• 検索結果がありません。

IRUCAA@TDC : ガム咀嚼が膝関節の伸展および屈曲時の筋力に与える影響

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "IRUCAA@TDC : ガム咀嚼が膝関節の伸展および屈曲時の筋力に与える影響"

Copied!
12
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title ガム咀嚼が膝関節の伸展および屈曲時の筋力に与える影 響 Author(s) 川上, 良明 Journal , (): -URL http://hdl.handle.net/10130/2967 Right

(2)

平成23年度卒業論文

ガム咀嚼が膝関節の伸展および屈曲時の筋力に与える影響

(3)

ガム咀嚼が膝関節の伸展および屈曲時の筋力に与える影響 川上良明 Ⅰ.緒言 これまで運動時における咀嚼筋活動を検討した研究では,バレーの強いスパイク時やハンドボールの強いシ ュート時の単位筋活動比率は,45.8%,30.1%であったとしている[1]もの,ベンチプレス動作時における咬筋 筋電位は,50%の負荷時では 3.30%と小さい値であったが,100%負荷時では,31.43%であったとしたもの[2], 最大膝関節伸展運動時の咬筋筋活動は最大噛みしめ時の咬筋筋活動の 37%を示したとしたもの[3],最大努力に よる背筋力測定時において 26.4%の活動を認めたとしたもの[4]などの報告があり,運動と咀嚼筋活動とは強い 関係があるものと思われる。 咀嚼筋によって司られている下顎運動は随意運動であり,その運動の調整は四肢の骨格筋運動と同じく,大 脳皮質前中心回に存在する大脳皮質運動領の支配を受けていると言われる。したがって咀嚼筋を強く収縮させ ることによる運動領の興奮が著明な場合には容易に他部に興奮が拡延し,延髄網様体部における全身の骨格筋 緊張に関与する細胞活性を高めるため,全身の筋力を増大するとした報告[5]がある。また,クレンチング時 に運動ニューロンを含む脊髄反射経路の興奮性が亢進するとした報告[6-9]もみられるところから,咀嚼筋の 収縮は全身的な筋力に影響を与えるものと考えられる。 しかし,運動時におけるガムなどの咀嚼が全身の筋力発現に如何なる影響を及ぼす影響についてはいまだ明 らかではない。そこで,今回ガム咀嚼の膝関節の伸展時および屈曲時の筋力に与える影響について検討を行っ た。 Ⅱ.方法 被験者は,本研究の意図を十分に理解し協力の得られたボランティアのうち,20 歳台の男性 12 人(平均年 齢 23.3 歳)を対象とした。測定の実施に当たってはヘルシンキ宣言を順守し,東京歯科大学倫理委員会承認

(4)

番号 238 を得て行った。 測定は被験者を装置固定後,膝関節伸展時および屈曲時の筋力測定を行った。 測定装置には OG 技研社製,HYDROMUSCULATOR GT-160 を用いた(図 1)。本装置は,下肢膝関節の伸展筋およ び屈曲筋の筋力測定機能と筋の訓練機能とを備えており,本体部とコントローラ部より構成されている。本体 部に加わった荷重はアームに取り付けられた測定用アタッチメント内蔵のストレンゲージからの出力信号を 電気的変化,すなわち電圧としてとらえ,A/D コンバータ,ドライバを介してコントローラ部へ入力,荷重表 示が得られる。 被験者をシートに座らせた後,大腿部,腰部および腹部を固定ベルトにて固定し,アタッチメントの位置が 右側下腿の内外顆の上縁より 1cm 上となるよう下腿部を固定した。また,頭位を一定にするため 1.5m 先に指 標を設け直視するように指示した。さらに左足および両手の位置など可及的に同一条件となるようにセッティ ングした後,計測を行った。また,アームの角度は伸展時 90 度,屈曲時 60 度になるように設定した。 コントロールとしてガム未咀嚼時にて伸展時および屈曲時の筋力を測定し,市販ガム(ロッテ社製)1 枚を 5 分間咀嚼させた後,同様に筋力を測定した。測定の順序はランダムに行った。 なお,測定時に最大噛みしめおよび声を出さないように指示し,約 3 秒間測定を行った。また,測定に先立 ち被験者に「普段のガムを噛む時間はどのくらいですか」,測定直後に「測定中に噛みしめを行いましたか」 という質問を選択式で行った。 統計処理は,統計解析ソフト SPSS 11.0J (SPSS Japan Inc.)を用いて,ガム咀嚼前後の比較および,測定時 咬合の有無(被験者の自覚)およびガム咀嚼時間(普段の被験者の自覚)の影響におけるガム咀嚼前と咀嚼後 のそれぞれの比較にはマンホイットニーの U 検定(p<0.05)を行った。 Ⅲ.結果 1.膝伸展,屈曲時におけるガム咀嚼の効果(図 2) 伸展においては,ガム咀嚼前(86.5 kgf)に比べガム咀嚼後(99.5 kgf)の値で,15.0%の増加を認め,屈 曲においてはガム咀嚼前(51.5 kgf)に比べガム咀嚼後(53.5 kgf)の値で,3.9%の増加を認めた。しかし, いずれにおいても有意な差は認められなかった。

