間質性肺炎患者の下肢筋力に影響を与える要因

理 学療 法学　

eg

　

41

_{巻 第}

6

_号

371

〜

377

_{頁 （}

2e14

_{年 ）}

症 例 研 究

　　

問質性肺 炎 患 者

の

_{下肢 筋 力}

に

影響

を

与

え

る

要 因

＊

一

_等

_{尺 性 膝 伸 展}

_筋力

_と

_呼

_{吸 機 能 ，}

_呼

_{吸 困難 感 ， 運 動 耐 容}

_能

_と

_の

_関係

一

武 市 梨 絵

1

）

＃

横 山 仁 志

o

横 山 有 里

2

）

笠 原 酉 介

2

）

　　　　

大 森 圭 貢

2

）

渡 邉 陽 介

1

）

駒 瀬 裕 子

3

）

要 旨

【

目

的

】

問質 性 肺 炎 患 者

の下

肢 筋 力

に

影 響 を与 え

る

要 因 を あ き

ら か に

す

る ことで

あ

る

。

【

方 法 】 安 定 期

の問

質性 肺 炎 患 者

107

例

の下

肢 筋 力

，

呼 吸 機 能

，

呼

吸 困

難 感

運

動

耐

容 能

を 調

査

，

測

定

し

，

下 肢

筋 力

と

各

指

標 との

関 係 を 検 討

し た。

【

結 果

】

等

尺

性 膝 伸 展 筋 力

は

，

％

DLco，

　mMRC

息

切 れスケ

ー

ル

，6

分

間

歩 行

距

離

と関

連 を

認 め た

（

p

＜

0．

05

）

。

ま た

，

下 肢

筋 力

の 大 小 に 影 響 を 与 え る 因 子の検 討 と して階 段 昇 降 動 作 に 障

害 を

き た

す 水 準

で あ る

等

尺

性 膝 伸

展

筋 力

0，

50kgf

／

kg

を 上 回 る か 否 か を 目 的 変 数 と し たロ ジス テ ィッ ク 回

帰 分析 を行

っ

た 結 果

mMRC

息 切

れス ケ

ー

ルが

抽 出

さ れ た

（

オッズ 比

0，

480，95

％

信 頼 区

間

0，

242−0．

953

）

。

そ し て

，

mMRC

息

切 れス ケ

ー

ル

Gradel

以 上 に な る と

，

階 段 昇 降 動 作 に 障 害 が 生 じ は じ め る 筋

力水 準

を 下 回 る 症

例

が

半 数

を 超 えてい た

、

【

結 論

1

間 質 性 肺 炎 患 者

の

下 肢 筋 力

は

，

呼 吸 障 害

の

有 無 や程 度

運 動 耐

容 能

，

呼 吸 困 難 感

と

関 連

が

あ り

，

特

に

，

呼 吸 困 難 感

が

増 悪 す

る ほ ど

，

移 動 能 力 低

下

を招 く水 準 ま

で下

肢 筋

力

が

低 下 す

る

可 能 性

が

高 く

なる ことが

あ き

らか と

な

っ た。 キ

ー

ワ

ー

ド

　 問 質性 肺 炎

，

下 肢 筋 力

，

mMRC

息 切 れ

スケ

ー

ル は じ め に

　 呼

吸 器 疾

患

は

，

肺 機 能 障 害 に よ り

呼

吸 困 難 感 や 低 酸 素 血

症

が 生 じる

。

そ れ らは

_，

身 体

活 動 を 制 限 し

，

下 肢 筋

力

を低

下 さ せ

，ADL

障 害 を

引

き起

こ

す

。

その よ

う

な

身

体 不

活 動

は

，

さ ら な る 心

肺 機

能

，

運 動

機

能の

低

下 を 招 来 し

，

呼 吸 困 難 感

は よ り

悪 化

す るとい

う

悪 循

環

に 陥 ること が

知

ら れ てい る1）2）

。

その よ

う

な 不 活

動

に

伴

う

悪 循 環 を 断 ち 切 る た め

，

慢 性 閉 塞 性 肺 疾 患 （chronic 　obstructive ＊

　 Fuct

〔

jrs 　Influencing 　Lower 　Extremity 　Muscle　Sしrength 　in

　 Interstitial　Pneumouia 　Patients：The　Association　of　IsometrTc

　 Knee 　Extcnsion　Strengtb　with 　Respiratory　Fun［tion

，

　Dyspnea

　 and 　Exercise　Capacity

1 ） 聖マ リ アンナ医科 大 学 病 院リハ ビ リ テ

ー

シ

ョ

ン部 　 （〒 216

−

8511　 神 奈 川 県 川 1「_{奇市 宮 前 区 菅 生2}

−

₁₆

−

_1）

　 Rie　Takeichi

，

　PT

，

　Hitoshi　Y（，koyama

．

　PT

，

　Yosuke　Watanabe

，

　PT：

　 Department　of 　Rehabilitation　Medic｛ne

、

　St

、

　Marianna　University 　 Schoot　of　Medicine　Hospitaユ

2 ）聖マ _{リ ア}ン_ナ医科 大 学 横 浜 市西 部 病 院リハ ビ リ テ

ー

シ

ョ

ン部 　 Yuri　Yokoyama

，

　PT

，

　Yusuke　Kasahara

，

　PT

，

　Yeshitsugu　Omori

，

　PT ：Department 　of　RehabiLitation　Medicine

，

　St

．

　Marianna

　 University　

School

　

of

　

Medicine　Yokohama　City　Seibu　Hespital

3

） 聖マ リア ンナ 医科 大 学 横 浜 市西 部 病 院 呼 吸 器 内 科

　 YukQ 　Komase

，

　MD ；Department　of　Respiratory　Medicine

，

　St

，

　Marianna 　University　Schoot　of　Medicine　Yokohama 　City　Seibu

　 Hospital

＃E

・

maiL：rie

．

inuina＠marianna

・

u

．

ac

．

jp

　 〔受 付口　2Dl3年9月1日／ 受理 日　20工4年5月27日）

pulmonary 　

disease

：以

下

，

　

COPD

_{） 患 者}

を

_{対 象}

に

_{呼 吸}

リハ ビリ テ

ー

シ ョ ンの

介

入

効 果

が

検 討

さ れ

，

American

College

　of　

Chest

　

Physician

／

American

　

Association

　of

Cardiovascular

　

Pulmonary

　

Rehabilitation

，

　

Global

Initiative

　

for

　

Chronic

　

Obstructive

　

Lung

　

Disease

の ガ イ ドラインで は

，

下 肢 を 中 心 と し た

持 久 力

トレ

ー

ニ ングや

筋 力

トレ

ー

ニ ング を お

も

な

構 成

と した

運 動 療 法

が

強 く推

奨 さ れてい る3）4）

。

　

近

年

，

間

質

性

肺

炎

（

lnterstitial

　

