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[巻頭言]閉鎖性海域における課題と今後の研究の方向性

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Academic year: 2021

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◆巻頭言◆ 香川県環境保健研究センター所長 今 雪 良 智 〔 全国環境研会誌 〕Vol.41 No.1(2016) 1

◆巻 頭 言◆

閉鎖性海域における課題と今後の研究の方向性

香川県環境保健研究センター所長 今雪良智

香川県環境保健研究センターは環境科学部門と保健科 学部門を備え,大気汚染・水質汚濁・廃棄物などの環境 分野と病原ウイルス・微生物や食品中の添加物,農薬分 析などの保健衛生分野に関する試験研究機関としての役 割を担っています。 環境科学部門では,河川・海域・地下水等の水質監視 調査,大気・土壌・騒音・放射能等の測定調査,工場・ 事業場等の監視調査,飲料水・温泉等の水質検査,土庄 町豊島に不法投棄された産業廃棄物の処理に伴う環境調 査等の幅広い分野にわたる検査・測定やそれらに関連す る調査研究に取り組んでいます。 水環境の分野では,本県は,瀬戸内海に面した地の利 を生かし,海と共生しながら発展してまいりましたが, 栄養塩の循環バランスの崩れによる赤潮の発生や養殖ノ リの色落ち,海ごみ,人と海のかかわりの希薄化など, いまだ多くの課題がある中で,将来にわたり瀬戸内海の 恵みを享受していくためには,海域,陸域の枠を超えた 包括的,総合的な取組みを進める必要があることから, 平成25年9月に「かがわ『里海』づくりビジョン」を策定 し,美しい海,生物が多様な海,交流とにぎわいのある 海の三つを兼ね備えた「人と自然が共生する持続可能な 豊かな海」を目指し,全県域を対象に県民の参加による 里海づくりの取組みを始めました。 当センターとしては,海だけでなく山・川・里を一体 的にとらえて保全・活用するため,栄養塩類等の物質循 環の研究や海ごみの動態等の調査に取り組んでいるとこ ろであります。 大気環境の分野では,平成27年7月から,当センターが 中央監視局である大気汚染常時監視システムの更新に併 せて,測定局の再配置が行われ,県下全域を対象とする 光化学オキシダントの緊急時対策を講じています。また, 平成25年度から国や地方環境研究所との共同研究として 取り組んできたPM2.5の短期的・長期的評価基準対策に 資するための研究成果を踏まえて,平成28年度からは, 瀬戸内海,伊勢湾等の閉鎖性海域において特徴的な高濃 度をもたらす汚染機構の解明を目指すために共同研究に 参加することとしています。 瀬戸内海のように広域にわたる水環境や大気環境に関 する対策については,各地方自治体の役割がますます大 きくなってきております。今後,効果的な対策を検討し ていくためには,環境省,国立環境研究所および地方環 境研究所等が連携して調査研究を行い,情報を共有して いくことが必要かつ重要であると認識しております。 平成27年度から2カ年間,中国・四国支部長を務めさせ ていただいておりますので,引き続き,皆様のご指導と ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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