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新潟県立看護短大で学び、沖縄の現場へ

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Academic year: 2021

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全文

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新潟県立看護短大で学び、沖縄の現場へ

著者

斎藤 直毅

雑誌名

新潟県立看護短期大学紀要

10

ページ

57-57

発行年

2005-03

URL

http://hdl.handle.net/10631/535

(2)

57 卒業生・修了生からの寄稿文

新潟県立看護短大で学び、沖縄の現場へ

看護学科3期生 斎 藤 直 毅

新潟県立看護短大を卒業し、はや6年になろうとし ています。本当に早いものです。 就職の際に今までと違う環境で新しい自分を発見し たいという思いから、心機一転雪国新潟から南国沖縄 へ移り住みました。同じ日本とは思えないほどの気 候、生活様式の違いに戸惑いながらも、どうにか初め ての職場になじみ、今まで感じた事のない異質ともい えるような沖縄の文化に触れ、次第に溶け込み、当初 の新しい自分を発見するのには成功したのでした。そ して薄い膜を重ねていくように記憶は積み重なり、新 潟での思い出自体が淡くなっていた昨今でした。 今回閉学にあたっての寄稿執筆依頼があり、ひとり 上越の地での自分を振り返ってみると、当時感じてい た若い思いがはっきりと思い浮かびます。上越の地で 過ごした時間は3年間という短い期間ではありました が、それは社会の入り口に立ち、歩き始めた濃密な時 間だったのでしょう。思い起こせばすぐにでも上越で 過ごしたあの頃に立ち戻ることが出来ました。 看護短大に入っての最初の強烈な思い出。入学して直 後の妙高山での宿泊オリエンテーションでのことです。 今でこそ看護の道を志す男子も増え、一定数の男子学生 が入学されていたと聞いております。が、私が入学した 平成9年の新入生の男子は私を含め2名でした。初めて 親元を離れ一人暮らしを始めた先で、98人の女子学生の 中に男子が2人。恐ろしい孤独感を感じ、2人でこれか らやっていけるのか本気で話したのを覚えています。 しかしながら幸いながらも素晴しい友人にも恵ま れ、今まで過ごしてきた18年間とは全く違う環境に戸 惑いながらも、学業に専念とはいかないまでも何とか カリキュラムをこなしていきました。 いよいよ始まった臨地実習でまた強烈な思い出があ ります。成人看護1の実習のときだったでしょうか。 受け持たせていただいた方とはそれなりに関係も築 け、うまくお世話させていただいたと思うのですが、 それ以外の場面で私の看護人生の中でも最高に後悔し たエピソードがありました。 臨地実習に入り間もなくの頃だったと思います。人 工肛門を作られた方が病棟内にいらっしゃるという事 でケアの見学をさせていただいた時のことでした。ケ アの見学は滞りなく終了し、お礼を言いベッドサイド を離れたとき、その方の娘さんでしょうか。凄い勢い でベッドに歩み寄りカーテンを閉めたのです。 私たちが見学をしているときの娘さんの気持ちはど のようなものだったのでしょうか。おそらくはさらし 者にされている病苦に苛まれる父と見知らぬ学生た ち、そんな風に移ったのではないかと思います。 あのときの私は症例を持った患者としてその方をと らえて、その方を構成する生活や人生は目に入らな かったのだと思います。そのことに前もって気付けな かった自分に深く後悔し、ただ一度実習中に泣いた事 を覚えています。 そして現在の私は何とか無事に免許を取得し、南風 に吹かれながら精神科病棟で勤務しています。 沖縄県は決して裕福な県とは言えませんが、その代 わりにユイマールと呼ばれる近隣同士の助け合いの精 神があります。この精神で第二次世界大戦により荒廃 した島を蘇らせてきたと聞いています。人間同士の触 れ合いを大切にするこの島で、実習の際の後悔を胸に、 患者の疾病を看るのではなく、一人の人間として包括 した看護を行なえることを目標に頑張っています。 看護者としての私は上越で芽生え、沖縄で成長して います。新潟県立看護短大で学んだ精神を基に自己研 鑽を重ね諸先輩方、また後輩達にも誇れるような看護 者を目指して切磋琢磨していきたいと思います。

参照

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