_pneumonia

：以 下

，

IP

＞

を は じ め と

す

る

COPD

以

外

の

呼

吸

器 疾 患

におい て

も

，

運 動

療

法 を 中 心 と した

呼

吸 リハ ビ リテ

ー

ション の

介

入 効 果 が 示 さ れ

，

注 目 さ れてい る 3 ）5）6）

、

IP

患

者

は

，

COPD

患

者 同 様

に

，

呼 吸 機 能 低 下

に

由 来

し た

呼 吸 困 難

感

に よ

り身 体 活 動

を

制 限 す

る とい っ た

悪 循 環 が

生

じ

て い る7）

。

ま た

，

運

動

制 限に

伴 う

下

肢 筋 力 低

下は

運 動 耐 容 能

との

関 連

が

示

さ れてお

り

8〕9）

，

IP

患 者

の

呼 吸

リハ _{ビ リ} テ

ー

ショ ンの

介

入の

中

で

も

，

下 肢 筋 力

に

対 す

るア プロ

ー

チ が 重 要で ある こ と は 明 自で ある

。

し か し

，

IP

患

者

の 下

肢 筋 力 低

ドに

影 響

を

与

え る

要 因

につ い て

十 分

に

検 討 さ

れ てい ない の が 現 状であ る

。

そこ で

，

本 研 究

で は

，

IP

患 者の下 肢 筋 力に

影 響

を

与

える

要 因

を

あ き

ら か に

す

る こ と を

目的

と

し

た。

372 理 学療 法 学 　 第

41

巻第

6

号

対 象

お よび

方 法

1

．

対 象

　 対 象

は

，

2008

（

平 成

20

） 年

4

月

〜

2011

（

平 成

23

） 年

3

月

の

期 問

に

，

聖マ リア ン

ナ 医科 大 学 横 浜 市 西部 病 院

に て リハ _ビリ テ

ー

シ ョ ンを

実 施

した

安 定 期

の

IP

患 者

107

例 （

男性

74

例

，

女 性

33

例 ）

で

あ

る。

対 象

の

107

例

の

う

ち

，

特 発 性 肺 線 維 症

23

例

，

非 特 異 性 間 質 性 肺 炎

10

例

，

特

発

性

器

質

化

肺 炎

5

例 で あ り

，

その他

69

例 は 臨 床 的 に

IP

と

診 断

さ れ てい た

。

ま た

，9

例 が

在

宅

酸 素療 法

（

home

oxygen 　therapy ：_{以 ド}

，

　

HOT

_{） 導}

_{入 患}

_者

であっ た

。

　

対

象

の選 択 基

準

は

，

外 来 通 院 巾で

，

過 去

3

ヵ月 以 内に

急 性 増 悪

によ る

入 院

が ない

症 例

と し た

。

ま

た

，

評仙 な

ら びに研 究 主

旨

の十

分

な 理

解

と

同

意の

得

ら れ た

者

の み を

対

象

と し

，

認

知の

低

下 を

認

め る 症 例 は

除 外

し た

。

さ らに

，

あ き

ら

か な運 動 器

・

中枢 神 経 疾 患 を 有 す

る

症 例

，

膠 原 病

およ び関

連 疾 患

の び まん

性 肺

疾

患

は 除

外

し た

。

感

や

下 肢 疲 労

が

出現

し た

場 合

は

，

そ

の

時点

で

休 息 す

る よ

う安

全

面

に

配 慮

し た。

休 息

し た

場 合

には

，

時 問 内

で

あ

れ ば

SpO2

や

自覚 症 状

の

改 善

に

応

じ て

歩 行

の

再 開

を

許 可

し た。

な

お

，

HOT

導 入 患 者

は

，

患 者 自身

が

酸 素 キ

ャリ

ー

を

も ち

，

酸 素投 与

は

担 当 医

の

指 示

に基づ い た

労 作 時

の

流

量に て

実 施

し た。 その

際

の

6

分 間 歩 行 距 離

，

SpO2

最 低

値 を評 価

し た。

4

）下 肢 筋 力

　

下 肢 筋 力の 指 標 は

，

等

尺 性 膝 伸 展

筋

力 と し た

。

測

定

器

具

に は

，

アニ マ社 製_μ

Tas

−MFOI

を 用い た

。

測

定

肢 位 は

，

両 手

で

検

査

台

の

端

を

把 持

し た 下

肢

下 垂 し た 座

位

と し

，

体

幹 を 垂

直

に保つ よ

_う

指 示 を し た

。

セ ンサ

ー

パ ッ トは 患 者 の

下 腿 遠 位 部

に

設 置

し

，

膝 関節 屈 曲

90°

と な る よ

う

にベ ル トの

長

さ を

調 節

し

，

支

柱

に

固定

し た

。

その位 置 か ら

膝

伸 展

運

動

を 最 大

努

力で約

5

秒

間

行

っ た lo）

。

測 定 は 左 右

2

回 ず

つ

実 施 し

，

各 最 大 値

の

平 均 を体 重

で

除

した

値

を

採

用 し た

。

2．

調

査

・

測

定

項 目

　

これ らの対

象

に 対 して

，

呼 吸 機 能 検 査

，

呼 吸 困 難 感

．

運

動 耐 容 能 　

ド

肢 筋 力

を

調

査

，

測 定

し た

。

1

）

呼

吸

機

能

検

査

　 呼

吸

機 能検

査 は

，

フ ク ダ電

子

杜

製

総

合 呼

吸

機 能 自動解

析

シス テ ム

FUDAC70

を

用

い て

，

臨 床 検

査 室に て

臨 床

検

査

技 師

が

測 定

し た

。

本研 究

の

呼

吸

機 能

の

指標

は

，

努 力

性 肺 活

量

（

Forced

　

Vital

　

Capacity

：_{以 下}

，

　

FVC

_）

，

．

・

_秒

量

（

forced

　expiratory 　volume 　

in

　

l

　sec ；以

_下

．

　

FEV1

_）

，

肺 拡 散 能 （

Diffuse

　capacity 　of　the　

lung



for

carbon 　mon

−

oxide ：以 ド

，

　

DLco

_）

を 正

_{常 予}

測

_値

で除 し た％

FVC

，

％

FEVl

，

％

DLco

，

お

よ び

FEVI

を

FVC

で

除

し た

一

秒 率

（

FEVl

／

FVC

：以

_下

，

　

FEVl

％

）

と し た。 な お

，

そ れ ら

の

指 標

は

呼

吸 困

難 感 　

運 動 耐 容 能

，

下 肢 筋 力 測 定 日の

1

ヵ

月

以

内

に

実 施

し た

結 果

を

採 用

し た。

2

）

呼

吸

困難 感

　 呼

吸

困 難 感

の

評 価

には

，

日

常

生

活

内にお

け

る

呼

吸

困 難

感

と

し

て modified 　

Medica1

　

Research

　

Council

_（

_以

_下

，

mMRC

） 息 切

れス

ケ

ー

ルを

用

い た。

本 人

ま た は

家 族

か ら日

常

生

活

に おける

息 切

れ を

聴 取

し

，

O

〜

4

まで の

5

段

階

で

評価 し

た。

3

）運 動 耐 容 能

　

