NII-Electronic Library Service
Thθ Japanese foumal of Psychenoinic SCience
2010
,
Vol.
28,
No,
2,
232−
238函
ア モー
ダ
ル知 覚
に
お け
る
異 方 性
高
島
翠
*・
藤
井 輝 男
* *・
椎 名
健
* * * 中 央 大 学 研 究 開 発機構*・
敬 愛 大 学**・
文 教 大 学* **Anisotropy
in
amodal
perception
Midori
TAKAsmMA
*,
Teruo
FuJII
* *
,
Ken
S
田 INA* * *
C
椥oUnivers 勿Research
α雇 ヱ〕evelOPmeht lnitii tive*,
Keini σ 勾勿 ers勿* *
,
and B襯 緲o University* * *
As
previous studies have shown,
amodally perce孟vedfigures
canbe
completedby
using twodihlerent rulesl smooth continuity and symmetry
.
Markovich (2002 )showed 士hat amoda ]percep−
tion is affectedby
stitnulus orientation.
In the present study,
we investigatedfUrther
hqw
amodal perception is affeCted by stimulus orientation andby
the shape of the occ 正uding and occluded patterns.
The
resultsdemonstrated
that:(1)a“
sアmmetrical amodalfigur
げf
tends to appear in a vertical ax 玉s rather than a horizonta廴or diagonal axis :(2)depending on the pattern orientation,
anamodal
figure
canbe
induced
by
the
shape ofthe
occluder.
This
means that we perceive an arnodalfigure not only
by
smooth continuity or symmetry,
but
alsoby
the contextual condition a囗.
d
frame.
O!
freference.
Key
words :amodal completion,
Smooth continuity,
symmetry,
pat辷ern orientationは じ め に わ れ わ れは 3次 元の世 界に住ん でおり
,
遮 蔽 関 係か ら 奥行き を知るこ と もで き る。 例え ばFigure
1
の よ うに,
黒い正 方 形の 向こうに灰 色の 円を.
見るこ と がで きる。 注 目 すべ きことは,
網 膜 像 上に映ら な くて も,
そ こに隠れ て いる正 円を見て い るこ と で あ る。 こ の よ う に, 対応す る網膜 像が存在し てい ない に も か か わ らず,
その全体の 構造 か ら補 充さ れ,
対応 する像が存 在 して い る場 合 と同 様に知 覚 され る。 こ の ときの知 覚 的な明る さ や質 的な変 化を伴わ ない知 覚 的 補 完 現 象を,
ア モー
ダル知 覚 (amo−
dal perception)と呼ぶ。
ア モー
ダル 知 覚は,
研 究者に よっ
て 異なる名 称で 呼 ば れる こ とも多 く,
例えばMi −
chotte,
Thines.
&Crabb6
(1991 /1964)で は矢目覚 的 な 明る さや質 的な 変 化を伴 う補 完 現 象 (modal completion )
と区 別 して アモ
ー
ダル 補 完 (amodal completion >と 言己 し,
Dinnerstein & Wertheimer (1957)で は単 築且に現 象*
Chuo
University
Research
andDeveloPment
Initiati
.
ve,
742−1
Higashinakano
,Hachioji,
Tokyo 192一
393 的重なり 〈phenomenal overlapping )と記して い る。
これらの ア モー
ダル 知 覚の研 究で は,
そこに見いだ さ れ る遮 蔽物に よっ て一
部を隠さ れて い る被遮蔽 物が どの よ う な か た ちに知覚 さ れる のか が中心的な研 究 課 題と な る。 ア モー
ダル知 覚の現 れ方につ いて,
大 きく分け て2
つ ない し3
っ に ま とめ ら れ る (Boselie
&Wouter1Qod ,
1992
;Weuterlood
&Bosehe,1992
;vanLier,
vander
Helm ,
&Leeuwenberg ,1995
)。
第1
の現れ方は滑 らかな連 続 性 (smooth continuity >の重 視であ る (
Figure
2−
A)
。
自然 界において輪郭線が途中で途 切れ る とい うことは
,
そ の 手 前に何 ら かの 遮 蔽 物が あ る可 能性 を 示 唆 する。 そ の場合は, 途 切れた輪郭線を まっ す ぐ伸ば し
,
別Figure
1.
