各種口腔ケアの効果に関する検討
口腔常在菌数を指標として
第1報 含嗽剤の薬剤効果
茂 木
司, 笹 岡 邦 典,
口 有香子
根 岸 明 秀, 橋 本 由利子, 外 丸 雅 晴
要 旨 【背景・目的】 口腔に存在する多数の常在菌は局所的疾患の原因となるだけでなく, 全身的障害をも引き起 こす. そのため, 口腔ケアは全身疾患予防の観点から重要視されている. 今回, 各種含嗽剤による口腔常在菌 数減少効果について検討した. 【対象と方法】 常成人 21名に対し, 含嗽前の唾液, および 7%ポビドン ヨード 30倍希釈液, 薬用リステリン (青色) 原液, 薬用クールミントリステリン (黄色) 原液, おのおの 30mlを,15秒間口腔内に貯留後の唾液を検体とし,一般細菌,カンジダの培養後,含嗽剤作用前後のコロニー 数を比較した. 【結 果】 一般細菌は, 含嗽前では全例から検出されたが, 含嗽後では 69∼93%で減少した. カンジダは, 含嗽前では 27∼47%に検出され, 含嗽後では 25∼88%で減少していた. いずれも薬用リステリ ン (青色)の減少率が高かった. 【結 語】 含嗽剤を口腔に貯留することにより,一般細菌,カンジダを減少 させる効果が認められ, 特に薬用リステリン (青色) の効果が高かった.(Kitakanto Med J 2007;57: 239∼244) キーワード:口腔ケア, 含嗽剤, ポビドンヨード, 薬用リステリン , 口腔常在菌 は じ め に 口腔には多数の常在菌が生息しており, 生体に対し全 身的, 局所的, あるいは直接的, 間接的に各種の影響を与 えている. 全身的疾患としては歴 的にはまず, 病巣感染があげ られるが, 本疾患の原因としてはかなり以前より口腔常 在菌の直接的, あるいは間接的関与が強く えられてい る. また, 重篤な感染症の一つである心内膜炎は口腔常 在菌が直接関与しているとの え方が支配的である. さらに, 近年, 高齢, 糖尿病, 副腎皮質ステロイド剤や免 疫抑制剤の 用などによる易感染性宿主が増加してお り, このような易感染性宿主では通常は病原性のみられ ない口腔常在菌が原因となって各種の全身感染症, およ び各種の全身的, ならびに局所的障害を引き起こすこと が明らかになってきている. 一方, 局所的には, 口腔常在菌のあるものはう , 歯周 病, 口臭, カンジダ症などの原因となっている. 以上から, 口腔常在菌に対する対策, すなわち口腔ケ アが重要となる. 口腔清掃としてのブラッシングは主に, 口腔の局所的疾患対策として教育的配慮も含めて古くか ら行われてきたが, 前述のような知見の集積からブラッ シングを含めた口腔ケアは, 今や口腔の局所的疾患対策 としてのみならず, 口腔常在菌による全身疾患予防の観 点から重要視されるに至っている. そのため, 著者らは, 各種口腔ケアの方法別に口腔常 在菌数を減少させる効果を比較, 検討した. 目 的 各種含嗽剤の薬剤そのものの作用による口腔常在菌数 を減少させる効果を検討する. 対象と方法 対 象:全身的に 康で, 口腔内にはとくに歯周病など の疾患のない成人で, 研究に同意した 21名とした. 1 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学大学院医学系研究科医科学専攻臓器病態制御系病態腫瘍制御学講座顎口腔科学 2 群馬県伊勢崎市山王町2020-1 東京福祉大学社会福祉学部 3 群馬県高崎市中居町3-19-2 黒沢病院歯科 平成19年5月17日 受付 論文別刷請求先 〒371-8511 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学大学院医学系研究科顎口腔科学 茂木 司方 法:コントロールとして, 日中, 安静時に自然唾液 を採取する (検体 1).次に以下の 3種類の含嗽剤,すなわ ち 7%ポビドンヨード 30倍希釈液, 薬用リステリン (青色) 原液,薬用クールミントリステリン (黄色)原液, おのおの 30mlを, 15秒間口腔内に貯留後, 吐き出し, 一 度, 水道水で洗口の後, 自然唾液を検体として採取する (検体 2). 