運 動 耐 容 能 と して

，

6

分 間 歩 行 試 験 を 実 施 し た

。

実 施

方 法

は

25m

サ

ー

クル を

使 用

し

，

速 度

は 運

動 誘 発 性 低 酸

素

titt

症

の

強

い

症 例 を考 慮

して

日常

生

活

上の

歩 行 速 度

で

あ

る

各 対 象

の

快 適 歩 行 速 度

とし た、

、

歩 行 中

はコ ニ カ ミ ノ ル タセ ンシング

社 製 酸 素 飽 和 度

モ ニ _タ

PULSOX −

Me

_を用

い て

経 皮 的 酸 素 飽 和 度 （

percutaneous

　oxygen 　satu

−

ration ；以 下

，

　

SpO2

_）

の モニ タリン グを

行

っ た

。

歩 行

中 に

SpO2

が

85

％ 以 ドと なっ た

場 合

，

耐 え

ら れ

な

い

息 切

れ

3．

検

討 項 目

・

統

計

的

手 法

1

） 基 本 特 性 お よ び

呼

吸 機 能

，

呼

吸 困 難 感

，

運

動 耐

容

能

，

　

一

ド月支

育

芳

丿丿

　

対

象

の プロ フ ィ

ー

ルに おい て

，

正

規

分

布 す

る

指 標

は

平

均 値

±

_{標 準 偏}

差

，

正 規 分

布

を 示 さ ない指 標 につ いて は 中

央 値 （

4

分 位 範 囲 ）

で

表 記

し た

。

性 別

，

mMRC 息 切 れ スケ

ー

ルは 人 数 で

表

記 し た

。

2

）

下 肢 筋 力 と

呼

吸 機 能

，

呼 吸 困 難 感

，

運 動 耐 容 能

，

基

　 本 特 性

との

_関

連

　

IP

患

者

の下 肢 筋 力 と 関 連のあ る 要 因

を

あ き ら か に

す

るた めに

，

等 尺 性 膝 仲 展 筋 力 と 呼 吸 機 能 （％

FVC ，

％

FEV1

，

　

FEVl

_％

，

_％

DLco

_）

．

　mMRC 息 切 れス ケ

ー

ル

，

6

分 間

歩

行 距 離

，SpO2

最 低 値

基 本 特 性の 関

係

を

Spearman

の順 位 相 関 係 数 を 用い て検 詞

．

し た

。

3

） 下肢 筋 力

の

_大

小 に

影響

を

与

え る 要 因

　

次 に

，IP

患

者の下 肢

筋 力

の

大

小 に

影 響 を

5

一

え

る

要

因 につ い てあ き ら か に す る た め に

，

以 下の

検

討 を 行っ た

。

下 肢 筋 力

が 運

動 器 疾

患の ない

_{高 齢}

人 院 患

者

を 対

象

とした

階段 昇 降 動 作

に 障

害

が 生 じ は じ め る 下 肢

筋 力 水 準

で

あ

る

等

尺

性 膝 伸 展

筋 力

O

．

50kgf

／

kgl1

）を 上 回 る か 否 か を 目

的 変 数

と して

，

ロ ジス テ ィッ ク 回

帰

分 析

（

強 制 投 入

法 ）

を

行

っ た

。

独 立 変

数

は

，

等

尺

性 膝 伸 展 筋 力 と

関

連 を認

め た 要 因 と し た

。

　

さ ら に

，IP

患 者の下 肢

筋 力

に

影 響 を与 え

る

要 因

とし て

選 択

さ れ た

説

明 因 子 を 群 分 け し

、

等

尺

性 膝 伸 展 筋 力

の

群

問

比

較

を

行

っ た

。

統 計 的 予 法には

，

Kruskal

−Wallis

検 定

，

Boferroni

検 定

，

／

検 定

を 用い た

。

な お

，

す

べ て の

検 討

に おいて

危

険 率

5

％

未

満 を

有 意差

判

定

の

基 準

と した。

間 質 性 肺 炎患者の下 肢 筋 力 に影響 を 与 え る 要 因 373

表

1

対 象

の

プ

ロ フ ィ

ー

ル 平 均 値±_{標 準 偏 差 最 小 値}

一

_{最 大 値} 年 齢 （歳 ） 身長 （cm ） 体重 （

kg

）

Body　Mass 　Index _（kg_／m2 ）

FVC （ml ） ％

FVC

（

％

）

FEVI

（

ml

）

％FEV1 （％） FEVI ％

　

（％）

DLco

（ml ／minfmmHg ） ％

DLco

（％

）

6

分 間

歩行

距 離

（

m

）

SpO2

最

f

氏値

　

（％） 等尺性 膝 伸 展 筋 力 （

kgf

／

kg

＞ 等尺 性 膝 伸 展 筋 力 年 齢 比

（

％）

72

．

0

　（

10

．

0

）＊

161

．

5

　

（

10

．

0

）

＊

57

、

6

　±　

11

．

4

　22

．

3　±3

．

5 2477　±828

83

．

7

±

21

．

7

1989　±　

627

96

．

0

　±24

，

5

　

81

．

2　±　

8

．

8

　

112

±

49

74

．

2

　±　

28

．

9

365

．

0

　（

129

，

0

＞

＊ 　

92

（

6

）＊

0

．

52

　±　

0

．

13

94

．

5

　±　

18

、

8

42

．

0

−

89

．

O

l25

．

0

−

182

．

0

36

．

0

−

94

．

Ol3

．

3

−

3L2700

−

₄₅₈₀

3L8

−

136

．

5

560

−

4070

4L4

−

159

．

5

56

，

8

−

100

，

0

0

．

71

−

27282

−

₁₄₉

_．

₄

25

．

〔｝

−

623

．

0

　

78

−

980

．

24

−

0

．

82

51

．

6

−

131

．

8

性 別 　 男／女 （例 ＞ mMRC 息 切 れスケ

ー

ル 　

Grade

　

O

_／

lf2f3

_／

4

_{（例 ）} 　 　74／33

36

／

30

／

27

／

ll

／

3

＊

_{中央 値 （}

₄

_{分 位 範囲）}

FVC

：

forced

　vital　capacity

FEV1

二

forced

　expiratory 　volume 　

in

　

l

　sec ％FEV1 ：FEVI ％predicted

FEVI ％ ：FEVI　fFVC

DLco ：diffuse　capacity 　of　the　lung　for　carbon 　monoxidem

MRC ： mGdified 　Medical　Research　

Council

表

2

　 各 指 標

と

等

尺

膝 仲 展 筋 力

の

相 関 係 数

年 齢　 　性 別　　身 長　 　体 重　 　BMI 　％FVC 　％FEV1 　 　 　 　mMRC FEV1％　％DLco　 息 切 れ 　 　 　 　スケ

ー

ル 6分 間　 　 　SpO2 歩行 距 離　 　最 低値 等 尺 性 膝 伸 展 筋 カ 　

ー

O

．

35

半一

〇

．

44

’

