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社会的スキルを向上させる体育科授業の実践

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Academic year: 2021

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(1)社会的スキノレを向上させる体育科授業の.実践. 1.問題と自的. 専  攻. 教育実践高度化. コ 一 ス. 小学校教員養成. 学籍番号.   M07342F. 氏  名.    松本博史. 響を与えているのだろうか。.   文部科学省によると平成20年度の不登校児.  これについて青木邦男が運動部所属群は無 所属群および文化部所属群よりも有意に高い. 童生徒が在籍する学校の割合は小学校では. 社会的スキル得点を示すという結果を明らか. (1)社会的スキルについて. 42.9%,中学枝では85.0%と高い数値となって. にした。このことより運動によって社会的スキ. おり,非常に深刻な問題であると言える。. ルが向上すると考えられる。.   そのような不登校児章生徒の傾向としてr対 人場面において、個人が相手の反応を解読し、. (3)本研究について. それに応じて対人目標と対人反応を決定し感.  本研究は体育科授業の中で3つの基本体験の 不足を補うプログラムを行い,その前後で社会. 情を統制したうえで対人反応を実行するまで の循環的過程」と定義される社会的スキルが不. 的スキルがどのように変化するかということ.  足しているということが明らかになっている。. を明らかにすることを目的とする。. また,社会的スキルが不足している要因として,  r被受容体験」,「がまん体験」,r群れ合い体験」. の3つの基本体験の不足が挙げられている。そ  ごて,これらの基本体験の不足を補い,社会的. スキルを向上させるソーシャルスキルトレー ニングが学校を含め様々な場所で取り入れら れている。中でも横浜市教育委員会ではr子ど  もの社会的スキル横浜プログラム」として学校. 2.方法 (1)調査対象. 伊丹市立A小学校2年3組29名(男子15名,女  子14名) (2)調査時期. 平成21年2月3目から3月3目(計6回). 現場での社会的スキル育成の具体的なプログ ラムを作成し各学校で実践さ札でいる。. (3)各プログラムについて.   しかし,どのような取り組みによって社会的.  本研究では社会的スキルを向上させる取り組. スキルがどう変化するかという研究は現在の  ところ多くない。特に,質問紙を用い数値によ って明らかになる社会的スキルの変化に関す. みとして以下3種類の活動を各2回すっ,準備 体操の後,約15分行った。これらは3つの基本 体験の不足を補うものとして「子どもの社会的. る研究は少ない。したがって,具体的にどのよ. スキル横浜プログラム」でも行われている。.  うな取り組みが社会的スキルに影響を及ぼす かということを明らかにする研究は非常に有 意義なものと考えられる。. i)こおり鬼  鬼になった人は,逃げている人をタッチする。 タッチされた人はその場で氷になり動かない。. (2)運動と社会的スキルの関連について. 凍っていない人が「あったかパワー」と言って 凍っている人の背中を10回さチると再び動ける.  運動は心の健康についても有効と考えられて. ようになる。助けてもらった人は「ありがとう」. いる。体育科の学習指導要領の中でもr心と体. と伝える。その問,鬼はタッチできない。. を一体としてとらえ」ることが明記されている。. ii)輸くぐりリレー. では,具体的に運動は心のどのような部分に影.  8∼10人のグル』ブで,手をつなぎ,そのまま. 一538_.

(2) 考えられる。それでも実践後に「投げやり・ア. 体全体を使って輸(フラフープ)くぐりをするげ iii)人問ちえの輸. パシー群」が2名減少し’,「いきいき群」に分.  孚をつなぎ輸になり,自由に動いてちえの輪. 類される児童が2名増加したことから,今回の. を完成させる。その後,ほどく役の人は指示を. プログラムは社会的スキルを向上させるため. 出しながら元の輪に戻していく。. に有効なものであったと考えられる。.  さらに,社会的スキルの育成状況の変化とし (4)質問紙の内容について. て本研究から分かることは「投げやり・アパシ.  本研究では「子どもの社会的スキル横浜プロ. ー群」から「独りよがり・身勝手群」そして,. グラム」で用いられているrY−Pアセスメント」. 「いきいき群」へと変化していく傾向があると. を使用した。この尺度は自尊感情や自己効力感,. いうことである。したがって,初めに「自分つ. 不安傾向の社会的スキルの土台となる「自分つ. くり」に関する社会的スキルが向上し,その後 「仲間づくり」に関する社会的スキルが向上す. くり」に関するA項目と,かかわりや自己表現,. 共感・配慮のr仲間づくり」r集団づくり」に関. るということが示唆される。今回のプログラム. するB項目の28項目で構成されている。こ机を. はr群れ合い体験」の不足を補うものであり, 「仲間づくり」への影響が大きいと考えられる。. 「そう恩わない」から「そう恩う」までの5件. そのため,「自分つくり」得点が低い「投げや. 法で児童が自己評価を行った。. り・アパシー群」に属する児童では望ましい効 果が得られなかったのではないだろうか。以上. 3.結果と考察. より,社会的スキルを向上させる取り組みを行. (1)平Pアセスメント  「自分つくり」では実践前と実践後でr自尊感. う際には,まず自己形成に関するプログラムを. 情」の得点が16点から18点と2点高くなった。. 取り入れ,その後に他者との関わりが必要とな.  これはこおり鬼で凍った者を助ける際のやり. るプログラムを取り入れることで,望ましい社.  とりで特に効果があったのではないかと考え  られる。また,「仲間づくり」では実践前と実 践後でrかかわり」め得点が23点から24点と. 会的スキルが育成できるのではないだろうか。 (3)まとめと今後の課題.  1点高くなった。これはプログラム全体の特色.  今回行ったプログラムは児童の社会的スキル.  として集団で行う,ルールを守るという点が大. を向上させるために一定の効果があったと考え.  きく影響したのではないかと考えられる。さら. られる。しかし,「投げやり・アパシー群」の中.  に,r自己表現」の得点も21点から23点と2. には社会的スキルがより深刻な状況になった児. 点高くなった。これはこおり鬼の中で助けても. 童もいることから,全ての児童において今回行.  らった際にお礼を言う点や輸くぐりリレ中の. ったプログラムが効果的であるとは言い切れな. 作戦を考える,人間ちえの輸でほどく役として. い。さらに,社会的スキルはあらゆるものから. 言葉で指示しながら輸をほどいていくという 点が影響したのではないかと考えられる。他の. 影響を受け,絶えず変化するものである。した. 得点は変化しなかったが,低下したものがない. よる効果だとは考えられない。プログラムの効.  ことから今回のプログラムによる効果がうか. 果をより明らかにするために,対照法で変化の. がえる。. がって,今回得られた結果が全てプログラムに. 差を比較する等,調査方法の検討が必要である。.  また,今回は社会的スキル得点を算出し,そ (2)社会的スキル育成状況. の得点を基に各グループに分類したが,重要な.  本研究では社会的スキルを向上させるプロ. ことはその結果を基に今後どのような指導を行. グラム実践前の段階で19名が「いきいき群」. うかを決定し実行することである。. に分類された。それだけ研究対象の児童の社会. 的スキル育成状況は望ましいものであったと. 主任指導故員. 一539一. 松下健二.

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