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養護教諭養成課程の学生の臨床実習の実習内容・方法の検討(第1報)

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Academic year: 2021

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(1)名古屋学芸大学短期大学部 研究紀要 第13号 2016 : 34-42. 《研究資料》. 養護教諭養成課程の学生の臨床実習の実習内容・方法の検討(第1報)* A Study of the Contents and Methods of Clinical Training for Yogo Teacher Training Course (I) 小 栗 直 子** OGURI Naoko. はじめに 養護教諭養成課程の学生の臨床実習は、将来、養護教諭としての役割を果たすために必要な内容 を精選し、基礎的知識・技術を養う目的で行われる。 本学養護教諭コースにおいても効果的な臨床実習となるように、毎年、臨床実習の目標・内容・ 方法を検討・修正し、実施してきた。 今回、現在の実習内容で、養護教諭を目指す学生にとって、学びの多い効果的な臨床実習ができ ているかについて、学生の実習目標の達成状況に関する認識と臨床で経験した内容を検討したので 報告する。 先行研究としては、秋山 1 )、松浦 2 )らの報告があるが、いずれ1980年代と教育や医療環境が異な る。また、最近では佐藤 3 )、大須賀 4 )らの報告があるが、視点が異なっている。 1 .臨床実習の概況と重点 1 年次の 1 月末から 3 週間 3 単位の臨床実習を行っている。学生の希望病院をもとに各病院に実 習依頼を行い、実習病院を決定している。実習病院の選択においては、①養護教諭を目指す学生の 臨床実習に対して理解のあること、②多くの診療科と診療支援部門を有すること、②看護部の理念 や教育方針が明確で、教育体制が整っていること等の条件を考慮し決定している。したがって、必 ずしも学生の希望病院となるとは限らない。 実習に向けて、 1 年次後期に臨床実習事前指導の授業を11回22時間行い、効果的に臨床実習が行 えるように準備をしている。「養護教諭を目指す学生として臨床実習を行い、学ぶ」と言う視点を 常に持って実習を行うように動機付けをしている。 3 週間の臨床実習計画(日程表)は各病院の臨床実習担当者に立案してもらい、学生はその計画 に則って事前学習をして臨床実習を行っている。学習方法は、 1 .臨床講義(説明)を受ける、 2 . 観察をする、 3 .看護師と共に実施するの 3 つである。 事後指導として、実習の学びを各自でまとめること、そして学びを深め広げるために「臨床実習 の学びを共有する会」を行っている。学びを共有する会では、「養護教諭を目指す学生として、臨 床実習で学んだこと」を大テーマとして、病院毎に臨床実習での具体的な学びを発表・意見交換で きるように指導している。 * 2015年 9 月22日受理 ** 名古屋学芸大学短期大学部. 34.

(2) 小栗直子 ■. 研究方法 1 )対象 2014年度に臨床(看護)実習を体験した養護教諭コースの 1 年生38名 ・対象となった実習病院は23病院で、愛知県をはじめ、岐阜県、三重県、静岡県、長野県にある 地域医療支援病院である。 2 )調査実施日 2015年 3 月23日 3 )調査内容・方法 ( 1 )実習目標の達成状況に関する認識:質問紙法 ( 2 )各援助技術の経験状況(臨床講義を受けた、観察をした、看護師と共に実施した) ( 3 )学生が臨床講義をうけた、観察をした疾患と症状 ( 2 )および( 3 ):実習記録の経験録をまとめた。 ( 2 )については回収率97%、( 3 )については未記入者がおり、回収率78%であった。 2 .結果と考察 1 )実習目標の達成状況 表 1 .実習目標の達成状況に関する学生の認識. よく できた. ほぼ できた. かなり 努力を 要して できた. できな かった. ①健康障害(課題)を持つ人の精神的、身体的、 15名 社会的特徴を理解することができる。 39.5%. 22名 57.9%. 1名 2.6%. 0名 0.0%. ②健康障害(課題)が人間の生活に及ぼす影 響について理解することができる。. 19名 50.0%. 18名 47.4%. 1名 2.6%. 0名 0.0%. ③健康問題(課題)を持つ人の気持ちを尊重 しコミュニケーションを取ることができる。. 15名 39.5%. 18名 47.4%. 5名 13.2%. 0名 0.0%. ①健康障害の原因・誘因、病態、経過を理解 することができる。. 9名 23.7%. 21名 55.3%. 8名 21.1%. 0名 0.0%. ②健康障害の発見、診断の過程を理解するこ とができる。. 14名 36.8%. 20名 52.6%. 4名 10.5%. 0名 0.0%. ③健康障害への治療(処置を含む)、リハビリ テーションについて理解することができる。. 16名 42.1%. 15名 39.5%. 7名 18.4%. 0名 0.0%. ①看護過程の展開方法について知ることがで きる。. 12名 31.6%. 22名 57.9%. 4名 10.5%. 0名 0.0%. ②看護の基本的援助方法を知ることができる。 23名 60.5%. 14名 36.8%. 1名 2.6%. 0名 0.0%. ③健康な生活習慣獲得とセルフケア促進のた めの援助方法を理解することができる。. 17名 44.7%. 20名 52.6%. 1名 2.6%. 0名 0.0%. ④健康管理、健康障害の早期発見・医療機関 受診促進のための援助方法を理解することが できる。. 7名 18.4%. 26名 68.4%. 5名 13.2%. 0名 0.0%. 実 習 目 標 1 )健康障 害(課題) を持つ人間 の理解. 2 )健康障 害及び医学 的アプロー チの理解. 3 )看護の 役割と活動 の理解. 35.

