取りこぼされた者はNGO やボランティア団体の自主的な活動に頼るしか無い のが現状である84。また、庇護申請から結果が送付されるまでの期間が長く85、申請者が 不安定な地位に長くおかれる欠点も存在する。

覧」 http://www.rhq.gr.jp/japanese/profile/pro/pdf/leaf-j2016.pdf、2017 年 2 月 5 日参照, 2 頁。 77 根本かおる、前掲書、37 頁。 78 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2016)、前掲書、1 頁。 79 同上、2 頁。 80 同上。 81 同上。 82 浅川聖、前掲書、377 頁。 83 同上、398 頁。 84 根本かおる、前掲書、38 頁。 85 岩田陽子、前掲書、9 頁。

(15)

3.3 小括 3 章では移民受入後進国であるイタリアと日本を取り上げた。両国の共通点はいずれも 1970 年後半から難民受入れを開始したことである。両国の相違点としては地理的側面と支 援体制の整備の2 点が挙げられる。地理的側面について、イタリアは陸路での入国及びア フリカ大陸や中東からの海路での入国のどちらも可能である。一方日本は周りを海で囲ま れているため、稀に海路でやってくる庇護申請者もいるがほとんどは空路を使って入国す る。これが庇護申請者数に大きな開きがある要因であると考えられる。支援体制の整備に ついて、イタリアでは地方自治体管轄のSPRAR ネットワークを中心に庇護申請者及び難民 への支援体制が整っているが、日本では全体の数%しかRHQ の支援を受けておらず支援体 制は極めて不十分であるといえる。 4. 結論 2 章と 3 章で移民受入先進国と移民受入後進国それぞれ 2 カ国ずつ取り上げ詳述した。ド イツ、フランス、イタリアと比較すると、日本は庇護申請者に対する支援の欠如と、政府 とNGO 等民間団体間の連携の欠如の 2 点が特徴であることが分かる。1 点目の庇護申請者 に対する支援の欠如について、日本以外の三国とも申請者に対して手厚い支援を提供して いる。そもそも難民条約の下では、庇護申請者が批准国の国境若しくは国内で保護を申請 した時点で、国家にはその者を保護する義務が生じるとされている86。イタリアは日本と 同じ移民受入後進国に分類されるが、EU の共通移民政策を採用しており87、難民政策の大 枠が出来上がっていたため庇護申請者の支援を含め支援制度を整備しやすかったと考えら れる。難民条約に批准している以上、日本も難民支援制度、特に遅れている庇護申請者に 対する支援を早急に拡充すべきである。また、2 点目の政府と NGO 等民間団体間の連携の 欠如について、ドイツ、フランス、イタリアいずれの国においてもNGO をはじめとする民 間市民団体が難民支援に大きく貢献している。特にフランスとイタリアでは、政府が庇護 申請者及び条約難民・人道的保護対象者に対する支援を民間団体に委任して行っている。 日本では外務省がNGO 支援を始めたのは平成元年であり、欧米に比べ大きく遅れている88

86 United Nations High Commissioner for Refugees. (2005). Fair and efficient asylum procedures: a non-exhaustive overview of applicable international standards. UNHCR. p.1

87 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2008)『イタリアにおける条約難民及び庇護申請 者等に対する支援状況報告』9 頁。

88 上智大学社会正義研究所編(2002)『難民と NGO―世界の対応・日本の対応―』サンパウ

(16)

日本における庇護申請者数は年々増加しており89、政府の支援が申請者全体に行き届いて いるとは言い難い90。難民事業部だけと提携するのではなく、現在難民支援のため活動し ているより多くの民間団体と連携し、より多くの申請者に支援が提供できる制度を整備す べきである。

参考文献

Hollifield, J., Martin, P., & Orrenius, P. (2014). Controlling Immigration: A

Global Perspective, Third Edition. Stanford University Press.

Schuster, L., (2000). A Comparative Analysis of the Asylum Policy of Seven

European Governments. Journal of Refugee Studies, 13(1), 118-132.

United Nations High Commissioner for Refugees. (2005). Fair and efficient

asylum procedures: a non-exhaustive overview of applicable

international standards. UNHCR.

United Nations High Commissioner for Refugees. (2015). Global Trends 2014.