　

0

．

43

’

　

0

．

32

’

　

0

，

06

　 　

0

．

14

一

〇

，

01

　　　　

−

0

，

10　　　　

0

，

28

＊

　　　　

−

0

．

48

＊

0

．

49

＊ _O

．

₂₀

BMI ：Body　Mass　Index

，

＊：_pく

005

4

．

倫

理

的 配 慮

　 本研 究

は

聖

マ リ アンナ

医科 大 学横 浜 市

西

部 病 院倫

理

試

験 審 査 委

員

会

に

承

認 さ れている

（

第

179

号 ）

。

本

研

究

の

参 加

に

際

し

，

事 前

に

患 者

に

研 究

の

趣 旨

，

内容

お よび

調査

結 果

の

取 り扱

い

，

研 究 参加 を 中 断

して

も不 利 益

が

及

ぼ

な

い こ と

な

どに

関

して

説 明

し

同 意

を

得

た。 結 果

1

．

基 本 特 性

およ び

呼 吸 機 能

，

呼

吸 困

難 感

，

運

動 耐 容 能

，

　

下

肢 筋 力

　 対 象

の プロ フ ィ

ー

ル

を 表

1

に

示

し

た

。

呼 吸 機 能

は

，

％

FVC

　

83

，

7

±

21

．

7

％

（

最 小 値

31

，

8

％

，

最 大 値

136

．

5

％

）

，

％

DLco

　

74

，

2

±

28

．

9

％

（

最 小 値

8

．

2

％

，

最 大 値

149

．

4

％

）

で

あ り

，

呼 吸 機 能 障 害

の

重 症 例 を含 む も

の の

中等 度

か ら

軽 症 例 を

中

心

とした

症

例 が

対

象

であっ た

。

　 本

研

究

に お け る

IP

患 者

の

等

尺

性 膝 伸

展

筋 力

は

0，

52

±

0，

13kgf

／

kg

で あっ た

。

平 澤 らの本 研 究 と 同 方 法 で 測 定 した同

年

代の

等

尺

性 膝 伸

展

筋 力 値

lo）を 下 回 る 症 例 は

64．

5

％

（

69

例 ） 存 在

し た。

ま

た

，

階段 昇 降 動作

に

障 害

が 生 じは じめ る ド肢

筋 力 水

準で ある

等

尺 性 膝 伸 展 筋 力

0

．

50kgf

／

kg

を下 回る

症

例は

49

，

5

％

（

53

例

）

であっ た

。

2．

下 肢 筋 力 と

呼

吸 機 能

，

呼 吸 困 難 感

，

運 動 耐 容

能

基

　

本 特 性

との 関 連

（

表 2）

　

等

尺

性 膝 伸

展

筋 力

は

年

齢

，

性 別

，

身

長

，

体

重

，

％

DLco

，

　 mMRC

息

切 れス ケ

ー

ル

，6

分 間

歩

行 距 離 と 有

意

な

相

関 関

係 を

認 め た

（

p ＜

0、

05

）

。

し か し

，Body

Mass

　

Index，

％

FVC ，

％

FEVI ，

　

FEVI

％

，

　

SpO2

_{最 低}

374

理

．

学 療 法 学 　 第41巻 第6号

　表

3

偏回帰 係 数 下

肢 筋 力

に

影 響 を 与 え

る 因

子

有 意 確 率 オツ ズ比 オッ ズ比の

95

％信 頼 区 間 　 下 限 　 　 　 ヒ限 ％DLco6 分 間歩 彳

’

］距 離 mMRC 息リリれスケ

ー

ル 0

．

OO

・

10

．

001

−

₀

_．

₇₃₄

〔｝

，

720

．

69 ＜

0

．

05

LOO41

、

0010

、

480

0

，

9820

、

9950

．

242

LO261

、

0070

．

953

調 整 因 子：_{年 齢}

，

_{性 別}

，

_{身 長}

，

_{体 重} 判 別 的 中率

53

．

6

％

，

p＜

0

．

05

表

4mMRC

息 切

れスケ

ー

ル と

等 尺 性 膝 伸 展 筋 力

mMRC 息 切れスケ

ー

ル

Grade

　

O

（n

＝

36

＞

Grade

　

1

（n

；

30

）

Grade

　

2

〔n

＝

27）

Grade

　

3

〔ll

＝

12）

矯

∫

且

ノ

値

・

値

等 尺 性 膝 伸 展 筋 力 （kgf〆kg〕

O．

50kgf

！kg を下 回る症 例の割 合 0

．

61　〔0

．

18＞　　　0

．

48　（0

．

19）＊ 　 24％　 　　 　　

50

％＊ 〔

9i

列ノ

36

　

f

_列〉（15f列〆30｛列） 0

、

45　（0

．

13）

／

lt 　

63

％＊ （17f列／27　

f

_列）

0

．

40　（

0

．

2

〔工）＊

0

．

・

t4

_〔

一

_） 　

9196

＊

IDQ

_％ （10｛列／12伊

U

）

　　

〔2f列〆

2

　

t

歹亅

）

〔

一

）　　　　く

0

．

05

21

．

0

　　　　く

0

．

05

＊ ： v

．

s

．

　

Grade

　

O

，

　 _p＜

0

．

05

中 央 値 （

4

分 位 範 囲 ）

値

と

等

尺

性 膝 伸 展 筋

力の 問 に は

相

関 は 認 め な かっ た

、

、

3

．

下 肢 筋 力の大 小に影 響 を 与 え る 要 因 （表

3

）

　 階 段 昇 降 動 作

に

障 害

が 生 じ は じめ る ド肢 筋

力 水 準

で あ る 等 尺 性 膝 伸 展 筋 力

0．

50ktstf

，

〆

kg

11 ）_{を 上 回 る か 否 か を} 目 的 変 数

等

尺 性 膝 伸 展 筋 力 と 関 連 を 認 め た

年

齢

，

性 別

，

身

長

，

体

重

，

％

DLco，

　_mMRC

_息

_{切 れスケ}

ー

ル

．6

分 間

歩

行 距 離 を 独 立 変 数 と し たロ ジス ティ ック 回 帰 分

析

を 行っ た

。

その結

．

果

，

IP

患 者の下 肢 筋 力の大 小に影 響 を

与

え る 因 子 と して

，

年 齢

，

性 別

，

身

長

，

体

重 を 調 整 因 子 と し た

う

え で

，

mMRC

息

切 れス ケ

ー

ルが

抽

出 さ れ た

（

オッズ比

0

．

480

，

95

％信 頼 区 間

O

．

242

−O．

953

）

。

　