(3) 4 )病院と 学校との連 携の理解. 5 )養護教 諭として必 要な基本的 技能の習得. ⑤健康障害を持ちつつ能力を最大限に発揮し、 20名 有意義にその人らしく生きるための支援およ 52.6% び連携について知ることができる。. 17名 44.7%. 1名 2.6%. 0名 0.0%. ⑥死にゆく人が家族と共に、その人らしく心 地よく日常を過ごし、生きていることに意義 を感じられるような援助について知ることが できる。. 7名 18.4%. 14名 36.8%. 12名 31.6%. 5名 13.2%. ①病院の機能、組織・運営や施設設備につい て知ることができる。. 18名 47.4%. 18名 47.4%. 2名 5.3%. 0名 0.0%. ②保健医療福祉チームの役割と連携について 知ることができる。. 17名 44.7%. 15名 39.5%. 6名 15.8%. 0名 0.0%. ③病院と学校の連携の在り方やその方法にに ついて知り、養護教諭の果たす役割について 考えることができる。. 17名 44.7%. 17名 44.7%. 3名 7.9%. 1名 2.6%. ①健康障害(課題)持つ人や集団をアセスメ ントする方法を知ることができる。. 14名 36.8%. 20名 52.6%. 4名 10.5%. 0名 0.0%. ②健康障害(課題)に対し、予防・発見・対 処および解決する方法を知ることができる。. 16名 42.1%. 19名 50.0%. 3名 7.9%. 0名 0.0%. ③保健医療福祉チームのメンバーの倫理的態 度について理解することができる。. 16名 42.1%. 14名 36.8%. 7名 18.4%. 1名 2.6%. ④人間の生命尊厳と健康の重要性について理 解することができる。. 19名 50.0%. 19名 50.0%. 0名 0.0%. 0名 0.0%. ⑤養護活動に活用できる視点や方法を理解す ることができる。. 23名 60.5%. 12名 31.6%. 3名 7.9%. 0名 0.0%. ⑥フィジカルアセスメントおよびバイタルサ インの測定・観察を実施することができる。. 18名 47.4%. 14名 36.8%. 5名 13.2%. 1名 2.6%. ⑦日常生活援助技術を実施することができる。. 12名 31.6%. 19名 50.0%. 5名 13.2%. 2名 5.3%. ⑧一部の診療に伴う援助技術を実施すること ができる。. 14名 36.8%. 15名 39.5%. 8名 21.1%. 1名 2.6%. ( 1 )実習目標  1 )健康障害(課題)を持つ人間の理解 どの実習目標も100%の学生が「よくできた」、「ほぼできた」、「かなり努力を要してできた」と 回答しており、達成できた。看護師養成課程の学生(以後、看護学生と略す)は、 1 人の患者を受 け持ち深く関わることで①②の目標を達成することができるが、養護教諭養成課程の学生(以後養 護学生と略す)は、外来を中心に健康障害(課題)を持つ多くの人と接触し、観察することで目標 を達成していると考える。実習目標③に関しては、約10%の学生が「かなり努力を要してできた」 と回答している。この結果は、初めて病院という場で、様々な世代の健康問題(課題)を持つ人の 気持ちを尊重してコミュニケーションを取ることの困難性を学生が感じていると考える。 ( 2 )実習目標  2 )健康障害及び医学的アプローチの理解 どの実習目標も100%の学生が「よくできた」、「ほぼできた」、「かなり努力を要してできた」と. 36.

