109 (26) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
タチ バナ サ ナエ立花早苗(昭和27
医学博士 群群1025号平成元年5月19日
学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) 微小胃癌の内視鏡診断に関する臨床的研究 (主査)教授 羽生富士夫 (副査)教授 武石 詞,串田つゆ三論 文 内 容 の 要 旨
目的 胃癌をできるだけ早期に発見し,研究することは癌 の根治治療の上でも,胃癌の発生と初期形態を知る上 でも大変重要である.そこで,これまで診断困難であ るとされている長径5mm以下の微小胃癌を集計し,そ の内視鏡的特徴と形態について研究し,今後の微小胃 癌診断の指標を求めた. 対象および方法 1965年から1983年までの19年間の胃癌総数は3,955 例で,このうち早期胃癌は1,147例,5rnm以下の微小 胃癌は56例,64病巣であった.この64病巣を対象とし, 診断時の内視鏡像より病巣の形態,色調を分析し,そ の特徴を検索した.同時に占居部位,使用内視鏡機種, 生検方法よりの検討も加えた.また,同時期の5~10 mmの小胃癌130例,140病巣と微小胃癌を対比した. 結果 1)微小胃癌の内視鏡的特徴 内視鏡像では隆起型(Ila型)は灰白色,偏平,発赤 した小隆起として,平坦型(Ilb型)は単に発赤,白色 を呈する色調変化の粘膜巣として,陥凹型(IIC型)は 発赤小陥凹,漂痕様発赤,鐵襲集中を伴う白色陥凹と して認められ,小さいといっても早期胃癌の特徴的所 見を備えていた,術前診断率では胃体部小蛮と噴門部 の診断率が悪く,内視鏡の機種による診断書の差はな かった.生検結果よりみた癌陽性率は採取順位第1個 目で60%で,以後順次低下した. 2)微小胃癌の形態と小胃癌との対比 微小胃癌単発例は15例,多発例は41例49病巣で,小 胃癌単発例は77例,多発例は53例63病巣であり,微小 胃癌に多発例が多く認められた.占居部位別にみると 両者共にM領域(胃体部),A領域(幽門部), C領域 (噴門部)の順に多かったが,微小胃癌でのC領域の割 合が多かった.肉眼型では,微小胃癌でIlb(57.8%) が最も多く,Ila, Ilcの順であるが,小胃癌ではIlc (53.6%)が最:も多く,Ila, Ilbの順であった.小胃癌 では肉眼形態の多種化とIIbの減少, Ilcの増加が顕著 であった.両者共にIla, Ilbは多発例に多く,Ilcは単 発例に多い傾向があった. 3)病理組織学的対比 深達度は微小胃癌ではm癌(粘膜癌)93.3%,sm癌 (粘膜下層癌)6.7%であり,小胃癌ではm癌77.9%, sm癌22.1%であった.組織型では微小胃癌は高分化 型腺癌80%,低分化型腺癌20%であり,小胃癌では各々 71.4%,28.6%であった, 結語 1)微小胃癌は小さいといっても通常の早期胃癌の 内視鏡的特徴を備えていた.より多くの微小胃癌を発 見するためには,このような所見から第1個目の生検 を確実に行うことが必須である, 2)微小胃癌ではIlb型が最も多く,全体の57.8%を 占めるので,このIlbを発見することが微小胃癌診断 上部に重要である. 3)微小胃癌はIlb型で高分化型腺癌が多く,病巣が 発育進展するに従い,IIb型が減少し,低分化型腺癌が 増加する傾向にあった. 一711一110
論 文 審 査 の 要 旨
胃癌をできるだけ早期に発見し,研究することは,根治治療の上でも,胃癌の発生と進展を知る上でも重要 である.本研究は消化器病センターで発見された長径5mm以下の微小胃癌56例64病巣と,同時期の長径6~10 mmの小胃癌ユ30例140病巣を対比し,それらの内視鏡的特徴と形態について検討し,微小胃癌診断の指標を明 らかにしたもので,臨床上,学術上価値あるものと認める. 主論文公表誌 微小胃癌の内視鏡診断に関する臨床的研究 東京女子医科大学雑誌 第59巻 第2号 140-149頁(平成元年2月25日発行) 副論文公表誌 1)噴門部早期胃癌の検討一とくに内視鏡診断の立 場から一 消化器外科 7(9):1361-1364,1984 2)Elemental Dict投与中に発生したNonketotic Hyperosmolar Comaの1例 東女医大誌 49(12):1111-1116,1979 3)術後胆道鏡下戴石法に合併した肝膿瘍の1治験例
外科 41(13):1493-1496,1979 4)手術適応一吐血・下血の治療 臨床と研究 59(8):2529-2534,1982 5)内視鏡的ポリペクトミーを行った十二指腸ポリープの2例
Prog Dig Endosc 16(6):224-228,1980