次 に

，

下 肢 筋

力

の大 小 に

影

響 を

与

え る 要 因として抽 出 さ れ た mMRC 息 切 れスケ

ー

ルを

GradeO

群

（

n

＝36

＞

，

1

群 （n

＝

30

）

，

2

群 〔n

＝

27

）

．

3

群 （n

＝

12

＞

，

4

群 （n

−

2

） に

分

類 し

，

各

群 に お け る

等

尺 性 膝 伸 展

筋

力 を 比 較 した

（

表

4

）

。

等

尺 性

膝

仲 展

筋 力

の中

央 値 （

4

分

位 範

囲

）

は

，

mMRC 息 切 れス ケ

ー

ル

GradeO

群

，

1

群

，

2

群

，3

群

，

4

群の川頁に

，O．

61

（

0．

18

＞

，

　

O．

48

_（

O．

19

_）

，0．

45

_（

O．

13

_）

，0．

44

_（

0．

20

_）

，

0．

44

で あ

り

，

mMRC

息

切 れスケ

ー

ルが

重

症 に な る ほ ど

，

等

尺

性 膝 伸 展 筋 力

は

低 値

を 示 し た

（

p

〈

0．

05

）

。

ま た

，

群 問

比

較

で は

GradeO

群 と

Grade1

，

2

，3

群 との 間 に 有

意

差 を

認

め た （p 〈

0．

05

）

。

さ ら に

，

階 段 昇 降 動 作 に 障

害

が 生 じ は じ め る 下 肢 筋 力

水 準

であ る 等 尺 性 膝 伸 展 筋 力

O

．

50kgffkg

　l1）を 下

回

る 症 例の

_割

合 は

，

　

GradeO

群で

9

例

f36

例 （

24

％

）

，

　

Grade1

_{群 で}

15

_{例 〆}

30

_{例 （}

50

_％

〉

，

Grade2

群 で

17

例

f27

例

（

63

％

〉

，

　

Grade3

群 で

10

例

A2

例 （

91

％

）

，

Grade4

群

で

2

例

／

2

例 （

100

％

）

で あっ た

。

Gradel

以

上で は

，

そ

の

水 準

を 下 回 る 症 例 が 半 数 以 上

存

在

している

結

果で

あ

っ た

（

X2；

21

．

0

，

　

p

＜

O

．

05

＞

。

考

察

　

本 研 究では

．

問

質性 肺 炎患 者

の ド

肢 筋 力

に

影 響

を

与

え る 要 因 を あ き ら か に

す

るこ と

を

目

的

に

，

等

尺

性 膝 仲 展 筋

力

，

呼

吸

機 能

，

呼 吸

困

難 感

，

運 動 耐 容 能

を

調

査

，

測 定

し

，

そ れ らにつ い て

検 討

し た

。

1．

基 本 特 性 お よび

呼

吸 機

能

．

呼

吸 困

難 感

，

運

動 耐 容 能

，

　 下 肢 筋 力

　

本 研

究

に お け る

安 定 期

IP

患 者

の

等 尺 性 膝 仲 展 筋 力

は

，

約

6

割の 症 例 に おいて

年

齢 平

均

よ

り も低 値

で

あ

っ た。

Mendoza

らは

，

　

IP

_{患 者}

_の下

_{肢 筋 力}

は

健 常 者

よ

り

も

低

い と

報 告

し て お

り

12）

、

本 研 究 も 同 様

の

結 果

で

あ

っ た。 さ ら に 約

5

割の症 例に おい て階

段 昇 降 動 作

に

障 害

が牛

、

じ は じ め る 下

肢 筋 力 水 準

を 下 回っ て い た

。

呼

吸

器

疾 患 患

者

は

，

慢 性 的 な 肺機 能 低 下

に よる

呼 吸 困 難 感

に

伴

い

，

身 体

不

活 動

と な り

，

運 動 耐 容 能

が

低

下

す

る

P2

〕

。

本研 究

の

結

果よ り

，

代 表 的

な

呼 吸 器 疾 想

で ある

COPD

患

者

と 同

様

に

，

IP

患 者 も呼 吸 障 害

に

伴 う弊 害

に よ

り 下肢 筋 力

が

低

下 し てい るこ とが あ き らか と なっ た

、

、

2，

ド

肢 筋 力

と

呼 吸 機 能

，

呼 吸 困難

．

感

運

動 耐 容 能

，

基

　

本

特 性

と の関

連

　

IP

患 者

の下

肢 筋 力

と 関 連 する

要 因

につ い て

検 討

し た

結

果

，

IP

患 者

の

等 尺 性 膝 伸 展 筋 力

は

．

年 齢

，

性

別

，

身

長

，

体 重

，

％

DLco

．

皿

MRC

息 切

れ ス ケ

ー

ル

，

6

分

間

歩 行

距

離

と

有 意 な相 関 関 係

を

認

め た

。

等

尺 性 膝 伸 農 筋 力 は

，

先

行研 究

に おいて

，

年 齢

が

高 齢

にな る ほ ど

低

ド し

，

女 性 は

問 質 性 肺 炎 患 者の下 肢 筋 力 に 影 響 を与え る 要 因

375

男 性

に 比べ

_{低 値}

で

あ

る こ と が

示

さ れて いるlo）。 こ の こ と か ら

，

本 研 究

におい て

も等 尺 性 膝 伸 展 筋 力

は

年 齢

，

性

別

，

体 格

の

影 響 を受 け

てい る

も

の と

考 え

ら れ

た

。 下

肢 筋

力 と呼 吸 機 能 と

の 関

連

で は

，

％

DLco

と

の み

相

関 関

係 を

認 めた

。

IP

の お も な

呼

吸

機

能

障 害

は

，

拘 朿 性 換 気 障 害

と

拡 散 能

の

低

下 で あ り

，

呼

吸

機 能 障 害

の

進 行

は

，

拘 束 性

換 気 障 害

よ り

も拡 散 障 害

が

先 行 す

ること が

多

い と さ れて い る13）

。

呼

吸 機 能の 指 標 に おいて

，

％

FVC

は 拘 束 性 換

気 障 害

の

有

無 や 程

度

を

，

％

DLco

の

低

下 は 拡

散 障 害

の

有

無や程 度 を 示 してい る

。

本 研 究において

，

_等

尺 性 膝 伸

展

筋 力 は ％

DLco

とのみ 関 連 を 認 め たこと か ら

，

下 肢 筋

力

は

早 期

か らの

呼 吸 機 能 障 害

と

関連

が

あ

ること が

推 察

さ れ た

。

下

肢 筋 力

と

呼 吸 困難 感

で は

，

COPD

患 者

に お いて

，

日

常

生

活

にお

け

る

労 作 時

の

呼 吸 困難 感

が

強 くな

る ほ ど下

肢 筋 力 低

下 が

進 行 す

ると

横 山 ら

は

報 告

し ている 14）。 こ の こ とか ら

，

COPD

患 者

と 同

様

に

，

　