(5)

2.測定時咬合の有無(被験者の自覚)での比較(図 3) ガム咀嚼前の伸展においては,噛み締めなかったと答えた群(4 人)は(82.5 kgf)・噛みしめたと答えた群 は(91.5 kgf)で,噛みしめたと答えた群は噛み締めなかったと答えた群に比べ 10.9%大きな値を示した。ガ ム咀嚼後の伸展においては噛み締めなかったと答えた群および噛み締めたと答えた群の両群とも 99.5 kgf で あった。 ガム咀嚼前の屈曲においては,噛み締めなかったと答えた群は(49.5 kgf)・噛みしめたと答えた群は(55.5 kgf)で,噛みしめたと答えた群は噛み締めなかったと答えた群に比べ 12.1%大きな値を示した。ガム咀嚼後の 屈曲においては,噛み締めなかったと答えた群は(50.0 kgf)・噛みしめたと答えた群は(54.5 kgf)で噛み しめたと答えた群は噛み締めなかったと答えた群に比べ 9.0%大きな値を示した。しかし,いずれにおいても有 意な差は認められなかった。 3.ガム咀嚼時間(普段の被験者の自覚)の影響(図 4) ガム咀嚼前の伸展においては,ガム咀嚼時間が 5 分以下と答えた群(8 人)は(76.0 kgf)・ガム咀嚼時間が 5 分以上と答えた群(4 人)(91.5 kgf)で,ガム咀嚼時間が 5 分以上と答えた群はガム咀嚼時間が 5 分以下と 答えた群に比べ 20.4%大きな値を示した。ガム咀嚼後の伸展においてはガム咀嚼時間が 5 分以下と答えた群(8 人)は(85.0 kgf)・ガム咀嚼時間が 5 分以上と答えた群(4 人)(111.0 kgf)で,ガム咀嚼時間が 5 分以上と 答えた群はガム咀嚼時間が 5 分以下と答えた群に比べ 30.6%大きな値を示した。 ガム咀嚼前の屈曲においては,ガム咀嚼時間が 5 分以下と答えた群は(49.5 kgf)・ガム咀嚼時間が 5 分以 上と答えた群(4 人)(57.5 kgf)で,ガム咀嚼時間が 5 分以上と答えた群はガム咀嚼時間が 5 分以下と答えた 群に比べ 16.2%大きな値を示した。ガム咀嚼後の伸展においてはガム咀嚼時間が 5 分以下と答えた群(8 人) は(50.0 kgf)・ガム咀嚼時間が 5 分以上と答えた群(4 人)(61.0 kgf)で,ガム咀嚼時間が 5 分以上と答え た群はガム咀嚼時間が 5 分以下と答えた群に比べ 22.0%大きな値を示した。しかし,いずれにおいても有意な 差は認められなかった。 Ⅳ.考察 今回の実験の結果,膝伸展,屈曲力とも 5 分間のガム咀嚼によりその値は増加する傾向であったが,伸展時

(6)