An
exa 皿plef
the amodal percep−
tion.
We
percetve a co皿plete circlebehind
a black square.
Copyright 2010
.
TheJapanese
Psychonornic Society.
All rights reserved.
NII-Electronic Library Service
噛
尋
A B
Figure
2.
Two
possible amodal perceptiorls:smooth continuity (
A
)and symmetry (B
).
の方 向か ら伸びてい る輪 郭線と交差 する ところで像を結 ぶ とい う見え方を導く。 こ の場合に も
,
輪郭線の切れ目 の存 在 だけ で は十 分 条 件 とは な ら ない。
遮 蔽さ れ な いで 残っ て い る部 分の形態 との 関係も重要とな り (Kellman
&Shipley,
1991 ),
それ との連続 性ある い は類 同 性によ る同一
性の獲 得 がア モー
ダル知 覚の形 成に必 要 と なる。
第2
の現れ方は,
よ り全 体と して の ま と ま りの 良さ が重 視さ れ る (Figure
2・
B
)。 遮蔽さ れて い る箇 所と遮 蔽さ れ て いない箇 所とを 含め た被 遮 蔽 物の全 体の形 態が,
より 良いか た ちに な るよ うに知 覚さ れ る。“
良いか た ち”
の定 義は あいまいで あ る が, 規 則性や対称 性が その 概念 に含 ま れる であろ う。 遮 蔽さ れて いない部 分と対 称に なる よ うに,
あるいは,
遮 蔽されていない箇 所の もっ 規 則 性 を 引き継ぐ よ う に して,
遮 蔽さ れて い る箇 所のか た ち が知 覚さ れ る。 さ らにPalmer
(1999
)は,
この2
つ に加 え て,
過 去に なじみのあるもの にな る ように知 覚 さ れると い う 過去経 験に よ る知 覚も挙げて い る。
群化要 因 の 中で も過 去 経 験の要 因は,
他の ゲシュ
タル ト要 因と拮 抗 する 場 合は劣 勢にな る (Wertheimer ,1923
)。
見たこ とのな いパ ター
ンにおい て も一
定の傾 向が あ るこ と が報 告さ れ て い る(Metzger,1953
)よ う に, こ の群化の要 因と同様 に ア モー
ダル 知 覚におい て も,
過去 経 験の要 因は優 勢に はた ら く もので はないDKanizsa
(1979
>は,
結果と して高い プレグナ ン ツ を も っ か た ちにな る よ うに知 覚する場 合は強 固にそのか た ち と して知 覚 される もの の,
対 称 性・
規 則 性に よる知 覚は そ の他の強い要 因の作桐に よ る副 産 物に過 ぎな い こ とを 指摘して い る。例え ばKanizsa
(1985
)で は, 対称 性や規 則 性に よ る知覚よりも滑 ら か な連 続性に よ る知覚が優 位 で あ る例を示し,
遮 蔽さ れて い る箇 所か ら,
考える レベ ルで 問 題 を 解 くよ うに規 則 性や文 脈の適 切 性な ど が直 接 的な要 因と なっ て知 覚さ れる の で は な く,
連 続 性に従っ て遮 蔽 箇 所を知 覚 し て い る のだ と述べ て い る。
アモー
ダ ル知 覚にお ける対 象 性や規 則 性の例は,
記 憶 中に貯 蔵さ れた表 象との比 較を含んだ 2次 的な過 程で あ り,
1次 的 な知 覚 過 程に お い て は滑 らか な連 続 性に従 っ た知 覚が優 勢である(Kanizsa
&Luccio
,1986
;Luccio,1998)。 こ れらの考えに対 して,
規 則 性の高いパ ター
ン で は規 則 性A
B
Figure
3.
The
effect of contour orientation onamodal completion (
Markovich ,2002
),
We
tend to
perceive
theblack
figure
as ahexagorl in diagonal condition (A)
,
and as a pentagon in vertical condition (B),
に従っ て知覚さ れ やすい こ とも報 告さ れて い る(
de
Wit & van Lier,
2002 )。 滑 ら か な連 続 性に よる知 覚よ り も.