IP

_{患 者}

_{に おい} て

呼

吸 困難 感

が下

肢 筋 力

に

影響

を

与

える

も

の と

考 え

ら れ た

。

下 肢 筋 力

と

運 動 耐 容 能

との

関連

で は

，

最 大 酸 素 摂 取 量

お よ び

6

分 間

歩 行

距 離の予 測 因 子 と し て 大 腿 四 頭 筋 筋 力 が

独

立 し た

因子

で あっ た と

報 告

さ れている

8

）

9

）

15

＞

。

本 研 究

も

同

様

に

，

等

尺 性 膝 伸 展 筋 力

と

6

分 間歩 行 距 離

の

問

に

相

関 関 係

を

認

め たこと か ら

，

下

肢 筋 力

は運

動 耐 容 能

と

も

関 連 が

あ

ること が

示

さ れ た。

　

ま た

，

IP

患

者

に お

け

る

予 後 予 測 因 子

と して

，

呼 吸 困

難 感の 強い 症 例 16 ）

，

肺

活 量や

肺

拡

散 能

の

著 明

な

低

下

例

13）17）

，6

分 間 歩 行 試 験

で

desaturation

（

SpO2

〈

88

％

）

を

き

た

す 症 例

17）18）

，

最 大 歩 行

の

歩 行 距 離

が

短

い 症 例 19）と 様々な

報 告

が な さ れている

。

本研 究

で は

，

呼

吸

困 難 感

の

指 標

で

あ

る mMRC

息 切 れ

スケ

ー

ル

，

肺 機 能

を

示 す

％

DLco

，

最 大

歩

行

の

歩 行 距 離

の

指 標

で

あ

る

6

分

間 歩 行

距 離

と

等

尺

性 膝 伸 展 筋 力

は

関 連

を

認

め た。 それ ら の こと か ら

，

等 尺 性 膝 伸 展 筋 力

は

予 後

に

影 響

を

与 え

る

因

子 と 関 連 が あ る こ と が

あ

き ら か と なっ た。 し か し

，

IP

患

者

の

等

尺 性 膝

伸 展 筋 力

は

SpO2

最 低 値

との

間

に

相 関

を

認

め な かっ た

、

その理

由

と して

，

本 研 究

で

実 施

し た

6

分

間

歩 行

試 験 は

快

適

歩 行

速

度

で

あ

る こ とや

安

全

面

に

配 慮

し

，

SpO2

値

85

％以 下 と なっ た

場

合に は

休 息

を

す

る とい

う管

理 下 にて

実 施

し た た め と

考 え

ら れ た。

3．

下 肢 筋 力の大 小 に 影 響 を

与

え る

要 因

　

次 に

，

階

段 昇 降 動 作

に

障 害

が 生 じ は じ める

下 肢 筋 力 水

準

で あ る

等

尺 性 膝 伸 展 筋 力

0．

50kgf

／

kglD

を 上 回 る か 否 か といっ た

．

ド肢 筋 力の大 小 に 影 響 を

与

える

要 因

につ い て

検

討 した

。

その結 果

，

mMRC 息

切

れス ケ

ー

ル の み

抽

出

さ れ たこ

と

か ら

，

呼

吸

機 能

や 運 動 耐

容

能の

低

ドよ

り

，

日 常 生 活

内

の 呼 吸 困 難 感 が

IP

患

者

の下 肢

筋 力 低

下に

影

響

を

与

え ること が あ き ら か と なっ た。 ま た

，

そ

のオッ ズ 比 は

0，

480

で あっ た こ と か ら

，

mMRC

息 切

れス ケ

ー

ル の

Grade

が

1

段 階 重 症

と

な

る と

移 動 能 力 障 害 が

生

じ

は じ め る下

肢 筋 力 水 準

を 下 回る可

能 性

が

約

2

倍

に

な

る と

考

え

ら れ

た

。

　

さ ら に

，

IP

患 者

の

等

尺

性 膝 伸 展 筋 力

に

影 響 を 与 え

る 因 子として

抽

出 さ れた mMRC

息

切 れスケ

ー

ルにつ い て

検

討 を

加

え た

。

その

結 果

，Grade1

以 上 に な る と

，

階

段

昇 降に障

害

が 生 じ は じ め る

水 準

を 下 回 る 症 例 が 半 数 を

超

えてい た

。

これ らの こ と か ら

，

IP

患

者

は 日

常

生

活

にお いて

呼 吸 困難 感

が 出

現

し は じ め る と

，

移 動 能 力 障 害

を 呈

す

る

水 準

まで ド肢

筋 力

が

低

下 して い る

可 能性

が

高

い こと が

示 唆

さ れ た

。・

t・

t

方

で

，

mMRC

息 切

れ ス ケ

ー

ル が

GraClel

，

2

，

3

，

4

と

日常

生

活

に

お け

る

呼 吸 困難 感 が進 行

して

も

，

等

尺

性 膝 伸

展

筋 力

は

0．

40〜 0．

50kgf

／

kg

の問 に と ど

ま

っ て い た

。

COPD

患 者

は 日

常

生 活 に お

け

る

労 作

時

の

呼 吸

困

難 感

が 強

く

な る ほ ど 下 肢

筋 力 低

下 が 進

行 す

る が 14）

．

IP

患 者 は 呼 吸 困 難 感 増 悪 に 伴

う

下 肢 筋 力 低 下 は 認め ら れる もの の

，COPD

患 者 に 比 較 し

，

比

較

的

緩 徐

な低

下 で

あ

るこ と

も

あ き ら か と なっ た

。

IP

は

様

々 な

病

態 が 存

在

し

，

発 症

経

過 や 臨

床

症 状 が

異

なるた め

，

COPD

患 者

と

同様

に

廃 用

に

伴 う

ディコ ンディ ショ ニ ング や

全 身

性 疾 患

と

し

て の

筋 症

に よ る

骨 格 筋

の

機 能 異 常

7）が

生

じ に

く

い

背 景

が

影 響

して いる もの と

考

え ら れ た

。

　 近 年

，IP

患 者

に

対 す

る

呼

吸 リハ ビ リ テ

ー

ショ ン の介

入

が

注 目

さ れてい る

。

呼 吸

リハ ビ リ_テ

ー

シ ョ ン の

介

入 は

IP

患 者

の運

動 機 能

，

呼

吸 困

難 感

，

　

QOL

_を

_{改 善}

_させ るこ

と

が

示

さ れ てい る5）。 し か し

，COPD

患 者

と 同

様

の 運

動 負 荷

や

介 入 期

間で

実 施 す

る

と

．

呼

吸 困

難

感

下 肢

筋 力

，

運 動 耐 容 能

，

ADL

の改 善 は

IP

患 者で

低 く

，

効 果

の

持 続

も 乏

しい 2e）21〕

。

その た め

，

　