にはその影響がより大であった。また,測定時に咬合を行ったことを自覚している被験者は咬合を自覚してい ない被験者に比べ,伸展,屈曲筋力,ガム咀嚼前およびガム咀嚼後のいずれにおいても大きな値を示す傾向で あった。さらに,普段のガム咀嚼時間の長い(5 分以上)被験者は短い被験者に比べて,同様に伸展,屈曲筋 力,ガム咀嚼前およびガム咀嚼後のいずれにおいても大きな値を示す傾向であった。 今回ガム咀嚼により膝伸展,屈曲時の筋力が増加傾向であったことならびに測定時に咬合を行ったことを自 覚している被験者および普段のガム咀嚼時間の長い被験者において大きな値を示したことは,運動の種類や咀 嚼機能に関する条件は異なるもののこれまでの多くの研究と同様の傾向を示すものと思われる。すなわちこれ らの結果は,臼歯部での木片の噛みしめによりなどでの筋力が増加したとし,顎運動は随意運動であり,その 運動の調整は四肢の骨格筋運動と同様,大脳皮質中心前回に存在する運動領に深く関係しているため,運動領 の興奮が著明な場合には容易に他部に興奮が拡延し,延髄網様体部における全身の骨格筋緊張に関与する細胞 活性を高めるため,全身の筋力を増大するとした報告[5],運動ニューロンプールの興奮性の指標である Hoffman 反射を用いた実験で,咬合が脊髄運動ニューロンの興奮性を亢進させるとした報告[6, 8]を支持する ものと考えられる。 これは,人の全力運動は,常に全身の機能的な協力を必要としていること[10],通常の弱い運動では活動し ない筋も,強い運動ではアクセサリーマッスルとして活動すること[11],身体各部の筋肉で最大筋力を発揮す るには,咬筋や胸鎖乳突筋など顔面頸部周囲の筋の協力が必要であること,すなわち歯を食いしばって,同時 に背筋にも力が入っている状態が必要とされていること[12]35)なども報告されている.また,三叉神経中脳路 核ニューロンの中枢突起の投射には第一および第二頸椎の前角に終わるものがあるとし,この神経系を介して 咬合が頸部の筋,特に僧帽筋および胸鎖乳突筋にも影響するとした報告[13]もある.さらに,顎運動あるいは 噛みしめは,全身の関節の相反性神経支配Ⅰa 抑制を減弱させ,関節を動きにくい状態にする[7]とされ,関節 を固定するような運動に有効とされていることなどが要因として推測される.さらに,Jendrassik 効果:ある 筋を随意的に収縮させると遠隔筋の腱反射が増強する現象,バルサルバ効果(Valsalva maneuver,いきむ(息 む):動作で呼吸が止まり,筋緊張が起こることで普段より筋力が発揮できる生理的な現象のような機構が働 いている可能性もあるものと思われる。 また,大川ら[14]が述べているように,サッカーのキック時の咀嚼筋の活動は,下肢の筋の興奮性を亢進し, より強いキック力を発揮するための生理的反応と推測し,このキック時の咀嚼筋の活動の意義として,頭部の 固定作用があり,頭部の固定により視線の安定化,体のバランスの安定化が得られ,正確なスポーツ動作を行

(7)

う一助を成しているのではないかと考えられるとした報告,同様にバッティング時及びピッチング時における 明らかな咀嚼筋筋活動の発現が,被験者全員に認められ,運動動作の強弱に同調して,咀嚼筋筋活動も変化した とした報告[15]などを考え合わせると,運動,スポーツと咀嚼筋機能との間には密接な関連があることが推測 される。これらの事より,正しい咬合の維持確立の重要性がスポーツ,運動機能の上からも再確認された。ま た,カリエス,外傷等による顎口腔系へのダメージは従来歯科で行われる適切な治療,指導はもとより,外傷 予防効果の高い適切なマウスガードの使用,普及による外傷の軽減に対するスポーツ歯科の役割は今後ますま す重要になるものと思われる。 Ⅴ.まとめ ガム咀嚼の膝関節の伸展時および屈曲時の筋力に与える影響について検討を行ったところ以下の知見を 得た。 1. 膝伸展,屈曲力とも 5 分間のガム咀嚼によりその値は増加する傾向であったが,伸展時にはその影響 がより大であった。 2. 測定時に咬合を行ったことを自覚している被験者は咬合を自覚していない被験者に比べ,伸展,屈曲 筋力,ガム咀嚼前およびガム咀嚼後のいずれにおいても大きな値を示す傾向であった。 3. 普段のガム咀嚼時間の長い(5 分以上)被験者は短い被験者に比べて,同様に伸展,屈曲筋力,ガム咀 嚼前およびガム咀嚼後のいずれにおいても大きな値を示す傾向であった。 Ⅵ.文献 [1] 大川周治,篠原希和,橋原真喜夫 足. 咀嚼筋機能に関するスポーツ医学的解析 : バレーボール及び ハンドボール選手の場合. 顎機能誌 1994; 1: 33-44. [2] 鶴身暁子, 田中昌博, 川添堯彬. ベンチプレス動作時における顎口腔機能の様相. 歯科医学 2007; 70: 72-80. [3] 隅田陽介, 上野俊明, 大山喬史. 最大膝関節伸展運動に関連した咬筋の筋電図活動. スポーツ歯学 2004; 7: 43-51.