よ り全 体 的なパ ター
ンが 良いか たちと し て判 断さ れ る よ う に,
規則性や対 称 性に従っ た 知覚が優位で あ るこ と も 指 摘さ れて い る。 この ように,
どの ような か た ちに知 覚 さ れるの かにっ いて はそ れほど 容 易に決 定 することはで き ない。 ところで これ らの アモー
ダル 知 覚に おい て,Marko −
vich (2eo2 )は輪 郭の方 位 性に よ っ て知 覚されるかた ち が変 化 することを報 告 し ている。
Figure
3−A
に示 すよ う な図 形を提示する と,
黒い図形は連続性に従っ て五角 形と して知覚さ れ る が,
同じ図 形で も,
45D 回 転さ せ た 場 合 (Figure
3−
B),
対 称 性に従っ て六 角 形 と して知 覚 さ れ る。Kanizsa
が 指 摘 して い る よ うに,
対称 性によ るア モー
ダル 知 覚は常 に支 持 さ れ る わ けで はな い。 とりわ け,
さ ま ざまな対 称 軸の中で も左 右 対 称の図 形は,
それ 以外の図形に比べ て, 対 称で あ るこ と が早く検 出さ れ, ま た, 左右 対称の図形の方が より良いか た ち と して判断さ れる (e
.
g.
Garner
& Clement,
1963,
Hamada & lshi−
hara
,1988
>。 アモー
ダル 知 覚においてもこ の よう な対 称 軸の 方 向に よっ て影 響を 受け ることもMarkovich
の 実 験か ら明ら かで あ る。 し か し な が らMarkovich で は,
用い たパ ター
ンが 2 種 類しかない。
提 示 方 位に よ っ て異な るか たちに知 覚さ れ る とい う異方 性の あ るパ ター
ン と そ うで ないパ ター
ン も存 在す る と考え ら れ る。 そこ で 本研究で は,
まず,
Markovich の用い た もの と同 様の 図 形を作 成 し,
異 方 性が再 現されるの か検 討 し,
さ らに,
その他の パ ター
ン で はどの ように変 化 するの か,
調べ ること と し た。
実 1験1
方 法 観 察 者 正常な視 覚を有する大 学生 63 人 観 察 図 形 灰 色の 円に接 する図 形を黒で描 き,
黒い図 形の形を変 化さ せて作 成し た (Figure 4参 照 )。Figure
N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service
234
基 礎 心 理 学 研 究 第 28 巻 第2号4−A
は通常の ア モー
ダル知 覚で用い られてきたパ ター
ン で あ る。 Figure 4−
B は Markovich (2002 )で使わ れて い た図で,
灰 色の 円に接 する領 域を最 短 距 離で結んだ線に よ り対 称 的な図 形 がで きるよ うに,
灰 色の 円の反 対 側を 直 線で 切り取っ たパ ター
ンで あ る。
さ ら にこれ ら に加え て,
ア モー
ダル知 覚で は なく,
実際に描かれて い る領域 の み で 対 称に な る よ うに円 弧 状に切 り取 っ たパ ター
ン (Figure4−C
)を 用 意した。 これ らの図形を時 計回りに OD (Figure
4 と同じ),
45 °,135
°,225
°,315
° に回転さ せ た。
観 察 図 形は合計 15 種 類で あっ た (パ ター
ン 3種 類 ) × (提 示方位5
方向)。 手 続き 実験は大学の 授業内で質問紙を用い て集団で 行っ た。 質 問 紙に は,
ランダム に並べ た観 察 図 形にっ い て,
黒い図 形がどの よ う なかたちに見 えるか,
自 由に描 く よ う に求めた。
ま た,
質問 紙 は 観察図 形 を 入 れ 替 え た パ ター
ンを複 数作成 し,
順序効 果を相殺し た 。 結果 と考 察 描か れ た か たちを整理 す る と, 輪郭線を滑 ら か な違 続 性に従っ て延長さ れ た もの (直角に交わ る),
最短距 離で 直 線に結ば れた もの (直 線),
そ して 灰 色の 円と輪 郭 線を 共有する もの (円弧)の3
種 類に まとめ ら れ た。 そこで,
描か れ た か た ちをこ の3
種類に コー
ド化 し (Figure
5
),
各 観 察 図 形につ いて そ れ ぞ れの か た ち が描か れ た割 合を 算 出 した。 な お,
提 示 方 位が45
° と225° の間 および,
135
° と315D
の 間に は違いが な か っ たこ と か ら,
結果の 整 理 と して は,
提 示 方位をO°
,
45・
225e,135 ・
315 °
の3
っ の カ テ ゴ り一
を用い る こと と した。
観 察 図 形のパ ター
ンおよび提 示方 位別に,
描か れた か た ちの そ れ ぞ れの割 合をFigure
6
に示す 。 図 形の方 位に よっ て判 断が変 化 して い るか ど う か を 確 Aφ
cFigure
4.