IP

_患

_者

_に

_{対 す}

_る

_介

_{入 は}

_，

COPD

患 者

に

対 す

る

介

入

方 法 を適 応 す

るの で は な く

，

負 荷

量の

検

討 や

，

重 症 度 別 に 内 容 を

検 討 す

る 必

要

が あ る と

考 え

ら れ は じ め てい る22）

。

本 研

究

の結 果 よ り

，IP

患

者

に

対 す

る

移 動 能 力 低

下の予

防

，

ま

た は

改 善 を

目 的 と し た

栄 養 管

理 や 下 肢

筋 力

トレ

ー

ニ ング などの ド肢

筋 力 低

下 に

対 す

る

介

入 は

，

日

常 生 活

に おいて

呼

吸 困 難 感 が 生 じ は じめ

た時 点

が 目

安

に な る

も

のと

考 え

ら れ た

。

4

．

研 究

の

限界 と今 後

の展

望

　 最 後

に

，

本 研 究

の

対 象

は

呼 吸 機 能 障 害

が 中

等

度 か ら軽

症

の

症 例

で

あ り

，

重 症

例で は 下 肢 筋

力

に

影 響

を

与

え る

要

因

や オッズ 比の強 さ は

変 化

し

う

る 可 能 性 が あ る

。

加

え て

．

心 不 全

，

腎 不 全

や

癌 な

どの

慢 性 疾 患

お よ び

糖

尿 病 性

末梢 神 経 障 害 合 併

例 など の運 動 機

能 低

下 に

影 響

を

与

え る

既往

や

合 併 症

につ い て は

考 慮

で き てい ない

。

ま た

，

本 研

究

で は

6

分 間 歩 行 距 離 を快 適 歩 行 速 度

で

測 定

してい る た め

，

運 動 耐 容 能 を

十 分に反 映 し てい ない可

能 性

が

あ

る

。

さ ら

に

，

後 方 視 的横 断 研 究

で あ る た め

，

下 肢

筋 力

に

対 す

る

評 価

お よ

び

アプロ

ー

チ

を

し た 際の

_効

果

につ い ては

不 明

376

理学 療 法 学 　 第41 巻 第6号 で

あ

る。

そ

のた め

，

今 後

は

症 例 数 を増

や

し

，

IP

の

病 態

別

および 重

症 度 別

や

合 併 症

を

加 味

して

検 討 す

る必 要 が

あ

る。

また

，

下

肢 筋 力 低

下 に

対 す

る

前 向 き介 入 研 究 を実 施

し

，

下

肢 筋 力 低

下 に

対 す

るアプロ

ー

チの

有

用

性

や

方 法

論

，

予

後

につ い て も

検

討 すべ き で あ る

。

結

論

　

安 定 期の

IP

患 者 の 等 尺 性 膝 仲 展 筋 力 は ％

DLco

，

mMRC

息 切

れス ケ

ー

ル

，6

分 間 歩 行 距 離

と

関 連

が

あ

っ た。 ま た

，

IP

患 者

の下

肢 筋 力

の

大 小

に

影 響

を

与

える

因

子

とし て

，

mMRC

息

．

切

れ スケ

ー

ル が

抽 出

され た

。

さ ら に

，

mMRC

息 切

れ スケ

ー

ル

Grade1

以 上 に

な

る と

階 段

昇

降

動 作

に

障 害

が

生

じはじめ る ド

肢 筋 力 水 準 を

下 回る

症

例

が

半 数

を

超

えて い た。 こ の ことか ら

，

IP

患 者

の下

肢

筋 力

は

，

呼 吸 障 害

の

有 無

や

程 度

，

運 動 耐 容 能

，

呼 吸 困難

感 と 関 連 が あ ること が あ き ら か と なっ た

。

特 に

，

日 常 生

活

に お

け

る

呼

吸

困 難 感

が

増

悪

す

る ほ ど

，

IP

患

者

の

．

ド

肢

筋 力

は

移 動 能 力低 下

を

招 く水 準 ま

で

低 下 す

る

可 能 性

が

高

い ことが

示 唆

さ れた

。

文 　 　 献

1）Serre　I

，

　Hayot　M

，

　et α1

．

：Skeletai　muscle 　abnormalities 　in 　 patients　with 　

COPD

：contribution 　

to

　excrcise 　intelerance

．

　

Med

　

Sci

　

Sports

　

Exerc

，

1998

；

30

：

1019

−

1027

，

2）Gosselink　R

，

　Troesters 　T

，

　et αt

、

：Pc／rpherai 　muscle 　 weakness 　_contributes 　to　_exerCise 　limitation　in　

COPD

、

　Am

　

JRespir

　Cri　Care　Med

．

1996；153：976

−

980

．

3

）Ries　AL

，

　Baulcloff　

GS

，

　et 　al

．

：Pulmonary 　Rehabilitation 　

Joint

　ACCP ／AACVPR 　Evidenced

−

Based　Clinica［Practical

　

Guidelines

，

　

Clles

し

．

2007；131：4S

−

42S

、

4）GOLD 日本 委 員 会 監

．

慢 性 閉 塞性 肺 疾 患の診 断

．

治 療

，

予 　 防 に 関 するグロ

ー

バ ル ス トラ テ ジ

ー

2011

年 改 訂 版 （日 　 本 語 版 ）

．

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．

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、

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’

users ！files／

　

GOLDReport2011 」apanese

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_pdf （2012年／2月10日引用）

5）Holland　AE

，

　Hill　C：Physical　training 　for　interstitial　lung 　 disease〔Review ）

．

　The　Cochrane　Library

．

2010；Issue3

，

6

）

Kozu

　R

，

　

Jenkins

　

S，

　et　al ：Effect　of　

diasability

　

levet

　on

　

response 　to　_puimonary 　rehabiritation 　in　patients 　with

　

idiopathic　_pulmonary 　

fibrosis

．

　Respirology

．

2011

；

16

：

　 1196

−

1202

．

7

）千 住 秀 明

，

植 木 　 純

，

他 ：_{呼 吸 リ}ハ ビリテ

ー

ショ ンに おけ 　 る運 動 療 法 呼 吸リハ ビ リテ

ー

シ ョン マ ニ ュ ア ル

ー

運動 療 　 　法

一

（第2版 ）

．

日本 呼 吸ケア

・

リハ ビ リ テ

ー

シ ョ ン学 会

，

　 　冂本 呼 吸 器学 会

，

H

本リハ _{ビ リ}テ

ー

シ ョ ン医 学 会

，

日本 理

　 　

学 療 法 士 協 会 （編 ）

，

照 林 社

，

東 京

，

2010

_，

_pp

_．

2

−

11

_，

8

）Nishiyama 　

O

，

　Taniguchi　H

，

　et　al

．

：

Quadriceps

　weakness

　 　

is

　related 　tQ　exercise 　capacity 　

in

　

idiopathic

　pulmonary

　 　

fibrosis

．

　

Chest

．

2005

；

127

〔

6

｝：

2028

−

2033

．

9

）

Watanabe

　

F

，

　

Taniguchi

　

H

，

　et　al

．

：

Quadriceps

　weakness

　 　contributes 　to　exercise 　capacity 　

in

　nonspeci 且c　

interstitial

　 　pnemonia

．

　

