• 検索結果がありません。

電弱SU(3)_L×U(1)_Xゲージ理論におけるダイレプトンゲージボソンII : ダイレプトンによる輻射補正

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "電弱SU(3)_L×U(1)_Xゲージ理論におけるダイレプトンゲージボソンII : ダイレプトンによる輻射補正"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)電弱SU(3)L×U(1)、ゲージ理論における.    ダイレプトンゲージボソン11*     『ダイレプトンによる輻射補正一 藤井 寿・佐々木 賢 Dilepton Gauge Boson in Electroweak SU(3)L×U(1)、            Gauge Theory 皿:   一Dilepton Contributions to Radiative Corrections Hisashi FUJII and Ken SASAKI. 1.はじめに  標準模型を拡張した様々なモデルは,標準模型では存在しない新しい粒子を予言す る。現在までのところ,これらの新粒子は実験で直接には観測されていない。しかし, 新粒子は反応の中間状態に現われ,いわゆる輻射補正(radiative corrections)の形で. 電弱相互作用の過程に影響する。一方,最近の素粒子実験における精度の向上はめざま しく,標準模型からのずれを検証することが可能になってきた(実際,現在の素粒子の. 精密実験は,Wボソンの質量, Z共鳴のパラメーターが1%もしくはそれ以上の精度 で決定できるまでに達している。)。それぞれのモデルは異なる新粒子を予言するので,. 新粒子による輻射補正の大きさはモデルごとに異なる。それゆえ,モデルで予言される 輻射補正の大きさと実験データとを比較することにより,どのモデルが正しいか判断で. きる。この論文IIでは,論文1で得られた結果(ダイレプトンとそれに付随したFP−. ghostとWbGボソンの伝播関数およびそれらの3点・4点関数)を用い,ダイレプト ンによる輻射補正を計算する。. 2.パラメーターS,T, Uへの寄与.  標準模型以外の粒子からの寄与は,主に真空二極(vacuum polarization)を通じて 現われる1)2)。真空偏極の振幅nxy(g2)を次のように定義する。 匁岬Hx。(σ2)+(9・9・t・・m)≡∫4㌦・一吻〈1隻鰯(・)〉,. *この論文は,藤井寿の修士論文を更に加筆,発展させたものです。. (2.1).

(2) 32. 藤井 寿・佐々木賢. ここで,(xy)=(11),(22),(3Q),(Q(2)である。添字1∼3は, SU(2)Lカレント, Qは. 電磁カレントを表わす。さらにn姓(92)を次式で定義する。      Ilxy〈(72)≡≡Ilxy(0)一ト(1211≦【y((12)                                   (2.2). U(1)Q対称性よりn11(g2)=r122(σ2),またQEDのWardの恒等式よりrl:3Q(0)=D:QQ. (0)=0が成り立つ。よって真空偏極による輻射補正のパラメータの数は6個。さらに,. そのうち3個はα,θ乃1吻の繰り込みに使われるので,最終的なパラメーターの数は3. 個になる3)一5)。輻射補正に対する独立な3つのパラメーターとして,Peskinと Takeuchiは次式で与えられるS, T,σを採った3)。. S≡16π. V・[H33(σ2)一H・・(σ2)]1、.。一16π老・[一音n・・(σ2)]1、.。・. (2.3).    召2. αT≡22[H11(0)一II33(0)],. (2.4).   s”Zw     4      [H11(σ2)一n33(92)]. 1、。。・. (2.5). σ≡16π.    吻2. ここでzηwはWボソンの質量,8≡sinθwは弱い相互作用の混合角である。  論文1で述べたSU(3)L×U(1)、モデルに基づき,ダイレプトンy’±±, y’±によるS,. 筑σパラメータへの寄与を計算しよう。ダイレプトンによる真空偏極nxy(σ2)への寄 与は,ファインマン図Fig.1(a)∼(f)で与えられる。 Fig.1(c)は,ダイレプトンに付随す. るFP−ghostのループ図, Fig.1(d)∼(f)は,ダイレプトンに付随するwbGボソンが.  ●■ 陶 φ      辱 ら. ◆. M.   、. ’ ◆. ◆. ◎ 亀 麟 . (b). (a). M. !. 1. 、. 1. 、. 1. 、. 、. 軸  ■一■. (d). ’. 1. ’        、. 、. ’. 四. l      l 、         ’ 、         ,.        ノ. み (e). Fig.1. ・.  (c). !       、. 、. w. 、.   ’. 、. !. 、. 、. ’. 副. ” (f).