[4] Asano T, Kawara M, Suzuki H, et al. Masticatory Muscle Activities during Snatch Weightlifting. International Journal of Sports Dentistry 2009; 2: 033-40.

[5] 河村洋次郎,藤本順三,船越正也ほか. “かみしめ”により生じる身体機能変化に就いて. 阪大歯学

誌 1956; 1: 47-58.

[6] Miyahara T, Hagiya N, Ohyama T, et al. Modulation of human soleus H reflex in association with voluntary clenching of the teeth. Journal of neurophysiology 1996; 76: 2033-41.

[7] 高田典孝. 噛みしめ時におけるヒト前脛骨筋 H 反射の促通とヒラメ筋に対する相反性 Ia 抑制の減弱.

(8)

[8] 高橋一衛 圓, 佐藤孝雄,久光正. 噛みしめがヒラメ筋 H 反射の促通に及ぼす影響. 昭和医学会雑誌 1999; 59: 535-42.

[9] 内藤祐子 高, 室増男,松本高明,渡辺剛,市川公一. スポーツ選手の顎口腔機能について(第 2 報). 国

士館大学体育研究所報 1999; 16: 35-40.

[10] 覚道幸男. 歯と口腔の臨床生理. 京都 1966; 永末書店: 536.

[11] RJ L. The muscle of the head and neck last Rev Dent J 1955; 5: 338-54.

[12] 田中直史. 頚部周囲筋と咬合との相関. 全身咬合 1994; 1: 127-31. [13] 中村嘉男. 咀嚼筋からの求心性インパルスによる顎および舌運動の神経機構. 口病誌 1973; 40: 1-16. [14] 大川周治,篠原希和,橋原真喜夫ほか. 咀嚼筋機能に関するスポーツ医学的解析. 顎機能誌 1994; 1: 33-44. [15] 大川周治. 咀嚼筋筋活動とスポーツにおける全身運動との関連性 プロ野球選手の場合. 共済医報 1997; 46: 34-40.

(9)
(10)

図2:ガム咀嚼前後での伸展,屈曲力の比較

0

20

40

60

80

100

120

140

咀嚼前

咀嚼後

咀嚼前

咀嚼後

伸展

屈曲

15.0%↑ 3.9 %↑

(kgf)

(11)

0

20

40

60

80

100

120

140

咬合無

咬合有

咬合無

咬合有

咬合無

咬合有

咬合無

咬合有

咀嚼前伸展

咀嚼後伸展

咀嚼前屈曲

咀嚼後屈曲

図3:施行時咬合の有無での比較

10.9%↑ 0%↑ 12.1%↑ 9.0%↑

(kgf)

(12)

(kgf)

図4:ガムを噛む時間での比較

0

20

40

60

80

100

120

140

5分以下

5分以上

5分以下

5分以上

5分以下

5分以上

5分以下

5分以上

咀嚼前伸展

咀嚼後伸展

咀嚼前屈曲

咀嚼後屈曲

20.4%↑ 30.6%↑ 16.2%↑ 22.0%↑

参照

関連したドキュメント

ABSTRACT: To reveal the changes of joint formation due to contracture we studied the histopathological changes using an exterior fixation model of the rat knee joint. Twenty

averaging 後の値)も試験片中央の測定点「11」を含むように選択した.In-plane averaging に用いる測定点の位置の影響を測定点数 3 と

UVBVisスペクトルおよびCDスペクトル を測定し、Dabs-AAの水溶液中での会へ ロ

参照規格例 ISO 2909 ASTM 2270 ASTM D 2532 ASTM D 445 JIS K 2283 など. ● ワックス、レジンの温度

出来形の測定が,必要な測 定項目について所定の測 定基準に基づき行われて おり,測定値が規格値を満 足し,そのばらつきが規格 値の概ね

の改善に加え,歩行効率にも大きな改善が見られた。脳

(3)各医療機関においては、検査結果を踏まえて診療を行う際、ALP 又は LD の測定 結果が JSCC 法と

運航当時、 GPSはなく、 青函連絡船には、 レーダーを利用した独自開発の位置測定装置 が装備されていた。 しかし、