Three
patterns usedin
Experiment
1
認 する た め に
,
パ ター
ン別に方 位×判 断の独 立性の検定 を行っ た。 その結 果,
パ ター
ンA
で は図形を 回転さ せて も 知 覚 されるか た ち に 違い は み られず (X2(4)=
7.
53,
n.
s.
),
直 角の正 方 形として知 覚されて い た。 このパ ター
ンで は,
遠 続性に従っ て も対称性に従っ て も,
同 じ よ う に正 方 形 (あるい は菱形 ) と な る た め,
角 度 を 変 化さ せ て もア モー
ダル に は直 角に交わる こ とに な るe パ ター
ン B の場 合, 図 形の提示 方位によっ て見え が変 化し(X2(4
)=22.
09,
p
<.
01
),
提示方 位が0
° の と き は直 角の判 断が,
45・
225°
の ときは直 線の判 断が最 も多か っ た。各 提 示 方位ご と にκ 2検 定 を行 っ た ところ,O
° で は直 角〉直線〉 円弧の順に (x2(2)=
49.
43,
ρ<.
01),
45・
225°
では 直 線 〉直 角 〉 円 弧の 順 に(X2(2)=50,
38,
ρ〈.
Ol
),
135 ・
315
° で は直 角=
直 線〉円 弧の順に(X2(2
);30.
95,
p
〈.
Ol
>,
判 断の 割合 が 変化す るこ と が 示 さ れ た。 つ ま り,
提 示方位が0°
で は連 続性に従う が,45 ・
225a の とき は左 右 対 称に従 う傾 向が示さ れた。
Markovich と同 様に,
図 形を回転させ る と知 覚さ れ る か た ち も変化す るこ と が確 認さ れ た。 バ ター
ン C の場合,
独 立 性の検 定の結果は有意で あっ た〔X2(4
)=
=18.
07,
p
〈.
01
)カt, すべ てのパ ター
ンに おい て 直角の 判 断が最も多か っ た。 各提示方 位ご とに κ 2 検 定 を行っ
た とこ ろ,
提 示 方 位が 0°
の ときは直 角〉円 弧〉 直 線の順に (X2(2)=
96.
03,
p
<.
01
),
45・
225
° の時は直 角 = 円弧〉直 線の順 に (X2(2
);42.
97,
p
<.
01
>,
135 ・
315
°で は直角〉円 弧〉直線の 順に (X2(2
)=38.
81,
p
<.
Ol
),
判 断 が変 化 する こ と が示され た。
っ まり,
どの提 示 方 位で も 直 角の判 断が最 も多か っ た もの の, 弱いな が ら も異方 性 が認め ら れ た。 パ ター
ンC
の場合,
対称と な る円 弧の判 断は アモー
ダル 知覚で はな く,
2 っ の図 形が接 触して い ることを 意 味し てい る。 ア モー
ダル知 覚で は斜め や水平 軸に対 する垂直軸対称へ の優 位 性 だけで は な く,
接 触閧 係に対す る遮蔽関 係へ の 優 位 性も示 唆さ れ る。 以上の結 果か ら,
M arkovich が報 告し たよ うに,
本 実 験で用いた図 形の う ち最も異 方 性が認め ら れた の は,
パ ター
ン B で あっ た。 この 図 形で は,
3っ の異なる方 位の 輪 郭を併せもつ た め,
どの提 示 方 位で も垂 直 ある い は水 七est pa 亡ternthree categories ofthe results
「 「
r19htan9 且e straight line circular arc
Figure 5
.