(4) 小栗直子 ■. 回答しており、達成できた。しかし、「かなり努力を要してできた」と回答している学生が10~ 20%いる。「ほぼできた」と合わせると学生は約50~70%である。この結果は、外来実習が多く病 棟での実習期間も短く、健康問題(課題)を持つ人を継続的に観察できないことが達成に対する認 識を低くしている理由の 1 つと考える。また、養護学生は、身体のしくみ(解剖学)と生理学は学 習しているが、病理学や病態疾病論を学習していない。看護学Ⅱ(小児臨床看護学)で、子どもに 多い健康障害の病態生理を一部学習しているが、これだけでは理解が困難である。 2 年次の授業科 目である微生物学及び免疫学、衛生学、疾病と薬の知識を履修することで、健康障害の原因・誘 因、病態、経過と診断過程、治療の理解は深まる。したがって、臨床実習で学習した経験は卒業後 の養護教諭活動に活かすことはできるのではないかと考える。 ( 3 )実習目標  3 )看護の役割と活動の理解 実習目標⑥を除き、100%の学生が「よくできた」、「ほぼできた」、「かなり努力を要してできた」 と回答しており、達成できた。実習目標①、④、⑥は「かなり努力を要してできた」と回答してい る学生が10~30%おり、達成に対する認識は低い。 実習目標①については、病棟での実習時に臨床講義を受ける、あるいは観察をしないと達成は困 難である。養護学生は外来実習が多く、外来診療録のみで看護記録を観る機会が少なく学ぶ機会が 少ないことによると考える。実習目標④に関しては診療部門だけで健康診断部門を持たない病院に おいては学習が困難であったと考える。健康管理、健康障害の早期発見・医療機関受診促進のため の援助方法の理解は、養護教諭活動に必要な学習内容である。診療を中心とした外来でも目標達成 はできるため、学生に学習方法を示唆するとともに、臨床実習担当者に目標達成の必要性を伝え、 臨床講義を依頼する必要がある。実習目標⑥は「できなかった」と回答している学生が約10%いる。 この10%の学生は死にゆく人と家族に接触し観察する機会がなかったと考える。「かなり努力を要 してできた」学生も約40%であり目標の達成が困難であるが、事例を含めた臨床講義を受けると、 学習効果は高くなると考える。 養護教諭活動において、児童生徒の死に遭遇する機会はほとんどない。しかし、白血病や筋ジス トロフィーなどの疾患に罹患し、死を迎える子どもやその親と関わる養護教諭もいる。二世代家族 が多く、人の死に遭遇する機会のない学生にとって、学ぶ機会があれば学習させたいと考え、今後 も実習目標として挙げていく。 ( 4 )実習目標  4 )病院と学校との連携の理解 実習目標①、②については100%の学生が「よくできた」、「ほぼできた」、「かなり努力を要して できた」と回答しており、達成できたと回答している。しかし、②については「かなり努力を要し てできた」学生が約15%いる。また、③については 1 名の学生が達成できなかったと回答している。 したがって、実習目標②、③の達成に対する認識が①に比べ低かった。③は必ず達成させたい目標 であるため、達成できなかった理由を明らかにして、動機付けと実習方法を検討する必要がある。 ( 5 )実習目標  5 )養護教諭として必要な基本的技能の習得 実習目標①、②、④、⑤については100%の学生が「よくできた」、「ほぼできた」、「かなり努力 を要してできた」と回答しており、達成できた。しかし実習目標③、⑥、⑦、⑧については 1 名か ら 2 名の学生が達成できていないと認識している。これらの目標について達成できなかったと認識 した学生は、実施する機会がなかった、あるいは少なかったことが理由と考える。特に、⑦の日常 生活援助は病棟でないと体験できないため、実施する機会のなかった、あるいは少なかった学生は 「できなかった」と認識していると考える。. 37.

