第17回群馬小児がん研究会抄録
日 時:平成 20年 8月 22日 (金)
会 場:前橋商工会議所会館 3階 Lilyの間
当番幹事:畠山 信逸(群馬県立小児医療センター放射線科)
特別講演>
座長:畠山 信逸(群馬県立小児医療センター放射線科)
MRIを 用したがん診断 ―PET-CTと比較して―
堀越 浩幸先生(群馬県立がんセンター
放射線診断部 部長)
一般演題>
座長:宮脇 修一(群馬県済生会前橋病院 内科)
1.造血幹細胞移植を受ける児の母親の心情の変化と看
護の検討
本 梢(群馬大医・附属病院・
小児成育医療センター)
造血幹細胞移植を行う際, 児は無菌室での治療となり,
母子 離が余儀なくされる. 今回, 造血幹細胞移植を受
ける乳児の母親の治療中の心情を評価し, 必要とされる
看護について検討した. 9 ヶ月の乳児白血病の児の母親 1
名を対象とし, 練習入室前∼退室後 1週間を区切り, 心
理測定尺度・自由記載を用いて気持ちの変化を評価した.
今回の結果より, 母親の感情は, 児の状態に左右され
ることを理解し, 援助していくことが必要であると え
られた. また児の状態に集中することで, 自 に対する
ケアに注意が払えなくなることが明らかになり, 母親の
体調にも気遣いながら援助していくことが重要であると
えられた. さらに, 母親も看護援助の対象とし, 無菌室
に入室してもらうことが児の成長・発達においても重要
であること等が明らかとなった.
2.親友の死を経験した患児への援助
石川 陽子(群馬大医・附属病院・
小児成育医療センター)
当病棟には小児がんの治療を受けている患児が多数入
院しており, 治療は長期に及ぶことが多く, 仲良くなっ
た他児が亡くなるケースは少なくない. 化学療法や放射
線療法などの治療を受けている子どもたちが, 自 と似
た境遇の友人の死に直面した場合の精神的ショックや,
後の闘病生活に対する意欲の減退の可能性を医療スタッ
フや家族が危惧し, 友人の死を知らせずに隠すことが多
い現状がある.
本事例も, 家族の意向を確認した上で, 当初は友人の
死を知らせずにいたが, 患児は医療者や家族の様子を敏
感に捉え, 友人の死を感じ取る様子が見られたこともあ
り, 数か月後に事実を伝えることになった. 年齢でみた
一般的な死の概念と友人の死を知らせる方法, 知らせた
後のサポート方法, 課題を明らかにすることを目的とし,
研究を行ったので報告する.
3.化学療法中の口腔ケアの再検討 ―生理食塩水含嗽
への変 に向けて家族の気持ちを える―
大須 智恵,黒岩 徹,大石 奈櫻
飯塚もと子
(群馬県立小児医療センター 第三病棟)
木下 樹 (同 歯科)
外 学 (同 血液腫瘍科)
【諸 言】 血液腫瘍患児のオーラルケアで特に重要なの
は, ブラッシングによるプラークコントロールである.
最近では, ブラッシングを徹底することで, 安易に含嗽
剤を用いないという方針の施設が増加している. 当科で
は, 食後のブラッシングとイソジンガーグル含嗽を実施
してきたが, 昨年度の研究において, 口腔衛生管理につ
いて患児・家族・看護師の意識と手技の向上を図ること
で, より質の高い, 効果的なオーラルケアの実践を確立
することができた. 今回, 含嗽剤を中止することに対す
る家族の不安に配慮しながら, イソジンガーグル含嗽か
ら生理食塩水含嗽への変 が実施できたので報告する.
【対 象】 化学療法施行中の患児 (1歳∼18歳の 9 名)
ALL : 4名, 肝芽腫 : 1名, 横紋筋肉腫 : 2名, 腎芽腫 : 2
名 【倫理的配慮】 研究への参加は自由意志であり, 個
人が特定されないよう配慮することを紙面にて説明し,
患児または家族の同意を得た. 【方 法】 毎食後のブ
ラッシングは, 含嗽剤変 に関わらず, 同様に継続し含
303
Kitakanto Med J
2009;59:303∼305