Three categories of perception revea ]ed in Experiment 正;right angLe,
straightlines
,
andcircular arc (two βgures attached side by side)
.
NII-Electronic Library Service 「00 濁 60 40
〔
琶
E Φ # 豊 羽 之 呂・
g
甲:
。 モa9
皀 0 鬮 right 己ngle:
黎
離
ξ
麁
●
驪
ぐ
『 45・
22庁 135・
31『岬 鱒
摯
『 45・
22ぎ 135・
馴 『鐙
劇
魯
ぴ 45・
223 135・
31『幽
馴
輿
Pattern @and @ rien ±ati
Figure
6 . Results of Experiment
1
平の 輪郭が
あ る 。 わ れわれは 斜めよ りも水 平 や 垂 方 向 への 線分 に 敏感
であ る。そ
のた め , 強調 される 郭が変化
し, ア モー ダル 知覚にも 影 響が現 れ る と考 ら れ る。 こ の よう に,
実 験1 か ら , 図形の 提 示方 位 よ っ て 知 覚 されるか た ちが
変 化 す ること ,そこには 遮蔽物の輪郭 の 形 が 関わっ て い るこ とが ら か と な っ た。 実験1
では
輪郭の方位に よ り ,知 さ れるか たち が変 化す
る ことが 示され たが, 図 形 の 郭 の方 位 は 被遮 蔽物 の み ではな
く遮 蔽物 に も存 在す
。そ こで 実験2
では , 遮蔽物
の 形 を 変 化さ せる
こと , 知 覚 さ れ るア モーダル なか たち
が どの
よ うに変 化 るの か, ま た,図形 の 方 位 性が
ど のよ うに 関わ っ いる か , 検 討 る こ と し た 。 実 験2
方 法 観 察者 正常 視覚を 有する大 学47
人 ( 実 験1
と は 異な る 観察 者 ) 観察
図 実 験1 で最
も 異方 性 のみ られた パ タ ー ン B を とに,灰色 の図形の形 を 変化
さ せて
作 成 した (Figure7
参照 )。パ タ ーン
X は 実験1
のパ ターンB
と 同じ
あ る 。パ ターンY
は灰 色 の図 形を半円 に , パ ター ンヘ
扇形に 切り
抜いたものである。 これらの図
形を時
計回り
に0
°(F
ure
7
と同じ ),45
°,135 ° に回
転 させ 。観察 図 形 は合計9
種類
あ っ た (パ タ ーン3
種類) × ( 提 示 方 位3 方向 )。 続 実 験 大学
授 内 で質問 紙を用いて
集 団 で XY } 灘 、 ZFigure 7. Threepatterns
used irlExperim
t
2
. 行 った 。 質問 紙 には,ラン ダムに
並 べた観 図 形 にっいて
, 黒い
図 形 がどの よ う な か たちに見 え か ,自
由 に描 く よう
に 求 め た。ま た , 質問 は 観 察図 形 入 れ 替 えた パタ
ーン を 複 数 作 成 し, 順序
効 果を
相殺 た 。 結果と
考察 実 験1
と 同 様に , 描 かれ た か ちを直角 , 直線 ,円弧 の3 種 類に コード 化し
,各 図 にっ い て そ れぞれ
のか た ち の描 か れ た 割 合を 算出 た。観察図形のパ ター ンお び提示 方位 別 に ,描 かれた か たち のそれ ぞれ の 割合Figure
8 に
示す。 図 形の 方 位によ っ 判断が変 化 している
のかど うか
を 確 認する た め に, タ ー ン別に 方位 × 判断 の 独立性の 検 定を行ったところ
,
どのパ
ターン
も図形
の提示
方 位に
よって 見えが変
化して
いた(パター
ン
X:X2 (4
) == .73, p<.