一般細菌に対する検討としては, 検体 1, 2をそれぞれ 滅菌生理食塩水で 10 倍に希釈し, これら希釈した検体 0.1mlを, それぞれ血液寒天平板上に 一に塗布する. そ の後, 37℃にて 24, 48時間, 好気的に培養後, 細菌のコロ ニー数を肉眼で観察,その数をカウントし,1mlあたりの Colony Forming Unit (CFU/ml) として表示し, 両者間 で比較する. カンジダに対する検討としては, カンジダ GS培地に コントロール (検体 1) と薬剤作用後の検体 (検体 2) と を希釈することなく,その 0.1mlを直接,それぞれ 一に 塗布し, 一般細菌の場合と同様に培養後, それぞれのコ ロニー数を肉眼で観察, カウントし, CFU/mlとして表 示し, 両者間で比較する. 結 果 (表 1, 2) 1.7%ポビドンヨード30倍希釈液 一般細菌:コントロールでは, 13例中 13例全例に細菌 が検出された. 薬剤を口内に含んだ後に細菌数減少のみ られた症例は 9 例 (69.2%) であった. 平 減少率は 1/ 5.06 (最大減少率 : 1/10.6, 最小減少率 : 1/1.13) であっ た. 不変例はみられず, 増加例は 4例 (30.7%) であった. カンジダ:コントロールでは,13例中 4例 (30.7%)に細 菌が検出された. 薬剤を口内に含んだ後に細菌数減少の みられた症例は 3例 (75%), 平 減少率は 1/2.04 (最大 減少率 : 1/10, 最小減少率 : 1/1.42) であった. 不変 1例, 増加はみられなかった. 2.薬用リステリン (青色)原液 一般細菌:コントロールでは, 15例中 15例全例に細菌 が検出された. 薬剤を口内に含んだ後に細菌数減少のみ られた症例は 14例 (93.3%) であった. 平 減少率は 1/ 4.10 (最大減少率 : 1/21.9, 最小減少率 : 1/1.02) であっ た. 不変例はみられず, 増加例 1例 (6.6%) であった. カンジダ:コントロールでは 15例中 7例 (46.6%), 薬剤 を口内に含んだ後は 8例に検出された. 薬剤を口内に含 んだ後に細菌数減少がみられた症例は 7例 (87.5%) で あった. 平 減少率は 1/11.57 (最大減少率 : 1/8. 32, 最 小減少率 : 1/1.3) であった.不変 0例,増加 1例 (12.5%) であった. 3.薬用クールミントリステリン (黄色)原液 一般細菌:コントロールでは, 15例中 15例全例に細菌 が検出された. 薬剤を口内に含んだ後に細菌数減少がみ られた症例は 13例 (86.6%) であった. 平 減少率は 1/ 5.77 (最大減少率 : 1/16.7, 最小減少率 : 1/1.53) であっ た. 不変 0例, 増加 2例 (13.3%) であった. カンジダ:コントロールでは,15例中 4例 (26.6%)に細 菌が検出された. 薬剤を口内に含んだ後に, 細菌数減少 がみられた症例は 1例 (25%) であった. 不変 1例, 増加 2例 (50%) であった. 察 口腔ケアの目的と種類・内容について:口腔ケアはう 予防の一環としての口腔清掃, 歯みがき (ブラッシング) として, 小児の生活習慣形成における教育面からも行わ れ, また, 成人では主にう 予防, 歯周病予防と治療, 口 臭治療などを目的として古くから行われてきた. 表1 薬剤効果の検討 (一般細菌) 薬 剤 薬剤作用前細菌検出率 (コントロール) 薬剤作用後 細菌数減少 平 減少率 最大減少率 最小減少率 細菌数不変 細菌数増加 7%ポビドンヨード (30倍希釈) 13例/13例 (100%) 9 例/13例(69.2%) 1/5.06 1/10.6 1/1.13 0例/13例(0%) 4例/13例(30.7%) 薬用リステリン (青色) 15/15 (100) 14/15(93.3) 1/4.10 1/21.9 1/1.02 0/15(0) 1/15(6.6) 薬用リステリン (黄色) 15/15 (100) 13/15(86.6) 1/5.77 1/16.7 1/1.53 0/15(0) (13.3)2/15 表2 薬剤効果の検討 (カンジダ) 薬 剤 薬剤作用前細菌検出率 (コントロール) 薬剤作用後 細菌数減少 平 減少率 最大減少率 最小減少率 細菌数不変 細菌数増加 7%ポビドンヨード (30倍希釈) 4例/13例 (30.7%) 3例/4例(75%) 1/2.04 1/10 1/1.42 0/0 0例/4例(0%) 薬用リステリン (青色) 7/15 (46.6) (87.5)7/8 1/11.57 1/8.32 1/1.3 0/0 (12.5)1/8 薬用リステリン (黄色) 4/15 (26.6) (25)1/4 1例/4例(25%) (50)2/4 ※コントロールの検体では検出されず, 薬剤作用後, 新たに検出された 1症例を含む.