(3)       電弱SU(3)L×U(1)、ゲージ理論におけるダイレプトンゲージボソン]1     33. 関与するループ図である。我々は計算に際して”一Hooft−Feynmanゲージ(ξ=1)を選 んだ。そして,発散の処理には次元正則化(dimensional regularization)を用いた。 計算の結果,ダイレプトンからの真空偏極H38(σ2),rl:33(σ2),rl:11(ゲ)への寄与は次式で. 与えられる。. 潔ィ昭)一E(σ㌃璃).]. n38(92)一一                                       (2.6).           1   皆 n・(92)一64ノ囮(σろ昭)+E(9ろ璃)]                                       (2.7).           1     2 H11(σ2)一32ノ[3σ2△+望2一{3(雌璃)+92}瑞(9嘱璃)     一12σ鴫(92,砥璃)+6盈(9慨璃)]. (2.8). ここで,. E(229,〃z)一σ2[3△÷瑞(σ乳勉物2)一1易(9ろ伽2)] (29). 瑞@嘱)イ4κ1n[(1一κ)婿+κ娠(1一κ)9・一ゴ・] (21・) 瑞(92,婿,鵡)一∫1姻1一κ)ln[(1一κ)婿+κ璃一κ(1一κ)σ2一ゼ・]・(211) 恥(σ2,昭,璃)一蓋14κ[(1一κ)昭+κ雌]ln[(1一κ)昭             一トκノレ1婁一κ(1一κ)(12一疹ε]                            (2.12). と定義した。また,△=ッ(4−D)一γゼlnπであり,冷はオイラー定数である。  いま論文1の(2.3)から導かれるmatching condition6),.      詳一寿+ま       (213) を用いると,論文1の(3.4),(3.5)を逆に解いて,.          禽.                  禽・.                     β十…                          (2.14)      ∠48=              β十… =.         (9・2十39塁)      . 9. と書ける事が分かる。ここでgノはゲージ群U(1)Yの結合定数。これより,.      n、。一2毒H38            (215) が得られる。よって,.      n・・(σ2)一撃囮(鋼)一E(σ馬面)]    (216) これより,パラメーターS,T,σへのダイレプトンからの寄与は,(2.3)∼(2.5)を用 いて,.      S 老ln篶       (217).