Ol,
パ ター
ンY:xz ( 4 )=
39 .56
,f
)く
01 ,パ ターンZ
: X2 (4 )= 50 .31
,p
〈. )。どのパタ
ーンでも
提 示方 位が
0
囗 の時は直角
〉 直線 円 弧 の順 に,45
° で は直 〉 直角〉
円弧の順 に , 135 °で は 直角 = 直 線〉 円 の 順 に, 判 断が 変化す る ことが 示さ
れ た。 次 , 遮 蔽物
の 形に よって 判 断が変化し て いる の かを 確 認 するた めNII-Electronic Library Service
236
基礎心理学研究 第28
巻 第 2号 100 細 60 40 20(
凍)
∈ 。 輝 巴 冨 ユ8
」
g
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巳 o目
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。藩
1ρ 鋼
曹
げ 45顧
緬゜
辱
薊
濫
轟
鋼
墨
P臼ttern 日 nd @orient 司t苣oFigure
8, Results of Experiment性の 検定を行 った 。 その 結
果
,どの 方位 でも 遮 蔽物の 形 に よって見 え が 変化し て いた ( 提 示方位hi e ° の き κ2
(4
}=
13,50 ,
p
<.
01
,45 °のときX2
(4
)=
]3.
23 ,p
<.
, 135Q のときX2(4) =・10.
46 ,pく.05 ) 。こ の こ
と
か ら 半円 で 遮 蔽 すると 直 線の
判断が , 扇で遮 蔽 する と直 の 判断 が増 える こ とが
示さ れた
。 例え
ば , パ ターX
やZ
で は ,13S
°のときでは直角と判 断と直 線 の判 が 同 程度 で あっ
た のに
対 し て ,パター ンY で は円 直 線 の判断が 圧倒 的 に 増 えて いる 。 このこと か ら, 蔽 され
て いる 箇 所が,半円 のもっ輪郭の方位性 と 同 方向 に誘導 さ れ る こ とが
示唆さ れる 。つま り, 遮 蔽 る図
形 の 方 位に よ っ て, 被遮 蔽 物の かたち の 見えが 化す るこ
が明
らかと
な った
。 一方で, どの パ タ ーン で 提示方 位が0
° のとき に は 直角の判断が,45
° のと に は 直線
の 判断が多かっ た こと
か ら ,こ の提示方 位 と きには ,遮 蔽 物で はな
く被 遮 蔽 物の 輪 郭の 方 位に っ て 知覚さ れ るか たちが変 化 する
ことが示 され
た。 い換 え ると
,今 回用いたパター ン に おい ては,被遮 物 の輪郭 の方位 性 による影響 の方が 遮 蔽 物 の 輪郭 の 位 性 によ る影 響よ りも大 きい ことが 示 唆 され る 。こ は, 観察 す る図 形 が被 遮 蔽物で あ るため被 遮蔽物 そ もの がも っ輪郭 の方 位性 の方が か たちの 覚に
重 要 と なる ため
で あ ると 考 え られ る。
お,実 験1 の パター
ンB
と実 験2
の パ タ ー ンX
は 同 図形 で ある が , 異な
る 観察者 に おいて同 様の結果が
ら れ たこ
と か ら , 実験の再現 性が確 かめ られた。 こ のア
とは ,実 験室 実 験だ
け で は なく集団に お ける 質 問紙形 式 の 実験
お い て も 知 覚実 験が 有用
で あることを示 し ている 。 総 考察
本研 究で は ,遮蔽 物と被遮蔽 物の輪郭 の 方位 が ア モ ー ダル 知覚
に ど の ように 影 響 を与
え る の かに い て 検 討 した。 実験1
で は , 被 遮蔽 物の 形を 変え, 示 方位 に よっ て どの
よ う に 知 覚され る かたちが
変化 る のか 検討 したe その 結果, パター ンA
のよ う に連 性に
従 って補 完しても対
称性に 従っ て 補完 し ても 同じ かた ち にな
パ ターン〔Figure4−
A>では 異 方 性は みられない が,パ ー ンB
やC
(Figure4
−B
,C