Resp

　

Med

，

2013

_；

107

：

622

−

628

，

10

）Y ［［

tee

_{有 里}

，

_{長 谷 川 輝 美}

，

_他 ：健 常 者の _等尺 性 膝 仲 展筋 力

．

　 　

PT

ジャ

ー

ナル

．

2004

_；

38

_（

4

_）：

330

−

333

．

11

）

IIJ崎 裕 司

，

長谷川輝

美

，

他：

_等

尺

性膝伸

展 筋

力

と移

動動

作 　 　の 関連

一

運動器 疾 患のない 高 齢 患 者 を 対象と し て

一，

総 合 　 　 リノ 丶

．

　2008；30〔8）：747

−

752

．

12）Mendoza 　L

，

　Gogali　A

，

　et 　ai

．

：

Quadriceps

　strength 　and

　 　

endurance 　in　

fibrotic

　

idiopathic

　

interstitial

　pneumonia

．

　 　Respirology

．

2014；19：138

−

143

．

13

） 凵本 呼 吸器 学 会 目慢性 肺 疾 患 診 断

・

治 療ガ イ ドライン_{作 成} 　 　委 員 会：_{特 発 性 間 質性 肺 炎 診 断}と治療の手 引き （改 定 第

2

　 　

版 ）

，

南 江 堂

，

東 京

、

2011

，

p

，

14

．

14

） 横山仁 志 　山崎 裕司

，

他：_{肺 気 腫 患 者}の下肢 筋 力 水 準

．

呼

　 　

吸 と循

環

．

2005

；

53

（

2

｝：

213

−

217

，

15

）大 池 貴 行

，

濱 崎 広 子

，

他 ：慢 性 閉 塞性 肺疾患 患 者に お け る

　 　

下 肢 筋 力と運 動 耐 容 能

，

日常生

活動作

と の関連

性

．

人 工

呼

　 　吸

．

　

2001

：

10

〔

3

）：

352

−

355

．

16

）

Nishiyama

　

O

，

　

Taniguchi

　

H

，

　et　al

．

：

Asimple

　assessment 　of

　 　dyspllea　as　aprQgnostic 　indicator　

in

　

idiopathic

　pulmenary 　 　

fibrosis

，

　

Eur

　

Respir

，

2010

_；

36

_｛

5

_）：

1067

−

1072

．

17

）

Nathan

　

SD

，

　

Shlobin

　

OA

，

　et α

1

．

：

Long

−

term 　course 　and

　 　pr〔〕gnosis　of　

idiopathic

　pulmonary 　

fibrosis

　

in

　the　new

　 　millennium

．

　

Chest

．

2011

；」

40

（

1

）：

22

レ

229

，

18）Lederer　DJ

，

　Arcasoy　SM

，

　et　al

．

：Six

−

minute

−

walk 　

distance

　 　

predicts　waiting 　

list

　survival 　

in

　

idiopathic

　pulmonary 　 　fibrosis

．

　Am 　

J

　Respir　

Cri

　

Care

　

−

Med

．

2006

_；

174

：

659

−

664

．

19

）Flaherty　

KR

，

　

Andrei

　

AC

，

　et α

1

．

：

Idiopathic

　_putmonary 　 　fibros｛s：prognostic　value　of　changes 　

in

　physiology　and

　 　six

−

minute

−

walk 　test

．

　

Am

　

J

　

Respir

　

Cri

　

Care

　

Med

．

2006

； 　 　

174

：

803

−

809

．

20

）

Kozu

　

R

，

　

St

／11jyu　

H

，

　et　al

．

：

Differences

　

in

　

Response

　to 　 　pulmonary 　rehabMtation 　

in

　

idiopatllic

　putmonary 　

fibrosis

　 　and 　choronic 　obstructive 　pulmenary 　

disease

．

　

Respiration

．

　 　

2011

；

81

：

196

−

205

．

21

）Holland　

AE

，

　

Hill

　

CJ

，

　et α

1

．

：

Short

　term　

improvement

　 　

in

　exerclse 　capacity 　and　symptoms 　

foUowing

　exercise

　 　training　in　interstitial　

lung

　

disease

．

　

Thorax

．

2008

；

63

： 　 　

549

−

554

，

22

）

神

津 　玲

，

迎

　　

寛

，

他；問質性 肺 炎患 者に対 する呼 吸リ

　 　ハ ビ リ テ

ー

ショ ンの現 状 と 課 題

．

H

本 呼 吸ケ ア リハ ビ リ

eeerttthliza,w.goFrvrmhccuempe-s-ktseew

377

<Abstract>

Iihctors

Influencing

Lower

Extremity

Muscle

Strength

in

interstitial

Pneumonia

Patients:

[[[he

Association

of

Isometric

Knee

Extension

Strength

with

Respiratory

Iinnction,

Dyspnea

and

Exercise

Capacity

Rie

TAKEICHI,

PT,

Hitoshi

YOKOYAMA,

PT,

Yosuke

WATANABE,

PT

Departnzent

_{ofRehabilitation}

Medicine,

St,

marianna

U}ziveT:sdy

School

ofA4ledicine

Hbspitat

Yuri

YOKOYAMA,

PT,

Yusuke

KASAHARA,

PT,

Yoshitsugu

OMORL

PT

Department

ofRehabititation

Medicine,

St.

marianna

U}ziversdy

School

ofMedicine

lbleohama

Cdy

SeibuHospital

Yuko

KOMASE,

MD

Department

_{ofRespiratory}

medicine,

St.

nzarianna

V}tiversity

School

ofMbdicine

16kohama

Cdy

Seibu

Hbspital

Purpose:

The

airn

of

this

study was to clarify

factors

that can affect

lower

extremity muscle strength

in

stable

interstitial

pneumonia

(IP).

Methods:

We

examined the relationship

between

lower

extremity muscle strength and respiratory

function,

dyspnea,

and exercise

tolerance

in

107

patients

with stable

IP.

Result:

Isometric

knee

extension strength was associated with

%

DLco,

the modified

Medical

Research

Councii

(mMRC)

dyspnea

scale, and

the

6-minute

walk

test.

Moreover,

logistic

regression analysis to

determine

an

dependent

variable

for

whether a value of

O.50

kgf/kg

of

isometric

knee

extension strength caused movement

impairment

revealed

the

mMRC

dyspnea

scale grade as a

factor

that

affected

isometric

knee

extension strength

(odds

ratio

O,480,

95%

CI

O.242-･O,953),

In

addition, when the mMRC scale was

Grade

1

or more, the results

indicated

that more than one

half

of the

IP

patients

had

a

level

of

lower

extremity muscle strength

that

fell

below

the

level

at which rnovement

impairment

begins.

Conclusion:

Lower

limb

muscle strength

in

IP

patients was related

to

the

level

ofrespiratory

failure,

exercise

tolerance,

and

dyspnea.

Especially,

it

was revealed

that

when

dyspnea

is

exacerbated

in

daily