(4) 34. 藤井 寿・佐々木 賢. ち一16諏[三一繰ln舞] 喘[号+3㌻詳餐蝿. (2.18). 3婿一昭璃一!嘘畷十3!嘘 2(昭一ルゆ3. 1n. 冝n.   (2.19). となる7)。SDは,.Mlと璃の入れ換えに対して反対称であるので,.M1と偽の大小に. より正負どちらの符号も取りうる。一方,ち,砺は昭,雌の入れ換えで対称なので 7bは常に正,砺は常に負である。また理論で最初から期待されていたように.M1= 偽のときにはSo,窃,砺は全てゼロになる。  Fig.2∼4には, x=(璃一昭)/昭の関数としてSD,ろ,砺のグラフを描いた。 Fig.2よりダイレプトンは.M2がM 1より小さい場合, sに負の寄与をすることが分 かる。Fig.3には,7bのグラフを(a)M1=230 GeV,(b)Ml=400 GeV,(c)M1=600. GeVの場合について描いた。グラフは,7めが常に正またはゼロで,ルf1が重くなるほ. ど大きな値をとることを示している。最後に賜についてはFig.4から,常に負また はゼロで,しかも,SD,窃に比べて非常に小さい値をとることが分かる。.  最近の精密実験のデータ解析から,パラメータSとTについて90%con且dence levelで,. S<一〇.13, T<0.13 (90%C.L). の上限が得られている8)。標準模型を超えたモデルで新しく重いSU(2)L 2重項のクォー. クを付け加えると,そのクォークからのSへの寄与はいつも正に働く。今までに負の寄 与をSに与えるモデルは考えられてはいるが9)∼12),奇抜なアイデアを使ったりしてお りあまり自然とは言えない。その点ダイレプトンが存在し,偽く1鴎が成り立てば,s への寄与は負に働き,実験データを巧く説明することが出来る。その意味でダイレプト ンを含んだ模型は標準模型を超えた真の素粒子理論として有望であるかも知れない。 Sx 0.75 0.5. 0.25. 一〇.5. 0.5      1      1.5 一〇.25. 一〇.5. 一〇.75. Fig.2. x.

(5) 電弱SU(3)L×U(1)、ゲージ理論におけるダイレプトンゲージボソンH. 35. Tx. 1 、  ㌔ 、 亀 0.8 、、,. 、、。.6. い  、、・・4.  、、   、、0・2.   ノ /   しノ ノ. ん傷.  1/.  ノノ  久  ,’!. 〃!.   、\.    “. 一〇,5. 1. 0.5. 1.5. k. Fig.3. Ux. 0.5. 一〇.5. 1. 1.5. 一〇.01. 一〇.02. 一〇.03. 一〇.04. Fig。4. 3.Vertex補正  ダイレプトンは, 2章で見た真空偏極だけでなくレプトンのvertexにも輻射補正を 与える(vertex補正)。これは,ダイレプトンがヒッグスボソンと異なりゲージ粒子で あることが原因である。ヒッグスボソンの場合は,レプトンとの結合定数がレプトンの. 質量に比例し,従って著しく小さい事からビッグス粒子からのレプトンのvertexへの 輻射補正は無視できる。また,真空偏極の場合と違ってvertex補正のやっかいなとこ ろは,それが各々,反応過程によるというところである。そのためvertex 1っ1っへの ダイレプトンによる輻射補正を調べなくてはならない。  ダイレプトンによるvertex補正に関係するファインマン図をFig.5(b)∼(f)に示し てある。これらの図からの寄与は,合計してπ(〆)Aμ(g2)π(ρ)と表わされる。実際の. 実験では1ゲ1《昭,璃が成立しているから92→0の1imitでのA、(92),即ちA、(0) を計算する。まずンーンー・43vertexから始めよう。 tree(Fig.5(a))のvertexは,.

(6) 36. 藤井 寿・佐々木 賢. (c). (b). (a). 発散部分 (d).   (f). (e). Fig.5. A㌍・(t・ee)一躯(1一γ・). (3.1). で与えられる。ダイレプトンによる輻射補正Fig.5(b)∼(f)を計算すると結果は,.     躯(1一γ5)毒{7△一号(ln昭+ln確)一21n誰}  (a2) となる。上式には無限大部分△が含まれているので,意味のある値を得るためには繰. り込みをする必要がある。このとき.M1と砺について対称な形で繰り込む。即ち, vertex補正に△が現われると{△一1/2(1n婿+1n璃)}の形で引き算をする。従って レーレー.43vertexの場合のダイレプトンによる繰り込まれた補正は,.     δ“一躯(1一γ5)爵{一21n淫}               2. (3.3). となる。そして“full”のvertexは, Aμ(tree)+δAμで与えられる。. 他のvertexに対する輻射補正も同様である。結果だけを列挙する。.     δ聯一躯(1一γ5)躊{一21n淫}. (3.4).     δ聯一争(1十γ5)躊{一41n蕩}. (3.5).