)のよ う 連続性 に従 って 補完
し た場合 と 対 称性 に従っ て 補 完 た 場 舎とで異なる か た ち にな る 図 形で
は , 被 遮蔽 物 か た ち が 垂直 の対称軸を もち うる よ うに観察 図 形 回転
さ せる と , 左右 対称の か た ち とし て知 覚 さ れ 傾向
が 強ま
る こ とが確かめ られた
。この 左 右対称 へ の選好傾 向は 対 的な もので は な い 。 パ タ ー ンC
(Figure
|C
) のよ う に被遮 蔽 物 の見えて いる 領域が左 右 対 をなしている図形
に お い ても,対称 軸が垂直の とき 被 遮 蔽 物が 対 称 に知覚さ れて 接触関 係 に な る 見 え と,
被 遮 蔽物 の 輪郭
の 連 続 性が 知覚され て 遮 蔽 関 係 な る 見 え方 とが 同 程 度で あ るこ と が 示され た この こ とか ら,
左 右 対称へ の選好傾
向 だけではなく 蔽関係へ
の選好 傾向が あるこ と が 示 唆 される。 実2
では
, 遮 蔽物の 形 を変え, 輪郭 の 方位性に よっ て モ ー ダル
知 覚の 異方性 が みられるか 検 討し た 。その 結 果,被 遮NII-Electronic Library Service もの の
,
遮 蔽物の輪郭の方 位 性に よっ て も知 覚 さ れるか た ち が変 化する こと が示さ れ た。 垂直 軸に対 称 性が 生 じ うる場 合,
左 右 対 称に知 覚さ れて,
斜め軸に対 称 性が生 じうる場 合は,
輪 郭 線を水 平・
垂 直 方 向に伸ば して連 続 性に従う傾 向が強く, 水平 軸に対 称 性が生 じ う る場 合 は, 遮蔽物の輪郭 線に誘 導さ れ る。 以 上の実 験 結 果か ら,
アモー
ダル 知覚で は被 遮 蔽 物の 形によ っ ての み知 覚 さ れるか た ち が 決 定 するの で は な く,
遮 蔽物の 形や図形の 提示方 位な どの影 響も受け るこ と が示 唆さ れ る。 さ らに,
少な く と も本 実 験で用いた図 形で は,
遮 蔽 物の輪 郭の方 位 性より も被 遮 蔽 物の輪 郭の 方 位 性の 方が重 要で あ ると考え ら れ る。
こ の ような か た ちの異方 性は, ア モー
ダル知 覚 以 外の か た ちの知 覚におい て も重 要なの であ ろ うか。
た と えば 同じ正方形で も, 45°
傾けた ひ し形と して 提示すると, 角度の見え や印象な ど が変化する こ と は,Mach
(1914
} がデ モ ンス トレー
シ ョ ン してか ら広く知ら れて おり,
か たちの知 覚 全 般に おい て異 方 性があることが報 告されて い る (e.
g.
Palmer,1985
)。
図 形の一
部が欠け た図を提 示 さ れ た と き,
知覚さ れ や すい か た ち が変 化す るの で あ れ ば,
本 実 験で報 告 さ れたア モー
ダル知 覚にお ける異 方 性 は,
ア モー
ダル知 覚その もの で は な く か た ちの知 覚 全 般 にお け る特 徴と して考え ら れ る。 こ の点を確 認 する た め に,40
名の大 学 生を対 象に補 足 実 験を行っ た。
Figure 9 に示 すよ うな輪 郭の一
部が欠 け てい るパ ター
ン を時計 回り に0
°,
45
°,135
° 回転さ せ て提示し,
線を書き加えて図形を完成さ せ る よ うに求め た。 その結 果,
0°
の と きは 40人 中 30 人が,
45°
の とき に は40
人 中39
人 が,
135
° の と きに は40
人 中34
人 が,
欠 けて い る 箇 所 を まっ す ぐ最 短 距 離で結 び,
対.
称に な る よ うに完 成さ せて いた。 か た ちの良さにっ い て検 討した研 究 (e
.
g.
Garner & Clement,
1963 :Hamada &Ishihara
,
1988 )で は, 対 称 軸が垂 直の ときに最も良いか た ちであ る と評 価さ れ,
次い で斜め45
°.