近年, 社会の高齢化とともに, 高齢者が罹患しやすく 致死率の高い疾患である肺炎に対する対策が急務となっ ている. 高齢者の肺炎の多くは嚥下機能の低下による口 腔常在菌の誤嚥が原因とされている. 本疾患の予防には 口腔ケアが有効なことが報告され, 口腔ケアは局所的疾 患のみならず, 全身疾患に対する予防効果をも有するこ とが認識され, にわかに口腔ケアに対しての関心が高 まっている. 口腔ケアの内容:広義には口腔を咀嚼器官として 常に 維持させる行為, すべてが含まれるが, 狭義には各種の 方法によって歯面・舌背・口腔粘膜など,口腔全体の清掃 を行い, 口腔内を清潔な状態に保ち, また, う , 歯周病, 口臭などの予防, 治療を行うことを意味している. この 中には, 一般的口腔ケアとして通常, 個人が生活の一部 として行う歯みがき (ブラッシング), 舌背の清掃, 水や 薬剤での含嗽があり, 歯面のプラーク除去, 口腔内常在 菌数の減少を目的としている. 他に, 歯面のバイオフィ ルム, 歯石などのブラッシングなどでは除去できない細 菌巣を除去する目的の口腔ケアは, 歯科医師, 歯科衛生 士などの専門家により特殊な器具を って行われ, 専門 的口腔ケアと呼ばれている. 狭義の口腔ケアが必要とされる理由:口腔は唾液が常に 流出することによる機械的な自浄作用が行われているこ との他に, 唾液中に各種の抗菌性物質が含まれているこ と, さらに, 常在菌が細菌叢を形成していることから, 外 界から侵入する新たな細菌に対する防御機構となってい る. しかし, 何らかの原因で唾液量が減少すると, 自浄 作用の低下とともに, 唾液, 痰などが粘稠度を増し, 粘性 の高いゲル状態となり,さらには固形になり固着する. 歯面のエナメル質に関しては, これはほとんどが無機質 からなり, 生きた細胞は存在しないため, 生体の防御機 能は全く働かず, 逆に細菌のリザーバーとなっている. 舌背については, 舌背の長い, 角化した糸状乳頭は舌苔 を形成し, ここに多数の細菌が棲息している. また, 歯面 には歯垢, バイオフィルム, 歯石が形成され, 消毒薬など が作用しにくい環境すら形成している. これらの諸点 が歯面, 舌背, 口腔粘膜に対しての清掃, すなわち一般的 ならびに専門的口腔ケアを必要とする所以である. 口腔ケアの対象:対象は乳幼児, 小児, 学童, 康成人, 高齢者, 口内に のある患者, あるいは癌などの疾患を 有する口腔外科的, あるいはシェーグレン症候群などの 口腔内科的疾患患者, 各種全身疾患患者, 放射線治療中 の患者, 人工呼吸器装着中の患者など, 経口摂取中, ある いは非経口摂取の患者まで, 非常に幅広く, これらの異 なった対象毎に, きめ細かな対策がなされなくてはなら ない. 口腔ケアの目標:現在, 口腔内の常在菌数をある程度, 減少させることにより肺炎を高率に予防できることがわ かっているが, 未だ口腔ケアのための口腔内の細菌学的 清潔度レベルに関する明らかな目標値は設定されていな い. 理想的には一見, 生体に有害な細菌のみを減少させ ることが望ましいとも えられるが, このような事は不 可能であるので, 口腔ケアによって達成されるべき口腔 内の清潔度レベルについては難しい問題があると えら れる. 即ち, 第一に口腔ケアによって生体に本来備わっ た防御力を低下させてはならないし, バランスのとれた 常在菌叢を破壊してはならない. また, これを維持する という問題もある. しかし, 逆に, これまで口腔ケアをし すぎての弊害というものは, 歯ブラシによる口腔粘膜の 外傷以外にはとくに経験されていないし, 報告もないよ うである. 口腔ケアの対象となる口腔の器官と清掃方法:機械的清 掃がある程度可能である歯の咬合面, 隣接面や可撤性義 歯を除き, 生理的歯肉溝, 歯周病のポケット, 埋伏歯に関 しては, とくに埋伏智歯周囲, 舌背部, 歯冠補綴物, 口蓋 扁桃を含む各種扁桃などは, 解剖学的に複雑な形態をし ており, これを機械的に清掃する事は全く不可能と え られる. そのため, 常在菌を減少させる方法としては, 機 械的な方法よりは, 薬剤を口に含むことや, 含嗽により, 口腔内すみずみにまでくまなく薬剤を行き渡らせ, その 薬剤効果により, 殺菌することが理想的と えられるが, 現在, 理想的な薬剤は存在しない. 今後, 有用な薬剤, 方法の開発が期待されるわけである. しかし, 薬剤を口 腔内すみずみまで行き渡らせる方法とても, 口腔に続く 上咽頭, 下咽頭まですべてに薬剤を行き渡らせることは 不可能であり, 自ずから限界がある. また, 薬剤の内服に より血流から薬剤を運ばせる方法も えられるが, 歯面, 舌背の長い糸状乳頭部には血流は存在しないため, 目的 を達することはできない. また, 口内の細菌を全て殺滅 させることができたとしても, それが最良とは全く言い 難く, 多くの困難な問題が存在している. 検討した含嗽剤について:含嗽剤は各種存在するが, 今 回は一般的に用いられている 7%ポビヨンヨード 30倍 希釈液, 薬用リステリン (青色) 原液, 薬用リステリン (黄色) 原液の 3種類を検討対象としてとりあげた. 他の含嗽剤, 洗口剤, お茶に含まれるタンニンについて, 検討している著者もみられる. これら含嗽薬剤に関しては, 細菌に対する効果は重要 であるが, これ以外に実際の 用に際しては薬剤アレル ギー, 粘膜刺激, 用者の味, 匂いに対する好みなどの問 題があると えられる. ポビドンヨードに関しては, ヨード製剤の殺菌力は消 毒薬の効果水準としては中等度と, かなり高レベルであ り, 各方面で頻用されている. しかし, ヨード過敏症の
