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消化管内視鏡検査の最近の進歩と将来的展望・一特に電子内視鏡による画像診断の進歩についてー

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Academic year: 2021

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シンポジウム 〔東女医大誌 第60巻 第3号頁249∼253平成2年3月〕

内視鏡検査の現況と展望

消化管内視鏡検査の最近の進歩と将来的展望

一特に電子内視鏡による画像診断の進歩について一

東京女子医科大学 ミツナガ アツシ ハルキ

光永 篤・春木

ヨコヤマ サトシ ハシモト

横山 聡・橋本

オバタ ヒロシ ナガサコ

小幡 裕・長廻

消化器内科・ホ内視鏡科 コウスケ カ トウ ァキラ

宏介・加藤 明

ヒロシ クロカワ

洋・黒川きみえ

コウ スズキ シゲル

紘串・鈴木 茂串

(受付 平成元年12月11日) はじめに ここ数年来の医用電子機器の進歩には,目覚ま しいものがある.近年,内視鏡領域において特に 目覚ましいものとして,超音波内視鏡と電子内視 鏡の開発がある.超音波内視鏡は従来の内視鏡の 先端部に超音波プローブを装着したもので,これ によりこれまで,胃内ガスにより体外走査で観察 が不十分となりやすかった膵臓の観察に有利なぽ かりでなく,消化管の壁構造を描出できることか ら,悪性腫瘍の深達度診断や粘膜下腫瘍の診断に も利用されて,新しい診断手技としてその地位を 確立するに至っている.一方,電子内視鏡は1984 年に米国ウェルチーアリン社により初めて臨床に 供され,その後,我が国においてもオリンパス光 学,東芝一町田,フジノンにより続々と新機種の開 発がなされ臨床応用されるに至っている.当セン ターにおいても1987年より,各種電子内視鏡を臨 床の場で用いるようになり,現在では電子内視鏡 観察が検査の主流を占めるに至っている. 電子内視鏡の原理 電子内視鏡(写真1)は,内視鏡先端部のCCD により電気信号に変換された画像情報をモニター テレビ画面上に映して見る装置であり,得られる 画像情報量は対象とする画像の条件が同じであれ ぽ,CCDの持つ画素数により規制される.すなわ 繋轡凸「 聾:レ’ ・ f遥・=・1・ 写真1 電子内視鏡装置

Atsushi MITSUNAGA, Kosuke HARUKI, Akim KATO, Sato8hi YOKOYAMA, Hiroshi HA・ SHIMOTO, Kimie KUROKAWA, Hiro8hi OBATA, K:oh NAGASAKO. and Shigeru SUZUKP

〔Department of Gastroenterology and串Department of Endoscopy, Tokyo Women’s Medical College〕: The progress of the gastroenterological endoscopy:Especially the progress of the video endoscopical examlnatlon

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ち画素数が増加すると得られる画像はそれだけ緻 密な像となり,ある程度の拡大によっても画質の 低下が目立っことがない.現在,臨床応用されて いる最:も画素数の多い電子内視鏡はフジノン社製 のスーパーイメージ電子内視鏡であり,18万画像 のCCDを装着している.電子内視鏡に使用され ている画素数と他の電子機器の画素数とを比較し たものが図1である. 電子内視鏡は画像情報をアナログ信号からデジ タル信号に変換して伝達するシステムであり,ア ナログ信号をデジタル信号に変換するためには, 各情報を量子化する必要がある.この量子化に8 ビットパソコンを用いると図2のごとく,白から 黒までの連続する色を256階調に分け,どの色も近 似する整数値に置き換えられる.このようにして 作られた色合いを示すスケールをグレイ・スケー ルと呼ぶ.このグレイ。スケールの全幅をダイナ 3.3×104 18×104 40×104 200×104

一一一一一一ヨー一一一一レ画素数

オ フ 曼 ラ 変 亥 事 ノ、 内 1 視 電イ 鏡 子メ 内1 視ジ 鏡 雫 季 劣 ‘

2

ビ ; ¥ V 図1 電子内視鏡とその他の電子機器の画素数の比較 黒 灰 色 ∼ 白 墨

[泌

1、 白から黒への 連続した変化 ←一→ 255 ←一ナ@254 ←一シ ユ28・ {一一→ 1 ←一→ 0 グレイ・ スケール O 1 128 (α) グレイ・レベル の割当て 図2 情報の量子化*