(5) 2 )各援助技術の経験状況(表 2 参照) ( 1 )基本的援助の経験状況 フィジカルアセスメントの基本技術については、打診以外の 4 つの基本技術を50%以上の学生が 観察できている。つまり、看護師あるいは医師が行う場面を眼で観て学んでいる。実施できた学生 は聴診以外10名以下である。バイタルサインの測定において、21名と50%以上の学生が血圧測定を 実施してはいるが、現在、病院では自動血圧計による血圧測定の機会も多いため、全員が必ずしも 聴診を経験したとはいえない。 バイタルサインの測定に関しては、各測定・観察を50%以上の学生が観察できている。つまり、 看護師あるいは医師が行う場面を眼で観て学んでいる。ただし、実施においては呼吸測定と意識状 態の観察を実施したものが少ない。これは、呼吸や意識まで観察が必要な患者ではなかったことに よると考えられる。 測定・検査に関しては、聴力以外は50%以上の学生が観察できている。身長、体重、その他(胸 囲、腹囲、頭位)、視力に関してはそれぞれ外来で測定する患者を観察することができるが、聴力 に関しては検査室内で行われるため、観察や実施の機会がほとんどなかったと考える。 感染予防の技術については全ての技術において50%以上の学生が観察できている。実施も多くの 学生ができている。しかし、無菌操作に関しては実施できた学生が少なかった。この結果は、技術 の難しさから、実施の機会を与えられなかったのではないかと考える。 スタンダードプリコーションに基づく手洗い・含嗽を実施した学生が31名と全学生ではなかった。 この技術は、必ず手洗いと含嗽の励行、一行為一手洗いを実施するように日頃から指導していたに もかかわらずできなかった理由を明らかにする必要がある。 ( 2 )健康教育・保健指導 患者・家族への指導については、栄養指導、授乳指導の場面を観察した学生は50%以上いた。そ の他の指導では、感染予防の指導について40%の学生が経験している。その他の指導場面を観察し た学生は少なかった。これは、実習期間中、指導を必要とする患者と接触する機会がなかった、教 室が開催されていなかったことが原因ではないかと考える。 ( 3 )日常生活援助 環境整備に関しては、全員の学生が場面を観察することができていた。また、リネン交換は50% 以上の学生が実施できた。 50%以上の学生が観察でき実施もできた技術は、体位・移動の援助の中の体位変換、車椅子での 移動の援助、清潔援助の清拭、衣類の着脱であった。体位・移動の援助の松葉杖の使い方、清潔援 助の中の結髪、沐浴、排泄援助の中のポータブルトイレでの援助、摘便の援助技術を観察できた学 生は40%以下で少なかった。 ( 4 )診療に伴う援助 罨法と吸入の援助の中の酸素吸入、口腔内・鼻腔内吸引、気管内吸引、与薬の援助の中の経口薬 の与薬、経皮・外用薬の与薬、各注射法、薬剤の管理、診察の介助の全ての診察方法に関しては 50%以上の学生が観察できた。 救命救急処置に関しては、全ての処置・技術において観察できた、あるいは実施できた学生は少 数であった。 リハビリテーションに関しては、全ての治療法においてほぼ50%以上の学生が観察できた。 診療に伴う援助については、実施は少数であった。診療に伴う技術は、医師・看護師などの医療. 38.

(6) 小栗直子 ■. 職者しかできない技術を多いことから、この結果は妥当と言える。 栄養指導、授乳指導と診察の介助の打診は実施不可の援助技術となっているが、各 1 名の学生が 実施している。状況を確認すると、それぞれ看護師あるいは医師の指導の下、援助の一部を一緒に 実施していた。 表 2 各援助技術の経験者数. 39.

(7) 3 )学生が臨床講義をうけた、観察をした疾患と症状(表 3 ・ 4 、 5 参照) 未記入者が 7 名、未提出者 1 名のため、回収率は78%であった。 ( 1 )学生が観察を行った疾患、講義を受けた疾患 学生が観察を行った疾患数は164疾患で、臨床講義のみ受けた疾患数は26疾患であった。癌につ いてはほとんどの部位の癌、腫瘍が含まれる。また、脳血管障害については脳梗塞、脳出血、くも 膜下出血、もやもや病等が含まれる。糖尿病については 1 型と 2 型糖尿病が含まれる。 上位 3 疾患は患者数の多い疾患であり、続くインフルエンザと肺炎は実習時期と発症時期が一致 しており患者が多かった。また、認知症も患者数の多い疾患であった。 学生は様々な疾患の患者を観察し、また臨床講義を受けて学習できたと考える。 ( 2 )学生が経験した症状 学生が臨床講義を受けた、あるいは観察した、実施した症状は35症状であった。臨床講義を受け た、観察できた、実施できた学生はどれも小数であった。これは、症状のみ取り上げて臨床講義を 行うこと、観察する機会はほとんどないためと考える。しかし、臨床講義を受けた、あるいは観察 を行った疾患においてはこれらの症状は出現するため、症状として、学生が意識して経験録に記述 しなかったことによると考える。 表 3 学生が観察を行った患者の疾患名. 40.