人, 甲状腺機能亢進症の人には 用できないという問題 があり, また, 味に関しては個人により不快感を生じる ことや, 粘膜刺激の問題も存在する. 薬用リステリン (青色)はアメリカ歯科医師会 (ADA) 歯科治療委員会によってプラークと歯肉炎を抑制する洗 口液と認定されており, 薬用クールミントリステリン (黄色) も同様に抗菌作用を有するとされている. こ れら 2種類の薬用リステリン の殺菌効果は含有成 で あるチモール, メントール, ユーカリプトールとサリチ ル酸メチルによると えられている. これらの成 については, 口腔常在菌に対して強い殺 菌能, プラーク沈着を抑制する効果, 歯周炎の発生予防 効果, 歯科治療中の菌血症の発症の抑制, ならびに特定 のウイルスの不活性化効果が報告されている. これまで, 薬用リステリン の 2種類は口腔の局所的 疾患である歯周疾患などに対しての 用が主であったた め, その方向からの検討はなされてきたが, 嚥下性肺炎 防止を目的としての効果の検討はみられなかった. し かし, これらの薬剤は, プラーク形成に関係する細菌の 増殖を抑えることから, 十 に口腔常在菌の数を減少さ せる効果を有すると予測されたが, 著者らの実験におい て, 2剤共, 有効であるとの結果であった. これら 2種類の薬用リステリン についても, 個人的 な味, 匂いの好みや粘膜刺激性の問題があり, 用に当 たっては 慮しなくてはならないと えられる. 研究結果と 察 自然唾液からの細菌検出率:一般細菌に関して, 3剤の 検討の際のそれぞれのコントロールの検体に対しての細 菌検出率は, ポビドンヨード, 薬用リステリン (青色), 薬用リステリン (黄色) について, それぞれ 13例中 13 例全例, 15例中 15例全例, 15例中 15例全例と, 全て 100%であった. カンジダに関して, 3剤のコントロールの検体につい ての細菌検出率は, ポビドンヨード, 薬用リステリン (青色), 薬用リステリン (黄色) の場合の順にそれぞれ 4例/13例 (30.7%), 7例/15例 (46.6%), 4例/15例 (26.6%) と, 最小 26.6%から最大 46.6% (平 34.6%) の 検出率であった. これは従来の報告と一致している. 一般細菌数を減少させる効果:コントロールとしての含 嗽剤を口内に含む前に採取した検体と, 含嗽剤を口内に 含んだ後採取した検体との間で, 培養後のコロニー数を 比較検討した. 効果の程度を知る方法として, 1つは細菌 数減少のみられた症例の割合を比較検討した. 他に, 細 菌数の減少率として平 減少率, 最大減少率, 最小減少 率を検討した. その理由は, 細菌数の変動が大きいため, 単純に平 値による比較では意味がないと えられたた めである. 効果の強さを比較すると, ポビドンヨード 69.2%, 薬 用リステリン (青色)93.3%,同 (黄色)86.6%と,薬用リ ステリン (青色) は最大の効果を示した. これを平 減 少率で検討すると,薬用リステリン (黄色)1/5.77,ポビ ドンヨード 1/5.06, 薬用リステリン (青色) 1/4.10の順 であった. 薬剤作用後, 逆に細菌数が増加した症例は, ポ ビドンヨード 4例 (30.7%), 薬用リステリン (青色) 1 例 (6.6%), 薬用リステリン (黄色) 2例 (13.3%) と, こ の点でも薬用リステリン (青色) の効果が最大であっ た. 最大減少率は薬用リステリン (青色) は 1/21.9 と最 大であった. 以上, 細菌を減少させる効果の点でも本剤 が最大の効果を有するように思われた. カンジダを減少させる効果:3剤すべてにおいて各薬剤 を口に含んだ後はコントロールに比し, 細菌数が減少し た. その効果の程度を比較すると, 薬用リステリン (青 色) は 87.5%と最大で, 次いでポビドンヨード 75.0%, 薬 用リステリン (黄色) 25.0%の順であった. 平 減少率については, 薬用リステリン (黄色) は検 討できなかったが, 薬用リステリン (青色) は, 1/11.57 と最大で, ポビドンヨードは 1/2.04であった. このように, 一般細菌, カンジダ共に, 3種の含嗽剤を それぞれ 15秒間口腔内に静かに貯留し, 吐き出した後 に, 両者の細菌数の減少がみられたことは, これらの含 嗽剤の薬剤効果と えられた. 