∠∠L

0 255 0 255 } } p q (a)適切にス (b)ダイナミック・ ケール レンジを有効に 利用していない 254 255 (β) ミック・レンジと呼び,図3(a)のごとく「画像 情報がダイナミック・レンジいっぱいに広がって いる画像では,画像情報も多く,適切な画像と言 える.これに対し,ダイナミック・レンジを十分 に活かしていない画像ではコントラストが乏し く,ダイナミック・レンジを越える画像では一部 の情報が欠落する.そこで図3の(b)や(c)の ような不適切な画像情報に対し,それをより適切 な画像に変換する手法として,各種の画像処理が あり,これは劣化した画像を我々の目により見易 いものとするための手法である.次に画像強調処 理のうち代表的な2つの手法について紹介する. 画像強調処理 1)ヒストグラムの平坦化処理:一般に画像は 濃度の分布が密な部分(ヒストグラムの山)と疎 な部分(ヒストグラムの谷)があるが,ヒストグ ラムの平坦化によって前者の部分が引き伸ばさ れ,後者の部分が圧縮される.この際,一般に引 ぎ伸ばされる部分に属する画素の数が多く,その 結果,コントラストが強調されることになる(図 [由1 素 数 画 素 .数 画 素 数 ZI 濃度 Zk ↓平坦化 0 255 } 一 r s (c)ダイナミック・ レンジを越えて いる 図3 入力画像の性質とヒストグラムの関係* ZI 濃度 Zk 図4 ヒストグラムの平坦化* ZI a b Zk 濃度 コントラストの悪い 画像のヒストグラム Zk 出 力 画z「 像 濃 度 Zl 変換曲線 a Z b 人力画像濃度 ・・一ヨ上(・一・)+Z1 図5 ダイナミック・レンジの拡大ホ *「コンピューター画像処理入門」 田村秀行監修,総研出版より抜粋

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4). 2)ダイナミック。レンジの拡大:画像のヒスト グラムが許された濃度範囲の一部にしか分布して いない画像は,コントラストが低く,画像の境界 などが判読し難い.そこで,ヒストグラムの分布 を許された濃度範囲いっぱいに引き伸ばすことに よって,コントラストを強調することができる(図 5).

写真2はUマチックビデオテープに記録した

電子内視鏡画像を実際に画像処理しているところ で,ピアス社製画像処理装置LA500とパーソナコ ンピューターを用いたシステム(写真3)によっ て,そのメニュー画面(写真4)からリアルタイ ムにダイナミックレンジの拡大・ヒストグラムの 平坦化といった画像強調処理を行ないことができ る. 画像強調処理の実際 実例を示す.写真5は36歳女性の胃前庭幽門部 の電子内視鏡画像である.注視すると大嘗側に菱 形を呈する小さいIIb病変が認められるが,周囲 萎縮粘膜との境界が不明瞭で,存在診断にも困難 を伴う,これに対して,ヒストグラムの平坦化処 理をしたものが写真6左であり,ダイナミック・ レンジの拡大処理をしたものが写真6右である. いずれの方法においても病変部と周囲粘膜との境 電子内視鏡 生画像 上 術者 て 冗 つ ク 界が明瞭となり,病変の存在診断とともにその境 界を明瞭にすることが可能である. 写真7は映像技術用に作られた朋映社製カラー コレクターであるが,これを用いることによって リアルタイムに上記のような画像強調処理を行な うことができる.写真8はこれによる処理画像で, 左のIIa+IIc型早期胃癌の原画像に対して,右 驚. .』{

‘口1

写真2 画像処理装置 コンピューター 画像処理 ↓ 画像解析 図6 電子内視鏡観察の進展 電子内視鏡画像 ↓ 画像処理 ○雑音除去 ○各種強調処理 (コントラスト,エッジetc.) ↓ 画像解析・認識 ↓ 自動診断 図7 電子内視鏡画像の自動診断 写真3 画像処理装置LA500とパソコンのシステム 写真4 メニュー画面

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の処理画像では病変部の広がりがより明らかにさ れており,インジゴカルミン散布などの色素内視 鏡検査によらずに簡便に病変の境界を描出するこ とが可能である. 写真9は電子内視鏡画像をリアルタイムに画像 処理する目的でオリンパス光学社により作られた カラ一睡ンハソサーであり,この装置によっても カラーコレクター同様,電子内視鏡画像の強調処 理を行なうことができる.写真10はこれによる処 理画像で,左の食道静脈瘤の原画像に対して,そ の右処理画像では,食道静脈瘤および拡張した毛 細血管がくっきりと描出されている. 欝挿ぎ帯・

鷲鰻

写真5 幽門前庭部のIlb型早期胃癌の電子内視鏡像 写真6 画像強調.左:ヒストグラムの平坦化処理像,右:ダイナミック・レンジの拡大処理像 おわりに これまで内視鏡診断学は術者の経験に左右され ることが多く,診断にあたっても術者に対し画像 情報の側から積極的に働き掛けるといったことは なかった.しかし,現在ではリアルタイムに行な える画像処理によって,生画像と同時に処理画像 を術者にもたらすことによって,術者の診断の手 助けとなることができる(図6).更には,この処 理画像情報をマイクロコンピューターを用いて解 析することによって,電子内視鏡画像の自動診断 への道が開かれる可能性がある(図7). 以上,電子内視鏡検査の現状とその臨床応用に ついて述べた. 写真7 朋映社製カラーコレクター装置 .’剣昼

(5)

藤盤・

...溺誉 写真8 カラーコレクターによる画像強調処理.左:原画像(IIb類似早期胃癌),右:処理画像 写真9 オリンパス光学社製カラーエンハンサー装置

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軸.、. \. 写真10 カラーエンハンサーによる画像強調処理.左: 鞭ゼ

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原画像(胃潰瘍),右:処理画像

参照

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