(8) 小栗直子 ■. 表 4 講義のみ受けた疾患名. 表 5 学生が経験した症状. 3 .総合考察 1 )実習目標の達成状況 達成できなかった実習目標の原因には、①該当する患者が実習期間中にいなかった、②学生が目 標達成の意識が不足していた、③学生が積極的に看護師をはじめとした医療職者に申し出て、学習 の機会を得なかったの 3 つがあると考える。原因の②、③に対しては、臨床実習事前指導において、 実習方法の指導を強化する必要があることが明らかになった。今回のデータをもとに、学生には実 習方法についてケースを用いて説明していくことが有効と考える。 ①に関しては、学校においても子どもの死に遭遇する機会があるので、養護学生も人が死ぬとは どういうことかについて知っておく必要があると考える。したがって、実習目標・内容として必要 である。各病院の看護部に臨床実習の説明に行く際に、「人が死ぬということ」について必ず臨床 講義をしてもらえるように依頼していく。また、学内の授業においても事例を使って教えていく必 要がある。 2 )各技術の経験状況 各技術の経験状況(臨床講義を受けた、観察を行った、実施した)については、やはり、観察を行っ. 41.

(9) た学生が多い。実施した学生やその回数は病院によってばらつきがあった。養護学生に対する臨床 実習の考え方が病院により異なっている。つまり、①養護教諭として学校現場に出た時にはいわゆ る健康な子どもが中心であり、疾患を持った子どもに看護技術を実施する必要がほとんどない、② 病態生理学を系統的に学習していない養護学生が患者に看護技術を実施することは危険であるとい う 2 つの考え方を持つ臨床現場の看護師が多いことが原因と考える。 養護教諭は法律上医療行為を継続的に実施してはいけない。しかし、現在、色々な障害や医療機 器を付けていても、特別支援学校ではなく、一般の小・中・高等学校に通う子どもが多くなっている。 これらの子どもにとって、学校の中で最も健康障害とその援助に関する知識と技術を持つ教員は養 護教諭である。したがって、臨床現場で経験すること、つまり実施することは大切な学習の機会で あることを、臨床の看護師に伝え、学習の機会を与えられるようにしていく必要があると考える。 3 )学生が臨床講義をうけた、観察をした疾患と症状 全ての学生で観ると、観察を行った、あるいは臨床講義を受けた疾患数は非常に多い。しかし、 一人の学生がいくつの疾患に関して学ぶことができたかについて今回は統計を取っていない。その ため、学生個々がどれだけの健康障害を持った患者を観察したり臨床講義を受け、疾患や症状を理 解したかは明らかになっていない。 全世代の死因順位の上位 5 疾患に含まれる悪性新生物や肺炎は、児童生徒にも多い疾患である。 臨床実習期間中にこれらを含む疾患の患児・患者がおらず、学習する機会がない場合もある。した がって、学内の授業において学習する必要がある。現在も授業で取り上げているが、各疾患の病態 生理も含めて児童生徒に多い疾患を持った患児の事例を使って教えていく必要がある。 まとめ 以上より、全ての実習内容・目標は現在のまま必要であるが、実習方法の検討が必要であること、 学内の授業で必ず教えていく内容と方法が明らかになった。 今後は、今回のデータから明らかになったことを次年度に実習を行う学生に活かして事前指導を 行っていきたい。そして、各実習病院に臨床講義や観察を依頼したい内容について伝えていきたい。 さらに、学生が実際にどのように学習しているか、日々の実習記録の内容の分析を行っていく必 要がある。 また、今回の実習目標の達成状況はあくまでも学生の認識を調査したものであり、他者の評価結 果ではない。学生の認識だけにとどまらず、実習記録を丹念に分析し、実習目標の達成状況を客観 的に明らかにしていく必要がある。 参考文献 1 ) 秋山照代:養護教諭課程における臨床実習(第 1 報),千葉大学教育学部研究紀要,第29巻第 2 部,301-309, 1980 2 ) 松浦瑛治他:養護教諭養成課の学外実習に関する研究 第 1 報 臨床実習の分析,愛知教育大学教科教育セン ター研究報告,第12号,37-45,1988 3 ) 佐藤秀子他:養護教諭養成課程における看護臨床実習の意義,関西女子短期大学紀要,第17号,49-54,2007 4 ) 大須賀恵子他:養護教諭学生の看護実習における目標達成のためのプロセス,愛知学院大学心身科学部紀要, 第 4 号, 1 - 7 ,2008. 42.

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