水平,
そ れ 以 外,
の 順にな っ て い る。 斜め方 向の 対 称 軸が ある図 形は 対 称 軸 が ない図 形よ りも良い か た ち と して判 断 されて い るこ とか ら,
本 実 験の追 加 実 験において,
よ り対 称 軸の 多いパ ター
ン にな るよ うに完 成されて い た こ と と矛盾 し ない。一
方で,
こ のよ うな完 成 実 験で は,
ア モー
ダル知 覚ほ どの 異 方 性は見られ ず,
図 形 を 回 転させ て も描 か れ て い な い部分が その 反対側の部分と対称的な図形に な る よ う に完 成さ せ る傾 向が強い こと が示 唆さ れ た。
補 足 実 験の よ う な単 独 図 形におけ る か たちの知 覚で は,
異方 性は弱く, 対称性の知 覚が優 位で ある が,
これ に対し て, アモー
ダル知覚に おい て は連 続 性に従 っ た知Figure
9.
The pattern usedin
a supplemental Experiment.
覚の重 要 性 が 指 摘されている (e.
g.
Kanizsa,1979
}。 こ の よ う な補足実 験と本 実 験にお け る異方 性の 違い は,
ア モー
ダル 知 覚にお ける特 徴の 1っ で あろ う。 ア モー
ダル知 覚は奥 行 き知 覚の一
種で あり,
Figure l におい て灰 色の円の 後ろに黒い正 方 形が 見 え るこ と は,
円が黒い 正方 形より も手 前に あっ
て黒い 図 形の一
部を隠 して い るよ うに見 える構 造 を 示 す。
言い換え る と,
円の 領 域に対し て黒い正方形は地の領域と なり, ア モー
ダル 知 覚で は遮蔽す る もの と遮 蔽さ れ る もの との間で図地の 分 離が生 じて い る。 こ こ に,
地の領 域は図の背後に も広 が っ て い る よ う に 見え る とい う特 徴 が ある (Rubin ,
1921
;盛 永,
1969
)。 ア モー
ダル 知 覚におい て も,
被遮 蔽 物の領 域が一
部地 と して の役 割を も ち,
図と な る遮 蔽 物 の背 後に も広がっ て 領 域の限 界 を 表 す 輪 郭 線 が 延 長 する よ う な連 続 性の優 位 性が 示 さ れ た と考え ら れ る。
本 実験 1の パ ター
ンC
(Figure
4−C
)におい て接 触関係よりも遮 蔽関 係が好ま れ た 理由 も同 様に,
黒い図 形が地の領 域と して知 覚された た めと して考え ることが できる。
こ の よ う に,
ア モー
ダル知 覚が単体の か た ちの知 覚 と異 な る特 徴を もっ 理 由は,
図地成立の構 造 的特徴に基づ い て い る ことを 示 唆 する。 本 研 究の2
つ の 実 験 お よび補足 実 験か ら明 ら か に なっ た こと を ま と め る と,
アモー
ダル 知 覚で は 判 断 を 求 め ら れ る遮 蔽さ れて い る図 形の特 徴だけで は な く,
遮 蔽 して い る図 形の特 徴や観 察 図 形その もの の提 示 方 位な ど も重 要な要 因と なる。
さ らに単な るか た ち の知 覚とは異 な り 図地の 関係の 中で生 じ る 現象で あ り,
これ らの特 徴 を踏ま え た 現象の 理解が求め ら れる。 し か し な が ら本 実 験で は,
対 称に知 覚されるパ ター
ン が被 遮 蔽 領 域の輪 郭 を 最 短 距 離で結んだ場 合 と 同 じか た ちに な っ て い る と い う問 題が残る。
また,
遮 蔽 物の図 形 に よ る違い にっ い て検 討 し た実 験2
で は,
パ ター
ン に よ っ て 遮 蔽 物の形 態だけで は な く面 積 も異なっ て い る。
今 後こ れ ら の問題 点を踏まえ,
遮 蔽物の模 様を替え た場 合や,
よ り複 雑な図 地 分 離の成 立 する状 態での アモー
ダ ル知 覚など,
さ まざま なパ ター
ンを 作 成 し,
回 転させ て 提示さ せ る こ と で ど の よ うな か た ち に知 覚さ れ やすい か 検討 するこ とを 通し て, アモー
ダル知 覚に おける その要 N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service
238
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