以上から口腔内の細菌数を減少させる効果の点におい て, 薬用リステリン (青色) 原液は一般細菌, カンジダ 両者に対し, 最大の効果を有すると えられた. 薬用リ ステリン (黄色) は, とくにカンジダに対し効果が低 かったが, カンジダの検出される症例は少ないため, さ らに多くの症例による検討が必要と思われた. 謝 辞 細菌培養を担当していただいた臨床検査技師, 都丸ま ゆみ氏に深謝致します. 論文作製にお手伝いいただいた 小澤果梨氏に御礼申し上げます. 文 献 1. 石川梧朗, 秋吉正豊 : 歯性病巣感染. 石川梧朗, 秋吉正豊 監修 : 口腔病理学 I. 京都 : 永末書店 1982: 544-550. 2. 内藤博之,田口淳一 : 感染性心内膜炎と歯科治療.日口腔 感染症会誌 2006; 13: 18-20. 3. 北村正博 : 全身から歯周へ, 歯周から全身へ. 大歯会報 2001; 4: 12-24.
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The Study on the Oral Bacteria Decreasing Effect
of Various Oral Care M ethods:
The Drug Efficacy of Gargle Solutions
Kenji Mogi,
Kuninori Sasaoka,
Yukako Higuchi,
Akihide Negishi,
Yuriko Hashimoto,
and Masaharu Tomaru
1 Department of Stomatology and Maxillofacial Surgery, Subdivision of Oncology, Division of Biosystem Medicine, Course of Medical Science, Gunma University Graduate School
2 School of Social Welfare, Tokyo University of Social Welfare 3 Department of Dentistry, Kurosawa Hospital
Background and purpose: A lot of bacteria which are in the oral cavity cause not only local diseases but also systemic diseases. Therefore oral care is regarded as important from the viewpoint of systemic disease prevention. In this paper, we investigated the oral bacteria decreasing effect of various gargle solutions. M aterials and methods: Twenty-one healthy volunteers were applied to the following examination. We used 3 gargle solutions-30 times diluted 7% povidone-iodine,undiluted Listerine and undiluted cool mint Listerine . Saliva was harvested as specimen before and after 15 seconds gargle with 30 ml of each gargle solution,and cultured. The number of bacteria and Candida colonies detected were compared. Results: Oral bacteria were detected in all specimens before gargle, and decreased in 69-93% of specimens after gargle. Candida were detected in 27-47% of specimens before gargle, and decreased in 25-88% of specimens after gargle. A rate of decline of oral bacteria and Candida was highest with undiluted Listerine . Conclusions: The gargle solutions were effective in decreasing oral bacteria and Candida and Listerine had the highest drug efficacy.(Kitakanto Med J 2007;57: 239∼244)