UNHCR.

http://www.unhcr.org/statistics/country/556725e69/unhcr-global-trends-2014.html 浅川聖(2013)「日本の『内』への難民政策の特徴:難民認定申請者に対する『管理』と『保 護』を中心に」『横浜国際経済法学』21(3)、377-409 頁。 アムネスティ・インターナショナル(1993)『日本における難民の保護―国際的な義務を果た さない日本政府―』日本評論社。 市野川容孝・小森陽一(2007)『思考のフロンティア 難民』岩波書店。 今野浩一郎・大島秀之ほか(2006)『欧州における外国人労働者受入れ制度と社会統合―独・ 仏・英・伊・蘭5 カ国比較調査―』労働政策研究・研修機構。 岩田陽子(2011)「我が国の難民認定制度の現状と論点」『調査と情報』第 710 号、1-10 頁。 岡村美保子(2004)「フランスの難民認定制度」『レファレンス』54 号、80-89 頁。 岡村美保子(2004)「フランスの難民等の庇護に関する条約」『外国の立法』No. 221、115-121 頁。 外務省(2004)『難民条約』国内広報課。 小泉康一(1998)『「難民」とは何か』三一書房。

89 根本かおる、前掲書、32 頁。 90 浅川聖、前掲書、398 頁。

(17)

佐藤良輔(2016)「イタリアにおける義務的な市民統合政策―『移民の安全保障化』の観点か ら―」『国際文化学』第 29 号、45-67 頁。 上智大学社会正義研究所編(2002)『難民と NGO―世界の対応・日本の対応―』サンパウロ。 秦泉寺友紀(2010)「現代イタリアにおける移民問題をめぐる諸論点」『和洋女子大学紀要』 第50 集、151-162 頁。 昔農英明(2014)『「移民国家ドイツ」の難民庇護政策』慶應義塾大学出版株式会社。 根本かおる(2013)『日本と出会った難民たち―生き抜くチカラ、支えるチカラ―』英治出版 株式会社。 山口綾子(2016)『欧州の難民受入問題―EU は危機を乗り越えられるか?―』公益財団法人 国際通貨基金。 山田寛ほか(2007)『日本の難民受け入れ 過去・現在・未来』中央公論事業出版。 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2007)「フランスにおける条約難民及び庇護申請者 等に対する支援状況報告」難民事業本部「世界の難民ほっとにゅーす」 http://www.rhq.gr.jp/japanese/hotnews/data/pdf/71.pdf、2017 年 2 月 5 日参照。 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2007)「ドイツにおける条約難民及び庇護申請者等に 対する支援状況報告」難民事業本部「世界の難民ほっとにゅーす」 http://www.rhq.gr.jp/japanese/hotnews/data/pdf/wha0819.pdf、2017 年 2 月 5 日参照。 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2008)「イタリアにおける条約難民及び庇護申請者 等に対する支援状況報告」難民事業本部「世界の難民ほっとにゅーす」 http://www.rhq.gr.jp/japanese/hotnews/data/pdf/76_2.pdf、2017 年 2 月 6 日参照。 (財)アジア福祉教育財団難民事業本部(2016)「難民事業本部案内」難民事業本部「資料一覧」 http://www.rhq.gr.jp/japanese/profile/pro/pdf/leaf-j2016.pdf、2017 年 2 月 6 日参照。 総務省統計局(2017)「2-5 人口・面積」世界の統計 2016、 http://www.stat.go.jp/data/sekai/0116.htm#c02、2017 年 2 月 3 日参照。 総務省統計局(2017)「2-10 国籍別人口」世界の統計 2016、 http://www.stat.go.jp/data/sekai/0116.htm#c02、2017 年 2 月 3 日参照。 総務省統計局(2017)「3-2 国内総生産」世界の統計 2016、 http://www.stat.go.jp/data/sekai/0116.htm#c03、2017 年 2 月 3 日参照。

表 4  各国の難民認定率  (決定総数における認定者の割合(%)) 11 2.  移民受入先進国    本章では先述の分類の II.  移民受入先進国にあたるドイツ、フランスの 2 カ国の難民受入 政策について取り上げる。それぞれについて基本的な難民受入政策とそれが成立するまで の経緯、庇護申請者および認定者に対する支援について述べた上で、その国の難民受入政 策における特色を明らかにする。 2.1 ドイツ  2.1.1  難民受入政策    ドイツは第二次世界大戦中、ナチス政権下において 5000 万〜6

参照

関連したドキュメント

90年代に入ってから,クラブをめぐって新たな動きがみられるようになっている。それは,従来の

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

自閉症の人達は、「~かもしれ ない 」という予測を立てて行動 することが難しく、これから起 こる事も予測出来ず 不安で混乱

巣造りから雛が生まれるころの大事な時 期は、深い雪に被われて人が入っていけ

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

一︑意見の自由は︑公務員に保障される︒ ントを受けたことまたはそれを拒絶したこと

諸君には,国家の一員として,地球市民として,そして企

従って、こ こでは「嬉 しい」と「 楽しい」の 間にも差が あると考え られる。こ のような差 は語を区別 するために 決しておざ