(7) 電弱SU(3)L×U(1)xゲージ理論におけるダイレプトンゲージボソンH. δザー躯(1一γ5)躊{一61n蕩}. 37. (3.6). δザ一画(1一%)躊{61n淫}. (3.7). δAθR2Rβ=0. (3.8).  μ. 以上でダイレプトンによる輻射補正の計算は完了した。. 4.結  び  この論文Hでは,1で得られた結果を用い,レプトンが関与する低エネルギー反応過 程へのダイレプトンによる輻射補正を調べた。.  まず,真空偏極に関連する3っの独立なパラメータS,7㌧σへの寄与を計算した。ダ イレプトンのSへの寄与は,偽が.Mlより小さいとき負になる。一方,実験データは負 のSを暗示している。その意味で,ダイレプトンを含んだ模型は,標準模型を超えた真 の素粒子理論としての可能性が残されている。また,ダイレプトンはゲージ粒子である. ためそのvertex補正への寄与も無視できない。我々は,各vertexについてダイレプト ンによる輻射補正を計算した。.  これでSU(3)L×U(1)。モデルに基づいて,そこに現われるダイレプトンによる輻射補. 正が全て求あられた。次にしなければいけないことは,我々が得た結果と実際の精密実 験とを比較検討し,SU(3)L×U(1)。モデルが素粒子の世界を記述する真に正しい理論かど. うかを判定することである。それらは次回の論文で報告することにする。. 参考文献 1)D.C. Kennedy and B. W. Lynn, Nucl. Phys. B 322(1989)1.. 2)M.E. Peskin, SLAC Report No. SLAC−PUB−5210(1989). 3)M.E. Peskin and T. Takeuchi, Phys. Rev. Lett。65(1990)964.. 4)D.C. Kennedy and P. Langacker, Phys. Rev. Lett.65(1990)2967. 5)G.Altarelli and R. Barbieri, Phys. Lett. B 253(1991)161;  G.Altarelli, R. Barbieri, and S。 Jadach, Nucl. Phys. B 369(1992) 3.. 6)H.Georgi and S. Weinberg;Phys. Rev. D 17(1978)275. 7)K.Sasaki, Phys. Lett. B 308(1993)297.. 8)T.Takeuchi, in:Intern. Workshop on Electroweak Symmetry Breaking, eds. W. A.  Bardeen, J. Kodaira, and T. Muta(Hiroshima, Japan,1991),and SLAC−PUB−5730   (1992). 9)S.Bertolini and A.Sirlin, Phys. Lett. B 257(1991)179.. 10)E.Gates and J. Terning, Phys. Rev. Lett.67(1991)1840. 11)M。J. Dugan and L. Randall, Phys. Lett. B 264(1991)154.. 12)H.Georgi, Nucl. Phys. B 363(1991)301..

(8)

参照

関連したドキュメント

このように資本主義経済における競争の作用を二つに分けたうえで, 『資本

被祝賀者エーラーはへその箸『違法行為における客観的目的要素』二九五九年)において主観的正当化要素の問題をも論じ、その内容についての有益な熟考を含んでいる。もっとも、彼の議論はシュペンデルに近

式目おいて「清十即ついぜん」は伝統的な流れの中にあり、その ㈲

および皮膚性状の変化がみられる患者においては,コ.. 動性クリーゼ補助診断に利用できると述べている。本 症 例 に お け る ChE/Alb 比 は 入 院 時 に 2.4 と 低 値

の知的財産権について、本書により、明示、黙示、禁反言、またはその他によるかを問わず、いかな るライセンスも付与されないものとします。Samsung は、当該製品に関する

今回、新たな制度ができることをきっかけに、ステークホルダー別に寄せられている声を分析

レーネンは続ける。オランダにおける沢山の反対論はその宗教的確信に

 今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